JP2010079845A - 数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロストモーション等が生じるような場合のバックラッシ補正量の調整を、適切かつ効率的に行うことができる数値制御装置を得ること。
【解決手段】本発明の数値制御装置10は、モータ4を駆動して機械の位置を制御する数値制御装置であって、位置指令を出力する指令生成部1と、バックラッシ補正量に基づいて機械の移動方向に応じた補正量を位置指令に加算するバックラッシ補正部2と、モータ位置、モータ電流及び補正後の位置指令に基づいてモータのトルクを制御するサーボ制御部3と、位置指令とモータ電流とバックラッシ補正部の現在のバックラッシ補正量に基づいてバックラッシ補正部のバックラッシ補正量を調整するバックラッシ補正量調整部6と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械の数値制御装置において、送り駆動系のもつバックラッシや弾性変形により生じる移動方向反転時の位置誤差を補正する機能をもつ数値制御装置に関する。
セミクローズドループ制御の送り駆動系においては、ねじや歯車のガタや弾性変形の影響で生じるロストモーションを補正する必要がある。数値制御装置にはバックラッシ補正機能を有するものがあり、パラメータで指定されたバックラッシ補正量を移動方向に応じて位置指令に加算することにより、機械のガタ(バックラッシ)や弾性変形によって生じる機械の位置の誤差を補正している。例えば特許文献1に開示のものは、モータ側の移動量が反転する前後で摩擦力の方向が反転するとモータ電流もステップ状に変化するが、モータ側が移動方向を反転してもガタの隙間の長さだけ機械側は動かないので摩擦力は0となってモータ電流も0付近となることを利用している。すなわち、1パルスずつモータを回転させてモータ電流が0付近となったパルス分のモータ側の移動距離をバックラッシ補正量としている。
特開平9−201745号公報
しかしながら、特許文献1に開示のものは、モータ電流が0付近である区間を検出するので、モータ電流が0付近とならない場合やモータ電流が漸増する場合には正確にバックラッシ補正量を調整することができない場合がある。例えば、モータ側に摩擦力が働きモータ電流が0付近とならない場合にはバックラッシ補正量を適切に調整することができない。また、モータ側と機械側との間に弾性変形が起こり、それによりロストモーションが生じるような場合には、モータ側の移動方向が反転した直後に弾性変形量が少しずつ変化し、モータ電流も弾性変形量の変化に応じて漸増することになるためバックラッシ補正量を適切に調整することができない。
また、1パルスずつモータを回転させながら負荷電流を監視するので、バックラッシ補正量の調整に時間がかかるという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ロストモーション等が生じるような場合のバックラッシ補正量の調整を、適切かつ効率的に行うことができる数値制御装置を得ることを目的とする。
本発明に係る数値制御装置は、モータを駆動して機械の位置を制御する数値制御装置であって、位置指令を出力する指令生成部と、バックラッシ補正量に基づいて機械の移動方向に応じた補正量を位置指令に加算するバックラッシ補正部と、モータ位置、モータ電流及び補正後の位置指令に基づいてモータのトルクを制御するサーボ制御部と、位置指令とモータ電流とバックラッシ補正部の現在のバックラッシ補正量に基づいてバックラッシ補正部のバックラッシ補正量を調整するバックラッシ補正量調整部と、を備える。
本発明によれば、ねじや歯車のガタや弾性変形の影響によりロストモーション等が生じる場合であっても、バックラッシ補正量の調整を適切かつ効率的に行うことができる数値制御装置を得ることができる。
以下に、本発明に係る数値制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る数値制御装置を示すブロック図である。数値制御装置10は、指令生成部1、バックラッシ補正部2、サーボ制御部3、バックラッシ補正量調整部6を有して大略構成される。数値制御装置10は、モータ4を駆動させて機械5の位置を制御する。
