JP5473790B2 - ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法 - Google Patents

ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5473790B2
JP5473790B2 JP2010129882A JP2010129882A JP5473790B2 JP 5473790 B2 JP5473790 B2 JP 5473790B2 JP 2010129882 A JP2010129882 A JP 2010129882A JP 2010129882 A JP2010129882 A JP 2010129882A JP 5473790 B2 JP5473790 B2 JP 5473790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
rotation
error
movement
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010129882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011255433A (ja
Inventor
高 渋谷
修 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010129882A priority Critical patent/JP5473790B2/ja
Publication of JP2011255433A publication Critical patent/JP2011255433A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5473790B2 publication Critical patent/JP5473790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法に関するものである。
従来、ギヤシェーパは、被加工物(ワーク)に歯車を形成するための刃が先端に設けられた主軸を、軸線周りに回転駆動させると共に軸線方向に往復駆動させる、すなわち、主軸に対してらせん軌道を与えるヘリカルガイド機構を備えていた。しかし、ヘリカルガイド機構を備えたギヤシェーパは、ワークの諸元に応じてヘリカルガイド機構を交換する必要があった。
この問題を解消するために、特許文献1に記載されたギヤシェーパは、主軸を回転させる回転駆動手段と、主軸を軸線方向に往復させる移動駆動手段とを備え、各々独立した該往復駆動と該回転駆動との合成によって任意のらせん軌道を主軸に与えることによって、ヘリカルガイド機構の交換を不要とした。
特開平10−109223号公報
しかし、特許文献1に記載されたギヤシェーパでは、主軸の先端に設けられた刃の位置決め精度がメカ剛性、サーボ剛性等に依存し、高速で被加工物を加工すると、形成される歯車の歯すじ精度が低下する場合があるという問題があった。このため、歯車の歯すじ精度を確保するためには、加工条件を落とす必要があり、その結果、歯車を加工するための時間が長くなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、往復駆動及び回転駆動が各々独立して駆動される主軸を、高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、歯車の歯すじ精度を確保するギヤシェーパ及びギヤシェーパの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のギヤシェーパは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるギヤシェーパは、テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線周りに回転駆動されると共に軸線方向に往復駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、前記軸線方向の往復駆動による前記主軸の移動量を計測する移動量計測手段と、前記移動量計測手段によって計測された移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を導出する移動誤差導出手段と、前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を用いて、前記設定移動量で往復駆動するように前記往復駆動手段をフィードバック制御する往復制御手段と、を備える。
本発明によれば、テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられた主軸が、回転駆動手段によって軸線周りに回転駆動されると共に、往復駆動手段によって軸線方向に往復駆動される。なお、回転駆動手段は、回転制御手段によって予め設定された設定回転量で回転駆動するように制御され、往復駆動手段は、往復制御手段によって予め設定された設定移動量で往復駆動するように制御されるので、主軸の往復駆動と回転駆動とが独立して制御され、該往復駆動と該回転駆動との合成によって任意のらせん軌道が主軸に与えられる。
また、移動量計測手段によって、軸線方向の往復駆動による主軸の移動量が計測され、移動誤差導出手段によって、移動量計測手段で計測された移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量が導出される。そして、上記往復制御手段によって、移動誤差導出手段で導出された移動誤差量を用いて、主軸が設定移動量で往復駆動するように往復駆動手段がフィードバック制御される。
このように、主軸が軸線方向に対して、計測された移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を用いて、設定移動量で往復駆動するようにフィードバック制御されるので、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差が抑制される。
さらに、本発明のギヤシェーパは、前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記主軸の回転の誤差である回転誤差量に変換する誤差変換手段をさらに備え、前記回転制御手段は、前記誤差変換手段によって変換された前記回転誤差量を用いて、前記主軸が前記設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する。
