JP5476146B2 - 透過電子顕微鏡の制御装置および透過電子顕微鏡の制御方法 - Google Patents

透過電子顕微鏡の制御装置および透過電子顕微鏡の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、透過電子顕微鏡の制御装置、透過電子顕微鏡システム、透過電子顕微鏡の制御方法、およびプログラムに関する。
近年、位相差像を観察できる透過電子顕微鏡は、生物や高分子などの軽元素を多く含む試料を高コントラストで観察できるため期待されている。例えば、特許文献1には、対物レンズの後焦点面に位相板を組み込むことで位相差像を観察できる透過電子顕微鏡が提案されている。特許文献1に記載された位相板は、貫通孔を有する非晶質の薄膜からなり、対物レンズの後焦点面において、透過波が貫通孔を通過し散乱波が薄膜を通過するように配置されている。そのため、貫通孔を通過した透過波の位相に対して薄膜を通過した散乱波の位相をπ/2ずらすことができる。そして、特許文献1の透過電子顕微鏡は、互いに位相がπ/2ずれた透過波と散乱波を干渉させて、位相コントラスト伝達関数が余弦型の位相差像を観察することができる。
このような位相板を組み込んだ透過電子顕微鏡では、透過波を位相板の貫通孔に通過させるために透過波と貫通孔との間のアライメントが行われる。透過波と貫通孔との間のアライメントは、従来、ユーザーが透過電子顕微鏡像に現れるフリンジを観察して、当該フリンジの現れ方に基づいて位相板を移動させることで行われていた。具体的には、アライメントは、透過電子顕微鏡に現れるフリンジが、透過波が貫通孔の中心を通過していない場合には非対称に現れ、透過波が貫通孔の中心を通過している場合には対称に現れることを利用して、非対称なフリンジが対称なフリンジとなるように位相板を移動させることで行われていた。
特開2001−273866号公報
しかしながら、ユーザーが透過電子顕微鏡像に現れるフリンジを観察することでは、透過波と貫通孔との間のアライメントのずれの距離やずれの方向を具体的に把握することまでは困難であった。したがって、フリンジの現れ方に基づいて位相板を移動させるアライメント方法では、ユーザーの慣れや技量を必要とするなどの問題があった。そのため、ユーザーの能力に依存しにくい容易なアライメントの態様が望まれている。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、透過波と位相板の貫通孔との間のアライメントを容易化できる、透過電子顕微鏡の制御装置、透過電子顕微鏡システム、透過電子顕微鏡の制御方法、およびプログラムを提供することができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御装置は、電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御装置であって、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得手段と、前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算手段と、前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成手段と、前記制御情報に基づいて、前記所定の面における前記透過波の位置および前記貫通孔の位置の少なくとも一方を移動させる位置制御手段と、を含む、透過電子顕微鏡の制御装置であり、前記像取得手段は、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、前記演算手段は、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、前記制御情報生成手段は、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、前記位置制御手段は、前記第1制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第1移動処理を行い、さらに、前記像取得手段は、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、さらに、前記演算手段は、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、さらに、前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記貫通孔の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、さらに、前記位置制御手段は、前記第2制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第2移動処理を行うことができる。
このような透過電子顕微鏡の制御装置によれば、第1制御情報に基づいて位相板を移動させる第1移動処理で透過波を貫通孔に通過させることができなかった場合に、第2制御情報に基づいて位相板を移動させる第2移動処理により、所定の面における貫通孔の位置を透過波の位置に移動させることができる。したがって、このような透過電子顕微鏡の制御装置を用いて、フーリエ変換パターンから第1制御情報および第2制御情報を生成して第1移動処理および第2移動処理を行うことにより、所定の面における貫通孔の位置を透過波の位置に移動させることができる。そのため、このような透過電子顕微鏡の制御装置によれば、透過波と貫通孔との間のアライメントを自動化することができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御装置は、電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御装置であって、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得手段と、前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算手段と、前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成手段と、前記制御情報に基づいて、前記所定の面における前記透過波の位置および前記貫通孔の位置の少なくとも一方を移動させる位置制御手段と、を含む、透過電子顕微鏡の制御装置であり、前記像取得手段は、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、前記演算手段は、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、前記制御情報生成手段は、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、前記位置制御手段は、前記第1制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第1移動処理を行い、さらに、前記像取得手段は、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、さらに、前記演算手段は、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、さらに、前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記透過波の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、さらに、前記位置制御手段は、前記第2制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第2移動処理を行うことができる。
このような透過電子顕微鏡の制御装置によれば、第1制御情報に基づいて電子線を偏向させる第1移動処理で透過波を貫通孔に通過させることができなかった場合に、第2制御情報に基づいて電子線を偏向させる第2移動処理により、所定の面における透過波の位置を貫通孔の位置に移動させることができる。したがって、このような透過電子顕微鏡の制御装置を用いて、フーリエ変換パターンから第1制御情報および第2制御情報を生成して第1移動処理および第2移動処理を行うことにより、所定の面における透過波の位置を貫通孔の位置に移動させることができる。そのため、このような透過電子顕微鏡の制御装置によれば、透過波と貫通孔との間のアライメントを自動化することができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御装置において、前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンの中心と前記第2のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離が、前記第1のフーリエ変換パターンの中心と前記第1のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離よりも大きい場合に、所望のフーリエ変換パターンでなかったと判定することができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御方法は、電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御方法であって、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得工程と、前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算工程と、を含み、前記フーリエ変換パターンに基づいて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔との位置関係を制御する、透過電子顕微鏡の制御方法であり、前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記位相板を移動させることにより前