JP3214842U - アングルヘッドホルダ用チャッキング構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】アングルヘッドホルダから先端側へ突出する工具の突出距離を短くし、加工精度を向上できるアングルヘッドホルダ用チャッキング構造を提供する。【解決手段】アングル軸スピンドル13は先端中心孔を有し、テーパコレット41は先端中心孔から後端側へ向かって延びるテーパ穴32に差し込まれ、先端中心孔内に配置されるロック部材51は外周に雄ねじ部52を有し、先端中心孔の内周に形成される雌ねじ部31nに螺合してテーパコレットをテーパ穴に押し込む。ロック部材とテーパコレットとの間には平坦なプレーンベアリング61が介在する。【選択図】図5

Description

本考案は、アングルヘッドホルダに関し、特にアングルヘッドホルダに刃物等の工具のシャンク部をチャッキングする構造に関する。
先端部にテーパ穴を有するコレットチャック本体と、このテーパ穴に差し込まれるテーパコレットと、コレットチャック本体の先端部に螺合するロックナットを備える工具ホルダとしては従来、例えば、特許第3899324号公報(特許文献1)および特許第4070942号公報(特許文献2)に記載のごときものが知られている。特許文献1および特許文献2に記載の工具ホルダに工具のシャンク部をチャッキングする場合、袋状のロックナットを締め付け方向に回転させるとよい。これにより、袋状のロックナットがテーパコレットをテーパ穴の奥へ押し込み、テーパコレットは縮径する。テーパコレットの中心孔に挿通される工具のシャンク部は、テーパコレットに締め付けられて、工具ホルダにチャッキングされるというものである。
袋状のロックナットは、内周に雌ねじを有する円筒部と、先端部から内径方向に広がる蓋部とを有する。ロックナットの円筒部は、コレットチャック本体の先端領域を包囲して、円筒部の雌ねじ部がコレットチャック本体の先端領域外周に形成される雄ねじと螺合する。ロックナットの蓋部は、先端側からコレットチャック本体のテーパ穴を覆う。
先端側のロックナットと後端側のテーパコレットの間には、ベアリングワッシャが介在する。ベアリングワッシャは、スラスト部材ともいい、先端側のロックナットから後端側のテーパコレットに軸方向の押し込み力を伝達する。
ベアリングワッシャは、回転するロックナットと回転しないテーパコレットの間で摩擦抵抗を大幅に低減する。これにより、ロックナットを締め付けて回転させる際、テーパコレットへの押し込み力が均一に作用するので、デーパコレットは傾くことなく、テーパ穴に倣って確実に押し込まれる。特許文献1および特許文献2によれば、工具のシャンク部を工具ホルダに適切にチャッキングできる。
特許第3899324号公報 特許第4070942号公報
ところで工具ホルダには、特許文献1および特許文献2に記載されるように工具を工作機械の主軸と同軸にチャッキングするタイプの他、機械主軸回転の方向を変えるアングルヘッドホルダが知られている。図9はアングルヘッドホルダを示す模式図である。一点鎖線で表される工作機械の主軸およびメインスピンドルの軸線Xと、工具およびアングル軸スピンドルの軸線Oは交点Aで交差する。ロックナットNは軸線O方向先端に配置される。
特許文献1および特許文献2に記載される袋状のロックナットを、アングルヘッドホルダのロックナットNに適用する場合、袋状のロックナットNが螺合するための雄ねじTを、アングル軸スピンドルの先端部外周に設ける必要がある。
また袋状のロックナットNをアングル軸スピンドルの先端部に被せることができるよう、アングル軸スピンドルをアングルヘッドホルダ本体から十分に突出させる必要がある。
そうすると工作機械の主軸に沿って延びる軸線Xと、交点AからロックナットN先端までの長さ(以下、突出距離Loという)が長くなってしまう。
昨今のアングルヘッドホルダにあっては切削加工システムの小型化、あるいは加工精度の向上を目的として、交点AからロックナットN先端までの長さ(突出距離Lo)を短縮する事が求められている。突出距離Loが短くなれば、交点Aから刃具Dの刃先Dtまでの距離が短くなり、加工精度の向上に資するためである。
本考案は、上述の実情に鑑み、交点Aから刃具Dの刃先Dtまでの距離を、従来よりも短縮化するアングルヘッドホルダのためのチャッキング構造を提供することを目的とする。
