JP5488826B2 - フレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具(固定具)及びこれを使用した画像形成装置 - Google Patents

フレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具(固定具)及びこれを使用した画像形成装置 Download PDF

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Description

本願発明は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)の押さえ保持具及びこれを使用した画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンター、ファクシミリ等の単機能機、複写機能・プリント機能・スキャナ機能・通信機能等の機能を複数有する複合機(多機能機)など各種のものが含まれる。
複写機や複合機のような画像形成装置、或いは各種の電子装置や機器類においてフレキシブルフラットケーブルが多用されている。例えば画像形成装置の場合、画像データの信号等の伝達などに使用されている。このフレキシブルフラットケーブルを通る電流は微弱でデリケートな場合が多く、また、フレキシブルフラットケーブルはアンテナ効果によって電磁波を輻射し、他の機器に対するノイズになる場合がある。
そこで、フレキシブルフラットケーブルはずれ動かないように支持体に固定していることが多い。他方、フレキシブルフラットケーブルは装置のメンテナンスや修理等に際して固定を解除せねばならず、そこで、固定・固定解除の作業も簡単であることが求められる。
そして、フレキシブルフラットケーブルの固定手段として例えば両面粘着テープが使用されているが、これは取付け作業にしても引き剥がしにしても作業が簡単であるとは言えず、また、引き剥がしに伴う衝撃でケーブルを損傷する可能性もある。
他方、ワンタッチ式の押さえ保持具も提案されており、例えば特許文献1には、支持体に粘着テープ等で固定されるホルダー部と、このホルダー部に上から取付けられるアーム部との2パーツ方式のものが開示されている。
また、特許文献2には、画像形成装置を構成するハウジングにフレキシブルフラットケーブルが嵌まる第1の凹部(長溝)を形成することでフレキシブルフラットケーブルのずれ動きを防止し、更に、第1の凹部の一部にその深さを深くした状態の第2の凹部を形成し、第2の凹部の箇所に固定手段を配置することが記載されている。固定手段を所定位置・姿勢に保持する手段としては、磁石を利用することや、固定手段自体の弾性変形を利用して両端を係合溝に差し込むことが開示されている。
特開2009−183133号公報 特開2004−274613号公報
さて、画像形成装置などの電子装置類は部品の小型化・高密度化が進んでおり、フレキシブルフラットケーブルの配置スペースや押さえ保持具の配置フペースも制限を受けることが多い。従って、フレキシブルフラットケーブルの押さえ保持構造はできるだけシンプルであるべきであり、また、押さえ保持具もできるだけコンパクトであるのが好ましい。低コストであることや、着脱を容易に行えることも基本的機能として強く要請される。
しかるに、特許文献1のものは2パーツ方式であるため、嵩張って他の部材の配置の障害になる場合がある問題や、コストが嵩む問題、ホルダー部は粘着テープで固定せねばならないため取付け作業が面倒である問題などがある。
