JP5471516B2 - 減速支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば信号機などで停止する際の車両の減速を支援する減速支援装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の減速支援装置が知られている。この装置は、自車が停止する際に警報によって減速支援制御を行う装置である。自車前方に先行車が存在し、先行車と自車とを停止させる停止地点が前方に存在するときには、警報のタイミングを早めることとしている。
特開2007−304815号公報
しかしながら、自車前方に複数台の先行車が存在する場合もあり、そのうちの複数台の先行車が停止地点と自車との間で停止する場合もあり得る。上記特許文献1の減速支援装置によれば、前方の複数台の先行車が停止した場合には、想定よりも早く自車の停止が必要であるところ、警報のタイミングが遅くなり、自車の大きな減速が必要になってしまう等の問題がある。この種の減速支援装置にあっては、自車前方に複数台の先行車が存在するといった交通状況に対応し、停止する前の早い段階での減速支援を開始することが望まれる。
そこで、本発明は、自車前方に複数台の先行車が存在する場合にも、停止する前の早い段階で自車の減速支援を可能とする減速支援装置を提供することを目的とする。
本発明の減速支援装置は、自車前方の第1の車群に関して路側機から得られる第1の車群の情報と、自車に搭載される検知手段の検知情報に基づいて得られる第2の車群の情報と、第1及び第2の車群の前方にある信号機の信号サイクル情報と、に基づいて、第1又は第2の車群に属する車両のうち信号機の手前で停止する停止車両群を予測し、停止車両群が停止した場合における停止車両群の後端の位置を自車の目標停止位置の基準にして、自車の減速支援制御を行うものであり、第2の車群は、前記第1の車群の後方に位置し、第1の車群の情報は、第1の車群に属する車両の台数、第1の車群の車群長さ、第1の車群における平均車両間距離、及び第1の車群における平均車速を含み、第2の車群の情報は、第2の車群に属する車両の台数、第2の車群の車群長さ、第2の車群における平均車両間距離、及び第2の車群における平均車速を含んでおり、第2の車群の情報は、路側機から路車間通信によって得られた第1の車群の情報と、自車の前記検知手段で得られた検知情報と、に基づいて推定により得られることを特徴とする。
この減速支援装置では、路側機と自車搭載の検知手段とにより、自車前方の第1及び第2の車群の情報を得ることができる。従って、自車前方に複数台の先行車が存在する場合にも、これら複数台の先行車の情報を第1及び第2の車群の情報として得ることができる。そして、信号機の信号サイクル情報にも更に基づいて、上記複数台の先行車のうち信号機で停止する停止車両群が予測される。そして、停止車両群の後端の位置を停止位置の基準として、自車の減速支援制御が行われる。このように、本発明の減速支援装置によれば、自車前方の複数台の先行車を考慮に含めることで、停止前の早い段階で自車の減速支援が可能になる。
具体的には、第1の車群は、自車と信号機の停止線位置との間に位置し、第2の車群は、自車と第1の車群との間に位置することとしてもよい。
本発明の減速支援装置によれば、自車前方に複数台の先行車が存在する場合にも、停止する前の早い段階で自車の減速支援が可能になる。
本発明の減速支援装置の第1実施形態を示すブロック図である。 図1の減速支援装置が用いられる交差点付近の交通状況を示す図である。 路側システムによる第1車群検出処理を示すフローチャートである。 図1の減速支援装置による減速支援処理を示すフローチャートである。 図1の減速支援装置による減速支援処理を示すフローチャートである。 車両の車速と車両間距離との関係を示すグラフである。 図1の減速支援装置が用いられる交差点付近の交通状況を示す図である。 (a)は、車両の停止線位置までの距離と車速との関係を示すグラフであり、(b)は、そのグラフによって規定される通過領域と停止領域とを示す図である。 図2の交差点付近において、自車が停止する際の先行車の状態を示す図である。 (a)は、交差点に向かう道路上の車両を示す図であり、(b)は、その車両の車速の推移を示すグラフであり、(c)は、その車両の駆動力の推移を示すグラフである。 交差点の手前で停止する車両において、停止線からの距離と車速との関係を示すグラフである。 本発明の減速支援装置の第2実施形態を示すブロック図である。 図12の減速支援装置が用いられる交差点付近の交通状況を示す図である。 自車が検知エリアに入った状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る減速支援装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示す減速支援装置1は、自動車に搭載され、自車が信号機等で停止する際の減速を支援する装置である。減速支援装置1は、制御装置3と、車載路車間通信機5と、ナビゲーション装置7と、先行車検知センサ9と、スロットル制御装置11と、スロットルアクチュエータ13と、を備えている。
