JP5484770B2 - ナノカーボン分散剤及び当該分散剤を含むナノカーボン分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノカーボンの分散剤及び当該分散剤を含むナノカーボン分散液に関し、特に、特定の界面活性剤を含む良好な分散性を示すナノカーボン分散剤及び当該分散剤を含むナノカーボン分散液に関する。
従来、導電ロールに用いられる発泡体ポリウレタンには、導電性を出すためにカーボンブラック(CB)や、イオン性導電剤が用いられてきた。これらの導電剤では環境の変化によって導電性が安定しないという問題があった。導電剤として、カーボンナノチューブを用いることができるが分散性が悪く当該問題を解決できなかった。そこで、カーボンナノチューブを液体中に分散させるための分散剤として、アニオン系やノニオン系の界面活性剤が提案されている(特許文献1)。また、液状ポリマーにカーボンナノチューブを0.2〜3重量部混練する導電性組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2003−238126号公報 特許4196779号公報
しかし、先行文献の分散剤を用いた場合であっても、保存安定性が十分でなく、長期保存中に粘度が増大するなどの問題があった。さらに、得られた分散液は濃度が高くなると粘度が高くなる傾向があるため、添加量が制限されることがあった。そこで、十分な保存安定性を有し、さらに高濃度と低粘度を両立する分散液を調製可能なカーボンナノチューブ分散剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の界面活性剤がナノカーボンの分散剤として特に適していることを見出して完成させた。
本発明(1)は、下記式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有するナノカーボン分散剤と、ナノカーボンと、分散媒とを含有し、前記分散媒がポリオール又は水である、分散液である。
R−X−(Y) 式(1)
{式中、Rは、炭素数mが13〜21の炭化水素基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、CO、COO、CON、又は直接結合を示し、Yは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)、nは、Xが酸素原子、CO、COO、直接結合の場合1であり、Xが窒素原子、CONの場合2を示す。}
本発明(2)は、前記Rが、主鎖の炭素数が13〜23のアルキル基である、前記発明(1)の分散である。
本発明(3)は、前記ポリアルキレンオキサイド基の繰り返し単位数bが4〜40である、前記発明(1)又は(2)の分散である。
本発明(4)は、ポリアルキレンオキサイド基が、ポリエチレンオキサイド基である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの分散である。
本発明(5)は、前記化合物のnが2である、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの分散である。
本発明(6)は、前記化合物のXが窒素原子である、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの分散である。
本発明(7)は、前記化合物が、下記式(2)で表される、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの分散である。
R−N(AO) 式(2)
{ここで、Rは、炭素数13〜23のアルキル基(ここで、当該アルキル基の一以上の水素原子が炭化水素基で置換されていてもよく、更には、隣接する窒素原子との間にカルボニル基が存在していてもよい)を示し、AOは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)。}
本発明()は、ナノカーボンが、カーボンナノチューブである、前記発明(〜(7)のいずれか一つの分散液である。
本発明()は、前記分散媒が水であるナノカーボン分散液と、ポリオールとを混合し、
前記混合物から水を除去することにより得られる、前記発明(〜(8)のいずれか一つの分散液である。
本発明(10)は、前記発明(のいずれか一つの分散液と、ポリイソシアネートとを混合し、重合することにより得られる発泡ポリウレタンである。
ここで、本明細書において使用する用語の意味を説明する。「ポリオール」とは、二以上のOH基を有する化合物である。
本発明(1)によれば、ナノカーボンを液体中に良好に分散でき、十分な保存安定性を有し、さらに高濃度と低粘度を両立する分散液を調製可能となるという効果を奏する。
本発明(2)、(3)によれば、特に良好にナノカーボンを分散するという効果を奏する。
本発明(4)によれば、特に水やアルコールに対して良好にナノカーボンを分散することが可能であるという効果を奏する。
本発明(5)〜(7)によれば、ポリアルキレンオキサイド基を二つ有するため、末端ヒドロキシル基を二つ有することとなり、ポリウレタン製造の際にポリウレタン原料と相溶性が良く、イソシアネートとも反応し良好な反応の順応性を示し、良好な発泡性が得られるという効果を奏する。
