JP5473207B2 - アウタービット - Google Patents
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Description
そして、インナービット及びアウタービットの先端には、切削用のチップが複数配置されている。
図7、図8のアウタービット1Aでは、チップの配列が、図8において符号O2で示す半径方向外方の仮想円周上に複数の外チップ2が配置されており、符号O3で示す半径方向内方の仮想円周上に複数の内チップ3が配置されている。
ここで、仮想円O2やO3の様に、円周上に複数のチップが配列されている仮想円は「レーン」と標記される。図7、図8で示す従来技術のアウタービット1Aは、2列のレーンが存在するので、例えば2レーン配列式アウタービットと標記されている。
図9、図10は、従来技術における3レーン配列方式のアウタービット1B(例えば、特許文献1参照)を示しており、外チップ2、内チップ3、中チップ4を有している。
二重管ビットにおいて、図10のE部を拡大して示す領域D(図11:ハッチングを付して示す領域)が、インナービット30と接触することがある。そして、インナービット30と接触することにより、アウタービット1Bのボディー10Bの内周面10Biが削られてしまう。
従来の3レーン配列方式では、内チップ3がボディー10Bの内周面10Biの直近に配置されているため、内周面10iが削られてしまうと、アウタービット1Bの内チップ3が露出してしまう。
内チップ3が分離(跳んで)してしまうと、中チップ4への負荷が増大して、その分だけダメージを受けてしまう。
図12において、符号17は外チップ埋設用の孔を示し、符号18は内チップ埋設用の孔を示し、符号191及び符号192は中チップ埋設用孔を示している。
例えば、図14及び図15で示すように、中チップの埋設用の孔は、ボディー10Cの中心軸Lcに対する角度が半径方向外方(図15では下側)に向かって8°である埋設用孔191(図15)と、ボディー10Cの中心軸Lcと平行な埋設用孔192(図14)の2種類が存在する。
また、4レーン配列式のアウタービットでは、円周方向における内チップ間の間隔が長くなり、内チップ1個当たりの負荷が大きく、内チップがダメージを受ける傾向が顕著である。
そのため、アウタービット(1)の内周面(11i)がインナービット(30)と接触しても、アウタービット(1)におけるボディー(10)の半径方向内方の領域は、内チップ(3)が露出する程までには切削されない。
したがって、内チップ(3)よりも半径方向内方におけるボディー(10)が切削されて、内チップ(3)がアウタービット(1)のボディー(10)に対して露出することが阻止される。そして、チップ(3)がボディー(10)から分離してしまう(いわゆる「跳んで」しまう)ことも防止できる。
そのため、本発明のアウタービット(1)を用いれば、切削の際に生じるスライムが、アウタービット(1)とインナービット(30)との間の環状空間へ、早期に取り込まれる事となり、スライムの排出性が良好になる。
そのため、アウタービット(1)において、半径方向についてチップ同士の重複している領域(かぶり)を大きくしなくても、十分に岩盤を切削することが出来る。
図1及び図2は、本発明の実施形態にかかる二重管ビット100において、側断面と先端部正面を示している。
アウタービット1は、円筒状のボディー10を有し、先端部には2レーンに配列されたチップ2、3が埋設されている。
一方、インナービット30は、部分円筒状のボディー32を有し、先端部にはチップ6、7、8が埋設されている。
なお、図1において符号30oは、インナービット30の外周において、最大の外径を有する箇所を示している。
図3、図4において、アウタービット1のボディー10は、先端(図3では右端)に位置するヘッド11と、後端部12(図3では左端部)と、雄ねじ成形部13と、首下部14とを有している。首下部14は、ヘッド11と雄ねじ成形部13の間で構成されている。
ヘッド11の外周面11oは、ボディー先端11t(図3の右端)側の方が太く、緩やかなテーパ面を形成している。
図4において、ボディー10の内周面側において、前記スライム排出用の溝19と対向する位置には、凹部20が形成されている。この凹部20は、スライムの吸い込みを良好にするために設けられている。
アウタービット1の外周面11fに形成されたスライム排出用の溝19は、地盤による締め固めが発生し、地盤とアウタービット1の外周面11fとの境界が真空状態となってしまい、アウタービット1が動かなくなる事を防止する機能も有している。すなわち、溝19を有する事により、溝19を介して地盤とアウタービット1の外周面11fとの境界に空気が供給され、真空状態が破壊されて、アウタービット1が回転可能になる。
硬化肉盛21を設けることにより、アウタービット1が回転する際に、アウタービット外周面11fの硬化肉盛21を設けた部分におけるエッジ(溝19のアウタービット1回転方向後方のエッジ部)の摩耗が防止される。
アウタービット1のボディー先端部11tには、外チップ2用のピッチサークルO2上に、例えば8箇所の外チップ埋設用孔17が穿孔されている。同様に、ボディー先端部11tには、内チップ3用のピッチサークルO3上に、例えば8箇所の内チップ埋設用孔18が穿孔されている。
図5の例では、外チップ埋設用孔17の中心軸は、中心軸Lcに対して、半径方向外側(図5では下側)に25°だけ傾斜している。その結果、図示の実施形態に係るアウタービット1の外チップ2は、アウタービット1の中心軸Lcに対して、半径方向外方に(図5の例では25°)傾いて取り付けられる。
