JP5487532B2 - インクジェットプリンタ、析出物発生防止方法、および、インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ、析出物発生防止方法、および、インクジェット記録方法 Download PDF

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本発明は、インクジェットプリンタ、析出物発生防止方法、および、インクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、簡便で、かつ安価に画像を作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。一般には、水を主溶媒とした水系のインクジェットインクをインク吸収性を備えた専用紙に記録するが、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後に紫外線(UV光)等の活性エネルギー線(放射線)の照射により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式など水系以外のインクジェットも実用化されている。
中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べて比較的低臭気であり、即乾性で、インク吸収能のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、様々な活性光線硬化型インクジェットの技術が開示されている。
活性光線硬化型インクジェット用インクは、(メタ)アクリレートに代表されるラジカル系重合性化合物を用いるものが実用化されているが、最近では、記録媒体に対する密着性、低臭気、酸素による重合阻害が少ない等の理由で、カチオン重合性組成物を用いた活性光線硬化型インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタの提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、インクジェットプリンタにおいて、インクタンクやインクタンクとインクジェット記録ヘッド間のインク供給路を構成する材料は、耐久性や加工の簡便性という観点からステンレス、アルミニウムなどの金属を用いることが多い。特に、インク中の異物等を取り除き、目詰まりを防止する目的で、インク供給路にフィルタが設置され、これらのフィルタを構成する部材としても、金属を用いることが多い。
上記の様な金属材料から構成されるインクジェットプリンタにより、カチオン重合性組成物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いて画像形成する場合、インクジェットプリンタの使用環境やインク供給路の構成材料により、インク中に析出物が発生し、この析出物がインク供給路を詰まらせたり、ノズル部に到達して出射不良を引き起こすことが判明した。一般に、活性光線硬化性インクジェットの析出は、活性光線の漏れ光が原因であることがあり、それに関する対策はこれまでになされているが、これら対策によってもインク中の析出があり、いまだ十分な解決には至っていない。
特開2005−290246号公報 特開2004−34543号公報
本来、カチオン重合性組成物を含有する活性光線硬化性のインクジェットインクは、活性光線の照射により、カチオン重合することで硬化するが、このようなインクを2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなる接インク部材を有するインクジェットプリンタに用いた場合、この接インク部材のそれぞれ近傍に有してなる導電性材料間に電位差が生じることがあった。この電位差により生じた起電力によってカチオン重合性組成物が予期しない重合をしてしまい、これが析出物として発生していることが分かってきた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、カチオン重合性組成物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができる活性光線硬化型インク、インクジェットプリンタ、析出物発生防止方法、および、インクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
5.カチオン重合性化合物と、亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物とを含有する活性光線硬化型インクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタであって、
前記活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が、金属もしくは合金からなる2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなり、
前記活性光線硬化型インクの存在下において、前記2種以上の導電性材料の間に発生する電位差が0〜0.5V未満であり、
前記亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物は、前記2種以上の導電性材料に対する被膜形成能を有する、インクジェットプリンタ。

6.前記接インク部材が、ステンレス、アルミニウム、カーボン、ニッケル合金、銅、Ca、SiC、BeO、AlN、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、スズ、亜鉛、鉛、銀、金、及び、これらの金属同士の合金、或いはこれらの金属とこれらとは別の金属を用いた合金、から選ばれる少なくとも1種を有してなることを特徴とする5に記載のインクジェットプリンタ。
7.活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなるインクジェットプリンタを用い、
前記活性光線硬化型インクとしてカチオン重合性化合物と、前記接インク部材に対する被膜形成能を有する化合物とを有する活性光線硬化型インクジェットインクを用いて、前記それぞれ近傍に有してなる2種以上の導電性材料の間に発生する電位差を0〜0.5V未満とすることを特徴とする析出物発生防止方法。
8.活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなるインクジェットプリンタを用い、
前記活性光線硬化型インクとしてカチオン重合性化合物と、前記接インク部材に対する被膜形成能を有する化合物とを有する活性光線硬化型インクジェットインクを用いるインクジェット記録方法であって、前記それぞれ近傍に有してなる2種以上の導電性材料の間に発生する電位差を0〜0.5V未満とすることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、カチオン重合性組成物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができる活性光線硬化型インク、インクジェットプリンタ、析出物発生防止方法、および、インクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明の各構成要素の詳細について説明する。
《インクジェットプリンタ》
本発明のインクジェットプリンタは、主には、カチオン重合性組成物を含有するインクを貯留するインクタンク、該インクタンクから記録ヘッドにインクを送液するためのインク供給路、該インク供給路より供給されたインクを、記録媒体上に出射する記録ヘッド、及び記録媒体上に着弾したインク液滴を硬化させるための活性光線照射光源より構成され、また、インクタンクと記録ヘッドのインク供給路には、フィルタあるいは中間タンクが設けられている。
