JP5483325B2 - 樹脂用グリース組成物 - Google Patents

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本発明は、樹脂を使用した軸受、ギヤ等の樹脂摺動部の潤滑箇所へ適用できる低摩擦性と耐摩耗性に優れた樹脂用グリース組成物に関する。
樹脂を使用した軸受やギヤ等の樹脂摺動部に適用するグリース組成物には、潤滑膜を形成するZnDTP・硫黄系及びリン系等の極圧添加剤を配合しても、金属表面と反応する等して潤滑効果が期待できないため、通常、固体潤滑剤を配合している。このような樹脂用グリース組成物に使用される固体潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という場合がある。)粉末が最も多く用いられており、このPTFE粉末をベースとして更なる潤滑性の向上が試みられている(特許文献1、特許文献2参照。)。
樹脂はその種類により摺動特性が異なるが、PTFE樹脂や高密度ポリエチレン樹脂(以下、「高密度PE樹脂」という場合がある。)は、特に低摩擦性に優れているため、低摩擦を目的とする摺動部に使用されている。そして、これらの樹脂は、摩擦時に分子配向をとった後、表面層が小片として剥離(摩耗)することにより低摩擦性を示す機構になっている。しかしながら、この剥離した摩耗粉が増えすぎると、グリースを硬化させ、本来の性能を充分に発揮できなくなる可能性がある。したがって、このような樹脂を使用する箇所では、樹脂の摩耗を抑制することが重要であり、樹脂の摩耗抑制効果に優れた樹脂用グリース組成物が要望されている。
一方、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「PBT樹脂」という場合がある。)のような、もともと耐摩耗性に優れ比較的硬い樹脂を用いた場合には、摺動部でスティックスリップを起こしやすい傾向にあり、このことにより摩擦係数が上昇する傾向にある。したがって、このような樹脂を使用する箇所では、樹脂摺動部のスティックスリップを抑制することによる低摩擦化が要望されている。
そこで本発明者は先の発明(特許文献3)において、グリースに層状構造を持つ化合物粉末とPTFE樹脂粉末を特定比率で配合することで、PTFE樹脂や高密度PE樹脂の耐摩耗性と共にPBT樹脂のような硬い樹脂摺動部の低摩擦化も向上させる技術を開発した。
特開2001−89778号公報 特開2005−247971号公報 特願2009−221307号公報
本発明は、樹脂摺動部に適用する際に低摩擦性と、耐摩耗性に優れたグリース組成物を提供することを目的とするものであり、特にPBT樹脂摺動部の低摩擦性、PTFE樹脂摺動部の耐摩耗性をより一層向上させることができるグリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、リチウム石けん系増ちょう剤を用い、25℃における動粘度が1〜300mm/sの低粘度シリコーン油と25℃における動粘度700〜2,000mm/sの高粘度シリコーン油を、該高粘度シリコーン油の含有割合が前記低粘度シリコーン油と該高粘度シリコーン油の合計量に対して40〜90質量%の割合になるように混合し、その混合基油粘度を50〜900mm/sとすることにより、低粘度基油の摺動部への入り易さを利用して潤滑膜形成能を向上でき、かつ、高粘度基油により強固な油膜形成能を向上できることを見出した。更に、層状構造を持つ化合物粉末を1〜20質量%、PTFE粉末を5〜30質量%含有させ、かつ、該層状構造を持つ化合物粉末とPTFE粉末の配合質量比を10:90〜60:40にし、増ちょう剤を含有させることにより、樹脂用グリース組成物の摩耗防止性と低摩擦性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リチウム石けん系増ちょう剤と、25℃における動粘度が1〜300mm/sの低粘度シリコーン油と25℃における動粘度700〜2,000mm/sの高粘度シリコーン油を、該高粘度シリコーン油の含有割合が前記低粘度シリコーン油と該高粘度シリコーン油の合計量に対して40〜90質量%の割合になるように混合して25℃における動粘度を50〜900mm/sとしたシリコーン基油を含有し、さらに層状構造を持つ化合物粉末をグリース組成物全量に対して1〜20質量%及びポリテトラフルオロエチレン粉末をグリース組成物全量に対して5〜30質量%をそれぞれ含有し、かつ該層状構造を持つ化合物粉末と該ポリテトラフルオロエチレン粉末の質量比が10:90〜60:40であることを特徴とする樹脂用グリース組成物を提供する。
