以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[液晶装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る液晶装置1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る液晶装置1の概略構成を示す斜視図である。なお、図1では、便宜上、視角制御線26を実線で示している。
この液晶装置1は、横電界方式の一例としてのFFS(Fringe−Field Switching)方式の液晶装置である。液晶装置1は、表示画素をスイッチング制御するTFT(Thin Film Transistor)素子を有する素子基板11と対向基板12とを枠状のシール材(図示略)を介して貼り合わせ、素子基板11と対向基板12との間のシール材で区画される領域内に、例えば正の誘電率異方性を有するネマチック型の液晶層13を狭持して構成される。液晶装置1におけるシール材の内側には、画像を表示するための画像表示領域(一点鎖線にて囲まれる領域)Vが形成されている。
素子基板11は、対向基板12の一端から外側に張り出す張り出し領域11hを有する。張り出し領域11hの対向基板12側の面上には、データ線駆動回路16、走査線駆動回路17、視角制御線駆動回路18、複数の外部接続用配線19、及びFPC(Flexible Printed Circuits)20が夫々形成又は実装されている。データ線駆動回路16、走査線駆動回路17及び視角制御線駆動回路18は、各外部接続用配線19を介してFPC20に電気的に接続されている。素子基板11の液晶層13側とは逆側には第1偏光板14が配置されていると共に、対向基板12の液晶層13側とは逆側には第2偏光板15が配置されている。第1偏光板14の素子基板11側とは逆側には、照明装置としてのバックライト(図示略)が配置される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る液晶装置1の電気的な構成について説明する。図2は、液晶装置1の電気的な構成を示す等価回路図である。
液晶装置1の画像表示領域Vには、複数の表示画素(表示画素領域)Pa及び視角制御画素(視角制御画素領域)Pbがマトリックス状に配置されていると共に、複数のデータ線24、複数の視角制御線26及び複数の走査線25が格子状に配置されている。
表示画素Paは、それぞれ異なる色、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の光を出力する3つのサブ表示画素(サブ表示画素領域)Pcを有している。表示画素Paを構成する3つのサブ表示画素Pc、即ちR、G、Bの各サブ表示画素Pcは、一方向(本例では走査線25の延在方向)に沿ってこの順に配置されている。但し、本発明では、R、G、Bの各色のサブ表示画素Pcの配列順序に限定はない。各サブ表示画素Pcは、画素電極21と、画素電極21をスイッチング制御するためのTFT素子23と、を備えて構成される。TFT素子23は、ソース電極23sと、ゲート電極23gと、ドレイン電極23dと、を備えている。ソース電極23sは、データ線24と電気的に接続されている。ゲート電極23gは、走査線25と電気的に接続されている。ドレイン電極23dは画素電極21と電気的に接続されている。
視角制御画素Pbは、複数の表示画素Paの各々に対応して配置されている。本例では、各視角制御画素Pbは、任意の1つの表示画素Paを構成するBのサブ表示画素と、当該任意の1つの表示画素Paに対し走査線25の延在方向に隣接する位置に設けられた他の1つの表示画素Paを構成するRのサブ表示画素Pcとの間に対応して配置されている。視角制御画素Pbは、画素電極22を備えるが、TFT素子23を備えていない。視角制御画素Pbは、後述する視角制御線駆動回路18及び視角制御線26を通じて、サブ表示画素Pcとは独立して駆動される。
各データ線24は、データ線駆動回路16より供給される画像信号S1〜Snをサブ表示画素Pcに供給する。走査線25は、走査線駆動回路17より供給される走査信号G1〜Gmをサブ表示画素Pcに供給する。
視角制御線26は、櫛歯状の形状を有し、複数の櫛歯部分26aを有する。各櫛歯部分26aは、データ線24の延在方向に列をなす各視角制御画素Pbに直接的且つ電気的に接続される。また、視角制御線26は、視角制御線駆動回路18に電気的に接続されている。
