JP5482758B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤ周りの空気流を改善する空気入りタイヤに関するものである。
従来、特許文献1では、タイヤ周りの空気抵抗を効果的に低減してタイヤを装着した車両の燃費向上を図るため、タイヤ外側面の所定領域にタイヤ周方向およびタイヤ径方向に亘って多数の凹部と多数の凸部(突部)とを混在するように設けることを特徴とする空気入りタイヤが開示されている。
また、従来、特許文献2では、発熱による耐久性の低下を防ぐため、タイヤ外側面(サイド部の外面)に攪拌部として多数の凹部(ディンプル)および凸部(ピンプル)を備える空気入りタイヤが開示されている。
特開2010−260376号公報 特開2010−30547号公報
上述した特許文献1および特許文献2に記載の空気入りタイヤは、凹部によって車両走行時のタイヤの周囲に乱流(空気の攪拌)を生じさせ、凸部によって乱流発生効果(攪拌効果)の向上を図る作用が示されている。すなわち、凹部は、乱流や空気の攪拌を生じさせるものとされ、凸部は、乱流や空気の攪拌を助長させるものとされている。
ところで、発明者等の研究によれば、凸部や凹部は、これらの機能を効率よく得られるように配置することで、さらなる効果が得られることが発見された。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤ周りの空気流をさらに改善することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、少なくとも一方のタイヤサイド部に、多数の凸部および多数の凹部を有する空気入りタイヤにおいて、前記凸部が所定方向に長手状の突条として形成されており、当該凸部を有する領域がタイヤ径方向最外側に設けられ、前記凹部を有する領域が前記凸部を有する領域のタイヤ径方向内側に設けられており、正規リムに組み込んで正規内圧の5[%]を内圧充填した状態で、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向外側であって前記接地端からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10[%]以上70[%]以下の範囲が前記凸部を有する領域とされ、かつリムチェックラインからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さの10[%]以上70[%]以下の範囲が前記凹部を有する領域とされ、前記凸部を有する領域と、前記凹部を有する領域とが、タイヤ周方向で互いに重なり合うことを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、空気入りタイヤを装着した車両の走行時に、タイヤサイド部において、空気抵抗を受けやすく、かつ回転速度が相対的に速くなるタイヤ径方向外側に、凸部を有する領域を設けることで、当該凸部によって空気を乱流化させる。このため、凸部を有する領域に乱流境界層が発生し、通過する空気の広がりが抑えられるので、車両の空気抵抗が低減され、燃費を向上することができる。一方、空気入りタイヤを装着した車両の走行時に、タイヤサイド部において、回転速度が相対的に遅くなるタイヤ径方向内側に、凹部を有する領域を設けることで、当該凹部がタイヤサイド部のゴムボリュームを低減するとともに空気を乱流化させる。このため、ゴムボリュームの低減化によって熱の発生が抑制されつつ空気の乱流化によって排熱性が向上するため、タイヤ発熱や温度上昇が抑えられ、タイヤの耐久性を向上することができる。このように、この空気入りタイヤによれば、タイヤサイド部のタイヤ径方向外側の凸部と、タイヤ径方向内側の凹部とで、それぞれタイヤ周りの空気流をさらに改善することができる。
トレッド部の接地端からタイヤ幅方向外側であって接地端からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの少なくとも10[%]の範囲は、タイヤサイド部において、空気抵抗を最も受けやすく、かつ回転速度が最も速くなる部分であり、この範囲が凸部を有する領域とされることで、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることができ、燃費をより向上することができる。一方、リムチェックラインからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さの少なくとも10[%]の範囲は、タイヤサイド部において、回転速度が最も遅くなる部分であり、この範囲が凹部を有する領域とされることで、タイヤ発熱や温度上昇を抑える効果を顕著に得ることができ、タイヤの耐久性をより向上することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凸部の長手方向寸法が5[mm]以上であることを特徴とする。
凸部の長手方向寸法が5[mm]未満であると、当該凸部による空気を乱流化させる作用が得難くなる。このため、凸部の長手方向寸法を5[mm]以上とすることが、空気を乱流化させ、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凸部の突出高さが0.5[mm]以上10.0[mm]以下であることを特徴とする。
