本実施形態に係る用紙搬送装置、原稿読取装置、及び画像形成装置の一例について説明する。
[全体構成]
図1には、本実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向(Y方向)を高さ方向、矢印Xで示す方向(X方向)を幅方向とする。また、Y方向及びX方向のそれぞれに直交する方向(Z方向)を奥行き方向とする。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側を+Y側、下側を−Y側、右側を+X側、左側を−X側、手前側を−Z側、奥側を+Z側と記載する。
画像形成装置10は、−Y側から+Y側へ向けて、用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12から供給される用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、を有している。さらに、画像形成装置10は、画像形成部14の+Y側に一体的に設けられた排出部16と、排出部16の+Y側に設けられた原稿読取装置100と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20とを有している。
<用紙収容部>
用紙収容部12は、サイズの異なる用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26がY方向に並んで設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路30(一点鎖線で図示)に送り出す送出ロール32が設けられている。
搬送路30における送出ロール32よりも下流側には、用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が複数設けられている。また、搬送路30における用紙Pの搬送方向で、搬送ロール36よりも下流側であり且つ画像形成部14内には、用紙Pを一端停止させると共に決められたタイミングで後述する二次転写部37へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
<画像形成部>
画像形成部14は、筐体16Aを有している。筐体16Aは、画像形成装置10の正面視で画像形成部14の左上部が中央上部及び右上部よりも+Y側に突出されている。そして、排出部16の+Y側及び+Z側に原稿読取装置100の−X側及び+Z側が結合されている。これにより、画像形成装置10には、画像形成部14の上面、原稿読取装置100の下面、及び排出部16の右側面で囲まれた排出領域19が形成されている。排出領域19では、排出部16からの用紙Pの排出及び積載が行われる。
また、画像形成部14の搬送路30における二次転写部37よりも下流側には、定着装置80が設けられている。定着装置80は、用紙P上の現像剤の一例としてのトナーTを加熱する定着ロール82と、定着ロール82に向けて用紙Pを加圧する加圧ロール84とを有している。定着装置80では、用紙Pが定着ロール82と加圧ロール84との接触部を通過すると、トナーTが溶融、凝固して、用紙Pにトナー画像が定着されるようになっている。
画像形成部14の中央には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナーTを組合せて用紙Pにトナー画像(現像剤像)を形成する画像形成ユニット40が設けられている。
(画像形成ユニット)
画像形成ユニット40には、潜像を保持する感光体42K、42C、42M、42Yが設けられている。感光体42K、42C、42M、42Yは、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナーTに対応している。なお、以下の説明では、K、C、M、Yを区別する必要がある場合は、数字の後にK、C、M、Yのいずれかの英字を付して説明し、同様の構成でK、C、M、Yを区別する必要がない場合は、K、C、M、Yの記載を省略する。
感光体42K、42C、42M、42Yは、この順番で−X側から+X側に向けて並んでおり、それぞれ矢印A方向(図示の反時計回り方向)に回転するようになっている。また、各感光体42の周囲には、矢印A方向に沿って順に、帯電ロール46と、現像装置50と、中間転写ベルト48及び一次転写ロール49と、クリーニングロール54とが設けられている。なお、感光体42の内側は、接地されている。
帯電ロール46は、一例として、ステンレス鋼製の軸部の周囲に導電性弾性層、中間層、及び表面樹脂層を含む複数の層(いずれも図示省略)が形成された構成となっている。また、帯電ロール46は、外周面が感光体42の表面層と接触して従動するように軸部が回転可能に設けられている。さらに、帯電ロール46は、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されることにより生じる放電により、感光体42の外周面を設定極性(一例として負極性)に帯電させるようになっている。
感光体42の外周面で帯電ロール46と現像装置50との間の位置には、各トナー色に対応した光L(LK、LC、LM、LY)が露光装置60から照射(露光)されるようになっている。
