JP5472911B2 - 研磨装置 - Google Patents

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本発明は、水晶、ガラス、セラミック、金属、シリコンウエハその他種々の材料により形成されたワークの片面の表面を研磨する研磨装置に関する。
研磨装置は、半導体集積回路用基板に用いられる単結晶シリコンウエハ、ハードディスク用基板等のワーク(以下、単にワークという)に対して研磨加工を行う装置として用いられている。
このような研磨装置の従来技術として、例えば、特許文献1(特開2001−293652号公報)に記載の研磨装置および研磨方法が知られている。
この研磨装置では、トッププレートの複数の細孔からマウントプレートへエアを噴射してトッププレートとマウントプレートとの間にエア充填による隙間を形成し、マウントプレートに均一な荷重を付与し、高精度な研磨加工を実現するというものであった。
また、エア噴射を利用する研磨装置の従来技術として、例えば、特許文献2(特許第3012224号公報)に記載のラッピング/ポリッシングマシンの下定盤回転装置が知られている。この研磨装置は、下定盤が取り付けられる回転体と、回転体の下側にてこの回転体を回転可能に支持する固定体と、を設け、さらに固定体の上面に複数の空気溜まり室、または、連続溝を設けて固定体と回転体との間に空気軸受けを構成し、高精度な研磨加工を実現するというものであった。
特開2001−293652号公報 特許第3012224号公報
特許文献1に記載の研磨装置では、特にトッププレートの複数の細孔からマウントプレートへ空気を噴射する構成を採用し、トッププレートからマウントプレートへ均等な荷重を供与して平坦性の高いワークを得ている。しかしながら、細孔から吹き出されたエアが四方へ自由に移動するため、場所によって圧力やエアの量が変動することになって隙間がやや不安定になる傾向があり、トッププレートとマウントプレートとの間に安定的に均一な隙間を形成することが困難であった。そしてトッププレートとマウントプレートとの間に均一な隙間が形成されないとトッププレートへ作用する押付け力が不均一となってワークの加工精度を悪化させる要因となる懸念がある。
また、特許文献1に記載の研磨装置では細孔からのエアの噴出が目詰り等で不良になった場合には、圧力が変化することからやはり隙間が不安定になって押付け力が不均一になる懸念がある。目詰まりが仮に発生したとしても押付け力を均一にしたいという要請があった。
また、特許文献1に記載の研磨装置では細孔の分布については触れられていないが、押付け力を均一に形成するためには、細孔の分布を最適に設定する必要がある。円板状のマウントプレートに対しては、中心軸が通る中心点において点対称となるような静圧を付与して円板全体に均一な押付け力を付与することが必要である。このような最適な細孔の分布の設定がないと、やはり隙間が不安定になって押付け力が不均一になる懸念がある。細孔の分布を考慮して押付け力を均一にしたいという要請があった。
細孔の分布の設定に関連し、特許文献2に記載のラッピング/ポリッシングマシンの下定盤回転装置では、空気溜まり室や連続溝を用いる空気軸受けにより浮上力を形成するものであり、参考となる技術である。しかしながら、円周上に複数の空気溜まり室を配置する構成を採用しているが、円周方向の任意の空気溜まり室からのエア流出が増加した場合、個々の空気溜まり室の容積が小さいために瞬間的にその空気溜まり室内の圧力が低下すると共に、やはり隙間が不安定になって押付け力が不均一になる懸念がある。
また、浮上力を形成する場合でも、中心軸が通る中心点において点対称となるような静圧を付与して円板全体に均一な浮上力を付与することが必要である。しかしながら特許文献2に記載のラッピング/ポリッシングマシンの下定盤回転装置では連通溝でも螺旋形状や角状螺旋形状などであって点対称でない溝を採用するというものであり、均一でない浮上力を加えることとなり、やはり隙間が不安定になって浮上力が不均一になる懸念がある。また、歯車型などは点対称であるものの半径方向を見るとき角度によって浮上箇所が相違するというものであり、やはり浮上力が不均一になる懸念がある。このような空気溜まり室、または、連続溝をトッププレートに設けて押しつけ力を形成しても、同様に押しつけ力が不均一になる懸念がある。
まとめると、以下の(1),(2),(3)のような課題がある。
(1)回転体状のトッププレートに対しては、トッププレートの中心軸が通る中心点において点対称となるような静圧を付与してトッププレート全体に均一な押付け力を付与したいという課題があった。
