JP5488315B2 - ベルレス高炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルレス高炉の操業方法に関し、コークスと鉱石を混合して同時に高炉に装入する際に、高炉内においてコークスと鉱石が分離することなく混合層形成を促進する高精度な多量混合装入が可能なベルレス高炉の操業方法に関する。
高炉には、主に鉄源で構成される鉱石類と、還元材であるコークス(以下、これらの鉱石類とコークスとを総称して「原材料」という。)が、炉頂に設けられた装入装置によって、通常は交互に装入され、層状に積み重ねられる。
これらの原材料は、炉頂から徐々に炉内を降下しながら、羽口から吹き込まれ上昇するガス(加熱空気)により加熱され、鉱石類は還元されながら軟化、溶融して銑鉄となり、炉下部から排出される。
実際の操業では、羽口から、加熱空気とともに還元材としてコークスの一部を代替する微粉炭を吹き込む等の種々の操業形態が採用される。このような操業形態も、炉頂からの原材料の装入と羽口からの送風により、向流方式で連続的に鉱石を還元する操業を行うことが基本になっている。
ベルレス高炉、すなわちベルレス装入装置により原材料が装入される高炉では、原材料は炉頂よりも上方に配置された炉頂バンカーから、分配シュートを介して高炉内へ装入される。分配シュートは、高炉の上部に配置され、傾動角(分配シュートの長手方向軸と鉛直線とのなす角度)が変更可能であり、かつ旋回することにより、装入される原材料の炉内における分布を制御することができる。
炉内に装入された原材料から銑鉄が生成する過程では、炉内で以下の反応が生じている。
炉下部に設けられた羽口から送風される加熱空気によって、炉頂から装入されたコークスの一部は羽口前で燃焼、消費され、COガスが発生する。このCOガスと鉱石の還元によって炭酸ガスが生成し、生成した炭酸ガスにより、装入されたコークスの約20〜30質量%は約1000℃以上の温度域においてガス化し、COガスが得られる。この得られたCOガスは、再び鉱石を還元し、炭酸ガスを生成する。このように、コークスのガス化反応と鉱石の還元反応とは、相互にガスを交換することで、影響を及ぼし合っている。
高炉の操業において、これらの鉱石とコークスとの反応を同時に効率よく行うことにより、還元材比を低減することができる。還元材比とは、銑鉄を1トン製造するために要したコークスや微粉炭等の還元材量(kg)を表し、kg/pt等の単位で表記される。
現在の操業では、微粉炭比が100〜200kg/pt程度であることを前提とすると、還元材比(コークス比+微粉炭比)は500kg/pt程度、コークス比は300〜400kg/pt程度である。
高炉内で、鉱石とコークスの反応を同時に効率よく行わせて還元材比を低減するための一方策として、鉱石とコークスで構成される混合層を炉内に配置する方法が知られている。この方法では、炉頂から装入する鉱石に、炉頂から装入するコークスのうち粒径の小さいもの(コークス全体の約10質量%程度を上限とする。)を混合し、この鉱石とコークスの混合物(以下、「混合原材料」という。)を装入する方法が従来から行われている。しかし、鉱石と同時に装入するコークス(以下、「混合コークス」という。)の量を増加させると以下の問題が生じる。
すなわち、鉱石の粒子密度はコークスの粒子密度の約3倍であるため、鉱石とコークスの混合粒子群は、高炉への装入ベルトコンベヤー、各種ホッパーおよび分配シュートを介して炉内に装入されるまでの重力場において、混合粒子群の滑走、落下、堆積挙動の際の反跳や篩い効果のために偏析が生じて、鉱石とコークスとが分離してしまう。
この問題を回避する方法の一つとしては、鉱石と比べて密度の小さいコークスの粒径を鉱石よりも小さめにする方法が有効であると考えられている。上述したように、装入コークスのうち約10質量%程度を鉱石に混合する装入方法においても、混合コークスとして粒径が小さめ(中塊サイズ)のものを使用している。
このように、高炉で還元材として使用しているコークスのうち、塊コークスは、主にコークス単独で装入されており、炉内でコークス層を形成する。塊コークスとは、35〜80mm程度の粒度幅を持ち、平均粒径が45〜50mm程度のコークスである。塊コークスを篩で選別する際には、篩下物として6〜35mm程度の粒度幅を持つ中塊コークスが、全コークスに対して10質量%程度発生する。この中塊コークスは混合コークスとして用いられる。