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェットプリンタの全体構成を示す図である。
1はカチオン重合性組成物を含有するインクを貯留して供給するインクタンクであり、図1では、一例として、イエローインクタンク1Y、マゼンタインクタンク1M、シアンインクタンク1C及び黒インクタンク1Kからなる構成を示している。2は、記録媒体上にインク液滴を吐出して画像を形成するノズルを有する記録ヘッドであり、イエロー記録ヘッド2Y、マゼンタ記録ヘッド2M、シアン記録ヘッド2C及び黒記録ヘッド2Kで構成される。3は、活性エネルギー線である紫外線を記録媒体上に着弾したインクに照射する活性エネルギー線源である。
4はキャリッジであり、キャリッジ4は記録ヘッド2及びエネルギー線源3を一体に搭載しており、キャリッジガイド5により案内されて矢印WX1、WX2で示すように往復移動して、記録媒体Pを走査し、記録媒体Pに画像を形成する。
6はフィルタボックスであり、イエロー用フィルタボックス6Y、マゼンタ用フィルタボックス6M、シアン用フィルタボックス6C及び黒用フィルタボックス6Kで構成される。7は中間タンクであり、イエロー用中間タンク7Y、マゼンタ用中間タンク7M、シアン用中間タンク7C及び黒用中間タンク7Kで構成される。
記録用インクはインクタンク1から中間タンク7に送られ、中間タンク7からインク供給路8を経て記録ヘッド2に供給される。インク供給路8はイエローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及び黒インク用の供給路で構成されており、各単色インクはそれぞれ独立して、インクタンク1からインク供給路8を経て記録ヘッド2に供給される。
10は記録ヘッド2の回復処理を行うメンテナンスユニットであり、記録ヘッド2をキャッピングする吸引キャップ9を有する。12は廃インクを収容する廃インク容器であり、フラッシングにおいて、記録ヘッド2から強制吐出されたインクを受け、収容する。
図2は、本発明のインクジェットプリンタのインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。
図2のa)においては、インクタンク101は、ジョイントJ1を介してインク供給路102に接続され、更にこのインク供給路102の端部は、ジョイントJ2を介してキャリッジ103に収納されている記録ヘッド104に接続されている。画像形成情報に従って記録ヘッド104のノズルNより記録媒体上に、インク液滴が吐出され、ついで、瞬時に活性エネルギー線源Lより、着弾したインクに活性エネルギー線を照射して、インクを硬化させる。
図2のb)は、インク供給路102の途中に、フィルターを内蔵した中間タンクユニット105を設けた一例である。インクタンク101の排出口とインク供給路102とをジョイントJ1で接続し、ジョイントJ3を介して中間ユニットタンク105に接続されている。インクはジョイントJ3部より中間タンク前室106に送液された後、フィルタ107により異物等を除いて中間タンク108に送液される。次いで、中間タンク108とインク供給路102がジョイントJ4を介して接続されており、中間タンク108に貯留された濾過済のインクを記録ヘッド104に供給するインク供給ラインである。なお、図2のb)に示す109は、フィルタ107に隣接するフィルタ隣接部である。
図2のc)は、図2のb)における中間タンクユニット105に代えて、フィルタボックス110を設けた例である。インクの入側をジョイントJ5を介し、またインクの出側をジョイントJ6を介して、それぞれインク供給路102と接続されているフィルタボックス110中には、フィルタ107が設けられており、インク中の異物等を除いた後、インクを記録ヘッド104に供給するインク供給ラインである。なお、図2のc)に示す111は、フィルタ107に隣接するフィルタ隣接部である。
上記説明した図2においては、便宜上、マゼンタ用の記録ヘッドへインクを供給するラインのみを示してあるが、図1に記載のように、同様の供給ラインが、イエロー用記録ヘッド、シアン用記録ヘッド、黒用記録ヘッドにも設けられている。また、図2には、説明に必要な構成のみを示しており、図2に記載はしていないが、例えば、インクの送液を制御する電磁弁、分岐ジョイント、送液ポンプの他、記録ヘッドの制御部等が設けられる。
本発明のインクジェットプリンタは、例えば、図1あるいは図2に示すインクジェットプリンタあるいはインクインク供給ラインにおいて、1)インクを貯留するインクタンク及びインクタンクからインクを出射する記録ヘッドのノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材が、2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に含むものである。
本発明において、接インク部とは、インクタンク、インク供給路、中間タンクユニット、記録ヘッド、フィルタボックス等と、それらを接続するジョイント群で、本発明に係るカチオン重合性組成物を含有するインクと直接的に接する部分であり、例えば、図2のa)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1、J2及び記録ヘッド内部104である。また、図2のb)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1〜J4、中間タンクユニット105のフィルタ107とフィルタ隣接部109及び記録ヘッド内部104である。また、図2のc)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1、J2、J5、J6、フィルタボックス110内のフィルタ107とフィルタ隣接部111及び記録ヘッド内部104などである。
本発明において2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有するとは、インクの供給路内でインクの存在下にこれら2種以上の導電性材料を用いることによって電位差による起電力が発生する程度の近さを意味し、具体的には、インクタンク101とフィルタ107、インク供給路102とジョイントJ1〜J4など、異なる部材の接点や、同一の部材であっても側面と底面とで2種以上の導電性材料を用いている場合も含む。なお、合金のようにそれ自体が異なる2種以上の導電性材料からなっているようなものであっても本発明にいう2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有するものに含まれる。
本発明でいう導電性材料としては、一般に構造物の形成にも適用されている金属材料を用いることができ、具体的には、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、鉛、銀、金及びそれら金属同士或いは別の金属を用いた合金を用いることができ、その中でも、特に、ステンレスやアルミニウムは加工性取り扱い性、コストの点で望ましい。
接インク部に導電性材料を適用するものとしては、インクタンク、ジョイント部、インク供給路分岐部、インクポンプ、中間タンク、フィルタ、弁、その他流路等があるが、特に、インクとの接触面積が大きいフィルタ部や、インクの滞留時間が長いインクタンク内及びインクタンク近傍、取分け、吐出ヘッドの近くに配置する中間タンクに上記の構成を採ることが重要となってくる。
