JP5487716B2 - 車両用シートのスライドレール変形防止構造 - Google Patents

車両用シートのスライドレール変形防止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5487716B2
JP5487716B2 JP2009120180A JP2009120180A JP5487716B2 JP 5487716 B2 JP5487716 B2 JP 5487716B2 JP 2009120180 A JP2009120180 A JP 2009120180A JP 2009120180 A JP2009120180 A JP 2009120180A JP 5487716 B2 JP5487716 B2 JP 5487716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
lower rail
slide rail
seat
deformation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009120180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010264961A (ja
Inventor
大輝 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2009120180A priority Critical patent/JP5487716B2/ja
Publication of JP2010264961A publication Critical patent/JP2010264961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5487716B2 publication Critical patent/JP5487716B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用シートのスライドレール変形防止構造に関する。
従来、特許文献1のような車両用シートが知られている。図8及び図9は、この特許文献1において開示された車両用シートの概略構成を示した図である。なお、図8の(A)図は、特許文献1の車両用シートの通常時の概略構成を示した側面図である。図8の(B)図は、(A)図のVIII-VIII線断面図である。図9の(A)図は、特許文献1の車両用シートの車両衝突時の概略構成を示した側面図である。図9の(B)図は、(A)図のIX-IX線断面図である。
図8の(A)図に図示されるように、この車両用シート510においては、乗員の乗り心地を快適にするために、乗員の体形に応じてシートを前後方向にスライドできる車両用シート510のシートスライド装置が採用されている。詳しくは、シートクッション530はスライドレール550を介して車体フロアFに対してスライド可能に配置されている。このスライドレール550は、一般に車体フロアFに所定の間隔をおいて前後方向に配置される左右一対のロアレール570と、このロアレール570に摺動自在に設けられたアッパーレール560とから構成されている。
ここで、このロアレール570はスライド方向に対する嵌合断面状態で見て一辺に開口部を有する四角形状に形成されている。このロアレール570に対し、アッパーレール560はロアレール570の開口部から内部に挿入配置された形態でロアレール570と離反防止嵌合構成として配置されている。また、このスライドレール550に構成されるアッパーレール560には、シートクッション530を保持するクッションフレーム532が固定されている。
また、この車両用シート510には衝突等における乗員の傷害を防ぐためのシートベルト装置540が装着されている。従来、このシートベルト装置540の受け金具となるシートベルトバックル542は、剛性の高い車体フロアFに直接固定されていたが、シートを前後方向にスライドさせた場合、その都度シートベルトの長さを調節しなければならない煩わしさがあった。そこで、最近ではシートベルトバックル542を直接シートスライド装置側又はクッションフレーム532に取り付ける構成が良く知られている。
しかし、この方式の車両用シート510では自動車の衝突等で車体に衝撃が加わった場合、車両用シート510のシート荷重及び着座者の着座者荷重が、シートベルトバックル542及びクッションフレーム532を介してアッパーレール560に荷重PXとして入力される。そのため、アッパーレール560に入力された上記荷重PXが離反防止嵌合構成に対して離反方向の作用力として加わったとき、その作用がロアレール570の開口部を有する一辺の両側の両側辺を拡開させる作用力として及ぼされる。
この作用力によって、アッパーレール560と離反防止嵌合構成であるロアレール570が変形し、ロアレール570に対するアッパーレール560の摺動が不円滑になるという問題があった。また、上記荷重PXが大荷重となる場合には、ロアレール570の変形が進行して、アッパーレール560がロアレール570から剥離(離脱)するという問題があった。
このロアレール570の変形を防止する一手段として、ロアレール570の強度を向上させることが考えられ、例えば、ロアレール570の板厚を増加することが考えられる。しかしながら板厚増加分の重量増加、コスト増加、加工費の増加等の問題がある。また、材料変更も考えられるがコスト増加につながるおそれがある。
そこで特許文献1においては、図8の(B)図に図示されるように、ロアレール570の変形を防止するためにロアレール570にロアレール補強部材600を一体的に設けている。
図8の(B)図に図示されるように、この特許文献1におけるロアレール補強部材600は、ロアレール570の外周に圧入されると共に、一部クッションフレーム532に一定の間隔をもって係止されている。これにより、クッションフレーム532にロアレール補強部材600を一定の間隔をもって係止しているため、シートクッション530に荷重PXが入力された場合、クッションフレーム532とロアレール補強部材600が係合して荷重PXをある程度抑えることができロアレール570の変形をより少なくすることができる。
実開平3−53330号公報
しかしながら、図9の(A)(B)図に図示されるように、このロアレール補強部材600の構造は、ロアレール570の下面部及び両側辺を覆う形状となっている。ここでロアレール570の変形挙動を見ると、ロアレール570は、下面部と両側辺の交点部分を支点として両側辺が外方側に展開するように変形をする。
そのため、ロアレール570が拡開しようとする力点FX(図8の(B)図参照)と、ロアレール570の両側辺の変形の支点までの距離LX(図8の(B)図参照)が大きければ大きいほどトルクが増加する傾向にある。よって、アッパーレール560に大荷重PXが入力されると、上記ロアレール570を変形させるトルクが、ロアレール補強部材600の強度を上回ってしまいロアレール570は変形してしまうため、更なる改善が求められている。
そこで、本発明者は鋭意検討の結果、上記ロアレール570の変形挙動から、ロアレール570が拡開しようとする力Fと、ロアレール570の両側辺の回転中心となる下面部の基点までの距離Rに着目した。また、自動車の衝突等で車体に衝撃が加わった場合に入力される大荷重PXは、アッパーレール560に集中することに着目した。