また、本発明は、上記樹脂用グリース組成物において、前記層状構造を持つ化合物粉末が、黒鉛粉末及び窒化ホウ素粉末から選ばれる少なくとも1種である樹脂用グリース組成物を提供する。
また、本発明は、前記リチウム石けん系が、粒子形状が鱗片状のリチウム石けん系増ちょう剤であることを特徴とする樹脂用グリース組成物を提供する。
また、本発明は、上記樹脂用グリース組成物において、前記樹脂、PTFE樹脂、高密度PE樹脂又はPBT樹脂を使用している摺動部の樹脂である樹脂用グリース組成物を提供する。
本発明の樹脂用グリース組成物は、樹脂摺動部における樹脂の耐摩耗性、低摩擦性に優れている。従って、本発明の樹脂用グリース組成物は、実用上極めて有用である。
(1)基油
本発明の樹脂用グリース組成物では、基油として25℃における動粘度が50〜900mm/sのシリコーン油を用いる。このシリコーン油の25℃における動粘度は100〜800mm/sが好ましく、200〜600mm/sがより好ましい。シリコーン油の動粘度が低すぎると摺動部での油膜形成が十分でなく、耐摩耗性が低下する傾向になり、動粘度が高すぎると摺動部分の狭間への油の入り込みが少なくなる傾向にあるため、結果として耐摩耗性が低下する傾向にある。
本発明の樹脂用グリース組成物の基油として用いられる上記シリコーン油は、以下に記載する低粘度シリコーン油と高粘度シリコーン油を混合することで、上記の動粘度に調整したものである。
この低粘度シリコーン油は、25℃における動粘度が1〜300mm/sのシリコーン油であり、5〜250mm/sのシリコーン油が好ましく、20〜180mm/sのシリコーン油がより好ましい。低粘度シリコーン油の動粘度が低すぎると摺動部での油膜形成が十分でなく、十分な耐摩耗性を得づらくなる。一方、動粘度が高すぎると潤滑部分への油の入り込みが少なくなる傾向にあるため、結果として十分な耐摩耗性が得づらくなる。この低粘度シリコーン油は、低粘度シリコーン油と高粘度シリコーン油の合計量に対し、10〜60質量%含有することが好ましく、特に20〜50質量%含有することが好ましい。この範囲を外れると、十分な耐摩耗性が得られない。
一方の高粘度シリコーン油は、25℃における動粘度が700〜2,000mm/sのシリコーン油であり、700〜1,500mm/sのシリコーン油が好ましい。動粘度がこの範囲を外れると、上記低粘度シリコーン油との混合により本発明で規定するシリコーン油の動粘度に調整することが難しくなる。この高粘度シリコーン油は、低粘度シリコーン油と高粘度シリコーン油の合計量に対し、40〜90質量%含有し、特に50〜80質量%含有することが好ましい。この範囲を外れると、十分な耐摩耗性が得られない。
上記シリコーン油の具体例としては、上記の低粘度シリコーン油と高粘度シリコーン油を混合して上記動粘度の範囲に調整したものであれば、特に制限なく、種々の化学構造を有するものが挙げられ、例えばジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリコーンなどが挙げられる。この内、特に好ましいものはジメチルシリコーンである。これらのシリコーン油は、1種用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記シリコーン油の量は、要求特性に応じて適宜選定することができるが、グリース組成物全量に対して通常50〜90質量%の範囲であり、好ましくは60〜85質量%の範囲である。
本発明の樹脂用グリース組成物の基油としては、本発明の性能を低下させない程度であれば、上記シリコーン油以外の基油を含有してもよいが、その含有量は基油全量に対して5質量%以下であることが好ましく、上記シリコーン油以外の基油は含有しないことが好ましい。