指令生成部1は、補間周期ごとの位置指令を生成する。バックラッシ補正部2は指令生成部1から出力された位置指令に対して、予め設定されたバックラッシ補正量を移動方向に応じて加算する補正を行い、補正後の位置指令をサーボ制御部3に出力する。サーボ制御部3は、モータ4のモータ位置が補正後の位置指令に追従するようにモータ4を駆動するためのトルク指令を出力する。モータ4は、サーボ制御部3が出力するトルク指令にしたがってモータに接続される機械5を駆動するとともにモータ電流とモータ位置をフィードバック信号としてサーボ制御部3に出力する。バックラッシ補正量調整部6は、指令生成部1から位置指令を、サーボ制御部3からモータ電流を、バックラッシ補正部2からバックラッシ補正量を取得して、バックラッシ補正量の調整を行う。
図2は、数値制御装置10の使用例を示す図である。数値制御装置10からトルク指令を受けてモータ4が駆動され、モータ4が駆動されることにより機械5が移動される。機械5は、ボールねじ12とナット13とテーブル14とで構成される。なお、テーブル14に替えて主軸ヘッドを用いてもよい。テーブル14上に置いたワークの位置や主軸ヘッドに取り付けられた工具の位置を数値制御装置10により制御する。テーブルの位置や主軸ヘッドの位置や工具の位置などの実際の機械の位置を「機械端位置」と呼ぶ。また、モータ4の回転角にボールねじ12のねじピッチを乗じて得られる位置を「モータ位置」と呼ぶ。
次に、動作について説明する。図3は、数値制御装置10による制御の動作を示すフローチャートである。まず、指令生成部1が、機械端にバックラッシ補正量の調整を行う位置の近傍で等速往復運動を行わせる位置指令を出力する(ステップS1)。このときの送り速度は、モータ電流の1サンプリング周期あたりのモータ移動量がバックラッシ補正量の設定単位よりも小さくなるような送り速度とされる。送り速度をv(m/s)、モータ電流のサンプリング周期をΔT(s)とすると、1サンプリング周期あたりのモータ移動量はv・ΔT(m)となる。したがって、バックラッシ補正量の設定単位がu(m)である場合、送り速度はu/ΔT(m/s)よりも小さく設定する。これは、バックラッシ補正量を決定するために必要なモータ電流のサンプリング点数を確保するためである。
例えば、サンプリング周期が1ms、バックラッシ補正量の設定単位が1μmである場合は、送り速度は(10−6/10−3)=10−3m/s=60mm/minより小さく設定する。往復させる区間の長さは、想定されるバックラッシ量よりも長く設定する。例えば、過去の調整履歴から5μm程度のバックラッシがあるとわかっている場合は、余裕をみて50μmの区間を往復させる。位置指令の指令パターンの一例として、送り速度0.02mm/s(=1.2mm/min)、往復区間長さ50μmの場合の位置指令を図4に示す。
つぎに、位置指令に従ってモータ4が駆動される(ステップS2)。この際、バックラッシ補正部2では、移動方向に応じてバックラッシ補正量を加算する補正を実行する。なお、バックラッシ補正の方式は、移動方向が正のときはバックラッシ補正量を位置指令に加算し、移動方向が負のときはバックラッシ補正量の符号を反転させた値を位置指令に加算するもので、詳細な方法は例えば特開2000−250614号公報などの様々な文献に記載されている。また、サーボ制御部3では位置ループ制御、速度ループ制御、電流ループ制御などを行って、モータ位置が補正後の位置指令に追従するようにモータ4を駆動するためのトルク指令を出力する。詳細な方法は、例えば「ACサーボシステムの理論と設計の実際」(杉本英彦編著、総合電子出版社)などの様々な文献に記載されているので詳細な説明は省略する。