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両用シートのスライドレールについて、車両衝突時に伴う大荷重の入力による変形を防止することにある。
シートクッションはスライドレールを介して車体フロアに対してスライド可能に配置されており、該スライドレールは車体フロア側に配置されるロアレールとシートクッション側に配置されるアッパーレールとからなり、該ロアレールはスライド方向に対する嵌合断面状態で見て一辺に開口部を有する四角形状に形成されており、アッパーレールは前記ロアレールの開口部から内部に挿入配置された形態で該ロアレールと離反防止嵌合構成として配置されており、該離反防止嵌合構成に対して離反方向の作用力が加わったとき、その作用が前記ロアレールの開口部を有する一辺の両側の両側辺を拡開させる作用力として及ぼされる構成となっている車両用シートであって、
前記スライドレールには、ロアレールの両側辺の拡開を防止するスライドレール変形防止部材が配設されており、該スライドレール変形防止部材は、前記ロアレールの両側辺の外側に変形防止部片が隣接して配設されており、該両変形防止部片は少なくとも前記ロアレールの開口部を形成した側で連結部片で一体的に連結されてロアレールの両側辺の拡開を防止することができる構成であり、
前記スライドレール変形防止部材の前記ロアレールの両側辺の外側に配設される変形防止部片は、前記ロアレールの開口部を形成した側及びその反対側の両側で連結部片で一体的に連結されており、スライドレールの周方向で覆われた形態として構成されており、
さらに、前記スライドレール変形防止部材は、前記シートクッション側の部材に取り付けられており、シートクッションのスライド移動に伴い前記変形防止部片がロアレールの両側辺を移動してロアレールの両側辺の拡開を防止することができる構成であり、
前記車両用シートのシートクッション側の部材には、シートベルト装置を備えており、
前記スライドレール変形防止部材は該シートベルト装置を構成するシートベルトバックル又はバックルに取り付けられているブラケットに取り付けられており、
前記ブラケットは、板状部材で略L字状に形成されており、一方の端部に前記シートベルトバックル又はバックルが取り付けられており、他方の端部に前記スライドレール変形防止部材が取り付けられており、前記ブラケットの屈曲部に設けられた貫通孔と、前記シートクッションのクッションフレームの側部位置に設けられた孔部において一点で締結されて取付けられていることを特徴とする。
この第1の発明によれば、スライドレールには、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるロアレールの両側辺の拡開を防止するスライドレール変形防止部材を有している。そして、このスライドレール変形防止部材は、ロアレールの両側辺の外側に変形防止部片が隣接して配設されており、該両変形防止部片は少なくともロアレールの開口部を形成した側で連結部片で一体的に連結されてロアレールの両側辺の拡開を防止する構成とされている。
これにより、ロアレールの開口部を形成した側で連結部片で一体的に連結されているため、ロアレールが拡開しようとする力点と、ロアレールの両側辺の変形の支点までの距離が小さくすることができるため、ロアレールを拡開させるトルクを小さくすることができる。よって、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるスライドレールの変形を防止することができる。また、車両衝突時に伴う大荷重となってロアレールの拡開が進行して、アッパーレールがロアレールから剥離(離脱)しようとしても、このスライドレール変形防止部材は、アッパーレール側を覆っているため、アッパーレールとロアレールの剥離(離脱)を起こりにくくすることができる。
また、スライドレール変形防止部材は、スライドレールの周方向に覆われた形態として構成されている。そのため、スライドレール変形防止部材がロアレールの下面部まで形成されていることで更にロアレールの変形をしにくくすることができる。
また、従来、車両衝突時に伴う大荷重(車両用シートのシート荷重及び着座者の着座者荷重)が全てアッパーレールに入力されることにより荷重が集中して、ロアレールの変形がしやすかった。しかし、上記構成では、スライドレール変形防止部材がシートクッション側の部材に取り付けられている。そのため、車両衝突時に伴う大荷重がシートクッション側の部材を介してスライドレール変形防止部材にも伝達される。さらに、ロアレールの下面部とスライドレール変形防止部材の下面部(ロアレールの開口部を形成した側の反対側の面)が接触して大荷重を受けることができる。そのため、荷重の分散ができロアレールの変形を防止することができる。
また、スライドレール変形防止部材がシートクッション側の部材に取り付けられているためシートクッションのスライド移動に伴い変形防止部片がロアレールの両側辺を移動してロアレールの両側辺の拡開を防止することができる構成とされている。すなわち、スライドレール変形防止部材は、車両用シートのスライド移動と共に追従して車両用シートのスライド位置のそれぞれの位置においてロアレールの両側辺の拡開の防止を発揮することができる。
また、スライドレール変形防止部材は、シートベルト装置を構成するシートベルトバックル又はバックルに取り付けられているブラケットに取り付けられている。車両衝突時における大荷重が、シートベルトからスライドレール変形防止部材に伝達されて直接ロアレールに流すことができるため、荷重の分散がより一層効果的となり、ロアレールの変形を防止することができる。
また、前方衝突において車両用シートのシート荷重及び着座者の着座者荷重がより集中する位置は、シートベルト装置が構成される位置近傍のアッパーレール部である。
そのため、この両荷重が集中するアッパーレール部の位置近傍にスライドレール変形防止部材を設定することがより、ロアレールの変形をより効果的に防止することができる。
上記構成以外にも次のような構成が考えられる。
の発明において、前記スライドレールのロアレールはその前後に配設される脚ブラケットにより車体フロアに取り付けられる構成であり、前記スライドレール変形防止部材は該脚ブラケットにより車体フロアに取り付けられたロアレールの前後の脚ブラケット間に配設されることを特徴とする場合である。この場合には、アッパーレールとロアレールが常に重なった部分でスライドレール変形防止部材を配置することができる。
本発明は上記各発明の手段をとることにより次の効果を得ることができる。
先ず、上記第1の発明の車両用シートのスライドレール変形防止構造によれば、ロアレールの開口部を形成した側で連結部片で一体的に連結されているため、ロアレールが拡開しようとする力点と、ロアレールの両側辺の変形の支点までの距離が小さくすることができるため、ロアレールを拡開させるトルクを小さくすることができる。よって、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるスライドレールの変形を防止することができる。また、車両衝突時に伴う大荷重となってロアレールの拡開が進行して、アッパーレールがロアレールから剥離(離脱)しようとしても、このスライドレール変形防止部材は、アッパーレール側を覆っているため、アッパーレールとロアレールの剥離(離脱)を起こりにくくすることができる。
