JP5475176B2 - 工具ホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、エンドミルやリーマといった刃物のシャンク部と、刃物のシャンク部をチャッキングする工具ホルダに関する。
刃物のシャンク部およびこれをチャッキングする工具ホルダとしては従来、例えば、特開2002−346864号公報(特許文献1)、特開2001−87969号公報(特許文献2)、および実開平6−80509号公報(特許文献3)に記載のものが知られている。かかる従来の工具ホルダは2本のサイドロックボルトを備える。また刃物のシャンク部には、基本的には円形断面であって、その外周に2箇所の平坦面が形成される。そして2本のサイドロックボルトを締め付けることにより、各サイドロックボルトの先端が各平坦面とそれぞれ当接して、刃物のシャンク部をチャッキングするというものである。
特開2002−346864号公報 特開2001−87969号公報 実開平6−80509号公報
しかし、上記従来の刃物のシャンク部にあっては、更なる改善の余地があることを本発明者は見出した。つまりシャンク部の外周に形成された2箇所の平坦面が周方向所定位置に整列して設けられるため、シャンク部がサイドロックボルトから特定の径方向押圧力を受けてしまう。このようにシャンク部がサイドロックボルトによって特定の径方向に押圧されることから、チャッキングに改善の余地がある。また、シャンク部の軸線が正規の位置からずれてしまうという所謂芯ぶれの懸念が生じる。
本発明は、上述の実情に鑑み、従来と比較して改善されたチャッキングのための刃物を提供することを目的とする。
この目的のため第1発明による刃物のシャンク構造は、工具ホルダにチャッキングされる刃物のシャンク部において、シャンク部の外周には、工具ホルダの本体に取り付けられたサイドロックボルトと当接するための第1および第2平坦面が、周方向に異なる箇所に形成されることを特徴とする。
かかる第1発明によれば、平坦面がシャンク部の周方向に異なる複数箇所に形成されることから、シャンク部が互いに異なる方向から複数の径方向押圧力を受ける。したがって、シャンク部がサイドロックボルトから特定の径方向押圧力を受けることがなく、従来よりも改善されたサイドロックボルト式チャッキング機構を提供することができる。第1発明は第1および第2平坦面の他、更なる平坦面を周方向で異なる箇所に形成することを排除するものではない。
第1発明の好ましい実施形態として、第1および第2平坦面の少なくとも一方は、刃物の先端側に指向するようシャンク部の軸線に対して1度以上10度以下の所定角度で傾斜した面である。かかる実施形態によれば、シャンク部の平坦面が受けるサイドロックボルトからの押圧力が、軸線方向後端側へ向かう成分を含み、シャンク部を工具ホルダに差し込むよう付勢する。したがってシャンク部をより確実にチャッキングすることができる。より好ましい実施形態として平坦面は刃物の先端側に指向するようシャンク部の軸線に対して5度傾斜した面である。
なお、第1および第2平坦面がシャンク部の軸線に対して1度未満で傾斜する場合、シャンク部を工具ホルダに差し込むよう付勢する力が弱くなってしまう。また、第1および第2平坦面がシャンク部の軸線に対して10度を超えて傾斜する場合、シャンク部を径方向に押圧する力が弱くなってしまう。他の実施形態として、シャンク部の平坦面は軸線と平行であってもよい。
第1発明の好ましい実施形態として、第1平坦面は第2平坦面に対しシャンク部の軸線回りに60度以上120度以下の所定角度で離れた位置に設けられる。かかる実施形態によれば、第1平坦面が受ける押圧力と第2平坦面が受ける押圧力が互いに交差することから、シャンク部を工具ホルダの内周面に好適に押し付けてチャッキングが向上する。より好ましい実施形態として第1平坦面は第2平坦面に対しシャンク部の軸線回りに80度以上100度以下の所定角度で離れた位置に設けられる。さらに好ましい実施形態として第1平坦面は第2平坦面に対しシャンク部の軸線回りに90度離れた位置に設けられる。
なお、第1平坦面と第2平坦面との間の角度が60度未満である場合、シャンク部を特定の径方向に押圧する力が大きくなってしまう。また、第1平坦面と第2平坦面との間の角度が120度を超える場合、第1平坦面がサイドロックボルトから受ける力と第2平坦面がサイドロックボルトから受ける力との合力が打ち消される割合が多くなってしまい、シャンク部を工具ホルダに向かって径方向に押圧する力が弱くなってしまう。
好ましい実施形態として、第1および第2平坦面の少なくとも一方は、摩擦係数が高くなるよう表面処理されている。かかる実施形態によれば表面処理された平坦面がサイドロックボルトと当接する際、両者が滑り難くなり、サイドロックボルトが平坦面を確実に押圧することができる。したがって、シャンク部が工具ホルダから一層抜け難くなる。かかる表面処理として例えばショットピーニング処理やメッキ処理が挙げられる。あるいは他の物理的処理ないし化学的処理であってもよい。
第1発明の一実施形態として刃物のシャンク構造は、シャンク部から刃物の先端に向かって延びる液体通路を備える。かかる実施形態によれば、切削液や洗浄液といった液体を工具ホルダから刃物に供給して、刃物の刃先からワークへ液体を直接噴射することができる。他の実施形態として、刃物を経由することなく液体を工具ホルダから刃先に向けて噴射してもよい。