制御装置3は、減速支援装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。車載路車間通信機5は、通信アンテナ5aを介して路側路車間通信機(後述する)との間で路車間通信を行い、自車が現在走行中の道路に関する種々の情報を取得する。車載路車間通信機5は、取得された情報を、通信情報信号として制御装置3に送信する。
ナビゲーション装置7は、GPSアンテナ7aを介してGPS衛星からの電波を受信し、自車の現在位置情報を取得する。ナビゲーション装置7は、取得された情報を、現在位置信号として制御装置3に送信する。先行車検知センサ9は、自車周辺の物体を検出するセンサであり、例えばミリ波レーダが採用される。この場合、先行車検知センサ9は、自車の前側の中央に取り付けられ、ミリ波を水平面内でスキャンしながら自車前方に向けて送信し、反射してきたミリ波を受信する。先行車検知センサ9は、上記ミリ波の送受信情報をレーダ信号として制御装置3に送信する。制御装置3は、レーダ信号に基づいて、自車前方を走行する先行車の位置及び速度などを取得することができる。なお、ここでは、自車の直前を走行する1台の先行車についてのみ、先行車検知センサ9で位置及び速度などの情報が取得されるものとする。
スロットル制御装置11は、制御装置3の指令に基づいて、スロットル駆動制御を行う。スロットルアクチュエータ13は、スロットル制御装置11の指令に基づいてエンジン吸入空気量調整弁を駆動する。自車が信号機等で停止する場合においては、スロットル制御装置11及びスロットルアクチュエータ13によって、制御装置3で算出される指令値に応じた自車の減速が行われる。
図1及び図2に示すように、自車M0の減速支援装置1が使用される交差点100には、路側システム101が設置されている。路側システム101は、道路の交通状況に関する諸情報等を収集し、車車間通信によって当該道路を走行する各車両に情報を提供するためのシステムである。路側システム101は、信号機111と、路側センサ113と、路側路車間通信機115と、を有している。信号機111は、例えば予め設定された信号サイクル情報に従って、青信号、黄信号、赤信号の順に信号表示を切り替えながら表示する。信号サイクル情報には、信号表示の切り替わりサイクルや切り替わり時期などの情報が含まれる。交差点100に向かって走行する自車M0及び先行車は、信号機111の信号表示に従って、交差点100を通過するか、又は交差点100の手前で停止する。
路側センサ113は、具体的には、交差点100の停止線の位置p0で道路上方に設けられたカメラであり、検知エリア113a内を撮像して道路上の車両を検出し、検出車両に関する検出車両情報を取得する。路側センサ113では、例えば、検出車両の台数、速度、位置などの情報が検出車両情報として取得される。路側路車間通信機115は、通信アンテナ115aを介して前述の車載路車間通信機5との間で路車間通信を行い、種々の情報を車両に提供する。具体的には、路側路車間通信機115は、前述した信号機111からの信号サイクル情報と、路側センサ113からの検出車両情報と、を収集し自車M0の車載路車間通信機5に送信する。
また、路側路車間通信機115からは、交差点100のID情報や停止線位置p0の座標情報など、交差点100特有の各情報も車載路車間通信機5に送信される。自車M0の減速支援装置1は、車載路車間通信機5からの情報を受信することにより、路側センサ113で検知された検出車両の車速、位置等の情報を認識することができる。また、減速支援装置1は、信号サイクル情報に基づいて、「信号機111は○○秒後に赤信号に切り替わる」といった情報を認識することができる。
以下、路側システム101及び自車M0の減速支援装置1が行う処理について説明する。
今、図2に示すように、自車M0と停止線位置p0との間に複数台の先行車が存在し、先行車及び自車M0は交差点100に向かって走行しているものとする。これらの先行車を、前の車両から順にM1,M2,M3,…の符号を付して示す。また、先行車のうち、路側センサ113の検知エリア113a内に位置する車両の群(すなわち、上記検出車両の群)を「第1車群」と称し、路側センサ113の検知エリア113a外に位置する車両の群を「第2車群」と称する。また、第1車群と第2車群とを合わせた車群(すなわち、先行車全部を含む車群)を「第0車群」と称する場合がある。