この目的のため本考案は、工作機械の主軸と連結可能なメインスピンドルと、メインスピンドルの軸線と異なる角度で配置されるアングル軸スピンドルと、メインスピンドルおよびアングル軸スピンドルをそれぞれ回転自在に保持するとともにメインスピンドルの回転をアングル軸スピンドルに伝達するアングルヘッドホルダ本体とを具備するアングルヘッドホルダに設けられ、アングル軸スピンドルに工具のシャンク部をチャッキングするための構造であって、アングル軸スピンドルの先端に形成される先端中心孔と、先端中心孔の内周に形成される雌ねじ部と、アングル軸スピンドルに形成されて先端中心孔から後端側に向かって延びるテーパ穴と、内周に形成される工具挿通孔および外周に形成されるテーパ面を有しアングル軸スピンドルのテーパ穴に差し込まれるテーパコレットと、スパナと係合するための被係合部および外周に形成される雄ねじ部を有し雄ねじ部が先端中心孔内で雌ねじ部に螺合してテーパコレットをテーパ穴に押し込むことにより工具挿通孔を縮径させる環状のロック部材と、ロック部材に設けられて後端側へ指向する環状の平坦な押圧面と、テーパコレットの先端部に設けられて先端側へ指向する環状の平坦な受け面との間に介在する環状のプレーンベアリングとを備える。
かかる本考案によれば、テーパコレットをテーパ穴に押し込むロック部材が、スピンドルの先端中心孔内に入り込む。したがってアングル軸スピンドルの先端からみて、アングル軸スピンドルにチャッキングされる工具の先端までの突出距離が、従来よりも短縮化される。さらにロック部材の締め込み時に、プレーンベアリングによって、テーパコレットがテーパ穴の軸線に倣うように押し込まれる。したがって工具の軸線をアングル軸スピンドルの軸線に一致させることができる。本考案によれば、工具でワークを切削加工する際の加工精度が益々向上する。
押圧面およびプレーンベアリングの配置箇所は特に限定されないが本考案の好ましい実施形態としてロック部材のロック部材中心孔は、軸線方向中央部分の内径が後端部分の内径よりも小さくなるように形成され、これらの内径差によって構成される環状段差に押圧面が設けられ、プレーンベアリングはロック部材中心孔の後端部分に収納され、ロック部材中心孔の後端部分の内周に設けられてプレーンベアリングを抜け止めする抜け止め手段をさらに備える。かかる実施形態によれば、プレーンベアリングの厚み寸法がロック部材の軸線方向長に重なることから、アングル軸スピンドル軸線とメインスピンドル軸線の交点から工具の先端までの距離の短縮化に資する。またロック部材をコレットチャック本体から分離する際、プレーンベアリングが不用意に脱落することが防止される。
ロック部材はテーパコレットを軸線方向後端側へ押し込むものであればよいが、本考案の好ましい実施形態としてテーパコレットは、受け面よりも内径側の環状部分から先端側へ突出する環状のノーズ部、およびノーズ部の先端部分から外径側に突出する鍔部をさらに有する。ロック部材は、ロック部材中心孔でノーズ部の根元部分を包囲して、テーパコレットの受け面と鍔部との間に係止される。かかる実施形態によれば、テーパコレットがロック部材に係合することから、ロック部材を緩め方向に回転させると、テーパコレットがテーパ穴から引き出されるので、工具をアングル軸スピンドルから分離する作業を効率良く行うことができる。
ロック部材は、締め付け方向あるいは緩め方向に回転されるため、スパナ等と係合するための被係合部を有する。被係合部の形状は特に限定されないが本考案の好ましい実施形態として、ロック部材中心孔は先端部分の内径が後端部分の内径よりも小さくなるよう形成され、ロック部材の被係合部はロック部材の周方向に間隔を空けて複数設けられて先端側へ指向する有底の丸穴であり、かかる丸穴はロック部材中心孔の先端部分よりも外径側かつロック部材の雄ねじ部よりも内径側に配置される。かかる実施形態によれば、被係合部がロック部材から先端側へ突出しないため、ロック部材の小型化に資する。
プレーンベアリングは、ロック部材とテーパコレットとの間の摩擦を低減して、ロック部材の回転を円滑にし、テーパコレットがスピンドルのテーパ穴に倣うようにする。本考案の好ましい実施形態として、ロック部材の押圧面、テーパコレットの受け面、ロック部材の押圧面と摺接するプレーンベアリングの先端側端面、およびテーパコレットの受け面と摺接するプレーンベアリングの後端側端面のうち少なくとも1つの面が低摩擦となるよう表面処理を施されるとよい。表面処理は例えばプレーンベアリングの両端面に施される。表面処理は、コーティング処理あるいは磨き処理である。コーティング処理とはプレーンベアリングの表面に低摩擦層を形成することをいう。磨き処理とはプレーンベアリングの表面自体を円滑に形成することをいう。