また第2発明による工具ホルダは、軸線方向先端から軸線方向後端側に向かって延びる工具保持孔を中心に有する筒状の工具着脱部と、周方向に異なる箇所で工具着脱部の外周面から内周面まで延びる第1および第2の貫通孔にそれぞれ螺合する第1および第2のサイドロックボルトとを備え、第1および第2のサイドロックボルトを締め付け回転させて第1および第2のサイドロックボルトの先端に形成された平坦な先端面を刃物のシャンク部にそれぞれ当接させることによって刃物のシャンク部をチャッキングするよう構成される。かかる第2発明によれば、第1および第2のサイドロックボルト先端の平坦な先端面がシャンク部に形成された第1および第2平坦面と向き合い、第1発明のシャンク構造を好適にチャッキングすることができる。第2発明は第1および第2のサイドロックボルトの他、更なるサイドロックボルトを周方向で異なる箇所に形成することを排除するものではない。
好ましい実施形態として工具着脱部は、該工具着脱部の軸線方向先端部に設けられて刃物のシャンク部を芯出しおよび把握する芯出し用把握手段をさらに有し、第1および第2のサイドロックボルトは、刃物のシャンク部が芯出し用把握手段によって芯出しおよび把握された状態で、該刃物のシャンク部をチャッキングする。
かかる実施形態によれば、刃物のシャンク部を芯出しするので工具着脱部の先端部が刃物のシャンク部を周方向均等に把握することができる。したがって工具ホルダの軸線と刃物の軸線が一致して、刃物を高精度で把握することができる。この後、複数のサイドロックボルトが最終締付機能として刃物のシャンク部を回り止めする。これら芯出し用把握手段および複数のサイドロックボルトにより、長時間の切削加工に対してもチャッキングが緩むことがない。
芯出し用把握手段は特に限定されない。一実施形態として芯出し用把握手段は、工具着脱部の外周面に形成されて軸線方向先端側に向かって細くなるテーパと、内周面が工具着脱部の外周面と同じ角度のテーパに形成されて、サイドロックボルトよりも軸線方向先端側で工具着脱部の外周面を包囲する筒状の締付部材と、締付部材の内周面と工具着脱部の外周面との間の環状空間に配置される複数のニードルローラと、これらのニードルローラを軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜するように保持するリテーナとを含む。そして締付部材を回転することによりニードルローラを自転させつつ螺旋状に公転させて工具保持孔を縮径または復元させるよう構成される。
かかる実施形態によれば、締付部材を締め付け方向に回転するとテーパ作用で工具保持孔が軸線方向所定寸法に亘って縮径し、工具ホルダの軸線と刃物の軸線が一致するとともにシャンク部を全周に亘って均等な力で締め付けて把握することができる。したがって芯出し用把握手段を好適に実現することができる。
一実施形態としてサイドロックボルトは、貫通孔に螺合するボルト本体と、刃物のシャンク部と当接する押え面が形成されてボルト本体の先端部に押え面の向きが変更自在となるように取り付けられた押え部材とを含む。かかる実施形態によれば、シャンク部の平坦面がサイドロックボルトの進出方向と直交しない場合であっても、サイドロックボルトを締め付け方向に回転させるとサイドロックボルト先端の押え面がシャンク部の平坦面に倣って向きを変え、平坦面に面接触する。したがって、サイドロックボルトがシャンク部の平坦面を確りと押圧して、シャンク部を一層確実にチャッキングすることができる。
好ましい実施形態としてサイドロックボルトの平坦な先端面は、摩擦係数が高くなるよう表面処理されていてもよい。かかる実施形態によれば表面処理されたサイドロックボルトの先端面がシャンク部の平坦面と当接する際、両者が滑り難くなり、サイドロックボルトが平坦面を確実に押圧することができる。したがって、シャンク部が工具ホルダから一層抜け難くなる。かかる表面処理として例えばショットピーニング処理やメッキ処理が挙げられる。あるいは他の物理的処理ないし化学的処理であってもよい。なお摩擦係数が高くなるよう表面処理されるサイドロックボルトは第1および第2のサイドロックボルトの少なくとも一方である。かかるサイドロックボルトの先端面と当接するシャンク部の平坦面は、上述した第1平坦面および第2平坦面の少なくとも一方であればよい。
より好ましい実施形態として本発明の工具ホルダは、工具保持孔の孔底側に設けられて、工具保持孔に差し込まれる刃物のシャンク部の軸線方向位置を規定するストッパ部材をさらに備えるとよい。
さらに好ましい実施形態としてストッパ部材は軸線方向に貫通する連絡通路を有し、連絡通路の先端側開口は、刃物のシャンク部に設けられた液体通路の後端開口と接続するよう構成されるとよい。
このように本発明のシャンク構造は、刃物のシャンク部が特定の径方向押圧力を受けることがなく、改善されたチャッキングを提供する。
本発明の一実施形態になる刃物を示す側面図である。 本発明の一実施形態になる刃物および工具ホルダを示す全体図である。 図2のIII−IIIにおける横断面図である。 工具ホルダの軸線方向先端部分を示す正面図である。 工具ホルダから蓋部材を取り外した軸線方向先端部分を示す正面図である。 工具ホルダの工具着脱部内周面に形成された条溝を示す全体図である。 刃物のシャンク部を把握していないチャッキング前の工具ホルダを示す全体図である。 本発明の他の実施形態になる刃物を示す側面図である。 本発明の他の実施形態になる工具ホルダを示す全体図である。 本発明の変形例になるサイドロック式チャッキング構造を示す縦断面図である。 本発明の他の変形例になるサイドロック式チャッキング構造を示す縦断面図である。 本発明の変形例になる刃物のシャンク部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態になる刃物を示す側面図である。図2は本発明の一実施形態になる工具ホルダを示す全体図である。図3は、図2のIII−IIIで同実施形態の工具ホルダおよび刃物を切断して矢印方向にみた状態を示す横断面図である。図4は、同実施形態の軸線方向先端部分を示す正面図である。図5は、同実施形態から蓋部材を取り外した軸線方向先端部分を示す正面図である。図6は、同実施形態の工具着脱部内周面に形成された条溝を示す全体図であり、図7は、刃物のシャンク部を把握していないチャッキング前の同実施形態を示す全体図である。図2、図6、および図7において、上半分は縦断面図であり、下半分は側面図である。図4には、図2を表す断面および図6を表す断面を、II−IIおよびVI−VIの一点鎖線で示す。