路側システム101は、図3に示す第1車群検出処理を行う。すなわち、路側センサ113が撮像を行い(S101)、検知エリア113a内に存在する車両(第1車群Z1に属する車両)を検出する(S103)。そして、路側センサ113は、第1車群Z1の車両台数N1を検出する(S105)。図2の例では、3台の先行車M1〜M3が検知エリア113a内に位置しており、N1=3である。更に、路側センサ113は、第1車群Z1の最後尾の位置p1を検出する(S107)。位置p1は、路側センサ113による撮像画像の画像処理により検出される。次に、路側センサ113は、第1車群Z1の長さL1を算出する(S109)。第1車群Z1の長さL1としては、停止線位置p0から位置p1までの距離を求めればよく、L1=|P1−P0|の演算で求められる。上式のP1は位置p1の座標値であり、P0は停止線位置p0の座標値である。
次に、路側センサ113は、第1車群Z1の平均車速V1を検出する(S111)。路側センサ113は、撮像した各車両の速度を認識可能であるので、ここでは、各車両の速度を平均することで平均車速V1が求められる。次に、路側センサ113は、第1車群Z1の平均車両間距離T1を算出する(S113)。ここでは、T1=L1/N1の演算により、平均車両間距離T1が求められる。
次に、路側センサ113は、得られた車両台数N1、車群長さL1、平均車両間距離T1、及び平均車速V1を、路側路車間通信機115にデータ出力する(S115)。路側路車間通信機115は、上記の第1車群Z1の情報N1,L1,T1,V1を、車載路車間通信機5に送信する(S117)。なお、ここでは、停止線位置p0の位置情報や、信号機111からの信号サイクル情報といったような、第1車群Z1とは無関係の各種の情報も路側路車間通信機115から送信される。
一方、自車M0の減速支援装置1は、50ミリ秒〜1秒程度の一定周期で、図4及び図5に示す処理を繰り返す。まず、減速支援装置1の車載路車間通信機5は、上記の車両台数N1、車群長さL1、平均車両間距離T1、及び平均車速V1を含む第1車群Z1の情報を、路側路車間通信機115から受信する(S201)。受信された情報は、通信情報信号として制御装置3に送信され制御装置3で認識される。
次に、制御装置3は、先行車検知センサ9からのレーダ信号に基づいて、自車M0の直前の先行車(ここでは、先行車M7)の車速V3と、当該先行車との間の前方車間距離D2とを取得する(S203)。更に、制御装置3は、ナビゲーション装置7からの現在位置信号に基づいて、自車M0の現在位置p2を取得する(S205)。そして、制御装置3は、自車M0の現在位置p2から停止線位置p0までの距離D1を算出する(S207)。この距離D1は、D1=|P2−P0|の演算で求められる。上式のP2は現在位置p2の座標値である。
次に、制御装置3は、第2車群Z2の長さL2を算出する(S209)。この車群長さL2は、L2=D1−D2−L1の演算で求められる。次に、制御装置3は、第2車群Z2の平均車速V2を算出する(S211)。この平均車速V2は、V2=|V3−V1|/2の演算で求められる。次に、制御装置3は、第2車群Z2の平均車両間距離T2を算出する(S213)。この平均車両間距離T2は、次の知見に基づいて算出される。
一般に、車速と車両間距離との関係は、道路状況(例えば、道路の曲率、勾配、車線数など)、や道路に存在する車種(乗用車、大型車など)により変化する。ここでは、車速Vとの関係における車両間距離Tについて、図6に例示するように、一般的な上限T=fmax(V)の曲線と下限T=fmin(V)の曲線とを設定する。そして、前述の第1車群Z1の平均車速V1と平均車両間距離T1との関係が満たされるように、交差点100付近における車速と車両間距離との関係式T=f(v)の曲線を、前述の上限曲線と下限曲線との間で設定する。なお、上記の曲線f,fmax,fminは互いに相似関係とする。また、平均車速V1と平均車両間距離T1との関係が、上限曲線と下限曲線との間の領域から外れた場合には、何れか最寄りの上限曲線又は下限曲線をT=f(v)の曲線として採用する。こうしてT=f(v)の関係が定められれば、平均車両間距離T2は、T2=f(V2)により求められる。
