JP5474287B2 - 薬剤充填済医療用容器および薬剤充填済医療用容器包装体 - Google Patents

薬剤充填済医療用容器および薬剤充填済医療用容器包装体 Download PDF

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Description

本発明は、ビタミンD含有薬剤を収納した薬剤充填済医療用容器および薬剤充填済医療用容器包装体に関するものである。
従来より、ゴム栓により封止された容器内に薬剤が充填された状態の医療用容器が多く提供されている。そして、医療用容器に用いられるゴム栓が容器に収納される薬剤に及ぼす影響についても検討されてきている。影響としては、薬剤の変性、薬剤含有量の減少などの点が検討されている。具体的には、ゴム栓表面への薬剤吸着、ゴム栓内部への薬剤収着に起因するゴム栓への薬剤収着、さらには、ゴム栓素材からのゴム栓形成成分の溶出などであり、また、プレフィルドシリンジにおいてはゴム栓(ガスケット)表面に塗布されたシリコーンオイルと薬剤との相互作用が検討されている。
そして、このような問題が生じやすい薬剤としては、白金系抗癌剤、インスリン等のタンパク質製剤、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、塩酸ニカルジピン、グリチルリチン酸モノアンモニウムなどが知られている。
そして、ゴム栓への吸着・収着、ゴム栓からの溶出を防止するためにゴム栓表面にフッ素樹脂、シリコーン樹脂やポリパラキシリレン(パリレン)等の被膜を設け、薬剤とゴムの接触を妨げる手法が知られている。これらの被膜は摺動性にも優れシリンジ等をガスケットへ適用した際にはシリコーンオイルを塗布する必要がない等のメリットがある。
また、ビタミンDの含有量低下を防止する手段としては、ビタミンD量に対する収納容器を構成するポリオレフィンの体積を特定量以下と規定したものが提案されている(特許文献1:国際公開WO99/39679号公報)。
特許文献1のものは、特定容量の2枚のポリオレフィンシートにより形成された容器内にビタミンDを収納するものであり、いわゆる薬剤取出用もしくは薬剤排出用の穿刺針を直接接続できるものではない。
薬剤を収納した医療用容器としては、穿刺針を直接接続できることが要求されることが通常であり、そのような接続可能部は、通常弾性部材により形成されている。
また、本件出願人は、特許文献2(特開2000−273035号公報)に示されるものを提案している。
この総合輸液剤では、連通可能な隔離手段で区画され、連通後、内容物を外気にさらすことなく混合することができる3室を有する輸液容器の、A室にアミノ酸およびビタミンCを含有する輸液、B室に還元糖およびビタミンB1を含有する輸液、C室にビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビタミンKを含有する輸液が充填されており、A室および(または)B室の輸液にさらに電解質が含有されている。
そして、C室は、C室4に予め輸液を分注しておき、C室4の先端側に膜12(ポリプロピレン等のプラスチック製、該先端に熱融着可能な材質があることが好ましい)を装着し、C室を密封するとともに、A室2側にカバー部材6を装着する。ついで輸液供給部7を形成するポリプロピレン等のプラスチック製の硬質なチューブ18に挿入するとともにブチルゴムやイソプレンゴム等のゴム、あるいはスチレン系エラストマー(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体など)やオレフィン系エラストマー等からなる栓体16を装着することにより、形成されている。
しかし、この仕様では、各剥離手段の連通操作を行う前に、栓体に輸液セットの穿刺針を穿刺した際にC室に分注された薬剤のみが排出されるおそれがある。C室に分注された輸液は、脂溶性ビタミンを含有しており、その安定性のため、高い濃度の界面活性剤を含有しており、単独で投与されるべきものではない。このため、特許文献3(特開2003−159309号公報)に示すものを本願出願人は提案しており、また、特許文献4(国際公開WO03/92574号公報)ものも提案されている。これら特許文献3および4のものは、3室を備えるの輸液容器となっている。しかし、これらの容器では、部品点数が多く、また、構造が複雑であり、生産性が悪く、かつ、使用時の操作性の点においてもかならずしも良好なものでもない。
そして、患者の症状に対応し複数種の薬剤が投与されることが多く、そのために、医療用容器に複数種類の薬剤が順次混注される。この際、医療用容器の弾性部材には、複数回の穿刺針の穿刺と抜去が行われることになり、同一箇所への複数回の混注用針の穿刺を避けられないのが現状である。そして、弾性部材としては、そのような複数回の同一箇所への穿刺針の穿刺および抜去が行われても液漏れ等を生じない再シール性を備えることが要求される。
このような要求より、再シール性に劣るいわゆる熱可塑性エラストマーは、弾性部材の形成材料として不適当であり、いわゆるゴム材が用いられる。
そこで、本願発明者等は、穿刺針が穿刺される弾性部材の形成材料として、熱可塑性エラストマーをその対象より除外し、ゴム材を使用することを前提とし研究したところ、ビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器について、ビタミンD含有量の経時的低下が生じることを知見した。また、穿刺針が穿刺される弾性部材の形成材料として、良好な弾性と再シール性を担保するためには、素材に架橋処理が施されるゴム材が好適である。
国際公開WO99/39679号公報 特開2000−273035号公報 特開2003−159309号公報 国際公開WO03/92574号公報
そこで、本発明の目的は、架橋されたゴム材により形成され、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材を備え、かつ、内部にビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器であっても、ビタミンD含有量の経時的低下が極めて少なく、かつ、複数回の穿刺針の穿刺を行っても液漏れ等が生じない良好な再シール性を備えるビタミンD含有薬剤を収納した薬剤充填済医療用容器および薬剤充填済医療用容器包装体を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、該容器本体に取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、前記排出ポートは、薬剤収納部と、該薬剤収納部の一端側を閉塞し、かつ、破断により前記容器本体内との連通を可能とする破断可能部と、該破断可能部の破断操作を行うための操作部とを備える合成樹脂製排出ポート本体と、前記排出ポート本体の前記薬剤収納部に収納されたビタミンD含有薬剤と、前記排出ポート本体の前記薬剤収納部の他端側を閉塞し、かつ、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材を有する排出口とを備え、前記弾性封止部材は、非硫黄系架橋剤により架橋され、かつ硫黄非含有であり硫黄含有ガスを発生しない架橋ゴムにより形成され、硫黄含有ガスに起因するビタミンD変性を防止している薬剤充填済医療用容器。
) 前記硫黄非含有架橋ゴムは、過酸化物系架橋剤により架橋された架橋ゴムである上記()に記載の薬剤充填済医療用容器。
(3) 前記ビタミンD含有薬剤は、前記ビタミンDとともに、ビタミンA,ビタミンEおよびビタミンKを含有する脂溶性ビタミン剤である上記(1)または(2)に記載の薬剤充填済医療用容器。
) 前記排出ポートは、前記弾性封止部材と前記薬剤収納部内の薬剤との接触を阻害し、かつ、前記穿刺針が刺通可能な隔膜を備えている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬剤充填済医療用容器。
(5) 前記隔膜は、前記弾性封止部材の前記薬剤収納部側の表面を被包する被膜である上記(4)に記載の薬剤充填済医療用容器。
(6) 前記隔膜は、前記ポート本体の後端側筒状部を封止するように、前記ポート本体に固着された隔膜である上記(4)に記載の薬剤充填済医療用容器。
) 前記容器本体は、該容器本体内の薬剤室を第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分する剥離可能な仕切部を備え、かつ、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤を備え、前記排出ポートは、前記容器本体の前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室に固定されている上記()ないし()のいずれかに記載の薬剤充填済医療用容器。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