他方、特許文献2の技術は、ハウジングに凹部を形成するものであるため一般性に乏しく、また、固定手段の固定方式として磁石を使用すると、装置の運搬中等において脱落する可能性がある問題があり、万全とは言い難い。他方、固定手段として係合溝への嵌め込み方式を採用すると、固定手段(帯板)を弓なりに撓み変形させてその両端を係合溝に嵌め込むものであるため、いったん装着すると簡単には脱落しないと言えるが、取り外すに際して固定手段を弓なりに撓ませることが厄介であり、このため、取り外し作業に手間が掛かると言える。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は、フレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具とこれを使用した画像形成装置とを含んでいる。請求項1の発明は押さえ保持具に関するものであり、この発明は、板状の支持体上に重ねられたフレキシブルフラットケーブルにこれを横切る姿勢で重ね配置して、前記フレキシブルフラットケーブルからはみ出た一端部と他端部とを前記支持体に設けた係合穴に挿入することにより、前記フレキシブルフラットケーブルを前記支持体に押さえ保持する弾性体製の保持具において、前記一端部と他端部とのうちいずれか一方又は両方を、前記フレキシブルフラットケーブルの長手方向と同じ方向の間隔が狭まるように弾性変形させることで前記係合穴に挿脱可能な係合部と成している。
請求項2の発明は請求項1の発明を具体化したものであり、この発明では、前記フレキシブルフラットケーブルを横切るように延びる2本の線状体からなっており、前記2本の線状体は、前記フレキシブルフラットケーブルを挟んだ一方の側の頂点部において一体に繋がっており、前記頂点部を含む一端部が平面視矢尻形の第1係合部となっている一方、前記両線状体の他端には互いに逆方向に向いた第2係合部が形成されており、前記両線状体の間隔が近づくように窄めることにより、前記両係合部を前記支持体の係合穴に挿脱可能になっている。
請求項3の発明は請求項1又は2を具体化したもので、この発明では、押さえ保持具はばね性を有する金属線材を曲げ加工して製造されている。請求項4の発明は請求項1〜3の発明を具体化したもので、この発明では、前記平面視でフレキシブルフラットケーブルに重なる部分に、前記フレキシブルフラットケーブルに向いて凸の湾曲部が1つ又は複数形成されており、前記湾曲部の下端を、前記フレキシブルフラットケーブルのうち長手側縁部よりも内側の部位に対する当接部と成している。
請求項5の発明は請求項4の発明を好適に具体化したもので、この発明では、前記両線状体の各々に、人が指先を当てることのできる操作部を、前記第1係合部の近傍部でかつ前記支持体の上に位置した部位に形成しており、両操作部を互いに接近するように押すことで前記2本の線状体を互いに近づけることが可能になっている。
請求項6の発明は画像形成装置に適用したものであり、この画像形成装置は、フレキシブルフラットケーブルとこれが重なる板材製の支持体、及び、前記フレキシブルフラットケーブルにこれを横切る姿勢で重ね配置された押さえ保持具とを有しており、前記支持体のうち前記フレキシブルフラットケーブルを挟んだ両側に係合穴が空いている一方、前記保持具は前記支持体の係合穴に挿入される一端部と他端部とを有しており、前記押さえ保持具の一端部と他端部とのうちいずれか一方又は両方を、前記フレキシブルフラットケーブルの長手方向と同じ方向に押し縮めることで前記係合穴に挿脱可能な係合部と成している。
本願発明の押さえ保持具は支持体に設けた一対の係合穴に嵌め込むものであり、支持体には単に2つの係合穴を空ければ足り、フレキシブルフラットケーブルは支持体に重ねた状態のままで良いため、フレキシブルフラットケーブルの押さえ構造はシンプルである一方、押さえ保持具も1パーツでよいため、場所もとらずにコンパクトであり、省スペースに貢献できる。かつ、1パーツで良いため製造コストも抑制可能である。
また、押さえ保持具の係合部は、フレキシブルフラットケーブルの長手方向と同じ方向の間隔が狭まるように弾性変形させることで係合穴に挿脱可能であり、係合穴に対する係合部の抜き差し方向と係合部の間隔が変化する方向とが交叉しているため、押さえ保持具を摘んで係合部の幅を狭める操作を簡単に行うことできる。従って、フレキシブルフラットケーブルの着脱作業も簡単である。
請求項2の構成を採用すると、第1係合部が矢尻形になっているため、当該第1係合部を係合穴に挿入することをごく容易に行える。また、第2係合部は鉤状になっているが、第2係合部は、互いの間隔が狭まるように押さえ保持具を変形させることにより、係合穴に簡単に挿入できる。従って、全体として押さえ保持具を支持体にセットすることを迅速に行え、作業性に優れている。