次に、制御装置3は、第2車群Z2の車両台数N2を算出する(S215)。この車両台数N2は、N2=L2/T2の演算で求められる。例えばここでは、図2に示すように、N2=4が算出されたものとして以下説明する。なお、上述した算出方法から理解できるように、第2車群Z2に関する平均車両間距離T2及び車両台数N2は、推定値である。上記のような推定演算を行うことにより、検知エリア113a外の先行車についても、第2車群として纏めて走行状態を把握することができる。
次に、制御装置3は、図5に示すように、第0車群の車両台数N0を算出する(S301)。この車両台数N0は、N0=N1+N2の演算で求められる。次に、制御装置3は、第0車群の平均車速V0を算出する(S303)。平均車速V0は、V0=(V1・N1+V2・N2)/(N1+N2)の演算で求められる。次に、制御装置3は、路車間通信で得られた信号サイクル情報に基づき、信号機111が赤信号に切り替わるまでの時間trを取得する(S305)。
次に、制御装置3は、図7に示すように、第0車群の中の通過停止境界位置p5を算出し、停止線位置p0から通過停止境界位置p5までの距離D0を算出する(S307)。「通過停止境界位置」とは、信号機111の次の赤信号への切替え前に交差点100を通過すると予想される車両位置の領域と、信号機111の次の赤信号への切替え時に交差点100の手前(停止線位置p0の手前)で停止すると予想される車両位置の領域と、の境界の位置をいう。すなわち、信号機111が次に赤信号に切り替わったときには、通過停止境界位置p5よりも前に位置する車両は交差点100を通過し、通過停止境界位置p5よりも後に位置する車両は交差点100の手前で停止すると予想される。このような通過停止境界位置p5は、次の知見に基づいて算出される。
ここで、図8(a)に示すように、車両から停止線位置p0までの距離をD[m]、車両の速度をV[km/h]で表したD−V座標系において、2つのグラフG1、G2を考える。グラフG1を表す式は、V=(D/tr)・3.6である。グラフG1よりも上の領域では、信号機111が次に赤信号に切り替わるtr秒後までに、車両が停止線位置p0を通過することが可能であり、グラフG1よりも下の領域では、tr秒後までに、車両が停止線位置p0を通過することが不可能であることを意味する。一方、グラフG2を表す式は、V=√(2・a・D)である。グラフG2よりも上の領域では、車両が通常の減速度a〔m/s2〕で減速したときに停止線位置p0よりも手前で停止することが不可能であり、グラフG2よりも下の領域では、車両が通常の減速度a〔m/s2〕で減速したときに停止線位置p0よりも手前で停止することが可能であることを意味する。なお、減速度aの具体的な値は、車両の通常の減速度として予め設定され、制御装置3に予め記憶されている。
従って、図8(a)に示す領域A1は、停止線位置p0で停止可能かつ停止線位置p0を通過不可能な領域であり、この領域A1の車両は、信号機111の次の赤信号で停止すると予想する。また、領域A2は、停止線位置p0で停止不可能かつ停止線位置p0を通過可能な領域であり、この領域A2の車両は、信号機111の次の赤信号までに交差点100を通過すると予想する。
領域A3は、停止線位置p0で停止可能かつ停止線位置p0を通過可能な領域であり、この領域A3の車両も、信号機111の次の赤信号で停止すると予想する。これは、停止する車両を多めに予想する方が、自車M0の減速支援制御において、予想が外れたときの無駄な急制動が回避され、安全性や燃費改善効果が高いからである。また、領域A4は、停止線位置p0で停止不可能かつ停止線位置p0を通過不可能な領域であり、この領域A4の車両も、信号機111の次の赤信号で停止すると予想する。これは、領域A4の車両は、通常の減速度aよりも大きい減速度により停止線位置p0で停止可能であるので、通常よりも大きい減速により停止すると予想するものである。
以上をまとめると、車両の停止領域と通過領域との境界線は、図8(b)のようにV=h(D)を示すグラフとなる。そこで、制御装置3は、このV=h(D)のグラフを用いて、第0車群の平均車速V0に基づき、D0=h−1(V0)の演算によって、停止線位置p0から通過停止境界位置p5までの距離D0を算出する。以下では、図7に例示するように、通過停止境界位置p5が、先行車M4とM5との間の位置として算出されたものとして説明する。
次に、制御装置3は、信号機111の次の赤信号で停止線位置p0手前で停止すると予想される先行車の台数Nxを算出する(S309)。以下、信号機111の次の赤信号で停止線位置p0手前で停止すると予想される先行車の群を「停止車両群Y」と称する。停止車両群Yの車両台数Nxは、Nx=N0・(L0−D0)/L0の演算で求められる。なお、第0車群の車群長さL0は、自車M0から停止線位置p0までの距離D1と前方車間距離D2とに基づき、L0=D1−D2の演算で得られる。ここでは、図7に例示するとおり、台数Nx=3と算出される。
