JP5473228B2 - 耐火材支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、循環流動層ボイラ等の高温処理装置においてケーシングに対して耐火材を支持する耐火材支持部材に関し、特に、耐火材の熱伸びによる支持部材の破損を防止可能な耐火材支持部材に関する。
従来、焼却炉やボイラ、溶融炉等の高温処理装置を備えた設備においては、最外壁を形成するケーシングの内側に断熱層を介して耐火材を配した構成が多く採用されている。これは、炉内、サイクロン、或いは各種配管等の高温ガスが接触する部位に耐火材を内張りすることにより壁面を保護するためで、一般に該耐火材は、ケーシングに対して溶接等により取り付けられた複数の支持部材により支持されている。
一例として、上記耐火構造が適用される循環流動層ボイラを図8に示す。循環流動層ボイラ(CFB)1は、石炭、脱水汚泥、都市ごみ等の燃焼若しくは燃焼ボイラとして多く用いられ、流動床炉2内に供給された流動砂と燃焼物は、下部から空気予熱器11から導入された高温空気により内部で該流動砂と該燃焼物とが流動混合して燃焼が行われる。そして、燃焼により高温加熱された燃焼ガスは、流動砂とともにサイクロン3に導かれて燃焼ガスと流動砂とに分離され、該分離された高温の流動砂はシールポット5を経由して流動床炉2に戻される。
このような循環流動層ボイラ1において、流動床炉2やサイクロン3、シールポット5、或いはこれらを接続する各種配管4、6、7は、高温ガスが通流するため耐火構造を備えている。特に循環流動層ボイラ1は熱伝導率の高い流動砂がガス中に含まれるため、高温雰囲気に耐えうる耐火構造とする必要がある。
上記耐火構造としては、図9(a)に示すようにケーシング20
の内壁に断熱層21を介して多数の耐火材22を配設した構成が多く採用される。耐火材22は、ケーシング20に溶接等により取り付けられたYアンカー等の支持部材30により支持される。
この支持部材として、特許文献1(実開平6−51798号公報)には、一方の面が凸、他方の面が凹に形成された金属薄板からなり、その縁部をケーシングに溶接して複数配置し、金属薄板の両側を埋める耐火材を支持する構成が開示されている。
また、特許文献2(特許3684126号公報)には、内壁が耐火材で構成され、内壁の高温物質が接触する部分に耐火金属板が付設された耐火物構造において、耐火金属板にアンカー接続部が設けられ、このアンカー接続部に対してねじにより螺合して固定されたアンカー金具のアンカー部が、耐火材中に埋設されることにより耐火材と耐火金属板を接続した耐火物構造が開示されている。
さらに、特許文献3(特許3897534号公報)には、ケーシング内壁に断熱層を介し且つアンカーで支持させて多数の耐火材を張り付けた耐火材構造物において、耐火材の熱伸びによる過大変形防止構造として、耐火材間の目地のうち水平目地部を下向きに施工した構成が開示されている。
実開平6−51798号公報 特許3684126号公報 特許3897534号公報
しかしながら、耐火材とケーシングの温度および線膨張係数が異なるため、高温ガスにより耐火材の方がより大きく熱伸びし、耐火材とケーシングの間に熱伸び差が発生する。耐火材とケーシングの相対位置がずれると、ケーシングに固定した支持部材が耐火材に引っ張られてたわむ(変形)ことで、熱伸び差が吸収されている。図9(a)に正常状態の耐火構造を示し、図9(b)に耐火材が熱伸びした状態の耐火構造を示す。これらの図においては、垂直方向に耐火材22が配設された部位が水平方向に耐火材22が配設された部位の長さより長くなっており、これにより垂直方向の耐火材22の熱伸びが大きくなり、図中矢印方向へ耐火材22が変位する。図10(a)に示すように、耐火材22の動きに対して垂直に設置されている支持部材30(図9(b)のA部位)は、該支持部材30の曲げによるたわみで熱伸び差を容易に吸収できるのに対して、図10(b)に示すように、コーナー部(屈曲部)の支持部材30(図9(b)のB部位)は、耐火材22の動きに対して45度若しくは平行に設置されており、受ける変位(荷重)はその角度によって曲げから図中矢印方向への引張主体へとなる。支持部材30は、引張方向にはフレキシビリティがないため、コーナー部の支持部材の破断に繋がる可能性がある。従って、高温運転により支持部材が疲労破損したり一発破損することにより耐火材が脱落してしまう惧れがあった。