バックラッシ補正量調整部6では、位置指令に従ってモータ4を駆動した際の位置指令とモータ電流から、移動方向反転後の指令距離とモータ電流を取得し(ステップS3)、バックラッシ補正量の更新量を計算する(ステップS4)。移動方向反転後の指令距離は、各時刻における位置指令から移動方向を反転させる時点での位置指令を減算することで求める。バックラッシ補正量の更新量は、モータ電流の過渡的な増加又は減少が終了する時点での移動方向反転後の指令距離とする。移動方向反転後の指令距離に対するモータ電流をプロットすると、図5のようになる。
移動方向反転前のモータ電流値は、機械端に働く摩擦と移動方向によって決まる一定の値となる(移動方向反転前区間)。移動方向反転後は機械端に働く摩擦力の方向が反転するためモータ電流値は変化するが、バックラッシや弾性変形の影響で定常値に向かって過渡的に増加または減少する(移動方向反転後過渡区間)。その後、機械端に働く摩擦と移動方向とによって決まる一定のモータ電流値となる(移動方向反転後定常区間)。この移動方向反転後過渡区間が終了した時点での移動方向反転後の指令距離をバックラッシ補正量の更新量とする。換言すれば、移動方向反転後過渡区間の長さをバックラッシ補正量の更新量とする。
実際のモータ電流は振動の影響や電流検出ノイズなどの影響を受けるため、移動方向反転後過渡区間の終了する時点の決定は、例えば、以下に示す方法から選択してもよい。すなわち、定常状態でのモータ電流の平均値に別途設定する所定の倍率を乗じた値を閾値とし、この閾値を超えた時点とする方法、モータ電流の値にローパスフィルタをかけて振動成分やノイズ成分を除去した後にモータ電流の傾きが別途設定する所定の閾値よりも小さくなった時点とする方法、モータ電流の値を最小二乗法などによりカーブフィットして得られた曲線の曲率が変わる点とする方法などである。
最後に、バックラッシ補正量調整部6は、更新量を現在のバックラッシ補正量に加算した値を新しいバックラッシ補正量としてバックラッシ補正部2に設定する(ステップS5)。
ここで、バックラッシやロストモーションの原因となりうる挙動すなわち、機械系にガタ(バックラッシ)がある場合の移動方向反転時の挙動及びモータ側と機械側との間に弾性変形が生じる場合の移動方向反転時の挙動について図面を用いて説明する。
図6は、機械系にガタ(バックラッシ)がある場合の移動方向反転時の挙動を表した模式図である。モータ側の移動量が反転する前後で摩擦力の方向が反転し、それに伴ってモータ電流もステップ状に変化するが、モータ側が方向反転してから、ガタの隙間の長さだけすすむまでの間は、機械側は動かないので摩擦力は「0」となり、したがってモータ電流も「0」となる。従来の方法では、モータ側にも摩擦力がはたらくような場合には、モータ側の移動方向が反転した際にモータ側にはたらく摩擦力の方向が反転する影響でモータ電流が「0」でなくなるため、バックラッシ量を求めることができない。
図7はモータ側と機械側との間に弾性変形が生じる場合の移動方向反転時の挙動を表した模式図である。このような場合にはモータ側の移動方向反転直後には弾性変形量が少しずつ変化し、モータ電流も弾性変形量の変化に応じて漸増することになる。したがって、モータ電流が「0」の区間を検出する従来の方法ではバックラッシ補正量を正確に求めることができない。
しかし、本実施の形態1によれば、移動方向反転後過渡区間の長さに基づいてバックラッシ補正量を調整するようにしたので、負荷電流が漸増するような場合でも、バックラッシ補正量を正確に調整することができる。また、機械端の位置計測を行うことなく常にバックラッシ補正量を調整することができる。また、機械端に連続的な動作をさせながら調整を行うことができるので、1パルスずつサーボモータを回転させて負荷電流を監視する場合に比べてバックラッシ補正量の調整に要する時間を短縮することができ、効率的である。さらに、バックラッシ補正量調整部6が更新量に基づいてバックラッシ補正量を自動的に調整するので、経年変化でバックラッシ量や弾性変形量が増大した場合でも最適なバックラッシ補正量を保つことができる。