) 上記(1)ないし()のいずれかに記載の医療用容器と、該医療用容器を収納した状態にて密封された気体難透過性包装材とからなる薬剤充填済医療用容器包装体であって、前記包装体内には、脱酸素剤が収納されている薬剤充填済医療用容器包装体。
(9) 前記脱酸素剤は、前記医療用容器の排出ポートまたは排出ポートの取付部に接触もしくはそれらの付近となる位置に配置され、かつ、前記包装材の内面に固定されている上記(8)に記載の薬剤充填済医療用容器包装体。
(10) 前記脱酸素剤は、一端側が前記医療用容器のシール部に接触し、他端側が前記医療用容器に接触しないように前記包装材内に収納されている上記(8)または(9)に記載の薬剤充填済医療用容器包装体。
本発明の医療用容器は、開口を有し、内部に薬剤が収納された合成樹脂製容器本体と、前記開口を閉塞するとともに、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材とを備える医療用容器であって、前記薬剤が、ビタミンD含有薬剤であり、前記弾性封止部材は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されていることを特徴とするビタミンD含有薬剤を収納したものである。
弾性封止部材は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されているため、ビタミンD含有薬剤中のビタミンD含有量の経時的低下が極めて少なく、かつ、ビタミンDの変性もない。さらに、弾性封止部材は、高い再シール性を持ち、複数回の穿刺針の穿刺を行っても液漏れなどの発生がない。
また、本発明のビタミンD含有薬剤安定化保存方法は、開口を有する容器本体内に、ビタミンD含有薬剤を収納し、かつ、前記開口を穿刺針の刺通による接続が可能かつ硫黄非含有架橋ゴムにより形成された弾性封止部材にて気密に封止することを特徴とする穿刺針接続可能医療用容器を用いるものである。
このため、ビタミンD含有薬剤を、ビタミンD含有量の経時的低下が極めて少ない状態、かつ、変性を生じることがない状態にて、良好に保存することができる。
図1は、本発明のビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、図1に示した医療用容器の断面図である。
本発明のビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器1は、開口を有し、内部に薬剤8が収納された合成樹脂製容器本体2と、開口を閉塞するとともに、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32とを備える医療用容器であり、薬剤がビタミンD含有薬剤8であり、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。
図1および図2に示すように、本発明のビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器1は、合成樹脂製容器本体2と、その開口を封止する硫黄非含有架橋ゴムにより形成された弾性封止部材32と、内部に収納されたビタミンD含有薬剤8とからなるものである。
容器本体2内には、ビタミンD含有薬剤8が収容されており、薬剤としては、ビタミンDを含有するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ビタミンDのみを含有するもの、また、ビタミンA,D,Eを含有する脂溶性ビタミン剤、ビタミンA,D,E、Kを含有する脂溶性ビタミン剤、さらには、ビタミンB6、ビオチン、葉酸からなる水溶性ビタミン剤、あるいは、ビタミンB2およびビタミンCからなる水溶性ビタミン剤などのビタミンDと共存可能な薬剤が使用される。また、収納される薬剤としては、液体状のものが使用される。
そして、容器本体2の開口には、この開口を閉塞するように、薬剤取出用ポート3が取り付けられている。
また、この実施例の医療用容器1では、薬剤取出用ポート3は、図1および図2に示すように、容器本体2の開口を封止するように設けられた穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32と、この弾性封止部材32を容器本体2に固定するための筒状キャップ部材3aを備えている。
そして、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。
穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材としては、その弾性、複数回の穿刺針の刺通による接続に耐えるシール性などの点より、硫黄系架橋剤を用いた架橋ゴム、いわゆる加硫ゴムが好適であり、通常使用されている。
しかし、上記のような通常使用される加硫ゴム製の弾性封止部材を用いた医療用容器にビタミンD含有薬剤を収納した場合に、弾性封止部材による薬剤の吸着、収着さらには弾性封止部材からの成分溶出を考慮して弾性封止部材と容器本体間に合成樹脂製フィルムで形成された隔膜を配置し、容器本体内の薬剤と弾性封止部材とが接液しないようにした場合においても経時的にその含有量が低下することを本願発明者等が知見した。そこで、鋭意検討したとろ、加硫ゴム製の弾性封止部材が発生する気体状物質に原因があることがわかった。
原因は、以下のものと推定される。
1.加硫ゴム製の弾性封止部材が含有する二硫化炭素と水分との反応による硫化水素ガスの発生。
CS2 + 2H2O → 2H2S + CO2
2.加硫ゴム製の弾性封止部材が含有する硫黄と水分との反応による硫化水素および亜硫酸ガス(二酸化硫黄)の発生。
3S + 2H2O → 2H2S + SO2
3.上記の硫化水素と酸素との反応による亜硫酸ガス(二酸化硫黄)の発生。
2H2S + 3O2 → 2H2O + 2SO2
そして、亜硫酸ガス、硫化水素ガス、あるいは保管時、滅菌時に発生した二硫化炭素に起因する硫黄化合物ガスが隔膜である合成樹脂製フィルムを透過して、ビタミンDと反応することにより、ビタミンDを変性させているものと推測された。ビタミンD変性としては、例えば、上記の亜硫酸ガスとビタミンDとの反応は、ビタミンDの開裂したB環に二酸化硫黄が結合することによるものが考えられる。なお、弾性封止部材形成材料に含有される硫黄成分としては、架橋剤、架橋促進剤などの添加剤が備えるもの、また、ゴム材そのものが備える場合がある。本発明における硫黄非含有架橋ゴムには、添加剤、ゴム材を問わず硫黄を含まないものである。
本発明者等は、上記を検証するために、所定量のビタミンDを添加した溶液に、硫化水素ガス、亜硫酸ガスをバブリングさせた後のビタミンD含有量を測定した。これにより、硫化水素ガス、亜硫酸ガスのいずれをバブリングさせた場合においてもビタミンD含有量が低下することを確認した。
本発明では、上記の知見に基づくことにより、 弾性封止部材32として、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されているものを用いている。
そして、本発明のビタミンD含有薬剤安定化保存方法は、開口を有する合成樹脂製容器本体内に、ビタミンD含有薬剤を収納し、かつ、開口を穿刺針の刺通による接続が可能かつ硫黄非含有架橋ゴムにより形成された弾性封止部材にて気密に封止するビタミンD含有薬剤安定化保存方法である。
このビタミンD含有薬剤安定化保存方法において、硫黄非含有架橋ゴムにより形成された弾性封止部材を用いることにより、達成されている。
弾性封止部材32に用いられる硫黄非含有架橋ゴムとしては、非硫黄系架橋剤により架橋された架橋ゴムが好ましく、例えば、過酸化物系架橋剤により架橋された架橋ゴムが好適である。ゴム材料としては、イソプレンゴム、ブチルゴム、イソブチルゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、シリコーンゴム及びフッ素ゴムなどが挙げられる。
また、非硫黄系架橋剤としては、過酸化物系架橋剤(パーオキサイド)であるジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、また、有機オルガノシロキサン系架橋剤などが使用できる。
そして、過酸化物系架橋剤は、1種又はそれ以上の任意の混合物を使用してもよい。過酸化物系架橋剤の添加量は、ゴム100重量部に対して、0.2〜10重量部、更に好ましくは0.2〜6重量部程度であることが好ましい。
合成樹脂製容器本体2は、軟質合成樹脂、半硬質合成樹脂、硬質合成樹脂などどのような合成樹脂により形成されていてもよい。