特許文献1では、金属薄板からなる支持部材であるため本願と構造が異なり、またこのような薄板構造の支持部材とすると、薄板の長手方向に対してフレキシビリティがなく、耐火材の熱伸びに対して柔軟に対応できるとは言い難い。
また特許文献2では、耐火材内に埋設するアンカー部の支持効果を向上させて耐火材の脱落を防止する構成としているが、耐火材の熱伸びに関しては考慮されていない。即ち、耐火材とケーシングの熱伸び差により、特に耐火材とケーシングの間の断熱層に存在する支持部材の軸部及び基部(溶接部)に応力が集中し、支持部材の軸部の破断、或いは溶接部の破損が発生しやすくなるが、特許文献2ではこれらの部位が直線状の棒状体であるため応力を吸収できる構造とはなっていない。
さらに特許文献3では、目地により熱伸びを吸収する構成としているが、これは耐火材が配設された壁面のうち直線状の一般部に適用されるものであり、コーナー部の熱伸び差に対しては十分に熱伸び差を吸収することは困難である。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、ケーシングと耐火材の熱伸び差により支持部材が破損、破断することを防止できる耐火材支持部材を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、ケーシング内壁に断熱層を介して棒状支持部材により複数の耐火材を支持する耐火構造にて、前記支持部材が、前記ケーシング内壁に固定される基部と、前記耐火材内に埋設される支持部と、前記断熱層に配設され前記基部と前記支持部を連結する軸部とから構成された耐火材支持部材において、
前記耐火材が配設される内壁のうち屈折部に位置する前記支持部材の、前記断熱層に位置する軸部の少なくとも一部が、軸方向に対して変位自由度を有するくの字状屈曲部として形成され、前記耐火材の熱伸びにより生じる前記支持部材の軸方向への応力を吸収するようにしたことを特徴とする。
また、ケーシング内壁に断熱層を介して棒状支持部材により複数の耐火材を支持する耐火構造にて、前記支持部材が、前記ケーシング内壁に固定される基部と、前記耐火材内に埋設される支持部と、前記断熱層に配設され前記基部と前記支持部を連結する軸部とから構成された耐火材支持部材において、
前記耐火材が配設される内壁のうち該耐火材の熱伸びにより壁面に対して垂直変位が作用する部位に位置する前記支持部材の、前記断熱層に位置する軸部の少なくとも一部が、軸方向に対して変位自由度を有するくの字状屈曲部として形成され、前記耐火材の熱伸びにより生じる前記支持部材の軸方向への応力を吸収するようにしたことを特徴とする。
これらの発明によれば、耐火材が配設された壁面のうち屈折部に位置する支持部材、或いは耐火材熱伸びを支持部材の軸方向に受ける部位に位置する支持部材において、該支持部材の軸部に、軸方向に対して変位自由度を有する前記くの字状屈曲部を設けることにより、支持部材の軸方向にフレキシブル性をもたせることができ、耐火材の熱伸びによる応力を吸収して支持部材の疲労破損や一発破損等による破損、破断を防止することが可能となり、延いては耐火材の脱落を防止できる。
さらに、前記くの字状屈曲部が、前記軸部に設けられた屈曲部であることを特徴とする。
これにより、上記した発明と同様に耐火材の熱伸びによる応力を前記くの字状屈曲部にて吸収して支持部材の破損、破断を防止することが可能であるとともに、断熱層内に屈曲部が位置するため、断熱層と支持部材が絡みやすくなり断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