本発明()〜(9)によれば、ナノカーボンを液体中に良好に分散でき、十分な保存安定性を有し、さらに高濃度と低粘度を両立するという効果を奏する。
本発明(〜(9)によれば本発明に係る分散剤がポリオールと特になじみ易く、良好な分散性を発揮し、更に、ポリウレタン製造の際に良好な発泡性を有するという効果を奏する。
本発明(〜(9)によれば本発明に係る分散剤によって、容易にナノカーボンポリオール分散液を製造できるという効果を奏する。
本発明(10)は、良好にナノカーボンが分散したポリウレタンとなり、高い導電性を有するという効果を奏する。
本最良形態に係る分散剤は、ナノカーボンを水中やポリオール中で分散させることが可能である。ここで、「ナノカーボン」としては、特に限定されないが、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン又はフラーレンを挙げることができる。本最良形態にかかる分散剤は、これらの中でも特にカーボンナノチューブの分散に適している。以下、カーボンナノチューブの分散を例にとり、本最良形態について説明するが、特に、これに限定されるものではない。
《分散剤》
本最良形態に係る分散剤は、下記式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する。
R−X−(Y) 式(1)
{式中、Rは、炭素数mが13〜21の炭化水素基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、CO、COO、CON、又は直接結合を示し、Yは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)、nは、Xが酸素原子、CO、COO、直接結合の場合1であり、Xが窒素原子、CONの場合2を示す。}
ここで、Rの合計炭素数mは、13〜21である必要があり、14〜20がより好適であり、15〜19が更に好適である。mがこの範囲より低いと、ナノカーボンへの親和性が低下することを意味し、分散不良の原因となる。逆にこの範囲より高いと、分散媒との親和性が低下したり、分散液そのものの粘度が高くなることがあるので、やはり好ましくない。又、アルキレンオキサイドの繰り返し単位数bは、1〜100である必要があり、4〜40が好適であり、5〜30がより好適であり、6〜25が更に好適である。bがこの範囲より低いと、分散媒との親和性が低下することを意味し、分散不良の原因となる。逆にこの範囲より高いと、分散液の発泡が起こりやすくなったり、分散液そのものの粘度が高くなることがあるので、やはり好ましくない。
ここで、Rは炭素数mの合計が13〜21の範囲の炭化水素基(炭化水素残基)であれば、特に限定されないが、例えば、1又は2以上の水素原子が他のアルキル、アリール基で置換されていてもよい、アルキル、アリール基(炭化水素残基)であり、Rの合計炭素数mが13〜21である。
より具体的には、二重/三重結合を含んでもよい直鎖状または分岐状または環状の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基・フェニル基等)が挙げられる。
直鎖状アルキル基としては、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基が挙げられる。直鎖状アルケニル基としては、パルミトイル基、オレイル基、リノール基、リノレン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、オクチルシクロペンチル基、ノニルシクロペンチル基、デシルシクロペンチル基、ノニルシクロペンチル基、デシルシクロペンチル基、ウンデシルシクロペンチル基、ドデシルシクロペンチル基、トリデシルシクロペンチル基、テトラデシルシクロペンチル基、ペンタデシルシクロペンチル基、ヘキサデシルシクロペンチル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基、ペンタデシルシクロヘキシル基が挙げられる。その他、アリール基としては、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、トリデシルフェニル基、テトラデシルフェニル基、ペンタデシルフェニル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、ペンチルナフチル基、ヘキシルナフチル基、ヘプチルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、デシルナフチル基、ウンデシルナフチル基、が挙げられる。
また、最良形態に係る分散剤は、下記の式(2)で示される化合物であることがより好適である。これらの化合物を選択することにより、カーボンナノチューブのポリオール分散液とポリイソシアネートと反応させる際に良好に発泡する。
R−N(AO) 式(2)