また、スライドレール変形防止部材がロアレールの下面部まで形成されていることで更にロアレールの変形をしにくくすることができる。車両衝突時に伴う大荷重がシートクッション側の部材を介してスライドレール変形防止部材にも伝達される。さらに、ロアレールの下面部とスライドレール変形防止部材の下面部(ロアレールの開口部を形成した側の反対側の面)が接触して大荷重を受けることができる。そのため、荷重の分散ができロアレールの変形を防止することができる。また、スライドレール変形防止部材は、車両用シートのスライド移動と共に追従して車両用シートのスライド位置のそれぞれの位置においてロアレールの両側辺の拡開の防止を発揮することができる。
また、車両衝突時における大荷重が、シートベルトからスライドレール変形防止部材に伝達されて直接ロアレールに流すことができるため、荷重の分散がより一層効果的となり、ロアレールの変形を防止することができる。
また、前方衝突において車両用シートのシート荷重及び着座者の着座者荷重がより集中する位置は、シートベルト装置が構成される位置近傍のアッパーレール部である。
そのため、この両荷重が集中する位置近傍にスライドレール変形防止部材を設定することがより、ロアレールの変形をより効果的に防止することができる。
実施例1に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した側面図である。 図1のII-II線断面図である。 実施例1に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した斜視図である。 実施例2に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した図である。(A)図は、実施例2の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のIV-IV線断面図である。 実施例3に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した図である。(A)図は、実施例3の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のV-V線断面図である。 実施例3に係る車両用シートの変形例1の概略構成を示した図である。(A)図は、変形例1の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のVI-VI線断面図である。 実施例3に係る車両用シートの変形例2の概略構成を示した図である。(A)図は、変形例2の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のVII-VII線断面図である。 従来の車両用シートの通常時の概略構成を示した図である。(A)図は、従来の車両用シートの通常時の概略構成を示した側面図である。(B)図は、(A)図のVIII-VIII線断面図である。 従来の車両用シートの車両衝突時の概略構成を示した図である。(A)図は、従来の車両用シートの車両衝突時の概略構成を示した側面図である。(B)図は、(A)図のIX-IX線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態の実施例について図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートのスライドレール変形防止構造の構成について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、実施例1に係る車両用シートの概略構成を示した側面図である。図2は、図1のII-II線断面図である。図3は、実施例1に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した斜視図である。
なお、本実施例1の車両用シート10においては、スライドレール変形防止構造の構成に特徴を有している。その他の部分については特に変更を要しないのでその説明は省略することがある。なお、図1は、車両用シート10のシートクッション30の側面を図示しており、車両用シート10として構成されるシートバック20の一部の図示を省略している。また、図3は、クッションフレーム32の構成のうちロアアーム34のみを図示して、シートクッション30の他の構成は図示を省略している。また、各図において、矢印で示すFWD、UPRは車両用シート10の前方、上方を示している。
本実施例1の車両用シート10は、車両の1列目の運転席や助手席、2列目や3列目に配設される後部座席の何れにおいても採用されるものである。なお、本実施例1の車両用シート10は、車両の1列目に配設される運転席における構成を示したものである。先ず、この車両用シート10の概略構成を説明した上で、各構成についての説明をする。
図1に図示されるように、この車両用シート10は、車両に備えられた運転席シートとして配設されており、乗員が着座するためのものである。この車両用シート10は、概略、背凭れ部となるシートバック20と、着座部となるシートクッション30と、を有する。また、このシートクッション30のインナー側の側面部には、シートベルト装置40の受け金具となるバックル42が配設されている。
また、シートクッション30は、シートクッション30と車体フロアFとの間に左右一対で設けられたスライドレール50によって、車体フロアFに対する前後方向のスライド位置が調整できるようになっている。スライドレール50は、車体フロアF側に配置されるロアレール70とシートクッション30側に配置されるアッパーレール60とから構成されている。またロアレール70は、その図示下側に示されている前後の脚ブラケット52F、52Rによって車体フロアFに一体的に組み付けられている。また、アッパレール60は、シートクッション30と一体的に固定されている。
そして、さらに、スライドレール50には、スライドレール変形防止部材80が設けられている。
スライドレール50においては、車両衝突の衝撃によって車両用シートのシート荷重及び着座者の着座者荷重が、バックル42及びクッションフレーム32を介してアッパーレール60に入力され、さらにはロアレール70に伝達されてロアレール70のロアレール開口部75(図2参照)を拡開させる作用力として及ぼされる。そして、ロアレール70が変形し、ロアレール70に対するアッパーレール60の摺動が不円滑になったり、ロアレール70の変形が進行して、アッパーレール60がロアレール70から剥離(離脱)するという問題がある。この問題に対処するためスライドレール50には、スライドレール変形防止部材80が構成されている。
図2に図示されるように、このスライドレール変形防止部材80は、スライドレール50に対し周方向で覆われた部材で構成されてロアレール70の両側辺の拡開を防止する。また、スライドレール変形防止部材80は、シートクッション30側の部材に取り付けられている。これは、車両衝突時に伴う大荷重がシートクッション30側の部材を介してスライドレール変形防止部材80にも伝達されて、車体フロアF側に配置されるロアレール70へ大荷重を流して荷重の分散をするためである。以下に各構成について説明する。