本発明のインクジェットプリンタの記録ヘッドに設けるノズルは内径が100μm以下という微小な孔であり、インク中の微細な異物を確実に取り除くことが、安定な出射を行う上では重要な要件となってくる。従って、本発明に適用するフィルタとしては、上記のような微細な異物を除くことができる構成とすることが好ましく、例えば、スクリーンメッシュと呼ばれるステンレス等の合金からなる金網の単層体、ステンレス等の合金からなる金網を積層し、各層を焼結した焼結金属フィルタ、ステンレス鋼の微細繊維を複雑に編み込んだ金網にて繊維間の接点を焼結した焼結金属ファイバフィルタ、金属粉末を焼結した焼結金属フィルタ等が挙げられ、これらの中でも、特に、ボックス状の焼結金属ファイバフィルタを使用することが好ましい。
次に本発明に係るインクについて説明する。
本発明に係るインクは、カチオン重合性組成物及び前記接インク部材に対して被膜形成能を有する化合物を含有することを特徴とする。
《カチオン重合性組成物》
本発明に係るカチオン重合性組成物を含有するインクは、カチオン重合性組成物(活性光線硬化型組成物、光重合成組成物)として、カチオン硬化性モノマー(カチオン重合性化合物)を含有する。カチオン硬化性モノマー(カチオン重合性化合物)としてはオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、かつ、更にビニルエーテル化合物を含有することがより好ましい。
〈オキセタン環を有する化合物〉
本発明に係るオキセタン環を有する化合物について、以下説明する。
(2位が置換されているオキセタン環を有するオキセタン化合物)
本発明の活性光線硬化型組成物では、下記一般式(14)で表される2位が置換されているオキセタン環を分子中に少なくとも1つ有するオキセタン化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005487532
上記一般式(14)において、R1〜R6は各々水素原子または置換基を表す。但し、R3〜R6で表される基の少なくとも一つは置換基である。一般式(14)において、R1〜R6で表される置換基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
(分子中に1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物)
更に、上記一般式(14)の中でも、下記一般式(15)〜(18)で表されるオキセタン環を有する化合物が好ましく用いられる。
Figure 0005487532
式中、R1〜R6は水素原子または置換基を表し、R7、R8は各々置換基を表し、Zは各々独立で酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。一般式(15)〜(18)において、R1〜R6で表される置換基は前記一般式(14)のR1〜R6で表される置換基と同義である。
一般式(15)〜(18)において、R7、R8で表される置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。
一般式(15)〜(18)において、Zで表される酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられ、また前記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の炭素原子は酸素原子や硫黄原子に置き換わっていてもよい。
上記の置換基の中でも、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)が好ましく、特に好ましく用いられるのはエチル基である。また、R7及びR8としてはプロピル基、ブチル基、フェニル基またはベンジル基が好ましく、Zは酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等)が好ましい。
(分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物)
また、本発明では、下記一般式(19)、(20)で表されるような分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物を用いることができる。
Figure 0005487532
式中、Zは前記一般式(15)〜(18)において用いられる基と同義であり、mは2、3または4を表す。R1〜R6は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)またはフリル基を表す。但し、一般式(19)においては、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
式中、R9は炭素数1〜12の線形または分岐アルキレン基、線形または分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または下記一般式(22)、(23)及び(24)からなる群から選択される2価の基を表す。
上記の炭素数1〜12の分岐アルキレン基の一例としては、下記一般式(21)で表されるアルキレン基が好ましく用いられる。
Figure 0005487532
式中、R10は低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
Figure 0005487532
式中、nは0または1〜2000の整数を表し、R12は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、R11は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)または下記一般式(25)で表される基を表す。
Figure 0005487532
式中、jは0または1〜100の整数を表し、R13は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表す。
Figure 0005487532
式中、R14は水素原子、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、炭素数1〜10個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシカルボニル基((例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)またはカルボキシル基を表す。
Figure 0005487532
式中、R15は酸素原子、硫黄原子、−NH−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、または、−C(CF32−を表す。
本発明で使用されるオキセタン環を有する化合物の好ましい部分構造の態様としては、例えば、上記一般式(19)、(20)において、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)であることが好ましく、特に好ましくはエチル基である。また、R9としてはヘキサメチレン基、または上記一般式(23)において、R14が水素原子であるものが好ましく用いられる。
上記一般式(21)において、R10がエチル基、R12及びR13がメチル基、Zが酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基が好ましい。
更に、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の好ましい態様の一例としては、下記一般式(26)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