一般に、主軸の往復駆動の位置決め精度に比較して主軸の回転駆動の位置決め精度の方が、精度は高い。そこで、誤差変換手段によって、移動誤差導出手段で導出された移動誤差量が主軸の回転の誤差である回転誤差量に変換され、回転制御手段によって、上記回転誤差量を用いて、主軸が設定回転量で回転駆動するように回転駆動手段がフィードバック制御される。このため、位置決め精度がより低い主軸の往復駆動の移動誤差を用いて主軸の回転駆動が制御されるので、主軸の往復駆動及び回転駆動の位置偏差の発生が抑制され、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差がより抑制される。
さらに、本発明のギヤシェーパは、前記誤差変換手段が、前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記刃によって形成される歯車の仕様に基づいて、前記回転誤差量に変換する。
これにより、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の仕様にかかわらず、形成される歯車の歯すじ誤差がより抑制される。
さらに、本発明のギヤシェーパでは、前記移動量計測手段又は前記移動量計測手段近傍の温度を計測する温度計測手段をさらに備え、前記移動誤差導出手段が、前記温度計測手段によって計測された温度に基づいて前記移動量が補正された前記移動誤差量を導出する。
主軸は、往復駆動及び回転駆動されることによって熱が発生し、該熱の影響によって移動量計測手段によって計測される主軸の移動量に誤差が生じる可能性がある。そこで、温度計測手段によって、移動量計測手段又は移動量計測手段近傍の温度が計測され、導出手段によって、温度計測手段で計測された温度に基づいて移動量が補正された移動誤差量が導出される。
これにより、移動量計測手段で計測された移動量の熱の影響による誤差が補正されるので、フィードバック制御の精度をより高めることができる。
さらに、本発明のギヤシェーパでは、前記誤差変換手段によって変換された前記回転誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量を選択する選択手段をさらに備え、前記回転制御手段が、前記選択手段によって選択された回転誤差量を用いて、前記主軸が前記設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する。
誤差変換手段によって変換された回転誤差量には、主軸の移動量の計測誤差や計測時のノイズ等、フィードバック制御には不必要な周波数成分の回転誤差量が含まれる場合があり、該不必要な周波数成分の影響により、歯車の加工面にビビリ等が発生し、加工精度が低下する可能性がある。そこで、選択手段によって、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量が選択され、回転制御手段によって、選択手段で選択された回転誤差量を用いて、主軸が設定回転量で回転駆動するように回転駆動手段がフィードバック制御される。
これにより、計測誤差やノイズ等のフィードバック制御に不必要な周波数成分を回転誤差から除去することができ、歯車の歯すじ誤差が抑制される。
さらに、本発明のギヤシェーパは、前記テーブルを駆動させるテーブル駆動手段と、前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記テーブルの駆動量の誤差である駆動誤差量に変換する誤差変換手段と、前記誤差変換手段によって変換された前記駆動誤差量を用いて、前記テーブルが予め設定された設定駆動量で駆動するように前記テーブル駆動手段を制御するテーブル駆動制御手段と、をさらに備える。
一般に、テーブルの駆動に要する機構は、主軸の駆動に要する機構に比較して複雑ではない。そこで、誤差変換手段によって、移動誤差導出手段によって導出された移動誤差量がテーブルの駆動量の誤差である駆動誤差量に変換され、テーブル駆動制御手段によって、誤差変換手段で変換された駆動誤差量を用いて、設定駆動量で回転するようにテーブル駆動手段が制御される。
これにより、フィードバック制御が、主軸を駆動させることにより生じるノイズ、及び主軸に固有の振動の影響を受けることが抑制されるので、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、歯車の歯すじ誤差が抑制される。
さらに、本発明のギヤシェーパは、前記誤差変換手段によって変換された前記駆動誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した駆動誤差量を選択する選択手段をさらに備え、前記テーブル駆動制御手段は、前記選択手段によって選択された駆動誤差量を用いて、前記設定駆動量で駆動するように前記テーブル駆動手段をフィードバック制御する。
誤差変換手段によって変換された駆動誤差量には、主軸の移動量の計測誤差や計測時のノイズ等、フィードバック制御には不必要な周波数成分の駆動誤差量が含まれる場合があり、該不必要な周波数成分の影響により、歯車の加工面にビビリ等が発生し、加工精度が低下する可能性がある。そこで、選択手段が、予め定められた帯域の周波数に対応した駆動誤差量を選択し、テーブル駆動制御手段が、選択手段によって選択された駆動誤差量を用いて、テーブルが設定駆動量で駆動するようにテーブル駆動手段をフィードバック制御する。
これにより、計測誤差やノイズ等のフィードバック制御に不必要な周波数成分を回転誤差から除去することができ、歯車の歯すじ誤差が抑制される。
また、上記課題を解決するために、本発明のギヤシェーパは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるギヤシェーパは、テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線方向に往復駆動されると共に軸線周りに回転駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、予め設定された移動量で往復駆動するように前記主軸の駆動を制御する往復制御手段と、前記軸線周りの回転駆動による前記主軸の回転量を計測する回転量計測手段と、前記回転量計測手段によって計測された回転量と予め設定された設定回転量との差から補正設定回転量を導出する設定回転量補正手段と、前記設定回転量補正手段によって導出された前記補正設定回転量から、前記軸線方向の往復駆動における振動周波数と等しい帯域の補正設定回転量を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された補正設定回転量を用いて、前記主軸が予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する回転制御手段と、を備える。