凸部の高さが0.5[mm]未満の場合、凸部が空気に接触する範囲が小さいことから、空気の流れが乱流化し難く、車両の空気抵抗の低減効果が小さくなる。また、凸部の高さが10.0[mm]を超える場合、凸部が空気に接触する範囲が大きいことから、凸部の後方での空気の流れが膨らむ傾向となり、車両の空気抵抗の低減効果が小さくなる。この空気入りタイヤによれば、凸部が空気に適宜接触することで、空気の流れが乱流化し、凸部の後方での空気の膨らみが減少するため、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凸部が長手方向をタイヤ径方向に沿って配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、タイヤ径方向に長手状に形成された凸部は、タイヤ周りを通過する空気に対向する面が多くなり、空気をより乱流化させるため、車両の空気抵抗の低減効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凸部の断面形状が、頂点を有して底面側に漸次広がることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、凸部の長手方向に直交する断面形状が三角形状に近似することとなり、これにより、凸部の体積が矩形断面などと比較して少なくなることから、凸部のゴムボリュームが低減化されてタイヤ重量の増加を抑えるため、燃費をより向上することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凸部の断面形状が、少なくとも1つの円弧を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、例えば、凸部の断面形状が円弧で膨らむように形成されていたり、凸部の断面形状が円弧で凹むように形成されていたりすることで、凸部の体積が矩形断面などと比較して少なくなることから、凸部のゴムボリュームが低減化されてタイヤ重量の増加を抑えるため、燃費をより向上することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記凹部の深さが0.5[mm]以上5.0[mm]以下であることを特徴とする。
凹部の深さが0.5[mm]未満の場合、凹部の内面が空気に接触する範囲が小さいことから、空気の流れが乱流化し難くなる。また、凹部の深さが5.0[mm]を超える場合、凹部の内面が空気に接触する範囲が大きすぎて、空気抵抗が増加する傾向となるうえ、凹部を有する領域の元々のゴムボリュームが増大するため、タイヤ重量の増大を招く。この空気入りタイヤによれば、凹部の内面が空気に適宜接触することで、空気の流れが適宜乱流化するため、排熱性を向上する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記凹部は、タイヤ径方向内側に向かって容積が漸次大きく変化して配置されることを特徴とする。
凹部の容積をタイヤ径方向内側に向かって漸次大きくすると、比較的ゴムが多く配置されていることで比較的発熱の大きいタイヤ径方向内側の部分のゴムボリュームを減少させるため、熱の発生を抑制しつつ空気の乱流化によって排熱性をより向上して、タイヤ発熱や温度上昇を抑え、タイヤの耐久性をより向上することができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周りの空気流をさらに改善することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図12は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図13は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図14は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図15は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図16は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図17は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図18は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図19は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図20は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図21は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図22は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図23は、凸部の断面図である。 図24は、凸部の断面図である。 図25は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。 図26は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまりタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なストレート主溝である複数(本実施の形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22によりタイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられている。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5度)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
