JP5487037B2 - プリント・切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクを吐出して印刷を施すプリントヘッド、および切削加工を施す切削ヘッドを備えたプリント・切削装置に関し、さらに詳細には、メディアに対する印刷、およびこの印刷が施されたメディアを所定形状に成形するための成形型の作成に適したプリント・切削装置に関する。
従来、溶融樹脂を射出成形金型内に射出することで、射出成形金型の形状に応じた樹脂成形品を得る方法が知られている。この方法は、同一形状の樹脂成形品を効率良く大量に生産する場合に適しているが、この方法に対しては、表面に様々なデザイン(加飾)が施された樹脂成形品を得ることが難しいことが指摘されていた。この指摘に対し、射出成形金型内で成形と加飾とを同時に行うインモールドデコレーション(以下、IMDと称す)という方法が開発されている。一般的なIMDは、例えば所望のデザインが施された加飾フィルムを射出成形金型内に予めセットしておき、この状態で射出成形金型内に溶融樹脂を射出(インサート成形)することにより、加飾フィルムを表面に貼り付けた樹脂成形品を得ることができる。なお、IMD以外にも、例えば特許文献1には、所定の柄が形成された複合シート3を、プラスチック成形品2の表面にラミネートさせて形成されたプラスチック加飾成形品1について開示されている。
ところで、樹脂形成品の曲面部分に加飾フィルムを貼り付ける場合には、加飾を施すとともにその加飾フィルムを予め曲面形状に成形しておく必要がある。フィルムへの加飾に関しては、近年繊細且つ高品質なものが要求される傾向にあり、このような要求に応えるためには、インクを吐出するプリントヘッドを備えたプリント装置やグラビア印刷によらなければ困難な場合が多い。一方、加飾フィルムを所定形状に成形する方法の一例として、加飾フィルムを加熱して変形可能な状態にしておき、この加飾フィルムを当該所定形状に形成された成形型に真空吸着等させて密着させることで当該所定形状に成形する方法が知られている。
特開2005−305761号公報
ところで、上記加飾フィルムの作成手順は、印刷制御の容易化のために、一般的にまずプリント装置を用いてシート状の(成形前の平らな)メディアに印刷を施し、その印刷が施されたメディアを成形型に密着させることにより成形して作成するようになっている。そのため、成形型を用いて真空成形するときに、メディアの成形形状によって印刷の施されたメディアが全体的または部分的に伸縮することになる。このようにメディアが伸縮すると、それに伴ってこの部分に印刷された印刷パターンが伸縮し、成形後のメディアに所望の印刷パターンを出現させることが困難になるという課題があった。
また、上述のように、高品質な加飾フィルムを作成するためには、フィルムに対して印刷を施すためのプリント装置が必要となるとともに、所定形状に形成された成形型を予め作成しておく必要がある。すなわち、プリント装置に加えて、型材を切削加工して成形型を作成するための切削装置も必要となり、製造コストの増加につながりやすく且つ作業スペースの有効利用が難しいという課題もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減、作業の効率化および作業スペースの有効利用を図りつつ、成形後のメディアに所望の印刷パターンを出現させることができるプリント・切削装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプリント・切削装置は、印刷対象面を有するメディアおよび前記メディアを所定形状に成形する成形型(例えば、実施形態における真空成形型50)を作るための型材を支持可能な支持部材(例えば、実施形態における載置テーブル13)と、前記支持部材により前記メディアを支持した状態で前記メディアの印刷対象面に沿って相対移動可能に構成されるとともに、前記メディアの印刷対象面に向けてインクを吐出して印刷を施すプリントヘッドと、前記支持部材により型材を支持した状態で前記型材に対して相対移動可能で前記型材を切削する切削工具を有し、前記切削工具を前記型材に当接させて前記型材に対して相対移動させて切削加工する切削ヘッドと、前記プリントヘッドの相対移動制御およびインク吐出制御による印刷制御、並びに前記切削ヘッドの相対移動制御による切削制御を行う制御部(例えば、実施形態におけるコントローラ28)とを有して構成され、前記制御部は、前記型材を切削加工する切削制御を行うことにより前記成形型を作成し、前記メディアの印刷対象面に前記プリントヘッドによって印刷を施した後、前記成形型を用いて前記所定形状に成形するようになっており、成形後の前記印刷対象面に所望の印刷パターンが出現するように、成形前の前記印刷対象面への印刷を施す印刷制御を行う。
