以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、画像生成装置としての写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業を利用者にゲームとして行わせ、撮影画像や編集済み画像を提供する代わりに利用者より代金を受け取るゲーム機である。写真シール作成装置1はゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は1人であることもあるし、複数人であることもある。
写真シール作成装置1が提供するゲームで遊ぶ利用者は、代金を投入し、自身が被写体となって撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した編集対象の画像に対して、背景や前景の画像となる合成用画像や手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かな画像にする。利用者は、編集済みの画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させることになる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成される。撮影ユニット11と編集部12が接した状態で設置され、編集部12と事後接客部13が接した状態で設置される。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において撮影処理が行われる。
撮影部21は撮影処理を利用者に行わせる装置である。撮影部21は、撮影空間に入り、撮影処理を行っている利用者の正面に位置する。撮影空間を正面に臨む面を構成する撮影部21の正面パネル41には、撮影処理時に利用者により用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいる利用者から見て左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル42Aにより構成され、右側面が側面パネル42Bにより構成される。
背景部22は、正面を向いて撮影処理を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52B(図示せず)から構成される。
撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Aによって連結される。また、撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Bによって連結される。
撮影部21の側面パネル42A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口G1となる。図示されないが、撮影部21の側面パネル42B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口G2となる。
背景部22の上部には、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bに支持される形で背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25には、色または柄の異なる、背景に利用される巻き取り式の背景カーテンが複数収納される。背景カーテンユニット25は、撮影部21に設けられたカメラ等による撮影と連動して動作し、撮影の際に、例えば利用者により選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。
なお、背景カーテンユニット25に収納される背景カーテンとしては、複数枚のカーテンを1枚のクロマキ用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを用意してもよい。また、クロマキ用のカーテンを予め撮影空間の背面となる背面パネル51に張り付けるとともに、合成用の背景画像を複数種類用意し、撮影処理や編集処理において、利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部23A、連結部23B、および背景カーテンユニット25に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて発光するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
編集部12は、撮影処理によって得られた画像を編集する処理である編集処理を利用者に行わせる装置である。編集部12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集部12には、編集処理時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図1に示す編集部12の構成を正面側の構成とすると、2組の利用者が同時に編集処理を行うことができるように、編集部12の正面側と背面側には編集処理に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
編集部12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、側面パネル42Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成され、編集処理に用いられる構成が斜面72に設けられる。斜面72の左側には、柱状の形状を有し、照明装置74の一端を支持する支持部73Aが設けられる。支持部73Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。斜面72の右側にも、照明装置74の他端を支持する支持部73B(図2)が設けられる。