したがって、鉱石とコークスの反応効率を向上させる目的で、鉱石と同時に装入する混合コークスの量を増加させようとすると、コークスの粒度分布からみて、自ずと粒径が35mm以上のコークスを使用することになる。
ところが、混合コークスの粒径が大きいと、上述した鉱石とコークスとの密度差に起因する偏析分離に加え、鉱石とコークスとの粒度差による偏析分離効果も作用し、混合原材料における鉱石とコークスの混合状態の維持は困難になるため、炉内には十分な混合層が形成されない。そのため、現状では、中塊コークスの混合コークスとしての装入量には上限があった。
地球環境問題から、鉄鋼業に要請されている炭酸ガス排出量削減の観点から、さらなる還元材比の低減が望まれている中、特許文献1には、鉱石に混合する混合コークスの量を増加させる技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、高炉の炉頂までの搬送過程における混合原材料の粒子の偏析分離を抑制するために混合コークスの粒径を全て35mm以下に規定し、さらに、炉下部までにガス化により消滅させることを目的として高反応性コークスを用い、さらに炉頂バンカーまではコークスと鉱石を別々に受け入れてそれぞれのバンカーから同時に排出し、分配シュート上で混合させることで、コークスの混合量を従来の3倍程度以上に相当する120kg/pt以上とする方法が開示されている。ここで従来のコークスの混合量は、上述したコークス比(300〜400kg/pt程度)の約10%である30〜40kg/pt程度とした。
特開2007−231326号公報 特開2003−328018号公報
しかし、特許文献1で開示された方法には以下の問題がある。一般的なコークスの平均粒径は45〜50mm程度であり、混合コークスの粒径には35mmという上限値がある。さらに、使用する混合コークスの量を増加させる場合には、粒径が35mm以下のコークスが不足することとなる。この場合、粒径が35mmより大きいコークスを粉砕して粒径を35mm以下とするか、別途粒径が35mm以下の細粒のコークスを調達する必要がある。粒径が35mm以下の混合コークスの増加は、高炉に装入するコークス全体の平均粒径を低下させることとなるため、炉内の通気抵抗の上昇を免れない。また、大きいコークスを粉砕する場合には、通常は存在しない新たな粉砕工程を介入させざるを得ない。
さらに、分配シュート上の原材料流には、回転動径方向と滑走方向に垂直な慣性力が、滑走距離に応じた大きさで発生する。そのため、分配シュート内面に沿った運動の際に、コークスと鉱石の粒子密度差による偏析分離が生じる。また、分配シュート先端部で半径方向に初速度を持つことに加え、旋回により回転方向にも初速度を持つため、偏析分離したコークスと鉱石は分配シュートから別々に炉内に投入され、自由落下に従って原材料落下幅は拡大し、コークスと鉱石は分離した状態で炉内に落下する。特に、分配シュートの直上の集合ホッパーで鉱石とコークスが同時に装入される場合には、分配シュート上に至るまでの混合度合いは低く、上述の分配シュート内での偏析分離を生じやすいため、炉内には均一な混合層を形成することが困難である。
本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、ベルレス高炉の操業において、コークスと鉱石を混合して同時に高炉に装入する際に、炉内においてコークスと鉱石が分離することなく混合層の形成が可能であり、かつ高精度な多量混合装入が可能な操業方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、混合原材料を分配シュートから装入する際に分配シュートの旋回速度を、各原材料を単独で装入する場合に通常用いられている速度よりも低下させることにより、分配シュート先端の線速度が低下し、円周方向の速度を低下させることができ、分配シュート内を混合原材料が滑走する際の偏析分離を抑制するとともに、原材料落下幅の拡大を抑制することができることを知見した。
