JP5476175B2 - 高強度で強度安定性に優れたチタンコイル - Google Patents
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Description
一般に純チタンコイルは、不純物元素としてO、C、H、N、Si、Fe等を微量に含有するが、本発明ではその中でも比較的含有量が多いO、C、N、Si、Feの含有量を規定した。尚、以下の説明において%で示す含有量は、全て質量%を示す。
Oは、チタンコイルの強度を大きく向上させるために有効な必須元素であるが、その含有量が0.08%未満であれば、本発明の高強度チタンコイルが必要とする強度レベルを得ることができなくなる。一方、Oの含有量が0.40%を超える場合は強度が更に向上するものの、強度のバラツキが著しく大きくなってしまうという問題を生じる。従って、Oの含有量は0.08〜0.40%とする。尚、より好ましいOの含有量の下限は0.10%、より好ましいOの含有量の上限は0.35%である。
Feも、チタンコイルの強度の向上に寄与する有効な元素であるが、その作用を発揮させるためには少なくとも0.1%は含有させる必要がある。一方、Feを添加することで、その含有量が2.0%を超えて多くなると、Feの添加に伴って生成するβ相が粗大になり、強度の向上よりも、延性の低下の度合いが大きくなり、また、強度のバラツキも大きくなってしまう。従って、Feの含有量は0.1〜2.0%とする。尚、より好ましいFeの含有量の下限は0.15%、より好ましいFeの含有量の上限は1.7%である。
Cは、チタンコイルの冷間加工性を大きく低下させることなく、その強度を上げることができる元素である。また、Cの偏析はO、Nと比較して小さく、それらに代替して添加することで、強度のバラツキを抑制しつつ高強度チタンコイルとすることができる。JIS、ASTM、AMS等の規格で規定されている純チタンではその含有量の上限は0.08%程度であるが、本発明では上記作用を発揮させるために更に積極的に添加する。それらの作用を発揮させるためには、Cの含有量は少なくとも0.1%とする必要がある。一方、その含有量が0.4%を超えて多くなるとCの添加量の増加に伴って生成するTiCが粗大化し、強度の向上よりも、延性の低下の度合いが大きくなってしまう。従って、Cの含有量は0.1〜0.4%とする。尚、より好ましいCの含有量の下限は0.12%、より好ましいCの含有量の上限は0.35%である。尚、CはTiC粉末で添加することができるため、歩留まりも高く、その成分調整も容易である。
Nは、チタンコイルの強度向上に顕著に作用する元素であるが、その含有量が多くなると延性が著しく低下し、冷延性を大きく阻害させるという作用も発現させてしまい、また、強度のバラツキも大きくなってしまう。そのため、本発明ではその含有量を極力少なくするが、あまりその含有量を少なくするとコストアップにつながってしまう。従って、Nの含有量は0.001〜0.02%の範囲とした。尚、より好ましいNの含有量の下限は0.002%、より好ましいNの含有量の上限は0.01%である。
Siは比較的安価な元素であり、チタンコイルの耐熱性(耐酸化性、高温強度)を向上させ、また、ミクロ組織の微細化にも寄与する元素である。更には、Siの添加によってOの偏析が低減するという作用も奏する。それらの作用は、極微量の添加であっても発現させることができるが、0.4%を超えて添加した場合には強度のバラツキが大きくなる可能性がある。従って、Siの含有量は0.4%以下(0%を含まない)とした。尚、より好ましいSiの含有量の下限は0.002%、より好ましいSiの含有量の上限は0.35%である。
トップ側とテール側で強度のバラツキがない高強度で強度安定性に優れたチタンコイルを得るためには、以上説明した成分組成を満足させた上で、C、O、N及びSiの含有量(質量%)から求めたC/(O+N−Si/5)の成分濃度バランスを規定することが最も有効となる。OとNは微量の添加で顕著に強度を向上させる作用を発揮するが、一方で、チタンコイルのトップ側とテール側の強度差を増大させ、更には延性を低下させるという問題を発現させてしまう。しかしながら、C、O、N及びSiの含有量(質量%)から求めたC/(O+N−Si/5)を、0.3以上とすれば、トップ側とテール側で強度のバラツキがない高強度で強度安定性に優れたチタンコイルとすることができる。C、O、N及びSiの含有量(質量%)から求めたC/(O+N−Si/5)は、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.8以上とすることが推奨される。
前記した元素のうちでも比較的含有量が多いOとFeの含有量の成分濃度バランスを調整することで、チタンコイルのトップ側とテール側で強度のバラツキをより一層抑制できるが、その条件は、O及びFeの含有量(質量%)から求めたO×Feが、0.08以上となるように調整すると共に、OとFe含有量(質量%)の関係が、0.08×Fe≦O≦Feを満たすように調整することである。
次に、本発明のチタンコイルの製造方法について説明するが、本発明のチタンコイルは、通常のチタンコイルと同様に、分塊圧延→熱間圧延→中間焼鈍→冷間圧延(→中間焼鈍→冷間圧延)→最終焼鈍といった各工程間に、随時ブラスト、酸洗処理を入れること等によって製造することが可能で、特に特殊な方法を用いることなく製造することができる。尚、前記工程の説明で、括弧書きの(→中間焼鈍→冷間圧延)という工程は必ずしも必要ではないが、製造するチタンコイルの大きさ、強度の違いにより適宜回数繰り返して行う。
Claims (2)
- 質量%で、Oを0.08〜0.40%、Cを0.1〜0.4%、Nを0.001〜0.02%、Siを0.4%以下(0%を含まない)、Feを0.1〜2.0%含有し、残部がTiおよび不可避的不純物であって、
前記C、O、N及びSiの含有量(質量%)から求めたC/(O+N−Si/5)が、0.3以上であることを特徴とする高強度で強度安定性に優れたチタンコイル。 - 更に、前記O及びFeの含有量(質量%)から求めたO×Feが、0.08以上であると共に、
OとFe含有量(質量%)の関係が、0.08×Fe≦O≦Feを満たすことを特徴とする請求項1記載の高強度で強度安定性に優れたチタンコイル。
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