式中、rは25〜200の整数であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)またはトリアルキルシリル基を表す。R1、R3、R5、R6は、上記一般式(14)においてR1〜R6で表される置換基と同義である。但し、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
以下、本発明に係る2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の具体例を例示化合物1〜15として示すが、本発明はこれらに限定されない。
1:trans−3−tert−ブチル−2−フェニルオキセタン
2:3,3,4,4−テトラメチル−2,2−ジフェニルオキセタン
3:ジ[3−エチル(2−メトキシ−3−オキセタニル)]メチルエーテル
4:1,4−ビス(2,3,4,4−テトラメチル−3−エチル−オキセタニル)ブタン
5:1,4−ビス(3−メチル−3−エチルオキセタニル)ブタン
6:ジ(3,4,4−トリメチル−3−エチルオキセタニル)メチルエーテル
7:3−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−2,2,3,4−テトラメチルオキセタン
8:2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタン
9:4,4′−ビス[(2,4−ジメチル−3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル
10:1,7−ビス(2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタニル)ヘプタン)
11:オキセタニル・シルセスキオキサン
12:2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン
13:2,2,3,3−テトラメチルオキセタン
14:2−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチルオキセタン
15:ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の合成は、下記に記載の文献を参考に合成することができる。
(1)Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
(2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
(3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can. J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
(4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka,and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
(5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
(6)Chem.Ber.101,1850(1968)
(7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley&Sons,New York(1964)
(8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
(9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
(10)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
(11)特開平6−16804号公報
(12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の活性光線硬化型インク中の含有量は、1〜97質量%が好ましくは、より好ましくは30〜95質量%である。
(オキセタン化合物とその他のモノマーとの併用)
また、本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物は、単独で用いてもよいが、構造の異なる2種を併用してもよく、また、後述する、光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物等を併用して使用することができる。併用する場合、混合比は少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物が混合物中、10〜98質量%になるように調整することが好ましく、またその他の光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物が2〜90質量%になるように調整することが好ましい。
(3位のみに置換基を有するオキセタン化合物)
本発明では、上記の2位に置換基を有するオキセタン化合物と従来公知のオキセタン化合物とを併用することができるが、中でも3位のみに置換基を有するオキセタン化合物が好ましく併用できる。
ここで、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526公報、同2001−310937公報に紹介されているような公知のものを使用することができる。
3位のみに置換基を有する化合物としては、下記一般式(27)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
一般式(27)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(28)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 0005487532
一般式(28)において、R1は上記一般式(27)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては下記一般式(29)、(30)及び(31)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 0005487532
一般式(29)において、R4は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基またはカルバモイル基である。
Figure 0005487532
一般式(30)において、R5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32またはC(CH32を表す。
Figure 0005487532
一般式(31)において、R6はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に下記一般式(32)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 0005487532
一般式(32)において、R8はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
例示化合物1は、前記一般式(28)においてR1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(28)においてR1がエチル基、R3が前記一般式(31)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(33)で示される化合物がある。一般式(33)において、R1は前記一般式(27)のR1と同義である。