このような容器本体2の形成材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン、アクリル系樹脂(例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(硬質塩化ビニル)、ポリアミド(例えば、6ナイロン,66ナイロン)などの硬質もしくは半硬質樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを上記の硬質もしくは半硬質樹脂と任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。また、容器本体2の形成材料としては、内部の薬剤が視認可能な透明性を備えることが好ましい。
また、容器本体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。なお、容器本体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
容器本体2の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、容器本体2の容積は、大きすぎると表面積も大きくなり、容器体を構成する合成樹脂によるビタミンDへの影響を無視できなくなる可能性が生じるため、2〜50ml程度であることが好ましい。
そして、この実施例の医療用容器1では、弾性封止部材32と容器本体2内の薬剤8との接触を阻害して弾性封止部材による薬剤の吸着、吸収、収着および弾性封止部材からの成分溶出を防止するために、穿刺針が刺通可能な隔膜35を備えている。この実施例では、隔膜35は、容器本体2の開口を封止するように、容器本体2に固着されている。なお、隔膜35は、弾性封止部材32の容器本体側の表面を被包するように、弾性封止部材32に一体に形成してもよい。また、隔膜は、弾性封止部材の表面全体に被膜を形成することにより構成されたものであってもよい。なお、このような弾性封止部材の表面全体を覆う被覆膜として、アルミ蒸着膜のような材質で完全に亜硫酸ガス等の硫黄含有ガスの透過を防止できるものであれば、弾性封止部材として硫黄を含有するものであっても、ビタミンDを安定して保存可能であることを本発明に至る検討過程において本発明者らは知見している。
隔膜35の形成材料としては、ビタミンDの保存安定性を考慮する必要があり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン,環状ポリオレフィンのようなポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドからなるフィルム、さらには、それらの積層体であることが好ましい。この際、薬剤と接する側がビタミンD等の容器本体内に収納された薬剤を吸・収着する性質を有する材料でヒートシール性の付与などの目的により形成される場合には例えば10〜50μm程度となるよう極力薄く形成することが望ましい。
なお、この実施例の医療用容器1では、図2に示すように、容器本体2は、開口部を形成する筒状部2aを備え、その開口端に上述の隔膜35が気密に固着されている。隔膜35の固着は、筒状部と隔膜形成材料の材質に応じてヒートシール、超音波融着、高周波融着などにより行うことが好ましい。
また、この実施例における容器本体2では、図1および図2に示すように、筒状キャップ部材3aは、容器本体2の筒状部2aを収納可能な内径を備え、筒状キャップ部材3aのフランジ部3cは、容器本体2の環状平坦部2bに固着されている。両者の固着は、両者の材質に応じてヒートシール、超音波融着、高周波融着などにより行われる。
図3は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図4は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの一例の正面図である。図5は、図4の排出ポートの断面図である。図6は、図4の排出ポートのA−A線断面図である。図7は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。
本発明の医療用容器10は、可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体20と、この容器本体20に固定された排出ポート30とを備える。そして、排出ポート30は、薬剤収納部34と、薬剤収納部34の一端側を閉塞し、かつ、破断により容器本体20内との連通を可能とする破断可能部31cと、破断可能部31cの破断操作を行うための操作部31bとを備える合成樹脂製排出ポート本体31と、薬剤収納部34内に収納されたビタミンD含有薬剤8と、排出ポート本体31の薬剤収納部34の他端側を閉塞し、かつ、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32を有する排出口33とを備える。そして、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。
この実施例の排出ポート30は、非連通排出ポートである。排出ポート30は、図5に示すように、破断されない状態では、薬剤室21内と連通しないものとなっている。
この実施例の医療用容器10は、可撓性材料により形成され、内部に薬剤収納部である薬剤室21を有する容器本体20と、容器本体20の薬剤室21に取り付けられた薬剤排出ポート30と、薬剤室21に充填された薬液と、排出ポート31内に収納されたビタミンD含有薬剤を備える薬剤入り医療用容器である。
また、図3に示すように、容器本体20の一端側及び他端側には、シール部15,16が設けられている。
医療用容器10の容器本体20は、軟質合成樹脂により形成されている。容器本体20は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、容器本体20は、例えば、ブロー成形法、共押出インフレーション法などの種々の方法により製造されたものでもよい。
容器本体20の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、環状ポリオレフィンのようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐圧性を有していることが好ましい。
また、容器本体の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、容器本体20の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。容器本体20の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐冷性(寒冷地での輸送、保管)が高く、透明性に優れる他、加工性に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
また、容器本体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体20の耐衝撃性を向上させたり、耐ブロッキング性、透明性、柔軟性、耐熱性などを付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を最内層以外の層として備える場合、ガスバリヤー性の向上とともに、容器本体20の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。
容器本体20を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器10の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましい。
薬剤排出ポート30は、容器本体20内に充填された薬剤(薬液)を排出するためのものである。
この実施例では、排出ポート30内には、図5および図6に示すように、適量のビタミンD含有薬剤8が収容されている。また、排出ポート30の薬剤収納部34の形成部は、内部の薬剤が目視可能に透明に形成されていることが好ましい。収納される薬剤としては、粉末、顆粒状などの固体状、液体状等いかなるものでもよい。薬剤としては、ビタミンDを含有するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ビタミンDのみを含有するもの、また、ビタミンA,D,Eを含有する脂溶性ビタミン剤、ビタミンA,D,E、Kを含有する脂溶性ビタミン剤、さらには、ビタミンB6、ビオチン、葉酸からなる水溶性ビタミン剤、あるいは、ビタミンB2およびビタミンCからなる水溶性ビタミン剤などのビタミンDと共存可能な薬剤が使用される。
排出ポート30は、図4、図5および図6に示すように、薬剤室21に固定されるとともに、破断可能な流通規制部を備え、合成樹脂により形成されたポート本体31と、ポート本体31の他端側を閉塞する穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32を有する排出口33と、ポート本体31内に設けられた穿刺針侵入阻害部14とを備える。