視角制御線駆動回路18は、データ線駆動回路16及び走査線駆動回路17とは独立して、狭視角表示モード時に視角制御線26に視角制御用信号Kを供給する一方、広視角表示モード時に視角制御線26に視角制御用信号(例えばOFF信号)Kを供給する、言い換えれば視角制御用信号Kの供給を停止する。好適な例では、視角制御線駆動回路18は、例えば、電気信号をスイッチング(ON/OFF)することが可能なトランジスタなどのスイッチング素子を含んで構成される。この場合、視角制御線駆動回路18は、スイッチング素子をON/OFFさせることにより、視角制御線26に対し視角制御用信号(ON/OFF信号)Kを供給することができる。なお、本実施形態では、画素電極22を駆動するための視角制御線駆動回路18を液晶装置1に設けているが、これに限らず、本発明では、視角制御線駆動回路18を、FPC20や後述する電子機器に設けることとしても構わない。
次に、図3及び図4を参照して、液晶装置1の詳細な構成について説明する。
図3は、3つのサブ表示画素Pcから構成される任意の1つの表示画素Pa及び当該1つの表示画素Paに対応して配置される1つの視角制御画素Pbを含む液晶装置1の構成を示す平面図である。図4は、図3の切断線A−A’に沿った液晶装置1の要部断面図を示す。
まず、素子基板11の構成は次の通りである。
素子基板11は、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料からなる基板本体31と、基板本体31の液晶層13側の面から液晶層13側に向けて順次積層されたゲート絶縁膜32、第1層間絶縁膜33、誘電体層としての第2層間絶縁膜34及び配向膜35と、を備えている。また、素子基板11は、基板本体31の液晶層13側の面上に形成された走査線25と、ゲート絶縁膜32の液晶層13側の面上に形成されたデータ線24、視角制御線26(図示略)、半導体層36、ソース電極37及びドレイン電極38と、第1層間絶縁膜33の液晶層13側の面上に形成された共通電極39と、第2層間絶縁膜34の液晶層13側の面上に形成された画素電極21及び画素電極22(図示略)と、を備えている。
ゲート絶縁膜32は、例えばSiO2(酸化シリコン)などの透光性材料により形成されており、基板本体31上に形成された走査線25を覆っている。第1層間絶縁膜33は、例えばSiN(窒化シリコン)などの透光性材料により形成されており、ゲート絶縁膜32と、ゲート絶縁膜32上に形成されたデータ線24、視角制御線26(図示略)、半導体層36、ソース電極37及びドレイン電極38とを覆っている。第2層間絶縁膜34は、例えば感光性を有するアクリル樹脂などの透光性材料により形成されており、第1層間絶縁膜33と、第1層間絶縁膜33上に形成された共通電極39とを覆っている。配向膜35は、例えばポイリミド樹脂などの透光性材料により形成されており、第2層間絶縁膜34と、第2層間絶縁膜34上に形成された画素電極21及び画素電極22(図示略)とを覆っている。配向膜35の液晶層13側の面には、液晶層13を構成する液晶分子13aの初期配向方向を所定の方向(本例ではデータ線24の延在方向)に規定する配向処理が施されている。
走査線25は、図3に示すように、平面視するとサブ表示画素Pc及び視角制御画素Pbの各短軸方向に沿って配置されている。そして、走査線25は、図3及び図4に示すように、ゲート絶縁膜32を介して半導体層36のチャンネル領域と重なっている。データ線24は、図3に示すように、平面視するとサブ表示画素Pcの長軸方向に沿って配置されている。視角制御線26は、図3に示すように、平面視すると視角制御画素Pbの長軸方向に沿って配置されている。
半導体層36は、図3及び図4に示すように、アモルファスシリコンなどの半導体により形成されており、不純物を注入しないことで形成されたチャンネル領域と不純物を注入することで形成されたソース領域及びドレイン領域とを有している。
ソース電極37は、データ線24から分岐して形成されており、半導体層36のソース領域に電気的に接続されている。ドレイン電極38は、半導体層36のドレイン領域に電気的に接続されており、第1層間絶縁膜33及び第2層間絶縁膜34を貫通するコンタクトホールH1を介して画素電極21に電気的に接続されている。
共通電極39は、例えばITO(酸化インジウムスズ)などの透光性導電材料により形成されており、第1層間絶縁膜33を覆っている。そして、共通電極39は、コンタクトホールH1に対応する位置に設けられ、当該共通電極39と画素電極21、22及びドレイン電極38との絶縁を図るための開口39aを備える。また、共通電極39には、例えば液晶層13の駆動に用いられる所定の基準電圧(例えば、所定の一定の電圧或いは0V、または所定の一定の電位とこれと異なる他の所定の一定の電位とが周期的(フレーム期間毎又はフィールド期間毎)に切り替わる信号)が印加される。