露光装置60は、半導体レーザ及びf−θレンズ(図示省略)と、ポリゴンミラー62A、62Bと、結像レンズ(図示省略)と、複数のミラー64と、を有している。そして、露光装置60は、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラー62A、62Bで偏向走査し、帯電ロール46により帯電された感光体42の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。感光体42は、静電潜像を外周面に保持する。なお、露光装置60は、レーザ光をポリゴンミラーで走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
現像装置50は、感光体42の露光位置よりも下流側で且つ感光体42と対向する位置に設けられている。また、現像装置50は、感光体42と同様にZ方向を軸方向として回転する現像ロール51を有している。そして、現像装置50は、現像ロール51の回転により感光体42の潜像にトナーTを供給して現像する。
中間転写ベルト48は、無端状に形成されており、搬送ロール72と、搬送ロール74と、駆動ロール76と、搬送ロール78とに巻き掛けられて、矢印B方向(図示の時計回り方向)に周回移動可能に支持されている。搬送ロール72は、二次転写部37に設けられている。また、中間転写ベルト48の外周面は、トナー画像TAが転写される転写面とされている。そして、中間転写ベルト48の搬送ロール78から搬送ロール72までの転写面に感光体42K、42C、42M、42Yの外周面が接触している。
中間転写ベルト48を挟んで感光体42K、42C、42M、42Yの反対側には、一次転写ロール49が設けられている。一次転写ロール49は、中間転写ベルト48の内周面に接触している。そして、一次転写ロール49は、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されることで、接地された感光体42との電位差により、感光体42の外周面に保持されたトナー像を中間転写ベルト48の転写面へ一次転写させるようになっている。これにより、中間転写ベルト48が周回移動しているときに中間転写ベルト48上に各トナー像が重ねて転写され、トナー画像TAが形成される。
クリーニングロール54は、一例として、感光体42の外周面と接触するブラシロールで構成されている。そして、クリーニングロール54は、回転することによって、感光体42の外周面に残留したトナーTなどを回収するようになっている。なお、中間転写ベルト48を挟んで駆動ロール76側とは反対側には、二次転写後の中間転写ベルト48の転写面に残留したトナー等を清掃するための清掃部材(図示省略)が設けられている。
一方、二次転写部37は、搬送ロール72と、中間転写ベルト48を挟んで搬送ロール72側とは反対側に設けられた二次転写ロール79とで構成されている。搬送ロール72又は二次転写ロール79には、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されるようになっており、搬送ロール72と二次転写ロール79との間に電位差が生じている。この電位差により、中間転写ベルト48上のトナー画像TAが、搬送路30で搬送されている用紙P上に二次転写されるようになっている。
画像形成部14における中間転写ベルト48よりも+Y側には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各トナーを収容するトナーカートリッジ86K、86C、86M、86Yが交換可能に設けられている。また、排出部16内の搬送路30における定着装置80よりも下流側には、定着後の用紙Pを搬送する搬送ロール87と、搬送ロール87で搬送された用紙Pを排出領域19へ排出する排出ロール88とが設けられている。
次に、画像形成装置10における画像形成工程について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10が作動すると、画像処理装置(図示省略)又は外部から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の画像情報(画像データ)が露光装置60に出力される。なお、画像情報には、後述する原稿読取部104(図2参照)で読み取られた画像情報も含まれる。
続いて、露光装置60から画像データに応じて出射された光L(LK、LC、LM、LY)は、帯電ロール46により帯電された感光体42の表面を露光する。これにより、各感光体42の表面には、各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。さらに、各感光体42の表面に形成された静電潜像は、各現像装置50により現像される。そして、各感光体42の表面のトナー像は、一次転写ロール49によって中間転写ベルト48に順次多重転写され、トナー画像TAが形成される。
一方、画像形成装置10では、用紙Pが用紙収容部12から搬送路30へ送り出される。そして、用紙Pは、位置合せロール38により、中間転写ベルト48への各トナー像の多重転写とタイミングを合わせて、二次転写部37に搬送される。そして、中間転写ベルト48上のトナー画像TAは、二次転写部37に搬送されてきた用紙P上に既述の電位差によって二次転写される。
続いて、トナー画像TAが二次転写された用紙Pは、定着装置80へ搬送される。そして、定着装置80では、トナー画像TAが、定着ロール82及び加圧ロール84によって加熱、加圧されることで用紙Pに定着される。さらに、トナー画像TAが定着された用紙Pは、排出部16から排出領域19へ排出される。
[要部構成]
次に、原稿読取装置100について説明する。