特に、前記くの字状屈曲部をくの字状に形成したことを特徴とする。このように、屈曲部をくの字状とすることにより、簡単な構造で以って前記変位吸収部を形成することができ、コストを安価にできるとともに、断熱層と支持部材が絡みやすくなり断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
また、前記くの字状屈曲部をばね構造に形成したことを特徴とする。このように、前記くの字状屈曲部をばね構造とすることにより、軸方向に対してより一層フレキシブル性を高く持たせることができ、且つ断熱層と支持部材がより絡みやすくなり断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
さらにまた、前記支持部材が、循環流動層ボイラに配設された耐火材を支持する支持部材であることを特徴とする。
循環流動層ボイラは、高温ガス中に流動砂が含まれるため、壁面に対する熱伝導率が高くなり耐火材の熱伸び差が大きく現われるが、本発明を適用することで熱伸び差による支持部材の破損、破断を防止でき、耐火材の脱落を防止することが可能となる。
以上記載のごとく本発明によれば、ケーシングと耐火材の熱伸び差による支持部材の破損、破断を防ぎ、耐火材の脱落を防止可能な耐火材支持部材を提供することができる。即ち、耐火材が配設された壁面のうち屈折部に位置する支持部材、或いは耐火材熱伸びを支持部材の軸方向に受ける部位に位置する支持部材において、軸部に変位吸収部を設けることにより支持部材の軸方向にフレキシブル性をもたせることができ、耐火材の熱伸びによる応力を吸収して支持部材の疲労破損や一発破損等による破損、破断を防止することが可能である。
また、前記変位吸収部を屈曲部とすることにより、耐火材の熱伸びによる応力を屈曲部にて吸収するとともに、断熱層と支持部材が絡みやすくなり断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
また、前記屈曲部をくの字状に形成することにより、簡単な構造で且つコストを安価にできる。また、前記屈曲部をばね構造に形成することにより、軸方向に対してより一層フレキシブル性を高く持たせることができ、且つ断熱層と支持部材がより絡みやすくなり断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
さらに、前記軸部を前記耐火材の熱伸び方向に対して傾斜させた傾斜部とすることにより、軸部を傾斜させるのみで軸方向に対してフレキシブル性をもたせることができ、耐火材の熱伸びによる応力を吸収するとともに、軸部を傾斜させることにより断熱層と支持部材が絡みやすくなり、断熱層の保持機能を向上させることが可能となる。
さらにまた、前記支持部材を循環流動層ボイラに適用することにより、ガス中流動砂により耐火材がより一層高温化して大きく熱伸びした場合であっても、本発明の支持部材を採用することで支持部材の破損、破断を防止でき、耐火材の脱落を確実に防止することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係る支持部材を配設した壁面の断面図、図2及び図3は支持部材の耐久試験結果を示すグラフ、図4及び図5は実施例1の変形例に係る支持部材を配設した壁面の断面図、図6は本発明の参考例3に係る支持部材を配設した壁面の断面図、図7は本発明の実施例に係る支持部材の適用部位を説明する図、図8は本発明の実施例が適用される循環流動層ボイラの概略構成図である。
本実施例に係る耐火材支持部材は、焼却炉やボイラ、溶融炉等の高温処理装置を備えた設備において、炉壁やサイクロン、或いは各種配管等に適用され、特に、循環流動層ボイラに好適に用いられる。
まず、図8を参照して、本実施例に係る耐火材支持部材の適用対象の一例として循環流動層ボイラにつき説明する。
