JP5472776B2 - インナーライナー用ゴム組成物、インナーライナーおよびタイヤ - Google Patents

インナーライナー用ゴム組成物、インナーライナーおよびタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、インナーライナー用ゴム組成物、インナーライナーおよびタイヤに関し、特に、未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるとともに、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー用ゴム組成物、それを用いて形成されたインナーライナーおよびそのインナーライナーを用いて製造されたタイヤに関する。
従来から、タイヤのインナーライナー用ゴム組成物には、加硫後のインナーライナーの空気非透過性を大きくするためにブチル系ゴムが使用されている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。また、インナーライナー用ゴム組成物には、未加硫時のロール加工性とタイヤ成形性を向上させる観点から、フェノール樹脂とミネラルオイルとが適量配合されている。
しかしながら、このインナーライナー用ゴム組成物においては、加硫後のインナーライナーの空気非透過性が十分でなく、さらなる改善が求められていた。
そこで、インナーライナー用ゴム組成物に配合されるミネラルオイルの一部を混合樹脂(脂肪族と芳香族との混合樹脂)に置換して配合することによって、加硫後のインナーライナーの空気非透過性をさらに向上させる方法が提案されている。
しかしながら、この方法においては、加硫後のインナーライナーの空気非透過性は優れているものの、未加硫時のロール加工性は良好でないという問題があった。
したがって、従来においては、未加硫状態におけるロール加工性とタイヤ成形性、ならびに加硫後の空気非透過性のすべての特性に優れたインナーライナー用ゴム組成物は得られていなかった。
特開2005−113027号公報 特開2005−272717号公報
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるとともに、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー用ゴム組成物、それを用いて形成されたインナーライナーおよびそのインナーライナーを用いて製造されたタイヤを提供することにある。
本発明は、タイヤのインナーライナーを形成するためのインナーライナー用ゴム組成物であって、ブチルゴムからなるゴム成分と、フェノール樹脂および石油系樹脂の方を有する樹脂成分と、パラフィン系ワックスと、を含み、フェノール樹脂がゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下含有されており、パラフィン系ワックスがゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下含有されているインナーライナー用ゴム組成物である。
また、本発明は、上記のインナーライナー用ゴム組成物から形成されたインナーライナーである。
さらに、本発明は、上記のインナーライナーを用いて製造されたタイヤである。
本発明によれば、未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるとともに、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー用ゴム組成物、それを用いて形成されたインナーライナーおよびそのインナーライナーを用いて製造されたタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
本発明者は、ゴム成分に、フェノール樹脂および石油系樹脂の少なくとも一方を有する樹脂成分と、パラフィン系ワックスとを併用して配合するととともに、上記の樹脂成分の含有量をゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下とし、さらにはパラフィン系ワックスの含有量をゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下とすることによって、未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるとともに、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー用ゴム組成物を作製できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
<ゴム成分>
本発明のインナーライナー用ゴム組成物に用いられるゴム成分は、特に限定されないが、加硫後のゴムの空気非透過性を良好なものとする観点からは、ブチル系ゴムを含むものであることが好ましい。
ここで、ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムまたはこれらの混合物等が挙げられる。ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等の少なくとも1種を用いることができる。
また、本発明におけるゴム成分にブチル系ゴムを用いる場合には、ブチル系ゴムの含有量(2種以上の互いに異なる種類のブチル系ゴムを用いた場合にはその総含有量)は、ゴム成分全体の50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。ブチル系ゴムの含有量がゴム成分全体の50質量%未満である場合には、加硫後のゴムの空気非透過性を十分に向上することができない傾向にあり、60質量%以上である場合には加硫後のゴムの空気非透過性をより向上することができる傾向にある。