一般にギヤシェーパでは、主軸を回転駆動させるための作用点から刃までの距離が、主軸を往復駆動させるための作用点から刃までの距離に比較して短く、又構成部品点数も少ないため、回転駆動軸の方が往復駆動軸に比較して機械的な振動周波数特性が高い(例えば、往復駆動軸の周波数の固有値は、約90〜100Hz、回転駆動軸の周波数の固有値は、約400〜500Hz)。このことは、回転駆動軸の方が往復駆動軸に比較して位置決め精度が高いことを示している。
そこで、本発明によれば、設定回転量補正手段によって、回転量計測手段で計測された主軸の軸線方向の回転量と予め設定された設定回転量との差から補正設定回転量が導出され、選択手段によって、該補正設定回転量から、軸線方向の往復駆動における振動周波数と等しい帯域の補正設定回転量が選択され、回転制御手段によって、選択手段で選択された補正設定回転量を用いて、主軸が予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段がフィードバック制御される。
これにより、回転駆動軸と往復駆動軸との追従誤差、すなわち回転駆動軸の位置決め精度と往復駆動軸の位置決め精度が同等となり、主軸の往復駆動と回転駆動との間での位置偏差の発生が抑制されるので、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差が抑制される。
また、上記課題を解決するために、本発明のギヤシェーパの制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるギヤシェーパの制御方法は、テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線周りに回転駆動されると共に軸線方向に往復駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、を備えたギヤシェーパの制御方法であって、前記軸線方向の往復駆動による前記主軸の移動量を計測し、計測した前記移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を導出し、導出した前記移動誤差量を用いて、前記主軸が前記設定移動量で往復駆動するように前記往復駆動手段をフィードバック制御する。
このように、主軸が軸線方向に対して、計測された移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を用いて、設定移動量で往復駆動するようにフィードバック制御されるので、主軸を高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差が抑制される。
往復駆動及び回転駆動が各々独立して駆動される主軸を、高速で駆動させて被加工物を加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係るギヤシェーパの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るギヤシェーパの移動量計測部の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るギヤシェーパの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るギヤシェーパの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るギヤシェーパの構成を示す図である。
以下に、本発明に係るギヤシェーパの一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1,2を用いて説明する。
図1に本第1実施形態に係るギヤシェーパ10の構成を示す。
ギヤシェーパ10は、テーブルに載置された被加工物(以下、「ワーク」という。)に歯車を形成するための刃(本第1実施形態では、一例としてピニオンカッタ20)が先端(図1では下端)に設けられ、軸線方向に往復駆動されると共に軸線周りに回転駆動される主軸22、主軸22を軸線方向に往復駆動させるA軸モータ24、主軸22を軸線周りに回転駆動させるY軸モータ26、並びにA軸モータ24及びY軸モータ26を制御する制御部30を備えている。
なお、本第1実施形態に係る制御部30は、ソフトウェアによる情報処理によって、図1に示される制御部30の各構成要素の機能を実現するものとする。
さらに、ギヤシェーパ10は、歯車を形成するための加工条件、すなわち歯車の仕様等の入力を受け付ける加工条件入力部32を備えている。なお、加工条件入力部32は、モニタ及びキーボード等の入力装置によって構成され、上記歯車の仕様として、歯車のねじれ角等が入力される。
また、Y軸モータ26には、Y軸モータ26の駆動軸の回転量を計測するエンコーダ54Yが設けられている。なお、以下の説明では、各軸の回転量を回転角度として説明するが、これに限らず、回転量を回転数としてもよい。
主軸22は、カッタヘッド56に軸線方向に往復駆動可能かつ軸線周りに回転駆動可能なように支持されており、主軸22の上端は、球面軸受58を介してクランク杆60の下端に連結されて、クランク杆60の上端は、クランク機構62に支持されている。そして、クランク機構62は、駆動歯車64Aを介してA軸モータ24の駆動により回転駆動するため、主軸22は、クランク杆60を介して上下方向に往復駆動する。なお、主軸22は、円筒もしくは多角形状とされている。
また、主軸22には従動歯車66が設けられており、従動歯車66には駆動歯車64Bが噛み合っている。駆動歯車64Bは、Y軸モータ26の駆動によって回転するため、主軸22は、駆動歯車64B及び従動歯車66を介してY軸モータ26の駆動力により回転駆動する。なお、以下の説明において、往復駆動軸をA軸といい、回転駆動軸をY軸という。
このように、A軸モータ24の駆動により、主軸22は上下方向に往復駆動されると共にY軸モータ26の駆動により、主軸22は回転駆動されるので、該往復駆動と該回転駆動との合成によって任意のらせん軌道が主軸22に与えられる。すなわち、主軸22の駆動に応じて、主軸22の下端に供えられたピニオンカッタ20も、らせん軌道を描き、テーブルに載置されたワークを切削する。
さらに、ギヤシェーパ10には、軸線方向の往復駆動による主軸22の移動量を計測する移動量計測部72が備えられている。本第1実施形態に係る移動量計測部72は、図2(A)に示すようにカッタヘッド56に設けられた静圧ガイド74内に設置されている。