また、第2係合部を係合穴に挿入したままで押さえ保持具の全体をずらすことにより、第1係合部のみを支持体の係合穴から抜き外すことも可能であり、このため、押さえ保持具を支持体に取付けた状態のままでフレキシブルフラットケーブルを支持体から離反させることができる。このためフレキシブルフラットケーブルの再固定するに際しての手間を著しく抑制できると共に、押さえ保持具の紛失も防止できる。
押さえ保持具は例えば樹脂の成形品としたり板金製品としたりすることも可能であるが、請求項3のように金属線材を材料にして製造すると、適切なばね性を保持しつつ高い耐久性を確保できる。また、コストを抑制することも可能になる。
さて、フレキシブルフラットケーブルは並列配置されたハーネス(ケーブル)の群を表裏両側から樹脂層で被覆して変形を容易なしらめたものであり、例えば、装置のメンテナンスに際して部品を着脱したり動かしたりすると、フレキシブルフラットケーブルと支持体(装置の構成部材)とが相対動し、フレキシブルフラットケーブルの表面が擦られることがある。また、装置の運転によってフレキシブルフラットケーブルに伸びと曲がりの変形が繰り返される場合もあり、この場合もフレキシブルフラットケーブルと支持体とが相対動し、フレキシブルフラットケーブルの表面が擦られることがある。
その場合、フレキシブルフラットケーブルがねじられた状態で支持体と相対動することが多いため、フレキシブルフラットケーブルは、左右中間部よりも長手側縁部が支持体で擦られることが多いと言える。すなわち、フレキシブルフラットケーブルはその長手側縁部が支持体で擦られやすいと言える。
そして、フレキシブルフラットケーブルがその全幅にわたって支持体に押さえ保持されていると、長手側縁部が支持体に強く当たっているため、例えば衣服の裾が擦り切れやすいのと同様に、長手側縁の被覆層は支持体に擦られて損傷を受けやすいと言える。被覆層が擦り取られてハーネスが露出するとショートの原因にもなる。変形を容易ならしめるため被覆層を薄くしたものでは、損傷の危険は一層高くなっていると言える。
他方、本願発明の請求項4のように湾曲部によって長手側縁部よりも内側の部位を押さえると、フレキシブルフラットケーブルが支持体と相対動するに際して長手側縁部が容易に変形する状態になっていることにより、長手側縁が支持体と摺動しても強く当たることはないため、損傷を防止できる。また、フレキシブルフラットケーブルはその長手側縁部が支持体から離れるように容易に変形するため、長手側縁部が支持体に対して摺動することも抑制できるのであり、この面からも損傷を防止できると言える。
請求項4のように押さえ保持具に下向きの湾曲部を形成すると、押さえ保持具には必然的に支持板から上向きに突出した部分が存在するが、請求項5のように、支持板から上に突出した部分に操作部を形成することにより、押さえ保持具のすぼめ操作(或いは間隔狭め操作)をより容易に行うことができる。また、操作部は第1係合部の挿入深さを規制するストッパーとしても機能するものであり、第2係合部を係合穴から外した状態であっても、押さえ保持具が第1係合穴に入り込んでしまうことを防止して再度の固定作業を容易に行える。
本願発明を適用可能な画像形成装置の概略図である。 要部の分離斜視図である。 要部を示す図で、(A)はフリー状態での押さえ保持具の平面図、(B)は窄め切った状態の押さえ保持具の平面図、(C)はフレキシブルフラットケーブルを支持体に重ねた状態での平面図、(D)は押さえ保持具を取付けた状態での平面図、(E)は(D)のE−E視正断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明を適用できる画像形成装置の一例を図1に基づいて説明する。
(1).画像形成装置
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置はタンデム形カラーデジタル印刷方式のものであり、本体ケース1の内部のうち下部に配置した1段又は複数段の給紙カセット2、給紙カセット2の上方に配置された画像プロセス部3、画像プロセス部3の上方に形成された排紙トレイ4、用紙Pを給紙カセット2から排紙トレイ4に向けて搬送する搬送路5を有しており、更に、排紙トレイ4の上方にはカバー付きのイメージスキャナ部6を設けている。イメージスキャナ部6にはディスプレイ付きの操作パネル7を設けている。