一方、図6で示すように、内チップ埋設用孔18の中心軸は、中心軸Lcと平行である。そのため、図示の実施形態に係るアウタービット1の内チップ3は、アウタービット1の中心軸Lcと平行に、換言すればアウタービット1の長手方向に向かって取り付けられる。
従って、環状のボディー10における幅方向中心線(仮想線:ボディー10の半径方向における仮想センターライン)の径寸法Dmは、Dm=(Do+Di)/2となり、図5の例では、Dm=(140+104)/2=122mmである。
そのため、アウタービット1の内周面がインナービット30と接触しても、アウタービット1のボディー10は、内チップ3が露出する程までには切削されない。そして、内チップ3がインナービットのボディー10から露出する事態が阻止される結果として、内チップ3がボディー10から分離してしまう事態(内チップ3がボディー10から「跳んで」しまう事態)も防止されるのである。
したがって、図示の実施形態の二重管ビット100を用いれば、切削の際に生じるスライムが、アウタービット1とインナービット30との間の環状空間へ早期に取り込まれる。そして、アウタービット1とインナービット30との間の環状空間は、スライムを地上側へ誘導する環状流路であり、スライムがそこへ早期に取り込まれるという事は、スライムの排出性が良好であることを意味している。
アウタービット1の内周面11iと、インナービット30の外周面(最大直径部)30oとの隙間が、既存の二重管ビットに比較して狭くなっている事から、図示の実施形態に係るアウタービット1は、その内周面11iがインナービット30の外周面30o(図1参照)を案内する作用を奏する。そして、インナービット30をアウタービット1と同心になる様に案内して、二重管ビットの作動を安定させるスタビライザー的な効果を奏することができる。
2・・・外チップ
3・・・内チップ
4・・・蒸気トラップ
5・・・不凝縮性ガスの排出弁/空気抜き弁
6、7、8・・・インナービット用チップ
10・・・ボディー
11・・・ヘッド
11t・・・ボディー先端
17・・・外チップ埋設用孔
18・・・内チップ埋設用孔
19・・・スライム排出用の溝
20・・・凹部
21・・・硬化肉盛
30・・・インナービット
Claims (2)
- 全体が円筒形状のボディー(10)のヘッド(11)の先端(11t)に複数のチップ(2、3)が取付けられ、それらの複数のチップ(2、3)の各々がボディー(10)の長手方向中心軸(Lc)を中心とする2つの同心円(O2、O3)の何れかの円周上に位置して2レーンを構成しており、ヘッド(11)の外周面(11o)にはスライム排出内の溝(19)が形成されているアウタービットにおいて、前記半径方向内方の同心円(O3)はボディー(10)の厚さの中央よりも半径方向外方の領域に位置しており、前記ボディー(10)の先端(11t)の内周面(11i)側および外周面(11o)側にはそれぞれ面取り(15、16)が施され、その外周面(11o)側の面取り(16)には半径方向外方の同心円(O2)上に配置されている外チップ(2)を取付ける外チップ埋設用孔(17)が中心軸(Lc)に対して半径方向外方に傾斜して設けられ、前記半径方向内方の同心円(O3)上に配置されている内チップ(3)を取付ける内チップ埋設用孔(18)は中心軸(Lc)と平行な方向を向いて前記外周面側の面取り(16)に位置して設けられており、前記外チップ埋設用孔(17)は前記スライム排出用の溝(19)に対してアウタービットの回転方向(R)の反対側に2つ設けられ、前記内チップ埋設用孔(18)は前記スライム排出用の溝(19)に対してアウタービットの回転方向(R)の側に2つ設けられていることを特徴とするアウタービット。
- 全体が円筒形状のボディー(10)のヘッド(11)の先端(11t)に複数のチップ(2、3)が取付けられ、それらの複数のチップ(2、3)の各々がボディー(10)の長手方向中心軸(Lc)を中心とする2つの同心円(O2、O3)の何れかの円周上に位置して2レーンを構成しており、ヘッド(11)の外周面(11o)にはスライム排出用溝(19)が用いられているアウタービット(1)を備え、そのアウタービット(1)の半径方向内方の領域にインナービット(30)が配置されている二重管ビットにおいて、前記アウタービット(1)のビット(2、7)が位置する2つの同心円(O2、O3)のうちの半径方向内方の同心円(O3)はボディー(10)の厚さの中央よりも半径方向外方の領域に位置しており、前記ボディー(10)の先端(11t)の内周面(11i)側および外周面(11o)側にはそれぞれ面取り(15、16)が施され、その外周面(11o)側の面取り(16)には半径方向外方の同心円(O2)上に配置されている外チップ(2)を取付ける外チップ埋設用孔(17)が中心軸(Lc)に対して半径方向外方に傾斜して設けられ、前記半径方向内方の同心円(O3)上に配置されている内チップ(3)を取付ける内チップ埋設用孔(18)は中心軸(Lc)に平行な方向を向いて前記外周面側の面取り(16)に位置して設けられており、前記外チップ埋設用孔(17)は前記スライム排出用の溝(19)に対してアウタービットの回転方向(R)の反対側に2つ設けられ、前記内チップ埋設用孔(18)は前記スライム排出用の溝(19)に対してアウタービットの回転方向(R)の側に2つ設けられており、前記インナービット先端(30t)の外周面(30o)近傍には円周方向にチップ(6)が配置されており、該チップ(6)はその先端(6t)がアウタービット(1)の内周面(11i)近傍領域に対向する領域の岩盤を掘削する位置に設けられていることを特徴とする二重管ビット。
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