シートクッション30について説明する。
図1に図示されるように、シートクッション30は、着座者の座面として構成されているものである。このシートクッション30は、骨格としてのクッションフレーム32に発泡樹脂製のシートパッドが覆われて、表皮が掛け付けられている。クッションフレーム32の全体構成については図示を省略するが、このクッションフレーム32は、シートクッション30の骨格として構成されており、金属板状部材が適宜に折曲加工されて矩形枠状に成形されてシートクッション30と略同一幅のU字形に形成されている。
図3に図示されるように、クッションフレーム32の側部位置には、ロアアーム34が構成されている。このロアアーム34は、クッションフレーム32の剛性を担ってクッションパッドを支持するために構成されており、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を適宜折り曲げられて断面略コの字状、かつ、シートクッション30の側面と略同一の形状に形成されている。
図3に図示されるように、詳細には、このロアアーム34は、車体フロアFに対して略垂直に立設されてシートクッション30の側面と略同一の形状のロアアーム側面部34Aが形成されている。図2に良く示されるように、このロアアーム側面部34Aには、前述したシートベルト装置40の受け金具であるバックル42を取付けるためのバックル連結孔34Hが板厚方向に貫通形成されている。また、ロアアーム側面部34Aの上方と下方には、図示向かって左側(アウター側)に水平方向(幅方向)に折り返されて上面部34Uと下面部34Bが形成されている。この下面部34Bは、長手方向に沿って板厚方向に貫通孔34Cが形成されており、複数のボルトB1・・及びナットN・・によってアッパレール60のアッパーレール上面部61と締結されて一体的に締結固定される。
次に、シートベルト装置40について説明する。
図3に図示されるように、このシートベルト装置40は、車両用シート10のアウター側(図示省略)の側部に配設された帯状のシートベルト(図示省略)を引き出して、このシートベルトに挿通されたタングプレート(図示省略)を受け金具であるバックル42に差し込んで装着することができるようになっている。これにより、上記の引き出されたシートベルトによって、乗員の体を拘束した状態として保持することができるようになっている。
図3に図示されるように、このバックル42は、これと一体的に構成された平板状のブラケット44によってロアアーム側面部34Aの外側面に取付けられている。詳細には、ブラケット44は、金属製の板状部材で略L字状に形成されており、一方の端部にはバックル42が取り付けられている。もう一方の端部には、後述するスライドレール変形防止部材80が取付固定されている。図2に図示されるように、ブラケット44の屈曲部44A(図3参照)には板厚方向に貫通孔44Bが形成されている。バックル42は、このブラケット44がロアアーム側面部34Aの外側面に当て交われた状態で、ブラケット44の貫通孔44B(図2参照)と、ロアアーム34のバックル連結孔34HがボルトB2及びナットW(図3参照)により締結されることで取付けられている。
次に、スライドレール50について説明する。
図3に図示されるように、このスライドレール50は、シートクッション30を車体フロアFに対してスライド可能に配置するためのものである。詳しくは、シートクッション30と車体フロアFとの間に左右一対で設けられて、シートクッション30を車体フロアFに対する前後方向のスライド位置が調整できるようになっている。
このスライドレール50は、常時は、車両用シート10の前後方向のスライド移動を規制したロック状態とされて保持されている。そして、スライドレール50は、シートクッション30の前方側の下部位置に配設された操作レバー(図示省略)の引き上げ操作を行うことにより、上記のロック状態が一斉に解除操作されるようになっており、スライドレール50のロック状態が解除された状態で車両用シート10を前後方向にスライド移動する構成となっている。また、各スライドレール50は、操作レバーの引き上げ操作をやめることにより、再び、車両用シート10のスライド移動を規制可能なロック状態に戻されるようになっている。
このスライドレール50は、車体フロアF側に配置されるロアレール70とシートクッション30側に配置されるアッパーレール60とから構成されている。
ロアレール70について説明する。
図2に示されるように、ロアレール70は、スライド方向に対する嵌合断面状態で見て一辺にロアレール開口部75を有する四角形状に形成されている。詳しくは、このロアレール70は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって長尺状に形成されている。また同図に示されるような一辺にロアレール開口部75を有する四角形状に形成されている。具体的には、ロアレール70の断面形状は、平板形状のロアレール下面部71と、その両サイドから立ち上がる平板形状のロアレール右側面部72R及びロアレール左側面部72Lと、これらの上端から内側に水平に折り返される平板形状のロアレール右上面部73R、ロアレール左上面部73Lと、これらの内端から真っ直ぐに垂下する平板形状のロアレール右返し面部74R及びロアレール左返し面部74Lと、から成る断面形状に形成されている。
図3に図示されるように、そして、ロアレール右返し面部74Rやロアレール左返し面部74Lには、その長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の係合孔74H・・が等間隔に配置形成されている。なお、ロアレール左返し面部74Lにも係合孔74H・・が形成されているのは、ロアレール70を車両用シート1の右側用のレール部品としても左側用のレール部品としても共用可能とするためである。
次に、アッパレール60について説明する。
図2に示されるように、このアッパレール60は、このロアレール70のロアレール開口部75から内部に挿入配置された形態でロアレール70と離反防止嵌合構成として配置されている。このアッパレール60の離反防止嵌合構成の断面形状について説明する。このアッパレール60は、ロアレール70に対して長手方向にスライド移動可能に嵌め込まれた断面形状に形成されている。
このアッパレール60は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるような一定の断面形状で長尺状に形成されている。具体的には、アッパレール60の断面形状は、平板形状のアッパーレール上面部61と、その両サイドから真っ直ぐに垂下する平板形状のアッパーレール右側面部62R及びアッパーレール左側面部62Lと、これらの下端から外方に跳ね上げられる形状のアッパーレール右ひれ面部63R及びアッパーレール左ひれ面部63Lと、から成る断面形状に形成されている。
また、アッパーレール上面部61にはロアアーム34の貫通孔34Cに対応した位置において、板厚方向に貫通した貫通孔61Aが形成されている。