編集部12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、上から見たときの形状がコの字状となるように3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端に残りの一本のレール26Cの両端が接合される。
カーテンレール26には、編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集処理を行う編集空間となる。
図2は、写真シール作成装置1を別の角度から見た斜視図である。
事後接客部13は事後接客処理を利用者に行わせる装置である。事後接客処理には、撮影画像や編集済みの画像を携帯電話機などの携帯端末に送信する処理、ミニゲームを利用者に行わせる処理、アンケートに答えさせる処理などが含まれる。
図2に示すように、事後接客部13は、所定の厚さを有する板状の筐体をその一部として有しており、残りの部分は編集部12の左側面と一体に設けられる。事後接客部13の正面には、事後接客処理時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタや、撮影画像や編集済みの画像が印刷されたシール紙が排出される排出口などが設けられる。事後接客部13の正面前方の空間が、シール紙への印刷が終わるのを待っている利用者が事後接客処理を行う事後接客空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について図3を参照して説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影処理を行う。
撮影処理を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集部12の正面側の編集空間であり、編集空間A2−2は、編集部12の背面側の編集空間である。編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方の空間が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は編集処理を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集処理を行うことができる。
編集処理が終了した後、撮影画像や編集済みの画像の中から選択された画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集処理を終えた利用者は、編集空間A2−1で編集処理を行っていた場合には白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から事後接客空間A3に移動して事後接客処理を行う。また、編集処理を終えた利用者は、編集空間A2−2で編集処理を行っていた場合には白抜き矢印#6で示すように編集空間A2−2から事後接客空間A3に移動し、事後接客空間A3において事後接客処理を行う。
画像の印刷が終了したとき、利用者は、事後接客部13に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
次に、各装置の構成について説明する。
[撮影部の構成]
図4は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
正面パネル41は撮影空間A1で撮影処理を行う利用者の正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影処理を行う利用者の左側、右側に位置する。
正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、正面ストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により構成され、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)として保存される。
カメラ91を囲むように発光面が設けられた正面ストロボ92は、他のストロボと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光し、被写体としての利用者の顔付近を正面から照射する。
カメラ91の下側に設けられたタッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)画像を表示し、利用者の選択操作をタッチパネルにより受け付ける機能とを備えている。タッチパネルモニタ93には、適宜、撮影結果としての静止画像や、背景等の画像が合成された後の動画像が表示される。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット81の位置を基準として、上方に上ストロボ82が設置される。また、左方に左ストロボ83が設置され、右方に右ストロボ84が設置される。
上ストロボ82は、利用者を上前方から照射する。左ストロボ83は、利用者を左前方から照射し、右ストロボ84は、利用者を右前方から照射する。
ベース部43には利用者の足元を照射する足元ストロボ86も設けられる。上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、および足元ストロボ86の内部には蛍光灯が設けられており、天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部の蛍光灯と合わせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光させる蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが、利用者が行っている撮影処理の内容に応じて適宜調整される。