また、本実施の形態1では、機械端を等速で往復運動させ、さらにそのときの送り速度をモータ電流のサンプリング周期とバックラッシ補正量の設定単位とにもとづいて設定するようにしたので、速度に依存して変化する粘性摩擦の影響を排除することができるとともに、バックラッシ補正量決定のために必要な移動方向反転時のモータ電流のサンプリング点数を確保することができ、バックラッシ補正量を十分な分解能で正確に調整することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の構成は、実施の形態1の構成と同様であるが、その動作が異なる。図8は、本発明の実施の形態2に係る数値制御装置の動作を表すフローチャートである。
機械端にバックラッシ補正量の調整を行う位置の近傍で等速往復運動を行わせる位置指令を出力し(ステップS1)、位置指令に従ってモータ4を駆動し(ステップS2)、バックラッシ補正量調整部6においてモータ4の移動方向反転後の指令距離とモータ電流とを取得し(ステップS3)、これらの情報からバックラッシ補正量の更新量を計算する(ステップS4)までの動作は実施の形態1と同様である。本実施の形態2では、更新量の履歴を記憶しておき、前回の更新量と今回の更新量との比較を行う(ステップS5)。前回の更新量と今回の更新量とが異なる値の場合には現在のバックラッシ補正量に更新量を加算して(ステップS6)最初のステップS1に戻り、バックラッシ補正量の調整を繰り返す。前回の更新量と今回の更新量とが等しい場合には更新量を現在のバックラッシ補正量に加算せずにバックラッシ補正量の調整を終了する。
機械5のリニアガイドやボールねじ12のもつ摩擦特性が、移動方向反転後の指令距離や移動時間に応じて漸増的に摩擦力が変化するような特性の場合、適切にバックラッシ補正を行っても移動方向反転後の過渡区間の長さが「0」にはならない。このような場合には、移動方向反転後に少しずつ増加する摩擦力に応じてモータ電流が少しずつ増加してから定常値に達する。実施の形態1ではこのような場合にはバックラッシ補正量を大きくしすぎてしまうことになるという問題があった。そこで、移動方向反転後過渡区間の長さ、すなわちバックラッシ補正量の更新量の履歴を記憶しておき、今回の更新量が前回の更新量から変化しない場合には、適切なバックラッシ補正量が設定されていると判断し、今回の更新量をバックラッシ補正量に加算せずに調整を終了する。一方、更新量が変化している場合は、バックラッシ補正量に今回のバックラッシ補正量の更新量を加算して再度位置指令の出力に戻り調整動作を繰り返す。
本実施の形態2におけるバックラッシ補正量の調整例を図9を用いて説明する。図9は調整動作を繰り返したときの移動方向反転後の指令距離とモータ電流との関係を表すグラフである。図9には、バックラッシ補正量の1回目の調整を行った際の動作結果31、2回目の調整を行った際の動作結果32、3回目の調整を行った際の動作結果33が示されている。また、更新量d1,d2,d3は、それぞれ1回目,2回目,3回目の調整を行った際に得られる更新量を示す。
1回目の調整を行う前のバックラッシ補正量が「0」であった場合、1回目の調整の結果、その時点でのバックラッシ補正量「0」に更新量d1が加算されてバックラッシ補正量が更新される。そして、2回目の調整の結果、更新量d2が算出されるが、更新量d2は更新量d1から変化しているので、その時点でのバックラッシ補正量である更新量d1に更新量d2が加算されてバックラッシ補正量が更新される。3回目の調整の結果、更新量d3が算出されるが、更新量d3は前回の更新量d2から変化していないため、更新量d3の加算は行われずに、「更新量d1+更新量d2」がそのままバックラッシ補正量とされて調整が終了する。
さらに高精度なバックラッシ補正量の調整が必要な場合は、バックラッシ補正量を「更新量d1+更新量d2」から少しずつ小さくしていきながら移動方向反転後過渡区間の長さを測定し、移動方向反転後過渡区間の長さが変化しない最大のバックラッシ補正量を調整後のバックラッシ補正量として調整を終了すればよい。
本実施の形態2によれば、バックラッシ補正量を大きくしても電流値の移動方向反転後の過渡区間の長さが変化しない場合は、バックラッシ補正量の更新を行わないようにしたので、バックラッシ補正量が過度に大きく設定されてしまうことを防ぐことができる。
実施の形態3.