そして、Nx=3の場合、赤信号で停止する各車両の最終的な状態は、図9の状態であると予想される。すなわち、停止車両群Yに属する3台の先行車M5,M6,M7が停止線位置p0の手前に停止し、更に停止車両群Yの後方(先行車M7の後方)に自車M0が停止すると予想される。従って、制御装置3は、停止車両群Yの後端の位置p6を基準とし、その基準の位置p6から見て所定の車間距離分だけ後方に、自車M0が停止すべき目標停止位置p7を設定すればよい。そこで、制御装置3は、停止線位置p0から設定すべき目標停止位置p7までの距離Dxを算出する(S311)。具体的には、Dx=Nx・T0の演算によって、距離Dxを算出する。T0は、停止状態における停止車両群Yの車両間距離である。なお、車両間距離T0の具体的な値は、赤信号で停止する停止車両群の一般的な車両間距離の値として予め設定され、制御装置3に予め記憶されている。
次に、制御装置3は、Dt=D1−Dxの演算により、自車M0の目標停止距離Dtを算出する(S313)。次に、制御装置3は、目標停止距離Dtで自車M0を停止させる制御のための加減速度指令値を算出し、スロットル制御装置11に送信する(S315)。そして、スロットルアクチュエータ13が、スロットル制御装置11の指令に基づいて吸入空気量調整弁を駆動する(S317)ことで、例えば等減速度の自車M0の減速が行われ、最終的には自車M0が目標停止位置p7で停止する。
以上説明したように、この減速支援装置1では、路側システム101で取得される情報と、自車M0の先行車検知センサ9などで取得される情報と、に基づいて、複数の先行車からなる第1及び第2車群Z1,Z2の情報を得ることができる。そして、信号機111の信号サイクル情報にも基づいて、上記先行車のうち信号機111で停止する停止車両群Yが予測される。そして、停止車両群Yの後端の位置p6を基準として、目標停止位置p7を定め、当該目標停止位置p7で自車M0を停止させるように減速支援制御が行われる。このように、減速支援装置1によれば、自車M0前方の複数台の先行車M1〜M7を考慮に含めて自車M0の目標停止位置p7を定めることにより、停止前の早い段階から自車M0の減速支援が可能になる。
また、この減速支援装置1では、路車間通信で取得可能な第1車群Z1の情報だけでなく、路車間通信のみでは検知できない第2車群Z2の情報も推定等により取得している。すなわち、減速支援装置1は、路車間通信で得られた情報と、車載の検知装置(先行車検知センサ9やナビゲーション装置7等)で得られた情報と、に基づいて第2車群Z2の走行状態に関する情報を推定演算等で取得し、その結果、先行車全体(第0車群)に関する情報を取得している。従って、自車M0の先行車すべてが検知エリア113aに入らなくても、先行車全体の走行状態を把握することができる。換言すれば、先行車すべてが検知エリア113aに入る前の早い時点から、先行車全体の走行を予測可能であるので、信号機111との関係における自車M0の減速制御を早めに開始することができ、その結果、安全性や燃費改善効果に優れた自車M0の減速支援制御が可能になる。
この種の減速支援制御の基本的な考え方は、図10に示すようなものである。今、図10(a)に示すように、車両Mが信号機111を有する交差点100に向かって単独で走行しており、同図に示される道路上の各位置に車両Mが到達した時点で、信号機111が青信号→黄信号→赤信号に切り替わるものとする。車両Mの減速支援制御を行わない場合には、図10(b)のグラフJ0で示されるように、信号機111が赤信号に切り替わった後に、車両Mが減速を開始する。このとき、車両Mの駆動力は、図10(c)のグラフK0で示すように推移する。
これに対して、路車間通信を利用した車両Mの減速支援制御を行った場合には、制御システムは事前に赤信号への切り替え時期を認識することができる。なお、制御開始条件は、車両Mが信号機111の赤信号で停止すべき旨判断され、車両Mが通常の減速では停止線で停止できない状態になった場合(図8(a)の領域A2又はA4に相当)とする。減速支援制御によれば、図10(b)のグラフJ1で示されるように、信号機111が赤信号に切り替わる前に、車両Mが減速を開始する。このとき、車両Mの駆動力は、図10(c)のグラフK1で示すように推移する。従って、車両Mの減速支援制御を行った場合には、行わない場合に比較して、図10(c)中にハッチングで示す分の燃料が節約される。