図2に示すように、原稿読取装置100は、用紙の一例としての原稿Gを搬送する用紙搬送装置の一例としての用紙搬送部102と、原稿Gの画像情報を読み取る原稿読取部104とを有している。
<原稿読取部>
原稿読取部104は、筐体16A上に固定された筐体104Aを有している。また、原稿読取部104は、第1プラテンガラス106、第2プラテンガラス108、第1キャリッジ112、第2キャリッジ114、結像レンズ116、及びイメージセンサ118を有している。
第1プラテンガラス106は、筐体104AをZ方向に見て、筐体104Aの−X側の上面に設けられている。また、第1プラテンガラス106は、用紙搬送部102により搬送されてきた原稿Gが上面に載ると共に、搬送中の原稿Gを読み取るための光の透過部を形成している。なお、第1プラテンガラス106のX方向中央部と対向する位置が、搬送される原稿Gの読取位置Qとされている。
第2プラテンガラス108は、上面が第1プラテンガラス106の上面と揃えられており、第1プラテンガラス106よりも+X側に配置されている。また、第2プラテンガラス108上には、原稿Gが静止した状態で載せられるようになっている。第1プラテンガラス106及び第2プラテンガラス108の−Y側には、第1キャリッジ112及び第2キャリッジ114が、X方向に移動可能に設けられている。
第1キャリッジ112は、フルレートで移動する箱体である。また、第1キャリッジ112内には、原稿Gに光を照射するランプ113と、原稿Gから得られた反射光Lを受光する第1ミラー115とが設けられている。そして、第1キャリッジ112は、第1プラテンガラス106の下に静止し、又はX方向に移動する。これにより、第2プラテンガラス108上に載せられた原稿Gの全体に亘って、画像が読み込まれる。
第2キャリッジ114は、第1キャリッジ112の半分のハーフレートで移動する箱体である。また、第2キャリッジ114内には、第1ミラー115で反射された反射光Lを結像レンズ116へ反射させる第2ミラー117及び第3ミラー119が設けられている。これにより、第2キャリッジ114は、第1キャリッジ112から得られた反射光Lを結像レンズ116へ反射させるようになっている。
結像レンズ116は、第3ミラー119からの反射光Lの光路上に配置されている。そして、結像レンズ116は、第3ミラー119から得られた光学像を光学的に縮小させるようになっている。
イメージセンサ118は、CCD(Charge Coupled Device)センサであり、結像レンズ116によって結像された光学像を光電変換する。詳細には、イメージセンサ118は、異なる分光感度毎に設けられており、個々の受光素子(図示省略)の受光量に応じた画像信号を生成して後段に出力する。即ち、イメージセンサ118は、結像レンズ116によって結像された光学像を光電変換して、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の画像信号を生成して後段に出力するようになっている。
<用紙搬送部>
用紙搬送部102は、装置本体の一例としての本体部120と、本体部120に後述するシャフト172(図4参照)を介して連結され、本体部120に対して装着及び離脱可能とされた被覆部材の一例としてのカバー部材130とを有している。カバー部材130は、本体部120の少なくとも一部を覆うように配置されている。
〔本体部〕
本体部120は、原稿Gが載せられる原稿台121Aと、原稿台121Aの下側に設けられ画像読取の終了後の原稿Gが排出される排出台121Bとを有している。また、本体部120は、原稿台121Aから読取位置Qまで原稿Gが搬送される第1搬送路122と、読取位置Qから排出台121Bまで原稿Gが搬送される第2搬送路124とを有している。第1搬送路122及び第2搬送路124は、Z方向に見てC字状に形成されている。
(第1搬送路)
第1搬送路122には、原稿台121Aから原稿Gの搬送方向の下流側へ向けて順に、ピックアップロール132と、フィードロール133と、搬送ロール134、135と、位置合せロール136とが回転可能に設けられている。これらのロールは、制御部20(図1参照)によって、回転又は停止が制御される。また、各ロールは、軸方向がZ方向に揃えられている。
ピックアップロール132は、原稿台121A上の最上位にある原稿Gを下流側へ搬送する。フィードロール133は、一対のロール133A、133Bで構成されており、原稿Gを下流側へ搬送する。なお、ロール133Aが、搬送部材の一例である。ピックアップロール132及びフィードロール133は、ホルダ163(図7参照)に回転可能に保持されている。
また、フィードロール133は、後述するモータ150(図10参照)により回転駆動される。なお、ピックアップロール132及びロール133Aには、ゴムベルト159(図7参照)が巻き掛けられており、フィードロール133の回転とピックアップロール132の回転とが連動するようになっている。
搬送ロール134は、一対のロール134A、134Bで構成されている。搬送ロール135は、一対のロール135A、135Bで構成されている。そして、搬送ロール134及び搬送ロール135は、フィードロール133から搬送された原稿Gを一時停止させてループ(湾曲した部位)を形成し、原稿Gの斜行を補正するようになっている。
位置合せロール136は、設定されたタイミングで回転することにより、読取位置Qに対する原稿Gの先端のレジストレーション調整(位置調整)を行って、読取位置Qへ原稿Gを供給する。