画像プロセス部3は、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの4つの色に対応して4つの作像ユニット8Y,8M,8C,8Kを有している。4つの作像ユニット8Y〜8Kは、イエロー作像ユニット8Yが搬送路5から最も離れてブラック作像ユニット8Kが搬送路5に近づくように並んでおり、これら作像ユニット8Y〜8Kから中間転写ベルト9にトナー画像が一次転写される。図示していないが、中間転写ベルト9の上方には各色の作像ユニットに対応した4つのトナー貯蔵ユニットが配置されている。
中間転写ベルト9は、搬送路5に近接して配置された駆動ローラ10とイエロー作像ユニント8Yの外側に配置した従動ローラ11とに巻き掛けられており、中間転写ベルト9に担持されたトナー像は駆動ローラ10の箇所で用紙(記録シート)Pに二次転写される。用紙Pは二次転写ローラ12で中間転写ベルト9に押圧される。従動ローラ11の外側には廃トナー回収容器13を配置している。
各作像ユニット8Y〜8Kは感光体ドラム14を有している。また、画像プロセス部3の下方には露光ユニット15が配置されており、露光ユニット15から各感光体ドラム14の表面にレーザー光16が照射されて、感光体ドラム14に静電潜像が形成される。
給紙カセット2から排出された用紙Pは搬送路5を移送される途次において、中間転写ベルト9からトナー像が二次転写され、次いで、定着ローラ17と加圧ローラ18とで挟圧されることで画像が定着させられ、次いで、排紙ローラ19で排紙トレイ4に排出される。
イメージリーダ部6はガラスよりなる原稿台を有している。良く知られているように、原稿はスキャナで読み取られて赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に分解され、各色データはイメージセンサによって電気信号に変換されて、画像データが得られる。画像データは制御部20において処理を受け、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブランク(K)の再現色の画像データに変換される。
再現色に変換された画像データは各色ごとに制御部20のメモリー21に格納され、位置ずれ補正のための必要な画像補正を受けた後、用紙Pの供給に同期して各色に対応した操作ラインごとに読み出され、露光ユニット15において発光ダイオードの駆動信号として出力される。そして、ミラー機構を介して露光ユニット15から照射されたレーザー光16が各感光体ドラム14の表面を走査することにより、感光体ドラム14の表面に静電潜像が形成される。
そして、制御部20においてデータ処理を受けた画像データ信号は、フレキシブルフラットケーブル22によって露光ユニット15に伝達される。そして、フレキシブルフラットケーブル22は本体ケース1の内部を引き回した状態で制御部20から露光ユニット15に至っており、従って、1カ所又は複数箇所を機枠等の支持体に固定する必要がある。本願発明の押さえ保持具は、この画像データ送信用フレキシブルフラットケーブル22の固定(押さえ保持)に使用できる。もちろん、他の部位に使用するフレキシブルフラットケーブルの固定にも使用できる。
(2).押さえ保持具
次に、図2,3を参照しフレキシブルフラットケーブル22の押さえ保持構造及び押さえ保持具を説明する。なお、以下の説明及び請求項において「平面視」という文言を使用しているが、これは水平面上に配置した場合のことを意味するものであり、本願発明の押さえ保持具が壁面や天井面に使用できないという訳ではない。
フレキシブルフラットケーブル22は金属板製の支持体24に重なっており、これが、フレキシブルフラットケーブル22を横切るように配置された押さえ保持具25で押さえ保持される。支持体24のうちフレキシブルフラットケーブル22を挟んで両側に位置した部位には、角形(矩形)の第1係合穴26と第2係合穴27とが空いている。両係合穴26,27は同じ大きさであって互いに区別する必要性はないが、説明の便宜のために第1と第2との表示を付けて区別している。