このように本考案によれば、スピンドルの軸線方向長とロック部材の軸線方向長が重なる。アングル軸スピンドルの先端からみて、アングル軸スピンドルにチャッキングされる工具の先端までの突出距離は、従来よりも短縮される。
本考案の一実施形態になるアングルヘッドホルダを示す全体図である。 図1に示す実施形態の先端部を拡大して示す図である。 同実施形態からアングル軸スピンドルを取り出して示す縦断面図である。 図3のアングル軸スピンドルの先端部を拡大して示す縦断面図である。 図4に示すチャッキング構造を示す分解図である。 同実施形態のロック部材を取り出して示す正面図である。 同実施形態のプレーンベアリングを示す正面図である。 同実施形態のプレーンベアリングおよびロック部材を示す分解縦断面図である。 従来のアングルヘッドホルダを模式的に示す全体図である。
以下、本考案の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は本考案の一実施形態になるアングルヘッドホルダを示す全体図である。アングルヘッドホルダ10は、一種の工具ホルダであり、アンギュラヘッドとも称する。アングルヘッドホルダ10は、主な構成要素として、アングルヘッドホルダ本体11と、メインスピンドル12と、アングル軸スピンドル13とを備える。アングルヘッドホルダ10は、鉄を主成分とする金属製であり、好ましくは鋼製である。アングルヘッドホルダ本体11は、メインスピンドル12を回転自在に支持するベアリング(図示せず)と、アングル軸スピンドル13を回転自在に支持するベアリング(図示せず)とを内蔵し、これらスピンドルをそれぞれ回転自在に支持する。
アングルヘッドホルダ本体11は、メインスピンドル12の回転中心を通る軸線Xに沿って前後方向に延びる。メインスピンドル12は、アングルヘッドホルダ本体11の後端部から後方へ突出する。またアングルヘッドホルダ本体11の後端部には支持部14が設けられる。支持部14は軸線Xに対して直角方向に突出し、かかる突出部分に設けられる連結部15が図示しない工作機械に保持される。これによりアングルヘッドホルダ本体11は、メインスピンドル12との共回りを規制される。
メインスピンドル12から遠い方に位置するアングルヘッドホルダ本体11の先端部には、アングル軸スピンドル13が差し込まれる丸穴が形成される。アングル軸スピンドル13の軸線Oは、メインスピンドル12の軸線Xと交差する。これら軸線の交差角度は、30°、45°、60°等、特に限定されないが、図1に示す実施形態では90°である。
アングル軸スピンドル13の大部分は、アングルヘッドホルダ本体11に没入するが、残りの先端部がアングルヘッドホルダ本体11から露出する。軸線Xから離れるように延びるアングル軸スピンドル13の先端部には、刃物等の工具100をチャッキングするための構造が設けられる。
アングルヘッドホルダ本体11内部にはメインスピンドル12とともに回転する主軸側歯車(図示せず)と、アングル軸スピンドル13とともに回転するアングル軸側歯車(図示せず)が内設され、これらの歯車が互いに噛合する。
図1に示すようにメインスピンドル12に回転を入力されると、かかる回転はアングル軸スピンドル13から出力され、工具100を回転させる。このようなアングルヘッドホルダ10によれば、工作機械の主軸からメインスピンドル12に入力される入力回転を、メインスピンドル12の軸線Xの延在方向とは異なる方向に指向するアングル軸スピンドル13の軸線O回りの出力回転として出力可能になる。したがってアングル軸スピンドル13にチャッキングされる工具100の軸線Oを軸線Xとは異なる角度にして、工具100の延在方向を変えることができる。
次に工具100のチャッキング構造につき説明する。
図2は、図1に示すアングルヘッドホルダ、特にアングル軸スピンドル、の先端部を拡大して示す側面図であり、チャッキング構造を破線で表す。図3は、アングル軸スピンドルを取り出して示す縦断面図である。図4は、図3のアングル軸スピンドルの先端部を拡大して示す縦断面図であり、本考案のチャッキング構造全体を表す。図5は、図4に示すチャッキング構造を示す分解図である。
