JP5484256B2 - 屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物及び屋外設置用成形品 - Google Patents

屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物及び屋外設置用成形品 Download PDF

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Description

本発明は、屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物及び屋外設置用成形品に関し、さらに詳しくは、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等に優れ、屋外設置用成形品に好適なポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる屋外設置用成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば自動車材料、電気電子機器材料、住宅材料、その他の工業分野における部品製造用材料等に屋内、屋外を問わず、利用されている。特に、屋外で使用される場合には、難燃性、耐炎性、耐候性、耐衝撃性等が要求され、また材料の軽量化も望まれる。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する手段としては、従来、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合することがなされてきた。しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。
ハロゲン系化合物を用いることなく熱可塑性樹脂に難燃性を付与する手法として、リン酸系難燃剤を使用する手法が盛んに検討されている(例えば、特許文献1参照)。リン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂は、気層中の燃焼ガス希釈効果、燃焼時に成形品表面に断熱炭化層を形成することによる、燃焼ガスや燃焼に必要な空気の遮断効果や熱伝導を遅延させる効果等を発揮し、難燃性が向上することが知られている。
しかしながら、高い難燃性を得る目的で、又は流動性を高める目的で、上記リン系難燃剤の配合量を多くすると、ポリカーボネート樹脂本来の優れた耐熱性や優れた耐衝撃性が著しく低下する傾向にあり、また、リン系難燃剤を過剰に配合した場合は、廃棄時においては製品からリン系難燃剤がブリードアウトし、環境汚染を引き起こす可能性があり、また近年、人体へ危険性も指摘されている。
一方、屋外環境下の場合、ポリカーボネート樹脂は、長期にわたる使用により変色を引き起こしてしまうという耐候性(耐光性)の点で欠点がある。これに対し、従来からポリカーボネート樹脂に、紫外線吸収剤を配合する手法が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、耐候性と難燃性のバランスは未だ十分とは言いがたく、また屋外使用時に想定される鳥の糞によるポリカーボネート樹脂の分解や臨海地域での塩害等で重要な耐薬品性についても不十分であった。
こうした状況下、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等のバランスに優れた屋外設置用成形品に好適なポリカーボネート樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
特開昭59−202240号公報 特開平7−216206号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等のバランスに優れた屋外設置用成形品に好適なポリカーボネート樹脂組成物およびこれからなる屋外設置用の成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)に、特定量の金属塩系難燃剤(B)および紫外線吸収剤(C)と、さらに必要によりガラス繊維(D)を特定量配合し、グローワイヤー着火温度が775℃以上であり、かつ酸素指数が27以上であるものが、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等に優れ、屋外設置用成形品に好適な芳香族ポリカーボネート樹脂系材料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第の発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩(B)0.050.3質量部、紫外線吸収剤(C)0.001〜1質量部およびガラス繊維(D)5〜50質量部を含有し、IEC60695−2−12によるグローワイヤ着火温度が775℃以上であり、かつISO 4589(JIS K7201)による酸素指数が27以上であり、厚さ1.6mmでのUL94試験がV−0であることを特徴とする屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
このとき、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、更に数平均分子量が200〜15000の飽和脂肪族炭化水素(E)0.01〜2質量部を含有することも好ましい。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明に係るポリカーボネート樹脂組成物を、成形してなる屋外設置用成形品が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第の発明の成形品が、電力計メーターハウジング、または電力計メーター表示部の前面カバーである屋外設置用成形品が提供される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等のバランスに優れた屋外設置用成形品に好適なポリカーボネート樹脂組成物およびこれからなる屋外設置用の成形品を得ることができる。
以下、本発明について、実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明はこれら実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
[1.概要]
本発明の屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩(B)0.050.3質量部紫外線吸収剤(C)0.001〜1質量部およびガラス繊維(D)5〜50質量部を含有し、IEC60695−2−12によるグローワイヤ着火温度が775℃以上であり、かつISO 4589(JIS K7201)による酸素指数が27以上であり、厚さ1.6mmでのUL94試験がV−0であることを特徴とする。
以下、本発明の屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物を形成する組成物の構成成分やその特性、その製造方法、さらに樹脂組成物を用いた屋外設置用成形品の製造方法につき、詳細に説明する。
[2.芳香族ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、その種類に制限は無く、また、1種のみを用いてもよく、2種以上を、任意の組み合わせ及び任意の比率で、併用してもよい。
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記一般式で表される、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。
Figure 0005484256
(式中、Xは、一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。)