Figure 0005487532
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(34)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
一般式(34)において、R1は前記一般式(27)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3または4である。
Figure 0005487532
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
Figure 0005487532
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(35)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
一般式(35)において、R8は前記一般式(32)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明に係るオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物4、5、6がある。
Figure 0005487532
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の例示化合物7、8、9が挙げられる。
Figure 0005487532
〈エポキシ化合物〉
本発明に係るエポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物のモノマー及びそのオリゴマーのいずれも使用できる。具体的には、従来公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。なお、以下エポキシ化合物とは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。本発明におけるオリゴマーとしては、低分子量の化合物が好ましく、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ましい。
芳香族エポキシ化合物として好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、以下に示す化合物等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物の好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
更に、これらの化合物の他に、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシ化合物及び脂環式エポキシ化合物が好ましく、特に脂環式エポキシ化合物が好ましい。本発明では、上記エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明で好ましく用いることできるエポキシ化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 0005487532
Figure 0005487532
Figure 0005487532
脂環式エポキシ化合物の添加量としては、10〜80質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると硬化環境(温度、湿度)により硬化性が著しく変わってしまい使えない。80質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く使えない。本発明では、脂環式エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、これらの脂環式エポキシ化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John&Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、特許2906245号、特許2926262号の各公報等の文献を参考にして合成できる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドを含有する。
エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドをオキセタン化合物/脂環式エポキシ化合物の系に併用することにより、AMES及び感作性、皮膚刺激性、臭気等の安全・環境の観点で好ましいだけでなく、硬化環境(温度、湿度)により硬化収縮による皺の発生、硬化性・吐出性の不良等の従来からの問題点を解決することができる。
本発明で用いることのできるエポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドとしては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。
エポキシ化脂肪酸エステルは、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
〈ビニルエーテル化合物〉
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、i−プロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物の内、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
《カチオン重合開始剤》
本発明に係るインクにおいて、カチオン重合開始剤(光重合開始剤ともいう。)としてオニウム塩を用いることができる。オニウム塩としては、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
本発明でカチオン重合開始剤として用いられるスルホニウム塩としては、下記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩化合物が好ましい。
Figure 0005487532
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、R31〜R47はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、R31〜R33が同時に水素原子を表すことがなく、R34〜R37が同時に水素原子を表すことがなく、R38〜R41が同時に水素原子を表すことがなく、R42〜R47が同時に水素原子を表すことはない。
31〜R47で表される置換基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニル基、フェニルチオ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等を挙げることができる。
31は、非求核性のアニオン残基を表し、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、B(C654、R18COO、R19SO3、SbF6、AsF6、PF6、BF4等を挙げることができる。ただし、R18及びR19は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。この中でも、安全性の観点からB(C654、PF6が好ましい。