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成工程と、前記制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる位置制御工程と、を含み、前記像取得工程では、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、前記演算工程では、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、前記制御情報生成工程では、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、前記位置制御工程では、前記第1制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第1移動処理を行い、さらに、前記像取得工程では、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、さらに、前記演算工程では、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、さらに、前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記貫通孔の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、さらに、前記位置制御工程では、前記第2制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第2移動処理を行うことができる。
このような透過電子顕微鏡の制御方法によれば、第1制御情報に基づいて位相板を移動させる第1移動処理で透過波を貫通孔に通過させることができなかった場合に、第2制御情報に基づいて位相板を移動させる第2移動処理により、所定の面における貫通孔の位置を透過波の位置に移動させることができる。したがって、フーリエ変換パターンから第1制御情報および第2制御情報を生成して第1移動処理および第2移動処理を行うことにより、所定の面における貫通孔の位置を透過波の位置に移動させることができる。そのため、本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、透過波と貫通孔との間のアライメントを容易に行うことができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御方法は、電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御方法であって、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得工程と、前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算工程と、を含み、前記フーリエ変換パターンに基づいて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔との位置関係を制御する、透過電子顕微鏡の制御方法であり、前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記電子線を偏向させることにより前記所定の面における前記透過波の位置を移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成工程と、前記制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる位置制御工程と、を含み、前記像取得工程では、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、前記演算工程では、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、前記制御情報生成工程では、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、前記位置制御工程では、前記第1制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第1移動処理を行い、さらに、前記像取得工程では、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、さらに、前記演算工程では、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、さらに、前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記透過波の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、さらに、前記位置制御工程では、前記第2制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第2移動処理を行うことができる。
このような透過電子顕微鏡の制御方法によれば、第1制御情報に基づいて電子線を偏向させる第1移動処理で透過波を貫通孔に通過させることができなかった場合に、第2制御情報に基づいて電子線を偏向させる第2移動処理により、所定の面における透過波の位置を貫通孔の位置に移動させることができる。したがって、フーリエ変換パターンから第1制御情報および第2制御情報を生成して第1移動処理および第2移動処理を行うことにより、所定の面における貫通孔の位置を透過波の位置に移動させることができる。そのため、本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、透過波と貫通孔との間のアライメントを容易に行うことができる。
)本発明に係る透過電子顕微鏡の制御方法において、前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンの中心と前記第2のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離が、前記第1のフーリエ変換パターンの中心と前記第1のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離よりも大きい場合に、所望のフーリエ変換パターンでなかったと判定することができる。
本実施形態に用いる透過電子顕微鏡の構成を説明するための図。 薄膜型の位相板を模式的に示す図。 透過電子顕微鏡の試料から検出器までの透過波および散乱波の光路を示す図。 本実施形態に係る透過電子顕微鏡システムおよび制御装置の構成を模式的に示す図。 本実施形態の変形例に係る透過電子顕微鏡システムおよび制御装置の構成を模式的に示す図。 第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャート。 第1の実施形態に用いる透過電子顕微鏡で得られた透過電子顕微鏡像の一例を示す図。 透過電子顕微鏡像のフーリエ変換パターンの一例を示す図。 図8(A)のフーリエ変換パターンを説明するための図。 透過波が貫通孔の中心を通過しているときのフーリエ変換パターンの一例を示す図。 図9(A)のフーリエ変換パターンを説明するための図。 後焦点面における透過波および位相板を模式的に示す図。 第1の実施形態の変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態の変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャート。 制御プログラムを実行するコンピューターについて説明するための図。 静電型の位相板を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 透過電子顕微鏡
1.1. 透過電子顕微鏡の構成
まず、本実施形態に用いる透過電子顕微鏡について説明する。図1は、本実施形態に用いる透過電子顕微鏡100の構成を説明するための図である。
透過電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子線源101と、照射レンズ系102と、偏向器104と、試料105を保持する試料保持台106と、対物レンズ108と、投影レンズ110と、検出器112と、位相板120と、位相板支持部130と、鏡筒114と、を含む。
電子線源101、照射レンズ系102、偏向器104、試料保持台106の一部、対物レンズ108、位相板120、位相板支持部130の一部、投影レンズ110、検出器112は、鏡筒114の内部に収容されている。鏡筒114の内部は、排気装置(図示しない)によって減圧排気されている。
電子線源101は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する。電子線源101の例として、公知の電子銃を挙げることができる。
照射レンズ系102は、電子線源101の後段に配置されている。照射レンズ系102は、複数の集束レンズ(図示しない)で構成されている。照射レンズ系102は、試料105に照射される電子線(入射電子線)の量を調整する。
偏向器104は、照射レンズ系102の後段に配置されている。偏向器104は、図示はしないが、複数の偏向コイルと、当該複数の偏向コイルに流れる電流量を制御するための電流制御部と、を有する。偏向器104は、電流制御部で各偏向コイルに流れる電流を制御することにより入射電子線を2次元的に偏向させる。これにより、試料105に対する入射電子線の入射角度を変えることができるため、透過波の光路および散乱波の光路を変えることができる。電流の制御は、例えば、鏡筒114の外部に設けられた電流制御部を操作することにより行うことができる。偏向器104により、入射電子線を対物レンズ108の光軸に一致させるための軸合わせを行うことができる。
試料保持台106は、試料105を偏向器104の後段に位置させるように保持している。
対物レンズ108は、試料105の後段に配置されている。対物レンズ108は、試料105を透過した電子線を結像させる。