ポート本体31は、筒状部31aと、この筒状部31aの一端側を閉塞するとともに、破断により容器本体20の薬剤室21と筒状部31a内とを連通可能とする破断可能部31cおよび破断可能部31cの破断操作を行うための操作部31bを備える流通規制部を備えている。
破断可能部31cは、クサビ状の環状凹部が形成された部分であり、他の部分に比べて肉薄となっている。このため、破断可能部31cは、他の部分に比べて脆弱であり、操作部31bを容器本体20の外方より押すことにより、この破断可能部31c部分にて破断し、操作部31bは、筒状部31aより分離する。
また、ポート本体31は、図5に示すように、後端にキャップ部の先端部を収納する環状凹部を有するフランジ部31d、後端側筒状部31eを備えることが好ましい。また、キャップ部33aは、上記フランジ部31dと当接するフランジ部33b、上記筒状部の環状凹部に収納される先端部33cを備えている。そして、ポート本体31とキャップ部33aは両者のフランジ部の当接面において、液密に固着されている。
弾性封止部材32は、筒状部の後端開口を封止するとともに穿刺針の刺通が可能な弾性部材により形成されており、この実施例では、キャップ部33aにより、ポート本体31の後端に固定されることにより、排出口33を構成している。
そして、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。硫黄非含有架橋ゴムとしては、非硫黄系架橋剤により架橋された架橋ゴムが好ましく、例えば、過酸化物系架橋剤により架橋された架橋ゴムが好適である。ゴム材料としては、イソプレンゴム、ブチルゴム、イソブチルゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、シリコーンゴム及びフッ素ゴムなどが挙げられる。
また、非硫黄系架橋剤としては、過酸化物系架橋剤(パーオキサイド)であるジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、また、有機オルガノシロキサン系架橋剤などが使用できる。
そして、過酸化物系架橋剤は、1種又はそれ以上の任意の混合物を使用してもよい。過酸化物系架橋剤の添加量は、ゴム100重量部に対して、0.2〜10重量部、更に好ましくは0.2〜6重量部程度であることが好ましい。
そして、この実施例の医療用容器10では、排出ポート30は、弾性封止部材32と薬剤収納部34内の薬剤8との接触を阻害し、かつ、穿刺針が刺通可能な隔膜35を備えている。この実施例では、隔膜35は、ポート本体31の後端側筒状部31eを封止するように、ポート本体31に固着されている。なお、隔膜35は、弾性封止部材32の薬剤収納部34側の表面を被包するように、弾性封止部材32に被覆してもよい。
隔膜35の形成材料としては、上述したものが好適に仕様できる。
さらに、この実施例の医療用容器10では、排出ポート30内に、穿刺針侵入阻害部14が収納されている。
この実施例における穿刺針侵入阻害部14は、図5に示すように、操作部31bの底部下面と当接可能な先端部41と、穿刺針の先端が当接可能な基端部42と、先端部41と基端部42を連結する接続部43を有するものである。
そして、流通規制部の破断可能部が未破断の状態(図5の状態)において、弾性封止部材32に穿刺針を穿刺した場合、この針の先端は穿刺針侵入阻害部14の基端部42に当接し、さらに押しても、針の先端はそれ以上侵入できないか、あるいは若干侵入することにより穿刺針侵入阻害部14を上方に押し上げることにより、先端部41が操作部31bに当接するためそれ以上移動不能となる。この例の穿刺針侵入阻害部14では、基端部42が弾性封止部材32(正確には、隔膜35)に接触した状態において、先端部41と操作部31b(操作部の底部下面)間との距離がほとんどなく、実質的に移動できないものとなっている。
そして、作業者は、穿刺針が穿刺不能状態であることより、流通規制部が未破断であることを認識する。
そして、流通規制部の破断可能部が未破断の状態(図5の状態)における穿刺針の排出ポートへの穿刺可能長さは、穿刺針の開口が排出ポート内部と連通しない長さであることが好ましい。よって、穿刺針侵入阻害部14の排出ポート内における移動可能距離は、使用する穿刺針の形状にもよるが、概ね5mm以下であることが好ましい。
この例の穿刺針侵入阻害部14では、先端部41は、半球状となっている。さらに、穿刺針侵入阻害部14は、接続部43の側面に設けられ、接続部43の適宜位置より基端側に延び、かつ下端が基端部42の周縁と連続する翼部46を備えている。この例では、翼部46は、先端部41より延びている。
また、穿刺針侵入阻害部14は、上記のタイプのものに限定されるものではなく、例えば、図7に示す薬剤排出ポート30aが備える穿刺針侵入阻害部14aのように、下端部が閉塞した筒状タイプのものであってもよい。このようなタイプの穿刺針侵入阻害部14aの場合、側面に多数の窓部が形成される、いわゆる籠状のものが好ましい。このようにすることにより、穿刺針侵入阻害部14a内に位置していた薬剤の容器本体20の薬剤室21内に充填されていた薬液との混合が良好となる。なお、このタイプの穿刺針侵入阻害部14aでは、上端が形成する先端部41が操作部31bに当接し、底面が形成する基端部42が弾性封止部材(具体的には、隔膜35)と当接し、側面部分が先端部41と基端部42を連結する接続部43を構成する。上記のような筒状タイプにおける断面形状は、楕円を含む円形(円柱状、円筒状)、多角形状(例えば、三角形、四角形)などのいずれであってもよい。
そして、穿刺針侵入阻害部14aは、流通規制部の破断可能部の破断後、排出ポートより流出可能なものであっても、流出しないものであってもよい。
また、上述した例の穿刺針侵入阻害部14は、操作部31bと分離したものとなっているが、このようなものに限定されるものではない。例えば、穿刺針侵入阻害部の先端部は、操作部31bに固定されたものであってもよい。
なお、本発明の医療用容器としては、排出ポート30が、穿刺針侵入阻害部14を備えないものであってもよい。
上述した全ての実施例におけるポート本体、穿刺針侵入阻害部、キャップ部の形成材料としては、硬質または半硬質樹脂が好適である。筒状部の形成材料としては、超音波融着、ヒートシールなどにより容器本体に融着可能なものが好ましい。また、排出口33のキャップ部33aの形成材料としては、硬質または半硬質樹脂が好適である。さらに、キャップ部33aの形成材料としては、超音波融着、高周波融着などによりポート本体31に融着可能なものが好ましい。
ポート本体、穿刺針侵入阻害部、キャップ部の形成材料としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)など、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、例えば、6ナイロン,66ナイロンなどが使用される。
特に、ポート本体、穿刺針侵入阻害部などのビタミンD含有薬剤と接触する部材については、少なくとも表面部、好ましくは全体が薬剤吸着性の少ないものであることが好ましい。さらに、ポート本体、穿刺針侵入阻害部の素材としては、硬く、かつ、透明性が高いものであることが好ましい。これらの点より、ポート本体、穿刺針侵入阻害部の素材としては、環状ポリオレフィンが特に好適である。
また、ポート本体、穿刺針侵入阻害部などのビタミンD含有薬剤と接触する部材には、薬剤の吸着、吸収、収着を防止するために被膜を設けてもよい。被膜としては、上述した隔膜35にて説明したものが好適に使用できる。
次に、本発明の他の実施例の医療用容器40について説明する。
図8は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。図9は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
この実施例の医療用容器40と上述した医療用容器10との相違は、容器本体の相違および容器本体の相違に基づく容器本体内への薬剤収納形態の相違であり、排出ポート30については、同じであり、上述の説明を参照するものとする。
この実施例の医療用容器40における容器本体20aは、仕切部19を備えており、これにより、内部が2室に区分されている。仕切部19は、容器本体20aを横方向全体に横切る剥離可能な弱シール部19aと、弱シール部19aの両端部の分岐部内に設けられた実質的に剥離不能な強シール部19bを備えている。