(2)実際の挙動では、マウントプレートとトッププレートとの間に形成される僅かな隙間部を通ってエアが流れることになり、この現象により両プレート間をほぼ非接触状態に保持することができる。しかしながら、隙間部においてこのエア流れの方向や流量が安定していなければ隙間部の両プレート間の距離が変動し、マウントプレートへ均一な押付け力を安定して付与することはできなかった。マウントプレートからトッププレートへのエア流れの方向や流量を安定させたいという課題があった。
(3)万が一、分散孔の目詰まりが起きても圧力変動を極力抑えてマウントプレートに対して広範囲で均一な圧力を維持しつつエアにより押圧したいという要請があった。
これらは特許文献1,2に記載の装置で考慮されていない問題点であった。
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マウントプレートに対して広範囲で均一な圧力でエアにより押圧してワークに対する押付け力も均一とし、研磨能力を向上させる研磨装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る研磨装置は、
上面に研磨パットが設けられた定盤と、
下面にワークが保持された略回転体形状のマウントプレートと、
略回転体形状であって上下方向に移動自在になされ、回転体の中心軸に沿って形成される流体通路と、この流体通路と連通する円板状の空間部と、この空間部と連通して下面に到達する複数の分散孔と、が設けられており、マウントプレートの上側に配置されるトッププレートと、
前記マウントプレートの外周部に当接して前記マウントプレートが所定位置にて回転するように支持するマウントプレートガイドローラと、
前記トッププレートの外周部に当接して前記トッププレートが所定位置にて回転するように支持するトッププレートガイドローラと、
を備え、
前記マウントプレートと前記研磨パットとでワークを挟み、このワークの下面を前記研磨パットにより研磨する研磨装置であって、
前記トッププレートの下面に、その中心軸を基点に径の異なる複数の円環状溝と各円環状溝を結ぶ径方向の複数の連通溝を設け、
前記分散孔をこれら円環状溝と連通溝の任意の交点およびトッププレート中心に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、マウントプレートに対して広範囲で均一な圧力でエアにより押圧してワークに対する押付け力も均一とし、研磨能力を向上させる研磨装置を提供することができる。
本発明を実施するための形態の研磨装置の平面図である。 本発明を実施するための形態の研磨装置のA−A線断面図である。 本発明を実施するための形態の研磨装置のトッププレート下面図である。 溝部および隙間部の拡大図である。 トッププレート下面のエアの流れを説明する説明図である。
続いて、本発明を実施するための形態について図を参照しつつ以下に説明する。まず、研磨装置100について図1,図2,図3を参照しつつ説明する。研磨装置100は、ワーク200の片面を平面加工する装置である。研磨装置100の機械駆動系の構成は、図1,図2で示すように、昇降軸体1、トッププレート2、マウントプレート3、定盤4、ガイドアーム5、トッププレートガイドローラ6、マウントプレートガイドローラ7、テーブル8を備える。
続いて各構成について説明する。
昇降軸体1は、図示しない昇降軸体駆動部に連結されており、図2の矢印a方向に昇降駆動される。この昇降軸体1の内部には流体通路11が形成されており、フランジ状の下側先端部12まで連通している。この流体通路11には図示しないエア供給部からエアが供給され、下側先端部12からエアが噴射される。
トッププレート2は、上側トッププレート21aの下側に下側トッププレート21bを組み合わせて内部に円形空間である空間部22を構成したものである。接続部23において昇降軸体1の下側先端部12と連結されており、トッププレート2も昇降軸体1とともに矢印a方向に昇降駆動される。接続部23では上下方向にフランジ状の下側先端部12が係止されて昇降するが弾性体のシール部24を配置して自由度をもたせるようにしており、研磨加工中においてトッププレート2が傾動および水平方向にも微小距離移動できるようにして水平方向の加工精度に影響されないようにしている。
また、昇降軸体1とトッププレート2との接続部23では、収納空間部25が形成されており、さらにこの収納空間部25と流体通路26が連通する。昇降軸体1の下側先端12から流入するエアは、収納空間部25を介して流体通路26へ流入する。流体通路26は内部の空間部22まで連通している。この空間部22の下側には流路を介してエア吐出孔である分散孔27まで連通している。トッププレート2の下面は、図3に示すような溝部28が形成されている。なお、溝部28についての詳細は後述する。