図2〜図22は、本実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である。上述のように構成された空気入りタイヤ1は、図2〜図22に示すように、少なくとも一方のタイヤサイド部Sにおいて、当該タイヤサイド部Sの面よりタイヤの外側に突出する凸部9が多数設けられ、かつタイヤサイド部Sの面よりタイヤの内側に窪む凹部10が多数設けられている。
ここで、タイヤサイド部Sとは、図1において、トレッド部2の接地端Tからタイヤ幅方向外側であってリムチェックラインLからタイヤ径方向外側の範囲で一様に連続する面をいう。また、接地端Tとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面21が路面と接地する領域において、タイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。また、リムチェックラインLとは、タイヤのリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインであり、一般には、ビード部5の表側面において、リムフランジよりもタイヤ径方向外側であってリムフランジ近傍となる部分に沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示されている。
なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
そして、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図2〜図18に示すように、少なくとも凸部9を有する領域Fと、凹部10を有する領域Dとが、タイヤ径方向で少なくとも2つに分けられてなり、凸部9を有する領域Fがタイヤ径方向最外側に設けられ、凹部10を有する領域Dが凸部9を有する領域Fのタイヤ径方向内側に設けられている。
凸部9は、例えば、図2〜図18に示すように、タイヤサイド部Sの範囲において、タイヤ径方向に長手状に形成されたゴム材(タイヤサイド部Sを構成するゴム材であっても、当該ゴム材とは異なるゴム材であってもよい)からなる突条として形成され、かつタイヤ周方向に間隔をおいて複数配置されている。この凸部9を有する領域Fは、図2〜図18に示すように、タイヤ周方向で隣接する各凸部9のタイヤ径方向最外側の端部同士を繋ぐ仮想直線と、タイヤ周方向で隣接する各凸部9のタイヤ径方向最内側の端部同士を繋ぐ仮想直線との間の領域をいう。
凸部9は、図2〜図4,図6〜図15に示すように、タイヤ周方向に等間隔で配置されていてもよく、図5,図16〜図18に示すように、タイヤ周方向に所定間隔で隣接する複数(図で示すものは2つ)の凸部9を1つの群とし、当該凸部9の群がタイヤ周方向に等間隔で配置されていてもよい。
また、凸部9は、図2〜図15に示すように、タイヤ径方向に沿って直線状に形成されていてもよく、図16に示すように、タイヤ径方向に対して傾いて直線状に形成されていてもよく、図17に示すように、屈曲して形成されていてもよく、図18に示すように、湾曲して形成されていてもよい。
また、凸部9は、図10〜図18に示すように、タイヤ周方向に互い違いに長さが異なるように配置されていてもよい。
また、凸部9は、タイヤ幅方向から視た場合の外形状が、図2〜図10,図13,図14に示すように長方形状であったり、図11に示すように端部が円弧状であったり、図12に示すように端部が尖っていたり、図15に示すように三角形状であったりしてもよい。また、凸部9は、図15に示すように、その長手方向に交差する寸法である幅が、長手方向で変化して形成されていてもよい。
また、凸部9は、長手方向に直交する断面形状が、半円形状、半楕円形状、半長円形状、三角形状、四角形状、台形状、または断面外形の少なくとも1部が円弧を有して形成されている。ここで、凸部9の長手方向に直交するとは、その延在方向に直交することを意味し、凸部9が湾曲して形成されている場合は、湾曲部分の接線に直交することを意味する。
なお、凸部9は、図には明示しないが、長手方向で複数に分割されていてもよい。凸部9が分割されている場合、そのタイヤ周方向に並ぶ別の凸部9が、タイヤ周方向で隣接する凸部9の分割部分に対してタイヤ周方向で重なるように配置されていてもよい。
凹部10は、タイヤサイド部Sの表面に開口する開口形状が、円形状、楕円形状、長円形状、多角形状などに形成されている(図2〜図18では、円形状の開口形状として示す)。また、凹部10は、断面形状が、半円形状、半楕円形状、半長円形状、すり鉢形状、または矩形状などに形成されている。この凹部10を有する領域Dは、図2〜図18に示すように、最も近くで隣接する各凹部10のタイヤ径方向最外側の縁部同士を繋ぐ仮想直線と、最も近くで隣接する各凹部10のタイヤ径方向最内側の縁部同士を繋ぐ仮想直線との間の領域をいう。