具体的に説明すると、図8に示すように、容器本体20aの一端側及び他端側には、剥離不能な強シール部15,16が設けられている。また、この実施例の医療用容器40は、第1の薬剤室21に設けられた薬剤排出ポート30を備えている。そして、第1の薬剤室21は、充填された第1の薬液により、ある程度膨らんだ状態となっており、弱シール部を剥離していない状態では、容器越しに、排出ポート30の流通規制部の操作部31bの破断操作が困難なものとなっている。なお、破断操作がある程度困難であればよく、全く操作不能でなくてもよい。
医療用容器40の容器本体20aの形成材料等については、上述した容器本体20にて説明したものと同じである。
また、医療用容器40の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1の薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましく、第2の薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましい。
それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。特に、本発明の医療用容器では、第1の薬剤、第2の薬剤は、いずれかが薬液である。第1の薬剤および第2の薬剤の組合せとしては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられ、一方が散剤であってもよい。
この実施例における排出ポート30は、図4ないし図6に示し、上述した排出ポート30と同じである。そして、排出ポート30は、図8に示すように、第1の薬剤室21に固定されている。
さらに、図9に示す医療用容器50のように、容器本体20aは、排出ポート30の操作部31bの先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、剥離可能であり剥離前における破断後の操作部31bの移動を抑制する操作部移動抑制用弱シール部26を備えていることが好ましい。
操作部移動抑制用弱シール部26は、排出ポート30の操作部31bの先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、剥離可能でありかつ剥離前における破断後の操作部31bの移動を抑制するものである。
この実施例では、操作部移動抑制用弱シール部26は、排出ポート30の上方を取り囲むように形成されている。この操作部移動抑制用弱シール部26により、第1の薬剤室21から隔離された第3室25が形成されている。この第3室25は、空室となっている。しかし、第3室には、所定の液体(例えば、生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第3室は、乾燥状態でもよいが、湿熱滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、操作部移動抑制用弱シール部26に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第1の薬剤室21と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。操作部移動抑制用弱シール部26は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
操作部移動抑制用弱シール部26は、図9に示す実施例では、反転したU字形状に形成されている。また、連通阻害用弱シール部は、短辺が上側となる台形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。
また、操作部移動抑制用弱シール部26のシール強度は、仕切用弱シール部19aのシール強度と同等、若干大きいもしくは若干小さいものであることが好ましい。このようなものであれば、仕切用弱シール部19aが剥離されない状態にて薬液が投与されることがなく、かつ、容易な操作で投与準備を行うことができる。
また、操作部移動抑制用弱シール部26は、第1の薬剤室21を押圧することにより、仕切用弱シール部19aの剥離とほぼ同時もしくは続いて操作部移動抑制用弱シール部26が剥離するものであることが好ましい。このようにすることにより、容器本体20aの第1の薬剤室21を圧迫したとき、操作部移動抑制用弱シール部26が仕切用弱シール部19aより先に剥離することがない。
また、医療用容器50は、第2の薬剤室22を押圧することにより、仕切用弱シール部19aの剥離に続いて操作部移動抑制用弱シール部26が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、容器本体20aの第2の薬剤室22を圧迫し、仕切用弱シール部19aの剥離時の流体の力により、操作部移動抑制用弱シール部26を剥離させることができる。
そして、この医療用容器50では、排出ポート30の操作部31bの先端部は、操作部移動抑制用弱シール部26に近接もしくは当接している。このため、もし、仕切用弱シール部19aの剥離および操作部移動抑制用弱シール部26が剥離される前に、操作部31bの破断作業が行われたとしても、操作部31bは、操作部移動抑制用弱シール部26により移動が規制され、これにより、排出ポート30内の穿刺針侵入阻害部14も実質的に移動できないため、穿刺針の刺通による接続ができないものとなっている。この医療用容器50における通常操作としては、第1の薬剤室21もしくは第2の薬剤室22を押圧することにより、仕切用弱シール部19aの剥離および操作部移動抑制用弱シール部26の剥離を行い、第1の薬剤と第2の薬剤が混合された後、排出ポート30の操作部を操作して破断することにより、排出ポート内の薬剤が、容器本体内の薬剤と混合されるとともに、穿刺針侵入阻害部14が上方に移動することにより、穿刺針の排出口への接続が可能となる。
この実施例の医療用容器50では、排出ポート30の操作部31bの先端部は、図9に示すように、操作部移動抑制用弱シール部26に接触するもしくは若干離間したものとなっている。両者が接触するものであっても、操作部移動抑制用弱シール部26の剥離時に穿刺針を誤って穿刺しても排液されない程度のクリアランスがあるもののいずれでもよい。
また、操作部移動抑制用弱シール部26は、上記のタイプのものに限定されるものではなく、例えば、図10に示す医療用容器60の操作部移動抑制用弱シール部26aのように、排出ポート30の操作部31bの先端部の上部近傍に位置する部分に形成され、破断後の操作部の移動を抑制するものであれば、容器本体20aに第3室を形成しないものであってもよい。この場合、操作部移動抑制用弱シール部26aは、図10に示すように、小さな弱シールが点在することにより、操作部移動抑制用弱シール部26aが形成されている。なお、このような形態に限られるものではなく、操作部移動抑制用弱シール部は、排出ポート30の操作部31bの先端部の上部を連続して取り囲む形態であってもよい。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器を説明する。図11は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図、図12は、図11に示す医療用容器のB−B線断面図、図13は、図11に示す医療用容器に用いられる容器本体の正面図である。
医療用容器70は、可撓性合成樹脂製材料により形成され、薬液が収納された容器本体20aと、容器本体20aに取り付けられた排出ポート61とを備える。排出ポート61は、一端が容器本体内に位置し、他端が容器本体外に位置する合成樹脂製筒状排出ポート本体62と、排出ポート本体62の他端側を閉塞し、かつ、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32を有する排出口33とを備え、かつ、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。容器本体20aは、排出ポート61の上部を取り囲むように設けられ、容器本体20a内の薬剤室と区画された薬剤収納部93を形成する剥離可能な区画部91と、薬剤収納部93に収納されたビタミンD含有薬剤8とを備える。さらに、排出ポート61の排出口への穿刺針の穿刺を阻害するための穿刺阻害用部材51が、容器本体20aに着脱可能に取り付けられている。
図11および図12に示すように、排出ポート61は、両端が開口した合成樹脂製筒状排出ポート本体62を備え、ポート本体62は、図12に示すように、後端にキャップ部の先端部を収納する環状凹部を有するフランジ部、後端側筒状部を備えている。また、キャップ部33aは、上記フランジ部と当接するフランジ部、ポート本体の環状凹部に収納される先端部を備えている。そして、ポート本体62とキャップ部33aは両者のフランジ部の当接面において、液密に固着されている。
弾性封止部材32は、筒状部の後端開口を封止するとともに穿刺針の刺通が可能な弾性部材により形成されており、この実施例では、キャップ部33aにより、ポート本体62の後端に固定されることにより、排出口を構成している。