芳香族ポリカーボネート樹脂とは、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素であるポリカーボネート樹脂を用いる。芳香族ポリカーボネートは、各種ポリカーボネートのなかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、優れている。
芳香族ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限は無いが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなる芳香族ポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしても良い。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いても良い。また芳香族ポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、芳香族ポリカーボネート重合体は単一の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このような芳香族ポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、以下のとおりである。
1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;等が挙げられる。
これらのなかでもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、なかでもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン、ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
・芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち特に好適なものについて、具体的に説明する。
・・界面重合法
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによって芳香族ポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体のなかでもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、なかでも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、反応時のアルカリ水溶液中のpHを10〜12にコントロールするために、5〜10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、なかでも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、なかでも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
分子量調節剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、なかでも芳香族フェノールが好ましい。
このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
・・溶融エステル交換法
次に、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートが特に好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、なかでも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
芳香族ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が、熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率、エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融エステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、この範囲の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし、芳香族ポリカーボネート樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いても良い。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、粘度平均分子量[Mv]で10,000〜40,000であることが好ましい。粘度平均分子量が10,000未満では、機械的強度が十分ではなくなる傾向があり、粘度平均分子量が40,000を超えると、流動性が悪く成形性が悪くなる傾向にある。粘度平均分子量は、より好ましくは16,000〜40,000であり、さらに好ましくは18,000〜30,000、特には13,500〜20,500である。分子量をこのような範囲に調節するには、後記する分子量調節剤の量を制御する等の公知の方法で可能である。
ここで、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4Mv0.83 から算出される値を意味する。また、極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0005484256
・芳香族ポリカーボネート樹脂に関するその他の事項
芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常1,000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。これにより本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させることができる。また、その下限は、特に溶融エステル交換法で製造された芳香族ポリカーボネート樹脂では、通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上、より好ましくは40ppm以上である。これにより、分子量の低下を抑制し、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性をより向上させることができる。
なお、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。その測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)にて行われる。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、モノマー組成、分子量、末端水酸基濃度等が異なる芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して使用してもよい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂に他の熱可塑性樹脂を混合したアロイ(混合物)として組み合わせて用いてもよい。
さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、芳香族ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
さらに芳香族ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