本第1実施形態に係るギヤシェーパ10では、移動量計測部72としてリニアスケールを用いるが、これに限らず、主軸22の移動量が計測できれば他の計測手段であってもよい。なお、本第1実施形態では、図2(B),(C)に示すようにスケール本体72Aが主軸22に備えられており、計測ヘッド72Bがスケール本体72Aの移動量を計測することにより、移動量計測部72が、主軸22の移動量を計測する。
本第1実施形態に係る静圧ガイド74は、主軸22が駆動することによって、静圧ガイド74内の油の温度が上昇し、当該温度上昇の影響により、スケール本体72Aが膨張し、移動量計測部72で計測される主軸22の移動量に誤差が生じる可能性がある。そのため、移動量計測部72近傍には、温度を計測する温度計測部76が備えられており、温度計測部76で計測された温度は、後述するように、移動量の誤差を補正するために用いられる。なお、本第1実施形態に係るギヤシェーパ10では、温度計測部76として熱電対を用いるが、これに限らず、抵抗測温体等の他の計測手段を用いてもよい。また、温度計測部76を移動量計測部72に設け、移動量計測部72の温度を直接計測してもよい。
一方、制御部30は、温度補正部78、歯すじ軌道導出部80、A軸軌道導出部82、Y軸軌道導出部84、移動誤差導出部86、A軸制御部88、誤差変換部90Y、回転誤差導出部92Y、及びY軸制御部93を備えている。
温度補正部78は、移動量計測部72及び温度計測部76が接続されており、移動量計測部72で計測された移動量を温度計測部76で計測された温度に基づいて補正し、補正後の移動量(以下、「補正移動量」という。)を出力する。
歯すじ軌道導出部80は、加工条件入力部32を介して入力された加工条件に基づいて、加工条件に応じた形成される歯車の歯すじの軌道を導出し、導出した歯すじの軌道を出力する。
A軸軌道導出部82は、歯すじ軌道導出部80で設定された歯車の軌道に基づいて、A軸の軌道、すなわち主軸22の軸線方向の移動量の設定値(以下、「設定移動量」という。)を導出する。そして、A軸軌道導出部82は、導出した設定移動量を移動誤差導出部86へ出力する。
移動誤差導出部86は、A軸軌道導出部82から出力された設定移動量、及び温度補正部78から出力された補正移動量が入力され、設定移動量と補正移動量との差である移動誤差量を導出し、設定移動量と導出した移動誤差量とから補正設定移動量を導出する。そして、移動誤差導出部86は、導出した補正設定移動量をA軸制御部88へ出力すると共に、導出した移動誤差量を誤差変換部90Yへ出力する。
A軸制御部88は、移動誤差導出部86で導出された補正設定移動量で、主軸22が往復駆動するようにA軸モータ24の回転量を導出し、当該回転量で回転するように角度指令値をA軸モータ24に出力することで、A軸モータ24を制御する。すなわち、A軸制御部88は、移動誤差導出部86で導出された移動誤差量を用いて、主軸22が設定移動量で往復駆動するようにA軸モータ24をフィードバック制御することとなる。
一方、Y軸軌道導出部84は、歯すじ軌道導出部80で設定された形成される歯車の軌道に基づいて、Y軸の軌道、すなわち主軸22の回転量の設定値(以下、「設定回転量」という。)を導出する。そして、Y軸軌道導出部84は、導出した設定回転量を回転誤差導出部92Yへ出力する。
誤差変換部90Yは、移動誤差導出部86によって導出された移動誤差量を主軸22の回転の誤差である回転誤差量に変換し、該回転誤差量を回転誤差導出部92Yへ出力する。
回転誤差導出部92Yは、Y軸軌道導出部84から出力された設定回転量、誤差変換部90Yから出力された回転誤差量、及びエンコーダ54Yで計測された回転量(以下、「計測回転量」という。)が入力され、設定回転量と回転誤差量と計測回転量とから補正設定回転量を導出する。そして、回転誤差導出部92Yは、導出した補正設定回転量をY軸制御部93へ出力する。
Y軸制御部93は、回転誤差導出部92Yで導出された補正設定回転量で、主軸22が回転駆動するようにY軸モータ26の回転量を導出し、当該回転量で回転するように角度指令値をY軸モータ26に出力することで、Y軸モータ26を制御する。すなわち、Y軸制御部93は、誤差変換部90Yにおける変換によって得られた回転誤差量を用いて、主軸22が設定回転量で回転駆動するようにY軸モータ26をフィードバック制御することとなる。
次に、本第1実施形態に係るギヤシェーパ10の作用について説明する。
まず、加工条件入力部32を介して、ユーザによって、歯車を形成するための加工条件が入力されると、歯すじ軌道導出部80が、入力された加工条件に基づいて、加工条件に応じた形成される歯車の歯すじの軌道を導出する。
次に、A軸軌道導出部82が、歯すじ軌道導出部80で設定された形成される歯車の軌道に基づいて、主軸22の設定移動量を導出し、A軸制御部88が、該設定移動量に応じてA軸モータ24を駆動させる。なお、A軸モータ24の駆動を開始する場合、移動誤差導出部86は、入力された設定移動量を記憶すると共に、A軸軌道導出部82で導出された設定移動量を補正することなくA軸制御部88へ出力する。
また、Y軸軌道導出部84が、歯すじ軌道導出部80で設定された形成される歯車の軌道に基づいて、主軸22の設定回転量を導出し、Y軸制御部93が、該設定回転量に応じてY軸モータ26を駆動させる。なお、Y軸モータ26の駆動を開始する場合、回転誤差導出部92Yは、入力された設定回転量を記憶すると共に、Y軸軌道導出部84で導出された設定回転量を補正することなくY軸制御部93へ出力する。
これにより、主軸22と共にピニオンカッタ20は、らせん軌道を描きながらワークを切削し、歯車の形成を開始する。また、エンコーダ54Yは、Y軸モータ26が駆動を開始すると共に、Y軸モータ26の駆動軸の回転量の計測を開始する。
そして、移動量計測部72が、主軸22が軸線方向に往復駆動している状態で、軸線方向の往復駆動による主軸22の移動量を計測すると共に、温度計測部76が、移動量計測部72近傍の温度を計測する。
次に、温度補正部78に、移動量計測部72から出力された移動量及び温度計測部76から出力された温度が入力される。温度補正部78は、移動量をX とし、温度をTとすると、次の(1)式に示される関数fにより移動量X を補正し、補正移動量Xを導出する。
=f(X 、T) ・・・(1)
なお、(1)式に示される関数は、例えば、スケール本体72Aの膨張率と温度との関係を予め実験により求めることで得られる。また、移動量計測部72で計測される移動量の温度による誤差を示すテーブルを図示しない記憶手段に予め記憶させ、該テーブルを読み出すことで、補正移動量を導出してもよい。
次に、移動誤差導出部86に、温度補正部78から出力された補正移動量が入力されると、移動誤差導出部86は、記憶している設定移動量と補正移動量との差である移動誤差量を導出し、設定移動量と導出した移動誤差量とから補正設定移動量を導出する。