足元ストロボ86の右側には、利用者がお金を投入する硬貨投入返却口87が設けられる。
ベース部43の上面の左右に形成されるスペース43Aおよび43Bは、撮影処理を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。正面パネル41の例えば天井付近には、撮影処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
[背景部の構成]
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
上述したように、背面パネル51の上方には背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25のほぼ中央には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を後方中央から照射する背面中央ストロボ101が取り付けられる。
背面パネル51の上方であって、出入り口G1側の位置には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を左後方から照射する背面左ストロボ102が取り付けられる。また、背面パネル51の上方であって、出入り口G2側の位置には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を右後方から照射する背面右ストロボ103が取り付けられる。
[編集部の構成]
図6は、編集部12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたは132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集対象画像として選択された撮影画像の編集に用いられる画面である編集画面が表示される。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aは一方の利用者により用いられ、タッチペン132Bは他方の利用者により用いられる。
編集部12の左側には事後接客部13が設けられる。
[事後接客部の構成]
図7は、事後接客部13の正面側の構成例を示す図である。
事後接客部13の上方中央にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161は、利用者の指などによって操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ161には、ミニゲームなどの事後接客処理に用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ161の下にはスピーカ162が設けられ、スピーカ162の下にはシール紙排出口163が設けられる。
スピーカ162は、事後接客処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
シール紙排出口163には、編集空間A2−1の利用者が編集処理を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙、または、編集空間A2−2の利用者が編集処理を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。編集部12の内部にはプリンタが設けられており、画像の印刷がそのプリンタにより行われる。
[写真シール作成装置の内部構成]
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図8は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209、および事後接客部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1における撮影処理を行う構成である硬貨処理部221、背景制御部222、照明装置223、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ224から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口87に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
背景制御部222は、制御部201より供給される背景制御信号に従って背景カーテンユニット25に収納されている背景カーテンの上げ下ろしを行う。背景カーテンの選択が利用者により手動で行われるようにしてもよい。
照明装置223は、撮影空間A1内の各ストロボの内部に設けられる蛍光灯であり、制御部201より供給される照明制御信号に従って発光する。上述したように、撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21に設けられる上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、足元ストロボ86と、背景部22に設けられる背面中央ストロボ101、背面左ストロボ102,背面右ストロボ103が設けられている。
また、照明装置223は、制御部201による制御に従って発光量を調整することによって、利用者が行っている撮影作業の段階に応じて撮影空間A1内の明るさを調整する。