更に、上述した減速支援装置1によれば、先行車の交通状況も反映させて、車両Mの減速支援制御を行うことができる。例えば、図11のグラフR1に示されるように、先行車の交通状況を考慮しない制御を行った場合には、停止線位置p0で車両Mを停止させることを目標として車両Mが減速制御される。ところが、減速中に車両Mが先行車に接近し、グラフR1上のポイントrでドライバ自身が制動操作を行う必要が発生する。従って、車両Mの車速の推移は、グラフR1’に示すようなものとなる。これに対し、先行車の交通状況を反映させる減速支援装置1によれば、前方に停止する先行車台数の予測に基づき、早い時点で目標停止位置p7が決定される。そして、車両Mを目標停止位置p7で停止させるように、例えば等減速で車両Mの減速制御が行われ、車両Mの車速はグラフR2のように推移する。従って、図11中にハッチングで示す分の燃料が更に節約される。
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係る減速支援装置301と路側システム101とを示す。図12に示すように、減速支援装置301は、先行車検知センサ9を備えていない点において減速支援装置1(図1)とは異なっている。図12の減速支援装置301について、減速支援装置1と同一又は同等の構成要素には、図1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この場合、減速支援装置301は、直前の先行車M7の位置や車速を取得することができないが、図13に示すように、自車M0を第2車群Z2の最後尾車両と位置づけて取り扱えば、減速支援装置1と同様の処理が可能である。この場合、例えば、減速制御の演算に用いる第2車群Z2の最後尾車両の車速V3は、自車M0の車速であり、自車M0の車速センサ303(図12)から取得すればよい。また、第2車群Z2の後端の位置も、自車M0の現在位置p2としてナビゲーション装置7から取得可能である。また、第2車群の車群長さL2は、L2=D1−L1とすればよく、第0車群の車群長さL0は、L0=D1とすればよい。また、停止車両群Yの台数Nxは、自車M0分を除いてNx−1とすればよい。このように、先行車検知センサを省略した減速支援装置301においても、減速支援装置1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図14に示すように、減速支援装置1又は301を搭載した自車M0が検知エリア113a内に入ったときには、路車間通信で得られる各検出車両の位置情報及び車速情報と、自車M0の現在位置情報及び車速情報と、を照合することで、自車M0が検出車両のうちの何台目であるかを認識することができ、自車M0の前方の先行車の台数を認識することができる。自車M0の現在位置情報はナビゲーション装置7から得ることができ、自車M0の車速情報は車速センサから得ることができる。
1,301…減速支援装置 7…ナビゲーション装置(検知手段) 9…先行車検知センサ(検知手段) 101…路側システム(路側機) 111…信号機 p6…停止車両群の後端位置 p7…目標停止位置 M0…自車 Y…停止車両群 Z1…第1車群 Z2…第2車群

Claims (2)

  1. 自車前方の第1の車群に関して路側機から得られる第1の車群の情報と、自車に搭載される検知手段の検知情報に基づいて得られる第2の車群の情報と、前記第1及び第2の車群の前方にある信号機の信号サイクル情報と、に基づいて、前記第1又は第2の車群に属する車両のうち前記信号機の手前で停止する停止車両群を予測し、
    前記停止車両群が停止した場合における前記停止車両群の後端の位置を前記自車の目標停止位置の基準にして、前記自車の減速支援制御を行うものであり、
    前記第2の車群は、前記第1の車群の後方に位置し、
    前記第1の車群の情報は、
    前記第1の車群に属する車両の台数、前記第1の車群の車群長さ、前記第1の車群における平均車両間距離、及び前記第1の車群における平均車速を含み、
    前記第2の車群の情報は、
    前記第2の車群に属する車両の台数、前記第2の車群の車群長さ、前記第2の車群における平均車両間距離、及び前記第2の車群における平均車速を含んでおり、
    前記第2の車群の情報は、
    前記路側機から路車間通信によって得られた前記第1の車群の情報と、自車の前記検知手段で得られた前記検知情報と、に基づいて推定により得られることを特徴とする減速支援装置。
  2. 前記第1の車群は、自車と前記信号機の停止線位置との間に位置し、
    前記第2の車群は、自車と前記第1の車群との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の減速支援装置。
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