移動誤差導出部86は、例えば、記憶している設定移動量から補正移動量を加算又は減算することによって移動誤差量を算出し、該移動誤差量に基づいて設定移動量を補正することによって補正設定移動量を導出する。
そして、A軸制御部88は、移動誤差導出部86から出力された補正設定移動量が入力されると、該補正設定移動量で主軸22が往復駆動するようにA軸モータ24をフィードバック制御する。
一方、誤差変換部90Yは、移動誤差導出部86から移動誤差量が入力されると、移動誤差量を回転誤差量に変換し、該回転誤差量を回転誤差導出部92Yへ出力する。
誤差変換部90Yは、移動誤差量をeとし、A軸制御部88からA軸モータ24に出力される角度指令値をθとすると、次の(2)式に示される関数fにより回転誤差量eを導出する。
=f(e、θ) ・・・(2)
なお、関数fは、形成される歯車の仕様に応じて決定される。本第1実施形態では、上記仕様の一例として、形成される歯車のねじれ角に応じて関数fを決定するが、これに限らず、形成される歯車の他の仕様又は複数の仕様の組み合わせに応じて関数fを決定してもよい。また、関数fは、図示しない記憶手段に、形成される歯車の仕様に対応して予め複数記憶されており、誤差変換部90Yは、加工条件入力部32で入力された、形成される歯車の仕様に応じて上記記憶手段から対応する関数fを選択する。
これにより、ユーザは、歯車の仕様を入力するだけで、適正な関数fが選択されるため、ユーザの利便性が向上される。
そして、回転誤差導出部92Yは、誤差変換部90Yから出力された回転誤差量、及びエンコーダ54Yから出力された計測回転量が入力されると、該回転誤差量と該計測回転量と記憶している設定回転量とから補正設定回転量を導出する。
回転誤差導出部92Yは、例えば、記憶している設定回転量から回転誤差量及び計測回転量を加算又は減算することで得られた値に基づいて、設定回転量を補正することによって補正設定回転量を導出する。
そして、Y軸制御部93は、回転誤差導出部92Yから出力された補正設定回転量が入力されると、該補正設定回転量で主軸22が回転駆動するようにY軸モータ26をフィードバック制御する。
上記のように、移動誤差量を回転誤差量に変換し、該回転誤差量を用いてY軸モータ26をフィードバック制御する理由は、次のとおりである。
一般に、主軸22を回転駆動させるための作用点からピニオンカッタ20までの距離の方が、主軸22を往復駆動させるための作用点からピニオンカッタ20までの距離に比較して短く、又構成部品点数も少ないため、A軸の方がY軸に比較して機械的な振動周波数特性が高い(例えば、往復駆動軸の周波数の固有値は、約90〜100Hz、回転駆動軸の周波数の固有値は、約400〜500Hz)。このことは、A軸の方がY軸に比較して位置決め精度が高いことを示している。そのため、位置決め精度がより低い主軸22の往復駆動の移動誤差を用いて主軸22の回転駆動を制御することで、主軸22の往復駆動及び回転駆動の位置偏差の発生を抑制できると考えられる。
これによって、主軸22を高速で駆動させてワークを加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差がより抑制される。すなわち、工作精度を保ったままで、ワークの加工時間を短縮できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図3に、本第2実施形態に係るギヤシェーパ10の構成を示す。なお、図3における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、誤差変換部90Yによって変換された回転誤差量には、主軸22の移動量の計測誤差や計測時のノイズ等、フィードバック制御には不必要な周波数成分の回転誤差量が含まれる場合があり、該不必要な周波数成分の影響により、歯車の加工面にビビリ等が発生し、加工精度が低下する可能性がある。
そこで、本第2実施形態に係るギヤシェーパ10には、誤差変換部90Yによって変換された回転誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量を選択するフィルタ94Yが、誤差変換部90Yと回転誤差導出部92Yとの間に備えられている。なお、上記予め定められた帯域とは、回転誤差量から上記不必要な周波数成分を除去できる帯域である。
これにより、主軸22の移動量の計測誤差やノイズ等のフィードバック制御に不必要な周波数成分を回転誤差から除去することができ、歯車の歯すじ誤差が抑制される。
なお、ノイズの周波数は必要とする回転誤差量の周波数に比較して高く、又低周波側の成分を除去することでフィードバック制御の精度をより高めることができるため、本第2実施形態では、フィルタ94Yとして、バンドパスフィルタを用いる。しかし、フィルタ94Yとして、バンドパスフィルタに限らず、ローパスフィルタ又はハイパスフィルタを用いてもよい。
また、歯車の加工条件に応じて、上記予め定められた帯域の周波数を自動又はユーザによる手動で変更可能としてもよい。なお、自動的に変化させる場合は、歯車の加工条件に応じた周波数の帯域を図示しない記憶手段に予め記憶させる。
さらに、本第2実施形態では、フィルタ94Yを誤差変換部90Yと回転誤差導出部92Yとの間に設けたが、本発明はこれに限定されず、フィルタ94Yを移動誤差導出部86と誤差変換部90Yとの間に設け、移動誤差量からフィードバック制御には不必要な周波数成分を除去し、誤差変換部90Yが、上記不必要な周波数成分が除去された移動誤差量を用いて回転誤差を導出するとしてもよい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
図4に、本第3実施形態に係るギヤシェーパ10の構成を示す。なお、図4における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第3実施形態に係るギヤシェーパ10は、テーブルを回転駆動させるC軸モータ96及びC軸モータ96の駆動軸の回転量を計測するエンコーダ54Cを備え、制御部30は、誤差変換部90C、フィルタ94C、C軸軌道導出部98、回転誤差導出部92C、及びC軸制御部99を備えている。なお、本第3実施形態では、上述した第1,2実施形態に係るギヤシェーパ10で備えていた誤差変換部90Yを備えていないため、回転誤差導出部92Yは、Y軸軌道導出部84から出力された設定回転量とエンコーダ54Cで計測された計測回転量とから補正設定回転量を導出する。
また、以下の説明において、テーブルの回転駆動軸をC軸という。
誤差変換部90Cは、移動誤差導出部86によって導出された移動誤差量をテーブルの回転量の誤差である回転誤差量に変換する。