図10は本発明の実施の形態3に係る数値制御装置を示すブロック図である。実施の形態1と略同様の構成であり、実施の形態1のものと同じ部分については、実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらの説明は省略する。本実施の形態3は、バックラッシ補正量調整部11が、慣性力補正部20、を有することを特徴とする。なお、バックラッシ補正量調整部11は、実施の形態1におけるバックラッシ補正量調整部8と同様の機能を発揮するバックラッシ補正量調整実行部21も有する。
慣性力補正部20は、バックラッシ補正量調整部11に入力されたモータ位置を2回微分することによりモータ加速度を求め、あらかじめ測定しておいたイナーシャを乗算し、トルク定数の逆数を乗算することにより、慣性力に相当する電流値を求める。また、慣性力補正部20は、バックラッシ補正量調整部11に入力されたモータ電流から慣性力に相当する電流値を減算することで補正後のモータ電流を求める。
移動方向反転時に大きな加速度が発生する場合には、慣性力に相当する電流値がモータ電流に含まれるため、移動方向反転後過渡区間の長さに誤差が発生する場合がある。しかし、慣性力補正部20によって慣性力に相当する電流値を推定して補正することにより、移動方向反転後過渡区間の長さを正確に決定し、バックラッシ補正量の調整を正確に行うことができる。
本実施の形態3によれば、モータ電流に現れる慣性力の影響を補正するようにしたので、移動方向反転時の加速度が大きく、慣性力によりモータ電流が大きく変動する場合でも、バックラッシ補正量の調整を正確に行うことができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4の構成は、実施の形態1の構成と同様であり、動作が異なるものである。図11は、本発明の実施の形態4による数値制御装置の動作を表すフローチャートである。指令生成部1は位置指令を出力する(ステップS1)。指令生成部1で生成する位置指令は、機械5を第1の移動方向に等速で移動させてから一定時間静止させた後で、第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に等速で移動させる位置指令である。サーボ制御部3は、位置指令に従ってモータ4を駆動し(ステップS2)、バックラッシ補正量調整部6は、その間の位置指令とモータ電流を取得する(ステップS3)。バックラッシ補正量調整部6では、第2の移動方向への移動が開始してから、モータ電流が第2の移動方向への移動が完了した時点でのモータ電流値に到達するまでの移動距離をバックラッシ補正量の更新量とする(ステップS4)。そして、バックラッシ補正量の更新量を現在のバックラッシ補正量に加算した値を新しいバックラッシ補正量としてバックラッシ補正部2に設定する(ステップS5)。
図12は、第2の移動方向へ移動する間の、第2の移動方向への移動距離とモータ電流との関係を示す図である。ここで、ある時点における第2の移動方向への移動距離は、その時点の位置指令から第2の移動方向への移動開始時の位置指令を減算することで求められる。モータ電流は、第2の移動方向への移動開始後、摩擦力の向きの変化によって過渡区間では漸増する。モータ電流は、その後定常区間でほぼ一定値で推移した後、第2の移動方向への移動が完了した時点では定常区間での値よりもやや減少する特性を示す。
定常区間における電流値と移動完了時点での電流値との差が生じるのは、移動中は、機械側にはたらく摩擦力とつりあうだけの機械端位置とモータ位置の間の弾性変形量に応じたばね力に加えて、モータ側にはたらく摩擦力がモータ電流に重畳されるのに対し、停止時には機械端位置とモータ位置の間の弾性変形量に応じたばね力は残るがモータ側にはたらく摩擦力は運動の停止にともない発生しなくなることに起因する。
したがって、第2の移動方向への移動が開始してから、過渡区間におけるモータ電流が、移動完了時点でのモータ電流値に達するまでの移動距離が、機械端位置とモータ位置の間の弾性変形量、すなわちバックラッシ量に相当することとなる。
本実施の形態4によれば、移動中にモータ側にはたらく摩擦力がモータ電流に影響を及ぼすような場合でも、その影響を除いてバックラッシ量を求めることにより、バックラッシ補正量の調整を正確に行うことが可能となる。
以上のように、本発明にかかる数値制御装置は、機械端の精密な位置制御を行うのに適している。