図8に示すように、循環流動層ボイラ1において、流動床炉2では、下方より一次空気を導入してけい砂等の流動砂と燃焼物を流動混合して一次燃焼を行った後、その上方のフリーボード部2aに二次空気を導入して二次燃焼を行って可燃性ガスの燃焼完結を図り、これにより高温の燃焼ガスが発生する。尚、前記燃焼物としては、石炭、重油、廃棄物、RDF、バイオマス等が挙げられる。流動床炉2の出口側には、配管2bを介して燃焼ガスと流動砂を分離するサイクロン3が設けられている。該サイクロン3の下部には、配管4を介してシールポット5が連結され、シールポット5には配管7を介して外部熱交換器8が連結され、この外部熱交換器8は流動床火炉2の下部に連結されている。また、シールポット5は配管6を介して流動床火炉2の下部に連結されている。
一方、サイクロン3の上部には排気通路9が連結され、この排気通路9には、内部熱交換器10、空気予熱器11、集塵機12、煙突13が連結されている。前記空気予熱器11から延設された空気供給管11aの先端部は流動床炉2及び外部熱交換器8に連結され、空気予熱器11で加熱された高温空気が該流動床炉2及び外部熱交換器8に供給されるようになっている。
上記構成を備えた循環流動層ボイラ1では、流動床炉2に対して流動砂と燃焼物が供給されるとともに、下部から空気予熱器11により加熱された高温空気が空気供給管11aを通して導入されると、内部でこの流動砂と燃焼物とが流動混合して燃焼が行われる。そして、燃焼により高温加熱された燃焼ガスは流動砂とともにサイクロン3に導かれ、このサイクロン3により燃焼ガスと流動砂とに分離される。分離された燃焼ガスは、排気通路9に導かれて内部熱交換器10及び空気予熱器11を通過するときに、流動床炉2や外部熱交換器8に導入する空気と熱交換を行なった後、集塵機12を通して飛灰等を除去した後、煙突13により大気に放出される。一方、サイクロン3で分離された高温の流動砂は、シールポット5により流動床炉2に直接戻されるものと外部熱交換器8に供給されるものとに分配される。
このような循環流動層ボイラ1において、高温の燃焼ガスが通流する部位には耐火材が配設されている。特に、流動床炉2から配管2bを通ってサイクロン3、配管4、シールポット5、配管6、7の流動砂循環系では、流動砂を含む高温ガスが通流するため磨耗しやすい状況下あり、耐摩耗性に優れた耐火材が配設される。また、流動砂は熱伝導性が高く壁面が高温化しやすいため、耐熱性にも優れた耐火材が配設される。
本実施例では、ケーシングと耐火材の熱伸び差に基づく破断、破損を防止する構成を備えた耐火材支持部材につき提供するが、本実施例に係る支持部材の好適な適用部位を図7に示す。同図に示されるように、流動床炉2からサイクロンに繋がる配管2bの縁部A、サイクロン3の天井縁部B、シールポット5の屈折部C、シールポット5から配管6につながる屈折部D、配管6と流動床炉2の接続部E等が挙げられる。これらの部位は、耐火座の熱伸びにより、壁面に対して垂直方向、即ち支持部材の軸方向に引張力が発生する部位である。
上記した部位に適用される耐火構造は、図1に示すように、鋼板製ケーシング20の内壁にガラス繊維等からなる断熱層21を介して支持部材30によりセラミックス等からなる耐火材22を多数支持させた構造となっている。
前記支持部材30は、ステンレス等の耐熱耐食性を有する棒状部材で構成され、好適にはYアンカー等が用いられる。該支持部材30は、一端側の基部33と他端側の支持部31が軸部32により一体化されている。前記基部33は、ケーシング20に対して該支持部材30が略垂直方向となるように溶接等により固定される。前記支持部31は、耐火材22が脱落しないようにY字等の支持形状を有し、耐火材22内に埋設される。前記軸部32は、断熱層21内に位置するように配設され支持部31と基部33を連結している。尚、該支持部材30は、基部33及び軸部32と支持部31とが別体に構成され、耐火材22に支持部31を埋設した後、基部33及び軸部32と支持部33を接合して一体化してもよい。