{ここで、Rは、炭素数13〜21のアルキル基(ここで、当該アルキル基の一以上の水素原子が炭化水素基で置換されていてもよく、更には、隣接する窒素原子との間にカルボニル基が存在していてもよい)を示し、AOは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)。}
尚、当該分散剤は、周知の方法で製造可能である。また、当該分散剤は、特に、ナノカーボンの分散液を調製するための分散剤として、良好な分散性を示し、さらに分散液の粘度が低いため各種用途に用いる場合、取扱が容易である。また分散液そのもの泡立ちが低いので、特に塗布材料等に用いる場合安定な使用ができるため有用である。更に、当該分散剤は、ヒドロキシル基が1つの場合であっても、すなわち、モノオールの場合であっても、ヒドロキシル基を有するので、ナノカーボン分散剤との相溶性に優れる。更に、ヒドロキシル基を二つ有する場合には、例えば、ポリウレタンなどの樹脂を調製する場合、ヒドロキシル基とイソシアネートとが反応して、メインのポリウレタンの樹脂骨格を形成し、ポリウレタンの製造の際に、ポリウレタン原料と相溶性も良く、良好な反応の順応性を示し、良好な発泡性を示す。以下、本最良形態に係る分散剤の使用方法について、詳細に説明する。
《ナノカーボン水分散液》
続いて、ナノカーボン水分散液について説明する。本最良形態に係る分散剤を用いて、ナノカーボンの水分散液を調製することが可能である。ここで、本最良形態に係る水分散液は、前記最良形態に係るナノカーボン分散剤と、ナノカーボンと、水とを含有する。
ここで、使用する分散剤の濃度は、0.1〜30重量%が好適であり、0.3〜20重量%がより好適であり、1〜10重量%が更に好適である。また、ナノカーボンの濃度は、その種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜50重量%が好適であり、0.1〜30重量%がより好適であり、0.3〜20重量%が更に好適である。その他、分散剤/ナノカーボンの重量比は、やはりその種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜100が好適であり、0.1〜10がより好適であり、0.2〜5が更に好適である。これらの範囲から外れた場合、ナノカーボンと分散剤のいずれかが過剰となるため組成のバランスが悪く、良好な分散が得られず、また分散液の保存安定性が悪くなることがある。
本最良形態に係る水分散液は、ナノカーボンの分散度が高く、さらに長期保存安定性に優れる。以下の用途に好適に用いられ特にポリウレタン用いた際、良好なものが得られる。尚、水分散液は、公知の方法により調製可能であるが、例えば、ビーズミルを用いて調製可能である。水分散液の使用方法としては、例えば、ポリマー溶液と混合して複合体を製造したり、塗料、インキとして用いたりすることが挙げられる。
《ナノカーボンポリオール分散液》
続いて、本最良形態に係るナノカーボンポリオール分散液について説明する。本最良形態に係るナノカーボンポリオール分散液は、本最良形態に係るナノカーボン分散剤と、ナノカーボンと、ポリオールとを含有する。
ここで、本最良形態において使用するポリオールは、二以上のOH基を有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトール、しょ糖、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールが用いられる。特に、分子量(Mw)1000〜4000、水酸基価(OHV)30〜70mgKOH/gのポリエステルポリオールが好ましい。分子量が1000未満、または水酸基価が70mgKOH/gを超える場合、フォームの良好な通気性を得ることが困難となり、また歪が悪く、良好なフォームを得ることが困難となる。一方分子量が4000を超える場合、または水酸基価が30mgKOH/g未満の場合は、後述するポリウレタンの調製の際に、フォームの弾性が失われ、伸び特性に劣るフォームとなる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール等、軟質ポリウレタンフォーム用のポリエーテルポリオールが用いられ、特にはその中から平均エチレンオキサイド化率(EO化率)が15%以下のポリエーテルポリオールが用いられる。平均エチレンオキサイド化率(EO化率)は、[(系中に存在するEO変性ポリエーテルポリオールのモル数/系中に存在するポリエーテルポリオールの総モル数)×100]で求められる値である。平均エチレンオキサイド化率が15%を超える場合、フォームが膨潤しやすくなり、かつ通気性が著しく低下する。平均エチレンオキサイド化率(EO化率)のより好ましい範囲は10%以下である。
続いて、ナノカーボンポリオール分散液の製造方法について説明する。当該ポリオール分散液は、ナノカーボンをポリオール中に直接分散して調製する方法(直接分散法)と、本最良形態に係る水分散液を調製した後に、当該水分散液とポリオールを混合し水分を除去して調製する方法(間接分散法)と、二種類の方法により製造することが可能である。これらの中でも直接分散法により分散液を製造することが、分散液中の水分量を極端に減らすことができるため好適である。