画素電極21は、共通電極39と同様に、例えばITOなどの透光性導電材料により形成されている。画素電極21は、図3及び図4に示すように、サブ表示画素Pcにおける第2層間絶縁膜34上に形成されており、略梯子状の平面形状を有する。画素電極21は、図3及び図4に示すように、一対の本線部21aと、複数の帯状部21bと、を備えている。一対の本線部21aの各々は、サブ表示画素Pcの長軸方向の端部に配置されていると共に、走査線25の延在方向と略平行な方向に延在している。また、一対の本線部21aのうち走査線25に近接して配置された一方の本線部21aは、コンタクトホールH1を介してTFT素子23のドレイン電極38に電気的に接続されている。
各帯状部21bは、帯状の平面形状を有し、サブ表示画素Pcの長軸方向(又はデータ線24の延在方向)に対し所定の傾斜角度を以って延在している。また、各帯状部21bは、サブ表示画素Pcの短軸方向(言い換えれば、走査線25の延在方向)に一定の間隔をおいて並列に配置されていると共に、相互に略平行をなすように配置されている。このため、各サブ表示画素Pcの短軸方向に隣り合う帯状部21bの間にはスリット(開口)21sが形成されている。各帯状部21bの両端は、一対の本線部21aの各々に電気的に接続されている。なお、複数の帯状部21bのうち、サブ表示画素Pcの短軸方向の端部に配置されている一部の帯状部21bは、一対の本線部21aのうち何れか一方の本線部21aにのみ電気的に接続されている。
画素電極22は、共通電極39と同様に、例えばITOなどの透光性導電材料により形成されている。画素電極22は、図3及び図4に示すように、視角制御画素Pbにおける第2層間絶縁膜34上に形成されており、略梯子状の平面形状を有する。画素電極22は、略矩形枠状の平面形状を有する枠状部22aと、枠状部22aの内側に配置された複数の帯状部22bとを有する。枠状部22aは、第1層間絶縁膜33及び第2層間絶縁膜34を貫通するコンタクトホールH1を介して視角制御線26の櫛歯部分26aから分岐する分岐部26abに電気的に接続されている。各帯状部22bは、帯状の平面形状を有し、視角制御画素Pbの短軸方向に沿って相互に略平行となるように延在している。また、各帯状部22bは、視角制御画素Pbの長軸方向(言い換えれば、データ線24又は視角制御線26の櫛歯部分26aの延在方向)に一定の間隔をおいて並列に配置されている。このため、各視角制御画素Pbの長軸方向に隣り合う帯状部22bの間にはスリット(開口)22sが形成されている。各帯状部22bの両端は、視角制御画素Pbの長軸方向に沿って延在する枠状部22aの部分に電気的に接続されている。
以上より、この液晶装置1では、帯状部21b、22bと共通電極39との間に電圧を印加することにより、画素電極21、22と共通電極39との間に電界(横電界)が生じ、これにより液晶分子13aを駆動する。このように、この液晶装置1では、画素電極21と共通電極39と、及び画素電極22と共通電極39とは、それぞれFFS方式の電極構造を構成している。
次に、対向基板12の構成は次の通りである。
対向基板12は、図4に示すように、基板本体31と同様の素材よりなる基板本体41と、基板本体41の液晶層13側の面から液晶層13側に順次積層された遮光膜42、カラーフィルタ層43及び配向膜44と、を備えている。
遮光膜42は、遮光性を有する素材にて形成され、基板本体41の液晶層13側の面上において、各サブ表示画素Pcを区画する位置及び各視角制御画素Pbを区画する位置にそれぞれ配置されている。カラーフィルタ層43は、R、G、Bの各色のカラーフィルタ層を含み、各サブ表示画素Pcに対応して配置されている。但し、カラーフィルタ層43は、各視角制御画素Pbに対応する領域には設けられていない。配向膜44は、図4に示すように、配向膜35と同様に、例えばポイリミド樹脂などの透光性材料により形成されている。配向膜44の液晶層13側の面には、液晶分子13aの初期配向方向を所定の方向(本例ではデータ線24の延在方向)であって配向膜35と反平行な方向とする配向処理が施されている。
[液晶装置の動作]
次に、図5(a)及び(b)を参照して、液晶装置1の動作について説明する。
図5(a)は、サブ表示画素Pc及び視角制御画素Pbに一定の電圧を印加した時の、サブ表示画素Pc及び視角制御画素Pbの透過率(又は輝度)の視角特性の一例を示すグラフである。図5(a)において、縦軸は透過率を示し、横軸は液晶装置1の表示面の法線方向(正面方向)の方位を0[°]としたときに、その法線方向からデータ線24の延在方向と略直交する方向又は第2偏光板15の吸収軸方向に±θずらした極角度[°]を示す。なお、図5(a)において、縦軸に示す透過率は図中の上側に向かうに連れて高くなる。図5(b)は、視角制御画素Pbの駆動時及び非駆動時におけるコントラストの視角特性の一例を示すグラフである。図5(b)において、縦軸はコントラストを示し、横軸は図5(a)と同様の極角度[°]を示す。