本考案のチャッキング構造は主にアングル軸スピンドル13と、テーパコレット41と、ロック部材51と、プレーンベアリング61とを備え、工具100のシャンク部101をチャッキングする。工具100は例えば、エンドミルやドリルといった、切削加工に使用される刃具等を含む。以上のように構成したアングルヘッドホルダは、工作機械の主軸回転を伝達する主軸側歯車(図示せず)およびアングル軸側歯車(図示せず)によって、工具100を把握するアングル軸スピンドル13を回転させて、切削加工を行う。
図3に示すように、アングル軸スピンドル13の先端部の内周は先端中心孔31を区画する。先端中心孔31は軸線Oに関し一定の内径を有し、先端中心孔31の底面31bでテーパ穴32と接続する。先端中心孔31の内径はテーパ穴32よりも大きい。底面31bは、工具100のシャンク部101をチャッキングする軸線O方向領域の先端に相当し、ゲージラインに略等しい。先端中心孔31およびテーパ穴32の中心は軸線Oに一致する。テーパ穴32には先端中心孔31からテーパコレット41が差し込まれる。また先端中心孔31にはロック部材51が配置される。
アングル軸スピンドル13の先端面13tから後端側へ窪んでいる先端中心孔31の内周には雌ねじ部31nが形成される。詳しくは後述するが、雌ねじ部31nはロック部材51の外周に形成される雄ねじ部52と螺合する。
テーパ穴32は、底面31bからアングル軸スピンドル13の後端側に向かうにつれて内径が小さくなる。テーパ穴32の後端は、アングル軸スピンドル13の貫通孔33と接続する。貫通孔33はアングル軸スピンドル13の後端まで延びる。つまりアングル軸スピンドル13は、自身の軸線Oに沿って延びる貫通孔を有する。軸線Oと、メインスピンドル12(図2)の軸線Xとの交点Aは、アングル軸スピンドル13の後端部に位置する。
テーパコレット41は中心に工具挿通孔49を有する。工具挿通孔49はテーパコレット41の先端から後端まで貫通するように延びる。テーパコレット41の外周には、後端から先端に向かうほど大径になるテーパ面42が形成される。テーパ面42よりも先端側には、先端側に指向する平坦な環状の受け面43が設けられる。
テーパコレット41は、先端部に環状のノーズ部44および鍔部45をさらに有する。環状のノーズ部44は、受け面43よりも内径側の環状部分から先端側へ突出する。鍔部45はノーズ部44の先端部分から外径側に突出する。
テーパコレット41は、すり割り46,47をさらに有する。すり割り46,47は周方向に間隔を空けて複数本配置される。またすり割り46,47は、テーパコレット41の先端領域と後端領域にそれぞれ互い違いに配置される。すり割り46はテーパコレット41の先端から後端に向かって延びる。このためテーパ面42の先端側部分、ノーズ部44、および鍔部45は、周方向に不連続にされる。すり割り47はテーパコレット41の後端から先端に向かって延びる。このためテーパ面42の後端側部分は周方向に不連続にされる。
ロック部材51は環状の部材であり、外周に雄ねじ部52が形成される。ロック部材51の平坦な環状の先端面53には、図示しないスパナと係合するための被係合部54が設けられる。図7は本実施形態のロック部材51を示す正面図である。被係合部54は周方向に間隔を空けて配置される有底の丸穴である。本実施形態の被係合部54は、180°間隔の2箇所に設けられる。スパナは各被係合部54に対応するピン状の突起を複数有し、各被係合部54に係合して、ロック部材51に締め付け方向および緩め方向のトルクを付与する。この点については後で詳細に説明する。
ロック部材51の中心に形成されるロック部材中心孔は先端部分55と中央部分56と後端部分57がこの順序で連続してなる。先端部分55の内径は中央部分56の内径よりも大きい。このため先端部分55と中央部分56の接続箇所には環状段差58が形成される。環状段差58は先端側へ指向する環状面である。ロック部材中心孔の先端部分55は、ロック部材51の先端面53と接続する。
有底の小穴である各被係合部54の軸線O方向長は、図4に示すように先端部分55の軸線O方向長以下にされるか、あるいは図示はしなかったが先端部分55よりも後端側に延びる。後者の場合、被係合部54の穴底の軸線O方向位置は、中央部分56と重なる。いずれにせよ各被係合部54は、後端部分57よりも先端側に配置される。
ロック部材中心孔の後端部分57の内径は先端部分55の内径よりも大きい。このため後端部分57と中央部分56の接続箇所にも環状段差が形成される。この環状段差は後端側へ指向する環状の平坦な押圧面59を構成する。詳しくは後述するが、押圧面59はテーパコレット41に押圧力を付与する。