(第2搬送路)
第2搬送路124には、読取位置Qから下流側へ向けて順に、搬送ロール137及び排出ロール138が回転可能に設けられている。これらのロールは、制御部20(図1参照)によって、回転又は停止が制御される。
搬送ロール137は、一対のロールで構成されており、読取位置Qで画像が読み取られた原稿Gを下流側へ搬送する。排出ロール138は、一対のロールで構成されており、搬送ロール137によって搬送された原稿Gを排出台121B上へ排出する。
図4に示すように、本体部120は、第1通路部材142、第2通路部材144、第3通路部材146、及び第4通路部材148を有しており、これらがZ方向に見てC字状に配置されている。なお、図4及び図5では、ピックアップロール132(図2参照)の図示を省略している。
第1通路部材142は、ロール133B及びロール134Bに対応して本体部120の+Y側にほぼ水平に配置されている。第2通路部材144は、ロール135B及び位置合せロール136に対応して本体部120の−X側に配置されている。第3通路部材146は、搬送ロール137に対応して第1通路部材142の−Y側に配置されている。第4通路部材148は、排出ロール138に対応して第1通路部材142の−Y側に配置されている。
また、本体部120は、第2通路部材144と対向する第7通路部材156と、第3通路部材146及び第4通路部材148と対向する第8通路部材158とを有している。なお、後述するカバー部材130は、第1通路部材142と対向する第5通路部材152と、第2通路部材144と対向する第6通路部材154とを有している。本体部120における第7通路部材156の−X側には、本体部120とカバー部材130とを連結するシャフト172が、Z方向を軸方向として固定されている。
このように、第1搬送路122は、第1通路部材142、第2通路部材144、第5通路部材152、第6通路部材154、及び第7通路部材156によって形成されている。また、第2搬送路124は、第3通路部材146、第4通路部材148、及び第8通路部材158によって形成されている。
図6に示すように、本体部120の+Z側には、底部(図示省略)からX−Y面に沿って直立する後壁部123が形成されている。後壁部123の+Y側には、後述するカバー側ギヤ151が挿入される凹状の切欠部123Aと、後述する被検知部材164が挿入される凹状の切欠部123Bとが形成されている。また、後壁部123には、−Z側の側面から−Z側に向けて(Z方向を軸方向として)突出した被係止部の一例としてのピン125Aが設けられている。
図10に示すように、後壁部123の+Z側には、駆動部の一例としてのモータ150が設けられている。モータ150の動作及び動作停止は、制御部20(図1参照)により制御される。また、モータ150の駆動力(回転力)は、複数のギヤを含むギヤ列153と、ゴムベルト155とにより、本体側ギヤ157に伝達されるようになっている。
さらに、本体部120に対してカバー部材130を装着した(閉じた)装着状態では、本体側ギヤ157とカバー側ギヤ151とが噛み合うようになっており、モータ150が動作開始すると、カバー側ギヤ151が回転される。なお、一例として、本体側ギヤ157を−Z側から+Z側に向けて見て、カバー側ギヤ151は本体側ギヤ157の−X側に配置されている。具体的には、カバー側ギヤ151の9時位置が、本体側ギヤ157の3時位置と噛み合っている。また、本体側ギヤ157及びカバー側ギヤ151は、はす歯ギヤである。
加えて、後壁部123の+Z側で切欠部123Bの周縁には、開閉センサ162が設けられている。開閉センサ162は、一例として、出射部及び受光部(図示省略)を有する光学式のセンサであり、制御部20(図1参照)に接続されている。一方、カバー部材130には、板状の被検知部材164が設けられている。
ここで、制御部20(図1参照)では、開閉センサ162の受光部(図示省略)で光が受光されない場合、カバー部材130が本体部120に対して装着(閉止)状態にあると判定される。また、制御部20では、開閉センサ162の受光部(図示省略)で光が受光された場合、カバー部材130が本体部120に対して離脱(開放)状態にあると判定される。
なお、図10に示すモータ150、ギヤ列153、ゴムベルト155、本体側ギヤ157、カバー側ギヤ151、及び開閉センサ162は、図6に示すように、後側カバー126Aで覆われている。
図8に示すように、本体部120の−Z側には、底部(図示省略)からX−Y面に沿って直立する前壁部127が形成されている。前壁部127には、+Z側の側面から+Z側に向けて(Z方向を軸方向として)突出した被係止部の一例としてのピン125Bが設けられている。また、前壁部127の−Z側は、前側カバー126Bで覆われている。さらに、前壁部127の+X側の端部127Aは、本体部120に対してカバー部材130が装着(閉止)された状態において、後述する外カバー130Aの自由端側で且つ−X側の端部131で覆われるようになっている。
〔カバー部材〕
次に、カバー部材130について説明する。
図7及び図9に示すように、カバー部材130は、一例として、樹脂製であり、外カバー130Aと、内カバー130Bとを有している。また、カバー部材130は、一端が既述のシャフト172(図4参照)に連結されている。これにより、カバー部材130は、外カバー130A及び内カバー130Bが一体となった状態で、シャフト172を中心として、本体部120に対して円弧状に移動可能となっている。なお、カバー部材130の他端が本体部120に向けて移動する方向を+R方向、カバー部材130の他端が本体部120から離れる方向を−R方向と記載する。