本実施形態の押さえ保持具(固定具)25は、ばね鋼線やステンレス鋼線等の弾性を有する金属線材を素材として製造されており、1本の線材を2つ折りした基本形態になっている。従って、一端が頂点28で繋がった2本の細長い線状体29を有しており、図3(A)から明瞭に把握できるように、外力が掛かっていないフリー状態では、基本的には、2本の線状体29の間隔が頂点28から自由端に向けて広がるV形形状になっている。
押さえ保持具25のうち頂点28を含む一端部は、V形でかつ鉤部30aを有する矢尻形(あるは矢印形)の第1係合部30になっており、他方、両線状体29の他端(自由端)には、平面視で反対方向に突出した鉤形の第2係合部31が曲げ形成されている。従って、両線状体29の自由端部は平面視でL形の形態を成している。
フリー状態では、両線状体29の他端の間の間隔寸法W2は、係合穴26,27の縦幅寸法L1(フレキシブルフラットケーブル22の長手方向に測った寸法)より大きい寸法になっている。また、フリー状態での第1係合部30の最大幅寸法W1も係合穴26,27の縦幅寸法L1より大きい値に設定している。
図3(B)に示すように、両線状体29は、互いに重なり合うように頂点28の部分の弾性に抗して変形させることができる。すなわち、窄め変形(或いは狭め変形)させることができる。このように窄め変形させると必然的に第1係合部30の最大幅寸法はW1からW1′に小さくなるが、この狭め後の幅寸法W1′を係合穴26,27の対角方向寸法L2より僅かに小さい寸法に設定している。
従って、押さえ保持具25を窄め切ると、図3(C)に一点鎖線で示すように、係合穴26,27の対角線と直交した方向(A方向)に長く延びる斜め姿勢とすることにより、第1係合部30を係合穴26,27の内部に差し込むことができる(押さえ保持具25を支持体24に対して起立状態に保持できるスペースがある場合は、押さえ保持具25が平面視で第1係合穴26の対角方向に延びる姿勢にして、第1係合部30を第1係合穴26に差し込むことも可能である。)。
第1係合部30を係合穴26,27に差し込んでから窄め作用を解除すると両線状体29が広がり、すると、第1係合部30の鉤部30aが係合穴26,27の内周縁に引っ掛かることで、第1係合部30は係合穴26,27から抜け不能に保持され。
押さえ保持具25を窄め切った状態での第1係合部30の最大幅寸法W1′を、係合穴26,27の縦幅寸法L1より僅かに小さい寸法に設定しても良いのであり、この場合は、押さえ保持具25は斜め姿勢にすることなく、押さえ姿勢と同じ姿勢のままで第1係合部30を係合穴26,27に挿入できる。
押さえ保持具25を窄め切った状態での第2係合部31の全幅W2′は係合穴26,27の縦幅寸法L1及び対角寸法L2よりも大きいが、図3(C)から理解できるように、片側の線状体29における第2係合部31の幅寸法に線材の太さを足した寸法W3を、係合穴26,27の縦幅寸法L1より僅かに小さい寸法に設定している。
このため、第2係合部31は、紙面において上下いずれかにずらした状態で一方の線状体29の折り曲げ部を係合穴26,27に差し込んでから、他方の線状体29の折り曲げ部を係合穴26,27に差し込み、それから弾性力で復元させる、という手順を採ることで係合穴26,27に抜け不能に保持できる。もとより、窄め切った状態での幅寸法W2′を係合穴26,27の縦幅寸法L1より僅かに小さい値に設定してもよい。
押さえ保持具25には、支持体24に対して下向き凸の湾曲部32が形成されており、湾曲部32の下端をフレキシブルフラットケーブル22に対する当接部32aと成している。当接部32aは、フレキシブルフラットケーブル22の左右中間部かその近傍に位置するように設定している。なお、湾曲部32は、湾曲した下向き凸部と言い換えることも可能である。