ロック部材51の押圧面59と、テーパコレット41の受け面43との間には、プレーンベアリング61が介在する。図6は、本実施形態のプレーンベアリング61を示す正面図である。プレーンベアリング61は、厚み一定の環状の円板であり、焼入・研磨された鋼板等により環板状に成形される。プレーンベアリング61の平坦な両端面、すなわち後端側端面および先端側端面には、受け面43および押圧面59との摩擦抵抗を低減するための表面処理が施されている。そのような表面処理は例えば、イオン窒化処理、DLC(Diamond Like Carbon)コーティング処理、TiNコーティング処理、鏡面状ラッピング処理、および磨き処理等である。プレーンベアリング61の両端面は、上述した処理と併用して、あるいは別個に、油膜潤滑されていてもよい。
プレーンベアリング61の先端側端面と面接触するロック部材51の押圧面59も、プレーンベアリング61の両端面と同様に、摩擦係数を下げるよう表面処理された低摩擦平面であってもよい。プレーンベアリング61の後端側端面と面接触する受け面43も同様である。
図4に示すようにプレーンベアリング61の板厚は後端部分57の軸線O方向長よりも小さく、プレーンベアリング61はロック部材中心孔の後端部分57の中に収納される。後端部分57の内周面には、僅かに突出する突起57pが設けられる。プレーンベアリング61は後端部分57の中に収納可能とされるために、弾性変形可能である。突起57pは、例えば周方向に間隔を空けて複数配置され、プレーンベアリング61の外縁と係合する。プレーンベアリング61は突起57pによってロック部材中心孔の後端部分57から抜け出さないように抜け止めされ、押圧面59と隣り合うように保持される。図7は、本実施形態のプレーンベアリング61およびロック部材51を示す分解図である。図7に示すようにプレーンベアリング61は、突起57pを乗り越えてロック部材51から分離可能であり、適宜交換可能とされる。
次に、刃具等の工具をアングルヘッドホルダ10にチャッキングする手順について説明する。
まず作業者は、ロック部材51を緩め方向に予め回転させておく。ロック部材51が工具ホルダ先端から先端側へ突出する程度に緩められている場合、テーパコレット41の工具挿通孔49は十分に拡径される。次に作業者は、工具100のシャンク部101をロック部材51の先端側からロック部材中心孔およびプレーンベアリング61の中心孔を経て工具挿通孔49に差し込む。
次に作業者は、スパナをロック部材51に係合させて、ロック部材51を締め付け方向に回転させる。そうするとロック部材51は軸線O方向に徐々に後退し、ロック部材51の押圧面59がプレーンベアリング61を介してテーパコレット41の受け面を押圧する。そうするとテーパコレット41はスピンドルのテーパ穴32に押し込まれ、工具挿通孔49が徐々に縮径する。これによりシャンク部101は全周に亘ってテーパコレット41に締め付けられ、工具100はアングルヘッドホルダ10にチャッキングされる。
なおロック部材51がテーパコレット41を後端側へ押し込む際、摩擦係数の少ないプレーンベアリング61が両者に介在することから、両者間の摩擦が低減される。このためテーパコレット41が非回転であってもロック部材51は回転し易くなる。またテーパコレット41とロック部材51との間で、軸線O直角方向の相対移動が可能になる。したがって何らかの理由によってロック部材51がスピンドルの軸線Oから僅かに芯ずれする場合であっても、テーパコレット41はテーパ穴32に倣って押し込まれ、テーパコレット41の軸線がスピンドルの軸線Oに一致する。したがって本実施形態によれば、工具100がスピンドルの軸線Oに一致するようチャッキングされ、工具100の芯ずれが防止される。
工具100をスピンドルから分離(アンチャッキング)する場合、上述した手順と逆の手順を実行すればよい。