位相板120は、位相板支持部130に支持されて、対物レンズ108の後焦点面に配置されている。位相板支持部130を操作することにより、鏡筒114の外部から位相板120を移動させることができる。
図2(A)は、位相板120を模式的に示す平面図である。図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB線断面図である。位相板120としては、図2に示すように、薄膜型の位相板を用いることができる。位相板120は、基板121と、基板121に形成された貫通孔122と、で構成されている。基板121は、例えば、非晶質炭素および非晶質金を含む伝導性の非晶質物質、またはその複合体からなる薄膜である。位相板120は、基板121の厚さTを制御することで、基板121を通過する電子波の位相の変化の程度を決めることができる。例えば、基板121の材質が非晶質炭素であり、加速電圧200kVの透過電子顕微鏡において、基板121が電子波の位相をπ/2変化させる場合、基板121の厚さTは、例えば27nm程度である。貫通孔122は、図2(A)に示すように、平面視において円形状であり、貫通孔122の直径Dは、例えば1μm程度である。図示の例では、貫通孔122の内部は空洞であるが、透過波2の位相をπ変化させるための非晶質物質が埋め込まれていてもよい。
投影レンズ110は、位相板120の後段に配置されている。投影レンズ110は、対物レンズ108によって結像された像をさらに拡大し、検出器112上に結像させる。
検出器112は、投影レンズ110の後段に配置されている。検出器112は、投影レンズ110によって結像された透過電子顕微鏡像を検出する。検出器112の例として、2次元的に配置されたCCD(Charge Coupled Device)で形成された受光面を有するCCDカメラを挙げることができる。透過電子顕微鏡100は、例えば計算装置150と接続することができ、検出器112が検出した透過電子顕微鏡像の像情報12は、計算装置150に出力される。
1.2. 透過電子顕微鏡の動作
次に、透過電子顕微鏡100の動作について説明する。図3は、透過電子顕微鏡100の試料105から検出器112までの透過波2および散乱波4の光路を示す図である。なお、図3では、便宜上、試料保持台106、投影レンズ110、および位相板支持部130の図示を省略する。
電子線源101から放出された電子線は、照射レンズ系102で集束された後、偏向器104を介して試料105に入射する。試料105に入射した入射電子線は、試料105で散乱せずに入射電子線と同じ方向に進行する透過波2と、試料105で散乱を受けて入射電子線と異なる方向に進行する散乱波4と、に分けられる。試料105を透過した透過波2および散乱波4は、対物レンズ108でレンズ作用を受けて、対物レンズ108の後焦点面108aに到達する。ここで、位相板120は、後焦点面108aにおいて、透過波2が貫通孔122を通過し散乱波4が基板121を通過するように配置される。このため、貫通孔122を通過した透過波2の位相は変化せずに、基板121を通過した散乱波4の位相がπ/2変化する。位相板120の後段において、互いに位相がπ/2ずれた透過波2と散乱波4とが干渉して、検出器112上に結像する。このように、互いに位相がπ/2ずれた透過波2と散乱波4とが干渉して得られる透過電子顕微鏡像は、位相コントラスト伝達関数が余弦型である。したがって、透過電子顕微鏡100は、位相差像を得ることができる。位相差像とは、透過電子顕微鏡像のうち位相コントラスト伝達関数が余弦型である像をいう。検出器112で検出された透過電子顕微鏡像(位相差像)は、検出器112から計算装置150に出力される。
透過電子顕微鏡100によれば、位相板120によって、透過波2の位相を変化させずに、基板121を通過した散乱波4の位相をπ/2変化させることができる。したがって、透過電子顕微鏡100によれば、位相差像を得ることができる。
2. 透過電子顕微鏡システム、制御装置
2.1. 透過電子顕微鏡システムおよび制御装置の構成
次に、本実施形態に係る透過電子顕微鏡システムおよび制御装置の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る透過電子顕微鏡システム1000および制御装置200の構成を模式的に示す図である。なお、制御装置200は、計算装置150の機能ブロック図である。以下、上述した図1に示す透過電子顕微鏡100の構成と同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
透過電子顕微鏡システム1000は、図4に示すように、透過電子顕微鏡100と、制御装置200と、を含む。
制御装置200は、像取得手段210と、演算手段220と、制御情報生成手段230と、位置制御手段240と、表示手段250と、を含む。制御装置200は、透過波2と位相板120の貫通孔122(図3参照)との間のアライメントを行うことができる。
像取得手段210は、検出器112から出力された像情報12を取り込むことで透過電子顕微鏡像を取得する処理を行う。
演算手段220は、像取得手段210が取得した透過電子顕微鏡像をフーリエ変換してフーリエ変換パターンを得る処理を行う。
制御情報生成手段230は、フーリエ変換パターンから後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122の位置関係を求めて、透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報(例えば、後述する第1制御情報21,第2制御情報22)を生成する処理を行う。ここで、制御情報21,22は、位相板120を移動させることにより後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させて、透過波2を貫通孔122に通過させるための情報である。制御情報生成手段230は、制御情報21,22を位置制御手段240に出力する処理を行う。
また、制御情報生成手段230は、演算手段220によって得られたフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定する処理を行う。制御情報生成手段230は、所望のフーリエ変換パターンが得られなかった場合には、第2制御情報22を生成する処理を行う。
位置制御手段240は、制御情報21,22に基づいて後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させる。具体的には、位置制御手段240は、制御情報21,22に基づいて制御信号14を生成し、この制御信号14を位相板支持部130に出力して位相板120を移動させる。
位相板支持部130は、位置制御手段230と接続され、制御信号14に基づいて位相板120を移動させる。具体的には、位相板支持部130は、例えば、位相板120を移動させるアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターには、制御信号14が入力される。アクチュエーターは、入力された制御信号14に基づいて位相板120を移動させて、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させる。
表示手段250は、例えば、像取得手段210が取得した透過電子顕微鏡像、演算手段220が求めたフーリエ変換パターン、および制御情報生成手段240が生成した制御情報21,22を表示することができる。例えば、図1に示すモニター152が表示手段250として機能する。
なお、透過電子顕微鏡システム1000を用いた透過波2と貫通孔122との間のアライメントのための制御方法の詳細については後述する。
制御装置200および透過電子顕微鏡システム1000は、例えば、以下の特徴を有する。
制御装置200によれば、フーリエ変換パターンから後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係を定量的に求めることができる。これにより、透過波2を貫通孔122に通過させるための定量的な制御情報21,22を生成することができる。したがって、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易化することができる。
制御装置200によれば、位置制御手段230を備えるため、制御情報21,22に基づいて位相板120を移動させて、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させることができる。これにより、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易化することができる。さらに、制御装置200によれば、後述するように、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを自動化することができる。
透過電子顕微鏡システム1000によれば、制御装置200を用いて、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易化することができる。
2.2. 変形例
次に、本実施形態に係る透過電子顕微鏡システムおよび制御装置の変形例について説明する。図5は、本変形例に係る透過電子顕微鏡システム2000の構成を模式的に示す図である。なお、本変形例において、上述した図4に示す透過電子顕微鏡システム1000の構成と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
透過電子顕微鏡システム2000は、図5に示すように、透過電子顕微鏡100と、本変形例に係る制御装置201と、を含む。
図4に示した制御装置200の例では、位置制御手段240が制御情報21,22に基づいて後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させた。これに対し、制御装置201では、位置制御手段240は、制御情報(後述する第1制御情報24,第2制御情報25)に基づいて後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させる。