ただし、再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、なかでも50質量%以下であることがより好ましい。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このような芳香族ポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
[3.金属塩系難燃剤(B)]
本発明の組成物は、金属塩系難燃剤(B)を、上記(A)のポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.001〜2質量部含有する。このように金属塩系難燃剤を含有することで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
金属塩系難燃剤の含有量が0.001質量部より少ないと、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性が不十分となり、逆に2質量部を超えると芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性の低下、並びに、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の成形品の外観不良及び機械的強度の低下が生ずる。含有量の下限は、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、特に好ましくは0.05質量部以上であり、上限は、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.75質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下、特に好ましくは0.3質量部以下である。
金属塩系難燃剤が有する金属の種類としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であることが好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の燃焼時の炭化層形成を促進し、難燃性をより高めることができると共に、芳香族ポリカーボネート樹脂が有する耐衝撃性等の機械的物性、耐熱性、電気的特性などの性質を良好に維持できるからである。したがって、金属塩化合物としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩化合物が好ましく、なかでもアルカリ金属塩がより好ましい。
また、金属塩化合物としては、例えば、有機金属塩化合物、無機金属塩化合物などが挙げられるが、芳香族ポリカーボネート樹脂への分散性が良いという点から有機金属塩化合物が好ましい。
有機金属塩化合物としては、例えば、有機スルホン酸金属塩、有機スルホンアミドの金属塩、有機カルボン酸金属塩、有機ホウ酸金属塩、有機リン酸金属塩等が挙げられる。なかでも、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合した場合の熱安定性の点から、有機スルホン酸金属塩、有機スルホンアミドの金属塩、有機リン酸金属塩が好ましく、有機スルホン酸金属塩が特に好ましい。
また、金属塩化合物の金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属;マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属;並びに、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブテン(Mo)等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属、アルカリ土類金属がより好ましく、アルカリ金属がさらに好ましく、ナトリウム、カリウム、セシウムが最も好ましい。
有機スルホン酸金属塩の例を挙げると、有機スルホン酸リチウム(Li)塩、有機スルホン酸ナトリウム(Na)塩、有機スルホン酸カリウム(K)塩、有機スルホン酸ルビジウム(Rb)塩、有機スルホン酸セシウム(Cs)塩、有機スルホン酸マグネシウム(Mg)塩、有機スルホン酸カルシウム(Ca)塩、有機スルホン酸ストロンチウム(Sr)塩、有機スルホン酸バリウム(Ba)塩、等が挙げられる。このなかでも特に、有機スルホン酸ナトリウム(Na)塩、有機スルホン酸カリウム(K)塩、有機スルホン酸セシウム(Cs)塩等の有機スルホン酸アルカリ金属塩が好ましい。
金属塩化合物のうち、好ましいものの例としては、含フッ素脂肪族スルホン酸又は芳香族スルホン酸の金属塩、芳香族スルホンアミドの金属塩が挙げられる。そのなかでも好ましいものの具体例を挙げると、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩;パーフルオロブタンスルホン酸マグネシウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウム等の、分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;等の、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩、
ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸カリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸セシウム、(ポリ)スチレンスルホン酸セシウム、パラトルエンスルホン酸セシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸セシウム、トリクロロベンゼンスルホン酸セシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸マグネシウム、パラトルエンスルホン酸カルシウム、パラトルエンスルホン酸ストロンチウム、パラトルエンスルホン酸バリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;等の、芳香族スルホン酸金属塩等、
ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミドリチウム、ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミドナトリウム、ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミドカリウム、ビス(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドリチウム、ビス(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドナトリウム、ビス(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドカリウム、トリフルオロメタン(ペンタフルオロエタン)スルホニルイミドカリウム、トリフルオロメタン(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドナトリウム、トリフルオロメタン(ノナフルオロブタン)スルホニルイミドカリウム、トリフルオロメタン等の、鎖状含フッ素脂肪族スルホンアミドのアルカリ金属塩;シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドリチウム、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドナトリウム、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム等の、環状含フッ素脂肪族スルホン酸イミドのアルカリ金属塩;等の、含フッ素脂肪族スルホン酸イミドの金属塩等、