また、凹部10は、図2〜図5に示すようにタイヤ周方向とタイヤ径方向とで等間隔に配置されており、かつ図3に示すように凸部9の配置されたタイヤ径方向に沿って配置されていてもよい。また、凹部10は、図6に示すように、タイヤ周方向とタイヤ径方向とで等間隔に配置される一部が欠けて配置されていてもよい。また、凹部10は、図7に示すように、凸部9の配置されたタイヤ径方向に沿って配置される一部が欠けて配置されていてもよい。また、凹部10は、図8および図9に示すように、大きさの異なるものが配置されていてもよい。また、凹部10は、図10〜図18に示すように、タイヤ周方向に互い違いに長さが異なるように配置された凸部9に対応して、凹部10が山型や凸型に配置されていてもよい。また、凹部10は、図には明示しないが、千鳥状に配置されていてもよく、四角形または三角形を基準とするように配置されていてもよい。
また、凹部10を有する領域Dと、凸部9を有する領域Fとは、上述したように、タイヤ径方向で少なくとも2つに分けられてなり、凸部9を有する領域Fがタイヤ径方向最外側に設けられ、凹部10を有する領域Dが凸部9を有する領域Fのタイヤ径方向内側に設けられている(図19参照)。その他、凹部10を有する領域Dと、凸部9を有する領域Fとは、図20に示すように、凸部9を有する領域Fがタイヤ径方向最外側に設けられ、凹部10を有する領域Dがタイヤ径方向最内側に設けられて、領域Fと領域Dとのタイヤ径方向の間に凸部9および凹部10が設けられていない領域があってもよい。また、凹部10を有する領域Dと、凸部9を有する領域Fとは、図21に示すように、凸部9を有する領域Fがタイヤ径方向最外側に設けられ、凹部10を有する領域Dがタイヤ径方向最内側に設けられて、領域Fと領域Dとのタイヤ径方向の間に、他の領域Fおよび領域Dが設けられていてもよい。また、凹部10を有する領域Dと、凸部9を有する領域Fとは、図22に示すように、その境界がタイヤ周方向で波状に設けられていてもよく、図10〜図13,図15〜図18に示すように、その境界がタイヤ周方向で鋸刃状(ジグザグ状)に設けられていてもよく、図14に示すように、その境界が重なるように設けられていてもよい。
また、タイヤ幅方向両側のタイヤサイド部Sにおいて、凸部9と凹部10とは、同じ配置で設けられていても、異なる配置で設けられていてもよい。また、タイヤ幅方向両側のタイヤサイド部Sにおいて、凹部10を有する領域Dと、凸部9を有する領域Fとは、同じ配置で設けられていても、異なる配置で設けられていてもよい。
このように、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、少なくとも一方のタイヤサイド部Sに、多数の凸部9および多数の凹部10を有し、凸部9が所定方向に長手状の突条として形成されており、当該凸部9を有する領域Fがタイヤ径方向最外側に設けられ、凹部10を有する領域Dが凸部9を有する領域Fのタイヤ径方向内側に設けられている。
空気入りタイヤ1を装着した車両の走行時に、タイヤサイド部Sにおいて、空気抵抗を受けやすく、かつ回転速度が相対的に速くなるタイヤ径方向外側に、凸部9を有する領域Fを設けることで、当該凸部9によって空気を乱流化させる。このため、凸部9を有する領域Fに乱流境界層が発生し、通過する空気の広がりが抑えられるので、車両の空気抵抗が低減され、燃費が向上する。一方、空気入りタイヤ1を装着した車両の走行時に、タイヤサイド部Sにおいて、回転速度が相対的に遅くなるタイヤ径方向内側に、凹部10を有する領域Dを設けることで、当該凹部10がタイヤサイド部Sのゴムボリュームを低減するとともに空気を乱流化させる。このため、ゴムボリュームの低減化によって熱の発生が抑制されつつ空気の乱流化によって排熱性が向上するため、タイヤ発熱や温度上昇が抑えられ、タイヤの耐久性が向上する。このように、この空気入りタイヤ1によれば、タイヤサイド部Sのタイヤ径方向外側の凸部9と、タイヤ径方向内側の凹部10とで、それぞれタイヤ周りの空気流をさらに改善することが可能である。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すように、正規リムに組み込んで正規内圧の5[%]を内圧充填した状態で、トレッド部2の接地端Tからタイヤ幅方向外側であって接地端Tからタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さHの少なくとも10[%]の範囲FHが凸部9を有する領域Fとされ、かつリムチェックラインLからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さHの少なくとも10[%]の範囲DHが凹部10を有する領域Dとされることが好ましい。
ここで、タイヤ断面高さHは、ビード部5のタイヤ径方向内端(リムベース位置)からタイヤ径方向最外側のトレッド面21(クラウンセンター)までのタイヤ径方向に沿ったタイヤの高さをいう。
トレッド部2の接地端Tからタイヤ幅方向外側であって接地端Tからタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さHの少なくとも10[%]の範囲FHは、タイヤサイド部Sにおいて、空気抵抗を最も受けやすく、かつ回転速度が最も速くなる部分であり、この範囲FHが凸部9を有する領域Fとされることで、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることができ、燃費をより向上することが可能になる。一方、リムチェックラインLからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さHの少なくとも10[%]の範囲DHは、タイヤサイド部Sにおいて、回転速度が最も遅くなる部分であり、この範囲DHが凹部10を有する領域Dとされることで、タイヤ発熱や温度上昇を抑える効果を顕著に得ることができ、タイヤの耐久性をより向上することが可能である。