また、本発明におけるゴム成分に、ブチル系ゴムと、ブチル系ゴム以外のゴムとを配合する場合には、ブチル系ゴム以外のゴムとして、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびイソプレンゴム(IR)からなる群から選択された少なくとも1種のゴムをゴム成分全体の50質量%以下含むようにすることが好ましい。これらのブチル系ゴム以外のゴムの含有量(2種以上の互いに異なる種類のゴムを用いた場合にはその総含有量)がゴム成分全体の50質量%を超えた場合には、ブチル系ゴムの含有量が50質量%よりも低下してしまい、空気非透過性を十分に向上することができないおそれがある。
<樹脂成分>
本発明のインナーライナー用ゴム組成物に用いられる樹脂成分としては、フェノール樹脂、石油系樹脂またはこれらの双方を含む樹脂が挙げられる。
ここで、フェノール樹脂には、フェノール類とアルデヒドとの反応によって得られる樹脂およびその変性物が含まれる。フェノール類としては、たとえば、フェノール、クレゾール、キシレノールまたはレゾルシン等が挙げられる。また、アルデヒドとしては、たとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはフルフラール等が挙げられる。本発明に用いられるフェノール樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−フルフラール樹脂およびレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。なかでも、本発明のインナーライナー用ゴム組成物に用いられる樹脂成分としては、常温で流動性を備えたフェノール樹脂が好適に用いられる。
また、石油系樹脂には、ナフサを分解した際の炭素原子の多い不飽和化合物を重合したものが含まれ、たとえば、炭素原子が4〜5個相当の留分(C5留分)によりつくられた従来から公知のC5系石油樹脂、炭素原子が8〜10個相当の留分(C9留分)によりつくられた従来から公知のC9系石油樹脂およびC5−C9共重合樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
また、本発明のインナーライナー用ゴム組成物において、上記の樹脂成分の含有量(2種以上の互いに異なる種類の樹脂を用いた場合にはその総含有量)は、上記のゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下である。上記の樹脂成分の含有量が上記のゴム成分100質量部に対して1質量部未満である場合にはインナーライナー用ゴム組成物の粘着性が不足して成形性が低下する傾向にあり、3質量部を超える場合にはインナーライナー用ゴム組成物の粘着性が高くなってロール加工性が低下する傾向にある。
<パラフィン系ワックス>
本発明のインナーライナー用ゴム組成物に用いられるパラフィン系ワックスとは、直鎖状の炭化水素を主成分とする石油由来のワックスであり、たとえば、従来から公知のパラフィン系ワックスを用いることができる。
また、本発明のインナーライナー用ゴム組成物において、パラフィン系ワックスの含有量(2種以上の互いに異なる種類のパラフィン系ワックスを用いた場合にはその総含有量)は、上記のゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下含有されている。上記のパラフィン系ワックスの含有量が上記のゴム成分100質量部に対して1質量部未満である場合にはロール加工性に対する改善効果が少なくなり、3質量部を超える場合にはブルームにより成形加工性が低下する傾向にある。
<その他添加剤>
本発明の本発明のインナーライナー用ゴム組成物には、上記のジエン系ゴムおよびシリル化剤以外にも、カーボンブラック、オイル、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
カーボンブラックとしては、たとえば、SAF、ISAF、HAF、FEF等の従来から公知のカーボンブラックを用いることができる。
オイルとしては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、プロセスオイル、植物油脂、またはこれらの混合物等を用いることができる。プロセスオイルとしては、たとえば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、たとえば、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油等を用いることができる。
老化防止剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤を用いることができる。
ステアリン酸としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、日本油脂(株)製のステアリン酸等を用いることができる。
酸化亜鉛としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号等を用いることができる。
硫黄としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄を用いることができる。