直接分散法を用いた場合、使用する分散剤の濃度は、0.1〜30重量%が好適であり、0.3〜20重量%がより好適であり、1〜10重量%が更に好適である。また、ナノカーボンの濃度は、その種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜50重量%が好適であり、0.1〜30重量%がより好適であり、0.3〜20重量%が更に好適である。その他、分散剤/ナノカーボンの重量比は、やはりその種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜100が好適であり、0.1〜10がより好適であり、0.2〜5が更に好適である。これらの範囲から外れた場合、ナノカーボンと分散剤のいずれかが過剰となるため組成のバランスが悪く、良好な分散が得られず、また分散液の保存安定性が悪くなることがある。
また、ナノカーボンポリオール分散液は、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の周知の混練装置を用いて混練することにより得られる。
続いて、間接分散法について説明する。間接分散法においては、まず、本最良形態に係る水分散液を調製する。当該水分散液とポリオールとを混合する。
この際、水分散液のポリオールに対する混合比(重量比)は、0.01〜100、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.2〜5である。ポリオールに対して水分散液が多いと水分を除去するのに多大なエネルギーを要するため、逆に少ないとナノカーボンの添加量が制限されるため、好ましくない。
本最良形態に係るナノカーボンポリオール分散液は、特に低い粘性であるため、その後の扱いが容易になる。ポリオール分散液の使用方法としては、後述するポリウレタンの原料として使用できるほか、ポリウレタン以外の樹脂、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂の原料としても使用できる。これらの中でもポリウレタン発泡体の原料として使用することが好適である。
ポリウレタン発泡体
本最良形態に係るポリウレタン発泡体は、本最良形態に係るポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られる樹脂である。ここで、本最良形態において、前記反応前にポリオール中にカーボンナノチューブを分散させることが好適である。必要に応じて、架橋剤、発泡剤、触媒、酸化防止剤、整泡剤、顔料、光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、その他無機/有機系フィラー等が含まれていてもよい。さらに、導電補助材として、カーボンナノチューブ以外の導電性フィラー、例えば炭素繊維、カーボンブラック(ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック)等を必要に応じて併用しても構わない。以下、各原料について詳述する。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態におけるポリウレタン発泡体(以下、単に発泡体又はフォームともいう)の製造方法では、まずメカニカルフロス法により、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤及び導電性成分を含むポリウレタン発泡体の原料に不活性ガスを吹き込んで混合することにより、不活性ガスが微細に分散された原料分散液が得られる。
次いで、その原料分散液に加熱を行い、原料分散液中の各成分を反応及び硬化させることにより、目的とするポリウレタン発泡体が製造される。
(ポリウレタン発泡体の原料)
ポリウレタン発泡体の原料は、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤及び導電性成分を含有している。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールにプロピレンオキシドを付加重合させた重合体、エチレンオキシドを付加重合させた重合体、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させた重合体、或いはそれらの変性体等が用いられる。変性体としては、前記ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル又はスチレンを付加させたもの、或はアクリロニトリルとスチレンの双方を付加させたもの等が挙げられる。ここで、多価アルコールは1分子中にヒドロキシル基を複数個有する化合物であり、例えばグリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
これらのポリエーテルポリオールは、末端に第1級のヒドロキシル基を有していることから、ポリイソシアネートとの反応性が高い。ポリエーテルポリオールの質量平均分子量は2000〜6000であることが好ましい。この質量平均分子量が2000未満の場合には得られるポリウレタンの発泡体の成形時における安定性が低下し、6000を越える場合にはその反応性が低下し、ポリウレタン発泡体の成形が難しくなる傾向を示す。ポリエーテルポリオールにビニル系単量体をグラフト重合したポリマーポリオールを用いることもできる。ポリマーポリオールのグラフト部分はポリウレタン発泡体を補強し、質量平均分子量2000〜6000のポリエーテルポリオールがポリウレタン発泡体のソフトセグメントを増大させ、ポリウレタン発泡体の柔軟性、伸び等の物性を向上させる機能を有する。