フィルタ94Cは、誤差変換部90Cと回転誤差導出部92Cとの間に設けられ、誤差変換部90Cによって変換された回転誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量を選択する。
C軸軌道導出部98は、歯すじ軌道導出部80で設定された形成される歯車の軌道に基づいて、テーブルの回転量の設定値(以下、「設定回転量」という。)を導出する。そして、C軸軌道導出部98は、導出した設定回転量をテーブル回転誤差導出部92Yへ出力する。
回転誤差導出部92Cは、C軸軌道導出部98から出力された設定回転量、誤差変換部90Cから出力された回転誤差量、及びエンコーダ54Cで計測されたC軸モータ96の計測回転量が入力され、該設定回転量と該回転誤差量と該計測回転量とから補正設定回転量を導出する。そして、回転誤差導出部92Cは、導出した補正設定回転量をC軸制御部99へ出力する。
C軸制御部99は、回転誤差導出部92Cで導出された補正設定回転量で、テーブルが回転駆動するようにC軸モータ96の回転量を導出し、当該回転量で回転するように角度指令値をC軸モータ96に出力することで、C軸モータ96を制御する。すなわち、C軸制御部99は、回転誤差導出部92Yで導出された回転誤差量を用いて、テーブルが設定回転量で回転駆動するようにC軸モータ96をフィードバック制御することとなる。
次に、本第3実施形態に係るギヤシェーパ10のC軸に対する作用について説明する。
C軸軌道導出部98が、歯すじ軌道導出部80で設定された形成される歯車の軌道に基づいて、テーブルの設定回転量を導出し、C軸制御部99が、該設定回転量に応じてC軸モータ96を駆動させる。なお、C軸モータ96の駆動を開始する場合、回転誤差導出部92Cは、入力された設定回転量を記憶すると共に、C軸軌道導出部98で導出された設定回転量を補正することなくA軸制御部88へ出力する。
そして、誤差変換部90Cは、移動誤差導出部86から移動誤差量が入力されると、移動誤差量を回転誤差量に変換し、該回転誤差量をフィルタ94Cへ出力する。
誤差変換部90Cは、移動誤差量をeとし、A軸制御部88からA軸モータ24に出力される角度指令値をθとすると、次の(3)式に示される関数fにより回転誤差量eを導出する。
=f(e、θ) ・・・(3)
なお、関数fは、形成される歯車の仕様に応じて決定される。本第3実施形態では、上記仕様の一例として、形成される歯車のねじれ角に応じて関数fを決定するが、これに限らず、形成される歯車の他の仕様又は複数の仕様の組み合わせに応じて関数fを決定してもよい。また、関数fは、図示しない記憶手段に、形成される歯車の仕様に対応して予め複数記憶されており、誤差変換部90Cは、加工条件入力部32で入力された、形成される歯車の仕様に応じて上記記憶手段から対応する関数fを選択する。
フィルタ94Cは、誤差変換部90Cから回転誤差量が入力されると、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量を選択し、該選択された回転誤差量を回転誤差導出部92Cへ出力する。
回転誤差導出部92Cは、フィルタ94Cから出力された回転誤差量、及びエンコーダ54Cから出力された計測回転量が入力されると、該回転誤差量と該計測回転量と記憶している設定回転量とから補正設定回転量を導出する。
そして、C軸制御部99は、回転誤差導出部92Cから補正設定回転量が入力されると、該補正設定回転量でテーブルが回転駆動するようにC軸モータ96をフィードバック制御する。
以上のように、一般に、テーブルの駆動に要する機構は、主軸の駆動に要する機構に比較して複雑ではないことから、主軸22の軸線方向の移動誤差量に基づいてテーブルの回転量を補正するので、フィードバック制御が、主軸22を駆動させることにより生じるノイズ、及び主軸22に固有の振動の影響を受けることが抑制されるので、主軸22を高速で駆動させてワークを加工する場合であっても、歯車の加工精度の低下が抑制される。
なお、本第3実施形態では、テーブルの駆動を回転駆動として説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、テーブルの駆動を主軸に対して上下又は左右方向への往復駆動としてもよい。
また、本第3実施形態では、フィルタ94Cを誤差変換部90Cと回転誤差導出部92Cとの間に設けたが、本発明はこれに限定されず、フィルタ94Cを移動誤差導出部86と誤差変換部90Cとの間に設け、移動誤差量からフィードバック制御には不必要な周波数成分を除去し、誤差変換部90Cが、上記不必要な周波数成分が除去された移動誤差量を用いて回転誤差を導出するとしてもよいし、制御部30にフィルタ94Cを設けない構成としてもよい。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
図5に、本第4実施形態に係るギヤシェーパ10の構成を示す。なお、図5における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
制御部30は、歯すじ軌道導出部80、A軸軌道導出部82、A軸制御部88’、Y軸軌道導出部84、回転誤差導出部92Y’、フィルタ94Y’、及びY軸制御部93’を備えている。
A軸制御部88’は、A軸軌道導出部82で導出された設定移動量で、主軸22が往復駆動するようにA軸モータ24の回転量を導出し、当該回転量で回転するように角度指令値をA軸モータ24に出力することで、A軸モータ24を制御する。
回転誤差導出部92Y’は、エンコーダ54Yから出力された計測回転量が入力されると、該計測回転量と設定回転量とから補正設定回転量を導出する。回転誤差導出部92Y’は、例えば、設定回転量から計測回転量を加算又は減算することによって得られた値に基づいて、設定回転量を補正することによって補正設定回転量を導出する。なお、エンコーダ54Yで計測された計測回転量は、主軸22の軸線方向の回転量に対応している。
フィルタ94Y’は、回転誤差導出部92Y’によって導出された補正設定回転量からA軸における振動周波数と等しい帯域の補正設定回転量を選択する。なお、本第4実施形態では、フィルタ94Y’としてローパスフィルタを用いるが、これに限らず、バンドパスフィルタを用いてもよい。
Y軸制御部93’は、フィルタ94Y’で選択された補正設定回転量を用いて、主軸22が設定回転量で回転駆動するようにY軸モータ26をフィードバック制御する。
ここで、上述したように、一般に、Y軸の方がA軸に比較して機械的な振動周波数特性が高く、Y軸の方がA軸に比較して位置決め精度が高い。