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1における編集処理を行う構成として編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bも編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2における編集処理を行う。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。
事後接客部210は、事後接客空間A3における事後接客処理を行う構成であるタブレット内蔵モニタ161、スピーカ162、印刷処理を行う構成であるプリンタ241、およびシール紙ユニット242から構成される。
プリンタ241は、撮影画像、または編集処理によって得られた編集済みの画像を、プリンタ241に装着されたシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口163に排出する。
[制御部の構成]
次に、制御部201について説明する。図9は、制御部201がROM206などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
制御部201は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理や利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部301、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部302、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部303、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部304を有する。
つまり、制御部201は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
[写真シール作成装置の動作]
次に、図10のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の処理について説明する。
ステップS1において、写真シール作成装置1の撮影処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを硬貨処理部221から供給される信号に基づいて判定し、投入されたと判定するまで待機する。
ステップS1において、硬貨が投入されたと判定された場合、ステップS2において、撮影処理部301は、撮影部208を制御し、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ93にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影する撮影処理を行う。撮影処理では、例えば、利用者の全身を撮影する全身撮影と、利用者の顔または上半身を撮影するアップ撮影とが行われる。
ステップS3において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部208のタッチパネルモニタ93に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ224から出力させることによって行われる。
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御し、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、編集対象画像として選択された撮影画像に合成する合成用画像を利用者に選択させ、選択された合成用画像を撮影画像に合成させ、得られた合成画像に対して、利用者による編集操作に従って編集を行う。
ステップS5において、編集処理部302は、編集空間A2−1または編集空間A2−2で編集処理を終えた利用者に対して事後接客空間A3への移動を案内する。事後接客空間A3への移動の案内は、タブレット内蔵モニタ131に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
ステップS6において、印刷処理部303は、利用者により選択された画像をプリンタ241に出力してシール紙に印刷させる印刷処理を行う(開始する)。
また、タブレット内蔵モニタ161に表示される、事後接客処理の開始ボタンが選択されると、ステップS7において、事後接客処理部304は、印刷終了待機中の利用者に対する事後接客処理を行う。具体的には、事後接客処理部304は、撮影画像や編集済みの画像を携帯端末に送信する携帯送信ゲーム処理を事後接客処理として行い、携帯端末の電子メールアドレスを直接入力することで画像を携帯端末に送信するか、非接触型ICと通信することで画像を携帯端末に送信するかを利用者に選択させる送信方法の選択画面や、送信する画像の選択画面をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、利用者による操作に応じて画像を送信する。
印刷が終了すると、ステップS8において、事後接客処理部304は、印刷が終了した旨をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口163に排出し、処理を終了させる。
ここで、写真シール作成装置1では、ステップS2で行われる撮影処理において、撮影画像に写されている顔の輪郭を変形して小顔にする小顔処理や、その小顔処理が施された顔に対して影を付ける顔影処理などの各種の画像処理が行われる。顔影処理では、撮影画像に写されている顔の大きさに応じた幅の影を顔に付けることで、より自然で立体的なきれいな小顔画像が提供される。
[画像処理装置の機能構成例]
図11を参照して、顔影処理を行う画像処理装置の機能的な構成例について説明する。図11の画像処理装置は、例えば、上述の写真シール作成装置1の撮影処理部301において実現される。