加硫促進剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するもの等を用いることができる。スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物等を使用することができる。チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物を用いることができる。チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物を用いることができる。チオウレア系としては、たとえばチオカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン系化合物を用いることができる。ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチオカルバミン酸系化合物を用いることができる。アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物等のアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物等を用いることができる。イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物等を用いることができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物等を用いることができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<タイヤ>
上記の本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、未加硫の状態で押出し加工等することにより所定の形状に加工されて、インナーライナーが形成される。そして、このようにして形成されたインナーライナーを含むそれぞれのタイヤ部材を所定の位置に配置すること等によってグリーンタイヤを作製する。その後、グリーンタイヤの各部材を構成するゴム組成物を加硫すること等によって、本発明のタイヤが製造される。
図1に、本発明のタイヤの一例の左上部半分の模式的な断面図を示す。ここで、タイヤ1は、タイヤ1の接地面となるトレッド2と、トレッド2の両端からタイヤ半径方向内方に延びてタイヤ1の側面を構成する一対のサイドウォール3と、各サイドウォール3の内方端に位置するビードコア5とを備える。また、ビードコア5,5間にはプライ6が架け渡されるとともに、このプライ6の外側かつトレッド2の内側にはタガ効果を有してトレッド2を補強するベルト7が設置されている。
プライ6は、たとえば、タイヤ赤道CO(タイヤ1の外周面の幅の中心をタイヤ1の外周面の周方向に1回転させて得られる仮想線)に対してたとえば70°〜90°の角度を為す複数のコードが埋設されたゴムシートから形成することができる。また、プライ6は、トレッド2からサイドウォール3を経てビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折り返されて係止されている。
ベルト7は、たとえば、タイヤ赤道COに対してたとえば40°以下の角度を為す複数のコードが埋設されたゴムシートから形成することができる。
また、タイヤ1には、必要に応じてベルト7の剥離を抑止するためのバンド(図示せず)が設けられていてもよい。ここで、バンドは、たとえば、複数のコードが埋設されたゴムシートからなり、タイヤ赤道COとほぼ平行にベルト7の外側に螺旋巻きすることによって設置することができる。
また、タイヤ1には、ビードコア5からタイヤ半径方向外方に延びるビードエイペックス8が形成されているとともに、プライ6の内側にはインナーライナー9が設置されており、プライ6の折返し部の外側はサイドウォール3およびサイドウォール3からタイヤ半径方向内方に延びるクリンチ4で被覆されている。なお、インナーライナー9は、本発明のインナーライナー用ゴム組成物が加硫されることによって形成されている。
以上の構成を有するタイヤ1は、本発明のインナーライナー用ゴム組成物を用いてインナーライナー9が形成されていることから、本発明のインナーライナー用ゴム組成物の未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるためにインナーライナー9の成形が容易となり、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー9を得ることができるため、本発明のタイヤ1の安全性を向上させることができる。
なお、上記においては、図1に示す本発明のタイヤ1が乗用車用のタイヤの場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、乗用車用、トラック用、バス用、重車両用等の各種タイヤに適用することができる。
<未加硫ゴム組成物の作製>
表1に示す配合に従って、硫黄および加硫促進剤以外の成分をバンバリーミキサーを用いて6分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、ロールを用いて、80℃で3分間練り込んで、実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物を得た。
なお、表1のゴムおよび添加剤の欄に示されている数値は、ゴム成分の配合量を100質量部としたときの各添加剤の配合量がそれぞれ質量部で示されている。
Figure 0005472776
(注1)ブチルゴム:エフソンモービル有限会社製のHT1066
(注2)カーボンブラック:三菱化学(株)製のカーボンブラックN660
(注3)混合樹脂:Schill&Seilacher(株)製のストラクトール40MS
(注4)アルキルフェノール樹脂:スケネクタデーインターナショナル(株)製のSP1068
(注5)老化防止剤(石油系樹脂):ランクセス(株)製のVulkanox HS/LG
(注6)ステアリン酸:日本油脂(株)製のビーズステアリン酸椿
(注7)パラフィン系ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエース0355
(注8)ミネラルオイル:ジャパンエナジー(株)製のプロセスP200
(注9)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