鋼製の刃物60は、軸線O方向先端領域に超鋼合金の刃部60bを有し、軸線方向後端領域にシャンク部61を有する。シャンク部61は基本的に半径一定の円形断面を有する円柱状部分である。ただしシャンク部61の外周には、切削加工によって2ヶ所の平坦面(以下、第1平坦面62および第2平坦面63という)が形成される。
図1に示すように第1平坦面62および第2平坦面63はシャンク部61の軸線方向後端部に配設される。図2に示すように第1平坦面62は、シャンク部61の軸線Oに対して平行ではなく、刃物60の先端側に指向するようやや傾斜する。その傾斜角度は軸線Oに対して5度である。あるいは第1平坦面62は、1度〜10度の範囲内で傾斜した面である。第2平坦面63も同様である。
図3に示すように、第1平坦面62は第2平坦面63に対しシャンク部61の軸線O回りに90度離れた位置に設けられる。あるいは第1平坦面62は、80〜100度の範囲内で離れた位置に設けられる。なお、図3に示す90度は、第1平坦面62の周方向中央から第2平坦面63の周方向中央までの角度である。
工具ホルダ10は、主要な構成部品として、ホルダ本体11と、第1および第2のサイドロックボルト23a,23bと、締付部材32とを備える。
金属製のホルダ本体11は、一点鎖線で示す軸線Oに沿って延び、軸線方向先端領域に刃物60をチャッキングする工具着脱部12と、軸線方向後端領域に工作機械の主軸に装着される装着部13とをそれぞれ有する。ホルダ本体11の軸線O方向中央部には、工具着脱部12および装着部13よりも外径方向に張り出した大径のフランジ部14が形成されている。フランジ部14の外周縁には、周方向に延びるV字溝142が形成されている。またフランジ部14の外周縁には、軸線方向に延びるドライブキー溝143が形成されている。
装着部13は図示しない工作機械の主軸に嵌合する形状であって、本実施形態の装着部13の外周面は軸線方向後端に向かうほど半径が小さくなるテーパに形成される。装着部13にはホルダ本体11の中心になる軸線Oに沿って延びる中央孔132が形成される。中央孔132はホルダ本体11の軸線方向後端から軸線方向先端側へ延び、軸線方向途中位置で数種類の異なる内径に形成されている。そして先端側に向かった最も奥で小径の中央小孔133にされる。中央孔132の軸線方向後端部には図示しない主軸側部材が嵌合し、この主軸側部材に後方へ引き込まれることによって装着部13は工作機械のセンタースルークーラント主軸に確りと装着される。そしてセンタースルークーラント主軸から中央孔132に切削液あるいは洗浄液が流入する。したがって中央孔132は液体通路になる。
工具着脱部12は軸線方向先端が開口した円筒形状であり、外周面と内周面を有する。この内周面12hは、軸線方向先端から軸線方向後端側に向かって軸線Oに沿って延びる工具保持孔122を区画形成する。工具保持孔122は内径一定であり、孔底123を有する。そして工具保持孔122は、孔底123に穿設された中央小孔133と接続する。これにより切削液が中央孔132から工具保持孔122の孔底へ流入する。
図2に示すように、工具着脱部12の内周面12hには、周溝124が刻設される。また図6に示すように、工具着脱部12の内周面12hには、工具着脱部12の軸線方向先端面125から軸線方向後端側に向かって延び、周溝124と接続する条溝126が形成される。中央小孔133から工具保持孔122の孔底に流入した切削液は、周溝124を経由し、条溝126に沿って流れ、軸線方向先端面125に向かう。なお変形例として周溝124を内周面12hに形成しなくてもよい。
厳密にいうと条溝126は、軸線Oと平行に延びるものではなく、図2に実線で示し、図5に破線で示すように円周方向に傾斜するが、説明の便宜上、図6では1本の条溝126の全長を表し、他の条溝126を略している。
軸線方向先端面125は、蓋部材41で覆われる。蓋部材41は、図4に示すようにリング形状の板材であり、工具ホルダ10の軸線O方向両側に端面をそれぞれ有する。また蓋部材41の外周縁が軸線方向先端面125よりも外径方向に突出する。蓋部材41には周方向所定間隔に貫通孔414が複数形成される。軸線方向先端側から貫通孔414にボルト44を通し、かかるボルト44の先端を軸線方向先端面125に穿設されたボルト孔127(図2、図5)に螺合させることにより、蓋部材41は工具着脱部12の軸線方向先端に取付固定される。
図4に示すように、蓋部材41の内周縁には、蓋部材41の先端面から後端面まで延びる三角溝状の噴射口415が形成される。蓋部材41を工具着脱部12の軸線方向先端に固定すると、図6に示すように噴射口415は条溝126の軸線方向先端と一致する。そして、刃物60のシャンク部61を工具保持孔122に挿入し、円形断面に形成されたシャンク部61を工具着脱部12にチャッキングすると、条溝126および噴射口415は連続した液体通路を構成する。条溝126に沿って流れる切削液は噴射口415から刃物60の先端に向かって噴射し、図示しないワーク(被削物)に到達する。このように条溝126は切削液通路として機能する。また条溝126は、工具着脱部12の縮径方向への弾性変形を容易にする。条溝126は複数本設けるとよく、図5に示す本実施形態よりもさらに多くの条溝を設けてもよい。