図11に示すように、画像処理装置は、撮影画像取得部401、肌領域検出部402、顔認識部403、影幅決定部404、顔ふち領域抽出部405、および顔影付加部406を備えて構成される。
撮影画像取得部401は、カメラ91により撮影された画像である撮影画像を取得し、肌領域検出部402、顔認識部403、および顔影付加部406に供給する。なお、この撮影画像には、例えば、撮影画像に写されている顔の輪郭を変形して小顔にする小顔処理が既に施されている。
肌領域検出部402は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像から、撮影画像に写されている被写体の顔などの肌色の領域である肌領域を検出する処理を行う。例えば、肌領域検出部402は、撮影画像に対して、肌領域の画素を白画素とし、肌領域以外の領域の画素を黒画素とする2値化処理を施すことにより、肌領域と肌領域以外の領域とに分けた画像である肌マスク画像(肌領域画像)を生成する。つまり、肌マスク画像は、撮影画像における肌領域以外の領域をマスクするマスク画像である。そして、肌領域検出部402は、生成した肌マスク画像を顔ふち領域抽出部405に供給する。
顔認識部403は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像に対する顔認識処理を行って、その撮影画像に写されている被写体の顔を認識する。例えば、顔認識部403は、撮影画像を解析することによって、撮影画像に写るオブジェクトの各位置における特徴を抽出し、抽出した特徴と、予め用意されている人物の顔の各位置における特徴とをマッチングすることによって顔認識を行う。そして、顔認識部403は、撮影画像に写るオブジェクトのうち、マッチング結果を表すスコアの高いものを人物の顔であるとして認識する。
このような顔認識を行うことにより、顔認識部403は、撮影画像に写されている被写体の顔を特定する複数の特徴点、例えば、顔の輪郭を特定する複数の特徴点を検出する。そして、顔認識部403は、それらの特徴点に基づいて顔の大きさを特定して、顔の大きさを示す情報を影幅決定部404に供給する。さらに、顔認識部403は、それらの特徴点に基づいて顔の中心を特定して、その中心点を示す情報を顔ふち領域抽出部405に供給する。
なお、顔認識部403による顔認識に基づいて顔の大きさを特定する他、例えば、肌領域検出部402により抽出された顔部分の肌領域の横幅を測定することにより顔の大きさを特定したり、顔部分の肌領域の面積を測定することにより顔の大きさを特定してもよい。または、肌領域検出部402により抽出された顔部分の肌領域に対する外接矩形の対角線の長さを顔の大きさとして特定してもよい。
影幅決定部404は、顔認識部403から供給される顔の大きさを示す情報に従って、撮影画像に写されている顔に付加する影の幅である影幅を決定する。例えば、影幅決定部404は、顔の大きさに対して、予め設定されている所定の割合(例えば、10%)を乗算した値を影幅として決定する。
具体的には、影幅決定部404は、利用者の顔または上半身を撮影するアップ撮影により得られた撮影画像において、顔の大きさが500ピクセルである場合には、所定の割合の10%を500ピクセルに乗算した50ピクセルを影幅として決定する。また、影幅決定部404は、利用者の全身を撮影する全身撮影により得られた撮影画像において、顔の大きさが200ピクセルである場合には、所定の割合の10%を200ピクセルに乗算した20ピクセルを影幅として決定する。そして、影幅決定部404は、決定した影幅を、顔ふち領域抽出部405に供給する。
なお、影幅決定部404は、影幅を決定するのに用いる所定の割合を、設定ファイルなどによる内部の設定により選択的に決定したり、ユーザがタッチパネルモニタ93を利用して指定するのに従って選択的に決定することができる。例えば、ユーザにより指定させる際に、8%や、10%、12%などの所定の割合で影幅を決定して顔影処理を施した画像をタッチパネルモニタ93に表示させ、所望の画像をユーザに指定させるようにしてもよい。これにより、ユーザにより指定された画像に付けられた影幅で顔影処理が施された画像がシール紙に印刷される。
顔ふち領域抽出部405は、肌領域検出部402から供給される肌マスク画像において、顔認識部403から供給される顔の中心点を始点として白画素の領域を探索ことにより、顔の中心点から白画素が連続的に存在する閉領域である連結範囲を特定する。また、顔ふち領域抽出部405は、白画素の連結範囲から内側に向かって、影幅決定部404により決定された影幅からなる領域である顔ふち領域を抽出する。そして、顔ふち領域抽出部405は、顔ふち領域を白画素として、顔ふち領域以外の領域を黒画素とした顔ふちマスク画像を生成して顔影付加部406に供給する。
顔影付加部406は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像に対して、顔ふち領域抽出部405により生成された顔ふちマスク画像を使用して顔影を付加する画像処理を施し、被写体の顔に影が付けられた撮像画像を生成する。即ち、顔影付加部406は、影幅決定部404により決定された影幅となるように顔ふち領域抽出部405により抽出された顔ふち領域に従って、被写体の顔に影を付加する画像処理を行う。これにより、被写体の顔の大きさに応じた幅の影が被写体の顔に付けられた撮影画像が生成される。その後、顔影付加部406は、被写体の顔に影が付けられた撮像画像を、図9の編集処理部302に供給し、その撮影画像に対して編集処理が行われる。
図12および図13を参照して、図11の画像処理装置による顔影処理について詳細に説明する。