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリエステルポリオールが用いられる。以上のポリオール成分は、原料成分の種類、分子量、重合度、縮合度等を調整することによって、水酸基の官能基数や水酸基価を変えることができる。また、ポリウレタン発泡体の原料には、ポリウレタン発泡体の架橋密度を高め、硬さ等の物性を向上させるために、水酸基について3官能以上のポリオールとしての架橋剤を含有することができる。そのような架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートはイソシアネート基を複数有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、又はこれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネートプレポリマー、カルボジイミド変性ポリイソシアネート等の変性ポリイソシアネート、さらにはこれらの混合ポリイソシアネート等が用いられる。これらのうち、トリレンジイソシアネート及びその誘導体、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその誘導体が好ましく、これらを混合して使用することもできる。
ポリイソシアネートのイソシアネート指数(イソシアネートインデックス)は100以下又は100を越えてもよいが、ポリウレタン発泡体の柔軟性を適するようにするために、90〜130の範囲で変更することが好ましい。イソシアネート指数が90未満の場合、ポリウレタン発泡体が柔らかくなり、導電性発泡体の用途、たとえば、OA機器用のローラなどとして用いるときにその機能の低下や歪み特性が悪化する傾向を示す。一方、イソシアネート指数が130を越える場合、ポリウレタン発泡体の架橋密度が高くなって硬くなる傾向を示し、OA機器用ローラが相手部材を傷付けたり、硬すぎて機能に合わないおそれがでてくる。ここで、イソシアネート指数は、ポリオールの水酸基等の活性水素基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表したものである。
次に、触媒は、ポリオールとポリイソシアネートとのウレタン化反応(樹脂化反応)、その生成物とポリイソシアネートとの硬化反応(架橋反応)等の各反応を促進させるためのものである。係る触媒として具体的にはトリエチレンジアミン(TEDA)、ジメチルエタノールアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン等の第3級アミン、オクチル酸スズ(スズオクトエート)、鉄アセチルアセトネート等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。また、その他の触媒として、発泡体表面における硬化性を向上させるために、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン系の触媒を用いることもできる。触媒の含有量は、ポリオール100質量部当たり1〜8質量部程度である。
続いて、整泡剤は発泡体原料の発泡を円滑に行い、泡の保持性・安定性のために用いられ、ポリウレタン発泡体の原料に通常配合されるもののいずれも使用することができる。
整泡剤として具体的には、ジメチルポリシロキサン、オルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はそれらの混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、フェノール系化合物等が挙げられる。
整泡剤の含有量は発泡体表面への移行を抑えるために、ポリオール100質量部当たり1〜5質量部の範囲に設定される。整泡剤の含有量が1質量部より少ない場合には、発泡体原料の発泡を円滑に行うことができなくなり、泡の保持性・安定性を欠き、良好な発泡体を得ることができなくなる。その一方、5質量部より多い場合には、整泡作用は十分に発現されるが、整泡剤が発泡体表面へ移行し、発泡体を電子機器用ローラなどとして使用するときに、感光体などの相手部材を汚染するため不適当である。
導電性成分は、前記メカニカルフロス法により得られたポリウレタン発泡体の原料分散液に導電性物質を混合し、例えば、前述のCNTを必須で添加するほか、アセチレンブラック、カーボンブラック等の炭素材料を少量併用することは可能である。その他ポリウレタン発泡体の原料には、ポリアルキレンオキシドポリオール等のセルオープナー、縮合リン酸エステル等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を配合することができる。さらに、CNTの分散液を本最良形態に係る分散剤を用いるとウレタン原料であるポリオールとの親和性が良好となるため、ポリオール中の粘度を低下させることができ、高濃度のCNT分散液を得ることができ、また、それにより、得られるポリウレタンフォームの導電性が高くなる。