制御装置201の制御情報生成手段230は、入射電子線を偏向させることにより後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させて、透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報24,25を生成する。
位置制御手段240は、制御情報24,25に基づいて後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させる。具体的には、位置制御手段240は、制御情報21,22に基づいて制御信号14を生成し、この制御信号14を偏向器104に出力して入射電子線を偏向させる。
偏向器104は、位置制御手段240と接続され、制御信号14に基づいて各偏向コイルに流れる電流量を制御して入射電子線を偏向させる。偏向器104は、入射電子線を2次元的に偏向させることにより透過波2の光路を変えて、後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させる。
なお、透過電子顕微鏡システム2000を用いた透過波2と貫通孔122との間のアライメントのための制御方法の詳細については後述する。
制御装置201によれば、上述した制御装置200と同様の効果を奏することができる。
透過電子顕微鏡システム2000によれば、制御装置201を用いて、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易化することができる。
3. 透過電子顕微鏡の制御方法
3.1. 第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法
次に、第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法について説明する。具体的には、上述した図4に示す透過電子顕微鏡システム1000を用いた透過波2と貫通孔122との間のアライメントのための制御方法(すなわち制御装置200による自動制御)について説明する。図6は、本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャートである。以下、図4に示す透過電子顕微鏡システム1000および図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、透過電子顕微鏡100で得られた第1の透過電子顕微鏡像を取得する(第1像取得工程S20)。像取得手段210により、検出器112から出力された像情報12を取り込むことで第1の透過電子顕微鏡像を取得する。なお、第1像取得工程S20の前に、透過電子顕微鏡100の軸合わせ(光学系の光軸調整)を行ってもよい。図7は、透過電子顕微鏡100で得られた透過電子顕微鏡像の一例を示す図である。
次に、第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して第1のフーリエ変換パターンを得る(第1演算工程S21)。フーリエ変換は、演算手段220により行う。演算手段220は、透過電子顕微鏡像に対して、例えば、2次元の高速フーリエ変換を行って第1のフーリエ変換パターンを得る。
ここで、透過電子顕微鏡像のフーリエ変換パターンについて説明する。図8(A)は、透過電子顕微鏡像のフーリエ変換パターンの一例を示す図である。図8(B)は、図8(A)に示すフーリエ変換パターンを説明するための図である。図9(A)は、透過波2が貫通孔122の中心を通過しているときのフーリエ変換パターンの一例を示す図である。図9(B)は、図9(A)に示すフーリエ変換パターンを説明するための図である。
透過電子顕微鏡像とフーリエ変換パターンは、実空間と逆空間の関係にある。すなわち、透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して得られるフーリエ変換パターンは、後焦点面108aにおける電子波(透過波および散乱波)の強度分布に対応している。したがって、フーリエ変換パターンは、後焦点面108aに位置する貫通孔122に対応するパターン(ディスク32,34)を含んでいる。
フーリエ変換パターンは、1つの貫通孔122に対して、フーリエ変換パターンの中心30に関して点対称な2つのディスク32,34を有する。これは、フーリエ変換パターンが逆空間の情報であり、フーリエ変換パターンの中心に関して点対称な2つの位置におけるスペクトル成分が互いに共役であるためである。フーリエ変換パターンの中心30は、透過波2(波数0)に対応する。後焦点面108aにおいて円形状の貫通孔122に対応して、ディスク32,34も円形状である。
図10は、後焦点面108aにおける透過波2および位相板122を模式的に示す図である。フーリエ変換パターンにおけるディスク32,34の位置と後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係とは、対応している。具体的には、図8(B)に示すディスク32,34の各々の中心とフーリエ変換パターンの中心30との間の距離Lは、図10に示す後焦点面108aにおける透過波2の位置と貫通孔122の中心Oとの間の距離Mに対応している。また、図8(B)に示すディスク32,34の各々の中心とフーリエ変換パターンの中心30を結ぶA方向は、図10に示す後焦点面108aにおける透過波2の位置と貫通孔122の中心Oとを結ぶB方向に対応している。したがって、後焦点面108aにおける透過波2の中心Oの位置と貫通孔122の位置とが一致する場合、図9に示すように、2つのディスク32,34の中心の位置が一致する(2つのディスク32,34が完全に重なる)フーリエ変換パターンが得られる。
次に、第1のフーリエ変換パターンから後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122の位置関係を求めて、位相板120を移動させることにより透過波2を貫通孔122に通過させるための第1制御情報21を生成する(第1制御情報生成工程S22)。第1制御情報21は、制御情報生成手段230により、生成される。
制御情報生成手段230は、第1のフーリエ変換パターンにおけるディスク32,34の位置(図8(B)に示す距離LおよびA方向)を、後焦点面108aにおける距離および方向に較正することで、後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係(図10に示す距離MおよびB方向)を求めて第1制御情報21を生成する。距離LおよびA方向は、最小二乗法等でディスク32,34の中心の位置を計算することにより求める。なお、制御情報生成手段230は、ディスク32,34の中心の位置を計算する前に、第1のフーリエ変換パターンに対してディスク32,34の境界を強調するための処理(エッジ強調処理)を行ってもよい。
ディスク32,34の位置(距離LおよびA方向)の後焦点面108aにおける距離および方向への較正は、予め取得していた較正データと対応させることで行う。較正データは、位相板120を単位距離あたり移動させたときのディスク32,34の移動距離の情報、および位相板120を所定の方向に移動させたときのディスク32,34の移動方向の情報である。
このようにして、制御情報生成手段230は、距離LおよびA方向から、距離MおよびB方向を求めることができる。すなわち、制御情報生成手段230は、フーリエ変換パターンから後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係を定量的に求めることができる。
ここで、フーリエ変換パターンでは、透過波2の位置と貫通孔122の中心Oとを結ぶB方向(±B方向)は特定できるが、貫通孔122の中心Oから透過波2の位置に向かう+B方向までは特定できない。したがって、制御情報生成手段230は、+B方向および−B方向のうちの任意の一方の方向を選択して第1制御情報21を生成する。すなわち、第1制御情報21は、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を、選択された一方の方向(+B方向または−B方向)に距離Mだけ移動させるための情報である。
第1制御情報21は、図4に示すように、制御情報生成手段230から出力されて位置制御手段240に入力される。
次に、第1制御情報21に基づいて位相板120を移動させる第1移動処理を行う(第1位置制御工程S23)。第1移動処理は、位置制御手段240により、第1制御情報21に基づいて制御信号14を生成し、この制御信号14を位相板支持部130に出力して位相板120を移動させることで行われる。第1移動処理では、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を、第1制御情報21により特定される方向(+B方向または−B方向)に第1制御情報21により特定される距離(距離M)だけ移動させる。
次に、透過電子顕微鏡100で得られた第2の透過電子顕微鏡像を取得する(第2像取得工程S24)。ここで、第2の透過電子顕微鏡像とは、第1位置制御工程S23の後に得られる透過電子顕微鏡像である。第2像取得工程S24は、第1像取得工程S20と同様に行う。
次に、第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して第2のフーリエ変換パターンを得る(第2演算工程S25)。第2演算工程S25は、第1演算工程S21と同様に行う。
次に、第2のフーリエ変換パターンにおけるディスク32,34の各々の中心とフーリエ変換パターンの中心30との間の距離L(図8(B)参照)を求める(工程S26)。距離Lは、制御情報生成手段230によりディスク32,34の中心の位置を最小二乗法等で計算することで求める。
次に、第2のフーリエ変換パターンにおける距離Lが所定の距離以下か否かを判定することにより、第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定する(判定工程S27)。所望のフーリエ変換パターンか否かの判定は、制御情報生成手段230により行われる。