そして、図示は省略するが、アッパーレール右側面部62Rやアッパーレール右ひれ面部63Rの前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した4個の係合孔(図支省略)が互いに幅方向に並んで長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。また、アッパレール60の前後方向の中央付近の面部には、スライド移動をロックするためのロック部材(図支省略)を組み付けるための受入口(図支省略)が、上面部61やアッパーレール右側面部62Rに開口形成されている。また、アッパレール60の長手方向の後側端部には、その端部を閉じることのできるキャップ(図支省略)が取り付けられている。
図2に図示されるように、上記したアッパーレール60は、ロアレール70の長手方向の端部から挿入されることでロアレール開口部75から内部に挿入配置された形態となってロアレール70と離反防止嵌合構成として配置されている。ここでアッパーレール60に車両上方側へ大荷重が入力されるとロアレール70と離れる方向に荷重がかかることになり離反方向への作用力が加わわることとなる。この作用がロアレール70のロアレール開口部75を有するロアレール右上面部73R、ロアレール左上面部73Lの両側のロアレール右側面部72R及びロアレール左側面部72Lを拡開させる作用力として及ぼされる構成となっている。
脚ブラケット52F、52Rについて説明する。
図1、図3に図示されるように、脚ブラケット52F、52Rは、スライドレール50を車体フロアF上に左右一対に配設するためのものである。具体的には、スライドレール50の構成のうちロアレール70を車体フロアFに一体的に固定するものである。この脚ブラケット52F、52Rは、ピンPによってロアレール70のロアレール下面部71に締結されて一体的に固定されるとともに、ピン(図示省略)によって車体フロアFに一体的に固定されている。
図3に図示されるように、更に、スライドレール50には、スライドレール変形防止部材80が配設されている。
図2に図示されるように、このスライドレール変形防止部材80は、ロアレール70の両側辺の拡開を防止するために構成されたものであり、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるようなスライドレール50の周方向で覆われた断面形状に形成されている。なお、このスライドレール変形防止部材80は、ロアレール70の両側辺の拡開防止のために設けられるものであるため、ロアレール70より剛性を有する必要がある。そのため、ロアレール70より板厚の大きい鉄鋼材より成る平板状部材が使用されている。また、ロアレール70より高剛性材料を適宜選択することも望ましい。
図2に図示されるように、具体的なスライドレール変形防止部材80の断面形状は、スライドレール50に構成されるロアレールのロアレール右側面部72Rの外側に隣接された右側変形防止部片81Rとロアレール左側面部72Lの外側に隣接する左側変形防止部片81Lが配設されている。この両変形防止部片81R、81Lは、ロアレール開口部75が形成されたロアレール右上面部73R、ロアレール左上面部73L側(アッパーレール上面部61側)が上側連結部片82Uによって一体的に連結されており、ロアレール下面部71側が下側連結部片82Bによって一体的に連結されている。
図2に図示されるように、また、スライドレール変形防止部材80は、バックル42に取り付けられているブラケット44に取り付けられている。その取付構成は、上側連結部片82Uが折り曲げられて上方側へ延設された取付部83Rと、ロアレール左側面部72Lから車両上方側へ延設された取付部83Lとによってブラケット44の両側を挟み込んだ状態で溶接固定されて取り付けられている。なお、ボルト及びナット、螺子部材等による締結固定でもよい。
図2に図示されるように、スライドレール変形防止部材80の右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lは、ロアレール70の両側辺の拡開を防止するためにこのロアレール70の両側辺と近接して形成されている。また、スライドレール変形防止部材80は車両用シートのスライド移動と共に摺動するため、両変形防止部片81R、81Lとロアレール70の間の摩擦係数を小さくするためにフッ素樹脂等の低摩擦素材を介してもよい。これにより、金属接触による磨耗を抑制することができる。
図2に図示されるように、また、下側連結部片82Bは、ロアレール下面部71と下側連結部片82Bが接触して大荷重をロアレール下面部71に流すことができるように近接して形成されている。
これは、スライドレール変形防止部材80はシートクッション30側の部材であるブラケット44に取り付けられていることから、車両衝突時に伴う大荷重がシートベルトを介してスライドレール変形防止部材80にも伝達されて、車体フロアF側に配置されるロアレール70へ大荷重を流して荷重の分散をする。
図2に図示されるように、上記、下側連結部片82Bとロアレール下面部71の近接した距離は、車両衝突の衝撃による大荷重が、バックル42及びクッションフレーム32を介してアッパーレール60に入力されてロアレール70に伝達され、ロアレール70のロアレール開口部75を拡開させる作用力によってロアレール70が変形する前にロアレール下面部71と下側連結部片82Bが接触するように設定されている。
また、両変形防止部片81R、81Lと同様、スライドレール変形防止部材80の下側連結部片82Bは車両用シートのスライド移動と共に摺動するため、下側連結部片82Bとロアレール下面部71の間の摩擦係数を小さくするためにフッ素樹脂等の低摩擦素材を介してもよい。これにより、金属接触による磨耗を抑制することができる。
このように、本実施例1の車両用シートのスライドレール変形防止構造によれば、スライドレール50には、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるロアレール70の両側辺の拡開を防止するスライドレール変形防止部材80を有している。そして、このスライドレール変形防止部材80は、ロアレール70の両側辺の外側に右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lが隣接して配設されており、この両変形防止部片81R、81Lは少なくともロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されてロアレール70の両側辺の拡開を防止する構成とされている。
これにより、ロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されているため、ロアレール70が拡開しようとする力点FXと、ロアレール70の両側辺の変形の支点までの距離LYが小さくすることができるため、ロアレール70を拡開させるトルクを小さくすることができる。よって、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるスライドレール50の変形を防止することができる。また、車両衝突時に伴う大荷重となってロアレール70の拡開が進行して、アッパーレール60がロアレール70から剥離(離脱)しようとしても、このスライドレール変形防止部材80は、アッパーレール60側を覆っているため、アッパーレール60とロアレール70の剥離(離脱)を起こりにくくすることができる。