実施の形態1に係る数値制御装置を示すブロック図である。 数値制御装置の使用例を示す図である。 数値制御装置による制御の動作を示すフローチャートである。 位置指令の指令パターンの一例を示す図である。 実施の形態1に係る移動方向反転後の指令距離とモータ電流との関係を示す図である。 機械系にガタがある場合の移動方向反転時の挙動を示す模式図である。 機械系に弾性変形がある場合の移動方向反転時の挙動を示す模式図である。 実施の形態2に係る数値制御装置の動作を表すフローチャートである。 実施の形態2に係る移動方向反転後の位置指令とモータ電流との関係を示す図である。 実施の形態3に係る数値制御装置を示すブロック図である。 実施の形態4に係る数値制御装置の動作を表すフローチャートである。 実施の形態4に係る第2の移動方向への移動距離とモータ電流との関係を示す図である。
符号の説明
1 指令生成部
2 バックラッシ補正部
3 サーボ制御部
4 モータ
5 機械
6 バックラッシ補正量調整部
10 数値制御装置
11 バックラッシ補正量調整部
12 ボールねじ
13 ナット
14 テーブル
20 慣性力補正部
21 バックラッシ補正量調整実行部

Claims (7)

  1. モータを駆動して機械の位置を制御する数値制御装置であって、
    位置指令を出力する指令生成部と、
    バックラッシ補正量に基づいて前記機械の移動方向に応じた補正量を前記位置指令に加算するバックラッシ補正部と、
    モータ位置、モータ電流及び補正後の位置指令に基づいて前記モータのトルクを制御するサーボ制御部と、
    前記位置指令と前記モータ電流と前記バックラッシ補正部の現在のバックラッシ補正量に基づいてバックラッシ補正部のバックラッシ補正量を調整するバックラッシ補正量調整部と、を備えることを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記バックラッシ補正量調整部は、前記位置指令から移動方向反転後の指令距離を算出するとともに、前記モータ電流の過渡的な増加又は減少が終了する時点での前記移動方向反転後の指令距離を更新量とし、該更新量を前記バックラッシ補正量に加算して前記バックラッシ補正量を調整することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記バックラッシ量調整部は、前記更新量の履歴を記憶するとともに、前記更新量が前回の更新量から変化しない場合は、前記更新量を前記バックラッシ補正量に加算しないことを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。
  4. 前記指令生成部は、前記バックラッシ補正量の調整を行う位置の近傍を等速で往復する位置指令を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の数値制御装置。
  5. 前記指令生成部は、第1の移動方向に等速で移動した後に、前記第1の移動方向とは逆方向の第2の移動方向に等速で移動する位置指令を出力し、
    前記バックラッシ補正量調整部は、前記第2の移動方向への移動が開始してから、前記モータ電流が前記第2の移動方向への移動が完了した時点での前記モータ電流に到達するまでの間の前記第2の移動方向への移動距離を更新量とし、現在のバックラッシ補正量に前記更新量を加算した値を新しいバックラッシ補正量とすることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  6. 前記指令生成部は、前記モータ電流の1サンプリング周期あたりのモータ移動量が前記バックラッシ補正量の設定単位よりも小さくなる送り速度の位置指令を出力することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の数値制御装置。
  7. 前記バックラッシ補正量調整部は、前記モータ位置に基づいて慣性力に相当する電流値を演算し、前記モータ電流から前記慣性力に相当する電流値を減算する慣性力補正部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の数値制御装置。
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