この方法によれば、特許文献2にて開示された効果、すなわち原材料落下時の衝撃エネルギーを低下させ、炉内にソフトチャージさせることができる効果が有効に働く。そのため、混合原材料が炉内表面に着地した後の反跳を抑制できるとともに、原材料の堆積過程における異種原材料ごとの偏析分離を抑制し、所定の混合状態を所定の領域に形成することができる。その結果、高精度な多量混合装入が可能となる。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)のベルレス高炉の操業方法を要旨としている。
(1)鉱石およびコークスの少なくとも一つの単独装入および鉱石とコークスの同時装入を順次繰り返すベルレス高炉の操業方法において、内面がハーフパイプ型の分配シュートを用い、鉱石とコークスを混合原材料として同時装入を行う際の前記分配シュートの旋回速度を、鉱石およびコークスの少なくとも一つの単独装入を行う際の旋回速度よりも低速とし、かつ前記分配シュートの先端における混合原材料流の重心の振り上げ角が前記分配シュートの底面から30°以下となる旋回速度とすることを特徴とするベルレス高炉の操業方法。
(2)鉱石とコークスの同時装入を行う際に、鉱石とコークスの混合物におけるコークスの平均粒径が鉱石の平均粒径の2.14倍以上であることを特徴とする前記(1)に記載のベルレス高炉の操業方法。
本発明において「平均粒径」とは、積算篩下重量百分率が50%となる粒径をいう。
本明細書の記載において、「粒子密度」とは、粒子1個の質量に対する、内部の気孔を含んだ見かけの外周部より内側の全体積の比、すなわち見かけ密度を意味する。
本発明のベルレス高炉の操業方法によれば、コークスと鉱石からなる混合原材料を同時に高炉に装入する際に炉内においてコークスと鉱石を分離させず混合層の形成を促進することができるため、鉱石と同時に装入するコークスを多量に使用することができる。そのため、炉内における原材料の反応効率を向上させ、従来よりも還元材比の低い高炉操業を実現することができる。
コークスと鉱石からなる混合原材料の装入時のコークス偏在状況を示す図である。
本発明のベルレス高炉の操業方法は、鉱石および/またはコークスの単独装入および鉱石とコークスの同時装入を順次繰り返すベルレス高炉の操業方法において、鉱石とコークスの同時装入を行う際の分配シュートの旋回速度を、鉱石および/またはコークスの単独装入を行う際の旋回速度よりも低速とする方法である。以下に、本発明のベルレス高炉の操業方法について説明する。
一般に、鉱石およびコークスを高炉に単独装入する際には、装入系への原材料受け入れシーケンスのタイムラグの無駄をできるだけ低減するとともに、増産期に対応できるよう、可能な限り装入時間を短縮するために、分配シュートの旋回速度は通常の設備における上限である8rpmとしている。
各原材料を単独装入する場合には、分配シュートの旋回速度にかかわらず異種原材料の偏析は生じない。しかし、鉱石とコークスの混合原材料を装入する場合には、分配シュートの旋回速度が8rpmでは分配シュート内で偏析分離が生じる。そこで、本発明者らは、この偏析分離の発生を抑制し、複数の原材料の高精度な同時装入を行うには、同時装入の際の旋回速度を単独装入で通常使われている旋回速度よりも低下させることが有効であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
1.振り上げ抑制による偏析分離の抑制
ベルレス高炉で通常用いられている内面がハーフパイプ型の分配シュートの場合、旋回速度が8rpmでは、原材料粒子の集合が分配シュートの内面に落下した直後、傾動角に沿って流下する際に、円周方向(旋回方向)に慣性力により、分配シュート内の底面から側面へ原材料流が駆け上がる。
分配シュートの先端では、この駆け上がりが最大となり、原材料流の重心は、分配シュートの底面から約45°振り上げられる(以下、この原材料流の重心が振り上がる角度を「振り上げ角」という。)。混合原材料を装入する場合、この分配シュートの内面における駆け上がりの際に、原材料粒子と分配シュートの内面との間に働く摩擦力の違いや原材料粒子群内部の動的な篩効果によって偏析が生じる。
コークスと鉱石からなる混合原材料では、鉱石と比較して粒子密度の小さいコークスが、鉱石よりも振り上げられやすい。このとき、コークスの粒径が鉱石よりも大きい場合には、さらに振り上げの差が大きくなり、分配シュートの先端においてはコークスと鉱石が分離し、コークスは鉱石よりも上部から炉内に投入される。そのため、炉内落下点付近では、コークスは炉周辺部に、鉱石はその内側に偏在することになる。
