JP5478659B2 - 誘導灯点灯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、商用電源またはバッテリ電源を用いて避難通路等の案内表示を行う誘導灯点灯装置に関し、特に光源にLEDを用いた点灯装置に関するものである。
従来、冷陰極ランプを使用した誘導灯装置がある(例えば、特許文献1参照)。誘導灯装置は、近年、冷陰極ランプを用いたものが一般的となっている。
また、複数のLEDを点灯させるようにした照明装置がある(例えば、特許文献2参照)。この照明装置は、バッテリ等の変動範囲の大きな電源を用いて複数のLEDを点灯させるようにしたものである。すなわち、バッテリ等の直流電源にスイッチング素子とLEDユニットとを直列に接続するような簡単な回路構成で、LEDユニットに流れる電流の積分値が一定となるようにスイッチング素子をオン・オフ制御するようにしている。
特開2001−14909号公報(第7頁、第1図) 特開2004−39289号公報(第4頁、第1図)
上記の誘導灯装置は、高電圧・高周波で冷陰極ランプを点灯させているため、装置と冷陰極ランプとの配線を極力短くしなければ、浮遊容量の影響で光の出力が低下してしまうという問題があった。また、高電圧であるために冷陰極ランプに異常が発生すると、回路全体を遮断して感電等の事故を防ぐ必要があり、停電等の災害時に点灯することができないという問題もあった。さらに、回路の点検をリモコン(遠隔制御装置)等で操作する場合には、冷陰極ランプや高電圧のノイズを考慮しないとリモコン等が誤動作することがあった。
ところで、商用電源からの電源供給中において自己点検や自動点検を行う誘導灯装置がある。しかしながら、この誘導灯装置は、自己点検や自動点検中であることを表示する手段を有していないために、誘導灯装置が自己点検や自動点検によって点灯しているのか、停電や接続不備等によって非常点灯しているのかがわからないという問題があった。すなわち、誘導灯装置が自己点検や自動点検で点灯しているにもかかわらず、非常点灯しているとの誤解や混乱を招くことがあった。
一方、誘導灯装置は、避難口の場所や避難通路を認知させるために、非常時に点灯することが要求されている。したがって、光源(冷陰極ランプやLED)に異常が発生したとしても、回路が破壊されない程度の異常であれば点灯させることが望ましい。しかしながら、上記の照明装置は、冷陰極ランプを点灯させるものである場合、光源に異常が発生したときには回路を保護するために冷陰極ランプを消灯するようになっていた。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、第一の目的は、誘導灯点灯装置の光源が自己点検や自動点検で点灯しているのか、停電や接続不備等によって非常点灯しているのかが判別できる誘導灯点灯装置を提供することである。
第二の目的は、停電や災害等の非常時において、光源に異常が発生したときでも、異常の発生していない光源を点灯させて誘導灯としての役目を最優先する誘導灯点灯装置を提供することを目的とする。
本発明に係る誘導灯点灯装置は、商用電源を直流電源に変換する常用時電源回路と、補助電源を有し、商用電源からの電源供給がないときに補助電源から光源に電源を供給する非常時電源回路と、補助電源から供給される電源によって光源を点灯させて、補助電源が寿命であるかを点検する制御回路と、制御回路が補助電源を点検し、補助電源が寿命であると判断したとき、異常であることを表示する充電モニタと、制御回路が補助電源を点検しているとき、点検中であることを表示する点検モニタと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、誘導灯点灯装置の光源が自己点検や自動点検で点灯しているのか、停電や接続不備等によって非常点灯しているのかが判別できるので、光源が自己点検や自動点検で点灯しているにもかかわらず、非常点灯しているとの誤解や混乱の発生を防止することができる。
実施の形態1に係る誘導灯点灯装置の一例を示す正面図である。 誘導灯点灯装置の設置状態の一例を示す設置状態図である。 誘導灯点灯装置の回路構成を示す回路図である。 定電流回路の構成例を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、誘導灯点灯装置50の一例を示す正面図である。誘導灯点灯装置50は、ランプ6を内蔵した表示板ASSY12と、ランプ6からの光を受ける導光性を有する表示パネル11と、後述する表示手段(表示モニタ)8と、後述する各種回路及びバッテリ3等が内蔵されている本体13とで構成されている。ここでは、表示手段8が表示板ASSY12の上側に設けられている場合を例に示すが、これに限定するものではなく、横側や下側に設けられていてもよい。