上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Voi.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
本発明においては、前記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩が、下記一般式〔5〕〜〔13〕から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが、特に好ましい。X31は非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
Figure 0005487532
本発明においては、一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩が、前記一般式(5)〜(13)から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが特に好ましい。Xは非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
ヨードニウム塩を含めた例示化合物としては、前記(5)〜(13)式のX=PF6の他に下記の化合物が挙げられる。
Figure 0005487532
Figure 0005487532
Figure 0005487532
本発明の活性光線硬化型組成物において、硬化性向上の点から光重合開始剤として、オニウム塩を0.5質量%以上含有することが好ましく、また保存性の点からは5質量%未満含有することが好ましい。
《被膜形成能を有する化合物》
本発明に係るインクは、被膜形成能を有する化合物を含有する。これにより、本発明のインクの存在下、接インク部材の2種以上の導電性材料によって発生する電位差を減じることができる。つまり、前記接インク部材に対する被膜形成能を有する化合物が接インク部材に対して被膜を形成することで、2種以上の導電性材料間で電子の授受を抑制することができ、よって電位差の発生を減じることができ、結果としてカチオン重合性組成物が予期せぬ重合をすることを防止でき、析出物の発生を抑制することができる。
本発明に係る導電性材料に対し被膜形成能を有する化合物とは、該化合物を含有する本発明に係るインクが導電性材料に接触する際に導電性材料表面に吸着しうる化合物である。
被膜形成能を有する化合物としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの硝酸塩、硼酸ナトリウム、硼酸カリウムなどの硼酸塩、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カリウムなどのモリブデン酸塩、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、アリキルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのカルボン酸塩、ピロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、珪酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、メチレンホスホン酸ナトリウムなどのホスホン酸塩、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸、2−ベンゾチアゾールチオプロピオン酸、2−ベンゾチアゾールプロピオン酸などのチアゾール類、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、アルキルベンゼンスルホン酸などのアニオン系界面活性剤が挙げられ、これらが好ましく用いられる。
吸着のタイプとしては、導電性材料表面に酸化被膜を作るタイプ、カルシウムイオンなどのインクの成分と結合して導電性材料表面に被膜を作るタイプ、金属イオンと共に被膜を作る沈殿被膜タイプ、極性基と疎水基を有する分子が導電性材料表面に極性を介して吸着する吸着被膜タイプなどがある。
酸化被膜タイプで吸着する化合物としては、亜硝酸塩、硝酸塩、モリブデン酸塩等が挙げられる。沈殿被膜タイプで吸着する化合物としては、ホスホン酸塩、重合リン酸塩、亜鉛塩、硼酸塩、トリアゾール系化合物、イミダゾール化合物、チアゾール化合物等が挙げられる。吸着被膜タイプで吸着する化合物としては、アミン類、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。
インク中の被膜形成能を有する化合物の濃度は、溶解する範囲であれば問題ないが、導電性材料に対して被膜を形成するという点で0.01質量%〜25質量%が好ましい。
《接インク部材の導電性材料間の電位差》
本発明に係る接インク部材の導電性材料間の電位差が0.5V未満にするために、前記接インク部材に対する被膜形成能を有する化合物の量を調整することで接インク部材に対して被膜を形成し電位差を生にくくすることができる。また電位差を0.5V未満とするために被膜形成能を有する化合物を用い、更に本発明に係るインクの含水率を1%未満、好ましくは0.5%未満に調整すること、前記光重合開始剤の含有量を調整することが好ましい。
接インク部材の導電性材料間の電位差の測定方法としては、前述した如く、インクをポリプロピレン製容器に50mlとり、2種類の導電性材料を電極として、該インク中に浸漬させる。接液面積は1cm2とし、2つの電極間距離を1cmとする。25℃50%RTの環境下で2時間放置した後、2つの電極間に生じる電位差を測定する。電位差の測定には、電位計を使用する。
《色材》
本発明に係るカチオン重合性組成物を含有するインク(以後、単に本発明に係るインクともいう)は色材として顔料を含有する。本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、42、74、81、83、87、93、95、109、120、128、138、139、151、166、180、185
C.I Pigment Orange−16、36、38
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、122、144、146、177、185
C.I Pigment Violet−19、23
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29
C.I Pigment Green−7、36
C.I Pigment White−6、18、21
C.I Pigment Black−7
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。分散媒体は光重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によってヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係る活性光線硬化型インクにおいては、色材濃度としてはインク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
顔料分散剤としては、塩基性のアンカー部を有するものを用いることが好ましく、且つ櫛形構造を有する高分子分散剤を用いることが更に好ましい。