(2)層状構造を持つ化合物粉末
本発明の樹脂用グリース組成物では、層状構造を持つ化合物粉末を含有する。
この層状構造を持つ化合物粉末の具体例としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、フッ化黒鉛、雲母、MCA(Melamine Cyanuric Acidの略称)、窒化ホウ素、遷移金属ジカルコゲナイドのインカレーション化合物等の粉末が挙げられるが、好ましいものとしては、雲母、黒鉛、窒化ホウ素、MCA、二硫化モリブデンの粉末が挙げられ、特に好ましいものとしては、黒鉛、窒化ホウ素の粉末が挙げられる。
層状構造を持つ化合物粉末として使用されるグラファイト(黒鉛)は、大別して、人造黒鉛と天然黒鉛とに分けられる。人造黒鉛は、ピッチ・コークスをタール、ピッチ等により固めて1200℃位で焼成後、黒鉛炉で高温で処理することにより炭素の結晶が成長して造られたものである。また、天然黒鉛は天然の地熱と地下の高圧下で長い年月を経て黒鉛化したものである。本発明において用いる黒鉛粉末としては、天然黒鉛粉末が好ましい。また、天然黒鉛粉末においては、その材質の違いにより鱗片状黒鉛粉末、鱗状黒鉛粉末、土状黒鉛粉末が挙げられるが、特に鱗片状黒鉛粉末又は鱗状黒鉛粉末が好ましい。
層状構造を持つ化合物粉末として使用される窒化ホウ素は、ホウ素の窒化物である。
層状構造を持つ化合物粉末の平均粒径は、0.1〜25μmが好ましく、2.1〜20μmがより好ましく、2.2〜15μmが特に好ましい。
層状構造を持つ化合物粉末のうち、特に黒鉛の平均粒径は、1〜15μmが好ましく、2.1〜10μmが特に好ましい。特に、麟片状黒鉛及び鱗状黒鉛の平均粒径は、2.1〜10μmが好ましく、2.1〜8μmが特に好ましい。また、窒化ホウ素の平均粒径は、0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmが更に好ましく、1.0〜5μmが特に好ましい。
層状構造を持つ化合物粉末のグリース組成物全量に対する含有量は、その下限値は1質量%であるが、好ましくは3質量%であり、より好ましくは5質量%である。層状構造を持つ化合物粉末の含有量の上限値は、20質量%であるが、好ましくは15質量%であり、更に好ましくは10質量%である。配合量が少なすぎると所定の耐摩耗性が得られず、配合量が多すぎても効果が飽和してしまう傾向にある。
(3)PTFE粉末
本発明の樹脂用グリース組成物はポリテトラフルオロエチレン樹脂の粉末、すなわちPTFE粉末を含有する。PTFEは、全体として帯状構造を持っており、その帯が板状結晶部分と非晶質部分がサンドイッチ状に交互に配置されているバンド構造といわれる構造をとっているものである。
PTFE粉末の平均粒径は、0.1〜25μmが好ましく、0.5〜15μmがより好ましく、1.0〜10μmが特に好ましい。
PTFE粉末のグリース組成物全量に対する含有量は、その下限値は5質量%であるが、好ましくは10質量%であり、より好ましくは14質量%である。一方、PTFE粉末の含有量の上限値は30質量%であるが、好ましくは25質量%であり、更に好ましくは20質量%である。配合量が少なすぎると所定の耐摩耗性が得られず、配合量が多すぎても効果が飽和してしまう傾向にある。
(4)層状構造を持つ化合物とPTFE粉末の含有比率
本発明の樹脂用グリース組成物は、上記の層状構造を持つ化合物とPTFE粉末を質量比で10:90〜60:40含有する。この含有比率は、好ましくは20:80〜50:50、より好ましくは20:80〜40:60である。層状構造を持つ化合物の配合比率が少なすぎるとPTFE樹脂摺動部、高密度PE樹脂摺動部での耐摩耗性が低下する傾向にあり、多すぎるとPBT樹脂摺動部での摩擦係数が増加する傾向にある。一方、PTFE粉末の配合比率が少なすぎるとPBT樹脂摺動部での摩擦係数が増加する傾向にあり、多すぎるとPTFE樹脂摺動部、高密度PE樹脂摺動部での耐摩耗性が低下する傾向にある。したがって、層状構造を持つ化合物とPTFE粉末を適正な比率で配合することにより、PTFE樹脂摺動部、高密度PE樹脂摺動部及びPBT樹脂摺動部のいずれの摺動部においても所定の耐摩耗性と低摩擦性とを両立させることができる。