図2は、誘導灯点灯装置50の設置状態の一例を示す設置状態図である。誘導灯点灯装置50は、停電や災害等が発生した場合の非常時に、非常口や避難通路等の存在を認識させるためのものであるので、非常時に避難者が容易に認識できる場所に設置するよう法律で定められている。ここでは、誘導灯点灯装置50を天井に設置した場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、壁や床に設置してもよい。
図3は、本発明の実施の形態に係る誘導灯点灯装置50の回路構成を示す回路図である。誘導灯点灯装置50は、常用時電源回路1と、充電回路2と、バッテリ3と、非常時電源回路4と、ランプ状態検出回路5と、ランプ6と、制御回路7と、表示手段8と、定電流回路9とで構成されている。本発明に係る誘導灯点灯装置50には、光源となるランプ6にLEDを用いたので、高電圧・高周波で点灯する必要がなくなり、安全性・信頼性の向上、コンパクト化を実現することが可能になる。なお、停電や災害等で商用電源から電源供給することができないときを非常時と称し、それ以外のときを常用時と称することとする。
(常用時電源回路1)
常用時電源回路1は、降圧回路であり、平滑用コンデンサC2にFET等のスイッチング素子SWを介して1次巻線N1が並列に接続されるトランスT1と、トランスT1の2次巻線N2にダイオードD1を介して接続される2次側平滑用コンデンサC1とから成り、2次側で発生した交流をダイオードD1で整流、コンデンサC1で平滑し、直流電圧を得るものである。ここでは、フライバック式の回路を例に示しているが、これに限定するものではなく、フォワード式の回路でもよく、商用電源をそのままトランスで降圧するレギュレータ電源方式でもよい。
(常用時電源遮断回路10)
誘導灯では、法律により、定格電源電圧の85〜40%の間で、非常点灯に切り替えるように定められている。常用時電源遮断回路10は、常用電源の電圧を監視し、電源が停電等で低下してきたときに常用時電源回路1を強制的に遮断し常用時電源回路1の2次側に出力がでないようして、非常時動作に円滑に移行するようするものである。
(充電回路2)
常用時電源回路1で整流平滑された直流電圧でバッテリ3を充電するものである。
(バッテリ3)
バッテリ3は、充電回路2と直列に接続されており、商用電源Eからの電源供給がなくなった場合に商用電源Eを代替する非常時電源回路4に直流電源を供給するものである。このバッテリ3は、直流電源を蓄電できるものであればよく、とくに種類を限定するものではない。なお、バッテリ3が充電されているかどうかや、外れているかどうか等の充電状態は、後述する充電モニタで常に表示することになっている。
(非常時電源回路4)
非常時電源回路4は、非常時にバッテリ3からの直流電源をランプ6に供給するものである。すなわち、常用時電源回路1からの電源供給中に充電されたバッテリ3の直流電源を利用してランプ6を点灯させるのに適切な電圧を供給するようになっている。
(ランプ6)
ランプ6は、光源となるものであり、ここではLEDを使用している。また、ランプ6は、LEDを直列にn個(nは2以上の整数)、並列にm列(mは1以上の整数)接続したLEDモジュールとして構成されている。そうすれば、光源を細かく設定できるので、表示パネル11の明るさ調整が容易に可能になる。
一般に、表示パネル11の明るさを確保するためには、所定個数(たとえば、2個)以上のLEDが要求されるために、LEDモジュールとして構成すれば、直列・並列の選択が容易になる。すなわち、出力電圧を低減するのであれば直列数を調整し、出力電流を低減するのであれば並列数を調整し、回路損失の軽減が容易に実現可能になる。なお、ランプ6は、各列毎に定電流回路9と接続している。
このように、ランプ6はLEDモジュールとして構成されているために、LEDが1個でもオープン状態で破壊すると、そのLEDが接続されている列の他のLEDも消えてしまうことになる。したがって、このような場合には電力削減のためにその列への電力供給を停止するようになっている。また、LEDに異常が発生していることを表示手段8に表示するランプモニタを有している。
また、ランプ6は、LEDを直流電源で点灯するために浮遊容量の影響が少なく電流が外部に漏洩することがないので、ランプ6とそのほかの回路との距離を遠くすることが可能になる。さらに、ランプ6はLEDを直列にn個接続するようになっているために、必要な電圧が特定低電圧以下で済むように設定している。したがって、基板上に部品を配置する際に、各部品の絶縁距離を最低限にすることが可能になり、基板のコンパクト化が実現できる。