マウントプレート3は、回転体であり、下面にワークを保持する保持手段を備え、ワークを保持した状態で定盤1上に載置される。保持手段は各種構成があり、適宜採用することができる。なお、ワーク200にはトッププレート2およびマウントプレート3の自重による押圧が作用する。マウントプレート3は高剛性であり、研磨荷重が加わっても弾性変形せず平坦性が維持されていることが望ましい。
定盤4は、回転体であり、上面にワーク200を研磨する研磨パットを貼り付ける構成としている。研磨パットが貼られている定盤4の表面は平坦である。さらに、研磨パットは均等な厚さと均等な弾性を有し荷重によりウェーハが押し付けられた際、ウェーハと研磨パットの接触圧力、即ち研磨圧力が全面で均等になるように調整されている。ワーク200の上面側がマウントプレート3に、ワーク200の下面側が定盤4の研磨パットに狭まれて加工される研磨装置100では、均等圧力とすることで、研磨中のワーク200の割れ欠けするおそれを低減する。このような定盤4は、図示しない定盤回転駆動部により定盤4に回転力が付与され、定盤4が回転駆動される。
ガイドアーム5は、一端でテーブル8に固定されており、他端で2個のトッププレートガイドローラ6および2個のマウントプレートガイドローラ7を回転自在に支持する。
トッププレートガイドローラ6は、ガイドアーム5の上側の2箇所に設けられており、トッププレート2の側面と当接し、トッププレート2が中心軸を移動させることなく回転するように支持する。
マウントプレートガイドローラ7は、ガイドアーム5の下側の2箇所に設けられており、マウントプレート3の側面と当接し、マウントプレート3が中心軸を移動させることなく回転するように支持する。
テーブル8は、定盤1の周囲を覆うように設けられており、ガイドアーム5が固定されている。
続いて本発明の特徴をなすトッププレート2の下面の溝部28について説明する。溝部28は、図3,図4で示すように、トッププレート2の下面に設けられる。
トッププレート2の中心と同軸の複数の同心円の環状溝28aを設け、また半径方向に直線状の連通溝28bを設け、同心円状の複数の環状溝28aと連通溝28bとを繋げる蜘蛛の巣状構造としている。なお、最外周の環状溝28aの外側は環状の外周端部29が形成される。
溝部28の断面は図4で示すように、逆三角形状の溝となっている。なお、溝の断面形状は矩形でも半円形でもよい。この流路を流れるエアが全ての溝部28に充填されるとトッププレート2を上方へ押し上げる力が発生する。この押し上げる力が任意のレベルを超えるとトッププレート2とマウントプレート3の間に僅かな隙間部9が形成され、エアが僅かづつ外周方向へ流れる状態となる。このような状態を形成することにより、トッププレート2とマウントプレート3とが非接触状態となり、ワーク加工時にマウントプレート3が回転しても摩擦力が発生しない。
さらに、プレート中心位置にエア吐出孔である分散孔27(以下中央の分散孔27)が設けられている。また、環状溝28aと連通溝28bとが交差する任意の位置にも分散孔27(以下外周側の分散孔27)が設けられている。
前述のように、トッププレート2とマウントプレート3の間に僅かな隙間部9が形成され、エアが僅かづつ外周方向へ流れる状態となるので、外周側の隙間部9において圧力低下が生じる傾向となることから、外周側の分散孔27を円周上に多数設けて圧力の低下を抑制するようにしている。さらに、プレート中心位置の分散孔27により、プレート中心部での圧力を常に一定に保持するようにしているため、エアは図5で示すように外周側へ安定して流れるようになり、溝部28から下側へ吹き付ける圧力を均一化し、隙間部9の距離を一定にすることができる。
また、本形態の外周側の分散孔27は同一円上に等角度(図5では60度毎)毎に配置されており、同じ半径位置で一定圧力となるようにするため、この点でも全域で隙間部9の距離を一定に支持するようになる。
また、環状溝28aによりトッププレート2の円周方向でほぼ同一圧力にて均一に加圧される。また、連通溝28bにより、トッププレート2の放射線上でほぼ同一圧力にて均一に加圧される。また、環状溝28aと連通溝28bとからなる蜘蛛の巣状の溝部28は中心に対して点対称な溝となっており、エアは点対称な溝部により全面で同一圧力にて均一に加圧される。このように円板状のマウントプレート3に対しては、中心軸が通る中心点において点対称となるような静圧を付与してマウントプレート3に均一な押付け力を付与することができる。