なお、前記制御部は、前記成形型の形状を基にして、シート状の前記メディアを前記所定形状に成形したときに生じる前記メディアの変形に応じて補正された印刷制御を行い、当該補正された印刷制御により印刷を施すことにより、成形後に前記メディアに所望の印刷パターンを出現させることが好ましい。
また、前記制御部は、シート状の前記メディアの厚みを基にして、前記メディアの印刷対象面に印刷を施すときの印刷制御、および、前記型材を切削加工するときの切削制御を補正することが好ましい。
上述のプリント・切削装置において、前記メディアを所定形状に成形するための前記成形型は、前記所定形状に形成されて前記メディアが密着される成形面(例えば、実施形態における製品部51)と、前記成形面に開口形成され、空気が吸引されることにより前記成形面に負圧を作用させ、前記メディアを前記成形面に密着させる吸引孔とを備えることが好ましい。
さらに、前記成形型は、前記所定形状に形成された表面に前記メディアを密着させて前記所定形状に成形するように構成されており、前記成形型により成形された前記メディアは、射出成形用の射出成形金型内に配置されてインサート成形されるインサート部材(例えば、実施形態における加飾フィルム40)であることが好ましい。
本発明に係るプリント・切削装置は、メディアの印刷対象面に向けてインクを吐出して印刷を施すプリントヘッドと、切削工具を型材に当接させて相対移動させて切削加工する切削ヘッドと、プリントヘッドの印刷制御および切削ヘッドの切削制御を行う制御部とを有して構成され、制御部は、成形後の前記印刷対象面に所望の印刷パターンが出現するように、成形前の前記印刷対象面への印刷を施す印刷制御を行うように構成されている。そのため、メディアに対する印刷、およびこのメディアを成形する成形型の作成が、1台のプリント・切削装置を用いて行うことができ、加飾フィルムを製作する際の製造コストの低減、作業の効率化および作業スペースの有効利用を図ることができる。また、成形前の平らな印刷対象面への印刷を制御することにより、例えば曲面への印刷を制御する場合と比較して、より確実に成形後のメディアに所望の印刷パターンを出現させる印刷を施すことができる。
なお、成形型の形状を基にして、シート状のメディアを所定形状に成形したときに生じる変形に応じて補正された印刷制御を行うことが好ましい。この場合、成形型の形状、すなわち、成形後のメディアの形状を基にして成形によってどの程度変形するかが予測されるので、この変形に応じた補正を行うことで精度良く成形後のメディアに所望の印刷パターンを出現させる印刷を施すことが可能となる。
また、シート状のメディアの厚みを基にして、メディアに印刷を施すときの印刷制御、および型材を切削加工するときの切削制御を補正することが好ましい。このように構成すると、メディアの厚みに左右されることなく、確実に成形後のメディアに所望の印刷パターンを出現させることができる。
上述のプリント・切削装置において、メディアを所定形状に成形するための成形型は、メディアが密着される成形面と、成形面に開口形成されて成形面にメディアを密着させる吸引孔とを備えることが好ましい。この構成の場合、射出成形型のように一対の(2つの)型が必要とされず、一方の型のみでメディアを成形することができるので、簡便に成形型を作成することができて、成形型の製作コストを抑えることが可能である。
さらに、成形型により成形されたメディアは、射出成形金型内に配置されてインサート成形されるインサート部材であることが好ましい。このように、プリントヘッドにより印刷が施されたメディアを、切削ヘッドにより切削加工されて作成された成形型を用いて成形することで、繊細な加飾が施され且つ精度良く成形されて形成されたインサート部材を製作することができ、よって最終製品としての樹脂成形品の品質を高めることが可能となる。