バックライトから照射された光は、第1偏光板14により直線偏光に変換されて液晶層13に入射する。ここで、サブ表示画素Pcにおいて画素電極21と共通電極39との間に電圧を印加しない非駆動時の場合、液晶層13に入射した直線偏光は、液晶層13により入射時と同一の偏向状態で液晶層13から出射する。この直線偏光は、その偏向方向が第2偏光板15の吸収軸と平行であるため第2偏光板15で遮断される。したがって、サブ表示画素Pcでは、非駆動時において暗表示が行われる。なお、サブ表示画素Pcは、正面から見たときも斜め方向から見たときも暗表示となる。
また、サブ表示画素Pcにおいて画素電極21と共通電極39との間に電圧を印加する駆動時の場合、画素電極21の長軸方向と略平行な方向に沿って初期配向状態にある液晶分子13aは、図3に示す矢印A1のように、素子基板11及び対向基板12の各基板面上で回転して画素電極21の長軸方向と交差(本例では略直交)する方向に再配向する。これにより、液晶層13に入射した直線偏光は、液晶層13により所定の位相差が付与され、入射時の偏向方向と直交する直線偏光に変換されて液晶層13より出射し、さらに第2偏光板15を透過する。したがって、サブ表示画素Pcでは、駆動時において表示光として視認される明表示が行われる。ここで、サブ表示画素Pcでは、図5(a)に示すように、正面から見たときに最も透過率(又は輝度)が高くなり、斜め方向から見たときにその極角度が大きくなるに従って透過率(又は輝度)が低くなる。
一方、視角制御画素Pbにおいて画素電極22と共通電極39との間に電圧を印加しない非駆動時の場合、上述と同様に、視角制御画素Pbでは暗表示が行われる。なお、視角制御画素Pbは、正面から見たときも斜め方向(液晶装置1の表示面の法線方向に対する斜め方向)から見たときも暗表示となる。
また、視角制御画素Pbにおいて画素電極22と共通電極39との間に電圧を印加する駆動時の場合、帯状部22bの延在方向と交差(本例では略直交)する方向に沿って初期配向状態にある液晶分子13aは、図3に示す矢印A2のように、素子基板11及び対向基板12の各基板面に対して垂直方向(法線方向)に再配向する。ここで、視角制御画素Pbは、図5(a)に示すように、液晶層13における位相差変化がないため、正面から見たときに暗表示となる。また、視角制御画素Pbは、第2偏光板15の吸収軸方向における斜め方向(液晶装置1の表示面の法線方向に対する斜め方向)から見たときに、液晶層13における位相差変化に応じてその極角度に応じ輝度(又は透過率)が変化、即ち、その極角度が大きくなるに従って輝度が高くなる(明表示となる)と共にさらに極角度が大きくなるに従って輝度が低くなる(暗表示となる)。本例における視角制御画素Pbでは、透過率のピークが極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内に存在している。
以上のように、本実施形態では、視角制御画素Pbの駆動及び非駆動によって視角特性を変えることができる。即ち、視角制御画素Pbが非駆動時の場合、各サブ表示画素Pcを適宜、駆動又は非駆動させることにより画像表示領域Vに形成された画像は、正面から見たときも斜め方向から見たときも視認される。なお、視角制御画素Pbを非駆動としたときのコントラストは、図5(b)に示すように、正面から見たときに最も高くなり、斜め方向から見たときにその極角度が大きくなるに従って低くなる。本例では、視角制御画素Pbを非駆動とした場合には、極角度−80[°]〜+80[°]の範囲内でコントラストが約20を上回る広視角表示モードとすることができる。
一方、視角制御画素Pbが駆動時の場合、各サブ表示画素Pcを適宜、駆動又は非駆動させることにより画像表示領域Vに形成された画像は、正面から見たときに視認され、斜め方向から見たときにコントラストが低下して視認できなくなる。なお、視角制御画素Pbを駆動としたときのコントラストは、図5(b)に示すように、正面から見たときに最も高くなり、斜め方向から見たときにその極角度が大きくなるに従って急激に低くなる。本例では、視角制御画素Pbを駆動した場合には、極角度が−40[°]より小さく、或いは+40[°]より大きいときにコントラストが約2を下回る、非常に見え難い狭視角表示モードとすることができる。
[視角制御画素の電極ピッチの最適化]
上述した通り、視角制御画素Pbでは、極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内に画像を非常に見え難くする透過率のピークが存在する。そこで、本実施形態では、極角度+40[°]〜+60[°]又は極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内において、視角制御画素Pbの透過率(又は輝度)を最も大きくする帯状部22bの電極ピッチを検討してみた。ここで、帯状部22bの電極ピッチは、帯状部22bの周期的な間隔であり、図3において、視角制御画素Pbの長軸方向における帯状部22bの幅d1と、視角制御画素Pbの長軸方向に隣り合う帯状部22b同士の間隔(=スリット22sの幅)d2との総和d3に等しい。
図6(a)は、視角制御画素Pbの帯状部22bの電極ピッチd3と、極角度+40[°]〜+60[°]又は極角度−40[°]〜−60[°]における視角制御画素Pbの透過率との関係の一例を示すグラフである。図6(a)において、縦軸は透過率を示し、横軸は視角制御画素Pbにおける帯状部22bの電極ピッチd3[μm]を示す。なお、図6(a)において、縦軸に示す透過率は図中の上側に向かうに連れて高くなる。また、図6(a)は、帯状部22bの幅d1を、隣り合う帯状部22b同士の間隔d2と略等しく又は若干大きくした一例を示すグラフである。
図6(a)より、帯状部22bの電極ピッチd3が10〜30[μm]の範囲内である場合に、視角制御画素Pbの透過率が高くなって、表示画面を極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の方向から見たときの画像のコントラストをより低くすることができる。また、その範囲内の中でも、特に、視角制御画素Pbの透過率のピークは、帯状部22bの電極ピッチd3が15〜25[μm]の間に存在している。この場合に、表示画面を極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の方向から見たときの画像のコントラストを最も低くすることができる。
続いて、図6(b)に、極角度−80[°]〜+80[°]の範囲内において、帯状部22bの電極ピッチd3[μm]を適宜変化させた場合の、視角制御画素Pbの透過率(又は輝度)の視角特性のグラフの一例を示す。図6(b)において、縦軸は透過率を示し、横軸は図5(a)に対応する液晶装置1の極角度[°]を示す。なお、図6(b)において、縦軸に示す透過率は図中の上側に向かうに連れて高くなる。
図6(b)に示すように、視角制御画素Pbの透過率のピークは、視角制御画素Pbにおける帯状部22bの電極ピッチd3の大小に拘わらず、極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内に存在していることが分かる。また、図6(b)に示すグラフの例では、極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内において、帯状部22bの電極ピッチd3が20[μm]、17[μm]、15[μm]、30[μm]、7[μm]の順に視角制御画素Pbの透過率のピークが大きくなり、しかも、極角度+40[°]〜+60[°]及び極角度−40[°]〜−60[°]の各範囲内においてそれらのグラフ間において視角制御画素Pbの透過率のピークの差が最も大きくなって表れている。
一方、サブ表示画素Pcの帯状部21bの電極ピッチは、帯状部21bの周期的な間隔であり、図3において、サブ表示画素Pcの略短軸方向における帯状部21bの幅d4と、サブ表示画素Pcの略短軸方向に隣り合う帯状部21b同士の間隔(=スリット21sの幅)d5との総和d6に等しい。また、サブ表示画素Pcの帯状部21bの電極ピッチd6は、高品位な表示を得る上で、通常2〜8[μm]が最適な値とされる。
以上のことから、サブ表示画素Pcと視角制御画素Pbとで最適な帯状部の電極ピッチが異なり、視角制御画素Pbの帯状部22bの電極ピッチd3を、サブ表示画素Pcの帯状部21bの電極ピッチd6より大きくすることが望ましい。これにより、狭視角表示モード時に、液晶装置1の表示画面を斜め方向から見たときの画像のコントラストをより低下させることができ、良好な狭視角表示効果を得ることができる。特に、サブ表示画素Pcの帯状部21bの電極ピッチd6を最適値である2〜8[μm]とした場合、帯状部22bの電極ピッチd3が10〜30[μm]の範囲内である場合にそのコントラストをより低くすることができ、帯状部22bの電極ピッチd3が15〜25[μm]である場合に、そのコントラストを最も低くすることができる。
続いて、本実施形態では、視角制御画素Pbにおいて、帯状部22bの幅d1と、隣り合う帯状部22b同士の間隔d2との最適な関係についても検討してみた。
図7は、視角制御画素Pbにおいて、帯状部22bの電極ピッチd3を例えば20[μm]とした場合に、帯状部22bの幅d1を適宜変化させた場合の、帯状部22bの幅d1と透過率との関係を示すグラフである。なお、ここで、帯状部22bの電極ピッチd3を例えば20[μm]としているのは、上記したように視角制御画素Pbの透過率が最も大きくなる範囲内にあるからである。図7において、縦軸は透過率を示し、横軸は帯状部22bの幅d1[μm]を示す。なお、図7において、縦軸に示す透過率は図中の上側に向かうに連れて高くなる。
図7より、帯状部22bの幅d1が9〜10[μm]の範囲内において視角制御画素Pbの透過率が大きくなり、帯状部22bの幅d1が約9.5[μm]のときに、視角制御画素Pbの透過率がピークとなることが分かる。ここで、帯状部22bの幅d1が9[μm]のときには、隣り合う帯状部22b同士の間隔d2は約11[μm]である。また、帯状部22bの幅d1が10[μm]のときには、隣り合う帯状部22b同士の間隔d2も約10[μm]である。また、帯状部22bの幅d1が約9.5[μm]のときには、隣り合う帯状部22b同士の間隔d2は約10.5[μm]である。
以上のことから、良好な狭視角表示効果を得るためには、視角制御画素Pbの長軸方向に隣り合う帯状部22b同士の間隔d2が、帯状部22bの幅d1と略等しいか、又は帯状部22bの幅d1より若干大きいことが望ましい。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明では、誘電体層としての第2層間絶縁膜34の位置を基準とした場合に、サブ表示画素Pc及び視角制御画素Pbと共通電極39との位置関係は上下逆であっても構わない。
また、本発明では、液晶装置1の画像表示領域Vを複数の表示領域に分割して、その分割された表示領域毎に、別々の視角制御(即ち、狭視角制御と広視角制御)を行うことが可能である。
この点について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明の変形例に係る視角制御線駆動回路18とこれに電気的に接続された各視角制御線26等との電気的な構成を示す視角制御等価回路600の回路図を示す。なお、図8では、画像表示領域Vにおいて表示画素Pa等の図示は省略している。
この視角制御等価回路600では、{K1、K2、K3、・・・、Kn−2、Kn−1、Kn;(nは自然数)}の各視角制御用信号が供給される複数の視角制御線26が設けられている。各視角制御線26は、その延在方向に列をなす各視角制御画素Pbの画素電極22に直接的且つ電気的に接続されていると共に、視角制御線駆動回路18に電気的に接続されている。
これにより、視角制御線駆動回路18を通じて、データ線駆動回路16及び走査線駆動回路17とは独立に、各視角制御線26に対して、ON又はOFFの何れかの視角制御用信号K1、K2、K3、・・・、Kn−2、Kn−1、Knを供給することが可能となる。ここで、例えば、視角制御線駆動回路18から視角制御線26を通じて画素電極22に対して、視角制御用信号を供給(ON)することにより、狭視角表示モードを容易に実現することができる。一方、視角制御線駆動回路18から視角制御線26を通じて画素電極22に対して、視角制御用信号の供給を停止(OFF)することにより、広視角表示モードを実現することができる。
したがって、この視角制御等価回路600を有する液晶装置において、例えば、いわゆる複数画面表示技術を用いて、画像表示領域Vを複数の表示領域に分割して、その分割された表示領域毎に異なる画像を表示させる場合には、その分割された表示領域毎に視角制御線駆動回路18を通じて、異なる視角制御用信号(ON信号及びOFF信号)を視角制御線26に対し同時に供給する。
例えば、図9(a)は、この視角制御等価回路600を有する液晶装置1xを車両700のナビゲーションシステム710に適用した例を示す。図9(b)は、図9(a)の矢印Yv方向からナビゲーションシステム710を見たときの、当該ナビゲーションシステム710の表示画面710vの平面図を示す。
車両700の車室内700eには、運転席700aと、運転席700aに隣り合う位置に配置された助手席700bと、運転席700a及び助手席700bの後部に位置する後部座席700cと、運転席700a及び助手席700bの前方に位置するダッシュボード700dと、ダッシュボードの略中央部に設置されたナビゲーションシステム710と、を備える。ナビゲーションシステム710は、映像が映し出される表示画面710vを有する。ナビゲーションシステム710内において、その表示画面710vに対応する位置には、上記の液晶装置1xが搭載されている。ここで、運転席700aのドライバ及び助手席700bの搭乗者はナビゲーションシステム710の表示画面710vに対して斜め方向に位置していると共に、後部座席700cの搭乗者はナビゲーションシステム710の表示画面710vに対して正面方向に位置している。
いま、このナビゲーションシステム710の表示画面710vにおいて、いわゆる2画面表示技術を用いて、その画像表示領域Vを2分割した表示領域V1、V2に対して異なる映像を表示させたとする。例えば、運転席700a側に位置する表示領域V2には行き先等を案内する地図を表示させると共に、助手席700b側に位置する表示領域V1には、地図とは異なる映像(テレビ番組、映画など)を表示させたとする。この場合、地図が表示される表示領域V2に係る各視角制御画素Pbには、対応する各視角制御線26を通じて視角制御用信号(OFF信号)を供給する一方、地図とは異なる映像が表示される表示領域V1に位置する視角制御画素Pbには、対応する各視角制御線26を通じて視角制御用信号(ON信号)を供給する。これにより、地図が表示される表示領域V2では広視角制御が行われる一方、地図とは異なる映像が表示される表示領域V1では狭視角制御が行われる。その結果、運転席200aのドライバには地図のみを見えるようにすることができ、運転上の安全性を確保できる。一方、後部座席700cの搭乗者には、地図と映像の両方を見えるようにすることができる。なお、本発明では、視角制御等価回路の構成は、図8に示すものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることが可能である。
また、上記の実施形態では、第2偏光板15の吸収軸方向における斜め方向から見たときに狭視角表示効果が得られるように、画素電極21の帯状部21bの延在方向をデータ線24の延在方向に対し所定の傾斜角を以って延在する方向に規定すると共に、画素電極22の帯状部22bの延在方向をデータ線24の延在方向と略直交する方向に規定した。これに限らず、本発明では、第2偏光板15の透過軸方向(その吸収軸方向と直交する方向)における斜め方向から見たときに狭視角表示効果が得られるように、画素電極21の帯状部21bの延在方向をデータ線24の延在方向と略直交する方向に対し所定の傾斜角を以って延在する方向に規定すると共に、画素電極22の帯状部22bの延在方向をデータ線24の延在方向と略平行な方向に規定するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、表示画素Paを構成する3つのサブ表示画素Pcが一方向に配列されていると共に、視角制御画素Pbを当該一方向であって且つ表示画素Paと隣接して配列させているが、これに限らず、本発明では、それらの画素は他の配列であってもよい。例えば、図10(a)に示すように、表示画素Paを構成する3つのサブ表示画素Pcのうち、R(赤)の色光及びG(緑)の色光を出力する2つのサブ表示画素Pcを一方向に隣接して配列すると共に、B(青)の色光を出力するサブ表示画素Pcを当該一方向と略直交する方向に隣接して配列し、さらに、このB(青)の色光を出力するサブ表示画素Pcと一方向に隣接して視角制御画素Pbを配列させてもよい。
また、上記の実施形態では、1つの表示画素Paに対して1つの視角制御画素Pbを配置しているが、これに限らず、本発明では、1つの表示画素Paを構成する3つのサブ表示画素Pcの各々に対応して視角制御画素Pbを配置しても良い。例えば、図10(b)に示すように、表示画素Paを構成する3つのサブ表示画素Pcの配列方向である一方向と直交する方向に3つのサブ表示画素Pcに隣接して視角制御画素Pbを配置させてもよい。このように、複数のサブ表示画素Pcの各々に対して視角制御画素Pbを配置することで、サブ表示画素Pc毎に斜め方向から見た際のコントラストを低下させることができる。したがって、視角制御画素Pbによる視角制御性能が向上する。
また、この構成に限らず、本発明では、複数(少なくとも1つ以上)の表示画素Paに対して1つの視角制御画素Pbを設けても良い。図11(a)は、2つの表示画素Paに対して1つの視角制御画素Pbを設けた構成例を示す。この構成例では、R、G、Bの各サブ表示画素Pcを構成する表示画素Paが田の字状に配置されている。そして、一方向に相互に隣り合う2つの表示画素Paのうち、一方の表示画素Paに対し一方向に隣接する位置には1つの視角制御画素Pbが配置されている。また、図11(b)は、2つの表示画素Paに対して1つの視角制御画素Pbを設けた他の構成例を示す。この構成例では、R、G、Bの各サブ表示画素Pcを構成する表示画素Paに対し一方向に隣接する位置には他の表示画素Paが配置されている。そして、相互に隣接する当該表示画素Pa及び当該他の表示画素Paと略直交する方向に隣接する位置には1つの視角制御画素Pbが対応して配置されている。これらの構成によれば、画像表示領域Vにおいて表示画素Paの領域を増やすことができるので、その分、表示画像の精細度を向上させることが可能となる。
また、本発明では、サブ表示画素Pcと同様に、各視角制御画素Pbに対応するサブ表示画素Pcが表示する色と同等の色を表示するためのカラーフィルタ層を設けても良い。このとき、例えば視角制御画素Pbにおけるカラーフィルタ層の厚さをサブ表示画素Pcにおけるカラーフィルタ層の厚さより薄くしたり、或いは同等の厚さであっても視角制御画素Pbにおけるカラーフィルタ層に開口を形成したりすることなどにより、視角制御画素Pbがサブ表示画素Pcよりも強度の強い光を表示可能とすることが好ましい。これにより、視角制御画素Pbの面積をサブ表示画素Pcの面積よりも小さくしても、視角制御画素Pbとサブ表示画素Pcの各々における光の強度を揃えることができる。
[電子機器]
次に、図12を参照して、本発明の実施形態に係る液晶装置1、1xを含む液晶装置の何れか(以下、代表して「液晶装置1」と称する)を用いた電子機器の一例について説明する。
図12(a)は、本実施形態に係る液晶装置1を用いた電子機器の一例である携帯電話機800を、その表示面側から見た正面図を示す。図12(b)は、図12(a)に示す携帯電話機800を送受信アンテナ800f側(矢印Y1方向)から見たときの、当該携帯電話機800の一側面図を示す。なお、以下では、本発明の携帯電話機800の厚さ方向をZ方向と規定し、また、図12(a)に示す携帯電話機800の紙面上下方向を±Y方向と規定し、さらに、図12(a)に示す携帯電話機800の紙面左右方向を±X方向と規定する。また、極角度[°]の方向Pdrは、携帯電話機800における表示部800bの法線方向Z1に対して、その紙面左右方向に±θだけずらした角度の方向と規定する。
携帯電話機800は、ケース800gの表側に設けられた、メール等の入力操作を行うための複数の操作ボタン800a、文字、図形、写真などの映像(表示画像)を表示するための表示部800b、受話口800c及び送話口800dと、各種の機能設定等を行うための機能操作ボタン800eと、ケース800gの一側面に設けられた送受信アンテナ800fと、を備えて構成される。ケース800g内であって、表示部800bに対応する位置には、本実施形態に係る液晶装置1が収容されている。このため、かかる携帯電話機800では、利用者が操作ボタン800aや機能操作ボタン800eなどを操作することにより、表示部800bに映像を表示させることが可能となっている。
特に、本発明の携帯電話機800は、通常の利用時にどの方向からも表示画像を観ることができる広視角表示モードと、屋外や公共の場等での利用時にメールや写真等を含む表示画像のコントラストを低下させて、利用者以外の周囲の人からその表示画像を見え難くする狭視角表示モードと、を選択的に切り替えて用いることが可能となっている。なお、この広視角表示モードと狭視角表示モードの視角切替は、利用者が操作ボタン800aや機能操作ボタン800eを操作することにより実現される。
この携帯電話機800において、利用者により広視角表示モードが選択された場合には、図12(b)において、表示部800bをその法線方向Z1となる正面方向Y2(Z方向)から見た場合でも、また、その法線方向Z1から表示部800bの表示面に対して+θ[°]だけ傾斜した右斜め方向Y3(+極角度方向Pdr)から表示部800bを見た場合でも、さらに、その法線方向Z1から表示部800bの表示面に対して−θ[°]だけ傾斜した左斜め方向Y4(−極角度方向Pdr)から表示部800bを見た場合でも表示画像を視認することができる。一方、利用者により狭視角表示モードが選択された場合、図12(b)において、表示部800bをその法線方向Z1から見た場合には、コントラストの高い表示画像を視認できるが、表示部800bを右斜め方向Y3(特に、極角度+40[°]以上)及び左斜め方向Y4(特に、極角度−40[°]以下)から見た場合には、液晶装置1の視角制御領域の輝度が変化して、その画像のコントラストが低下するため、表示画像を視認できなくすることができる。
なお、上記の実施形態では、本発明の液晶装置1を適用可能な電子機器として携帯電話機800を一例として説明したが、これに限らず、本発明の液晶装置1を適用可能な電子機器としては、その他にも、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
1、1x 液晶装置、 11 素子基板、 12 対向基板、 13 液晶層、 13a 液晶分子、 21、22 画素電極、 21b、22b 帯状部、 21s、22s スリット、 39 共通電極、 600 視角制御等価回路、 700 車両、 710 ナビゲーションシステム、 800 携帯電話機、 Pa 表示画素(表示画素領域)、 Pb 視角制御画素(視角制御画素領域)、 Pc サブ表示画素(サブ表示画素領域)