(定電流回路9)
電流制限回路として機能する定電流回路9は、ランプ6の各列毎に接続されており、ランプ6に流れる直流電源の電流値を分流して後述の制御回路7に検出させるものである。すなわち、ランプ6の各列毎の定電流回路9に流れる電流は、制御回路7で検出されてランプ6の異常の有無が判断されるようになっている。なお、ランプ6の各列毎に接続されている定電流回路9は、各列毎に同一の回路構成としてもよく、また異なる回路構成としてもよい。また、定電流回路9の詳細については後述する(図4参照)。
(ランプ状態検出回路5)
光源状態検出回路として機能するランプ状態検出回路5は、ランプ6の各列毎に接続されている定電流回路9全体の総称である。ランプ6は、LEDモジュールとして構成されており、短絡破壊した素子の個数に応じて出力電圧が段階的に変化する。したがって、その出力電圧の変化を制御回路7が検出して、それらの変化に基づいてランプ6の状態を判断するようになっている。なお、構成部品の発熱を制御回路7が検出してランプ6の状態を判断するようにしてもよい。
(制御回路7)
制御回路7は、マイクロコンピュータ等の制御装置を備え、ランプ状態検出回路5から検出した電圧値に応じて各定電流回路9に流す電流を制御するものである。常用時に、ランプ状態検出回路5からの情報に基づいてランプ6に異常が発生していると判断したときは、常用時電源回路1からのランプ6への電源供給を停止させる。また、非常時に、ランプ状態検出回路5からの情報に基づいてランプ6に異常が発生していると判断したときは、その異常が発生しているLED以外のLEDを点灯させるように非常時電源回路4からの電源供給を継続させる。
ランプ6に短絡異常が発生すると、そのランプ6と接続している定電流回路9の構成部品(たとえば、各種抵抗、スイッチング素子)が故障することがある。それは、ランプ6の短絡破壊したLED個数に応じて出力電圧が段階的に変化するために、定電流回路9の構成部品に通常よりも大きな損失が発生するからである。そして、構成部品の損失が大きくなると、構成部品の温度が上昇(発熱)し、それが原因となって故障することがある。
したがって、制御回路7は、常用時にランプ6の短絡異常が発生したときは、その異常が発生したランプ6と接続している定電流回路9の構成部品が故障しないように、定電流回路9に電流を流さないようになっている。つまり、異常が発生したランプ6の列に接続している定電流回路9への電源供給を停止するのである。このように、常用時であれば、定電流回路9の保護を優先するようになっている。また、異常の発生を表示手段8に表示する。
また、非常時にランプ6の短絡異常が発生したときは、定電流回路9の保護よりも、誘導灯としての役目を優先するために、異常が発生しているLED以外のLEDを点灯させるように定電流回路9への電源供給を継続させるようになっている。つまり、定電流回路9が完全に破壊されるに至るまでは、異常の発生していないLEDを点灯させるのである。
一方、ランプ6を構成するLEDの1個にでもオープン状態の異常が発生すると、そのLEDと直列に接続している他のLEDにも電流が流れないことになる。したがって、このような場合に制御回路7は、常用時であろうと非常時であろうと、そのLEDが接続している定電流回路9への電源供給を停止させるようになっている。すなわち、短絡異常の場合とは異なり、電源供給しても無駄に消費するだけであるために、その無駄を軽減するために電源供給を停止するのである。
さらに、制御回路7は、常用時でもランプ6やバッテリ3の状態を検出する点検を行うようにする。この点検は、ランプ6やバッテリ3の状態を検出できればよく、とくに限定するものではない。たとえば、制御回路7にあらかじめ設定してある時間間隔で自動的に行う自己点検や作業員等から直接操作されて行う手動点検、遠隔制御装置から間接的に操作されて行う点検等であればよい。こうすれば、いつ発生するかわからない非常時に備えておけるからである。
ところで、ランプ6は、直流電源で点灯するようになっているためにランプからノイズが放射されることがなく、遠隔制御装置を設けたとしても、その遠隔制御装置から発信される赤外線信号等と干渉することがない。また、遠隔制御装置を設ければ、天井等の高所に誘導灯点灯装置50が設置されていても、容易にバッテリ3の点検を実行することが可能になる。したがって、信頼性を向上することが可能になるとともに遠隔制御装置を使用した機種開発が容易になる。
(表示手段8)