サッカリンのナトリウム塩、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドのカリウム塩、N−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミドのカリウム塩等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸イミドのアルカリ金属塩;等の、芳香族スルホン酸イミドの金属塩等が挙げられる。
上述した例示物のなかでも、含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等が好ましい。
なお、金属塩系難燃剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[4.紫外線吸収剤(C)]
本発明の組成物は、紫外線吸収剤(C)を、上記(A)のポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部含有する。このように紫外線吸収剤(C)を含有することで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の耐候性を向上させ、前記金属塩系難燃剤(B)と併用することで難燃性と耐候性を良好なものとすることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製(商品名、以下同じ)「シーソーブ701」、「シーソーブ702」、「シーソーブ703」、「シーソーブ704」、「シーソーブ705」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
紫外線吸収剤(C)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上が必要であり、好ましくは0.1質量部以上であり、また、上限は1質量部以下であり、好ましくは0.5質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、耐候性の改良効果が不十分であり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こしやすい。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[5.ガラス繊維(D)]
本発明の組成物は、さらに、ガラス繊維(D)を、上記(A)のポリカーボネート樹脂100質量部に対して、5〜50質量部含有することも好ましい。含有量が5質量部未満の場合は補強効果が十分でない場合があり、また50質量部を超える場合は、外観や耐衝撃性が劣り、流動性が十分でない場合がある。ガラス繊維(D)のより好ましい含有量は10〜30質量部である。このようにガラス繊維(D)を含有することで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の強度、剛性、寸法安定性を向上させ、前記金属塩系難燃剤(B)、紫外線吸収剤(C)と併用することで難燃性と耐候性と、強度、寸法安定性を良好なものとすることができる。
本発明に使用されるガラス繊維(D)は、特に制限はなく、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス等のガラス繊維を挙げることができる。これらの中で、アルカリ分が少なく、電気的特性が良好なEガラスの繊維を特に好適に用いることができる。ガラス繊維(D)の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1〜100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維は、製造が容易でなく、コスト高になる恐れがあり、一方100μmを超えると、ガラス繊維の引張強度が低下する恐れがある。なお、繊維断面は円形であっても扁平状であっても構わない。
ガラス繊維(D)の平均繊維長は、特に限定されないが、例えば10〜600μmの範囲で選ぶことが好ましく、50〜400μmであることがより好ましい。ガラス繊維(D)の平均繊維長10μm未満であると、補強効果が十分に発現しない恐れがあり、600μmを超えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の成形が困難になる恐れがある。
また、本発明においてガラス繊維(D)としては、繊維長140μm以下の短繊維(以下、単に「短繊維」と称すことがある)と繊維長140μmを超える長繊維(以下、単に「長繊維」と称すことがある)とからなり、繊維長500μm以上のガラス繊維が、ガラス繊維全体の10質量%以下であって、繊維長140μm以下のガラス繊維の重量xと繊維長140μm超のガラス繊維の重量yとの比が、50/50<x/y≦100/0であるガラス繊維である。このような範囲とすることで、成形品の強度と異方性のバランスが良好なものとなる。
なお、この規定は、ISO 179に規定されたシャルピー衝撃試験片を作成し、該試験片を650℃の電気炉に2時間放置し、灰分として残ったガラス繊維を測定した値を示す。測定方法は、本発明の実施例においては、後述するように、画像解析装置((株)東芝製、画像処理R&Dシステム(商品名:TOSPIX−i)を用いて測定した値で示した。
ガラス繊維(D)の集束剤としては特に制限はなく、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂エマルジョン等を挙げることができ、好ましくはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂である。
またカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン等のクロロシラン系化合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン系化合物、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系化合物や、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物などを挙げることができる。
該ガラス繊維(D)中の長繊維成分は、例えば、原料として、平均繊維長約2〜4mmのガラス繊維(チョップドストランド)を用いることにより、主に導かれるものである。該平均繊維長約2〜4mmのガラス繊維チョップドストランドとしては、例えば、旭ファイバーグラス(株)よりチョップドストランドCS03MA409、CS03DE409C、日本電気硝子(株)よりチョップドストランドECS03T571等の商品名で市販されているもの等を好ましく用いることができ、中でも平均繊維長2〜3mmのものを用いることが好ましい。該長繊維成分は、シラン系カップリング剤に代表される表面処理剤やウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂に代表される収束剤、ホスファイト系に代表される熱安定剤等で適宜表面を処理されているのが好ましい。
また、短繊維成分としては、原料として、繊維長140μmを超えるガラス繊維を用いても、混合や混練により導かれる場合もあるが、本発明においては、繊維長140μmを超えるガラス繊維成分よりも多量に含むことが好ましいので、原料として、平均繊維長が140μm以下のガラス繊維を用いるのが普通である。これらは例えば、ミルドファイバーやガラスパウダーなどとして市販されており、旭ファイバーグラス(株)よりミルドファイバーMF06JB1−20、日本電気硝子(株)よりEPG70M−99S等の商品名で市販されているもの等を使用するのが好ましい。該短繊維成分は、その目的に応じ、シラン系カップリング剤に代表される表面処理剤やホスファイト系に代表される熱安定剤等で適宜表面処理されていてもよい。
[6.カーボンブラック]