湾曲部32は両係合部30,31よりも内側に位置しており、従って、湾曲部32の両端は支持体24から離れるように高くなっており、このため、湾曲部32は、第1係合部30に対しては第1傾斜部33を介して連続し、第2係合部31に対しては第2傾斜部34を介して連続している(従って、押さえ保持具25は側面視でM字に近い形態になっている。)。そして、第1傾斜部33に、互いに外向きに突出したコの字形の操作部35を形成している。従って、操作部35と支持体24との間には間隔が空いている。操作部35は上向きに起こした状態に形成することも可能である。
(3).まとめ
押さえ保持具25によるフレキシブルフラットケーブル22の固定作業は、例えば、第1係合部30を第1係合穴26に嵌め込んでからフレキシブルフラットケーブル22を所定位置にセットし、次いで、第2係合部31を第1係合穴27に嵌め込む、という手順で行われる。フレキシブルフラットケーブル22を所定位置にセットしておいて、押さえ保持具25を支持体24に取り付けることも可能である。
W1′がL1より大きい場合は、既述のように押さえ保持具25を斜め姿勢にして第1係合部30を第1係合穴26に差し込み、次いで、フレキシブルフラットケーブル22を横切る姿勢に戻してから第2係合部31を第2係合穴27に差し込む。第2係合部31を第2係合穴27に差し込むに際しては、第1係合部30を第1係合穴26にいったん深く差し込むか、又は、押さえ保持具25の全体を撓み変形させたらよい。第2係合部31を第2係合穴27に差し込む作業は、湾曲部32と第2傾斜部34との連接部を摘むことによって行ってもよい。
両係合部30,31を係合穴26,27に嵌め込み係合させると、弾性復元力によって線状体29が広がり勝手になっていることにより、両係合部30,31は係合穴26,27から抜き出し不能に保持されており、かつ、弾性力によって湾曲部32が支持体24に近づくように付勢されていることにより、フレキシブルフラットケーブル22は湾曲部32の下端の当接部32aで支持体24に押さえ保持されている。
メンテナンス等でフレキシブルフラットケーブル22を支持体24から離反させる場合は、第2係合部31を第2係合穴27から抜き外して、第1係合部30は第1係合穴26に嵌め込んだままにしておいたらよい。この場合、操作部45がストッパーの役割を果たして押さえ保持具25が第1係合穴26に深く嵌まり込むことが阻止されるため、再セットが容易である。
第2係合部31を先に第2係合穴27に嵌め込んでから、第1係合部30を第1係合穴26に嵌め込むことも可能であり、かつ、第2係合部31を第2係合穴27に嵌め込み係合させた状態を保持して、第1係合部30のみを第1係合穴26から抜き外すことも可能である。但し、この場合はW1′がL1より小さい値に設定されている必要がある。
さて、フレキシブルフラットケーブル22は多数本のハーネスを並列配置してこれらを皮膜で覆った構造になっており、皮膜が破損するとショートの原因になる。そして、例えばメンテナンスに際して支持体24(又は他の部材)を動かしたり着脱したりすると、フレキシブルフラットケーブル22と支持体24とが相対動することがある。その場合、フレキシブルフラットケーブル22はねじられた状態になることが多いため、仮にフレキシブルフラットケーブル22を全幅にわたって押さえ固定していると、フレキシブルフラットケーブル22の長手側縁部22aが支持体24に強く当たって損傷を受けやすいおそれがある。
これに対して本実施形態では、フレキシブルフラットケーブル22は、その中間部が湾曲部32で点接触に近い状態で押さえ保持されているに過ぎず、長手側縁部22aは容易に変形する状態に保持されているため、長手側縁が支持体24で擦られる事態を抑制できると共に、仮に支持体24で擦られても損傷のダメージは著しく小さい。このため、フレキシブルフラットケーブル22の耐久性を向上できる。
(4).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば押さえ保持具は線材製には限らず、樹脂の成形品を採用したり板金加工品を採用したりすることも可能である。金属線材や金属板を材料とする場合、少なくともフレキシブルフラットケーブルに当接する部分に軟質保護材を被覆することも可能である。第1係合部及び第2係合部とも他の形態も採用可能である。例えば第1係合部を平面視半円状や台形状や一文字状と成すことも可能である。