図12に示すように、撮影画像取得部401が、二人の利用者を被写体として撮影された撮影画像411を取得して肌領域検出部402に供給すると、肌領域検出部402は、その撮影画像411から肌領域を検出して肌マスク画像412を生成する。肌マスク画像412では、撮影画像411における肌色の領域である肌領域が白画素とされるため、被写体の顔の部分の他、腕および手のように被写体の肌が露出している部分、さらに被写体が肌色に近い衣服を着用しているときには衣服の肌色の部分などが白画素とされる。
顔認識部403は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像411に写されている被写体の顔を認識し、被写体の顔ごとに中心点を算出する。図12に示すように、撮影画像411に二人の被写体が写されている場合には、顔認識部403は、撮影画像413に示すように、それぞれの被写体の顔の中心点C1およびC2を算出する。
また、顔認識部403は、撮影画像411に写されている被写体の顔を認識することにより、顔が写されている領域である顔領域を特定する。例えば、肌マスク画像414において矩形の破線で示されている領域が顔領域として特定される。
顔ふち領域抽出部405は、肌領域検出部402により生成された肌マスク画像412から顔ふち領域を抽出する処理を行う際に、顔認識部403により特定された顔領域よりも若干広い領域を肌マスク画像412から切り出し、被写体の顔ごとに個別に処理を行う。
例えば、図13の上側には、肌マスク画像412から、顔認識部403により特定された顔領域よりも若干広い領域が切り出された肌マスク画像が示されている。顔ふち領域抽出部405は、それぞれ切り出された肌マスク画像において、顔認識部403により算出された中心点C1およびC2を始点として白画素の領域を、例えば、時計回りに渦巻き状に探索することによって白画素の連結範囲を特定する。
そして、顔ふち領域抽出部405は、影幅決定部404により決定された影幅に従って顔ふち領域を抽出する処理を行う。これにより、図13の下側に示すように、白画素の連結範囲の境界から内側に向かって設けられ、被写体の顔の大きさに従った幅の顔ふち領域に白画素が配置されることになる。また、顔ふち領域は、肌マスク画像の白画素の連結範囲の境界から内側に向かうに従い濃淡が滑らかに濃くなるグラデーションとなり、肌マスク画像の白画素の連結範囲の境界から影幅の位置では黒画素となるように生成される。例えば、顔ふち領域抽出部405は、影幅決定部404により決定された影幅に従って、白画素の連結範囲を膨張および縮小する処理や、白画素の連結範囲の境界をぼかす処理などを行うことにより、顔ふち領域を抽出する。なお、顔ふち領域抽出部405が顔ふち領域を抽出する処理において、顔ふち領域の幅や、白画素の連結範囲の境界から内側に向かったぼかし具合などを、顔の大きさに応じて指定することができる。
その後、顔ふち領域抽出部405は、被写体の顔ごとに処理を行って得られた顔ふち領域を、元の撮像画像の対応する位置に戻すことによって、図12に示すような顔ふちマスク画像415を生成する。つまり、顔ふちマスク画像415は、撮影画像411に対して顔ふち領域以外の領域をマスクするマスク画像である。
顔影付加部406は、顔ふち領域抽出部405により生成された顔ふちマスク画像415を使用して、顔ふち領域以外の領域をマスクし、顔ふち領域の色の彩度または濃さを調整することで、撮影画像411に対して顔影を付加する画像処理を施す。これにより、顔影付加部406は、顔ふち領域において被写体の顔に影が付けられた撮像画像416を生成することができ、撮像画像416のような顔影を付けることにより、より自然で立体的な顔とすることができる。
このように顔影処理では、二人の被写体が写されている撮影画像411に対して顔認識処理を行うことで、それぞれの被写体の顔の大きさに応じた影幅の影を被写体の顔に付けた撮像画像416を得ることができる。なお、三人以上の被写体が写されている撮影画像、または、一人だけの被写体が写されている撮影画像に対しても同様に、それぞれの被写体の顔の大きさに応じた影幅の影を付けることができる。
また、顔影処理では、顔ふちマスク画像415に示すように、被写体の顔と連続している首の部分も白画素とされた場合には、撮像画像416では、被写体の首の部分にも影が付けられることになる。これに対し、例えば、顔認識部403が顔認識処理を行うことによって特定した顔の輪郭に基づき、顔影付加部406は、顔の輪郭の内側だけに影を付けるように画像処理を施すことができる。これにより、顔の輪郭の外側には影が付けられることがなく、顔だけに影が付くことで、顔をより小さく見せる小顔効果を得ることができる。
次に、図14は、顔影処理を説明するフローチャートである。顔影処理は、図10のステップS2における撮影処理において撮影画像に対して施される複数の画像処理のうちの1つとして実行される。
ステップS11において、撮影画像取得部401は、例えば、顔影処理の前に行われる小顔処理が施された撮影画像411を取得し、肌領域検出部402、顔認識部403、および顔影付加部406に供給する。
ステップS12において、肌領域検出部402は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像411から肌領域を検出して、肌マスク画像412を生成する。
ステップS13において、顔認識部403は、撮影画像取得部401から供給される撮影画像411に対して顔認識処理を行い、被写体の顔の中心点C1およびC2を特定するとともに、被写体の顔の大きさを特定する。
ステップS14において、影幅決定部404は、ステップS13で顔認識部403が特定した顔の大きさに従って、撮影画像411に写されている顔に付加する影の影幅を決定する。