工具ホルダ10は、エンドミルやリーマといった刃物60のシャンク部61をチャッキングするための構造として、工具着脱部12にサイドロック式チャッキング構造21およびロールロック式チャッキング構造31を有する。ロールロック式チャッキング構造31は刃物60のシャンク部61を芯出しおよび把握する芯出し用把握手段に相当する。サイドロック式チャッキング構造21は芯出しおよび把握された刃物60のシャンク部61をチャッキングする最終締付機能を奏する。
まずサイドロック式チャッキング構造21について説明する。工具着脱部12は先端側部分の外周面12aが小径にされ、後端側部分の外周面12bが大径にされ、これら先端側外周面12aと後端側外周面12bとの間に環状段差面12cが形成される。工具着脱部12の後側には、2個の貫通孔22a,22bが形成される。第1の貫通孔22aは、工具着脱部12の後端側外周面12bから工具着脱部12の内周面12hまで貫通し、工具保持孔122と接続する。また貫通孔22aは工具着脱部12の略半径方向に延びるが、図2に示すように外径側が内径側よりも軸線方向先端側になるよう、わずかに傾斜している。この傾斜角度はホルダ本体11の軸線直角方向に対して5度である。あるいはこの傾斜角度は、第1平坦面62の傾斜角度に対応するよう1度〜10度の範囲内に設定される。
第2の貫通孔22bも同様に設けられ、工具着脱部12の略半径方向に延びるが、外径側が内径側よりも軸線方向先端側になるよう、わずかに傾斜している。この傾斜角度は軸線直角方向に対して5度である。あるいはこの傾斜角度は、第2平坦面63の傾斜角度に対応するよう1度〜10度の範囲内に設定される。貫通孔22aと貫通孔22bは軸線O方向同位置に配置され、貫通孔22a、22bの軸線方向位置には前述した周溝124が形成される。
また貫通孔22aは貫通孔22bに対しホルダ本体11の軸線O周りに90度離れて設けられる。あるいは貫通孔22aから貫通孔22bまでの角度は、第1平坦面62から第2平坦面63までの角度に対応するよう80度〜100度の範囲内に設定される。
貫通孔22aのうち工具保持孔122に近い部位には雌ねじ22sが形成される。貫通孔22aのうち工具保持孔122から遠い外径側部分22mは、雌ねじ22sよりも大きな内径にされる。第1の貫通孔22aには外径側から第1のサイドロックボルト23aがねじ込まれる。第2の貫通孔22bも貫通孔22aと同様に構成され、貫通孔22bには外径側から第2のサイドロックボルト23bがねじ込まれる。
サイドロックボルト23aは長手方向後端部に大径の頭部23mを、長手方向中央領域に小径の雄ねじ23sをそれぞれ有する。サイドロックボルト23aの長手方向先端部は雄ねじ23sよりもさらに小径にされ、先端面23tはサイドロックボルト23aの長手方向と直交する平面に形成される。頭部23mは外径側部分22mに収容され、雄ねじ23sは雌ねじ22sに螺合する。そして、サイドロックボルト23aの先端部が貫通孔22aから突出して工具保持孔122に進出する。
サイドロックボルト23aの頭部23mの外周には環状溝が刻設され、この環状溝に環状のシール部材であるOリング24が係合する。Oリング24は全周に亘って貫通孔22aの外径側部分22mと接触する。これにより、Oリング24は貫通孔22aとサイドロックボルト23aとの環状隙間を封止する。
第2のサイドロックボルト23bも上述した第1のサイドロックボルト23aと同様に構成される。
工具着脱部12の後端側外周面12bには、貫通孔22aとは異なる周方向位置に凹部25aが設けられる。凹部25aは、貫通孔22aを穿設したことによりホルダ本体11の重心が軸線Oから偏心することを防止するものであり、単純な実施形態として図3に示すように、貫通孔22aに対して周方向に180°異なる位置に形成される。これにより、ホルダ本体11の重心が軸線Oに一致して、軸線O回りの質量バランスをとることができる。工具着脱部12の後端側外周面12bには同様に、貫通孔22bとは異なる周方向位置に凹部25bが設けられる。他の実施形態として、凹部あるいは質量体からなる質量調整部が貫通孔22aや貫通孔22bに対して周方向に180°以外の別の位置に形成される。
凹部25a、25bは、工具保持孔122に挿入される刃物60のシャンク部61をサイドロックボルト23a、23bで固定した状態で、ホルダ本体11およびサイドロックボルト23a,23bの軸線回りの質量バランスをとるために設けられるとよい。これにより、刃物60のシャンク部61を固定するまで締付方向に回転させたサイドロックボルト23a,23bと、貫通孔22a,22bが形成されたホルダ本体11との組立体の重心を、軸線Oに近似ないし一致させることができる。したがって刃物60先端の刃部60bの芯ぶれを防止して高精度でワークを加工することができる。
次にロールロック式チャッキング構造31について説明する。工具着脱部12の先端側外周面12aは、軸線Oを中心とする円形断面にされ、軸線方向先端に行くほど径が小さくなる先細のテーパ(例えば、1/32のテーパ)に形成され、締付部材32に包囲される。