(内カバー)
内カバー130Bは、一端がシャフト172(図4参照)に連結されており、シャフト172を中心として、外カバー130Aに対して相対的に回転可能となっている。また、内カバー130Bは、係合部(図示省略)が外カバー130Aの被係合部(図示省略)と係合されることで、外カバー130Aと一体で回転可能となっている。さらに、内カバー130Bは、第5通路部材152及び第6通路部材154(図4参照)を含んで構成されている。なお、内カバー130Bには、複数の開口部139が形成されており、ロール133Aなどが開口部139を通して本体部120に向けて露出されている。
(外カバー)
図3に示すように、外カバー130Aには、カバー部材130を本体部120に対して装着(閉止)した装着状態において、−Y側に窪んだ収容部141が形成されている。即ち、収容部141は、内カバー130B(図4参照)に向けて窪んでいる。収容部141内には、後述する解除部材の一例としてのハンドル182が収容されている。なお、装着状態では、ロール133A(図4参照)が本体部120と対向している。
また、図7に示すように、外カバー130AをY方向に直立させた離脱状態において、外カバー130Aには、収容部141よりも+Z側でZ方向に間隔をあけ、+X側に突出した板状部143A、143Bが形成されている。板状部143Aは、板状部143Bよりも+Z側に配置されている。さらに、外カバー130Aには、収容部141よりも−Z側で+X側に突出した板状部143Cと、板状部143Aよりも+Z側で+X側に突出した板状部143Dとが形成されている。
ここで、ロール133Aの回転軸133Cは、Z方向を軸方向としてロール133Aよりも+Z側に延びている。そして、回転軸133Cは、板状部143A及び板状部143Bによって回転可能に支持されている。また、回転軸133Cの+Z側の端部には、カバー側ギヤ151が固定されている。なお、図6、7、8、9では、カバー側ギヤ151の歯の図示を省略している。
板状部143A及び板状部143Cは、Z方向を軸方向とする軸部174を回転可能に支持している。軸部174は、ハンドル182(図3参照)の操作によって回転する。また、軸部174のZ方向両端には、本体部120に対するカバー部材130の装着状態においてピン125A及びピン125B(図9参照)に係止される係止部材の一例としてのラッチ部材176が設けられている。
図15(A)に示すように、ラッチ部材176は、一例として、Z方向に見て菱形状に形成されており、1つの鋭角部に軸部174が位置している。また、ラッチ部材176は、1つの鈍角部に切欠部176Aが形成されている。切欠部176Aは、ピン125A、125B(図6及び図8参照)に係止可能な大きさの円弧状の縁部を有する凹部となっている。
図7に示すように、板状部143B及び板状部143Dは、被検知部材164と一体とされZ方向を軸方向とする軸部材177を回転可能に支持している。軸部材177には、付与手段の一例としての引張バネ179の一端が、軸部材177と交差する方向を伸び方向として引っ掛けられている。さらに、軸部174には、引張バネ179の他端が、軸部174と交差する方向を伸び方向として引っ掛けられている。これにより、ラッチ部材176には、ピン125A及びピン125B(図9参照)との係止方向に力が作用し、ハンドル182を作動させない状態では、力が維持されるようになっている。
ここで、図11に示すように、収容部141の開口側を+Y側に配置した状態(装着状態)で、外カバー130Aにおける収容部141の−X側の縁部には、Y方向に貫通した貫通孔181が形成されている。また、収容部141の−X側には、X−Z面に沿って−X側に延びる板状のフランジ部141Aが形成されている。フランジ部141Aは、ハンドル182と対向する対向部の一例である。フランジ部141AのX方向の長さはL5となっている。さらに、貫通孔181には、ラッチ部材176とピン125A(図7参照)及びピン125B(図9参照)との係止状態を解除するハンドル182の一部が挿入されている。
(ハンドル)
次に、ハンドル182について説明する。
図11及び図12に示すように、既述の装着状態において、ハンドル182は、平板部182Aと、平板部182Aから交差方向に延びる取付部182Bと、平板部182Aの一端から取付部182Bよりも−X側に突出された段部182Cとが一体化されている。一例として、ハンドル182は、樹脂製である。また、ハンドル182には、取付部182B及び段部182Cと交差する板状の補強部182Dが複数形成されている。さらに、ハンドル182には、平板部182Aの取付部182B側とは反対側の端部(使用者に把持される側の端部)から平板部182Aの面内方向と交差する方向に突出した突出部182Eが形成されている。
図13に示すように、平板部182Aは、平面視(既述のY方向)で、Z方向を長手方向とし、X方向を短手方向とする矩形状に形成されており、操作者がハンドル182を把持するときの把持可能な部位となっている。また、平板部182Aは、Z方向の長さがL1、取付部182Bから突出部182EまでのX方向の長さがL2(<L1)となっている。なお、平板部182AのX方向の長さL2は、フランジ部141A(図11参照)のX方向の長さL5(図11参照)よりも長くなっている。