ステップS15において、顔ふち領域抽出部405は、ステップS12で肌領域検出部402が生成した肌マスク画像412において、ステップS13で顔認識部403が特定した被写体の顔の中心点C1およびC2を始点として白画素の連結範囲を特定する。さらに、顔ふち領域抽出部405は、白画素の連結範囲から内側に向かって、ステップS14で影幅決定部404により決定された影幅からなる領域である顔ふち領域を抽出して、顔ふちマスク画像415を生成する。
ステップS16において、顔影付加部406は、ステップS15で顔ふち領域抽出部405が生成した顔ふちマスク画像415を使用して、撮影画像411に対して顔影を付加する画像処理を施し、被写体の顔に影が付けられた撮像画像416を生成する。ステップS16の処理後、顔影処理は終了する。
以上のように、写真シール作成装置1では、被写体の顔の大きさに応じた影幅の影が顔に付くように画像処理を施すことができ、これにより、より自然で立体的な綺麗な顔の撮像画像を提供することができる。
なお、例えば、一定の影幅の影を顔に付けるような画像処理では、撮影画像における被写体の顔が大きい場合には、影を付けることによる効果が相対的に小さくなり、撮影画像における被写体の顔が小さい場合には、顔全体が暗くなってしまうことが想定される。これに対し、写真シール作成装置1では、被写体の顔の大きさに応じた影幅を決定することで、影を付けることによる効果を適切に得ることができ、顔全体が暗くなることを回避することができる。
また、肌マスク画像から直接的に影を付けるためのマスク画像を生成した場合には、腕や足などにも影が付いてしまうことが想定される。これに対し、写真シール作成装置1では、図13を参照して説明したように、肌マスク画像から顔が写されている領域を白画素の連結範囲により特定して、その白画素の連結範囲から顔ふちマスク画像を生成するため、顔だけに影を付けることができ、影による小顔効果を効果的に得ることができる。
ところで、顔影処理では、上述したように、顔ふち領域抽出部405は、肌マスク画像における顔の中心から白画素を探索することにより白画素の連結範囲を特定するが、複数の被写体の顔が重なり合っている場合には、白画素の連結範囲が連結してしまうことがある。
即ち、図15に示すように、撮影画像取得部401が、二人の被写体の顔が重なり合った状態で撮影された撮影画像421を取得すると、肌領域検出部402は、撮影画像421から肌マスク画像422を生成する。肌マスク画像422では、一方の顔に応じた白画素の連結範囲と、他方の顔に応じた白画素の連結範囲とが連結した状態となっている。
従って、顔ふち領域抽出部405が、肌マスク画像422において破線の矩形で囲われている顔領域よりも若干広い領域を切り出した肌マスク画像422’において、一方の顔の中心点から白画素の領域を探索した結果、他方の顔に応じた白画素の領域も連結範囲として判断される。従って、例えば、顔ふち領域抽出部405は、それぞれの顔ごとに異なるフラグを白画素に設定しながら白画素の領域を探索することで、二人の被写体の顔が重なっていることを判定することができる。即ち、顔ふち領域抽出部405は、例えば、一方の顔の中心点から白画素にフラグ1を設定して肌領域を探索した後、他方の顔の中心点から白画素にフラグ2を設定して肌領域の探索を開始しようとしたときに、他方の顔の中心点に既にフラグ1が設定されていると、二人の被写体の顔が重なっていると判定する。
このように、顔ふち領域抽出部405は、二人の被写体の顔が重なっていると判定した場合には例外処理として、両者の顔の平均値を適応して顔ふちマスク画像423を生成する。
また、例えば、複数の被写体が写されている撮像画像において、それらの顔が重なり合っている場合、影幅決定部404は、以下の第1乃至第3の方法で説明するように顔の部分的な要素に基づいて特定される顔の大きさに従って影幅を決定することができる。
第1の方法として、影幅決定部404は、顔の重なり合っていない部分により顔認識を行って求められるそれぞれの顔の大きさから顔の大きさの平均値を求めて、その平均値に対して所定の割合を乗算した値を影幅として決定する。例えば、二人の被写体の顔の大きさが、それぞれ500ピクセルと200ピクセルであった場合、影幅決定部404は、それらの平均値である350ピクセルに対して所定の割合(例えば、10%)を乗算した値を、二人に共通した影幅として決定する。
第2の方法として、影幅決定部404は、顔認識部403による顔認識処理において設定されている固定の顔の大きさを、被写体の顔の大きさとして影幅を決定する。例えば、顔認識部403には、顔が重なっていることにより輪郭を検出することができない場合であっても、輪郭以外の顔の部分的な要素(例えば、目や、鼻、口など)の位置関係に応じた固定の顔の大きさが設定されている。従って、影幅決定部404は、顔認識の結果に応じた固定の顔の大きさに対して所定の割合を乗算した値を影幅として決定する。
第3の方法として、影幅決定部404は、顔認識により求められた顔の中心点から一方の肌領域の境界(顔の部分的な要素)までの間隔を検出し、その間隔の2倍の長さを顔領域として顔の大きさを特定して、影幅を決定する。なお、第1および第2の方法では、肌領域の横幅を測定することによって顔の大きさを求めることができないため、このように第3の方法として、顔の中心点から一方の肌領域の境界までの横幅を所定倍(例えば、2倍)することで顔の大きさを求めるように設定される。
即ち、図16に示すように、二人の被写体の顔が重なり合っている場合、その重なり合っている部分で肌領域が連結することになる。この場合、影幅決定部404は、左側の顔の中心点C1から肌領域の左側境界までの間隔aを検出して、間隔aの2倍の長さを顔領域(破線の矩形領域)として顔の大きさを求める。同様に、影幅決定部404は、右側の顔の中心点C2から肌領域の右側境界までの間隔bを検出して、間隔bの2倍の長さを顔領域(破線の矩形領域)として顔の大きさを求める。そして、影幅決定部404は、それぞれの顔の大きさに対して所定の割合を乗算した値を影幅として決定する。