そして、弾性封止部材32は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されている。弾性封止部材の形成材料等については、上述した通りである。
そして、この実施例の医療用容器70においても、排出ポートは、弾性封止部材32と薬剤収納部93内の薬剤8との接触を阻害し、かつ、穿刺針が刺通可能な隔膜35を備えている。隔膜35は、ポート本体62の後端側筒状部の後端開口を封止するように、ポート本体62に固着されている。なお、隔膜35は、弾性封止部材32の薬剤収納部93側の表面を被包するように、弾性封止部材32に被覆してもよい。隔膜35の形成材料としては、上述したものが好適に仕様できる。
そして、この実施例の医療用容器70は、穿刺阻害用部材51を備えている。
この実施例における穿刺阻害用部材51は、排出ポート61の周りを容器本体20aの一方の面側および他方の面側から挟む挟み部52,53と、挟み部52,53による容器本体の挟み状態を保持するための挟み状態保持部と、排出ポート61の排出口を覆う穿刺阻害部とを備えている。
さらに、この実施例における穿刺阻害用部材51は、図15に示すように、容器本体20aの押圧による剥離可能な区画部91の剥離と同時もしくはその剥離に続く、容器本体20aの広がりにより押し広げられることにより医療用容器より取り外し可能となるものとなっている。
容器本体20aとしては、医療用容器40にて説明した容器本体20aと実質的に同じであり、上記の記載を参照するものとする。なお、この容器本体20aは、図11、図12および図13に示すように、排出ポート61の上部を取り囲むように設けられ、容器本体20a内の薬剤室と区画された薬剤収納部93を形成する剥離可能な区画部91を備えている。区画部91は、シート材を帯状に剥離可能に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
区画部91は、図13に示す実施例では、台形状に形成されている。また、区画部は、短辺が上側となるU字形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、あるいは略半楕円形状であってもよい。多角形状の場合、角は丸められていることが好ましい。
また、この実施例の容器本体20aは、上述した医療用容器40において説明したように仕切部19を備えており、これにより、内部が2室に区分されている。上述の薬剤収納部93と合わせると、この容器本体20aは、3室に区分されている。
そして、上述したように、仕切部19は、容器本体20aを横方向全体に横切る剥離可能な弱シール部19aと、弱シール部19aの両端部の分岐部内に設けられた実質的に剥離不能な強シール部19bを備えている。
区画部91は、図13に示すように、弱シール部19aの下方に設けられていることが好ましい。弱シール部の下方に設けられていることにより、区画部は、仕切部剥離操作時においてより確実に剥離し易くなる。
そして、区画部91により区画された薬剤収納部93には、ビタミンD含有薬剤8が充填されている。ビタミンD含有薬剤については、上述した通りである。
そして、穿刺阻害用部材51は、排出ポート61の周りを容器本体20aの一方の面側および他方の面側から挟む挟み部52,53と、挟み部52,53による容器本体20aの挟み状態を保持するための挟み状態保持部54と、排出ポート61の排出口33への外部からの挿通を阻害するように排出口の周りを覆う阻害部52b、53bとを備え、挟み状態保持部54は、第1の薬剤室もしくは第2の薬剤室の押圧による仕切部の剥離と同時もしくは剥離に続く、容器本体20aの広がりにより、区画部91の剥離と同時もしくは若干前後して挟み部52,53が押し広げられることにより、図15に示すように、解除され、穿刺阻害用部材51が容器本体20aから取り外し可能となる。
この実施例における穿刺阻害用部材51は、挟み部52,53が容器本体20aを挟むことにより取り付けられており、挟み部52,53の挟み状態が解除されることにより容器本体20aから取り外し可能となっている。
穿刺阻害用部材51は、図11,図12,図14に示すように、第1の挟み部52と第2の挟み部53と、保持部54と、ヒンジ部55を備えている。第1の挟み部52と第2の挟み部53とは、ヒンジ部55により連結され開閉するものである。なお、ヒンジ部を備えないものであってもよい。
第1の挟み部52と第2の挟み部53は、排出ポート61を収容する収容部52a,53aと、阻害部52b、53bとを備えている。図11,図12に示すように、第1の挟み部52と第2の挟み部53は、排出ポート61全体を収容している。
第1の挟み部52と第2の挟み部53は、その本体部の先端部が縮径し、基端部に底部を有する半筒状部である。また、本体部の先端部には平板部52d,53dが形成されている。
そして、この実施例では、第1の挟み部52と第2の挟み部53の基端部が阻害部52b,53bとなっている。具体的に、第1の挟み部52と第2の挟み部53の基端部には壁面(底部)が形成されているため後ろから排出口に穿刺針を穿刺できないものとなっている。なお、第1の挟み部と第2の挟み部は少なくとも排出ポート61の排出口33付近を覆うものであればよい。
また、穿刺阻害用部材51は、図11、図13に示す実施例のように、容器本体20aの排出ポート61付近に設けられた孔23に取り付け可能であることが好ましい。本発明の実施例は、孔23を介して保持部54のピン56を通過させ保持部54同士を連結させることにより容器本体20aの下端側シール部16に取付可能となっている。
挟み状態保持部54は、第1の挟み部52と第2の挟み部53とを連結する連結部であり、挟み状態保持部(言い換えれば、連結部)54は、容器本体20aの広がりにより第1の挟み部52と第2の挟み部53が押し広げられることにより連結が解除されるものであることが好ましい。
連結部54は、第1の挟み部52と第2の挟み部53に設けられた嵌合部である。具体的に連結部54は、第1の挟み部52に設けられた挿入路(実施例では挿入孔)57と、挿入路57に挿入可能であり、第1の挟み部52及び第2の挟み部53の挟み状態を保持するための挿入手段(実施例ではピン)56を備えている。ピン56の外径は、孔57の内径とほぼ同じ大きさとなっている。このような構成により、図11および図12に示すように、第1の挟み部52と第2の挟み部53を閉じ、ピン56を挿入口57に挿通して嵌合させることにより第1の挟み部52と第2の挟み部53とによる挟み状態が保持される。
そして、この実施例では、第1の挟み部52と第2の挟み部53の先端部は、区画部91上に位置し、区画部91の不用意な剥離を防止している。
[実施例1]
容器本体として、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製)を用いて、内径:13.6mm、外径:15.8mm、全長45.5mmのものを形成した。また、隔膜(ポリプロピレン、厚さ約250μmのもの)を作製した。
容器本体内に、ビタミンD含有薬剤3mlを注入した後、容器本体の開口端に隔膜を熱融着により固着した。
なお、ビタミンD含有薬剤の設定配合は以下の通りである。
水溶性ビタミン
シアノコバラミン(ビタミンB12) 5μg
葉酸 0.2mg
ビオチン 0.05mg
脂溶性ビタミン
パルミチン酸レチノール(ビタミンA) 1650IU
エルゴカルシフェロール(ビタミンD2) 5μg
酢酸トコフェロール(ビタミンE) 7.5mg
フィトナジオン(ビタミンK) 1mg
添加物
ポリソルベート80(可溶化剤) 40mg
ポリソルベート20(可溶化剤) 20mg
D−ソルビトール(安定剤) 0.288g
水酸化ナトリウム(pH調節剤) 適量
クエン酸(pH調節剤) 適量
弾性封止部材は、過酸化物系架橋剤配合イソプレンゴム(A社製)により弾性封止部材の形状に成形したのち架橋させることにより製造されたものを用いた。なお,弾性封止部材は製造後2年以上経過したものを使用した。キャップ部材は、ポリプロピレン製のものを形成した。
そして、ビタミンD含有液を収納した容器本体の開口部に、弾性封止部材を収納したキャップ部材を超音波融着により固着し、本発明の医療用容器を作製した。
[比較例1]
弾性封止部材として、製造より4年2ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(B社製)を用いて作製した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[比較例2]
弾性封止部材として、製造より7ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(B社製)を用いて作製した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[比較例3]