(メカニカルフロス法)
メカニカルフロス法では、通常の軟質スラブ系のポリウレタンフォームを製造する際の発泡剤を使用せず、ポリウレタン発泡体の前記原料に不活性ガスを吹き込み、撹拌、混合して原料分散液中に多数の微細なセル(気泡)を形成する方法である。このメカニカルフロス法では、温度上昇により不活性ガスが膨張するもので、化学発泡のようなポリイソシアネートと水との反応による炭酸ガスの発生を伴わない。そして、係る原料成分を反応及び硬化させることにより、目的とするポリウレタン発泡体を製造することができる。このメカニカルフロス法によれば、ポリウレタン発泡体中のセルを微細にすることができると同時に、セルを均一に形成することができる。
不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。不活性ガスの使用量は、前記原料分散液100mlに対して5〜500mlの範囲であることが好ましい。不活性ガスの使用量が5ml未満の場合には、不活性ガスに基づく発泡体のセルが十分に形成されず、発泡体の低密度化を図ることが難しくなる。その一方、500mlを越える場合には、不活性ガスに基づく発泡体のセルの粗化が避けられなくなり、好ましくない。
CNTの配合量により、原料分散液の撹拌については、その回転数を500〜2000回転/分に設定し、十分に撹拌することが好ましい。この回転数が500回転/分を下回る場合、背圧が高くなり、撹拌不良及びセルのむらが生じて好ましくない。一方、2000回転/分を上回る場合、モータなどの撹拌装置として大型で撹拌能力の高いものを必要とし好ましくない。
(ポリウレタン発泡体)
前述のようにメカニカルフロス法により、ポリウレタン発泡体の原料分散液を加熱して反応及び硬化させることによりポリウレタン発泡体が製造される。得られるポリウレタン発泡体は、例えば軟質ポリウレタン発泡体である。ここで、軟質ポリウレタン発泡体は、連続気泡構造を有し、柔軟性があって、かつ復元性を有するポリウレタンの発泡体である。
ウレタン化反応の際には、ポリウレタン発泡体の原料成分を直接反応させる方法のほか、プレポリマー法を採用することができる。すなわち、プレポリマー法は、ポリオールとポリイソシアネートとの各一部を事前に反応させて末端にイソシアネート基又は水酸基を有するプレポリマーを得、それに残りのポリオール又はポリイソシアネートを反応させる方法である。
ポリウレタン発泡体が形成される際の反応は複雑であるが、基本的には次のような反応が主体となっている。すなわち、ポリオールとポリイソシアネートとのウレタン化反応(付加重合反応、樹脂化反応)及びその反応生成物とポリイソシアネートとの硬化(架橋)反応(アロファネート反応、ビューレット反応等)である。また、発泡剤として、水を用いる場合には、水がイソシアネートと反応し、炭酸ガスを発生(泡化反応)させる。このようにして得られるポリウレタン発泡体は、骨格が三次元網目状に延び、その間には多数の微細なセルが均一に形成された構造を有している。また、ポリウレタン発泡体は、ハードセグメントとソフトセグメントとにより構成されるポリウレタンの性質に基づいて一定の強度と所要の弾力性を発揮することができる。
本最良形態に係るポリウレタンは、メカニカルフロス法により不活性ガスを原料液中に分散させて製造する方法に適用することが好ましい。軟質スラブ系ポリウレタンフォームの製造方法の場合、上記導電性充填剤の分散されたポリオール等の原料が高粘度化し、かつ、ポリウレタンフォームの製造時に、非常に大きな体積変化を受けるため、ポンプ配送の制約、およびフォーム物性が脆く、強度が低く、物性が劣るものとなるからである。メカニカルフロス法によれば、原料中に予め不活性ガスが分散されるので、スラブフォームに比べて製造時の体積変化が少なく、導電性充填剤等の充填量が多くなっても物性の低下が少ないため、より好適である。
このようにして得られるポリウレタン発泡体は、画像形成装置におけるトナー供給ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等として好適に用いられる。ポリウレタン発泡体は、整泡剤の含有量・エアーの含有量を変化させることによってセル径を調節することができるため、ポリウレタン発泡体をトナー供給ローラとして使用した場合、トナーの収容性や搬送性を高めることができ、転写ローラの転写性を高めることができると共に、クリーニングローラの掻き取り性を高めることができる。これらのOA用ロールとして用いた場合には、特に本発明は電圧変動の影響を受けにくい特性を有するので、特に有益である。
実施例1〜4、比較例1〜3
(カーボンナノチューブの水分散液の調製)