本実施形態の構造は、工作機械の主軸と連結可能なメインスピンドル12と、メインスピンドル12の軸線Xと異なる角度、軸線O、で配置されるアングル軸スピンドル13と、メインスピンドル12およびアングル軸スピンドル13をそれぞれ回転自在に保持するとともにメインスピンドル12の回転をアングル軸スピンドル13に伝達するアングルヘッドホルダ本体11とを具備するアングルヘッドホルダ10に設けられ、アングル軸スピンドル13に工具100のシャンク部101をチャッキングするためのアングルヘッドホルダ用チャッキング構造である。かかるアングルヘッドホルダ用チャッキング構造は、アングル軸スピンドル13の先端に形成される先端中心孔31と、先端中心孔31の内周に形成される雌ねじ部31nと、アングル軸スピンドル13に形成されて先端中心孔31から後端側に向かって延びるテーパ穴32と、内周に形成される工具挿通孔49、および外周に形成されるテーパ面42を有しテーパ穴32に差し込まれるテーパコレット41と、スパナと係合するための被係合部54、および外周に形成される雄ねじ部52を有しかかる雄ねじ部52が先端中心孔31内で雌ねじ部31nに螺合してテーパコレット41をテーパ穴32に押し込むことにより工具挿通孔49を縮径させる環状のロック部材51と、ロック部材51に設けられて後端側へ指向する環状の平坦な押圧面59と、テーパコレット41の先端部に設けられて先端側へ指向する環状の平坦な受け面43との間に介在する環状のプレーンベアリング61とを備える。
かかる本実施形態によればロック部材51はアングル軸スピンドル13の先端中心孔31内に配置されることから、袋状のロックナットを備える従来のアングルヘッドホルダと比較して、交点Aからアングル軸スピンドル13先端までの突出距離Ln(図2)を図9に示す従来の突出距離Loよりも短くすることができる。したがって交点Aから工具100先端までの距離も従来よりも短くなり、加工精度が向上する。また低摩擦となるよう表面処理されるプレーンベアリング61によって、工具100の軸線を工具スピンドルの軸線Oに一致させることができる。したがって本実施形態によれば、工具100でワークを切削加工する際の加工精度が向上する。
また本実施形態では、ロック部材51の外径寸法が先端中心孔31の内径寸法に等しいことから、図1に示すようにアングル軸スピンドル13はロック部材51を収納可能である。したがってロック部材51の軸線O方向長は、アングル軸スピンドル13の軸線O方向長に完全に重なり、ロック部材51の先端面53をアングル軸スピンドル13の先端面13tよりも後退させることができる。
またロック部材51のロック部材中心孔において、軸線O方向における中央部分56の内径が後端部分57の内径よりも小さくなるように形成され、押圧面59は、中央部分56と後端部分57の内径差によって構成される環状段差に設けられる。また本実施形態のプレーンベアリング61は後端部分57に収納されることから、アングルヘッドホルダ10がプレーンベアリング61の板厚だけ長くならず、交点Aからアングル軸スピンドル13先端までの突出距離Ln(図2)を短くすることができる。また本実施形態のロック部材中心孔の後端部分57の内周には、プレーンベアリング61を抜け止めする抜け止め手段としての突起57pがさらに設けられる。これによりロック部材51をアングル軸スピンドル13から分離する際、プレーンベアリング61が不用意に脱落することが防止される。
またテーパコレット41は、受け面43よりも内径側の環状部分から先端側へ突出する環状のノーズ部44、およびノーズ部44の先端部分から外径側に突出する鍔部45をさらに有する。つまりノーズ部44の根元部分は、受け面43と鍔部45の間でくびれている。かかるテーパコレット41のくびれ部にはロック部材51が係合する。具体的にはロック部材51は、ロック部材中心孔でノーズ部44の根元部分を包囲して、テーパコレット41の受け面43と鍔部45との間に係止される。これにより工具100をアングルヘッドホルダ10から分離する際、ロック部材51を緩め方向に回転させると、テーパコレット41がロック部材51とともに前進し、工具挿通孔49を拡径させることができる。本実施形態によれば工具100をアングルヘッドホルダ10から分離する作業を効率良く行うことができる。
またロック部材中心孔のうち軸線O方向の中央部分56の内径が先端部分55の内径よりも小さくなるよう形成され、テーパコレット41の鍔部45は、ロック部材中心孔の先端部分55に収納されるので、交点Aからアングル軸スピンドル13の先端面13tまでの突出距離Ln(図2)を一層短くすることができる。
またロック部材中心孔のうち先端部分55の内径が前記後端部分の内径よりも小さくなるよう形成され、被係合部54はロック部材51の周方向に間隔を空けて複数設けられて先端側へ指向する有底の丸穴であり、これらの丸穴はロック部材中心孔の先端部分55よりも外径側、かつロック部材51の雄ねじ部52よりも内径側に配置されることから、ロック部材51の小型化に資する。