本発明で用いることのできる顔料分散剤の具体例としては、Avecia社製ソルスパース9000、同17000、同18000、同19000、同20000、同24000SC、同24000GR、同28000、同32000、味の素ファインテクノ社製アジスパーPB821、同PB822、楠本化成社製PLAAD ED214、同ED251、DISPARLON DA−325、同DA−234、EFKA社製EFKA−5207、同5244、同6220、同6225等が挙げられる。また、顔料分散剤と併せて顔料誘導体(シナジスト)を用いることができる、顔料誘導体の具体例としては、Avecia社製ソルスパース5000、同12000、同22000、EFKA社製EFKA−6746、同6750等が挙げられる。
本発明に係るインクジェット用インクは、本発明の活性光線硬化型組成物を用い、かつ、25℃における粘度が10mPas以上50mPas未満であることが好ましい。10mPas以上であることで本発明の効果を得ることができて好ましい。また、50mPas未満であると吐出性の点から好ましい。
《記録材料》
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
《画像形成方法》
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜25μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が25μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を記録媒体に付着させた後に、光照射を行う。光照射は可視光照射、紫外線照射であってもよく、特に紫外線照射が好ましい。紫外線照射を行う場合、紫外線照射量は100mJ/cm2以上、好ましくは500mJ/cm2以上であり、また10,000mJ/cm2以下、好ましくは5,000mJ/cm2以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。紫外線照射はメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
メタルハライドランプは高圧水銀ランプ(主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続しており、200〜450nmの範囲で発光効率が高く、且つ長波長域が豊富である。従って、本発明の活性光線硬化型組成物の様に顔料を使用している場合はメタルハライドランプが適している。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号公報に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、且つ全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特にシュリンクラベルなどへの印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、且つ記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例における「部」あるいは「%」の表示は、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクの調製》
分散剤(PB822、味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表1に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に各種顔料を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、各光重合開始剤、被膜形成能を有する化合物、塩基性化合物、界面活性剤、等、の各種添加剤を表1、表2に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、硬化組成物インクを調製した。なお、インク粘度はオキセタン環を有する化合物とエポキシ化合物、等の添加量を調整することで、20mPaS〜30mPaSになるようにしてインク1〜9を調製した。
Figure 0005487532
光重合性化合物
OXT101:東亞合成社製、光重合性化合物、オキセタン環を有する化合物、単官能
OXT212:東亞合成社製、光重合性化合物、オキセタン環を有する化合物、単官能
OXT221:東亞合成社製、光重合性化合物、オキセタン環を有する化合物、2官能
DVE−3:JSP社製、光重合性化合物、ビニルエーテル化合物
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製、光重合性化合物、オキシラン化合物(脂環式エポキシ化合物)、2官能
セロキサイド3000:ダイセル化学工業社製、光重合性化合物、オキシラン化合物、2官能
EP−1:本発明化24参照、光重合性化合物、オキシラン化合物
光重合開始剤
UV16992:ダウ・ケミカル社製、光重合開始剤、プロピオンカーボネート50%液
S−2:本発明化29参照、光重合開始剤
CI5102:日本曹達社製、光重合開始剤、ヨードニウム塩
Figure 0005487532
KF−351:信越化学株式会社製、シリコン系界面活性剤、シリコーンオイル
PB822:味の素ファインテクノ社製、分散剤
DBA:9,10−ジブトキシアントラセン、増感剤、開発品、
Figure 0005487532
《インクジェットプリンタA》
図2のa)に記載の構成からなるインク供給ラインを有し、インクタンク101及びジョイントJ1、J2の構成部材を表4に記載の構成としたインクジェットプリンタAを準備した。
Figure 0005487532
《インクジェットプリンタの析出性及び吐出安定性の評価》
(インク供給路を構成する接インク部材の導電性素材の電位の電位差)
インクと、インク供給路を構成する接インク部材の導電性素材と、によって発生する導電性素材の間の電位差は、インクをポリプロピレン製容器に50mlとり、2種類の導電性素材を電極として、該インク中に浸漬させる。接液面積は1cm2とし、2つの電極間距離を1cmとする。25℃50%RTの環境下で2時間放置した後、2つの電極間に生じる電位差を測定して求めた。電位差の測定には、電位計(ADVANTEST社製,AD7461A DIGITAL MULTI METER)を使用した。
(析出性の評価)
上記調製した各インク(表5記載の種類)を、インクジェットプリンタAのインクタンクからジョイントJ2部まで充填した。上記インクを充填した状態で23℃の環境下で3日間放置した後、インクタンク101及びジョイントJ1部での析出物の有無を目視にて判定した。また、析出物の発生量を下記基準に則り評価した。
5:析出物の発生無し
4:僅かに析出物の発生あるが、問題なし
3:析出物の発生があり、実用下限
2:析出物の発生があり、実用不可
1:析出物が多量に発生
(吐出安定性の評価)
上記インク供給ライン内に各インクを23℃の環境下で3日間放置した後、ノズル数256、2〜20plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出でき、50℃の加温した記録ヘッドを用いて、3時間の連続吐出を行った。次いで、各色インクの出射状態を目視観察し、各色インクの平均出射状態を求め、下記の基準に従って吐出安定性を評価した。
5:ノズル欠及び出射曲がりの発生が認められない
4:出射曲がりが、わずかに認められる
3:ノズル欠の発生は認められないが、出射曲がりのあるノズルが数カ所で認められる
2:ノズル欠はないが、出射曲がりが多発
1:明らかなノズル欠及び出射曲がりが発生しており、実用に耐えない
結果を、表5に示す。
Figure 0005487532