バイエルマテリアルサイエンス社製、マルチウォールカーボンナノチューブC150P(チューブ径13〜16nm、長さ1〜10μm)90g(3重量%)と、分散剤として表1に示すような化合物を90g(3重量%)とを、水に加えて合計3000gとした。この混合物をビーズミルにて3時間処理し、カーボンナノチューブ分散液を得た。さらに、分散性は、光学顕微鏡(HIROX HI−SCOPE KH−2400DP)を用い、50倍および200倍の倍率にて観測を行い、未分散物(凝集塊)の有無を評価した(A:未分散物なし〜E:未分散物多数)。また、外観(発泡性)を目視にて評価した(A:気泡なし〜E:放置しても気泡消滅せず)。尚、ここでいう発泡性とは、水分散液そのものの発泡性を指し(ポリウレタン製造における発泡性とは異なる。)、製造やこのあとのプロセスにおける取扱上、気泡がないほうが好ましい。また、比較例3を除き、粘度はいずれも100cP以下と低かった。結果を表1にまとめた。
尚、ナイミーン、ニューコールは下記の式の基本骨格を有する化合物である(但し、Rは炭素数mのアルキル基、EOはエチレンオキシドを意味する。)。分散剤ごとにアルキル基の炭素数mとポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位数bが異なる。
R−N−[(EO)H]
Figure 0005484770
実施例5〜8、比較例4〜6
(カーボンナノチューブ水分散液を利用したポリオール分散液の調製)
上記で得られた水分散液と、ポリオールを混合したのち水を加熱揮発させて、表2に示すようなポリオール分散液(カーボンナノチューブ3重量%)を得た。同様に分散性を評価した。また、粘度の評価は目視および触感にて行い、その基準は、A:良好(ポリウレタン製造に好適、約10,000cPレベル)〜E:使用不可(ポリウレタン製造に不適)とする。
FA103:エチレンオキサイド含有量75重量%のポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、サンニックスFA103、水酸基価50mgKOH/g)
エマルゲンA60:花王(株)製、ポリオキシエチレン系界面活性剤(化合物1)
Figure 0005484770
Figure 0005484770
実施例9・10
(カーボンナノチューブのポリオールへの直接分散)
表3に示したような分散剤6重量%およびポリオールを用い、ビーズミルを用いてカーボンナノチューブ6重量%を含むポリオール分散液を調製した。その結果、分散性・粘度ともにポリウレタン発泡材料の製造に最適なポリオール分散液が得られた。
GP-3000NS:グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させたポリエーテルポリオール、分子量3000、水酸基の官能基数が3、水酸基価56(mgKOH/g)、三洋化成工業(株)製
Figure 0005484770
(実施例11〜14)
各実施例におけるポリウレタン発泡体の原料を表4に示す組成にて調製した。表4における各成分の含有量は質量部を表す。また、各成分の内容を以下に示す。
ポリエーテルポリオール:プロピレングリコール系のジオール、質量平均分子量3000、水酸基価38mgKOH/g、三井武田ケミカル(株)製、商品名「アクトコールED−37B
ポリマーポリオール:グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオールにスチレンとアクリロニトリルの混合物をグラフト重合したもの、質量平均分子量3700、水酸基価31mgKOH/g、水酸基についての官能基数3、三井武田ケミカル(株)製、商品名POP−24/30
架橋剤(TMP):トリメチロールプロパン
整泡剤:シリコーン(直鎖ジメチルポリシロキサン)、GESilicones社製、商品名「NiaxSiliconeL5614」
CNT:バイエルマテリアルサイエンス社製、マルチウォールカーボンナノチューブC150P(チューブ径13〜16nm、長さ1〜10μm)
三井物産、マルチウォールカーボンナノチューブMWNT−7(チューブ径40〜90nm、長さ4〜μm)
ポリイソシアネート:カルボジイミド変性MDI、イソシアネート基含有量30.88%、日本ポリウレタン工業(株)製、商品名ミリオネートMTL−S
(CNTの分散)
バイエルマテリアルサイエンス社製、マルチウォールカーボンナノチューブC150P(チューブ径13〜16nm、長さ1〜10μm)180g(ポリオール分散液全体に対し6重量%)を、分散剤として、ナイミーンS220を180g(ポリオール分散液全体に対し6重量%)使用し、ポリエーテルポリオール(プロピレングリコール系のジオール、質量平均分子量3000、水酸基価38mgKOH/g、三井武田ケミカル(株)製、商品名「アクトコールED−37B)に加えて合計3000gとした。この混合物をビーズミルにて3時間処理し、カーボンナノチューブ分散液を得た。このときの分散液の粘度は、13000cPとなり、実用性に耐えるものであった。
なお、分散剤として、ナイミーンS220に代えて、エマルゲンA60を用いて、ポリオール分散液全体に対し3重量%(CNTも3重量%)及び6重量%(CNTも6重量%)を配合し、上記と同様に混合・分散処理を行った。しかし、これらの分散液の粘度は、30万cP以上となり、回転型B型粘度型の測定限界を超えた。さらに、分散剤を全く用いないで、CNTを3重量%で、上記、混合・分散処理を行ったが、やはり、これらの分散液の粘度は、30万cP以上となり、回転型B型粘度型の測定限界を超えた。(CNTを、三井物産のものにかえても、同様であった。)