締付部材32は、工具着脱部12を縮径させ、刃物60のシャンク部61の全ての外周を内周面12hの全周に密着するよう緊密に把握するものであり、締付部材32の内周面32aは、先端側外周面12aと同じ角度で先細になるテーパ(例えば1/32のテーパ)に形成され、先端側外周面12aと向き合う。また、締付部材32の後端部分の内周面には、抜け止めリング36が取り付けられている。締付部材32が軸線方向先端側へ移動すると抜け止めリング36の内周縁が、先端側外周面12aに形成された係合部と当接して、軸線方向先端側への更なる移動が規制される。これにより締付部材32の工具着脱部12からの抜けを防止する。
締付部材32の内周面32aと工具着脱部12の先端側外周面12aとの間に形成される環状空間33には、複数のニードルローラ34と、これらのニードルローラ34を整列させるリテーナ35が配置される。リテーナ35は、先端側外周面12aと同じ角度で先細になる筒体に形成され、先端側外周面12aに遊嵌される。
リテーナ35の肉厚寸法は内周面32aと先端側外周面12aとの間隔、すなわちニードルローラ34の直径、よりも小さい薄肉にされる。そしてリテーナ35には、ニードルローラ34を1個ないし複数個ずつ保持するポケットが円周方向所定間隔および軸線方向所定間隔に複数形成される。ポケットはリテーナ35を半径方向に貫通する矩形孔であり、ニードルローラ34の転動面がポケットからリテーナ35の半径方向内側に突出して先端側外周面12aと接触するとともに、ポケットからリテーナ35の半径方向外側にも突出して内周面32aと接触する。
リテーナ35のポケットは、中心軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜している。これにより、ポケットに保持されるニードルローラ34は軸線Oに対して円周方向に所定の角度傾斜して、先端側外周面12aの上を螺旋状の軌跡を描きながら転走する。
締付部材32は金属製であり、その軸線方向先端縁は、工具着脱部12の軸線方向先端面125を越えて軸線方向先端側へ突出する。そして蓋部材41の外周縁と向き合う。蓋部材41の外径寸法は軸線方向先端面125の外径寸法よりも大きく、締付部材32と工具着脱部12との間の環状空間33の軸線方向先端開口を覆う。したがって蓋部材41の外周縁によって、リテーナ35は軸線方向先端側への移動が規制されて、工具着脱部12から抜け出ることがない。
蓋部材41の外周縁には環状の外周側シール部材であるOリング42が取り付けられている。Oリング42は蓋部材41と締付部材32との間を封止する。これにより異物が環状空間33に侵入することが防止される。
締付部材32の軸線方向後端縁は、軸線Oに対し直角な環状平面32cに形成され、ホルダ本体11の環状段差面12cと対向する。締付部材32は環状段差面12cよりも先端側で軸線方向に移動可能であるが、環状段差面12cを越えて後端側へ移動することないよう環状段差面12cは締付部材32の軸線方向後方移動を規制する。環状平面32cには環状溝が刻設され、この環状溝には環状のシール部材であるOリング37が取り付けられる。
環状段差面12cの内径側には、軸線Oを中心とする環状溝12dが形成される。環状溝12dの内径側側面は先端側外周面12aと等しい外径にされて連続しており、先端側外周面12aの軸線方向寸法を増大させる。したがってホルダ本体11を長くすることなく、ロールロック式チャッキング構造31の有効把握長L1を長くすることができる。
刃物60のチャッキング作業は、まず工具保持孔122に刃物60のシャンク部61を挿入し、次にロールロック式チャッキング構造31でシャンク部61を高精度に把握し、次にサイドロック式チャッキング構造21でシャンク部61を回り止めする。本実施形態によれば、先の作業で締付部材32を回転させて工具保持孔122を縮径し刃物60のシャンク部61を把握することによって、刃物60の軸線がホルダ本体11の軸線と一致し、刃物60のシャンク部61を工具着脱部12で高精度に把握することができる。また、後の作業で2個のサイドロックボルト23a,23bを締め付けることから、軸線Oに一致するよう高精度で把握された刃物60のシャンク部61を上記一致した軸線Oからずれることなく回り止めすることができる。なお、上述した先の作業と後の作業を逆にすると、刃物のシャンク部を工具着脱部で高精度に把握できない。
チャッキング作業を詳細に説明すると、予め図10に示すようにサイドロックボルト23a,23bを緩め方向に回転させて、サイドロックボルト23a,23bの先端部を工具保持孔122から退出させておく。また、締付部材32を緩め方向に回転させて、工具着脱部12を外径方向に復元させ、工具保持孔122の内径寸法を大きくしておく。次に、刃物60のシャンク部61を、軸線方向先端側から工具保持孔122に挿入する。シャンク部61の外周は一部において切削され、90度位相の異なる第1および第2の平坦面62,63が2ヶ所形成されているので、刃物60を回動させて第1平坦面62を貫通孔22aに向き合わせる。これに伴って第2平坦面63も貫通孔22bに向き合わさる。
次に締付部材32を締め付け方向に回転させると、締付部材32の内周面32aと接触するニードルローラ34は自転しながら先端側外周面12aを螺旋状に公転する。そうすると締付部材32は、リテーナ35とともに軸線方向後端側へ徐々に移動する。これにより、共にテーパに形成された内周面32aと外周面12aのくさび作用で、外周面12aは全周に亘り内径方向に強圧されて縮径する。この結果、工具着脱部12の中心に形成された工具保持孔122も縮径し、工具保持孔122に挿入されたシャンク部61前方の円柱部分は、先端側外周面12aの有効把握長L1において、内周面12hによって全周に亘り均等に締め付けられる。したがって工具着脱部12はシャンク部61の外周面を周方向均等に把握する。そしてシャンク部61は工具着脱部12の軸線方向領域で緊密かつ強固に保持され、ホルダ本体11の軸線と刃物60の軸線が一致し、刃物60は軸線Oに沿って高精度に把握される。