(5)増ちょう剤
本発明の樹脂用グリース組成物において使用される増ちょう剤は、リチウム石けん系増ちょう剤である。
リチウム石けん系増ちょう剤としては、リチウム−12−ヒドロキシステアレート等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸リチウム塩、リチウム−ステアレート等の脂肪族カルボン酸リチウム塩またはそれらの混合物などが挙げられるが、耐久性の観点からリチウム−ステアレートが特に好ましい。
また、リチウム石けん系増ちょう剤は、通常、鱗片状粒子状のリチウム石けんを基油からなる溶媒中に配合し、200℃付近まで加熱させ、基油中にリチウム石けんを溶解させた後、冷却して結晶化させる、いわゆる再結晶をさせることにより、リチウム石けん系増ちょう剤自体が繊維状になるように製造されるが、本発明においては、低摩擦化の観点から繊維状のリチウム石けん系増ちょう剤ではなく、90〜150℃付近で基油中に分散させた鱗片状粒子状のリチウム石けん系増ちょう剤を用いることが好ましい。この時、鱗片状粒子状のリチウム石けんを油中へ撹拌分散させるための温度については、好ましくは90〜150℃であり、より好ましくは90〜140℃であり、更に好ましくは95〜130℃である。温度が低すぎるとリチウム石けんの基油中への分散性が低下する傾向にある。また、温度が高すぎるとリチウム石けんの一部が繊維状となる可能性があり、所定の鱗片状粒子状のリチウム石けん系増ちょう剤ができなくなる可能性がある。
本発明の樹脂用グリース組成物において使用される増ちょう剤は、本発明にちょう度を付与させるもので、好ましい配合量はグリース組成物全量に対して5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。配合量が少なすぎると、摩擦係数が高くなる傾向にある。また、多すぎると、製品グリースの寿命が低下する傾向にある。
また、本発明の樹脂用グリース組成物は、上記各成分と基油と増ちょう剤を配合することにより製造されるものであるが、必要に応じて、各種添加剤を適宜配合することができる。
(6)その他の添加剤
本発明の樹脂用グリース組成物には、適宜他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなどの金属系清浄剤;アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの分散剤;亜鉛系、硫黄系、リン系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などの極圧剤;ステアリン酸などのカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステルなどの各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤などが挙げられる。添加剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(7)用途
本発明の樹脂用グリース組成物は、種々の樹脂を使用している摺動部に用いることができるが、特にPTFE樹脂、高密度PE樹脂又はPBT樹脂を使用している摺動部に好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜5)
実施例及び比較例では、以下に示す*1〜*9成分を表1〜2に示した配合量(質量)の割合で含有させたグリース組成物を調製した。なお、グリース組成物は、*1〜*9の各成分を適宜混合し、ミル処理を行ってグリース中に増ちょう剤を均一に分散させ、調製した。
得られたグリース組成物は、それぞれ樹脂の耐摩耗性評価と摩擦特性評価を行った。