本発明における樹脂組成物には、カーボンブラックを配合することも好ましい。カーボンブラックを含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐候性が向上する傾向にある。なお、カーボンブラックは、その製造方法、原料種等に制限はなく、従来公知の任意のもの、例えばオイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のいずれをも使用することができる。これらの中でも、着色性とコストの点から、オイルファーネスブラックが好ましい。
用いるカーボンブラックの平均粒子径は、適宜選択して決定すればよいが、なかでも5〜60nmが好ましく、更には7〜55nm、特に10〜50nmであることが好ましい。平均粒子径を5nm以上とすることで、樹脂組成物の成形時流動性や帯電防止性が向上する傾向にあり、60nm未満とすることで成形品の外観が向上し、成形品表面からのカーボンブラックの脱落を抑制することができる。尚、カーボンブラックの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用い、求めることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、通常1,000m/g未満が好ましく、なかでも50〜400m/gであることが好ましい。窒素吸着比表面積を1,000m/g未満にすることで、本発明の樹脂組成物の流動性や成形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。なお、窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準拠して測定できる。
また、カーボンブラックのDBP吸収量は、300cm/100g未満であることが好ましく、なかでも30〜200cm/100gであることが好ましい。DBP吸収量を300cm/100g未満にすることで、本発明の樹脂組成物の流動性や成形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。
なお、DBP吸収量はJIS K6217に準拠して測定することができる。また本発明で使用するカーボンブラックは、そのpHについても特に制限はないが、通常、2〜10であり、3〜9であることが好ましく、4〜8であることがさらに好ましい。
カーボンブラックは、単独でまたは2種以上併用して使用することができる。更にカーボンブラックは、バインダーを用いて顆粒化することも可能であり、他の樹脂中に高濃度で溶融混練したマスターバッチでの使用も可能である。
カーボンブラックの好ましい配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、カーボンブラックを0.1〜5質量部である。カーボンブラックが0.1質量部未満では遮光性に劣り、5質量部を越えると流動性や外観が低下し、成形品表面からのカーボンブラックの脱落も生じやすくなる。
[7.酸化チタン]
本発明における樹脂組成物には、酸化チタンを配合することも好ましい。
酸化チタンは、ポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品の耐候性を向上させるように機能する。酸化チタンは、製造方法、結晶形態および平均粒子径などは、特に限定されるものではない。酸化チタンの製造方法には硫酸法および塩素法があるが、硫酸法で製造された酸化チタンは、これを添加した組成物の白度が劣る傾向があるため、本発明の目的を効果的に達成するには、塩素法で製造されたものが好適である。
酸化チタンの結晶形態には、ルチル型とアナターゼ型があるが、耐光性の観点からルチル型の結晶形態のものが好適である。酸化チタンの平均粒子径は、0.1〜0.7μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4μmである。平均粒子径が0.1μm未満では成形品の耐候性に劣り、0.7μmを超える場合は、成形品表面に肌荒れを起こしたり、成形品の機械的強度が低下したりする。なお本発明においては、平均粒径の異なる酸化チタンを2種類以上混合して使用してもよい。
なお、酸化チタンは、後記するオルガノシロキサン系の表面処理剤で表面処理する前に、アルミナ系表面処理剤で前処理するのが好ましい。アルミナ系表面処理剤としてはアルミナ水和物が好適に用いられる。さらにアルミナ水和物とともに珪酸水和物で前処理しても良い。前処理の方法は特に限定されるものではなく、任意の方法によることが出来る。アルミナ水和物、さらに必要に応じて珪酸水和物による前処理は、酸化チタンに対して1〜15質量%の範囲で行うのが好ましい。
アルミナ水和物、さらに必要に応じて珪酸水和物で前処理された酸化チタンは、更にその表面をオルガノシロキサン系の表面処理剤で表面処理することによって、熱安定性を改善することが出来るほか、ポリカーボネート樹脂組成物中での均一分散性および分散状態の安定性を向上させる。
オルガノシロキサン系表面処理剤としては、なかでも無機化合物粒子の表面と反応する反応性の官能基を持つ反応性官能基含有有機珪素化合物が好ましい。反応性の官能基としては、Si−H基、Si−OH基、Si−NH基、Si−OR基が挙げられるが、Si−H基、Si−OH基、Si−OR基を持つものがより好ましく、Si−H基をもつSi−H基含有有機珪素化合物が、特に好ましい。
Si−H基含有有機珪素化合物としては、分子中にSi−H基を持つ化合物であれば特に制限されず、適宜選択して用いればよいが、なかでも、ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリシクロ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(エチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(フェニルハイドロジェンシロキサン)、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)]コポリマー等のポリオルガノ水素シロキサンが好ましい。
酸化チタンのオルガノシロキサン系の表面処理剤による表面処理法には、(1)湿式法と(2)乾式法とがある。湿式法は、オルガノシロキサン系の表面処理剤と溶剤との混合物に、アルミナ水和物、さらに必要に応じて珪酸水和物で前処理された酸化チタンを加え、撹拌した後に脱溶媒を行い、更にその後100〜300℃で熱処理する方法である。乾式法は、上記と同様に前処理された酸化チタンとポリオルガノハイドロジェンシロキサン類とをヘンシェルミキサーなどで混合する方法、前処理された酸化チタンにポリオルガノハイドロジェンシロキサン類の有機溶液を噴霧して付着させ、100〜300℃で熱処理する方法などが挙げられる。
酸化チタン系添加剤の好ましい含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、3〜30質量部の範囲である。酸化チタン系添加剤の配合量が3質量部未満の場合は、樹脂組成物から得られる成形品の耐候性が不十分となりやすく、30質量部を超える場合は樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となりやすい。より好ましい配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、5質量部以上であり、特に好ましくは8質量部以上であり、25質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。なお、酸化チタン系添加剤の質量は、アルミナ水和物、珪酸水和物、オルガノシロキサン系の表面処理剤によって表面処理されている場合は、これらの処理剤も含めた全質量を意味する。
[8.離型剤]