なお、各範囲FH,DHの最大値は、タイヤ断面高さHの70[%]までとすることが、凸部9および凹部10による各効果を顕著に得るうえで好ましい。また、各範囲FH,DHは、タイヤ断面高さHの50[%]までとすることが、凸部9および凹部10がほぼタイヤ断面幅の最大位置までとなり、凸部9および凹部10による各効果がタイヤ径方向でほぼ等分されるためさらに好ましい。タイヤ断面幅は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した無負荷状態で、側面の模様または文字など全てを含むサイドウォール部4間のタイヤ幅方向直線距離であるタイヤ総幅から、模様または文字などを除いたタイヤ幅方向距離である。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凸部9の長手方向寸法が5[mm]以上であることが好ましい。
凸部9の長手方向寸法が5[mm]未満であると、当該凸部9による空気を乱流化させる作用が得難くなる。このため、凸部9の長手方向寸法を5[mm]以上とすることが、空気を乱流化させ、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凸部9の突出高さが0.5[mm]以上10.0[mm]以下であることが好ましい。
凸部9の高さが0.5[mm]未満の場合、凸部9が空気に接触する範囲が小さいことから、空気の流れが乱流化し難く、車両の空気抵抗の低減効果が小さくなる。また、凸部9の高さが10.0[mm]を超える場合、凸部9が空気に接触する範囲が大きいことから、凸部9の後方での空気の流れが膨らむ傾向となり、車両の空気抵抗の低減効果が小さくなる。この点、本実施の形態の空気入りタイヤ1によれば、凸部9が空気に適宜接触することで、空気の流れが乱流化し、凸部9の後方での空気の膨らみが減少するため、車両の空気抵抗を低減する効果を顕著に得ることが可能になる。なお、車両の空気抵抗を低減する効果をより顕著に得るため、凸部9の高さを1[mm]以上5[mm]以下とすることが好ましい。なお、凸部9の高さが0.5[mm]以上10.0[mm]以下の範囲は、乗用車用の空気入りタイヤにおいて好ましく、重荷重用のような外径が大きい空気入りタイヤの場合は、この範囲に限らず、当該乗用車用の範囲を超える。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凸部9が長手方向をタイヤ径方向に沿って配置されていることが好ましい。
タイヤ径方向に長手状に形成された凸部9は、タイヤ周りを通過する空気に対向する面が多くなり、空気をより乱流化させるため、車両の空気抵抗の低減効果を顕著に得ることが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凸部9の断面形状が、頂点を有して底面側に漸次広がることが好ましい。
すなわち、凸部9の長手方向に直交する断面形状が三角形状に近似することとなり、これにより、凸部9の体積が矩形断面などと比較して少なくなることから、凸部9のゴムボリュームが低減化されてタイヤ重量の増加を抑えるため、燃費をより向上することが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凸部9の断面形状が、少なくとも1つの円弧を有することが好ましい。
例えば、凸部の断面図である図23に示すように、凸部9の断面形状が円弧で膨らむように形成されていたり、凸部の断面図である図24に示すように、凸部9の断面形状が円弧で凹むように形成されていたりすることで、凸部9の体積が矩形断面などと比較して少なくなることから、凸部9のゴムボリュームが低減化されてタイヤ重量の増加を抑えるため、燃費をより向上することが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1は、凹部10の深さが0.5[mm]以上5.0[mm]以下であることが好ましい。
凹部10の深さが0.5[mm]未満の場合、凹部10の内面が空気に接触する範囲が小さいことから、空気の流れが乱流化し難くなる。また、凹部10の深さが5.0[mm]を超える場合、凹部10の内面が空気に接触する範囲が大きすぎて、空気抵抗が増加する傾向となるうえ、凹部10を有する領域の元々のゴムボリュームが増大するため、タイヤ重量の増大を招く。この点、本実施の形態の空気入りタイヤ1によれば、凹部10の内面が空気に適宜接触することで、空気の流れが適宜乱流化するため、排熱性を向上する効果を顕著に得ることが可能になる。なお、凹部10の深さが0.5[mm]以上5.0[mm]以下の範囲は、乗用車用の空気入りタイヤにおいて好ましく、重荷重用のような外径が大きい空気入りタイヤの場合は、この範囲に限らず、当該乗用車用の範囲を超える。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ1では、凹部10は、タイヤ径方向内側に向かって容積が漸次大きく変化して配置されることが好ましい。