さらに本実施例では、軸部32の少なくとも一部に、軸方向に対して変位自由度を有する変位吸収部34を有し、耐火材22の熱伸びにより生じる支持部材30の軸方向への応力を吸収する構成としている。図1では、変位吸収部として屈曲部34を設けており、該屈曲部34の形状をくの字状としている。
くの字状屈曲部34においては、くの字状の高さLは、耐火材22の熱伸びによる垂直方向(壁面に対して)の強制変位量から軸部32に作用する応力を算出し、該応力が疲労限界以下となるように高さLを設定する。
ここで、本実施例に係る支持部材30を用いた耐久試験結果につき以下に示す。
支持部材30としてYアンカーを用い、軸部32の長さDを200mm、基部33と屈曲部34の間の長さD1を50mm、屈曲部34の長さD2を100mm、支持部31と屈曲部34の間の長さD3を50mmに設定して試験を行った。図2はくの字高さLとひずみの関係を示すグラフで、図3はくの字高さLと破損繰り返し数の関係を示すグラフである。図2に示すように、くの字高さLが40mm以上になると、基部33、くの字部(屈曲部)34の何れにおいてもひずみが小さくなり、屈曲部34による熱伸び吸収効果が大きく現われていることがわかる。また、図3に示すように破損繰り返し数は、くの字部34においては高さLが高くなる程破損繰り返し数が比例的に大きくなり、一方基部33においてはくの字高さLが40mm以上になると破損繰り返し数が大幅に大きくなる。従って、上記した構造を有するYアンカーにおいては、くの字高さLを40mm以上とするとにより、耐久性が向上することがわかる。
このように、支持部材30の軸部32に作用する応力から屈曲部形状、屈曲高さを設定することにより、ひずみを小さく抑えることができ、耐久性を向上させることが可能となる。
本実施例によれば、耐火材22が施工された壁面のうち屈折部に位置する支持部材30、或いは耐火材熱伸びを支持部材30の軸方向に受ける部位に位置する支持部材30において、該支持部材30の軸部32に変位吸収部34(くの字状屈曲部)を設けてフレキシブル性をもたせることにより、耐火材22の熱伸びを吸収して支持部材30の疲労破損や一発破損等による破損を防止することが可能となる。また、断熱層21内に屈曲部34が位置するため、断熱層21と支持部材30が絡みやすくなり、断熱層21の保持機能を向上させることが可能となる。
(変形例1)
に、本実施例に係る支持部材30の変形例1を示す。以下、変形例1、2及び参考例3において、図1に示した実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
に示す支持部材30においては、軸部32に設けた屈曲部34を、2つのくの字を左右対称に直列に連設した構成(W字状)としている。
本構成によれば、上記した発明と同様に耐火材22の熱伸びによる応力を屈曲部34にて吸収して支持部材の破損、破断を防止することが可能であるとともに、実施例1に比べてより多くのフレキシブル性をもたせることができ、また断熱層21の保持機能をより一層向上させることが可能である。
(変形例2)
に、本実施例における支持部材30の変形例2を示す。
同図における支持部材30においては、軸部32に設けた屈曲部34をばね構造としている。
このように、屈曲部34をばね構造とすることにより、軸方向に対してより一層フレキシブル性を高く持たせることができ、且つ断熱層21と支持部材30がより絡みやすくなり断熱層21の保持機能を向上させることが可能となる。
(参考例3)
に、本参考例3に係る支持部材30の構造を示す。
参考例3では、支持部材30の軸部32に設けた変位吸収部を、傾斜部34にした構成となっている。即ち、支持部材30の軸部32を直線状に形成するとともに、ケーシング20内壁面に対して軸部32が垂直方向から傾斜するように基部33を固定している。支持部31は、同図に示す通り軸部32と同様に傾斜させてもよいし、また耐火材22に対して垂直に設置してもよい。前記軸部32の傾斜角度は、好適には耐火材22の熱伸びから実験的に或いは経験的に求め、該熱伸びを十分に吸収可能な角度とするとよい。尚、前記傾斜部34は、ケーシング内壁面に対して垂直方向へのフレキシブル性を持たせるためであるので、軸部32の傾斜向きは特に限定されない。