本発明における樹脂組成物には、離型剤を配合することが好ましい。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の飽和脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も包含する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、単一化合物であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量の下限は、好ましくは500以上、さらに好ましくは1,000以上、特に好ましくは1,500以上であり、また、数平均分子量の上限は、好ましくは10,000以下であり、さらに好ましくは7,500以下であり、特に好ましくは5,000以下である。
なお、飽和脂肪族炭化水素は、単一な化合物からなるものであってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[9.その他の成分]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、IEC(国際電気標準会議)規格60695−2−12規格によるグローワイヤ着火温度、ISO 4589(JIS K7201)による酸素指数、機械的物性などの特性を損なわない範囲で、必要に応じて、上述したもの以外に他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・その他の樹脂
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)等の熱可塑性ポリエステル樹脂;
ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;
スチレン−ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)等のコア/シェル型のエラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマー;
ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、環状シクロオレフィン樹脂(COP樹脂)、環状シクロオレフィン共重合体(COC)樹脂等のポリオレフィン樹脂;
ポリアミド樹脂(PA樹脂);ポリイミド樹脂(PI樹脂);ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂);ポリウレタン樹脂(PU樹脂);ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂);ポリスルホン樹脂(PSU樹脂);ポリメタクリレート樹脂(PMMA樹脂);等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・樹脂添加剤
樹脂添加剤としては、例えば、前記金属塩系難燃剤(B)以外の難燃剤、滴下防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に好適なその他添加剤の例について具体的に説明する。
・・前記金属塩系難燃剤(B)以外の難燃剤
前記金属塩系難燃剤(B)以外の難燃剤としては、例えば、有機ケイ素系難燃剤、リン系難燃剤、無機フィラー系難燃剤、ハロゲン系難燃剤が挙げられる。
・・含フッ素樹脂
本発明の組成物には、含フッ素樹脂を含有することも好ましく、その好ましい含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜1質量部である。このように含フッ素樹脂を含有することで、樹脂組成物の溶融特性を改良することができ、具体的には燃焼時の滴下防止性を向上させることができる。
含フッ素樹脂の含有量は、0.001質量部より少ないと、含フッ素樹脂による難燃性向上効果が不十分になりやすく、1質量部を超えると、熱可塑性樹脂組成物を成形した成形品の外観不良や機械的強度の低下が生じやすい。含有量の下限は、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.075質量部以上、特に好ましくは0.1質量部以上であり、また、含有量の上限は、より好ましくは0.75質量部以下、さらに好ましくは0.6質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以下である。
含フッ素樹脂としては、なかでもフルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、この含フッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。このように、フィブリル形成能を有することで、燃焼時の滴下防止性が著しく向上する傾向にある。
フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂としては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)6J」、ダイキン化学工業社製「ポリフロン(登録商標)F201L」、「ポリフロン(登録商標)F103」、「ポリフロン(登録商標)FA500」などが挙げられる。さらに、フルオロオレフィン樹脂の水性分散液の市販品として、例えば、三井デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)30J」、「テフロン(登録商標)31−JR」、ダイキン化学工業社製「フルオン(登録商標)D−1」等が挙げられる。
さらに、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂を用いることで、分散性が向上し、成形品の表面外観が向上し、表面異物を抑制できる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂は、公知の種々の方法により製造でき、例えば(1)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、等が挙げられる。
フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体としては、特に制限されるものではなく、このような有機系重合体を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;
無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;
グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。
なお、これらの単量体は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体を生成するための単量体としては、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する際の分散性の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂との親和性が高いものが好ましく、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体がより好ましい。
また、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂中のフルオロオレフィン樹脂の含有比率は、通常30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下である。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂中のフルオロオレフィン樹脂の含有比率を、上述の範囲とすることで、難燃性と成形品外観のバランスに優れる傾向にあるため好ましい。