本発明に係るプリント・切削装置の斜視図である。 上記プリント・切削装置の制御系統図である。 (a)は加飾フィルムを用いて生産される樹脂成形品の斜視図を、(b)は図3(a)中のIII(b)−III(b)部分を示す断面図である。 プリントデータの設定に関する説明図であって、(a)は比較的厚いフィルムに印刷を施す場合を、(b)は比較的薄いフィルムに印刷を施す場合を、(c)はフィルムの印刷面が成形型と接する状態で成形される場合をそれぞれ示す。 (a)はフィルムに対して印刷を施した状態を示す平面図を、(b)は加飾フィルムに対してカット加工を施した状態を示す平面図をそれぞれ示す。 (a)は成形型の平面図を、(b)は図6(a)中のVI(b)−VI(b)部分の断面図をそれぞれ示す。 加飾フィルム、成形型および射出成形金型の形状関係についての説明図である。 (a)は加飾フィルムが成形型にセットされた状態を示す断面図を、(b)は加飾フィルムが成形された状態を示す断面図をそれぞれ示す。 (a)は射出成形金型内に加飾フィルムがセットされた状態を示す断面図を、(b)は射出成形金型同士が型合わせされた状態を示す断面図である。 本発明に係るプリント・切削装置を用いて加飾フィルムを形成し、その加飾フィルムをインサート成形することで樹脂成形品を生産するフローチャートを示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。まず、図1および2を参照しながら、本発明に係るプリント・切削装置1について説明する。なお、説明の便宜上、各図面において矢印方向でプリント・切削装置1の前後、左右および上下方向を示し、以下この方向を用いて説明を行う。
プリント・切削装置1は、図1に示すように、プリント・切削装置1の土台部分であるベース部11と、ベース部11に対して前後にスライド移動可能に設けられた印刷ユニット21とから構成される。ベース部11は、複数の支持脚12と、この支持脚12により略水平に支持されてフィルムFを吸着固定する載置テーブル13と、載置テーブル13の左右両脇に前後に延びて設けられた一対の左側前後移動機構14,右側前後移動機構15とから構成される。この左側前後移動機構14,右側前後移動機構15を駆動させることにより、ベース部11に対して印刷ユニット21が前後にスライド移動されるようになっている。
なお、このような前後移動機構として、例えば張持させた無端ベルトを回転駆動させる機構等の種々の周知の技術を用いることが可能であり、ここでの説明は省略する。また、載置テーブル13は、例えばプラスチックフィルムからなるシート状のフィルムF以外にも、例えばプラスチックや木材からなる平板状の型材Wも吸着固定できるようになっている。
印刷ユニット21は、左右に延びたガイドレール22を内部に有し、このガイドレール22に対して左右に往復移動可能にプリント用キャリッジ23aおよび切削用キャリッジ23bが取り付けられて構成される。プリント用キャリッジ23aには、紫外線が照射されて硬化する紫外線硬化型のインク(以下、UVインクと称す)を下方に向けて吐出する複数のプリントヘッド24、およびこのプリントヘッド24の左右側方に一対となって配設されて下方に向けて紫外線を照射するUV照射装置25,25が搭載されている。このプリントヘッド24から吐出されるUVインクは、例えばフィルムに付着された後そのフィルムが伸縮変形する場合であっても、フィルムの伸縮に追従して伸縮可能なものが用いられる。なお、プリントヘッド24は、印刷パターン用のUVインクを吐出するパターン用ヘッドに加え、付着されたパターン用のUVインクを保護するためのオーバーコート用のインクを吐出するコーティング用ヘッドを併せて搭載した構成でも良い。
切削用キャリッジ23bには、切削加工用の例えばエンドミル(図示せず)を備えた切削ヘッド26が搭載されており、この切削ヘッド26が切削用キャリッジ23bに対して上下移動可能となっている。また、ガイドレール22には、プリント用キャリッジ23aおよび切削用キャリッジ23bとは別に、左右移動機構29により左右に往復移動される連結駆動装置(図示せず)が取り付けられている。この連結駆動装置は、プリント用キャリッジ23aおよび切削用キャリッジ23bに分離可能に連結されるように構成される。そのため、連結駆動装置は、連結されたプリント用キャリッジ23aまたは切削用キャリッジ23bを、ガイドレール22に沿って往復移動させることができるようになっている。なお、切削ヘッド26には、エンドミルの他に、フィルムFをカット加工可能なカッター(図示せず)も搭載されており、作業内容に応じてエンドミルとカッターとを切り換えて使用できるようになっている。