また、スライドレール変形防止部材80は、スライドレール50の周方向に覆われた形態として構成されている。そのため、スライドレール変形防止部材80がロアレール70のロアレール下面部71まで形成されていることで更にロアレール70の変形をしにくくすることができる。
また、従来、車両衝突時に伴う大荷重(車両用シート10のシート荷重及び着座者の着座者荷重)が全てアッパーレール60に入力されることにより荷重が集中して、ロアレール70の変形がしやすかった。しかし、本実施例1の車両用シートのスライドレール変形防止構造によれば、スライドレール変形防止部材80がシートクッション30側の部材としてのシートベルト装置40のブラケット44に取り付けられている。そのため、車両衝突時に伴う大荷重がブラケット44を介してスライドレール変形防止部材80にも伝達される。さらに、ロアレール70のロアレール下面部71とスライドレール変形防止部材80の下側連結部片82B(ロアレール70のロアレール開口部75を形成した側の反対側の面)が接触して大荷重を受けることができる。そのため、荷重の分散ができロアレール70の変形を防止することができる。
また、スライドレール変形防止部材80がシートクッション30側の部材としてのシートベルト装置40のブラケット44に取り付けられているためシートクッション30のスライド移動に伴い右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lがロアレール70の両側辺を移動してロアレール70の両側辺の拡開を防止することができる構成とされている。すなわち、スライドレール変形防止部材80は、車両用シート10のスライド移動と共に追従して車両用シート10のスライド位置のそれぞれの位置においてロアレール70の両側辺の拡開の防止を発揮することができる。
また、スライドレール変形防止部材80は、シートベルト装置40を構成するバックル42に取り付けられているブラケット44に取り付けられている。車両衝突時における大荷重が、シートベルトからスライドレール変形防止部材80に伝達されて直接ロアレール70に流すことができるため、荷重の分散がより一層効果的となり、ロアレール70の変形を防止することができる。また、前方衝突において車両用シート10のシート荷重及び着座者の着座者荷重がより集中する位置は、シートベルト装置40が構成される位置近傍のアッパーレール60の位置である。そのため、この両荷重が集中するアッパーレール60の位置の近傍にスライドレール変形防止部材80を設定することがより、ロアレール70の変形をより効果的に防止することができる。
また、スライドレール50のロアレール70はその前後に配設される脚ブラケット52F、52Rにより車体フロアに取り付けられる構成である。スライドレール変形防止部材80は脚ブラケット52F、52Rにより車体フロアに取り付けられたロアレール70の前後の脚ブラケット52F、52R間に配設されるため、アッパーレール60とロアレール70が常に重なった部分でスライドレール変形防止部材80を配置することができる。
次に、実施例2の車両用シートのスライドレール変形防止構造の構成について、図4を用いて説明する。
図4は、実施例2に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した図である。(A)図は、実施例2の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のIV-IV線断面図である。なお、実施例2では、実施例1の車両用シートのスライドレール変形防止構造と実質的に同様の構成及び作用を奏する箇所については同一の符号を付して説明を省略し、相違する箇所について詳しく説明をする。
図4の(A)図に図示されるように、実施例2のスライドレール変形防止部材280の特徴は、シートベルト装置40のブラケット44の屈曲部44Aの近傍に取り付けられていることである。車両が前方衝突である場合、大荷重によってロアレール70は車両後方側の端部から拡開する。これを防止するために、実施例2においてはロアレール70のより車両後方側における位置にスライドレール変形防止部材280を配設したものである。
実施例1で示したスライドレール変形防止部材80は、脚ブラケット52F、52R間に配設される構成である。実施例2のスライドレール変形防止部材280は、実施例1より更にブラケット44の屈曲部44Aの近傍に取り付けるためにスライドレール変形防止部材80の構成のうちの下側連結部片82Bを無くした構成となっている。
このように、本実施例2の車両用シートのスライドレール変形防止構造によれば、スライドレール50には、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるロアレール70の両側辺の拡開を防止する。このスライドレール変形防止部材280は、ロアレール70の両側辺の外側に右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lが隣接して配設されており、この両変形防止部片81R、81Lは少なくともロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されてロアレール70の両側辺の拡開を防止する構成とされている。
これにより、ロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されているため、ロアレール70が拡開しようとする力点FXと、ロアレール70の両側辺の変形の支点までの距離LYが小さくすることができるため、ロアレール70を拡開させるトルクを小さくすることができる。よって、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるスライドレール50の変形を防止することができる。また、車両衝突時に伴う大荷重となってロアレール70の拡開が進行して、アッパーレール60がロアレール70から剥離(離脱)しようとしても、このスライドレール変形防止部材280は、アッパーレール60側を覆っているため、アッパーレール60とロアレール70の剥離(離脱)を起こりにくくすることができる。
また、スライドレール変形防止部材280がシートクッション30側の部材としてのシートベルト装置40のブラケット44に取り付けられているためシートクッション30のスライド移動に伴い右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lがロアレール70の両側辺を移動してロアレール70の両側辺の拡開を防止することができる構成とされている。すなわち、スライドレール変形防止部材280は、車両用シート10のスライド移動と共に追従して車両用シート10のスライド位置のそれぞれの位置においてロアレール70の両側辺の拡開の防止を発揮することができる。また、前方衝突において車両用シート10のシート荷重及び着座者の着座者荷重がより集中する位置は、シートベルト装置40が構成される位置近傍のアッパーレール60部である。そのため、この両荷重が集中するアッパーレール60部の位置近傍にスライドレール変形防止部材280を設定することがより、ロアレール70の変形をより効果的に防止することができる。