続いてこのような研磨装置100の全体構成について説明する。
本発明の研磨装置100は、図1,図2で示すように、マウントプレート3の下面に保持手段によりワークが固定される。例えば、保持手段の一例であるワックス等によりマウントプレート3の下面に接着されている。定盤4に対し、マウントプレート3は独立して移動するようになされている。また、マウントプレート3に対し、トッププレート2は独立して移動できるようになされている。トッププレート2は昇降軸体1に対して所定の範囲内で傾動および水平移動できるようになされている。
トッププレート2の側面には2個のトッププレートガイドローラ6が当接している。マウントプレート3の側面には2個のマウントプレートガイドローラ7が当接している。トッププレート2とマウントプレート3は、切り離されている。このような構成により一の研磨部となる。この研磨部が定盤4上に120度ピッチで3個配置されている。研磨装置100はこのように複数の研磨部によりワーク200が研磨されるものである。
続いて研磨装置100による研磨加工について説明する。
ワーク200が保持されたマウントプレート3を定盤4上に配置し、さらにマウントプレート3の上にトッププレート2を配置して、図示しないエア供給部よりエアを昇降軸体1の流体通路11を通じてトッププレート2内に設置した空間部22に一旦充填させ、さらに各分散孔27より環状溝28aおよび連通溝28bへエアが供給される。全ての溝部28にエアが充填されるとトッププレート2を上方へ押し上げる力が発生する。この押し上げる力が任意のレベルを超えるとトッププレート2とマウントプレート3の間に僅かな隙間部9が形成され、エアが僅かづつ外周方向へ流れる状態となる。このような状態を形成することにより、トッププレート2とマウントプレート3とが非接触状態となり、マウントプレート3上面に均一な押圧を付与する。エアはトッププレート2の溝部28内を流れ、この溝部28から吹き出るエアによりマウントプレート3の全面で所定の荷重となるように均等に押圧した状態となっている。なお、ワーク200に掛る押圧は、トッププレート2の浮上力とマウントプレートへの押付け力が相殺されることになり、トッププレート2およびマウントプレート3の自重による押圧が作用する。
続いて研磨装置100がワーク200の研磨を開始する。図示しないノズルからの研磨剤の供給を受け、定盤4上に研磨液を分散させながら、所定の速度で定盤4の回転を開始する。定盤4上のマウントプレート3は、回転する定盤4からワーク200を介して抗力が加えられる。定盤4の内周側では定盤4の周速が相対的に小さく、外周側では定盤4の周速が相対的に大きいため、マウントプレート3は定盤の回転方向と同方向へ自転する。この時、トッププレート2はマウントプレート3と非接触状態となっているため、トッププレート2は回転せず、マウントプレート3の自転動作を何ら拘束することがない。
しかしながら、マウントプレート3が回転しても、回転移動するマウントプレートガイドローラ7により位置が拘束されており、回転軸を移動させることなく所定位置にて自転する。
もしトッププレート2およびマウントプレート3の軸心が一致せず、わずかな芯違があっても、トッププレート2は静止している為、マウントプレート3の自転を妨げる事がなく、トッププレート2は、マウントプレート3に均等な荷重を供与することが出来、高精度研磨加工が可能となる。
また、外的要因等により、トッププレート2とマウントプレート3とのいずれかのプレートに姿勢変動が発生し、局所的(局部的)にエア流量の増大が発生するような場合、局所的に作用するエア圧力が大きく低下するようなことが起こるとこの部分での静圧が低下してプレート同士が接触状態となる懸念がある。しかしながら、トッププレート2内における円板状で大きな空間部(エア溜まり部)22の存在により空間部22内が一定圧力に保たれており、任意の位置で溝部28からのエア流出が増加しても、圧力低下の少ないエアを空間部22から分散孔27へ供給することができるため、圧力変動の少ない状態を保つことができる。円周方向の任意の位置でエア流出が増加しても局部的な圧力低下は抑えられ、押付け力が不安定になり難い構造となっている。
したがって、ワーク200と定盤4の研磨パットとの接触面では均一かつ安定した圧力が付与された状態でワーク200の自転および定盤4の研磨パットの公転により摺擦研磨されてワーク200の表面は鏡面に加工される。
この際、マウントプレート3はトッププレート2の溝部28からのエアにより全面で均一に押圧されており、マウントプレート3は所定の研磨荷重で定盤4の研磨パットに均一な力でワーク200を押し付けており、研磨能力を高めている。また、荷重が集中しないようにしているため、割れ・欠けの発生を予防している。