またプレーンベアリング61に施される表面処理は、コーティング処理あるいは磨き処理である。
以上、図面を参照してこの考案の実施の形態を説明したが、本考案は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本考案と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本考案のチャッキング構造は、工作機械において有利に利用される。
10 アングルヘッドホルダ、 11 アングルヘッドホルダ本体、
12 メインスピンドル、 13 アングル軸スピンドル、
14 支持部、 15 連結部、 31 先端中心孔、
31b 先端中心孔の底面、 31n 雌ねじ部、
32 テーパ穴、 33 嵌合部、
34 フランジ部、
35 先端環状部、
41 テーパコレット、 42 テーパ面、
43 受け面、 44 ノーズ部、 、45 鍔部、
46,47 すり割り、 49 工具挿通孔、 51 ロック部材、
52 雄ねじ部、 54 被係合部(丸穴)、
55,56,57 ロック部材中心孔、 57p 突起(抜け止め手段)、
59 押圧面、 61 プレーンベアリング、 100 工具、
101 シャンク部、 O 軸線。

Claims (4)

  1. 工作機械の主軸と連結可能なメインスピンドルと、前記メインスピンドルの軸線と異なる角度で配置されるアングル軸スピンドルと、前記メインスピンドルおよび前記アングル軸スピンドルをそれぞれ回転自在に保持するとともに前記メインスピンドルの回転を前記アングル軸スピンドルに伝達するアングルヘッドホルダ本体とを具備するアングルヘッドホルダに設けられ、前記アングル軸スピンドルに工具のシャンク部をチャッキングするための構造であって、
    前記アングル軸スピンドルの先端に形成される先端中心孔と、
    前記先端中心孔の内周に形成される雌ねじ部と、
    前記アングル軸スピンドルに形成されて前記先端中心孔から後端側に向かって延びるテーパ穴と、
    内周に形成される工具挿通孔、および外周に形成されるテーパ面を有し前記テーパ穴に差し込まれるテーパコレットと、
    スパナと係合するための被係合部、および外周に形成される雄ねじ部を有し、前記雄ねじ部が前記先端中心孔内で前記雌ねじ部に螺合して前記テーパコレットを前記テーパ穴に押し込むことにより前記工具挿通孔を縮径させる環状のロック部材と、
    前記ロック部材に設けられて後端側へ指向する環状の平坦な押圧面と、前記テーパコレットの前記先端部に設けられて先端側へ指向する環状の平坦な受け面との間に介在する環状のプレーンベアリングとを備える、アングルヘッドホルダ用チャッキング構造。
  2. 前記ロック部材のロック部材中心孔は、軸線方向中央部分の内径が後端部分の内径よりも小さくなるように形成され、これらの内径差によって構成される環状段差に前記押圧面が設けられ、
    前記プレーンベアリングは、前記後端部分に収納され、
    前記ロック部材中心孔の前記後端部分の内周に設けられて前記プレーンベアリングを抜け止めする抜け止め手段をさらに備える、請求項1に記載のアングルヘッドホルダ用チャッキング構造。
  3. 前記テーパコレットは、前記受け面よりも内径側の環状部分から先端側へ突出する環状のノーズ部、および前記ノーズ部の先端部分から外径側に突出する鍔部をさらに有し、
    前記ロック部材は、前記ロック部材中心孔で前記ノーズ部の根元部分を包囲して、前記テーパコレットの前記受け面と前記鍔部との間に係止される、請求項2に記載のアングルヘッドホルダ用チャッキング構造。
  4. 前記押圧面、前記受け面、前記押圧面と摺接する前記プレーンベアリングの先端側端面、および前記受け面と摺接する前記プレーンベアリングの後端側端面のうち少なくとも1つの面が低摩擦となるよう表面処理を施される、請求項1〜3のいずれかに記載のアングルヘッドホルダ用チャッキング構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113427285A (zh) * 2021-06-04 2021-09-24 广州市昊志机电股份有限公司 一种角度头和机床

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