次に、実施例3の車両用シートのスライドレール変形防止構造の構成について、図5から図7を用いて説明する。
図5は、実施例3に係る車両用シートのスライドレール変形防止構造の概略構成を示した図である。(A)図は、実施例3の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のV-V線断面図である。また、図6は、実施例3に係る車両用シートの変形例1の概略構成を示した図である。(A)図は、変形例1の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のVI-VI線断面図である。図7は、実施例3に係る車両用シートの変形例2の概略構成を示した図である。(A)図は、変形例2の概略構成を示した斜視図である。(B)図は、(A)図のVII-VII線断面図である。
なお、実施例3では、実施例1の車両用シートのスライドレール変形防止構造と実質的に同様の構成及び作用を奏する箇所については同一の符号を付して説明を省略し、相違する箇所について詳しく説明をする。
図5の(A)図に図示されるように、実施例3のスライドレール変形防止部材380Aの特徴は、車両用シート10のスライド移動に追従して移動しない比較的簡易な構成のものである。すなわち、実施例1におけるスライドレール変形防止部材80はブラケット44に取り付けられた構成であるが、実施例3においては、スライドレール50のアッパーレール側から覆われたスライドレール変形防止部材380Aが構成されている。ロアレール70のロアレール右側面部72Rの外側に隣接された右側変形防止部片81Rとロアレール左側面部72Lの外側に隣接する左側変形防止部片81Lが構成される。また、両変形防止部片はロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されている。なお、溶接固定であっても圧入される構成であっても良い。なお、このスライドレール変形防止部材380Aは、車両用シート10のスライド移動によってロアアームと干渉しないように前側に設置されている。
図6(A)(B)に、上記実施例3の変形例1を示す。
この変形例1の基本構成は上記スライドレール変形防止部材380Aの構成と同様であるが、この変形例1のスライドレール変形防止部材380Bは、同図に示すとおり、ロアレール70は、スライド方向に対する嵌合断面状態で見てロアレール下面部71側に延設された下側支持部片82Cが構成されている。
また、図7(A)(B)に、上記実施例3の変形例2を示す。
この変形例2の基本構成は上記スライドレール変形防止部材380Aの構成と同様であるが、この変形例2のスライドレール変形防止部材380Cは、同図に示すとおり、ロアレール70は、スライド方向に対する嵌合断面状態で見てロアレール下面部71側に延設された下側連結部片82Bが構成されている。
このように、本実施例3の車両用シートのスライドレール変形防止構造によれば、スライドレール50には、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるロアレール70の両側辺の拡開を防止するスライドレール変形防止部材380を有している。そして、このスライドレール変形防止部材380は、ロアレール70の両側辺の外側に右側変形防止部片81Rと左側変形防止部片81Lが隣接して配設されており、この両変形防止部片は少なくともロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されてロアレール70の両側辺の拡開を防止する構成とされている。
これにより、ロアレール70のロアレール開口部75を形成した側で上側連結部片82Uで一体的に連結されているため、ロアレール70が拡開しようとする力点FXと、ロアレール70の両側辺の変形の支点までの距離LYが小さくすることができるため、ロアレール70を拡開させるトルクを小さくすることができる。よって、車両衝突時に伴う大荷重の入力によるスライドレール50の変形を防止することができる。また、車両衝突時に伴う大荷重となってロアレール70の拡開が進行して、アッパーレール60がロアレール70から剥離(離脱)しようとしても、このスライドレール変形防止部材380は、アッパーレール60側を覆っているため、アッパーレール60とロアレール70の剥離(離脱)を起こりにくくすることができる。
以上、本発明の実施形態を三つの実施例を用いて説明したが、本発明の車両用シートのスライドレール変形防止構造は、本実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、実施例1及び実施例2においては、スライドレール変形防止部材は、シートベルト装置のブラケットに取り付けられた構成を示した。しかしながらこれに限定されるものではなく、シートクッション側の部材に取り付けられた構成であればよく、例えば、ロアアームに取り付けられた構成にも適用できるものである。
10 車両用シート
20 シートバック
30 シートクッション
32 クッションフレーム
34 ロアアーム
34A ロアアーム側面部
34U 上面部
34B 下面部
34H バックル連結孔
34C 貫通孔
40 シートベルト装置
42 バックル
44 ブラケット
44A 屈曲部
44B 貫通孔
50 スライドレール
52F 脚ブラケット
52R 脚ブラケット
60 アッパーレール
61 アッパーレール上面部
61A 貫通孔
62R アッパーレール右側面部
62L アッパーレール左側面部
63R アッパーレール右ひれ面部
63L アッパーレール左ひれ面部
70 ロアレール
71 ロアレール下面部
72R ロアレール右側面部
72L ロアレール左側面部
73R ロアレール右上面部
73L ロアレール左上面部
74R ロアレール右返し面部
74L ロアレール左返し面部
75 ロアレール開口部
74H 係合孔
80 スライドレール変形防止部材
81R 右側変形防止部片
81L 左側変形防止部片
82U 上側連結部片
82B 下側連結部片
82C 下側支持部片
83R、83L 取付部
280 スライドレール変形防止部材
380A スライドレール変形防止部材
380B スライドレール変形防止部材
380C スライドレール変形防止部材
B1、B2 ボルト
N、W ナット
F 車体フロア
P ピン
FX ロアレールが拡開しようとする力点
LY ロアレールの両側辺の変形の支点までの距離

Claims (1)

  1. シートクッションはスライドレールを介して車体フロアに対してスライド可能に配置されており、該スライドレールは車体フロア側に配置されるロアレールとシートクッション側に配置されるアッパーレールとからなり、該ロアレールはスライド方向に対する嵌合断面状態で見て一辺に開口部を有する四角形状に形成されており、アッパーレールは前記ロアレールの開口部から内部に挿入配置された形態で該ロアレールと離反防止嵌合構成として配置されており、該離反防止嵌合構成に対して離反方向の作用力が加わったとき、その作用が前記ロアレールの開口部を有する一辺の両側の両側辺を拡開させる作用力として及ぼされる構成となっている車両用シートであって、