また、締付部材32を締め付け方向に回転させてシャンク部61を把握すると、締付部材32の軸線方向後端の環状平面32cとホルダ本体11の環状段差面12cが当接し、Oリング37が締付部材32の軸線方向後端縁とホルダ本体11の環状段差面12cとの間に介在する。これにより、締付部材32と工具着脱部12との間の環状空間33の軸線方向後端開口を封止することができ、異物が環状空間33に侵入することが防止される。
次にサイドロックボルト23a、23bの双方を締め付け方向に回転させて、貫通孔22aにねじ込まれたサイドロックボルト23aの先端面23tを第1平坦面62に当接させ、貫通孔22bにねじ込まれたサイドロックボルト23bの先端面23tを第2平坦面63に当接させる。サイドロックボルト23aの平坦な先端面23tは強い力でシャンク部61後方の第1平坦面62を押すとともにサイドロックボルト23bの平坦な先端面23tは強い力でシャンク部61後方の第2平坦面63を押し、シャンク部61を工具保持孔122に固定する。なお貫通孔22a,22bと同じ軸線方向位置に周溝124が形成されていることから、中央孔132から軸線方向先端側へ向かう切削液は、シャンク部61前方の円柱状部分よりも軸線方向後端側で周溝124に流入する。したがって切削液は滞りなく条溝126に流入する。
これまで説明してきたように、先にロールロック式チャッキング構造31を用いてシャンク部61を把握し、後にサイドロック式チャッキング構造21を用いてシャンク部61を回り止めし、図2および図3に示すようにシャンク部61が工具着脱部12にチャッキングされる。なお、刃物60の取り外しは上述した作業とは逆の手順になる。
次に本発明の他の実施形態を説明する。図8は本発明の他の実施形態になる刃物を示す側面図である。図9は、図8の刃物をチャッキングする工具ホルダを示す縦断面図である。他の実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
他の実施形態になる刃物65は、前述した刃物60の基本構成と共通する他、シャンク部61から刃物65の先端に向かって延びる液体通路66を備える。
また他の実施形態になる工具ホルダ20では、前述した2個のサイドロックボルト23a,23bを備える他、蓋部材41の内周縁と工具保持孔122に差し込まれる刃物65のシャンク部61の外周面との間を封止する環状の内周側シール部材として、Oリング43をさらに備える。工具ホルダ20にチャッキングされるシャンク部61の内部には、刃物65の後端から先端に向かって軸線方向に延びる液体通路66が形成されており、中央小孔133から、工具保持孔122を経由して、液体通路66の後端に切削液が供給される。切削液は、液体通路66を流れて刃物65の先端(図示せず)から噴射し、ワークに到達する。図9の実施形態によれば、蓋部材41の内周縁とシャンク部61の外周面との間を封止する環状のOリング43を備えることから、中央小孔133から工具保持孔122へ流れる切削液が、工具着脱部12の先端から漏れ出ることを防止できる。特に、工具ホルダ20の内周面12hに前述した条溝126が形成される場合に、Oリング43は有効である。
また他の実施形態になる工具ホルダ20では、工具保持孔122の孔底側に設けられて、工具保持孔122に差し込まれる刃物65のシャンク部61の軸線方向位置を規定するストッパ部材51をさらに備える。
ストッパ部材51は、工具着脱部12の内周面12hに固定される固定部材52と、固定部材52に軸線方向変位可能に支持されて刃物65のシャンク部61と当接するアジャスタ部材53とを含む。固定部材52の外周面には、雄ねじ522が形成され、工具保持孔122の孔底近傍で工具着脱部12の内周面12hに形成された雌ねじ12sと螺合する。これにより固定部材52は工具保持孔122に取付固定される。また固定部材52の外周面には、雄ねじ522よりも先端側に環状溝が刻設され、この環状溝に環状のシール部材になるOリング55が取り付けられる。Oリング55は、工具保持孔122と固定部材52との間を封止する第1シール部材である。
さらに固定部材52には軸線方向に貫通する中央孔523が形成され、中央孔523にはアジャスタ部材53が取付固定される。中央孔523の後端側は先端側よりも小径にされ、かかる後端側には雌ねじ部524が形成される。
アジャスタ部材53は、大径の先端部531と、先端部531よりも小径の中央部534と、中央部534よりもさらに小径の後端部535からなり、3つの円柱を直列に結合した形状である。アジャスタ部材53の中心には、軸線方向に貫通する連絡通路532が形成される。連絡通路532の後端側開口は中央小孔133と接続する。連絡通路532の先端側開口はシャンク部61の液体通路66の後端開口と接続する。
大径の先端部531に形成されるアジャスタ部材53の大径先端面533は、工具保持孔122に挿入される刃物65のシャンク部61の後端と面接触するよう当接し、シャンク部61の軸線方向位置を規定する。大径先端面533には、軸線Oを中心とするリング溝が形成され、かかるリング溝には環状のOリング57が取り付けられる。Oリング57はシャンク部61の後端面と隙間なく接触し、大径先端面533とシャンク部61との間を封止する第3シール部材である。これにより、大径先端面533の中心に設けられた連絡通路532の先端開口がシャンク部61の後端面の中心に設けられた液体通路66の後端開口と密封状態で接続する。