この構成により、連結駆動装置とプリント用キャリッジ23aとを連結させることで、載置テーブル13に吸着固定されたシート状のフィルムFに対して所望の印刷を施すことができ、また、連結駆動装置と切削用キャリッジ23bとを連結させた上でエンドミルを用いることで、載置テーブル13に吸着固定された型材Wを所望の立体形状に切削加工することができる。
図1および2に示すように、印刷ユニット21の内部にはコントローラ28が内蔵されている。コントローラ28は、印刷ユニット21の前面側に設けられた操作部27から操作信号が入力されるとともに、プリント・切削装置1の各構成部材に対して作動信号を出力することにより、各構成部材の作動を制御するようになっている。このコントローラ28の内部にデータ設定部28aが設けられているが、このデータ設定部28aについては後述する。
以上、プリント・切削装置1の構成について説明した。上述したように、プリント・切削装置1は、載置テーブル13に吸着保持されたシート状のフィルムFに対して、プリントヘッド24およびUV照射装置25を用いてUVインクを付着させて印刷を施す作業、および載置テーブル13に吸着保持された平板状の型材Wに対して、切削ヘッド26を用いて切削加工を施す作業の両方ができるように構成されている。そのため、印刷工程および切削工程が含まれる作業を行う場合に、本発明に係るプリント・切削装置1を用いることで、プリント装置および切削装置の両方を用意する必要がないので作業スペースを有効活用できるとともに、設備費を抑えることができる。
このような印刷工程および切削工程が含まれる作業の一例として、IMDを行う際に射出成形金型内に予めセットされてインサート成形される加飾フィルムを作成するための作業が挙げられる。この加飾フィルムは、例えばプラスチックからなるシート状のフィルムに対して印刷を施した後、この印刷が施されたフィルム(加飾フィルム)を所定形状に成形することで形成されるが、本発明に係るプリント・切削装置1を用いることで、フィルムに対する印刷、および加飾フィルムを所定形状に成形するための成形型を作成することができる。
ところで、一旦印刷を施した加飾フィルムを成形するため、成形形状によっては加飾フィルムの表面に印刷された印刷パターンが伸縮し、成形後に所望の印刷パターンを表示できない場合がある。これに対し、本発明に係るプリント・切削装置1では、加飾フィルムに関する形状データおよび加飾(印刷)データが予め入力されているので、形状データを参照して印刷制御用のデータを補正することにより、成形後に所望の印刷パターンを表示させる印刷が可能となっている。
そこで、以下において、プリント・切削装置1を用いて加飾フィルムを作成する工程を含めて、加飾フィルムが表面に貼り付けられた樹脂成形品を生産する工程について、図10に示すフローチャートに沿って説明する。以下においては、型材Wに対して切削加工を施すことにより成形型を作成し、この成形型を用いて、印刷を施したフィルムFを成形することで加飾フィルムを作成する場合について説明する。また、加飾フィルムを成形する成形型として、所定形状に形成された面に対して、加熱されて変形可能となった加飾フィルムを吸引して密着させることで成形する真空成形型を例示している。この真空成形型を用いて成形することを、本明細書では真空成形と称して説明する。
以下においては、図3(a)および図3(b)に示す内部が中空の有底円筒状の樹脂成形品30を、射出成形金型を用いて射出形成することで生産する場合を例示して説明を行う。この樹脂成形品30は、円筒部31と中央部分が凹んだ底部32とが射出樹脂により一体的に形成されるとともに、底部32の表面形状に成形された加飾フィルム40が、底部32の表面に貼り付くようにインサート成形されて構成される。
ところで、樹脂製品30の底部32に模様を施す方法として、例えば底部32に直接インクを付着させて印刷を施す方法も考えられるが、曲面となった底部32に対して直接インクを付着させる場合にはプリントヘッド24の位置制御が複雑になり、高品質な模様を施すことが難しい。一方、加飾フィルムをインサート成形する方法によれば、印刷対象はシート状のフィルムなので比較的容易に高品質な印刷が可能である。このように、加飾フィルムをインサート成形する方法(IMD)は、直接インクを付着させて印刷を施すことが困難な曲面に模様を施す場合に、特に有効である。