ここで、所望のフーリエ変換パターンとは、透過波2を貫通孔122に通過させて得られるフーリエ変換パターンであり、第2のフーリエ変換パターンにおける距離Lが所定の距離以下である場合である。所定の距離は、例えば、第1のフーリエ変換パターンにおける距離Lである。すなわち、所定の距離以下である場合とは、第2のフーリエ変換パターンにおける距離Lが、第1のフーリエ変換パターンにおける距離L以下である場合である。また、所定の距離以下でない(所定の距離よりも大きい)場合とは、第2のフーリエ変換パターンにおける距離Lが、第1のフーリエ変換パターンにおける距離Lよりも大きい場合である。
距離Lが所定の距離以下である場合、第1制御情報21の方向の情報は、貫通孔122の中心Oから透過波2の位置に向かう+B方向であり、第1移動処理により、透過波2を貫通孔122に通過させることができる。距離Lが所定の距離よりも大きい場合、第1制御情報21の方向の情報は、貫通孔122の中心Oから透過波2の位置に向かう+B方向とは反対方向の−B方向である。
工程S26の結果、距離Lが所定の距離以下である(所望のフーリエ変換パターンであった)場合(工程S27でYESの場合)、処理を終了する。
工程S26の結果、距離Lが所定の距離よりも大きい(所望のフーリエ変換パターンでなかった)場合(工程S27でNOの場合)、制御情報生成手段230は、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を、第1移動処理で移動させた方向(−B方向)とは反対の方向(+B方向)に移動させて、透過波2を貫通孔122に通過させるための第2制御情報22を生成する(第2制御情報生成工程S28)。これにより、第2制御情報22は、後焦点面108aにおける貫通孔122の中心Oの位置を、後焦点面108aにおける透過波2の位置に移動させる方向の情報を有することができる。
さらに、第2制御情報22は、後焦点面108における貫通孔122の位置を、第1移動処理で移動させた距離Mの2倍だけ移動させるための情報を有するように生成される。すなわち、第2制御情報22は、後焦点面108における貫通孔122の位置を、第1移動処理で移動させた方向(−B方向)とは反対方向(+B方向)に距離2×Mだけ移動させるための情報を有する。これにより、第2制御情報22は、後焦点面108aにおける貫通孔122の中心Oの位置を、後焦点面108aにおける透過波2の位置に移動させるための情報を有することができる。
第2制御情報22は、図4に示すように、制御情報生成手段230から出力されて位置制御手段240に入力される。
最後に、第2制御情報22に基づいて位相板120を移動させる第2移動処理を行う(第2位置制御工程S29)。第2移動処理は、位置制御手段240により、制御情報22に基づいて制御信号14を生成し、この制御信号14を位相板支持部130に出力して位相板120を移動させることで行われる。この第2移動処理により、透過波2を貫通孔122に通過させることができる。
本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法は、例えば、以下の特徴を有する。
本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、第1制御情報21に基づいて位相板120を移動させる第1移動処理で透過波2を貫通孔122に通過させることができなかった場合に、第2制御情報22に基づいて位相板120を移動させる第2移動処理により、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を透過波2の位置に移動させることができる。したがって、制御装置200を用いて、フーリエ変換パターンから第1制御情報21および第2制御情報22を生成して第1移動処理および第2移動処理を行うことにより、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を透過波2の位置に移動させることができる。そのため、本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、制御装置200により、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを自動的に行うことができる。
本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、制御装置200によって、透過電子顕微鏡100における透過波2と貫通孔122との間のアライメントを自動的に行うことができる。したがって、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易に行うことができる。また、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを自動的に行うことにより位相差像を容易に取得することができるため、例えば位相差像による電子線トモグラフィー等を効率よく得ることができる。
3.2. 第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の変形例
次に、第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の変形例について説明する。具体的には、上述した図5に示す透過電子顕微鏡システム2000を用いた透過波2と貫通孔122との間のアライメントのための制御方法(すなわち、制御装置201による自動制御)について説明する。図11は、本変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャートである。以下、図5に示す透過電子顕微鏡システム2000および図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本変形例において、第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法と同様の工程については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1の実施形態に係る第1制御情報生成工程S22および第2制御情報生成工程S28では、制御情報生成手段230が、位相板120を移動させることにより後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させて、透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報(第1制御情報21,第2制御情報22)を生成した。これに対し、本変形例の第1制御情報生成工程S122および第2制御情報生成工程S128では、制御情報生成手段230は、入射電子線を偏向させることにより後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させて、透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報(第1制御情報24,第2制御情報25)を生成する。
また、第1の実施形態に係る第1位置制御工程S23および第2位置制御工程S29では、制御情報21,22に基づいて位相板122を移動させて、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させた。これに対し、本変形例の第1位置制御工程S123および第2位置制御工程S129では、制御情報24,25に基づいて、入射電子線を偏向させることにより、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させる。
本変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、第1の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法と同様の効果を奏することができる。
3.3. 第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法
次に、第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法について説明する。具体的には、上述した図4に示す透過電子顕微鏡システムにおいて、ユーザーが制御装置200の表示手段250にリアルタイムに表示されるフーリエ変換パターンを見て、手動操作で後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係の制御を行った場合について説明する。ここで、本実施形態に係る制御装置200は、制御情報生成手段230および位置制御手段240を含まなくてもよい。図12は、本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャートである。以下、図4に示す透過電子顕微鏡システム1000および図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、透過電子顕微鏡100で得られた透過電子顕微鏡像をリアルタイムに取得する(像取得工程S30)。像取得手段210により、検出器112から出力された像情報12を取り込むことで透過電子顕微鏡像を取得する。像取得手段210は、検出器112から継続的に像情報12を取得する。
次に、透過電子顕微鏡像をリアルタイムにフーリエ変換してフーリエ変換パターンを得る(演算工程S31)。フーリエ変換は、演算手段220により行う。演算手段220は、透過電子顕微鏡像に対して、例えば、2次元の高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)を行ってフーリエ変換パターンを得る。演算手段220は、継続的にフーリエ変換を行う。
次に、フーリエ変換パターンをリアルタイムに表示する(表示工程S32)。フーリエ変換パターンは、表示手段250により継続的に表示される。例えば、図1に示すモニター152が表示手段250として機能する。