このような有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂としては、具体的には、三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)A−3800」、GEスペシャリティケミカル社製「ブレンデックス(登録商標)449」、PIC社製「Poly TS AD001」等が挙げられる。
なお、含フッ素樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・・熱安定剤
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
なかでも、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の有機ホスファイトが好ましい。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、アデカ社製(商品名、以下同じ)「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、熱安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
熱安定剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.7質量以下、より好ましくは0.5質量部以下である。熱安定剤が少なすぎると熱安定効果が不十分となる可能性があり、熱安定剤が多すぎると効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・・酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」(登録商標、以下同じ)、「イルガノックス1076」、アデカ社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・・染顔料
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
有機顔料および有機染料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料;ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの縮合多環染顔料;キノリン系、アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料などが挙げられる。
これらの中では、熱安定性の点から、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物などが好ましい。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、ポリカーボネート系樹脂等とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
染顔料の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。染顔料の含有量が多すぎると耐衝撃性が十分でなくなる可能性がある。
[9.グローワイヤー着火温度および酸素指数]
本発明の樹脂組成物は、上述した成分を配合して得られるが、IEC(国際電気標準会議)規格60695−2−12によるグローワイヤ着火温度が775℃以上であり、かつISO 4589(JIS K7201)による酸素指数が27以上であることを特徴とする。
グローワイヤ着火温度が775℃未満では、製品の異常過熱時に成形品の着火が起きやすく、屋外設置用の成形品としては安全性が不十分であり、特に屋外設置する電気製品、例えば電力計等の筐体、カバーとしての使用ができない。また、酸素指数が27未満であると、樹脂組成物から製造される成形品が、燃焼した際、あるいは製品の周辺に火気があった場合に、製品筐体、カバーが容易に燃焼しやすく、難燃性が不十分であるため好ましくない。
なお、後述の方法で作製した試験片について、試験法IEC60695−2−12規格に準拠して測定される。
また、酸素指数は、ISO 4589(JIS K7201)に準拠して測定され、具体的には、後述のUL燃焼試験片につき、東洋精機社製OXIGEN INDEXERISOを使用して測定した。
グローワイヤ着火温度を775℃以上に、また酸素指数が27以上に調整するには、基本的には、金属塩系難燃剤(B)の種類と配合量を調整することで可能である。
[10.芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂、金属塩系難燃剤、紫外線吸収剤、ガラス繊維、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[11.成形品]
本発明の樹脂組成物は、屋外に設置されて使用する成形品として好適に使用される。この成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その屋外設置器具の用途に応じて任意に設定すればよい。
屋外設置用成形品の例を挙げると、積算電力計ハウジング、ガスメーターハウジング等の検量器類のハウジング、太陽熱温水器、ソーラーパネル等の部品、エアコン室外機ハウジング、インターホンの筐体、パラボラアンテナ等のアンテナ用部品、換気扇吹き出し口カバー、看板・広告塔外枠、道路標識、信号器ハウジング、道路照明器カバー、広告塔カバー等、あるいはその部品等、各種ハウジング、筐体、カバー等に用いて特に好適である。上記検量器のメーター表示部の前面カバーに用いる場合は、前記ガラス繊維(D)を配合していない樹脂組成物の透明板である方がメーター数値の視認性の点で好ましい。
成形品の製造方法は、特に限定されず、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
得られた本発明の成形品は、上述したように、耐衝撃性等の強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等に優れ、屋外設置用成形品として、長期に亘って使用することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いた測定法、評価法および使用材料は、以下のとおりである。
1.測定・評価法
(1)グローワイヤー着火温度(℃):
IEC60695−2−12規格に準拠し、後述の方法で得られた平板状試験片(厚さ2mm)を試験片として測定した。表2中、「GWFI」と表記する。
(2)酸素指数:
ISO 4589(JIS K7201)に準拠して、後述の方法で得られたOI試験片を試験片とし、東洋精機製OXIGEN INDEXERISOを使用して測定した。なお、酸素濃度27%の条件で試験をし、合格したものを「○」、不合格のものを「×」と評価した。表2中、「OI」と表記する。
(3)耐候性評価:
JIS K7105に準じ、後述の方法で得られた平板状試験片(厚さ2mm)を試験片とし、日本電色工業社製SE2000型分公式色彩計で、反射法により、YI値を測定し、処理前とサンシャインウェザオメーター処理後(ブラックパネル温度:63℃、雨あり:12/60min、300h)の色差(ΔYI)を以下により算出した。ΔYIが小さい方が、耐候試験による変色が小さい、つまり耐候性に優れることを示し、好ましい。表2中、「耐候性」と表記する。
(4)難燃性評価:
各芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、後述の方法で得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
Figure 0005484256
ここで残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間の長さである。また、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。さらに、5試料のうち、1つでも上記基準を満たさないものがある場合、V−2を満足しないとしてNR(not rated)と評価した。なお、表2中、「難燃性」と表記する。