表示手段8は、制御回路7が検出したランプ6やバッテリ3の状態を表示するものである。また、ランプ6やバッテリ3の点検中であることを表示するものである。ここでは、充電モニタaと、ランプモニタbと、点検モニタcとが備えられている場合を例に示している。充電モニタaは、充電回路2がバッテリ3を充電しているときに点灯するものである。ランプモニタbは、ランプ6が異常若しくは寿命であるときに点灯するものである。点検モニタcは、バッテリ3の点検やランプ6状態を点検しているときに点灯するものである。
このようにすれば、点検モニタcはランプ6が非常時であるための点灯しているのか、点検を行っているために点灯しているのか容易に判断できるので、誤解や混乱を招くことがない。なお、このモニタの色彩は、何色であってもよく、特に限定するものではない。また、点滅させたり、文字で表したりしてもよい。さらに、異常を報知するときは、すべてのモニタを点滅させたり、ブザー等の音声で警報したりしてもよい。
図4は、定電流回路9の構成例を示す回路図である。
図4(a)に示す定電流回路9aでは、ランプ6を構成する直列に接続されたLEDは、スイッチング素子Q1のコレクタに直列に接続している。この点をVR とする。また、抵抗R7は、LEDとスイッチング素子Q1と並列に接続し、抵抗R6と直列に接続している。制御回路7は、抵抗R7と抵抗R6との接続点(A点)に接続している。すなわち、制御回路7は、このA点の電圧を検出することでランプ6の異常の有無を判断する。なお、ランプ6には常用時電源回路1、または、非常時電源回路4からの直流電源Vinが供給されている。
スイッチング素子Q1のエミッタは、スイッチング素子Q2のコレクタに接続されている。このスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2のベースは、それぞれ制御回路7に接続されている。すなわち、制御回路7は、A点の電圧に基づいて電流制御する。スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間には、抵抗R2が直列に接続されている。抵抗R3は、抵抗R2と並列に接続されている。また、スイッチング素子Q2のエミッタと抵抗R3と抵抗R6とは、ツェナーダイオードDZ1に接続するようになっている。このツェナーダイオードDZ1には、抵抗R1が直列に接続されている。
このように構成すれば、制御回路7は、A点の電圧を検出するだけでランプ6での異常の有無を判断することができる。そして、非常時においてランプ6で異常が発生したときは、制御回路7は、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2の電流を制御して、定電流回路9aが破壊しない程度の電流でランプ6を点灯させることが可能になっている。なお、定電流回路9aをランプ6を構成するすべての列に用いてもよく、また各列を別構成にしてもよい。
図4(b)に示す定電流回路9bでは、ランプ6を構成する直列に接続されたLEDは、スイッチング素子Q4のコレクタに接続している。この点を図4(a)と同じくVR とする。また、抵抗R12は、LEDとスイッチング素子Q4との間に接続し、抵抗R13と直列に接続している。制御回路7は、抵抗R12と抵抗R13との接続点(B点)に接続している。すなわち、制御回路7は、このB点の電圧を検出することでランプ6の異常の有無を判断する。
スイッチング素子Q4のエミッタは、抵抗R11に接続されている。そして、スイッチング素子Q4のベースは、オペアンプICの出力端子と接続されている。また、スイッチング素子Q4と抵抗R11との間は、オペアンプICの反転入力端子に接続している。制御回路7は、スイッチング素子Q5のベースと接続して、電流制御する。このスイッチング素子Q5のコレクタは、抵抗R9に接続されている。抵抗R9は、抵抗R8と直列に接続している。
オペアンプICの非反転入力端子は、抵抗8と抵抗9との間に接続している。また、非反転入力端子は、抵抗R9と並列になるように抵抗R10と接続している。なお、スイッチング素子Q5のエミッタと抵抗R10と抵抗R11と抵抗R13とは、ツェナーダイオードDZ2に接続するようになっている。
このように構成すれば、制御回路7は、B点の電圧を検出するだけでランプ6での異常の有無を判断することができる。そして、非常時においてランプ6で異常が発生したときは、制御回路7は、スイッチング素子Q5の電流のみを制御して、定電流回路9bが破壊しない程度の電流でランプ6を点灯させることが可能になっている。なお、定電流回路9bをランプ6を構成するすべての列に用いてもよく、また各列を別構成にしてもよい。