    前記スライドレールには、ロアレールの両側辺の拡開を防止するスライドレール変形防止部材が配設されており、該スライドレール変形防止部材は、前記ロアレールの両側辺の外側に変形防止部片が隣接して配設されており、該両変形防止部片は少なくとも前記ロアレールの開口部を形成した側で連結部片で一体的に連結されてロアレールの両側辺の拡開を防止することができる構成であり、
    前記スライドレール変形防止部材の前記ロアレールの両側辺の外側に配設される変形防止部片は、前記ロアレールの開口部を形成した側及びその反対側の両側で連結部片で一体的に連結されており、スライドレールの周方向で覆われた形態として構成されており、
    さらに、前記スライドレール変形防止部材は、前記シートクッション側の部材に取り付けられており、シートクッションのスライド移動に伴い前記変形防止部片がロアレールの両側辺を移動してロアレールの両側辺の拡開を防止することができる構成であり、
    前記車両用シートのシートクッション側の部材には、シートベルト装置を備えており、
    前記スライドレール変形防止部材は該シートベルト装置を構成するシートベルトバックル又はバックルに取り付けられているブラケットに取り付けられており、
    前記ブラケットは、板状部材で略L字状に形成されており、一方の端部に前記シートベルトバックル又はバックルが取り付けられており、他方の端部に前記スライドレール変形防止部材が取り付けられており、前記ブラケットの屈曲部に設けられた貫通孔と、前記シートクッションのクッションフレームの側部位置に設けられた孔部において一点で締結されて取付けられていることを特徴とする車両用シートのスライドレール変形防止構造。
JP2009120180A 2009-05-18 2009-05-18 車両用シートのスライドレール変形防止構造 Expired - Fee Related JP5487716B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009120180A JP5487716B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 車両用シートのスライドレール変形防止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009120180A JP5487716B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 車両用シートのスライドレール変形防止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010264961A JP2010264961A (ja) 2010-11-25
JP5487716B2 true JP5487716B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=43362345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009120180A Expired - Fee Related JP5487716B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 車両用シートのスライドレール変形防止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5487716B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014211993B4 (de) * 2014-06-23 2019-09-05 Lear Corporation Sitzschienenanordnung mit Lastaufnahmestrukturen und Fahrzeugsitzanordnung
JP7318405B2 (ja) * 2018-11-27 2023-08-01 マツダ株式会社 車両用シート構造
KR102365399B1 (ko) 2020-08-03 2022-02-21 현대트랜시스 주식회사 차량용 시트레일의 회전방지장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5467922A (en) * 1977-11-09 1979-05-31 Delta Kogyo Co Seat adjustor
JPS6058539U (ja) * 1983-09-30 1985-04-23 三菱自動車工業株式会社 シ−トスライド装置
JPS62124059U (ja) * 1986-01-31 1987-08-06
JPH0353330U (ja) * 1989-09-30 1991-05-23

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010264961A (ja) 2010-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5338813B2 (ja) 折り畳み式シート
EP2193956B1 (en) Vehicle seat
WO2014024936A1 (ja) 車両用シート
JP6442349B2 (ja) 乗物用シート
JP5690093B2 (ja) 乗り物用シート構造
JP5275622B2 (ja) 車両用シート
JP6297472B2 (ja) 乗物用シート
JP4539435B2 (ja) 車両用シート
US20090134686A1 (en) Vehicle seat
US10195973B2 (en) Vehicle structure body
US11472323B2 (en) Frame structure for a vehicle seat backrest
CN107539179B (zh) 车辆座椅
JP5487716B2 (ja) 車両用シートのスライドレール変形防止構造
JP2017013639A (ja) 車両用シートレール
US10442319B2 (en) Vehicle seat
JP6822201B2 (ja) 乗物シート用クッションフレーム
JP2016052820A (ja) リヤシートバックフレーム構造
JP7167682B2 (ja) 車両の下部車体構造
JP2011255860A (ja) 自動車のシートバックの支持構造
JP7300107B2 (ja) 車両のフロア構造
JP5989856B2 (ja) 乗物用シート
WO2020203216A1 (ja) 車両のボディ構造
JP6624262B2 (ja) 乗物用シート
JP3621308B2 (ja) 自動車におけるシート周りの車体補強構造
WO2019203012A1 (ja) 乗物用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5487716

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees