JP5477795B2 - スイング機構、タイヤ取り出し装置およびタイヤ取り出し方法 - Google Patents
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Description
サイドウォール支持部10は、例えば正四辺形の板状部材から成り、この板部材の中心位置には孔中心が重なる真円状の孔部10aが形成されている。また、サイドウォール支持部11は、サイドウォール支持部10と同様に構成されている。サイドウォール支持部10とサイドウォール支持部11は、大径タイヤの両側のサイドウォールを挟み込むために大径タイヤの総幅と概ね同じ寸法で離間され、並行に対向させて底板部13に立設されている。サイドウォール支持部11は、当該タイヤ取り出し装置において外側端部に配置され、サイドウォール支持部10は内側、即ちスイング機構部2と対向する位置に配置されている。
この孔部10aは、上記の真円状に限定されず、底板部13に載置された大径タイヤのビード部全体をサイドウォール支持部10の外側から臨むことができる形状であればよい。孔部11aは、上記の孔部10aと同様に形成されたものであり、後述するスイング機構部2の爪部20やアーム部21の動作を妨げることがない形状、大きさを有している。
アーム部21は、撓りや歪が生じない剛性を備えて直線状の例えば梁部材のように形成されており、移動機構部22によってタイヤ固定部1に向かって延設された部位の概ね中央部分を支持されている。アーム部21の先端部には、前述の爪部20を回転可能に支持するとともに所定の角度もしくは回転位置で固定する爪支持機構部210が備えられている。
爪部20のL字状の一片は、前述のように側方が先細り状に形成されており、さらに大径タイヤと小径タイヤとの間に挿入し易い扁平状に形成された取り出し部20aを構成している。
また、爪部20の他片、即ち取り出し部20aの基端側には、例えば支持軸23を介して爪支持機構部210に回転自在に取付けられる爪支持部20bを備えている。この爪支持部20bはL字状の背面側において中央部位が突出しているラッチ部20cを備えている。ラッチ部20cの片側の端部には、後述するストッパプレートに当接するストッパ部20eが形成されている。また、爪支持部20bの端部には、爪部20が図中左回転するときの可動範囲を制限するスイングストッパ20dが備えられている。スイングストッパ20dは、取り出し部20aとは直線上において逆方向に延設され、爪部20の背面部位から上記のラッチ部20cの突出部位よりも突出している。
爪支持機構部210の上端部分には、爪部20が図中右回転するときの可動範囲を制限するストッパプレート211を備えている。
爪支持機構部210は、ストッパプレート211の先端部が上方向に開動したとき、当該ストッパプレート211の開いた先端部を閉じるスプリング212を、例えば爪支持機構部210本体の側方、即ち、アーム部21の側方に備えている。
図示した状態では、爪部20のストッパ部20eならびにスイングストッパ20dが最下点に位置しており、爪部20の取り出し部20aの先端が上方を向いている。ここで、ストッパプレート211は、先端部が爪部20のラッチ部20cに当接する位置に配置・構成されている。図2(a)に示した状態では、ストッパプレート211の先端部はラッチ部20cによって押し上げられず、閉じた状態となっている。
上記のラッチ部20cは、ストッパプレート211と当接する範囲の両端部分は平坦な面に形成されている。
爪部20が図中左方向へ回転し、取り出し部20aの先端が回転軌跡を描いて移動し、取り出し部20aの延設方向がタイヤ固定部1に固定されている大径タイヤの幅方向と一致する状態になると、ストッパプレート211の先端部はラッチ部20cの一端部と当接する。
ここで、ラッチ部20cの一端部には前述のようにストッパ部20eが設けられている。このストッパ部20eは、爪部20の原位置において垂直に下方へ延設されている。
このとき、ストッパ部20eとラッチ部20cとの境界となる角部(凹状の角部)にストッパプレート211の先端部の角部(凸状の角部)が嵌合され、これらの角部が相互に当接してストッパ部20eにストッパプレート211が当接する。この状態において、爪部20が図中右方向へ回転しようとすると、ストッパプレート211の先端部に上方からラッチ部20cの凸状部分が当接し、上記の爪部20の右回転が阻止される。換言すると、例えばタイヤの弾力などの外力によって取り出し部20aの先端が上方に押された際に生じる回転が阻止される。
前述のようにストッパプレート211が当接し、また、スイングストッパ20dが爪支持機構部210に当接することにより、図2(c)に示したように取り出し部20aの延設方向とアーム部21の延設方向が一致する状態で爪部20が固定される。このように爪部20は、取り出し部20aの上方または下方のどちら側から外力が加えられた場合でも回転しないように固定され、取り出し部20aはタイヤ固定部1に向かってアーム部21と同様な軌跡を描いて移動するようになる。
爪支持機構部210に備えられた駆動モータを駆動して、ストッパ部20eに当接しているストッパプレート211の先端部を上方に開いておき、爪部20を右方向に回転させてストッパ部20eからストッパプレート211の先端部を開放する。このようにしてストッパプレート211の先端部を開放し、さらに爪部20を右回転させて前述の原位置まで移動させる。
またさらに、前述の爪部20のロック状態を解除するときにストッパプレート211を開く駆動モータを備え、この駆動モータの動作を爪部制御部によって制御するように構成してもよい。この爪部制御部は、前述の移動機構部22の動作制御を行う制御部に含めて構成してもよい。即ち、移動機構部22の動作制御を行う制御部によって爪支持機構部210の動作制御を行うように構成してもよい。この場合には、ストッパプレート211の開閉状態を検出するセンサや、爪部20の回転角度等を検出するセンサなどを備え、これらのセンサから出力される信号を用いて制御部が各機構の動作を制御するように構成される。
図3および図4は、タイヤ取り出し装置の動作を示す説明図である。これらの図は、タイヤ取り出し装置のタイヤ固定部1およびスイング機構2の一部分を示したもので、爪部20ならびにアーム部21の動作を明示するためにタイヤ固定部1に支持された各タイヤを縦断面にて表示している。図3(a)〜図3(d)、図4(e)〜図4(h)は、制御部が移動機構部22を制御することによって行われるタイヤ取り出しの一連の動作を示したものである。
また、図3,4は、小径タイヤ320を収納している大径タイヤ310をタイヤ固定部1に支持固定させた状態を示している。
制御部は、小径タイヤを取り出す制御を開始すると、初めに移動機構部22を制御して上記の原位置に配置されている爪部20を移動させる。具体的には、移動機構部22を稼働させて、図3(b)の矢印Aが示す方向に向かってアーム部21を移動させ、例えば大径タイヤ310の径中心部位に向かって移動させる。
詳しくは、アーム部21をタイヤ固定部1に固定されている大径タイヤ310の幅方向や径方向に沿って移動させ、大径タイヤ310の外径方向を向いている取り出し部20aの先端を、大径タイヤ310の開口部において例えばスイング機構部2から視て手前側に位置する大径タイヤ310のビード部と小径タイヤ320のビード部との間に配置する。
詳しくは、大径タイヤ310のビード部と小径タイヤ320のビード部の間に挿入した取り出し部20aが、小径タイヤ320のサイドウォールに接する位置、もしくはその近傍に達すると、アーム部21を後退させながら上昇させる。
上記のように取り出し部20aが挿入されるとき、爪部20の背面側は大径タイヤ310のビード部ならびにサイドウォールの内側に当接し、大径タイヤ310の開口部が当該大径タイヤ310の幅方向に拡がる。アーム部21が矢印Cの示す方向に移動するとき、即ち、大径タイヤ310の外径方向に移動するとともに大径タイヤ310の幅方向について若干小径タイヤ320から離間すると、大径タイヤ310のビード部内側と小径タイヤ320のサイドウォール外側に挟まれている爪部20が回転を始める。なお、爪支持機構部210に備えられたモータ等を用いて爪部20を回転させる場合には、例えばこの時点から制御部が爪支持機構部210を制御して適当な速さで爪部20を図中左回りに回転させる。
具体的には、図4(e)の矢印Dが示す方向にアーム部21を移動させ、例えば上弦の円弧を描くようにアーム部21を後退させながら上昇させる。
換言すると、アーム部21を大径タイヤ310の幅方向について小径タイヤ320から離間させるとともに大径タイヤ310の外径方向に移動させる(図中斜め上方に後退させる)。このアーム部21の移動に伴って、小径タイヤ320のサイドウォールに当接している取り出し部20aの先端を支点として爪部20が回転し、大径タイヤ310の外径方向を向いていた取り出し部20aの先端が大径タイヤ310の幅方向に向きを変える。
このように爪支持機構部210によって爪部20が回転しないように固定される間際になると、制御部は、移動機構部22を制御してアーム部21を進行方向に沿って下弦の円弧を描くように斜め上方に前進させ、爪部20が固定されたときに取り出し部21aの延設部位(L字状の内側部分)全体を小径タイヤ320のトレッドに当接させる。
換言すると、アーム部21を大径タイヤ310の幅方向について小径タイヤ320に接近させるとともに大径タイヤ310の外径方向に移動させ、取り出し部20aを小径タイヤ320のトレッドに当接させる。
このように、小径タイヤ320の露出している部位を大径タイヤ310の幅方向に移動させて当該大径タイヤ310から離間し、大径タイヤ310の内部に残っている小径タイヤ320の他の部位を引き出す。このとき制御部は、小径タイヤ320全体が大径タイヤ310から露出するまで移動機構部22を稼働させる。
2スイング機構部
3台座
10,11サイドウォール支持部
10a,11a孔部
12トレッド支持部
13底板部
20爪部
20a取り出し部
20b爪支持部
20cラッチ部
20dスイングストッパ
20eストッパ部
21アーム部
22移動機構部
22a支柱部
22b駆動機構部
23支持軸
210爪支持機構部
211ストッパプレート
212スプリング
213ステー部
214係止部
Claims (3)
- 第1のタイヤ内部に重畳するように収納されている前記第1のタイヤよりも小さな第2のタイヤと、前記第1のタイヤとの間に挿入する舌状の取り出し部を有する爪部と、
前記爪部を先端に配置するアーム部と、
前記アーム部先端で前記爪部を前記第1のタイヤの幅方向に沿って回転可能に支持するとともに所定の回転位置で固定する爪支持機構部と、
前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向ならびに径方向に移動させる移動機構部と、
を備え、
前記移動機構部が前記アーム部を前記第1のタイヤの外径方向に移動させ、前記爪支持機構部によって前記第1のタイヤの外径方向に前記取り出し部を向けて支持されている前記爪部を前記第1のタイヤのビード部と前記第2のタイヤのビード部との間に挿入し、
前記取り出し部が前記第2のタイヤのサイドウォールに接すると、前記移動機構部は前記アーム部を前記第1のタイヤの外径方向および幅方向に移動させて前記取り出し部を前記第2のタイヤのサイドウォールに沿って移動させ、
前記アーム部の移動に伴って前記第1のタイヤの内側および前記第2のタイヤの外側に接する前記爪部が回転し、前記取り出し部の先端が前記第2のタイヤのショルダー部に接すると、前記移動機構部は、前記取り出し部の先端が前記第1のタイヤの内壁に接触しないように、前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向について前記第2のタイヤから離間させるとともに前記第1のタイヤの外径方向に移動させ、
前記取り出し部が前記第2のタイヤのトレッドに当接すると、前記移動機構部は前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向について前記第2のタイヤに接近させるとともに前記第1のタイヤの外径方向に移動させ、
前記取り出し部の延設方向が前記第1のタイヤの幅方向と一致する状態になると、前記爪支持機構部は前記爪部を回転しないように固定し、
前記爪部が前記第2のタイヤのトレッドを含む部位に当接すると、前記移動機構部は、前記アーム部を前記第1のタイヤの内径方向に移動させて前記第2のタイヤの部位を前記第1のタイヤの開口部から露出させ、前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向に移動して前記第2のタイヤの部位を前記第1のタイヤから離間させて前記第1のタイヤ内部から前記第2のタイヤを取り出す、
ことを特徴とするスイング機構。 - 請求項1に記載のスイング機構と、
内部に自身よりも小さな第2のタイヤを重畳するように収納している第1のタイヤを固定するタイヤ固定部と、
を備え、
前記タイヤ固定部は、前記第1のタイヤの幅方向と前記アーム部の延設方向が一致するように前記第1のタイヤを固定し、
前記スイング機構が前記タイヤ固定部に固定された前記第1のタイヤ内部から前記第2のタイヤを取り出す、
ことを特徴とするタイヤ取り出し装置。 - 請求項2に記載のタイヤ取り出し装置を用いたタイヤ取り出し方法であって、
内部に自身よりも小さな第2のタイヤを重畳するように収納している第1のタイヤをタイヤ固定部に固定する第1工程と、
移動機構部がアーム部を前記第1のタイヤの外径方向に移動させ、爪支持機構部によって前記第1のタイヤの外径方向に取り出し部を向けて支持されている爪部を前記第1のタイヤのビード部と第2のタイヤのビード部との間に挿入する第2工程と、
前記取り出し部が前記第2のタイヤのサイドウォールに接すると、前記移動機構部は前記アーム部を前記第1のタイヤの外径方向および幅方向に移動させて前記取り出し部を前記第2のタイヤのサイドウォールに沿って移動させる第3工程と、
前記アーム部の移動に伴って前記第1のタイヤの内側および前記第2のタイヤの外側に接する前記爪部が回転し、前記取り出し部の先端が前記第2のタイヤのショルダー部に接すると、前記取り出し部の先端が前記第1のタイヤの内壁に接触しないように、前記移動機構部が前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向について前記第2のタイヤから離間させるとともに前記第1のタイヤの外径方向に移動させる第4工程と、
前記取り出し部が前記第2のタイヤのトレッドに当接すると、前記移動機構部が前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向について前記第2のタイヤに接近させるとともに前記第1のタイヤの外径方向に移動させ、前記爪支持機構部が回転しないように固定した前記爪部を前記第2のタイヤのトレッドを含む部位に当接させる第5工程と、
前記移動機構部が前記アーム部を前記第1のタイヤの内径方向に移動させて、前記第2のタイヤの部位を前記第1のタイヤの開口部から露出させる第6工程と、
前記移動機構部が前記アーム部を前記第1のタイヤの幅方向に移動させて、前記爪部と当接する第2のタイヤの部位を前記第1のタイヤから離間させて前記第1のタイヤ内部から前記第2のタイヤを取り出す第7工程と、
を有することを特徴とするタイヤ取り出し方法。
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