図11に示すように、ハンドル182は、外カバー130Aの貫通孔181に平板部182A及び突出部182Eが挿入されることで、収容部141の+Y側に平板部182A及び突出部182Eが露出されている。また、ハンドル182は、取付部182Bが既述の軸部174にネジ185で締結されて(取り付けられて)おり、外カバー130Aに対して相対回転するようになっている。即ち、ハンドル182は、カバー部材130に移動可能に設けられている。そして、ハンドル182は、カバー部材130を本体部120(図4参照)に対して離脱させるとき、操作者によって把持され、回転操作されることで、引張バネ179(図7参照)の力に抗して、ラッチ部材176とピン125A(図4参照)及びピン125B(図9参照)との係止状態を解除させる。
なお、ラッチ部材176(図15(A)参照)がピン125A、125B(図6、8参照)に係止された装着状態において、ハンドル182の平板部182Aは、フランジ部141Aと間隔d1をあけて配置されている。また、ハンドル182をY方向に見て、平板部182Aとフランジ部141Aとは重なっている。さらに、ハンドル182は、段部182Cの−X側の端部が、外カバー130Aの貫通孔181周縁に形成されたリブ187と接触することで、フランジ部141A側に向かう方向の回転が規制されている。平板部182Aの底面(フランジ部141A側の面)には、接触部材の一例としての弾性材190が貼り付けられている。
(弾性材)
図14(A)に示すように、弾性材190は、Z方向の長さL3、X方向の長さL4(<L3)の矩形状に形成されている。弾性材190のZ方向の長さL3は、ハンドル182(図13参照)のZ方向の長さL1よりも僅かに短くなっている。また、弾性材190のX方向の長さL4は、ハンドル182の取付部182Bから突出部182E(図13参照)までのX方向の長さL2よりも僅かに短くなっている。
図14(B)に示すように、弾性材190は、一例として、弾性層191と低摩擦層192とがY方向に重ねられている。
弾性層191は、一例として、マイクロセルポリマーであるPORON(登録商標)を有している。また、弾性層191の+Y側の面は、平板部182Aの−Y側の面に接着剤で貼り付けられて(固定されて)いる。さらに、弾性層191の−Y側(フランジ部141A側であり、固定されていない側)の面には、低摩擦層192の+Y側の面が接着剤で貼り付けられている。
低摩擦層192は、一例として、テフロン(登録商標)製のテープで構成されている。即ち、低摩擦層192は、弾性層191よりもフランジ部141A(カバー部材130)との摩擦係数が低くなっている。
弾性層191と低摩擦層192を合わせたY方向の厚みはd2となっている。そして、厚みd2は、平板部182Aとフランジ部141Aとの間隔d1よりも薄い厚みとなっている。即ち、弾性材190の−Y側の面とフランジ部141Aの+Y側の面との間には、間隔d3(=d1−d2)が形成されている。なお、間隔d3は、モータ150が駆動開始したとき、後述するように、弾性材190とフランジ部141Aとが接触する大きさに設定されている。
図13に示すように、弾性材190は、X方向の一端部が突出部182Eの内側の面に突き当てられた状態で、弾性層191側の面がハンドル182に接着剤で貼り付けられている。即ち、弾性材190は、一例として、ハンドル182の把持可能な範囲である平板部182Aのほぼ全体に設けられている。Y方向に見て、弾性材190が設けられた面積は、フランジ部141A(図11参照)よりも広い面積となっている。
ここで、図4に示すように、本体部120に対してカバー部材130が装着状態にあるときは、ラッチ部材176がピン125A及びピン125B(図8参照)に係止されている。続いて、原稿G(図1参照)が搬送され、一例として、第1搬送路122の途中で原稿Gが止まったものとする。この場合、図5に示すように、ハンドル182の平板部182Aを操作者(図示省略)が手で+Y側に持ち上げると、ラッチ部材176と、ピン125A及びピン125B(図8参照)との係止が解除される。これにより、カバー部材130が本体部120に対して開放され、原稿Gが取り出し可能となる。
[作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4に示す本実施形態の本体部120に対するカバー部材130の装着状態において、図10に示すように、モータ150が駆動開始されたとき、本体側ギヤ157の回転により、カバー側ギヤ151には、+X側に向けて−Y側に下がる方向に回転力Fが作用する。なお、モータ150の駆動開始時は、ロール133A(図15(A)参照)の回転開始時に相当する。
これにより、図15(A)に示すように、ロール133Aが斜め下側に下がると共に、カバー部材130全体が本体部120(図4参照)に向けて下がる。このとき、ラッチ部材176は、ピン125A及びピン125B(図8参照)に係止されているため、すぐには移動しない。
続いて、ラッチ部材176には、引張バネ179が伸びることによる引張力が作用する。そして、ラッチ部材176の軸部174には、ハンドル182が固定されている。このため、引張バネ179の引張力によって、図15(A)、(B)に示すように、ハンドル182が、斜め下方(フランジ部141Aに向かう方向)に移動する。
ここで、比較例として、ハンドル182に弾性材190が設けられていない構成では、ハンドル182の移動により平板部182Aとフランジ部141Aとが接触し、衝撃音が生じる。この衝撃音は、画像形成装置10(図1参照)の動作音に対して無視できない大きさの音であり、使用者には騒音として感じられる。