(メカニカルフロス法による混合)
前記原料を1000回転/分の速度で撹拌しながら、不活性ガスとしての窒素ガスを原料100ml当たり5〜500mlの範囲で吹き込み、原料中に窒素ガスを微細に分散させて泡状を呈する原料分散液を得た。窒素ガスの吹き込み量は、各例における発泡体の見掛け密度の目標値になるように設定した。
(加熱キュア)
その後、得られたポリウレタン発泡体を、養生加熱として、110℃に加熱された10mの加熱ゾーンを通過させて2分間加熱を行った。さらに、後加熱として、ポリウレタン発泡体を加熱炉に入れ、110℃で4時間加熱処理を行った。このようにして所望の軟質ポリウレタン発泡体を製造した。
ここで、実施例11〜14では、従来の金型を用いて140℃で30分間モールド成形を行い、ポリウレタン発泡体を得た。
以上のようにして得られた各例の軟質ポリウレタン発泡体について、下記に示す見掛け密度、圧縮残留ひずみ、硬さ及び抵抗値を測定した。
見掛け密度(kg/m3):JISK7222:1999に準拠して測定した。
圧縮残留歪(%):JISK6400−4:2004に準拠して測定した。
硬さ(N):JISK6400−2:2004に準拠して測定した。
電気抵抗測定方法については、下記の環境条件下に24時間サンプルを置いた後に、以下のように測定した。
1. 測定治具にローラをセットして、ローラの両端にそれぞれ500gの荷重をかける。
2. 電圧を100,1000Vと変化させ、それぞれの抵抗値を測定する。
3. 1000Vまで測定したら、ローラの周方向(90°ずつ)を変えて測定。
4. 2.〜3.を繰り返し、4方向の抵抗値を測定する。
4方向の10〜1000Vの各電圧の平均値をローラの各電圧の抵抗値とする。尚、H−Hとは室温:28℃、湿度:85%。N−Nとは室温:22℃、 湿度:55%。
L−Lとは室温:10℃、 湿度:15%。である。
抵抗測定器:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER
Figure 0005484770
Figure 0005484770
チューブ径が8〜10nmのCNTを用いた。特定の分散剤の効果により、比較的低粘度の分散液を得る事ができたため、優れた導電性を有するポリウレタンフォームを得る事ができた。特に、高濃度(5.3%)品のフォームは、抵抗値の低い優れた導電性を有するものを得ることができた。チューブ径が13〜16,40〜90nmのCNTを用いると、低濃度(3.3%)において、電圧依存性が少ない。高濃度(5.3%)においても、抵抗値が良好である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有するナノカーボン分散剤と、ナノカーボンと、分散媒とを含有し、
    前記分散媒がポリオール又は水である、分散液
    R−X−(Y) 式(1)
    {式中、Rは、炭素数mが13〜21の炭化水素基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、CO、COO、CON、又は直接結合を示し、Yは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)、nは、Xが酸素原子、CO、COO、直接結合の場合1であり、Xが窒素原子、CONの場合2を示す。}
  2. 前記Rが、主鎖の炭素数が13〜21のアルキル基である、請求項1記載の分散
  3. 前記ポリアルキレンオキサイド基の繰り返し単位数bが4〜40である、請求項1又は2記載の分散
  4. ポリアルキレンオキサイド基が、ポリエチレンオキサイド基である、請求項1〜3のいずれか一項記載の分散
  5. 前記化合物のnが2である、請求項1〜4のいずれか一項記載の分散
  6. 前記化合物のXが窒素原子である、請求項1〜5のいずれか一項記載の分散
  7. 前記化合物が、下記式(2)で表される、請求項1〜6のいずれか一項記載の分散
    R−N(AO) 式(2)
    {ここで、Rは、炭素数13〜21のアルキル基(ここで、当該アルキル基の一以上の水素原子が炭化水素基で置換されていてもよく、更には、隣接する窒素原子との間にカルボニル基が存在していてもよい)を示し、AOは、相互に異なる又は同一であるポリアルキレンオキサイド基[C(C2a+1)・O]−H を示す(ここで、aは0〜2の整数を示し、bは1〜100である)。}
  8. ナノカーボンが、カーボンナノチューブである、請求項1〜7のいずれか一項記載の分散液。
  9. 前記分散媒が水であるナノカーボン分散液と、ポリオールとを混合し、
    前記混合物から水を除去することにより得られる、請求項1〜8のいずれか一項記載の分散液。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の分散液と、ポリイソシアネートとを混合し、重合することにより得られる発泡ポリウレタン。
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