次に、フーリエ変換パターンに基づいて位相板120を移動させて、後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させる(位置制御工程S33)。位置制御工程S33は、ユーザーが表示手段250に表示されたフーリエ変換パターンに基づいて、位相板支持部130を操作することにより位相板120を移動させて行われる。
図9に示すように、2つのディスク32,34の中心の位置が一致するとき(2つのディスク32,34が完全に重なるとき)に、透過波2が貫通孔122の中心を通過する。したがって、ユーザーは、表示手段250に表示されるフーリエ変換パターンを見て、2つのディスク32,34の中心の位置をより一致させるように(2つのディスク32,34がより重なるように)位相板120を移動させる。このように、ユーザーは、表示手段250に表示されるフーリエ変換パターンに基づいて後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との間の位置関係を具体的に把握して、後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係の制御を行うことができる。フーリエ変換パターンは、表示手段250にリアルタイムに表示されるため、ユーザーは、位相板120を移動させた後のフーリエ変換パターンを遅滞なく確認することができる。
次に、所望のフーリエ変換パターンが得られたか否かを判定する(判定工程S34)。所望のフーリエ変換パターンが得られたか否かは、ユーザーが表示手段250に表示されたフーリエ変換パターンの2つのディスク32,34の中心間の距離2×L(図8(B)参照)を見て判定する。
ここで、所望のフーリエ変換パターンとは、透過波2を貫通孔122に通過させて得られるフーリエ変換パターンである。具体的には、例えば、ディスク32,34の中心間の距離2×Lが所定の距離以下であるフーリエ変換パターンである。所定の距離は、装置性能および要求される位相差像の品質などにより決定される。
位置制御工程S33の結果、所望のフーリエ変換パターンが得られなかった場合(判定工程S34でNOの場合)、像取得工程S30に戻り、所望のフーリエ変換パターンが得られるまで、像取得工程S30、演算工程S31、表示工程S32、位置制御工程S33を繰り返す。
位置制御工程S33の結果、所望のフーリエ変換パターンが得られた場合(判定工程S34でYESの場合)、処理は終了する。
本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、表示手段250に表示されるフーリエ変換パターンに基づいて後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との位置関係を具体的に把握して、後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との間の位置関係の制御を行うことができる。したがって、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを容易に行うことができる。
本実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、フーリエ変換パターンを表示手段250にリアルタイムに表示させることにより、位相板120の移動後のフーリエ変換パターンを遅滞なく確認することができる。したがって、透過波2と貫通孔122との間のアライメントとに要する時間を短縮することができる。
3.4. 第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の変形例
次に、第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法の変形例について説明する。図13は、本変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法の一例を示すフローチャートである。以下、本変形例において、第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法と同様の工程については同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る位置制御工程S33では、位相板120を移動させて後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させて、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行った。これに対し、本変形例の位置制御工程S133では、入射電子線を偏向させて後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させて、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行う。入射電子線の偏向は、例えば、ユーザーが偏向器104を操作することにより行うことができる。
本変形例に係る透過電子顕微鏡の制御方法によれば、第2の実施形態に係る透過電子顕微鏡の制御方法と同様の効果を奏することができる。
4. プログラム
次に、透過波と貫通孔との間のアライメントを行うための制御プログラムについて説明する。図14は、透過波と貫通孔との間のアライメントを行うための制御プログラムを実行するコンピューター300について説明するための図である。
操作部320は、ユーザーの操作等をデータとして入力するためのものであり、その機能は、例えばキーボードやマウス等のハードウェアにより実現できる。
記憶部330は、処理部310や通信部370などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
情報記憶媒体340(コンピューター300により読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD等)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。
また情報記憶媒体340には、本実施形態の各手段としてコンピューターを機能させるプログラムやデータが記憶される。
処理部310は、この情報記憶媒体340に格納されるプログラムや情報記憶媒体340から読み出されたデータなどに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。すなわち情報記憶媒体340には、本実施形態の各手段としてコンピューター300を機能させるためのプログラム(各手段の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
表示部(表示手段)350は、本実施形態により生成された情報(透過電子顕微鏡像、フーリエ変換パターン、および制御情報21,22,24,25)を出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、LCD(液晶ディスプレイ)、OELD(有機ELディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウェアにより実現できる。
音出力部360は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカー、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。
通信部370は、透過電子顕微鏡100やその他の外部装置(例えばサーバー装置や他の端末機)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサー又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
処理部310(プロセッサー)は、操作部320からの操作データやプログラムなどに基づいて、各種処理などを行う。この処理部310は記憶部330をワーク領域として各種処理を行う。処理部310の機能は各種プロセッサー(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、アプリケーションプログラム、OS(例えば汎用OS等)により実現できる。
処理部310は、像取得手段312と、演算手段314と、制御情報生成手段316と、位置制御手段318と、を含む。
像取得手段312は、通信部370を介して取得した透過電子顕微鏡の像情報を取り込むことで透過電子顕微鏡像を取得する処理を行う。
演算手段314は、像取得手段312が取得した透過電子顕微鏡像をフーリエ変換してフーリエ変換パターンを得る処理を行う。
制御情報生成手段316は、演算手段314により得られたフーリエ変換パターンから後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122の位置関係を求めて、透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報(上述した第1制御情報21,第2制御情報22)を生成する処理を行う。ここで、制御情報21,22は、位相板120を移動させることにより後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させて透過波2を貫通孔122に通過させるための情報である。制御情報生成手段316は、制御情報21,22を位置制御手段318に出力する処理を行う。
また、制御情報生成手段316は、演算手段318によって得られたフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定する処理を行う。制御情報生成手段316は、所望のフーリエ変換パターンが得られなかった場合には、第2制御情報22を生成する処理を行う。
位置制御手段318は、制御情報21,22に基づいて後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させる。具体的には、位置制御手段318は、制御情報21,22に基づいて制御信号14を生成し、通信部370を介してこの制御信号14を位相板支持部130に出力して位相板120を移動させる。