分配シュートの旋回速度を6rpmに低下させると、分配シュートの先端における原材料流の重心の振り上げ角は、分配シュートの底面から約30°以下に抑制されるため、分配シュートの内面での滑走時における偏析分離は抑制される。
2.ソフトチャージ化
分配シュートの先端の円周方向の速度は、旋回速度に依存する。また、分配シュートの傾動角が高いほど半径方向の速度は大きくなる。分配シュートの旋回速度が8rpmの場合、これらの円周方向と半径方向の速度の和は、傾動角が25°では約2.5m/sであるのに対して、50°に増加させると4.0m/sまで増加する。一方、鉛直方向の速度は、傾動角が高いほど小さくなる。そのため鉛直方向の速度は、傾動角が25°では約4.5m/sであるのに対して、50°に増加させると2.0m/sまで低下する。
以上のことから、傾動角が25°から50°の範囲では、分配シュートの先端速度から算出される原材料の飛び出し速度の大きさは4.5m/sから5.0m/s程度である。飛び出した原材料は、炉内表面への着地時における原材料の落下速度の大きさが、低傾動角で約8.0m/s、高傾動角で約9.0m/sであり、原材料表面から約65°をなした入射角で炉内表面に着地する。
衝突の際の衝撃が大きい場合、落下後の原材料粒子の反跳や転動運動で、落下点付近では原材料粒子群に剪断力が作用するため、混合原材料では偏析が生じたり、堆積プロフィールが乱れたりすることがある。
そこで、分配シュートの旋回速度を8rpmから6rpmに低下させたところ、炉内表面への着地時における原材料の落下速度の大きさは、分配シュートの傾動角が20°から35°程度の低傾動角では7.9m/sと、旋回速度が8rpmの場合とほぼ等しくなる。しかし、40°以上の高傾動角では最高でも8.3m/sに抑えられ、特に高傾動角(ここでは50°)で炉周辺部に装入する場合は、旋回の低速化により、炉内表面への原材料の着地速度は0.4m/s抑制できる。また、この際に、炉内表面への原料の入射角は、分配シュートの旋回速度の8rpmから6rpmへの低下によって、65°から70°程度にまで増加する。そのため、炉内表面への着地時の衝撃エネルギーの低下と落下ベクトルの鉛直化(落下ベクトルが鉛直方向に近づくこと)により、炉内に落下する混合原材料はソフトチャージされ、落下直後の原材料粒子の反跳や転動運動が抑制され、落下点付近では均一な混合層が形成される。
本発明のベルレス高炉の操業方法の効果を確認するため、以下に示す実験を実施して、その結果を評価した。
1.実験方法および実験条件
実験には実際に用いられているベルレス高炉を縮小した装置を用いた。実験に用いる装置および原材料の粒径等の長さのスケールは実高炉に対し1/5の縮尺比とした。分配シュートの旋回速度、原材料の装入速度等、時間を含む重力場内の粒子挙動に関する物理量に関しては、重力加速度と長さの積と速度の二乗の比が、実高炉と一致するように設定した。
原材料の装入装置の炉口半径は940mmとした。分配シュートは、長さを840mm、内径を128mmとした。原材料の装入時の原材料表面から分配シュートの支点までの高さは1080mmで一定とした。炉頂部には、内径940mmのパラレルバンカーと集合ホッパーを擁する実験装置を用いた。
実験に使用する原材料として、鉱石の平均粒径は4.2mm、コークスの平均粒径は4.1mmおよび9mmとした。
原材料の装入方法は以下の通りとした。まず、鉱石680kgからなる単独層を炉内の周辺部にテラスを形成するように、鉱石を単独で装入した。
単独層として、まずテラス状の鉱石単独層を装入する理由は、このあとに同時装入され、堆積した混合原材料をサンプリングしやすい条件とするためである。本発明の方法を適用した高炉操業を想定した場合、同時装入される混合層の下層には、鉱石単独槽、コークス単独層、および鉱石とコークスの混合層のいずれかの原材料の層が存在することとなるが、実際の操業では各層の境界を明確にする必要がないため、各層の形状は特に限定されない。しかし、実験による検証においては、混合層とその下層との境界を明確にする必要がある。そして、混合層の下層が鉱石層である場合、コークス層と比較して、混合原材料が落下、堆積する際に落下点付近の境界の乱れが小さく、混合層と下層との境界が明確になる。そのため、本実施例では下層には鉱石単独層を選択した。