弾性封止部材として、製造より1ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(B社製)を用いて作製した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[比較例4]
弾性封止部材として、製造より7ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(B社製)を用いて作製し、隔膜を介して弾性封止部材へ吸着・収着を完全に遮断することを目的として弾性封止部材と隔膜が一切接しないように、弾性封止部材と隔膜間の全面にアルミ板(厚み:100μm)を配置した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[比較例5]
弾性封止部材として、製造より9ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(C社製)を用いて作製した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[比較例6]
弾性封止部材として、製造より1ヶ月経過した硫黄系架橋剤配合イソプレンゴム(C社製)を用いて作製した以外は、実施例1と同様に行い、医療用容器を作製した。
[実験]
実施例1、比較例1ないし6の医療用容器を用いて、40℃の温度環境下にて保管し、ビタミンDの減少量を測定したところ、結果は、表1の通りであった。
下記表における単位は、製造時の設定配合量に対する測定時の含有量の割合[%]であるため、作製時は、設定配合量より若干多くなるように添加されているため、100%を越えるものとなっている。
[表1]
┌─────┬──────┬──────┬──────┬──────┐
│ │ 作製時 │ 40℃6週間 │ 40℃9週間 │ 40℃12週間 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 実施例1 │ 108.0 │ 100.3 │ 101.7 │ 99.3 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例1 │ 107.5 │ 73.6 │ 59.9 │ 50.4 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例2 │ 107.9 │ 96.6 │ 91.7 │ 84.7 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例3 │ 108.0 │ 98.2 │ 96.9 │ 89.7 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例4 │ 108.8 │ 97.5 │ 95.5 │ 87.7 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例5 │ 107.5 │ 95.0 │ 92.0 │ 81.0 │
├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│ 比較例6 │ 108.9 │ 100.2 │ 102.0 │ 98.6 │
└─────┴──────┴──────┴──────┴──────┘
比較例2,4より,弾性封止部材と隔膜が一切触れていないにも拘らず、ビタミンD含有量低下が抑制されていないことから、この含量低下が、隔膜を介して弾性封止部材への吸着・収着ではなく、硫黄系架橋剤含有イソプレンゴム材料から発生する硫黄含有ガス(例えば、硫化水素)によるものと推測される。また,比較例1,2,3及び5,6の測定結果より、硫黄系架橋剤含有イソプレンゴム材料については、弾性封止部材が製造されてからの経過日数が長い方が、ビタミンD含有量低下が顕著であることから、経時的に硫黄含有ガス(例えば、硫化水素)の発生量が増加する傾向にあるものと推測された。
次に、本発明の薬剤充填済医療用容器包装体について、図16および図17を用いて説明する。図16は、本発明の薬剤充填済医療用容器包装体の一実施例の正面図である。図17は、図16に示す薬剤充填済医療用容器包装体における包装材を部分剥離した状態の包装体の正面図である。
本発明の薬剤充填済医療用容器包装体80は、気体難透過性のフィルムからなる密封された包装材82と、包装材82内に収納された医療用容器81とを備える薬剤充填済医療用容器包装体であって、かつ、包装体80は、脱酸素剤83を収納するとともに、脱酸素剤83は、医療用容器81の排出ポート30もしくは排出ポート30の取付部に接触もしくはそれらの付近となる位置に配置されている。
医療用容器81としては、上述した医療用容器10のように、可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体20と、この容器本体20に固定された排出ポート30とを備え、排出ポート30は、薬剤収納部34と、薬剤収納部34に収納されたビタミンD含有薬剤8と、薬剤収納部34の一端側を閉塞し、かつ、破断により容器本体20内との連通を可能とする破断可能部31cと、破断可能部31cの破断操作を行うための操作部31bと、薬剤収納部34の他端側を閉塞し、かつ、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材32を有する排出口33とを備え、そして、弾性封止部材は、硫黄非含有架橋ゴムにより形成されているものが使用される。
具体的には、医療用容器81としては、上述したすべての実施例の医療用容器10,40,50,60、70が好適に使用でき、かつ、それらに限定されるものでもない。
そして、脱酸素剤83は、医療用容器81の排出ポート30もしくは排出ポート30の取付部に接触もしくはそれらの付近となる位置に配置されている。特に、この実施例の包装体80では、脱酸素剤83は、一端側が医療用容器81のシール部に接触し、他端側が医療用容器81に接触しないように包装材82内に収納されているとともに、脱酸素剤83は、包装材82の内面に固定されている。
包装材82としては、気体難透過性のフィルムからなる密封されたものが用いられ、遮光性を有することが好ましい。具体的には、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔層、シリカ(SiO)蒸着層を有する遮光性でかつ気体難透過性のフィルムからなる包装材が好適である。特に、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔層を気体難透過性の高分子材料フィルムで挟んだ積層フィルムを用いることが好ましい。気体難透過性の積層フィルムを形成する気体難透過性高分子材料としては、2軸延伸ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
また、積層フィルムの場合、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔層が積層フィルムの中間層となることが好ましい。積層フィルムは、例えば、気体難透過性高分子材料よりなる1つの層または2層以上を、低融点の樹脂からなる接着剤層(例えばポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体など)を用いて、アルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔層と熱融着することによって作製することができる。さらに、積層フィルムの内側となる面に、密封のための低融点樹脂層を設けることが好ましい。この低融点樹脂層は、フィルムの内側全面に設けてもよいが、ヒートシールされる部分もしくはその付近のみに設けてもよい。低融点樹脂層の形成材料としては、いわゆるホットメルト材料が用いられる。具体的には、ポリエチレン(例えば、低分子ポリエチレン)やエチレン−酢酸ビニル共重合体のような低融点樹脂が用いられる。
本発明で好ましく用いられる包装材の具体例としては、例えば、2軸延伸ポリアミド(OPA)/ポリエチレン(PE)/アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)よりなる層構造を有する積層フィルム、OPA/PE/アルミニウム箔/PE/PEよりなる層構造を有する積層フィルム、OPA/PE/アルミニウム箔/PE/PET/PEよりなる層構造を有する積層フィルム、PET/PE/アルミニウム蒸着PET/PE/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/PEよりなる層構造を有する積層フィルム、ポリ塩化ビニリデン/PE/アルミニウム蒸着PET/PEよりなる層構造を有する積層フィルム、PET/アルミニウム蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)/PEよりなる層構造を有する積層フィルムなどを挙げることができる。