凹部10の容積は、凹部10の深さ、または凹部10の開口部の面積によって変化する。例えば、本実施の形態に係る空気入りタイヤをタイヤ幅方向から視た一部外観図である図25に示すように、凹部10の深さを一定として開口部の面積をタイヤ径方向内側に向かって漸次大きくすることで、凹部10の容積がタイヤ径方向内側に向かって漸次大きくなる。このため、比較的ゴムが多く配置されていることで比較的発熱の大きいタイヤ径方向内側の部分のゴムボリュームを減少させるため、熱の発生を抑制しつつ空気の乱流化によって排熱性をより向上して、タイヤ発熱や温度上昇を抑え、タイヤの耐久性をより向上することが可能になる。
なお、上述した空気入りタイヤ1は、乗用車用のみならず、重荷重用やランフラット用の空気入りタイヤに適用される。乗用車用の場合は、上述のごとく効果が得られる。また、重荷重用の場合は、特に、大荷重において、凸部9によってタイヤサイド部Sの圧縮時でのタイヤの変形をより抑えるとともに、凹部10によってタイヤサイド部Sの圧縮時での温度上昇を抑えて、耐久性を向上する。また、ランフラット用の場合も、特に、パンク時において、凸部9によってタイヤサイド部Sの圧縮時でのタイヤの変形をより抑えるとともに、凹部10によってタイヤサイド部Sの圧縮時での温度上昇を抑えて、耐久性を向上する。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、燃費や耐ピンチカット性や荷重耐久性に関する性能試験が行われた(図26参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ185/65R15の空気入りタイヤを、正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した。
燃費の性能試験は、上記空気入りタイヤを、排気量1500[cc]+モータアシスト駆動の小型前輪駆動車に装着し、この試験車両にて、全周2[km]のテストコースで時速100[km/h]にて50周走行した場合の燃費を計測した。そして、この計測結果に基づいて、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とし燃費改善率を指数評価する。この指数評価は、数値が大きいほど燃費改善率が向上されていることを示している。
耐ピンチカット性の性能試験は、上記試験車両にて、高さ110[mm]の縁石に対して30[°]の角度で進入させて縁石を乗り越したときのサイドウォール部における外傷の受傷度合い(傷の長さおよび傷の深さ)を測定した。この性能試験を各タイヤについてそれぞれ速度を10[km/h]から5[km/h]刻みでタイヤがバーストするまで、あるいはエア漏れが発生するまで行う。そして、この測定結果に基づいて、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とし耐ピンチカット性を指数評価する。この指数評価は、数値が大きいほど耐ピンチカット性が向上されていることを示している。
荷重耐久性の性能試験は、上記空気入りタイヤを正規リムに装着し、空気圧を180[kPa]にした。この空気入りタイヤを、ドラム表面が平滑な鋼性で直径1707[mm]のドラム試験機を用い、周辺温度38±3[℃]に制御した環境にて、速度を81[km/h]、負荷加重をJATMA規定の最大荷重の88[%]から2時間毎に13[%]ずつ荷重を増加させてタイヤが破壊するまでの総走行距離を測定した。そして、この測定結果に基づいて、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とし荷重耐久性を指数評価する。この指数評価は、数値が大きいほど荷重耐久性が向上されていることを示している。
図26において、従来例の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部に凸部および凹部を有していない。また、比較例1の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側領域(接地端とタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凸部が設けられ、凹部を有していない。比較例2の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側領域(リムチェックラインとタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凹部が設けられ、凸部を有していない。比較例3の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側領域(接地端とタイヤ断面幅の最大位置との中間部)、および両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側領域(リムチェックラインとタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凸部が設けられている。比較例4の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側領域(接地端とタイヤ断面幅の最大位置との中間部)、および両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側領域(リムチェックラインとタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凹部が設けられている。なお、凸部を有する場合は、タイヤ径方向に沿って長さが均等で、タイヤ周方向で等間隔に配置され、凹部を有する場合は、タイヤ径方向に沿って並設されてタイヤ周方向に等間隔で配置されている。