まず、図10に示すステップS101において、生産しようとする樹脂成形品30の3次元データTDがコントローラ28に入力される(図2参照)。この3次元データTDには、樹脂成形品30に関する種々のデータ、例えば樹脂成形品30の形状データ、加飾フィルム40の形状データ、および加飾フィルム40の加飾データ等が含まれる。また、3次元データTDの入力時に、フィルムFに関する情報(例えば、厚みや加熱時の伸び率等)や、型材Wに関する情報(例えば、形状や材質等)が、操作部27を介してコントローラ28に入力される。
次にステップS102に進み、コントローラ28の内部に設けられたデータ作成部28aにおいて、入力された3次元データTDを基にして、プリントヘッド24に対する印刷制御のためのプリントデータPDを設定する。このプリントデータPDの設定について、図4を参照しながら説明する。
図4(a)は、比較的厚いフィルムF1(厚みt1)を用いた場合を示しており、このフィルムF1が、真空成形型50のうちで例えば外側に突出した製品部51に密着されて成形されると(図6(b)参照)、この部分が紙面左右に伸びた状態で成形される。そうすると、この部分に印刷されていた印刷パターン41も、フィルムF1とともに伸びるが、上記ステップS101において入力されたフィルムに関する情報や加飾フィルム(真空成形型)の形状データを基にして、この部分のフィルムF1の伸び量を想定して成形後に所望の印刷パターン(長さL)が出現するよう、長さL1(<L)の印刷パターンが印刷されるようにプリントデータPDを補正して設定する。
図4(b)は、比較的薄いフィルムF2(厚みt2<t1)を用いた場合を示している。この場合、フィルムF2が製品部51に密着されて成形されると、上記フィルムF1ほどではないが、この部分が紙面左右に伸びた状態で成形される。そのため、この部分のフィルムF2の伸びを想定して、成形後に所望の印刷パターン(長さL)が出現するよう、長さL2(L1<L2<L)の印刷パターンが印刷されるようにプリントデータPDを補正して設定する。
図4(c)は、上記図4(a)および図4(b)とは異なり、フィルムF3における印刷が施された面が内側に向けられた状態(製品部51に接する状態)で、製品部51に密着されて成形される場合を示している。この場合、フィルムF3のうち、外側に突出した製品部51に密着される部分は、紙面左右に縮んだ状態で成形される。よって、データ作成部28aにおいて、この部分のフィルムF3の縮み量を想定して、成形後に所望の印刷パターン(長さL)が出現するよう、長さL3(L<L3)の印刷パターンが印刷されるようにプリントデータPDを補正して設定する。
このように、予め入力された各種データを基に、細かく分割された微小領域毎にプリントデータPDを補正して設定することで、成形後にフィルムFの伸縮に影響されることなく全体として所望の印刷パターンを出現させることができる。
続いてステップS103に進み、データ作成部28aにおいて入力された3次元データTDを基にして、切削ヘッド26により真空成形型50を切削加工するときの切削データCDを設定する。この切削データCDは、主として加飾フィルム40の形状データを基に設定され、フィルムFの厚みも考慮した上で設定される。すなわち、真空成形型50に密着されて成形される加飾フィルム40の外側表面が、射出成形金型の形状と一致する必要があるため、例えば比較的厚いフィルムFを用いる場合には、その厚みに応じて切削量(切削深さ)を増加させて切削データCDを設定する。
さらに、加飾フィルム40が真空成形型50により成形されたとき、例えば全体的に伸びて薄くなる場合には、この厚みの変化分を考慮して切削量を減少させて切削データCDを設定する。図7は、真空成形型50(製品部51)に加飾フィルム40が密着された状態に、下側射出成形金型61を2点鎖線で仮想的に示したものである。この図7から分かるように、フィルムFの厚みに応じて、真空成形型50に対する切削量を変更することで、加飾フィルム40を確実に下側射出成形金型61に密着させることができるようになる。
また、切削データCDには、図5(b)に示すように、フィルムFに対して、各加飾フィルム40に例えば4つの位置決め孔42を形成するためのデータも含まれる。また、切削データCDには、真空成形型50に形成される4つの位置決め突起53のデータも含まれる(図6(b)参照)。この4つの位置決め突起53の形成位置は、フィルムFに形成された位置決め孔42と対応している。