そこで、フィルタ94Y’で、補正設定回転量からA軸における振動周波数と等しい帯域の補正設定回転量を選択することにより、Y軸とA軸との追従誤差、すなわちY軸の位置決め精度とA軸の位置決め精度を同等とする。これによって、主軸22の往復駆動と回転駆動との間での位置偏差の発生が抑制されるので、主軸22を高速で駆動させてワークを加工する場合であっても、形成される歯車の歯すじ誤差が抑制される。
なお、本第4実施形態では、フィルタ94Y’を回転誤差導出部92Y’とY軸制御部93’との間に設けたが、本発明はこれに限定されず、フィルタ94Y’をエンコーダ54Yと回転誤差導出部92Y’との間に設け、てもよい。
また、本第4実施形態では、エンコーダ54Y’で計測された計測回転量を用いて回転誤差導出部92Y’で補正設定回転量を導出したが、本発明はこれに限定されず、ピニオンカッタ20の近傍に主軸22の回転量を計測する計測手段を備え、該計測手段によって計測された計測回転量を用いて回転誤差導出部92Y’で補正設定回転量を導出してもよい。
以上、本発明を上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記各実施形態では、制御部30の各構成要素の機能を、ソフトウェアによる情報処理によって実現するものとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、制御部30の各構成要素の機能をハードウェアにより実現してもよい。
10 ギヤシェーパ
20 ピニオンカッタ
22 主軸
24 A軸モータ
26 Y軸モータ
72 移動量計測部
76 温度計測部
78 温度補正部
86 移動誤差導出部
88 A軸制御部
93 Y軸制御部

Claims (9)

  1. テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線周りに回転駆動されると共に軸線方向に往復駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、
    前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、
    前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、
    予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、
    前記軸線方向の往復駆動による前記主軸の移動量を計測する移動量計測手段と、
    前記移動量計測手段によって計測された移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を導出する移動誤差導出手段と、
    前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を用いて、前記主軸が前記設定移動量で往復駆動するように前記往復駆動手段をフィードバック制御する往復制御手段と、
    を備えるギヤシェーパ。
  2. 前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記主軸の回転の誤差である回転誤差量に変換する誤差変換手段をさらに備え、
    前記回転制御手段は、前記誤差変換手段によって変換された前記回転誤差量を用いて、前記主軸が前記設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する請求項1に記載のギヤシェーパ。
  3. 前記誤差変換手段は、前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記刃によって形成される歯車の仕様に基づいて、前記回転誤差量に変換する請求項2に記載のギヤシェーパ。
  4. 前記移動量計測手段又は前記移動量計測手段近傍の温度を計測する温度計測手段をさらに備え、
    前記移動誤差導出手段は、前記温度計測手段によって計測された温度に基づいて前記移動量が補正された前記移動誤差量を導出する請求項1から請求項3の何れか1項に記載のギヤシェーパ。
  5. 前記誤差変換手段によって変換された前記回転誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した回転誤差量を選択する選択手段をさらに備え、
    前記回転制御手段は、前記選択手段によって選択された回転誤差量を用いて、前記主軸が前記設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する請求項2から請求項4の何れか1項に記載のギヤシェーパ。
  6. 前記テーブルを駆動させるテーブル駆動手段と、
    前記移動誤差導出手段によって導出された前記移動誤差量を前記テーブルの駆動量の誤差である駆動誤差量に変換する誤差変換手段と、
    前記誤差変換手段によって変換された前記駆動誤差量を用いて、前記テーブルが予め設定された設定駆動量で駆動するように前記テーブル駆動手段を制御するテーブル駆動制御手段と、
    をさらに備える請求項1に記載のギヤシェーパ。
  7. 前記誤差変換手段によって変換された前記駆動誤差量から、予め定められた帯域の周波数に対応した駆動誤差量を選択する選択手段をさらに備え、
    前記テーブル駆動制御手段は、前記選択手段によって選択された駆動誤差量を用いて、前記テーブルが前記設定駆動量で駆動するように前記テーブル駆動手段をフィードバック制御する請求項6に記載のギヤシェーパ。
  8. テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線方向に往復駆動されると共に軸線周りに回転駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、
    前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、
    前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、
    予め設定された移動量で往復駆動するように前記主軸の駆動を制御する往復制御手段と、
    前記軸線周りの回転駆動による前記主軸の回転量を計測する回転量計測手段と、
    前記回転量計測手段によって計測された回転量と予め設定された設定回転量との差から補正設定回転量を導出する設定回転量補正手段と、
    前記設定回転量補正手段によって導出された前記補正設定回転量から、前記軸線方向の往復駆動における振動周波数と等しい帯域の補正設定回転量を選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された補正設定回転量を用いて、前記主軸が予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段をフィードバック制御する回転制御手段と、