アジャスタ部材53の後端部535は、その外周面に雄ねじ部が形成されており、固定部材52の雌ねじ部524と螺合する。かかる螺合により、アジャスタ部材53を回転させると、図9に破線で示すようにアジャスタ部材53の軸線方向位置が調整される。
アジャスタ部材53の中央部534は、固定部材52の中央孔523の先端側に受け入れられる。そしてアジャスタ部材53の中央部534の外周面には環状溝が刻設され、この環状溝に環状のシール部材になるOリング56が取り付けられる。Oリング56は、固定部材52の内周面とアジャスタ部材53の外周面との間を封止する第2シール部材である。
図9に示す実施例によれば、切削液が流れる液体通路である中央孔132および中央小孔133は、ホルダ本体11の装着部13から工具保持孔122の孔底123まで延びる。また、アジャスタ部材53は、固定部材52に形成された軸線方向に貫通する中央孔523に取付固定され、工具保持孔122の孔底123側と工具保持孔122の開口側とを連通する連絡通路532と、軸線方向先端側端面である大径先端面533と刃物65のシャンク部61の後端面との間を封止する環状のOリング57とを有する。これにより、連絡通路532を介してホルダ本体11の中央小孔133と刃物65の液体通路66を確実に連通することができる。
また固定部材52は、固定部材52と工具保持孔122との間を封止する環状のOリング55を有し、アジャスタ部材53は中央孔523の周壁面とアジャスタ部材53との間を封止する環状のOリング56とを有することから、貫通孔22a,22bへ向かって切削液が流れ出ることを防止することができる。
次に図10の縦断面図を参照しつつ、サイドロック式チャッキング構造の変形例を説明する。変形例では、貫通孔22aの外径側部分22mに環状溝を形成し、かかる環状溝にスナップリング26を取付固定する。スナップリング26は、C字状であって、サイドロックボルト23aよりも外径側に位置し、サイドロックボルト23aが貫通孔22aから外方(外径側)へ抜け出ることを防止する抜け止め部材である。これにより、工具ホルダ10の高速回転時において、万一サイドロックボルト23aが緩んでも、サイドロックボルト23aの抜け出しを防止することができる。スナップリング26は貫通孔22bにも同様に設けられる。
図10は、サイドロックボルト23aを緩め方向に回転させ、サイドロックボルト23aの頭部23mをスナップリング26に当接させた状態を示す。このようにサイドロックボルト23aを外径側に移動させると、サイドロックボルト23aの先端面23tは工具保持孔122の外へ退出する。かかる変形例によれば、平坦な当接平面が切り欠くように形成されない円柱形状のシャンク部61を挿入することができる。なお、ロールロック式チャッキング構造31でシャンク部61を把握することができる。
次に図11の縦断面図を参照しつつ、サイドロック式チャッキング構造の他の変形例を説明する。図11に示す変形例では、サイドロックボルト23aがボルト本体231と押え部材232とを含む。ボルト本体231は、長手方向後端部に大径の頭部23mを、長手方向中央領域に小径の雄ねじ23sをそれぞれ有する。ボルト本体231の長手方向先端には球面状の窪みが形成され、この窪みにボール状の押え部材232が嵌合する。押え部材232はその先端に平坦な押え面23tが形成されている。このように押え部材232はボルト本体231に球面で支持されているため、押え面23tはボルト本体231の中心軸線回りに回転することができるとともに、ボルト本体231の中心軸線に対して傾斜することができる。したがって押え部材232はボルト本体231に対して向きを自在に変更することができる。また押え部材232のボルト本体231への取り付けは、図12の変形例の他、ユニバーサルなジョイントのように自由に向きを変えることができるものであればよい。
ボルト本体231を貫通孔22aの雌ねじ22sに螺合させて締付方向に回転させると、サイドロックボルト23aは工具保持孔122に進出して、サイドロックボルト23aの押え面23tが第1平坦面62と当接する。引き続きボルト本体231を締付方向に回転させると、押え面23tは第1平坦面62に倣って向きを変え、第1平坦面62に面接触する。
このように図11の変形例によれば、シャンク部61の第1平坦面62がサイドロックボルト23aの進出方向と厳密に直交しない場合であっても、押え部材232の押え面23tがシャンク部61の第1平坦面62に倣って向きを変え、第1平坦面62に面接触する。したがって、サイドロックボルト23aがシャンク部61の第1平坦面62を確りと押圧して、シャンク部61を一層確実にチャッキングすることができる。なお第2のサイドロックボルト23bについても、第1のサイドロックボルト23aと同様に構成すればよい。
次に図12の斜視図を参照しつつ、本発明の変形例になる刃物のシャンク部を説明する。図12に示す変形例において、第1平坦面62および第2平坦面63は、摩擦係数が高くなるよう表面処理されている。具体的には、ショットピーニングによって微細な凹凸形状にされている。
ショットピーニングは、多数の粒子を被加工表面に投射する冷間加工法のことであり、被加工表面に多数の凹凸を形成する。ショットピーニング処理を行った第1平坦面62および第2平坦面63には圧縮応力が残留するので、疲れ寿命が向上する。