次にステップS104に進み、上記ステップS102において設定されたプリントデータPDに基づいて、コントローラ28から各構成部材に対して作動信号が出力されて、載置テーブル13に吸着固定されたフィルムFに印刷が施される。例えば図4(a)に示すように、フィルムFに対して矩形の印刷パターン41を印刷する。このとき、プリントヘッド24から吐出されてフィルムFに付着されたUVインクは、UV照射装置25から照射される紫外線により確実に硬化されて固定される。さらに、UVインクが固定された後、その表面にオーバーコート用のインクを用いて印刷を施すことで、固定されたUVインクが剥がれることを防止できる。なお、フィルムFは、加熱されることで十分に延びる特性(例えば、200%程度)を有したものであることが好ましい。
続いて、このように印刷パターン41が印刷された加飾フィルム40に対し、切削ヘッド26に搭載されたカッターを用いて位置決め孔42を形成した後、カットライン43に沿って矩形にカットし、フィルムFから加飾フィルム40を切り離す。
次に、ステップS105に進み、上記ステップS103において設定された切削データCDに基づいて、コントローラ28から各構成部材に対して作動信号が出力されることで、載置テーブル13に吸着固定された型材Wに切削加工を施して、真空成形型50を作成する。この切削加工時には、切削ヘッド26に搭載されたエンドミルが使用される。図5(a)には、1つの加飾フィルム40に対応する真空成形型50を示している。図5(a)および図5(b)に示すように、真空成形型50の中央には、略円柱状に隆起するとともに中心部分が凹んだ製品部51が形成され、一方4隅には、加飾フィルム40の位置決め孔42に対応する位置決め突起53が形成されている。この製品部51の表面形状が、底部32と略同一形状となるように形成されている。
なお、真空成形型50は、例えば射出成形型のように一対の(2つの)型が必要とされることなく、一方の型のみで加飾フィルム40を成形することができ、製作コスト等の面でメリットが大きい。
図5(b)に示すように、真空成形型50の製品部51には、上下に貫通する複数の吸引孔52aおよびエア抜き孔52bが形成されている。なお、エア抜き孔52bを、凹んだ部分のうちで最も低い部分に形成することで、加飾フィルム40を製品部51に密着させるときに、加飾フィルム40と製品部51との間に存在するエアを、エア抜き孔52bを介して確実に外部に排出させることができる。
ここで、型材Wとして、例えば木材やプラスチックからなるものを用いることで、例えば金属材料からなる型材を切削加工する場合と比較して、切削加工を容易且つ短時間のうち低コストで行うことができる。特に、試作品としての樹脂成形品30を生産する場合や、多品種少量生産を行う場合等の生産数量が少なく真空成形型50に対してそれほど多大な耐久性が要求されない場合には、木材やプラスチックからなる型材Wを用いることの利点が大きい。
続いて、ステップS106に進み、ステップS105で作成された真空成形型50を用いて、ステップS104で形成された加飾フィルム40を真空成形し、加飾フィルム40を所定形状に成形する。このとき、図8(a)に示すように、まず加飾フィルム40の位置決め孔42を、真空成形型50の位置決め突起53に挿通させてセットする。そして、加飾フィルム40の中央部分(製品部51と対向する部分)を加熱して十分に伸びる状態にしておき、吸引孔52aの空気を下方に吸引することで製品部51の表面に負圧を作用させ、加飾フィルム40を製品部51の表面に密着させる。そうすることで、図8(b)に示すように、加飾フィルム40を製品部51の表面形状に成形することができる。
なお、加飾フィルム40のうちで中央部分のみを加熱することで、端部に形成された位置決め孔42部分はほとんど伸びない(変形しない)ため、位置決め孔42および位置決め突起53を利用して、加飾フィルム40と真空成形型50との位置関係を変化させることなく(位置精度を確保した状態で)密着させることができる。そのため、印刷パターン41と成形形状とを対応させた加飾フィルム40を得ることができる。このようにして真空成形された後、加飾フィルム40は製品部51の周縁部で切断され、製品部51に対応する部分とその周囲部分とに分離される。