フレキシブルフラットケーブルのうち長手両側縁を除いた部分を押さえる手段としては、実施形態のような湾曲部に代えて逆台形状の下向き突設部を形成することも可能である。また、いずれの場合も、複数の当接部を形成して、フレキシブルフラットケーブルを幅方向に沿った飛び飛びの位置で押さえることも可能である。
本願発明は各種のフレキシブルフラットケーブルの押さえ保持に使用して有用性を発揮する。従って、産業上利用できる。
3 画像プロセス部
6 イメージリーダ部
8Y〜8K 作像ユニット
14 感光体ドラム
20 制御部
22 フレキシブルフラットケーブル
24 支持体
25 押さえ保持具
26,27 係合穴
28 頂点部
29 線状体
30 第1係合部
31 第2係合部
32 湾曲部(下向き突出部)
32a 当接部
35 操作部

Claims (6)

  1. 板状の支持体上に重ねられたフレキシブルフラットケーブルにこれを横切る姿勢で重ね配置して、前記フレキシブルフラットケーブルからはみ出た一端部と他端部とを前記支持体に設けた係合穴に挿入することにより、前記フレキシブルフラットケーブルを前記支持体に押さえ保持する弾性体製の保持具であって、
    前記一端部と他端部とのうちいずれか一方又は両方を、前記フレキシブルフラットケーブルの長手方向と同じ方向の間隔が狭まるように弾性変形させることで前記係合穴に挿脱可能な係合部と成している、
    フレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具。
  2. 前記フレキシブルフラットケーブルを横切るように延びる2本の線状体からなっており、前記2本の線状体は、前記フレキシブルフラットケーブルを挟んだ一方の側の頂点部において一体に繋がっており、
    前記頂点部を含む一端部が平面視矢尻形の第1係合部となっている一方、前記両線状体の他端には互いに逆方向に向いた第2係合部が形成されており、前記両線状体の間隔が近づくように窄めることにより、前記両係合部を前記支持体の係合穴に挿脱可能になっている、
    請求項1に記載したフレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具。
  3. ばね性を有する金属線材を曲げ加工して製造されている、
    請求項1又は2に記載したフレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具。
  4. 前記平面視でフレキシブルフラットケーブルに重なる部分に、前記フレキシブルフラットケーブルに向いて凸の湾曲部が1つ又は複数形成されており、前記湾曲部の下端を、前記フレキシブルフラットケーブルのうち長手側縁部よりも内側の部位に対する当接部と成している、
    請求項1〜3のうちのいずれかに記載したフレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具。
  5. 前記両線状体の各々に、人が指先を当てることのできる操作部を、前記第1係合部の近傍部でかつ前記支持体の上に位置した部位に形成しており、両操作部を互いに接近するように押すことで前記2本の線状体を互いに近づけることが可能になっている、
    請求項4に記載したフレキシブルフラットケーブルの押さえ保持具。
  6. フレキシブルフラットケーブルとこれが重なる板材製の支持体、及び、前記フレキシブルフラットケーブルにこれを横切る姿勢で重ね配置された押さえ保持具とを有しており、前記支持体のうち前記フレキシブルフラットケーブルを挟んだ両側に係合穴が空いている一方、前記保持具は前記支持体の係合穴に挿入される一端部と他端部とを有しており、前記押さえ保持具の一端部と他端部とのうちいずれか一方又は両方を、前記フレキシブルフラットケーブルの長手方向と同じ方向に押し縮めることで前記係合穴に挿脱可能な係合部と成している、
    画像形成装置。
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