このように、二人の被写体の顔が重なり合っている場合、影幅決定部404は、第1乃至第3のいずれかの方法で影幅を決定し、その影幅に従った影が顔影付加部406によって被写体の顔に付けられる。
さらに、影幅決定部404は、被写体の顔の全体に対して一定の影幅を決定する他、顔の部分に応じて異なるように影幅を決定することができる。
図17を参照して、被写体の顔の部分に応じて異なる影幅の影を付ける例について説明する。
図17Aに示すように、影幅決定部404は、顔の横部分における影幅を太くし、顔の顎部分における影幅を細くするように影幅を決定してもよい。例えば、影幅決定部404は、顔の横部分における顔影に関しては、顔の大きさに乗算する所定の割合を10%とし、顔の顎部分における顔影に関しては、顔の大きさに乗算する所定の割合を5%として、顎のラインに沿って10%から5%に割合を変更するように影幅を決定する。これにより、顔影付加部406は、被写体の顔の部分に応じて異なる幅の影を付けることができ、顔の横幅が小さく見えるような小顔効果を得ることができる。
また、図17Bに示すように、影幅決定部404は、顔の向きに応じて、顔の一方の横部分における影幅を太くし、それ以外の影幅を細くするように影幅を決定してもよい。例えば、影幅決定部404は、左側を向いている顔に対して、顔の右側の横部分における顔影に関しては、顔の大きさに乗算する所定の割合を10%とし、それ以外の顔影に関しては、顔の大きさに乗算する所定の割合を5%として、影幅を決定する。これにより、顔影付加部406は、顔の向きに応じて異なる幅の影を付けることができ、より自然に顔の横幅が小さく見えるような小顔効果を得ることができる。
また、影幅決定部404は、被写体の顔の形状によって異なるように影幅を決定することができる。
図18を参照して、被写体の顔の形状によって異なる影幅の影を付ける例について説明する。
図18Aに示すように、被写体の顔が丸顔である場合、影幅決定部404は、影幅を決定するための所定の割合を、顔の両側において大きくするとともに顎に向かって小さくするように影幅を決定する。これにより、顔影付加部406は、顔がダイヤ形状となるような影を付けることができ、きれいな理想的な顔の形状に見える効果を得ることができる。
また、図18Bに示すように、被写体の顔が面長である場合、影幅決定部404は、影幅を決定するための所定の割合を小さくして通常よりも影幅が細くなるように影幅を決定する。これにより、顔影付加部406は、顔がダイヤ形状となるような影を付けることができ、きれいな理想的な顔の形状に見える効果を得ることができる。
また、図18Cに示すように、被写体の顔が四角顔(エラが貼っている顔)である場合、影幅決定部404は、エラの部分を隠すように、エラ部分における影幅を決定するための所定の割合を大きくするように影幅を決定する。これにより、顔影付加部406は、顔がダイヤ形状となるような影を付けることができ、きれいな理想的な顔の形状に見える効果を得ることができる。
このように、影幅決定部404が、それぞれの顔の形状に応じて異なる影幅を決定することで、顔影付加部406は、きれいな理想的な顔の形状に見えるような影を付けることができる。さらに、例えば、影幅決定部404は、三角顔と判定された場合や、顎部分が黒っぽい色であると判定された場合などには、影を付けないように処理を行うようにしてもよい。
なお、顔認識部403により認識された顔の大きさに応じた影幅の影を付ける処理を行う他、例えば、顔認識部403により認識された顔の大きさに応じて、顔の輪郭をぼかす処理におけるぼかし量を変更するようにしてもよい。これにより、より適切に顔の輪郭を滑らかにすることができる。
ところで、顔ふち領域抽出部405は、肌マスク画像から顔ふち領域を抽出する際に、上述したように、顔の中心点を始点として白画素を探索して白画素の連結範囲を特定する処理を行う。このとき、例えば、顔の中心点が黒画素であった場合には、白画素の連結範囲を特定することができなくなる。そこで、顔ふち領域抽出部405は、顔の中心点の近傍の複数点を、白画素を探索する始点として、白画素の連結範囲を特定することができる。
例えば、図19に示すように、顔ふち領域抽出部405は、通常、中心点C0を始点として顔ふち領域を抽出する処理を行うが、中心点C0が黒画素である場合には、点C1、点C2、点C3、および点C4の順に優先順位を設けて、白画素を探索する始点として白画素の連結範囲を特定する処理を行う。
上述したように、顔認識部403は、顔の輪郭を特定する複数の特徴点を抽出しており、顔ふち領域抽出部405は、例えば、中心点C0を規定する輪郭の特徴点L0およびR0の下側にある特徴点L1およびR1の中間点を点C1とする。同様に、顔ふち領域抽出部405は、特徴点L0およびR0の上側にある特徴点L2およびR2の中間点を点C2とする。また、顔ふち領域抽出部405は、特徴点L1およびR1の下側にある特徴点L3およびR3の中間点を点C3とし、特徴点L2およびR2の上側にある特徴点L4およびR4の中間点を点C4とする。
このように、複数の点を、白画素を探索する始点として用いることで、顔ふち領域抽出部405は、より確実に白画素の連結範囲を特定することができる。
なお、上述した処理は、撮影により得られた静止画像としての撮影画像に対して行われるものとしたが、カメラ91に取り込まれ、タッチパネルモニタ93に動画像としてライブビュー表示されるライブビュー画像に対して行われるようにしてもよい。
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。この記録媒体は、例えば、図8に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。