なお、制御情報生成手段316が生成する制御情報は、入射電子線を偏向させることにより後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させて透過波2を貫通孔122に通過させるための制御情報(第1制御情報24,第2制御情報25)であってもよい。位置制御手段318は、通信部370を介して制御信号14を偏向器104に出力する処理を行ってもよい。
また、本実施形態の各手段としてコンピューターを機能させるためのプログラム(制御プログラム)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部370を介して情報記憶媒体340(記憶部330)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
このようにして構成されたコンピューター300は、制御プログラムを実行することにより、図4に示した制御装置200または図5に示した制御装置201として機能し、例えば、図6又は図11で示したフローチャートに従い、透過波2と貫通孔122との間のアライメントのための透過電子顕微鏡の制御を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した図1に示す透過電子顕微鏡100において、位相板120が薄膜型の位相板である場合について説明したが、位相板120は静電型の位相板であってもよい。図15(A)は、静電型の位相板を模式的に示す斜視図である。図15(B)は、図15(A)のXVB−XVB線断面図である。
位相板120は、図15に示すように、3つの電極123と、3つの電極123間を絶縁する絶縁部124と、3つの電極123および絶縁部124を貫通する貫通孔122と、で構成されている。位相板120は、3つの電極123からなる静電レンズであり、貫通孔122の入口と出口の電極123の電位を等しくし、中央の電極123の電位を変えることでレンズ作用を調整する。すなわち、位相板120は、アインツェルレンズである。中央の電極123の電位は、貫通孔122を通過する電子波の位相をπ/2変化させるような電位に調整される。貫通孔122は、例えば、図15(A)に示すように、平面視において円形状である。貫通孔122の直径は、例えば1μm程度である。位相板120は、後焦点面108aに配置される。
位相板120は、透過波2が位相板120の貫通孔122を通過し、散乱波4が貫通孔122の外側を通過するように配置されている。これにより、透過波2の位相をπ/2変化させて、貫通孔122を通過しなかった散乱波4の位相を変化させないことができる。すなわち、貫通孔122を通過しなかった散乱波4の位相に対して透過波2の位相をπ/2ずらすことができる。これにより、薄膜型の位相板120と同様に、位相差像を得ることができる。
また、例えば、上述した図1に示す透過電子顕微鏡100において、位相板120が後焦点面108aに配置される場合について説明したが、位相板120は、後焦点面108aの共役面に形成してもよい。後焦点面108aの共役面は、例えば後焦点面108aの後段に配置されたレンズにより作成される。また、位相板120は、後焦点面108aの近傍に配置されてもよい。
また、例えば、上述した図6に示す像取得工程S20,S24において、像取得手段210は、像情報12を取り込むことで透過電子顕微鏡像を取得する処理を行うと説明したが、像取得手段210は、像情報12を、記憶媒体を介して取り込むことで透過電子顕微鏡像を取得する処理を行ってもよい。
また、例えば、上述した図6に示す制御情報生成工程S22,S28において、図4に示す制御情報生成手段230が生成する制御情報は、位相板120を移動させることにより後焦点面108aにおける貫通孔122の位置を移動させるための制御情報21,22および入射電子線を偏向させて後焦点面108aにおける透過波2の位置を移動させるための制御情報24,25の両方を含む制御情報であってもよい。これに伴い、位置制御工程S23,S29において、図4に示す位置制御手段240は、制御信号14を位相板支持部130および偏向器104のそれぞれに出力する処理を行い、位相板120の移動および入射電子線の偏向の両方を行ってもよい。これにより、位相板120の移動および入射電子線の偏向の両方を行って、後焦点面108aにおける透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行うことができる。したがって、位相板120の移動および入射電子線の偏向のいずれか一方でアライメントを行ったときよりも、効率よくアライメントを行うことができる。
また、例えば、上述した図12に示す位置制御工程S33において、ユーザーが位相板120の移動および入射電子線の偏向の両方を行うことにより、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行ってもよい。これにより、位相板120の移動および入射電子線の偏向のいずれか一方を行うことでアライメントを行うよりも、効率よくアライメントを行うことができる。
また、例えば、上述した図4に示す透過電子顕微鏡システム1000では、制御装置200が生成した制御情報21,22は制御信号14として位相板支持部130に出力されるものとして説明したが、制御情報21,22は表示手段250に表示されるように構成してもよい。同様に、例えば、図5に示した透過電子顕微鏡システム2000では、制御装置201が生成した制御情報24,25は制御信号14として偏向器104に出力されるものとして説明したが、制御情報24,25は表示手段250に表示されるように構成してもよい。
これらの場合、図6に示した位相板120を移動させる工程S23,S29や図11に示した入射電子線を偏向させる工程S123,S129において、この表示手段250に表示された制御情報21,22や制御情報24,25に基づいて、ユーザーが位相板支持部130および偏向器104の少なくとも一方を操作して、透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行ってもよい。これにより、ユーザーは、制御情報21,22や制御情報24,25に基づいて容易に透過波2と貫通孔122との間のアライメントを行うことができる。さらに、位置制御手段240が不要となるため、透過電子顕微鏡システム1000,2000を簡素化することができる。
また、例えば、上述した図6に示す第2制御情報生成工程S28において、制御情報生成手段230は、位相板120を、第1制御情報21の方向(−B方向)とは反対方向(+B方向)に距離2×Mだけ移動させるための第2制御情報22を生成すると説明した。これに対して、制御情報生成手段230は、第1位置制御工程S23で位相板120を移動させたときのディスク32,34の移動方向および移動距離から較正データを作成して、第2制御情報を生成してもよい。具体的には、制御情報生成手段230は、第2のフーリエ変換パターンから第1位置制御工程S23で位相板120を移動させたときのディスク32,34の移動方向および移動距離を求めて、第1制御情報21の誤差を求める。制御情報生成手段230は、この誤差を反映して第2制御情報22を生成する。これにより、制御情報生成手段230は、例えば予め取得していた較正データに誤差があったときでも、この誤差を補正した第2制御情報22を生成することができる。なお、図11に示す第2制御生成工程S128においても同様に第1位置制御工程S123で位相板120を移動させたときのディスク32,34の移動方向および移動距離から較正データを作成して、第2制御情報を生成してもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
100 透過電子顕微鏡、101 電子線源、102 照射レンズ系、104 偏向器、
105 試料、106 試料保持台、108 対物レンズ、110 投影レンズ、
112 検出器、 114 鏡筒、120 位相板、121 基板、
122 貫通孔、123 電極、124 絶縁部、130 位相板支持部、
150 計算装置、200,201 制御装置、210 像取得手段、
220 演算手段、230 制御情報生成手段、240 位置制御手段、
250 表示手段、300 コンピューター、310 処理部、312 像取得手段、
314 演算手段、316 制御情報生成手段、318 位置制御手段、
320 操作部、330 記憶部、340 情報記憶媒体、350 表示部、
360 音出力部、370 通信部、1000,2000 透過電子顕微鏡システム

Claims (6)

  1. 電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御装置であって、
    前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得手段と、
    前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算手段と、
    前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成手段と、
    前記制御情報に基づいて、前記所定の面における前記透過波の位置および前記貫通孔の位置の少なくとも一方を移動させる位置制御手段と、を含む、透過電子顕微鏡の制御装置であり、
    前記像取得手段は、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、
    前記演算手段は、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、
    前記制御情報生成手段は、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、
    前記位置制御手段は、前記第1制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第1移動処理を行い、
    さらに、前記像取得手段は、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、