一方、本実施形態の原稿読取装置100では、図15(C)に示すように、ハンドル182が斜め下方に移動したとき、弾性材190がフランジ部141Aと接触する(摺動する)。すなわち、ハンドル182の平板部182Aとフランジ部141Aとの間に弾性材190が存在することで、ハンドル182の移動が規制される。そして、比較例に比べて、ハンドル182の移動量およびハンドル182に作用する衝撃力が低減される。これにより、本実施形態では、ロール133A(図15(A)参照)の回転開始時における、カバー部材130とハンドル182との間で生じる衝撃音が低減される。
なお、本実施形態の一例として、ハンドル182とフランジ部141Aとの間隔d1を2.00[mm]とし、弾性材190の厚みd2を1.25、1.50、1.75、2.00[mm]と変えて、聴感とラッチ性能(係止性能)を評価した。
聴感評価は、1人の評価者が音を聞いて騒音と感じた場合を×、騒音とは感じなかった場合を○として、2段階評価で行った。また、ラッチ性能評価は、カバー部材130を図6に示す開放状態から自重で傾倒させ、ラッチ部材176がピン125A及びピン125B(図8参照)と係止する場合を○、係止されなかった場合を×として、2段階評価で行った。聴感及びラッチ性能の評価結果を比較例と共に表1に示す。
比較例では、弾性材190が無いため、ラッチ部材176がピン125A及びピン125B(図8参照)に係止されるとき、ハンドル182に対して負荷が作用しにくい。このため、比較例では、ラッチ性能は○となっている。しかし、比較例では、弾性材190が無いため、ハンドル182の平板部182Aの移動量が大きい。そして、ハンドル182の平板部182Aがフランジ部141Aと直接に接触するので、衝撃音が大きくなり、聴感は×となった。
一方、本実施形態の原稿読取装置100(図2参照)では、厚みd2が1.25[mm]以上2.00[mm]以下の範囲では、聴感、ラッチ性能共に○となった。即ち、本実施形態の原稿読取装置100では、弾性材190の厚みを調整し、ハンドル182の移動量を規制することにより、ラッチ性能を確保しつつ、衝撃音が低下することが確認された。
弾性材190の厚みd2=1.75[mm]として、本実施形態の原稿読取装置100(図2参照)で生じる衝撃音を、ISO7779の音の測定方法に基づいて測定したところ、45.2[dB]であった。一方、弾性材190を有していない比較例について同様に測定したところ、52.6[dB]であった。このように、本実施形態では、比較例に比べて、衝撃音が7.4[dB]低下することが確認された。
また、原稿読取装置100では、図15(A)、(C)に示すように、ロール133Aが回転を開始するとき、弾性材190がフランジ部141Aと接触して、ハンドル182の下方への移動が規制される。このため、ハンドル182とフランジ部141Aとが接触することにより生じる振動が抑制されると共に、ロール133Aに伝わる振動が抑制される。これにより、原稿読取装置100では、原稿G(図1参照)を搬送するときの搬送不良が抑制される。
そして、図1に示す画像形成装置10では、原稿Gの搬送不良が抑制されるので、原稿Gの搬送不良によって生じる画像不良(画像の位置ずれなど)が抑制される。
なお、原稿読取装置100では、モータ150(図10参照)の動作開始時、図15(C)に示す弾性材190がフランジ部141Aと接触して衝撃力が低減された後で、図8に示す外カバー130Aの端部131と前壁部127の端部127Aとが接触する。即ち、原稿読取装置100では、弾性材190によりカバー部材130の下降の加速度が低減された状態で、端部131と端部127Aとが接触する。これにより、原稿読取装置100では、弾性材190を設けていない構成に比べて、外カバー130Aの端部131と、前壁部127の端部127Aとの接触により生じる衝撃音も低減される。
また、本実施形態の原稿読取装置100では、カバー部材130(図4参照)の装着状態において、図14(B)に示すように、弾性材190とフランジ部141Aとの間に間隔d3が形成されている。このため、原稿読取装置100では、ラッチ部材176がピン125A及びピン125B(図8参照)に係止されるとき、ハンドル182及び弾性材190とフランジ部141Aとが接触しにくい。これにより、原稿読取装置100では、ラッチ部材176の移動時にラッチ部材176に抵抗力が作用しにくくなるので、ラッチ性能が上がる。
さらに、図5に示すように、原稿読取装置100では、ハンドル182を移動させてラッチ部材176の係止を解除するとき、弾性材190がフランジ部141Aと接触せず、ハンドル182に負荷がほとんど作用しない。これにより、原稿読取装置100では、モータ150(図10参照)の停止時に弾性材190がフランジ部141A及びハンドル182に接触する構成に比べて、ハンドル182の操作性が上がる。
加えて、原稿読取装置100では、図11に示すように、フランジ部141Aよりも長い幅(広い面積)の平板部182Aのほぼ全体に弾性材190が貼り付けられている。これにより、原稿読取装置100では、フランジ部141Aに弾性材190を貼り付けたものに比べて、弾性材190の接着面積が増加するので、弾性材190が剥がれることが抑制される。