図4(c)に示す定電流回路9cでは、ランプ6を構成する直列に接続されたLEDは、スイッチング素子Q6のコレクタに接続している。スイッチング素子Q6のエミッタは、抵抗R15に接続し、ベースは制御回路7に接続している。抵抗R15は、ツェナーダイオードDZ3に接続するようになっている。このツェナーダイオードDZ3には、抵抗R14が直列に接続されている。ここでは、スイッチング素子Q6の近傍に温度検出手段SR1が設けられており、温度検出手段SR1の情報が制御回路7で検出されるようになっている。
すなわち、制御回路7は、温度検出手段SR1の温度情報を検出することでランプ6の異常の有無を判断する。この温度検出手段SR1は、定電流回路9cの構成部品の温度を検出できるものであればよく、特に限定するものではない。たとえば、サーミスタ等で構成するとよい。また、スイッチング素子Q6の近傍に1つ設けた場合を例に示すが、これに限定するものではなく、複数設けても構わない。
このように構成すれば、制御回路7は、温度検出手段SR1の温度を検出するだけでランプ6での異常の有無を判断することができる。そして、非常時においてランプ6で異常が発生したときは、制御回路7は、スイッチング素子Q6の電流のみを制御して、定電流回路9cが破壊しない程度の電流でランプ6を点灯させることが可能になっている。なお、定電流回路9cをランプ6を構成するすべての列に用いてもよく、また各列を別構成にしてもよい。
定電流回路9に設けられているスイッチング素子Q1〜スイッチング素子Q6がトランジスタである場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、MOSFET等のスイッチング素子で構成してもよい。また、定電流回路9の構成例をそれぞれ独立に設けた場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、それぞれを組み合わせて1つの定電流回路9としてもよく、他の構成部品を追加して構成してもよい。
次に、誘導灯点灯装置50の動作について説明する。
常用時において、商用電源Eは、常用時電源回路1で降圧、整流、平滑されて直流電源となってランプ6に供給される。同時に、充電回路2に供給されてバッテリ3を充電する。この直流電源の制御は、制御回路7が行っている。このとき、制御回路7は、表示手段8の充電モニタ(a)とランプモニタ(b)を点灯・消灯・点滅させる。したがって、誘導灯点灯装置50の現状を一見して把握することが可能になっている。
ランプ6が正常に点灯されている場合は、定電流回路9には所定の電圧で電流が流れるので、制御回路7は、ランプ6に異常が発生していないと判断する。また、ランプ6を構成するLEDの1個にでも短絡異常が発生した場合は、定電流回路9では出力電圧が変化するので、制御回路7は、ランプ6に異常が発生していると判断できる。この出力電圧に、あらかじめ段階的な閾値を設けておけば、異常ランプ6の特定や、減光・消灯の制御が容易に行い得る。
また、ランプ6を構成するLEDの1個にでもオープン状態の異常が発生した場合は、LEDはn個直列で接続されているために他のLEDにも電流が流れないことになり、その列への電源供給は無駄になる。したがって、制御回路7は、オープン状態の異常が発生した列に接続されている定電流回路9への電源供給を停止させる。このように、LEDに発生する異常の種類に応じた制御が可能になっており、効率の良い電力消費を実現できる。
非常時においては、常用時電源回路1からの電源供給がないので、制御回路7は、非常時電源回路4に切り替えてバッテリ3からの電源供給でランプ6の点灯を行う。このとき、制御回路7は、表示手段8の充電モニタ(a)を消灯させて、ランプ6を継続して点灯させるようになっている。このとき、ランプ6に異常が発生すると、制御回路7は、定電流回路9の保護よりも誘導灯としての役目を優先させるようになっている。
すなわち、ランプ6に発生した異常が定電流回路9を破壊しない程度であれば、非常時電源回路4からの電源供給を停止せずに継続して供給し、ランプ6の点灯を維持するのである。ランプ6のうち数個のLEDに異常が発生し、それらが点灯しなくなったとしても、異常が発生していないLEDを継続点灯させれば、LED全部を消灯させた場合に比較して、誘導灯として役目を果たすことが可能になるからである。