(5)湿熱安定性評価:
後述の方法で得られたISO多目的試験片を、ISO527に準拠し、引張最大強度を測定し(以下、「初期引張強度」という)、次に高温高湿試験機を用いて、80℃×90%の条件で500時間処理し、上述と同様の手法にて引張最大強度を測定した(以下、「湿熱試験後引張強度」という)。
得られたデータより、引張強度保持率((湿熱試験後引張強度/初期引張強度)×100、単位:%)を求め、湿熱安定性を評価した。引張強度保持率が高いものは、耐加水分解性に優れ、湿熱安定性が高いことを意味し、好ましい。表2中、「湿熱安定性」と表記する。
2.使用材料
(A)成分[芳香族ポリカーボネート樹脂]
・ビスフェノールA型の芳香族ポリカーボネート樹脂(A―1)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、
商品名:ユーピロン(登録商標)S−3000、粘度平均分子量:22,000
・ビスフェノールA型の芳香族ポリカーボネート樹脂オリゴマー(A−2)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、
商品名:ユーピロン(登録商標)AL−071
(B)成分[金属塩系難燃剤]
芳香族スルホン酸カリウム(B−1)
・ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム
UCBジャパン社製、商品名:KSS
・パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(B−2)
ランクセス社製、商品名:BayowetC4
(B)成分以外の難燃剤
・リン系難燃剤(PFR)
レゾルシノールビス−2,6−キシレ二ルホスフェート、
大八化学工業社製、商品名:PX−200
(C)成分[紫外線吸収剤]
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(C)
2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
シプロ化成社製、商品名:シーソーブ709
(D)成分[ガラス繊維]
・ガラス繊維チョップドストランド(D−1)
オーエンスコーニングジャパン社製、商品名:FT737
繊維長:2mm、繊維径:13μm
・ガラス繊維ミルドファイバー(D−2)
日本電気硝子社製、商品名:ガラスパウダーEPG70M−99S
繊維長:70μm、繊維径:9μm
(E)成分[離型剤]
・ポリエチレンワックス(E−1)
クラリアント・ジャパン社製、商品名:Licowax PE520
数平均分子量2,000
・ステアリン酸ステアリル(E−2)
日油社製、商品名:ユニスターM9676
(F)成分[含フッ素樹脂]
・フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン樹脂(F)
三井デュポンフロロケミカル社製、商品名:6J
(G)成分[リン系安定剤]
・トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(G)
ADEKA社製、商品名:アデカスタブ2112
(H)フェノール系安定剤
・ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](H)
BASF社製、商品名:イルガノックス1010
(I)カーボンブラック
越谷化成工業社製、商品名 ロイヤルブラック 904G
カーボンブラック/ポリスチレンマスターバッチ、カーボンブラック含有率:40%
(J)酸化チタン
レジノカラー工業社製、商品名 CP−K
ポリハイドロジェンシロキサン表面処理品
(実施例1〜、比較例1〜
表2に記した割合(全て質量%)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂組成物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
次に、上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80〜110℃の条件で射出成形し、平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)及びOI試験片(124mm×6mm×3mm厚)、及びUL試験用試験片(長さ125mm、幅13mm、厚さ1.6mm)を成形した。
同様に上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のサイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80〜100℃の条件で射出成形し、ISO多目的試験片(厚さ4mm)を成形した。
評価結果を表2に示す。
Figure 0005484256
実施例1〜から分かるように、本発明の樹脂組成物は、耐候性、難燃性、湿熱安定性に優れていることがわかる。
一方、比較例1では、金属塩系難燃剤を含まないので、難燃性に劣り、比較例2では、金属塩系難燃剤と紫外線吸収剤を含まないので、難燃性と耐候性が不十分であり、比較例3では紫外線吸収剤を含まないので耐候性が不十分であった。また、比較例4では金属塩系難燃剤の代わりにリン系難燃剤を用いているので難燃性は良好であるが、湿熱安定性が悪いことが分かる。
したがって、上記の実施例及び比較例から、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等に優れるという効果は、本発明の構成によりはじめて得られるものであることが確認された。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物によれば、強度、耐候性、難燃性、耐湿熱安定性等に優れるポリカーボネート樹脂成形材料が得られるので、積算電力計ハウジング、ガスメーターハウジング等の検量器類のハウジング、太陽熱温水器、ソーラーパネル等の部品、エアコン室外機ハウジング、インターホンの筐体、パラボラアンテナ等のアンテナ用部品、換気扇吹き出し口カバー、看板・広告塔外枠、道路標識、信号器ハウジング、道路照明器カバー、広告塔カバー等、あるいはそれらの部品等の広範囲の分野に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (4)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩(B)0.05〜0.3質量部、紫外線吸収剤(C)0.001〜1質量部およびガラス繊維(D)5〜50質量部を含有し、IEC60695−2−12によるグローワイヤ着火温度が775℃以上であり、かつISO 4589(JIS K7201)による酸素指数が27以上であり、厚さ1.6mmでのUL94試験がV−0であることを特徴とする屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、更に数平均分子量が200〜15000の飽和脂肪族炭化水素(E)0.01〜2質量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の屋外設置成形用ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の屋外設置成形品用ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる屋外設置用成形品。
  4. 屋外設置用成形品が、電力計メーターハウジング又は電力計メーター表示部の前面カバーであることを特徴とする請求項3に記載の屋外設置用成形品。
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