表5より、本発明のインク及び接液部材を組み合わせて、電位差を調整することにより、析出物の発生を抑え、吐出安定性を向上させることが出来ることが判る。
実施例2
《インクジェットプリンタB、C》
図2のc)に記載のフィルタボックスを備えた構成からなるインク供給ラインを有し、フィルタ107及びフィルタ隣接部111(フィルタボックス)の構成部材を表6に記載の構成としたインクジェットプリンタB、Cを準備した。また、インク供給路102は、絶縁部材であり、耐インク性のテフロン(登録商標)チューブを黒色のポリオレフィンチューブで被覆したものを用いた。
Figure 0005487532
《インクジェットプリンタの析出性及び吐出安定性の評価》
(インク供給路を構成する接インク部材の導電性素材の電位の電位差)
インクと、インク供給路を構成する接インク部材の導電性素材と、によって発生する導電性素材の間の電位差は、インクをポリプロピレン製容器に50mlとり、2種類の導電性素材を電極として、該インク中に浸漬させる。接液面積は1cm2とし、2つの電極間距離を1cmとする。25℃50%RTの環境下で2時間放置した後、2つの電極間に生じる電位差を測定して求めた。電位差の測定には、電位計(ADVANTEST社製,AD7461A DIGITAL MULTI METER)を使用した。
(析出性の評価)
上記調製した各インク(表7記載の種類)を、各インクジェットプリンタのインクタンクからジョイントJ2部まで充填した。上記インクを充填した状態で23℃の環境下で3日間放置した後、フィルタボックス内の析出物の有無を目視にて判定した。また、析出物の発生量を下記基準に則り評価した。
5:析出物の発生無し
4:僅かに析出物の発生あるが、問題なし
3:析出物の発生があり、実用下限
2:析出物の発生があり、実用不可
1:析出物が多量に発生
(吐出安定性の評価)
上記インク供給ライン内に各インクを23℃の環境下で3日間放置した後、ノズル数256、2〜20plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出でき、50℃の加温した記録ヘッドを用いて、3時間の連続吐出を行った。次いで、各色インクの出射状態を目視観察し、各色インクの平均出射状態を求め、下記の基準に従って吐出安定性を評価した。
5:ノズル欠及び出射曲がりの発生が認められない
4:出射曲がりが、わずかに認められる
3:ノズル欠の発生は認められないが、出射曲がりのあるノズルが数カ所で認められる
2:ノズル欠はないが、出射曲がりが多発
1:明らかなノズル欠及び出射曲がりが発生しており、実用に耐えない
結果を、表7に示す。
Figure 0005487532
表7より、本発明のインク及び接液部材を組み合わせて、電位差を調整することにより、析出物の発生を抑え、吐出安定性を向上させることが出来ることが判る。
実施例3
《インクジェットプリンタ》
図2のb)に記載の中間タンクユニットを備えた構成からなるインク供給ラインを有し、フィルタ107及びフィルタ隣接部109(中間タンク)の構成部材を表8に記載の構成としたインクジェットプリンタD、Eを準備した。なお、それ以外の接液部材は、オレフィン樹脂を用いた。また、インク供給路102は、絶縁部材であるシリコーンゴムチューブを用い、各ジョイントはフィルタ隣接部材料と同一とした。
Figure 0005487532
《インクジェットプリンタの析出性及び吐出安定性の評価》
実施例2に記載の方法と同様にして、中間タンクユニット内部の析出性及び吐出安定性を評価した。
結果を表9に示す。
Figure 0005487532
表9より、本発明のインク及び接液部材を組み合わせて、電位差を調整することにより、析出物の発生を抑え、吐出安定性を向上させることが出来ることが判る。
本発明の実施の形態に係るフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェットプリンタの全体構成を示す図である。 本発明のインクジェットプリンタのインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1、101 インクタンク
2、104 記録ヘッド
3 エネルギー線源
4、103 キャリッジ
6、110 フィルタボックス
7、108 中間タンク
8、102 インク供給路
105 中間タンクユニット
106 中間タンク前室
107 フィルタ
109、111 フィルタ隣接部
J1〜J6 ジョイント
L 活性エネルギー線源
N ノズル

Claims (4)

  1. カチオン重合性化合物と、亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物とを含有する活性光線硬化型インクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタであって、
    前記活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が、金属もしくは合金からなる2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなり、
    前記活性光線硬化型インクの存在下において、前記2種以上の導電性材料の間に発生する電位差が0〜0.5V未満であり、
    前記亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物は、前記2種以上の導電性材料に対する被膜形成能を有する、インクジェットプリンタ。
  2. 前記2種以上の導電性材料はそれぞれ、ステンレス、アルミニウム、ニッケル合金、銅、Ca、SiC、BeO、AlN、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、スズ、亜鉛、鉛、銀、金、及び、これらの金属同士の合金、これらの金属とこれらとは別の金属またはカーボン、シリコンを用いた合金から選ばれる、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が、金属もしくは合金からなる2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなるインクジェットプリンタを用い、
    前記活性光線硬化型インクとして、カチオン重合性化合物と、前記2種以上の導電性材料に対する被膜形成能を有し、亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物と、を有する活性光線硬化型インクジェットインクを用いて、前記2種以上の導電性材料の間に発生する電位差を0〜0.5V未満とする、析出物発生防止方法。
  4. 活性光線硬化型インクを貯留するインクタンク及び前記インクタンクから前記活性光線硬化型インクを出射するノズルまでのインク供給路を構成する接インク部材の少なくとも一部が、金属もしくは合金からなる2種以上の導電性材料をそれぞれ近傍に有してなるインクジェットプリンタを用い、
    前記活性光線硬化型インクとして、カチオン重合性化合物と、前記2種以上の導電性材料に対する被膜形成能を有し、亜硝酸塩、硼酸塩、モリブデン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、アミン類、トリアゾール類、チアゾール類、又はイミダゾール類から選ばれる化合物と、を有する活性光線硬化型インクジェットインクを用いるインクジェット記録方法であって、
    前記2種以上の導電性材料の間に発生する電位差を0〜0.5V未満とする、インクジェット記録方法。
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