このように図12の変形例によれば、第1平坦面62および第2平坦面63の少なくとも一方は、摩擦係数が高くなるよう表面処理されていることから、サイドロックボルト23a,23bと当接する際、第1平坦面62とサイドロックボルト先端面(押え面)23tが互い滑り難くなり、サイドロックボルト23aが第1平坦面62を確実に押圧することができる。したがって、シャンク部61が工具ホルダ10,20から一層抜け難くなる。
また第1平坦面62および第2平坦面63を上述のように表面処理することに代えて、サイドロックボルト23aの先端面(押え面)23tに摩擦係数が高くなるよう表面処理してもよい。かかる変形例によっても、第1平坦面62とサイドロックボルト先端面(押え面)23tが互い滑り難くなり、サイドロックボルト23aが第1平坦面62を確実に押圧することができる。したがって、シャンク部61が工具ホルダ10,20から一層抜け難くなる。しかも、第1平坦面62および第2平坦面63を上述のように表面処理する場合よりも加工が簡単になる。サイドロックボルト23bの先端面(押え面)についても摩擦係数が高くなるよう表面処理してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になる刃物のシャンク構造および工具ホルダは、工作機械において有利に利用される。
10 工具ホルダ、 11 ホルダ本体、 12 工具着脱部、 13 装着部、 20 工具ホルダ、 21 サイドロック式チャッキング構造、 22a,22b 貫通孔、 22s 雌ねじ、 23a,23b サイドロックボルト、 23t 先端面(押え面)、 24 Oリング、 25 凹部、 31、ロールロック式チャッキング構造、 32 締付部材、 34 ニードルローラ、 35 リテーナ、 37 Oリング、 41 蓋部材、 42,43 Oリング、 51 ストッパ部材、 52 固定部材、 53 アジャスタ部材 55,56 Oリング、 57 Oリング、 60 刃物、 61 シャンク部、 62 第1平坦面、 63 第2平坦面、 65 刃物、 66 液体通路、 122 工具保持孔、 126 条溝、 231 ボルト本体、 232 押え部材、 415 噴射口。

Claims (5)

  1. 軸線方向先端から軸線方向後端側に向かって延びる内径一定の工具保持孔を中心に有する筒状の工具着脱部と、
    前記工具着脱部の軸線方向先端側の領域に設けられて、前記工具着脱部の先端から後端側に向かって所定の有効把握長に亘って前記工具着脱部を縮径させることにより、前記工具保持孔に差し込まれる刃物のシャンク部のうち当該シャンク部の後端部よりも前方で半径一定の外周面を有する円柱部分に対し、当該円柱部分における全ての外周を前記工具着脱部の内周面の全周に密着させて、前記刃物の軸線が前記工具着脱部の軸線に一致するよう前記シャンク部を芯出しおよび把握する芯出し用把握手段と、
    前記工具着脱部の軸線方向後端部に設けられて、60度以上120度以下の所定角度で離れた周方向に異なる箇所で前記工具着脱部の外周面から内周面まで延びる第1および第2の貫通孔と、これら貫通孔にそれぞれ螺合する第1および第2のサイドロックボルトとを有し、前記第1および第2の貫通孔は、外径側が内径側よりも軸線方向先端側になるよう軸線直角方向に対して1度以上10度以下の所定角度で傾斜して延び、前記第1および第2のサイドロックボルトは、前記刃物のシャンク部の円柱部分が前記芯出し用把握手段によって芯出しおよび把握された状態で、ねじ込まれて第1および第2のサイドロックボルトの先端に形成された平坦な先端面を前記刃物のシャンク部の後端部の外周に形成された第1および第2の傾斜した平坦面にそれぞれ当接させるサイドロック式チャッキング構造と
    前記工具保持孔の孔底側に設けられて、工具保持孔に差し込まれる刃物のシャンク部の軸線方向位置を規定するストッパ部材とを備え、
    これら芯出し用把握手段およびサイドロック式チャッキング構造によって前記刃物のシャンク部をチャッキングするよう構成される工具ホルダ。
  2. 前記芯出し用把握手段は、前記工具着脱部の外周面に形成されて軸線方向先端側に向かって細くなるテーパと、内周面が前記外周面と同じ角度のテーパに形成されて、前記サイドロックボルトよりも軸線方向先端側で前記工具着脱部の外周面を包囲する筒状の締付部材と、前記締付部材の内周面と前記工具着脱部の外周面との間の環状空間に配置される複数のニードルローラと、これらのニードルローラを前記軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜するように保持するリテーナとを含み、
    前記締付部材を回転することにより前記ニードルローラを自転させつつ螺旋状に公転させて前記工具着脱部の内周面を縮径または復元させるよう構成される、請求項1に記載の工具ホルダ。
  3. 前記サイドロックボルトは、
    前記貫通孔に螺合するボルト本体と、
    刃物のシャンク部と当接する押え面が形成され、前記ボルト本体の先端部に押え面の向きが変更自在となるように取り付けられた押え部材とを含む、請求項1または2に記載の工具ホルダ。
  4. 前記サイドロックボルトの平坦な先端面は、摩擦係数が高くなるよう表面処理されている、請求項1〜3のいずれかに記載の工具ホルダ。
  5. 前記ストッパ部材は軸線方向に貫通する連絡通路を有し、
    前記連絡通路の先端側開口は、刃物のシャンク部に設けられた液体通路の後端開口と接続するよう構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の工具ホルダ。
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