*1:リチウム−ステアレートA(耐熱容器に表中の基油、固体潤滑剤及びその他添加剤とリチウム−ステアレート(堺化学製;商品名;S7000H)を同時に投入し、約100℃付近でリチウム−ステアレートを充分に撹拌分散させた後、ミル処理を行うことにより鱗片状粒子状のリチウム−ステアレートを基油中に混合分散させたグリースを調製した。)。
*2:リチウム−ステアレートB(耐熱容器に表中の各基油とリチウム−ステ アレート(堺化学製;商品名;S7000)を投入して攪拌しながら加熱し、約200℃付近で溶解させ、基油を添加し、冷却した。次に、固体潤滑剤、その他添加剤を約100℃付近で充分に撹拌分散し、ミル処理を行うことにより繊維状のリチウム−ステアレートの結晶を基油中に混合分散させたグリースを調製した。)。
*3:シリコーン油A(25℃における動粘度が50mm/sであるジメチルシリコーン油)
*4:シリコーン油B(25℃における動粘度が200mm/sであるジメチルシリコーン油)
*5:シリコーン油C(25℃における動粘度が1000mm/sであるジメチルシリコーン油)
*6:シリコーン油D(25℃における動粘度が500mm/sであるジメチルシリコーン油)
*7:鱗状黒鉛粉末(平均粒径5μm)
*8:窒化ホウ素粉末(平均粒径1.5μm)
*9:PTFE粉末(平均粒径2.0μm)
*10:酸化防止剤(アミン系酸化防止剤)
(測定方法)
(1)耐摩耗性試験
ファレックス型摩擦試験機を用いて行った。試験は、鋼製のピンとPTFE樹脂製ブロックを用いてPTFE樹脂摺動部にグリースを0.5g塗布し、ピン回転数500rpm、温度は成りゆきの下で、締め付け荷重50Nで5分間ならし運転を行い、次いで100Nで55分間本運転を行った。評価は、試験前後のブロックの重量減(摩耗量)を測定した。
(2)摩擦特性試験
SRV試験を用いて行った。試験は、鋼製の玉とPBT樹脂製のディスクを用いてPBT樹脂摺動部にグリース0.2g塗布し、荷重20N、振動数30Hz、温度40℃、ストローク3mm、試験時間15minの条件で実施した。評価は、15分後の摩擦係数(μ)を測定した。











Figure 0005483325
表中の実施例1〜4のシリコーン基油の25℃動粘度は、シリコーン油Aとシリコーン油C又はシリコーン油Aとシリコーン油Bを混合して得られたシリコーン基油の25℃動粘度である。


Figure 0005483325
表中の比較例4及び5のシリコーン基油の25℃動粘度は、シリコーン油Aとシリコーン油Cを混合して得られたシリコーン基油の25℃動粘度である。

Claims (4)

  1. リチウム石けん系増ちょう剤と、25℃における動粘度が1〜300mm/sの低粘度シリコーン油と25℃における動粘度700〜2,000mm/sの高粘度シリコーン油を、該高粘度シリコーン油の含有割合が前記低粘度シリコーン油と該高粘度シリコーン油の合計量に対して40〜90質量%の割合になるように混合して25℃における動粘度を50〜900mm/sとしたシリコーン基油を含有し、さらに層状構造を持つ化合物粉末をグリース組成物全量に対して1〜20質量%及びポリテトラフルオロエチレン粉末をグリース組成物全量に対して5〜30質量%をそれぞれ含有し、かつ該層状構造を持つ化合物粉末と該ポリテトラフルオロエチレン粉末の質量比が10:90〜60:40であることを特徴とする樹脂用グリース組成物。
  2. 前記層状構造を持つ化合物粉末が、黒鉛粉末及び窒化ホウ素粉末から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂用グリース組成物。
  3. 前記リチウム石けん系増ちょう剤が、粒子形状が鱗片状のリチウム石けん系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂用グリース組成物。
  4. 前記樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂を使用している摺動部の樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂用グリース組成物。
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