また、原稿読取装置100では、図13に示すように、ハンドル182の把持可能な範囲全体に弾性材190が設けられている。これにより、原稿読取装置100では、ラッチ部材176の係止解除操作において、ハンドル182の平板部182Aが手で把持されたとき、指が弾性材190と接触する。即ち、原稿読取装置100では、平板部182Aと弾性材190の縁部との段差に指が接触しにくくなるので、ハンドル182の把持可能な範囲の一部に弾性材190が設けられている構成に比べて、この段差が把持されることが抑制され、指との接触により弾性材190の端部から弾性材190がはがれることが防止される。
さらに、原稿読取装置100では、図13に示すように、ハンドル182に弾性材190を貼り付けるとき、弾性材190の一端部が突出部182Eに突き当てられる。これにより、弾性材190の一端部が位置決めされるので、原稿読取装置100では、ハンドル182に弾性材190を貼り付けるときの作業性が上がる。
加えて、原稿読取装置100では、図14(B)に示すように、弾性材190が低摩擦層192を有している。そして、原稿読取装置100では、ラッチ部材176の係止動作時又は解除動作時に弾性材190がフランジ部141Aと接触することがあっても、低摩擦層192のフランジ部141Aに対する摺動における摩擦力(負荷)が作用しにくくなる。これにより、原稿読取装置100では、ラッチ部材176をピン125A及びピン125B(図8参照)に係止させるとき、又は係止を解除するときのハンドル182の操作性が上がる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
図16には、本実施形態の画像形成装置10(図1参照)の変形例として、画像形成装置10の搬送路30に用紙搬送装置の一例としての用紙搬送部200を設けた状態が示されている。前述した実施形態と基本的に同じ構成の部材については、同一の符号を付与して説明を省略する。
用紙搬送部200は、装置本体の一例としての筐体16Aと、筐体16Aの少なくとも一部を覆う被覆部材の一例としてのカバー部材202と、カバー部材202を筐体16Aに係止させるラッチ部材176と、係止を解除させるハンドル182とを有している。カバー部材202を設けたのは搬送路30の途中で停止した用紙Pを取り除くためである。
筐体16Aには、搬送部材の一例として、一対の搬送ロール36のうちの一方が回転可能に設けられている。搬送ロール36は、モータ150(図10参照)によって回転駆動されるようになっている。また、筐体16Aには、ピン125Aが設けられている。
カバー部材202には、一対の搬送ロール36のうちの他方が回転可能に設けられている。また、カバー部材202には、ピン125Aに係止されるラッチ部材176と、ラッチ部材176に固定されたハンドル182とが設けられている。ハンドル182の平板部182Aには、弾性材190が貼り付けられている。ラッチ部材176は、引張バネ179により、ピン125Aに係止される方向に引っ張られている。
さらに、カバー部材202には、収容部141が形成されており、収容部141内に平板部182Aが収容されている。加えて、カバー部材202は、Y方向に直立されている。また、カバー部材202の−Y側の端部は、筐体16Aにシャフト(図示省略)を介して連結されており、カバー部材202は、筐体16Aに対して矢印R方向(図示の時計回り方向及び反時計回り方向)に開閉可能となっている。
ここで、用紙搬送部200では、一対の搬送ロール36の他方が回転駆動されたとき、搬送ロール36の他方が一方に近づく側(図示の+X側)に移動する。そして、既述の用紙搬送部102(図2参照)と同様の作用により、ハンドル182がフランジ部141Aに近づく。このとき、弾性材190がフランジ部141Aと接触する(摺動する)ことで、ハンドル182に作用する衝撃力が比較例に比べて低減される。これにより、搬送ロール36の回転開始時にカバー部材202とハンドル182との間で生じる衝撃音が低減される。
また、用紙搬送部200では、ハンドル182とフランジ部141Aとが接触しにくくなることから、接触による振動が生じにくい。これにより、二次転写部37(図1参照)への用紙Pの搬送時に、用紙Pが振動することに起因する画像不良が抑制される。
なお、原稿読取装置100は、第2プラテンガラス108が無く、原稿Gの静止状態での画像読み取りを行わないものであってもよい。
ラッチ部材176は、係止される部位が、2箇所のものに限らず、1箇所、あるいは3箇所以上の複数箇所であってもよい。
ハンドル182は、フランジ部141Aと接触する部位が、平板部182Aに限らず、湾曲した部位であってもよい。また、ハンドル182は、突出部182Eが無いものであってもよい。
弾性材190は、弾性層191のみで構成されていてもよい。また、弾性材190は、ラッチ性能に影響を与えないものであれば、本体部120へのカバー部材130の装着状態において、フランジ部141Aと接触するものであってもよい。さらに、弾性材190は、剥がれにくいものであれば、ハンドル182ではなく、フランジ部141Aに貼り付けられていてもよい。加えて、弾性材190は、ハンドル182及びフランジ部141Aの両方に貼り付けられていてもよい。
加えて、弾性材190は、ハンドル182の把持可能な範囲全体に設けられていなくてもよく、平板部182Aの一部に貼り付けられていてもよい。また、弾性材190は、突出部182Eに突き当てるものに限らず、突出部182Eと隙間をあけて貼り付けられていてもよい。
被係止部は、ピン125A、125Bのように円柱状のものに限らず、L字状や他の形状であってもよい。