次に、分配シュート、集合ホッパーおよび炉頂パラレルバンカーを、単独で装入した鉱石の炉内の周辺部のテラス表面から分配シュートの支点間での高さを再度1080mmになるように、昇降装置で上昇させた。その状態で、合計40kgの鉱石とコークスからなる混合原材料を完全に混合した状態で分配シュートに落下させた。この際、混合原材料に占めるコークスの割合は2.8重量%と10重量%とした。
分配シュートの旋回速度は、上述の設定手法により、実高炉の8rpm相当として18rpm、実高炉の6rpm相当として13.4rpm、実高炉の4.5rpm相当として10rpmに設定した。分配シュートの傾動角は一定として、混合原材料を炉内周辺部の原材料のテラス上に装入した。
テラス上に装入する理由は、実高炉の操業において、混合原材料の効果を有効に発揮するには、炉内では断面積が大きく、還元負荷が大きい炉内周辺部を利用することが得策であり、実用的だからである。また、別の理由は、本発明の効果が明確になるように、分配シュート内と自由落下の際に生じている混合原材料の偏在状態に着目しているためである。
原材料の装入後、炉内に堆積した原材料のうち、混合原材料として炉内に装入した鉱石(混合鉱石)とコークス(混合コークス)だけを円周方向4方位において半径方向に10分割以上してサンプリングし、各ポイントの鉱石とコークスの重量を測定し、混合原材料中の堆積原料幅方向のコークス混合率の分布を算出した。なお、先に単独装入した鉱石を装入前に塗料にて着色しておいたため、サンプリングの際には、混合原材料として装入した鉱石との区別をつけることができた。
図1は、実験結果として、コークスと鉱石からなる混合原材料の装入時のコークス偏在状況を示す図である。混合コークスは、混合原材料中の約10重量%であり、実高炉の160kg/ptに相当する。同図から、実高炉の8rpm相当の場合には、6rpm相当の場合と比較すると、コークスが炉壁側に偏在していることがわかる。
混合原材料として同時装入され炉内に堆積した原材料において幅方向に、炉壁側の端から原材料幅の15%の距離までの原材料に占める混合原材料中のコークス重量存在率をAとし、炉内側の端から原材料幅の15%の距離までの原材料に占める混合原材料中のコークス重量存在率をBとする。そして、Aに対するBの比をコークス偏在度と定義し、混合原材料として同時装入され炉内に堆積した原材料における混合コークスの炉壁方向への偏在度合いを下記(1)式で定量化した。
コークス偏在度=A/B …(1)
炉内に混合原材料として同時装入した鉱石とコークスが炉内の落下点付近で均一な混合状態を形成している場合には、上記(1)式で定義したコークス偏在度は1.0となる。コークス偏在度は、コークスが炉壁側に偏在したときは1よりも大きくなり、炉内側に偏在したときは1未満となる。すなわち、コークス偏在度が1.0に近いほど混合状態が促進されていることを示す。コークス偏在度が1.0に対して±20%以内(0.8以上1.2以下)であれば、ほぼ均一に混合されているとみなすことができ、高炉内の反応効率を上昇させ得る良好な状態であることを示す。
本実験では、分配シュートの旋回速度、原材料の装入量、混合原材料における鉱石中へのコークスの混合比率(鉱石への混合重量分率)、原材料の平均粒径、コークスの粒径と鉱石の粒径の比(コークス/鉱石粒径比)、ならびに混合原材料として同時装入するコークスの粉砕処理等の事前処理の有無を表1に示す通りに変更し、炉内に堆積した後の混合原材料における混合コークスの炉壁方向への偏在度合い(コークス偏在度)を評価した。
Figure 0005488315
実験番号1は、分配シュートの旋回速度が単独装入時と同時装入時とで同じ(18rpm(実炉相当で8.0rpm)であり、コークスの粒径と鉱石の粒径の比が0.98と1に近く、混合原材料におけるコークスの混合比率が0.028(実炉相当で45kg/pt)と小さい従来例である。