また、本発明で使用される包装材に使用される気体難透過性フィルムは、酸素透過量が、23℃、90%RH、101kPa(1気圧)で測定したときに1.0ml/m2・day以下であることが好ましく、0.60ml/m2・day以下であることがより好ましい。また、気体難透過性フィルムにおけるアルミニウム蒸着層またはアルミニウム箔層の厚さは、アルミニウム蒸着層の場合は0.05〜1.5μm、アルミニウム箔層の場合は5〜15μmであることが好ましい。
そして、包装材は、医療用容器81および脱酸素剤83を収納した後、開口部が、ヒートシールされることにより、密封される。この実施例の包装体80では、包装材82の周縁部全体がヒートシールされたシール部を備えている。このように、包装材82の周縁部全体にシール部を形成することにより、包装材82の周縁におけるピンホールなどの形成を防止することができる。
包装体80内に収納される脱酸素剤としては、使用上毒性などの問題がなく、酸素を効率的に吸収し雰囲気中の酸素を低減させるものであれば、いずれのものでも使用できる。脱酸素剤としては、鉄粉などの金属粉末、第一鉄塩、亜二チオン酸塩、亜硫酸塩、ハロゲン化金属などの無機物を主体とするもの、アスコルビン酸、エリソルビン酸、それらの塩、ヒドロキノンやカテコールなどのポリフェノールなどの有機化合物を主体とするものなど種々のものが知られており、毒性がなくかつ酸素吸収性能に優れるものであればいずれも使用できる。また、脱酸素剤には酸素吸収のみを行うものと、酸素吸収とともに炭酸ガスの放出を行うものがあるが、本発明ではそれらのいずれもが使用できる。市販のものとしては、三菱瓦斯化学社製のエージレス(登録商標)などが知られており、エージレス(登録商標)は本発明において好適に使用できる。
また、脱酸素剤83は、包装材82の内面に固定されていることが好ましい。脱酸素剤の固定方法は、どのようなものであってもよい。この実施例の包装体80では、脱酸素剤83の包装材側となる面に設けられた粘着性物により包装材82に固定している。粘着性物としては、両面粘着性テープ、粘着剤などが使用できる。また、脱酸素剤83は、接着剤により包装材に固定してもよい。
そして、この実施例の包装体80では、脱酸素剤83は、一端側が医療用容器81のシール部16に接触し、他端側が医療用容器81に接触しないように包装材82内に収納されている。さらに、脱酸素剤83の側端は、排出ポート30に近接もしくは接触している。このため、脱酸素剤83の容器体側の面と包装材内面および容器体間に空隙が確実に形成される。この実施例では、脱酸素剤の包装材側の面は全面が包装材と向き合うとともに包装材の内面に接触し固定されている。また、脱酸素剤の容器体側の面は、この実施例では、向き合う容器体のシール部の周縁が脱酸素剤を横切るように配置されている。
なお、脱酸素剤の固定位置としては、上述のものに限定されない。例えば、脱酸素剤83は、医療用容器81の排出ポートに接触するように収納してもよい。脱酸素剤83は、医療用容器81に全く接触しないように包装材82内に収納され固定されているものであってもよい。
なお、図16および図17に示す薬剤充填済医療用容器包装体80では、医療用容器81は、そのままの形態にて収納されているが、このようなものに限定されず、例えば、医療用容器81は、剥離可能な弱シール部を有する仕切部により2室に区分されているとともに、仕切部分において折り曲げられた状態にて包装体80内に収納されていてもよい。
図1は、本発明のビタミンD含有薬剤を収納した医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示した医療用容器の断面図である。 図3は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。 図4は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの一例の正面図である。 図5は、図4の薬剤排出ポートの断面図である。 図6は、図4の薬剤排出ポートのA−A線断面図である。 図7は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の断面図である。 図8は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図9は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図11は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図である。 図12は、図11に示す医療用容器のB−B線断面図である。 図13は、図11に示す医療用容器に用いられる容器本体の正面図である。 図14は、図11に示す医療用容器に取り付けられていた穿刺阻害用部材の展開図である。 図15は、図11に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図16は、本発明の薬剤充填済医療用容器包装体の一実施例の正面図である。 図17は、図16に示す薬剤充填済医療用容器包装体における包装材を部分剥離した状態の包装体の正面図である。
符号の説明
1 医療用容器
2 容器本体
3 排出ポート
32 弾性封止部材
80 薬剤充填済医療用容器包装体
82 包装材

Claims (10)

  1. 可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、該容器本体に取り付けられた排出ポートとを備える医療用容器であって、
    前記排出ポートは、薬剤収納部と、該薬剤収納部の一端側を閉塞し、かつ、破断により前記容器本体内との連通を可能とする破断可能部と、該破断可能部の破断操作を行うための操作部とを備える合成樹脂製排出ポート本体と、前記排出ポート本体の前記薬剤収納部に収納されたビタミンD含有薬剤と、前記排出ポート本体の前記薬剤収納部の他端側を閉塞し、かつ、穿刺針の刺通による接続が可能な弾性封止部材を有する排出口とを備え、前記弾性封止部材は、非硫黄系架橋剤により架橋され、かつ硫黄非含有であり硫黄含有ガスを発生しない架橋ゴムにより形成され、硫黄含有ガスに起因するビタミンD変性を防止していることを特徴とする薬剤充填済医療用容器。
  2. 前記硫黄非含有架橋ゴムは、過酸化物系架橋剤により架橋された架橋ゴムである請求項に記載の薬剤充填済医療用容器。
  3. 前記ビタミンD含有薬剤は、前記ビタミンDとともに、ビタミンA,ビタミンEおよびビタミンKを含有する脂溶性ビタミン剤である請求項1または2に記載の薬剤充填済医療用容器。
  4. 前記排出ポートは、前記弾性封止部材と前記薬剤収納部内の薬剤との接触を阻害し、かつ、前記穿刺針が刺通可能な隔膜を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤充填済医療用容器。
  5. 前記隔膜は、前記弾性封止部材の前記薬剤収納部側の表面を被包する被膜である請求項4に記載の薬剤充填済医療用容器。
  6. 前記隔膜は、前記ポート本体の後端側筒状部を封止するように、前記ポート本体に固着された隔膜である請求項4に記載の薬剤充填済医療用容器。
  7. 前記容器本体は、該容器本体内の薬剤室を第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分する剥離可能な仕切部を備え、かつ、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤を備え、前記排出ポートは、前記容器本体の前記第1の薬剤室もしくは前記第2の薬剤室に固定されている請求項ないしのいずれかに記載の薬剤充填済医療用容器。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の薬剤充填済医療用容器と、該医療用容器を収納した状態にて密封された気体難透過性包装材とからなる薬剤充填済医療用容器包装体であって、前記包装体内には、脱酸素剤が収納されていることを特徴とする薬剤充填済医療用容器包装体。
  9. 前記脱酸素剤は、前記医療用容器の排出ポートまたは排出ポートの取付部に接触もしくはそれらの付近となる位置に配置され、かつ、前記包装材の内面に固定されている請求項8に記載の薬剤充填済医療用容器包装体。
  10. 前記脱酸素剤は、一端側が前記医療用容器のシール部に接触し、他端側が前記医療用容器に接触しないように前記包装材内に収納されている請求項8または9に記載の薬剤充填済医療用容器包装体。
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