たとえば、ランプ6に異常が発生していない状態の定電流回路9のVR の電圧を5Vとし、LED1個点灯分の電圧を仮に3Vとすれば、LEDが全て無しの場合は0Vであり、1個が短絡した場合はその分の電圧が重畳して約8Vとなる。すなわち、LEDの短絡個数に応じて電圧が変化するので、電圧値に閾値を設定しておき、定電流回路9の構成部品を破壊しない程度に電流制御することが可能である。したがって、制御回路7に設けてある図示省略の制御装置等にあらかじめ閾値を設定しておき、その閾値に応じた電流制御を迅速に行うことができる。
点検中においては、制御回路7は、所定時間ランプ6にバッテリ3と非常時電源回路4とから電源を供給し、定電流回路9に流れる電流の電圧を検出し、ランプ6の異常の有無を判断するとともに、バッテリ3の異常や寿命を判断する。このとき(ランプ6の異常及び/又はバッテリ3の異常や寿命と判断したとき)、制御回路7は、表示手段8のランプモニタ(b)及び/又は充電モニタ(a)を点灯または点滅させる。また、この点検は、制御回路7に設定されている所定間隔で行ってもよく、遠隔制御装置からの指示や作業員等からの直接指示に基づいて行うようにしてもよい。
1 常用時電源回路、2 充電回路、3 バッテリ、4 非常時電源回路、5 ランプ状態検出回路、6 ランプ、7 制御回路、8 表示手段、9 定電流回路、9a 定電流回路、9b 定電流回路、9c 定電流回路、10 常用時電源遮断回路、11 表示パネル、12 表示板ASSY、13 本体、E 商用電源、T1 降圧トランス、D1 ダイオード、C1 コンデンサ、Vin 直流電源、Q1〜Q6 スイッチング素子、R1〜R16 抵抗、DZ1〜DZ3 ツェナーダイオード、SR1 温度検出手段、50 誘導灯点灯装置。

Claims (4)

  1. 商用電源を直流電源に変換する常用時電源回路と、
    補助電源を有し、前記商用電源からの電源供給がないときに前記補助電源から光源に電源を供給する非常時電源回路と、
    前記補助電源から供給される電源によって前記光源を点灯させて、前記補助電源が寿命であるかを点検する制御回路と、
    該制御回路が前記補助電源を点検し、前記補助電源が寿命であると判断したとき、異常であることを表示する充電モニタと、
    該制御回路が前記補助電源を点検しているとき、点検中であることを表示する点検モニタと、
    を備えた
    ことを特徴とする誘導灯点灯装置。
  2. 前記充電モニタは、
    該制御回路が前記補助電源を点検し、前記補助電源が寿命であると判断したとき、点滅する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導灯点灯装置。
  3. 商用電源を直流電源に変換する常用時電源回路と、
    補助電源を有し、前記商用電源からの電源供給がないときに前記補助電源から光源に電源を供給する非常時電源回路と、
    前記補助電源から供給される電源によって前記光源を点灯させて、前記補助電源が寿命であるかを点検する制御回路と、
    該制御回路が前記補助電源を点検しているとき、点検中であることを表示する点検モニタと、
    を備え
    前記光源は2個以上のLEDを直列に接続し、該列が1列により、又は、2列以上並列に接続して構成され、
    前記直列に接続して構成された前記光源に流れる電流を設定されている電流値になるようにする電流制限回路と、
    前記光源の点灯状態を検出する光源状態検出回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記光源状態検出回路の検出出力が前記光源の一部のLEDが短絡異常であることを示すとき、前記商用電源からの電源供給であるときは短絡異常の前記LEDを含む前記直列回路に直列に接続された前記電流制限回路に流れる電流を遮断して、前記光源の一部のLEDの異常が発生していることを報知し、前記補助電源からの電源供給であるときは短絡異常の前記LEDを含む前記直列回路に直列に接続された前記電流制限回路に電流を流し、短絡異常の前記LEDを含む前記直列回路に直列接続された異常の発生していない前記LEDを点灯させ、
    前記商用電源から電源供給がされており、前記光源及び前記補助電源の点検を行なうとき、該商用電源からの供給を一時的に遮断して、前記補助電源からの電源供給に切り換えて前記光源を点灯させて前記光源及び前記補助電源の点検を行なう
    ことを特徴とする誘導灯点灯装置。
  4. 前記制御回路は、前記補助電源の点検中において、所定時間、前記補助電源から前記光源に電力を供給させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導灯点灯装置。
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