実験番号2および実験番号3は、篩下品である混合コークスの混合原材料における混合比率を、従来例から0.10(実炉相当で160kg/pt)に増加させた比較例である(以下、それぞれ「比較例1」および「比較例2」ともいう。)。比較例1では、鉱石と同時に装入するコークスについて、粉砕等の事前処理工程を介入させず、コークスの篩目サイズを従来例よりも増加させた。比較例2では、粒度偏析を抑制するため、鉱石と同時に装入するコークスについて、粉砕等の事前処理工程を介入させることによりコークスの粒径を上記従来例と同じとした。
実験番号4〜6は、単独装入時の分配シュートの旋回速度を同時装入時よりも低下させた本発明例である(以下、それぞれ「本発明例1」、「本発明例2」および「本発明例3」ともいう。)。本発明例1では、比較例2の条件において、分配シュートの旋回速度を低下させた。本発明例2では、本発明例1で実施した同時装入コークス粉砕等の事前処理工程を介入させなかった。本発明例3では、本発明例2の条件において、同時装入時の分配シュートの旋回速度を低下させた。
2.実験結果
上記表1に、実験結果であるコークス偏在度を、実験条件と併せて示す。従来例では、鉱石に混合するコークスの粒径が鉱石の粒径とほぼ等しい上、コークスの混合量が少ないため、分配シュートの内部で混合原材料が流下しながら分配シュート内側面へ振り上げられる際の、コークス粒子の振り上げは小さく、結果としてコークス偏在度は1.18と小さかった。
比較例1では、コークスの粉砕等の事前処理工程を介入させなかったため、バランス上、混合コークスの平均粒径は45.0mmとなり、鉱石の平均粒径の2倍以上であった。そのため、混合原材料中のコークスは、鉱石よりも粒子密度が小さいだけでなく、粗粒である(平均粒径が鉱石よりも大きい)ため、分配シュート内では鉱石との分離が助長される。そのため、コークス偏在度は3.52と大きく、炉内では良好な混合状態を保てなかった。
比較例2の装入条件は、特許文献1に記載の方法の条件である。特許文献1に記載の方法では、同時装入するためのコークスを細粒化するための事前処理工程を介入させること、または別工程から平均粒径の小さいコークスを運搬する等の工程を介入させること等が必要となる。比較例2では、コークスの粒径を上記従来例と同じとした結果、コークス偏在度は2.96と実験番号2と比べて多少低下したものの、3に近い値であり、炉内では良好な混合状態を保てなかった。
本発明例1では、比較例2の条件で分配シュートの旋回速度だけ低下させた。その結果、コークス偏在度は0.99と、ほぼ1となり、良好な混合状態を形成することができた。
本発明例2では、本発明例1で実施した同時装入コークスの事前処理工程を介入させず、バランス上コークス粒径の上昇を許容した。その結果、粒度偏析の影響でコークス偏在度は1.17と、本発明例1よりやや上昇したが、分配シュートが低速旋回であったため、混合状態は保たれた。
本発明例3では、本発明例2よりも分配シュートの旋回速度を低下させた結果、コークス偏在度は1.05と本発明例1の値に近づき、良好な混合状態を形成することができた。
本発明のベルレス高炉の操業方法によれば、コークスと鉱石からなる混合原材料を同時に高炉に装入する際に炉内においてコークスと鉱石を分離させず混合層の形成を促進することができるため、鉱石と同時に装入するコークスを多量に使用することができる。そのため、炉内における原材料の反応効率を向上させ、従来よりも還元材比の低い高炉操業を実現することができる。

Claims (2)

  1. 鉱石およびコークスの少なくとも一つの単独装入および鉱石とコークスの同時装入を順次繰り返すベルレス高炉の操業方法において、
    内面がハーフパイプ型の分配シュートを用い、
    鉱石とコークスを混合原材料として同時装入を行う際の前記分配シュートの旋回速度を、鉱石およびコークスの少なくとも一つの単独装入を行う際の旋回速度よりも低速とし、かつ前記分配シュートの先端における混合原材料流の重心の振り上げ角が前記分配シュートの底面から30°以下となる旋回速度とすることを特徴とするベルレス高炉の操業方法。
  2. 鉱石とコークスの同時装入を行う際に、鉱石とコークスの混合物におけるコークスの平均粒径が鉱石の平均粒径の2.14倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のベルレス高炉の操業方法。
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