参考例によれば、簡単な構造で以ってフレキシブル性をもたせることにより、耐火材22の熱伸びを吸収して支持部材30の疲労破損や一発破損等による破損を防止することが可能となる。また、断熱層21内に屈曲部34が位置するため、断熱層21と支持部材30が絡みやすくなり、断熱層21の保持機能を向上させることが可能となる。
本発明では、耐火材の熱伸びによる支持部材の破損を防止できる構造を有しているため、循環流動層ボイラの耐火構造をはじめとして、焼却炉、溶融炉、火力発電所等の高温処理炉における炉壁、サイクロン、配管内壁の耐火構造に好適に適用可能である。
本発明の実施例1に係る支持部材を配設した壁面の断面図である。 支持部材の耐久試験結果で、屈曲部高さとひずみの関係を示すグラフである。 支持部材の耐久試験結果で、屈曲部高さと破損繰り返し数の関係を示すグラフである。 実施例1の変形例1に係る支持部材を配設した壁面の断面図である。 実施例1の変形例2に係る支持部材を配設した壁面の断面図である。 本発明の参考例3に係る支持部材を配設した壁面の断面図である。 本発明の実施例に係る支持部材の適用部位を説明する図である。 本発明の実施例が適用される循環流動層ボイラの概略構成図である。 従来の耐火構造の断面図で、(a)は正常状態を示す図、(b)は耐火材が熱伸びした状態を示す図である。 支持部材に生じる応力を説明する図で、(a)は平行変位が生じた場合を示す図(図9(b)のA拡大図)、(b)は垂直変位が生じた場合を示す図(図9(b)のB拡大図)である。
1 循環流動層ボイラ
2 流動床炉
2b、4、6、7 配管
3 サイクロン
5 シールポット
8 外部熱交換器
20 ケーシング
21 断熱層
22 耐火材
30 支持部材
31 支持部
32 軸部
33 基部
34 変位吸収部(くの字状屈曲部又は傾斜部)

Claims (4)

  1. ケーシング内壁に断熱層を介して棒状支持部材により複数の耐火材を支持する耐火構造にて、前記支持部材が、前記ケーシング内壁に固定される基部と、前記耐火材内に埋設される支持部と、前記断熱層に配設され前記基部と前記支持部を連結する軸部とから構成された耐火材支持部材において、
    前記耐火材が配設される内壁のうち屈折部に位置する前記支持部材の、前記断熱層に位置する軸部の少なくとも一部が、軸方向に対して変位自由度を有するくの字状屈曲部として形成され、前記耐火材の熱伸びにより生じる前記支持部材の軸方向への応力を吸収するようにしたことを特徴とする耐火材支持部材。
  2. ケーシング内壁に断熱層を介して棒状支持部材により複数の耐火材を支持する耐火構造にて、前記支持部材が、前記ケーシング内壁に固定される基部と、前記耐火材内に埋設される支持部と、前記断熱層に配設され前記基部と前記支持部を連結する軸部とから構成された耐火材支持部材において、
    前記耐火材が配設される内壁のうち該耐火材の熱伸びにより壁面に対して垂直変位が作用する部位に位置する前記支持部材の、前記断熱層に位置する軸部の少なくとも一部が、軸方向に対して変位自由度を有するくの字状屈曲部として形成され、前記耐火材の熱伸びにより生じる前記支持部材の軸方向への応力を吸収するようにしたことを特徴とする耐火材支持部材。
  3. 前記くの字状屈曲部をばね構造に形成したことを特徴とする請求項1若しくは2記載の耐火材支持部材。
  4. 前記支持部材が、循環流動層ボイラに配設された耐火材を支持する支持部材であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の耐火材支持部材。
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