    さらに、前記演算手段は、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、
    さらに、前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記貫通孔の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、
    さらに、前記位置制御手段は、前記第2制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第2移動処理を行う、透過電子顕微鏡の制御装置。
  2. 電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御装置であって、
    前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得手段と、
    前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算手段と、
    前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成手段と、
    前記制御情報に基づいて、前記所定の面における前記透過波の位置および前記貫通孔の位置の少なくとも一方を移動させる位置制御手段と、を含む、透過電子顕微鏡の制御装置であり、
    前記像取得手段は、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、
    前記演算手段は、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、
    前記制御情報生成手段は、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、
    前記位置制御手段は、前記第1制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第1移動処理を行い、
    さらに、前記像取得手段は、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、
    さらに、前記演算手段は、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、
    さらに、前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記透過波の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、
    さらに、前記位置制御手段は、前記第2制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第2移動処理を行う、透過電子顕微鏡の制御装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記制御情報生成手段は、前記第2のフーリエ変換パターンの中心と前記第2のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離が、前記第1のフーリエ変換パターンの中心と前記第1のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離よりも大きい場合に、所望のフーリエ変換パターンでなかったと判定する、透過電子顕微鏡の制御装置。
  4. 電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御方法であって、
    前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得工程と、
    前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算工程と、を含み、
    前記フーリエ変換パターンに基づいて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔との位置関係を制御する、透過電子顕微鏡の制御方法であり、
    前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記位相板を移動させることにより前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成工程と、
    前記制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる位置制御工程と、を含み、
    前記像取得工程では、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、
    前記演算工程では、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、
    前記制御情報生成工程では、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、
    前記位置制御工程では、前記第1制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第1移動処理を行い、
    さらに、前記像取得工程では、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、
    さらに、前記演算工程では、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、
    さらに、前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記貫通孔の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、
    さらに、前記位置制御工程では、前記第2制御情報に基づいて前記位相板を移動させることにより、前記所定の面における前記貫通孔の位置を移動させる第2移動処理を行う、透過電子顕微鏡の制御方法。
  5. 電子線を試料に透過させて得られる透過波および散乱波の通過する所定の面に配置され、貫通孔に前記透過波を通過させて前記透過波および前記散乱波の少なくとも一方の位相を変化させる位相板を有する透過電子顕微鏡の制御方法であって、
    前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる透過電子顕微鏡像を取得する像取得工程と、
    前記透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、フーリエ変換パターンを得る演算工程と、を含み、
    前記フーリエ変換パターンに基づいて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔との位置関係を制御する、透過電子顕微鏡の制御方法であり、
    前記フーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記電子線を偏向させることにより前記所定の面における前記透過波の位置を移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための制御情報を生成する制御情報生成工程と、
    前記制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記透過波を前記貫通孔に通過させるように前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる位置制御工程と、を含み、
    前記像取得工程では、前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第1の透過電子顕微鏡像を取得し、
    前記演算工程では、前記第1の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第1のフーリエ変換パターンを得、
    前記制御情報生成工程では、前記第1のフーリエ変換パターンから前記所定の面における前記透過波と前記貫通孔の位置関係を求めて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第1制御情報を生成し、
    前記位置制御工程では、前記第1制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第1移動処理を行い、
    さらに、前記像取得工程では、前記第1移動処理の後に前記透過波と前記散乱波を干渉させて得られる第2の透過電子顕微鏡像を取得し、
    さらに、前記演算工程では、前記第2の透過電子顕微鏡像をフーリエ変換して、第2のフーリエ変換パターンを得、
    さらに、前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンが所望のフーリエ変換パターンか否かを判定し、所望のフーリエ変換パターンでなかった場合には、前記所定の面における前記透過波の位置を前記第1移動処理で移動させた方向とは反対方向に移動させて、前記透過波を前記貫通孔に通過させるための第2制御情報を生成し、
    さらに、前記位置制御工程では、前記第2制御情報に基づいて前記電子線を偏向させることにより、前記所定の面における前記透過波の位置を移動させる第2移動処理を行う、透過電子顕微鏡の制御方法。
  6. 請求項4または5において、
    前記制御情報生成工程では、前記第2のフーリエ変換パターンの中心と前記第2のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離が、前記第1のフーリエ変換パターンの中心と前記第1のフーリエ変換パターンにおける前記貫通孔に対応するパターンの中心との間の距離よりも大きい場合に、所望のフーリエ変換パターンでなかったと判定する、透過電子顕微鏡の制御方法。
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