次に、ステップS107に進み、樹脂成形品30の形状に基づいて予め製作された下側射出成形金型61に、加飾フィルム40(製品部51に対応する部分)をセットする(図9(a)参照)。この状態で、下側射出成形金型61に形成された略円柱状の製品部61aに対して、上側射出成形金型62に形成された略円柱状の製品部62aを合わせるように、下側射出成形金型61と上側射出成形金型62とを閉じ、製品部61aと製品部62aとの隙間に樹脂を射出して流し込む。そうすることにより、図3に示すような、底部32の表面に加飾フィルム40が貼り付くようにインサート成形された略円柱状の樹脂成形品30を生産することができ、このフローは終了する。
上述の実施形態においては、UVインクにより印刷パターンを形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばフィルムFに確実に固定させることができれば、他の種類のインクを用いて印刷パターンを形成して良い。
また、上述の実施形態においては、型材Wを切削加工することで位置決め突起53を形成する構成を説明したが、この構成に代えて、例えばメディアFの位置決め孔42に対応する位置に取付穴を形成しておき、この取付穴に別部品としての位置決め突起を取り付ける構成でも良い。
13 載置テーブル(支持部材)
28 コントローラ(制御部)
40 加飾フィルム(インサート部材)
50 真空成形型(成形型)
51 製品部(成形面)
61 下側射出成形金型(射出成形金型)

Claims (5)

  1. 印刷対象面を有するメディアおよび前記メディアを所定形状に成形する成形型を作るための型材を支持可能な支持部材と、
    前記支持部材により前記メディアを支持した状態で前記メディアの印刷対象面に沿って相対移動可能に構成されるとともに、前記メディアの印刷対象面に向けてインクを吐出して印刷を施すプリントヘッドと、
    前記支持部材により型材を支持した状態で前記型材に対して相対移動可能で前記型材を切削する切削工具を有し、前記切削工具を前記型材に当接させて前記型材に対して相対移動させて切削加工する切削ヘッドと、
    前記プリントヘッドの相対移動制御およびインク吐出制御による印刷制御、並びに前記切削ヘッドの相対移動制御による切削制御を行う制御部とを有して構成され、
    前記制御部は、
    前記型材を切削加工する切削制御を行うことにより前記成形型を作成し、前記メディアの印刷対象面に前記プリントヘッドによって印刷を施した後、前記成形型を用いて前記所定形状に成形するようになっており、成形後の前記印刷対象面に所望の印刷パターンが出現するように、成形前の前記印刷対象面への印刷を施す印刷制御を行うことを特徴とするプリント・切削装置。
  2. 前記制御部は、
    前記成形型の形状を基にして、シート状の前記メディアを前記所定形状に成形したときに生じる前記メディアの変形に応じて補正された印刷制御を行い、当該補正された印刷制御により印刷を施すことにより、成形後に前記メディアに所望の印刷パターンを出現させることを特徴とする請求項1に記載のプリント・切削装置。
  3. 前記制御部は、
    シート状の前記メディアの厚みを基にして、前記メディアの印刷対象面に印刷を施すときの印刷制御、および、前記型材を切削加工するときの切削制御を補正することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント・切削装置。
  4. 前記メディアを所定形状に成形するための前記成形型は、
    前記所定形状に形成されて前記メディアが密着される成形面と、
    前記成形面に開口形成され、空気が吸引されることにより前記成形面に負圧を作用させ、
    前記メディアを前記成形面に密着させる吸引孔とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリント・切削装置。
  5. 前記成形型は、前記所定形状に形成された表面に前記メディアを密着させて前記所定形状に成形するように構成されており、
    前記成形型により成形された前記メディアは、射出成形用の射出成形金型内に配置されてインサート成形されるインサート部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント・切削装置。
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