研磨加工終了時には、定盤4の回転を停止しトッププレート2に設置された分散孔27よりエアを供給しつつ図示していない昇降軸体駆動部により昇降軸体1を上昇させトッププレート2を引き上げる。トッププレート2は上昇するが,マウントプレート3およびワーク200は定盤4上に残される。以下、マウントプレート3からワーク200を回収して加工は終了する。研磨装置100による加工はこのようなものである。
以上本発明の研磨装置100について説明した。
このような本発明の研磨装置100は、特に溝部28の改良により以下の(1)〜(3)に示すような効果が見込める。
(1)回転体形状のマウントプレート3に対しては、中心軸が通る中心点において点対称となるような静圧を付与して全体に均一な押付け力を付与することが必要である。本発明では、トッププレート2の下面に同心円状の円周溝28aを半径方向に複数形成して、それぞれ円周溝28aを半径方向の連通溝28bで繋げる構造としている。なお、最外周の円周溝28aとトッププレート外周端との間には溝を設けないで外周端部29との隙間部を通過させるようにして圧力を高く維持する。さらに、トッププレート2の中心位置および円周溝28aと連通溝28bとが交差する任意の位置に分散孔27を配置して溝部28へ加圧エアを供給している。このためエアはトッププレート2の中心軸に対して点対称な溝部28から加圧されることとなり、円板状のマウントプレート3の全体を均一に加圧することができる。
(2)また、実際の挙動では、トッププレート2とマウントプレート3との間の僅かな隙間部9を通ってエアが流れることになり、この現象により各プレート間をほぼ非接触状態に保持するが、このエア流れの方向や流量が安定していなければマウントプレート3への均一な押付け力を付与することはできない。本発明では、トッププレート2上の分散孔27から供給した加圧エアは、図5で示すように、常に圧力レベルの高い内周側から圧力レベルの低い外周側へ放射線状に広がりつつ流出するようになり、安定したエア流れの方向を形成することができる。
(3)また、一部の分散孔27に目詰まりが発生したような場合でも、溝部28を流れるエアにより目詰まりした分散孔27付近でも依然押し圧力を付与するため、急激な圧力変動が抑えられ、この点でも圧力の均一化を図っている。
本発明ではこれら効果が相乗的に相俟って、マウントプレート3の全面に常に均等な荷重を与えることができるようになり、従来では想起しえないような高精度研磨加工が可能となる。
以上のような本発明に係る研磨装置は、ワークに対して、ラッピング、ポリッシング等の精度の高い平面加工を行う装置に適している。
100:研磨装置
1:昇降軸体
11:流体通路
12:下側先端部
2:トッププレート
21a:上側トッププレート
21b:下側トッププレート
22:空間部
23:接続部
24:シール部
25:収納空間部
26:流体通路
27:分散孔
28:溝部
28a:円周溝
28b:連通溝
29:外周端部
3:マウントプレート
4:定盤
5:ガイドアーム
6:トッププレートガイドローラ
7:マウントプレートガイドローラ
8:テーブル
9:隙間部
200:ワーク

Claims (1)

  1. 上面に研磨パットが設けられた定盤と、
    下面にワークが保持された略回転体形状のマウントプレートと、
    略回転体形状であって上下方向に移動自在になされ、回転体の中心軸に沿って形成される流体通路と、この流体通路と連通する円板状の空間部と、この空間部と連通して下面に到達する複数の分散孔と、が設けられており、マウントプレートの上側に配置されるトッププレートと、
    前記マウントプレートの外周部に当接して前記マウントプレートが所定位置にて回転するように支持するマウントプレートガイドローラと、
    前記トッププレートの外周部に当接して前記トッププレートが所定位置にて回転するように支持するトッププレートガイドローラと、
    を備え、
    前記マウントプレートと前記研磨パットとでワークを挟み、このワークの下面を前記研磨パットにより研磨する研磨装置であって、
    前記トッププレートの下面に、その中心軸を基点に径の異なる複数の円環状溝と各円環状溝を結ぶ径方向の複数の連通溝を設け、
    前記分散孔をこれら円環状溝と連通溝の任意の交点およびトッププレート中心に設けたことを特徴とする研磨装置。
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