    を備えるギヤシェーパ。
  9. テーブルに載置された被加工物に歯車を形成するための刃が先端に設けられ、軸線周りに回転駆動されると共に軸線方向に往復駆動され、回転駆動と往復駆動との合成によってらせん軌道が与えられる主軸と、前記主軸を前記軸線周りに回転駆動させる回転駆動手段と、前記主軸を前記軸線方向に往復駆動させる往復駆動手段と、予め設定された設定回転量で回転駆動するように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、を備えたギヤシェーパの制御方法であって、
    前記軸線方向の往復駆動による前記主軸の移動量を計測し、
    計測した前記移動量と予め設定された設定移動量との差である移動誤差量を導出し、
    導出した前記移動誤差量を用いて、前記主軸が前記設定移動量で往復駆動するように前記往復駆動手段をフィードバック制御するギヤシェーパの制御方法。
JP2010129882A 2010-06-07 2010-06-07 ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法 Active JP5473790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010129882A JP5473790B2 (ja) 2010-06-07 2010-06-07 ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010129882A JP5473790B2 (ja) 2010-06-07 2010-06-07 ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011255433A JP2011255433A (ja) 2011-12-22
JP5473790B2 true JP5473790B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=45472186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010129882A Active JP5473790B2 (ja) 2010-06-07 2010-06-07 ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5473790B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6201565B2 (ja) * 2013-09-24 2017-09-27 アイシン精機株式会社 歯車製造方法
JP2015186831A (ja) * 2014-03-27 2015-10-29 三菱重工業株式会社 ヘリカルギヤの加工方法、及び加工装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59102525A (ja) * 1982-11-30 1984-06-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 歯切機械の定寸自動補正装置
JPH03252704A (ja) * 1990-03-02 1991-11-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転同期補正制御方式
JPH04238504A (ja) * 1991-01-22 1992-08-26 Fanuc Ltd 同期制御装置
JP3561761B2 (ja) * 1998-12-29 2004-09-02 株式会社小松製作所 マシニングセンターによる歯車形削り加工方法
JP4359573B2 (ja) * 2005-03-31 2009-11-04 オークマ株式会社 工作機械の熱変位補正方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011255433A (ja) 2011-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5908182B1 (ja) 振動切削加工診断装置
JP6744815B2 (ja) 工作機械の制御装置および工作機械
JP5776924B2 (ja) 歯車加工装置、カッター、及び波動歯車装置
US9815125B2 (en) Machine tool
JP5030653B2 (ja) 数値制御工作機械及び数値制御装置
US10722994B2 (en) Method for the automatic determination of the geometrical dimensions of a tool in a gear cutting machine
JP5249452B1 (ja) 補正データを考慮した軌跡表示装置
KR102537867B1 (ko) 공작 기계의 제어 장치 및 공작 기계
JP5473790B2 (ja) ギヤシェーパ、及びギヤシェーパの制御方法
JP2011042016A (ja) 内歯車加工方法及び内歯車加工機
WO2015146661A1 (ja) ヘリカルギヤの加工方法、及び加工装置
JP6064723B2 (ja) 歯車加工装置
JP2010079845A (ja) 数値制御装置
JP5862111B2 (ja) 加工データ修正方法
JP5253188B2 (ja) 歯車の歯面形状の測定装置および測定方法
JP5693685B2 (ja) 歯車加工機械
CN105904037B (zh) 齿轮加工装置以及齿轮加工方法
CN113547174A (zh) 齿轮加工装置
JP6663475B2 (ja) Nc工作機械の診断・保守システム
JP2006263847A (ja) 加工装置および加工方法
JP2017151937A (ja) 制御装置、制御プログラムおよび記録媒体
JP5631468B1 (ja) 工作機械
JP2008041011A (ja) 工作機械における位置補正方法
JP6904941B2 (ja) 制御装置および制御方法
CN108351630A (zh) 用于在工件上产生或加工啮合齿的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140204

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5473790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250