(注10)5%オイル硫黄:細井化学(株)製のHK−200−5
(注11)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM−P
(注12)加工助剤:Schill&Seilacher(株)製のストラクトールWB16
<ロール加工性>
上記の実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のそれぞれの作製工程において、バンバリーミキサーから得られた混練り物を、熱入れされたロール(温度80℃)にかけ、混練り物がロールに密着しやすいかどうかを目視によって、下記のロール加工性の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1のロール加工性の欄に示す。
なお、表1のロール加工性の欄において、1、2、3、4および5の順にロール加工性に優れている(評価5が最もロール加工性に優れている)ことを示している。
(ロール加工性の評価基準)
1:ロールへの混練り物の密着性が大きかった。
2:ロールへの混練り物の密着性がやや大きかった。
3:ロールへの混練り物の密着性は見られるがロール作業は行なうことができた。
4:ロール加工性に優れていた。
5:ロールと混練り物とが容易に離れ、ロール加工性に大変優れていた。
<タイヤ成形性>
上記の実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のそれぞれをインナーライナー用のゴムシートとして用いて215/45R17サイズのタイヤの成形を行ない、インナーライナー用ゴムシートの成形性を下記のタイヤ成形性の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1のタイヤ成形性の欄に示す。
なお、表1のタイヤ成形性の欄において、C、BおよびAの順にタイヤ成形性に優れている(評価Aが最もタイヤ成形性が優れている)ことを示している。
(タイヤ成形性の評価基準)
A:タイヤの成形を容易に行なうことができた。
B:何とかタイヤの成形を実施することができた。
C:タイヤの成形が困難であった。
<空気非透過性>
上記の実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のそれぞれをインナーライナー用のゴムシートとして用いて215/45R17サイズのグリーンタイヤの成形を行ない、その後加硫することによって、上記の実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のそれぞれを加硫してなるインナーライナーを有する試験用タイヤをそれぞれ作製した。
そして、上記のようにして作製した試験用タイヤをそれぞれリム組みした後、その内圧を230kPaに設定した。その後、試験用タイヤを21℃の室内に60日間入れて試験用タイヤの内圧の低下を測定した。そして、比較例1の未加硫ゴム組成物を用いて形成されたインナーライナーを有する試験用タイヤの内圧の低下量を100として、下記の式(1)により、実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5の未加硫ゴム組成物のそれぞれから形成されたインナーライナーを有するそれぞれの試験用タイヤのガスバリア指数を算出した。その結果を表1のガスバリア指数の欄に示す。
なお、表1のガスバリア指数の欄の数値が大きいほど空気透過量が少なく、空気非透過性に優れていることを示す。
(ガスバリア指数)=100×(比較例1の未加硫ゴム組成物を用いて形成された試験用タイヤの内圧の低下量)/(実施例1〜5、参考例1および比較例1〜5のそれぞれを用いて形成された試験用タイヤの内圧の低下量) …(1)
<評価結果>
表1に示すように、実施例1〜5、参考例1の未加硫ゴム組成物は、比較例1〜5の未加硫ゴム組成物に比べて、未加硫時にはロール加工性およびタイヤ成形性の双方に優れるとともに、加硫後の空気非透過性にも優れることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、未加硫時においてはロール加工性とタイヤ成形性に優れるとともに、加硫後においては空気非透過性に優れるインナーライナー用ゴム組成物、それを用いて形成されたインナーライナーおよびそのインナーライナーを用いて製造されたタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一例の左上部半分の模式的な断面図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 トレッド、3 サイドウォール、4 クリンチ、5 ビードコア、6 プライ、7 ベルト、8 ビードエイペックス、9 インナーライナー。

Claims (3)

  1. タイヤのインナーライナーを形成するためのインナーライナー用ゴム組成物であって、
    ブチルゴムからなるゴム成分と、フェノール樹脂および石油系樹脂の方を有する樹脂成分と、パラフィン系ワックスと、を含み、
    前記フェノール樹脂は、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下含有されており、
    前記パラフィン系ワックスは、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下含有されていることを特徴とする、インナーライナー用ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のインナーライナー用ゴム組成物から形成された、インナーライナー。
  3. 請求項2に記載のインナーライナーを用いて製造された、タイヤ。
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