一方、図26において、実施例1〜実施例8の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側に凸部が設けられ、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側に凹部が設けられている。なお、凸部は、タイヤ径方向に沿って長さが均等で、タイヤ周方向で等間隔に配置され、凹部は、凸部のタイヤ径方向内側でタイヤ径方向に沿って並設されてタイヤ周方向に等間隔で配置されている(図3参照)。そして、実施例1の空気入りタイヤは、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側領域(接地端とタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凸部が設けられ、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側領域(リムチェックラインとタイヤ断面幅の最大位置との中間部)に凹部が設けられている。また、実施例2〜実施例8の空気入りタイヤは、正規リムに組み込んで正規内圧の5[%]を内圧充填した状態で、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向外側領域(接地端からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10[%]の範囲)に凸部が設けられ、両側のタイヤサイド部のタイヤ径方向内側領域(リムチェックラインからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さの10[%]の範囲)に凹部が設けられている。また、実施例3〜実施例8の空気入りタイヤは、さらに凸部の長手方向寸法が規定値とされている。また、実施例4〜実施例8の空気入りタイヤは、さらに凸部の突出高さおよび凹部の深さが規定値とされている。また、実施例6の空気入りタイヤは、凸部の断面形状が三角形(二等辺三角形)とされている。また、実施例7および実施例8の空気入りタイヤは、凸部の断面形状が三角形(二等辺三角形)の2辺が円弧の凹みで形成されている(図24参照)。また、実施例8の空気入りタイヤは、凹部のタイヤ径方向の容積変化が成され、開口形状が円の凹部が、開口半径0.3〜2[mm]の範囲で、かつ深さが3〜4[mm]の範囲で、タイヤ径方向外側が最も容積が小さく、タイヤ径方向内側に向けて漸次容積が大きく変化している(図25参照)。
そして、図26の試験結果に示すように、実施例1〜実施例8の空気入りタイヤは、燃費、耐ピンチカット性、および荷重耐久性が向上されていることが分かる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
9 凸部
10 凹部
S タイヤサイド部
T 接地端
L リムチェックライン
F 凸部を有する領域
FH 凸部を有する範囲
D 凹部を有する領域
DH 凹部を有する範囲

Claims (8)

  1. 少なくとも一方のタイヤサイド部に、多数の凸部および多数の凹部を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記凸部が所定方向に長手状の突条として形成されており、当該凸部を有する領域がタイヤ径方向最外側に設けられ、前記凹部を有する領域が前記凸部を有する領域のタイヤ径方向内側に設けられており、
    正規リムに組み込んで正規内圧の5[%]を内圧充填した状態で、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向外側であって前記接地端からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10[%]以上70[%]以下の範囲が前記凸部を有する領域とされ、かつリムチェックラインからタイヤ径方向外側にタイヤ断面高さの10[%]以上70[%]以下の範囲が前記凹部を有する領域とされ、前記凸部を有する領域と、前記凹部を有する領域とが、タイヤ周方向で互いに重なり合うことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記凸部の長手方向寸法が5[mm]以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凸部の突出高さが0.5[mm]以上10.0[mm]以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記凸部が長手方向をタイヤ径方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凸部の断面形状が、頂点を有して底面側に漸次広がることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記凸部の断面形状が、少なくとも1つの円弧を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記凹部の深さが0.5[mm]以上5.0[mm]以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記凹部は、タイヤ径方向内側に向かって容積が漸次大きく変化して配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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