JP5470003B2 - 無線通信システム、送信装置及び無線通信方法 - Google Patents
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Description
そこで、周波数利用効率を向上する技術として、複数のアンテナを用いた技術の検討が盛んに行われている。例えば、非特許文献1のMIMO(Multi-Input Multi Output;多入力多出力)アンテナ技術は、複数の送受信アンテナを利用し、散乱環境による複数空間パスの独立性を活用した空間多重を行っている。
また、非特許文献2のアダプティブアレイアンテナ技術は、複数の送信アンテナ又は複数の受信アンテナを用いてアンテナ指向性を制御し、干渉波の波源方向にヌルパターンを向けるなどして、複数ユーザや複数信号が同一周波数帯を利用することが行われている。
また、アンテナ数を増やすことなく、周波数共用化を図ることで周波数利用効率を向上する重畳伝送技術の検討が進められている。
図1は、重畳伝送について説明する図である。図1(a)に示すように、複数の信号を伝送する場合、従来のスペクトル配置では、それら各信号が伝送に使用する周波数帯域間にガードバンドを設けていた。一方、図1(b)に示すように重畳伝送では、隣り合うスペクトルの一部の周波数帯域を部分的にオーバーラップ(重畳)させて送信する。このように、複数の信号によって部分的に周波数資源を共有するため、従来のスペクトル配置を用いた場合に複数の信号を送信するために必要であった帯域fallよりも、重畳伝送を用いた場合に複数の信号を送信するために必要な帯域f’allのほうが小さくなり、周波数利用効率を向上させることが可能となる。なお、1信号のデータ送信に使用する周波数帯域aに対する干渉帯域bの割合を重畳率(=b/a)という。また、複数の信号が重畳する周波数帯域を、以下、重畳帯域という。
本実施形態の受信装置は、送信装置から複数の信号R1〜Rn(nは2以上の自然数)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、受信装置が受信した重畳信号には、5つの信号R1〜R5それぞれが部分的にオーバーラップされているものとし、使用する周波数帯域の中心周波数が低い信号から順に信号R1、R2、R3、R4、R5とする。これらの信号R1〜R5は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)などのマルチキャリア信号であり、誤り符号訂正としてFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)符号を用いている。本実施形態では、重畳されている信号が、マルチキャリア信号である場合について説明する。
また、重畳信号に重畳されている信号のうち、最も中心周波数が低い信号、又は、最も中心周波数が高い信号に使用されている周波数帯域を外側帯と記載する。例えば、図2に示す処理対象信号A1の場合、信号R1、R5の周波数帯域f1、f5が外側帯である。外側帯の信号は、周波数帯域の一端が他の1つの信号とのみ周波数帯域が重畳されている。一方、外側帯以外の信号は、周波数帯域の両端が隣接する信号と周波数帯域が重畳されている。
上記を繰り返すことによって、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号を用いて信号R3、R4の復調復号を行い、レプリカ信号R3’、R4’を除去して信号R5のみからなる処理対象信号A5を得る。処理対象信号A5が得られると、受信装置は、FEC尤度マスクを用いずに、通常のFEC復号のみを用いて信号R5の復調復号を行う。
このように、本実施形態の受信装置は、重畳伝送方式により送信された信号を受信すると、尤度マスクによって干渉抑圧して外側帯の信号のFEC復号を行い、その復調された信号を足掛かりにして、干渉を除去しながら重畳信号の逐次復調復号を行う。
同図においては、復調復号対象の信号Riの一部が他の信号R(i+1)と重畳されている場合を示しており、信号R(i+1)は更に他の信号と重畳されうる。受信装置は、送信装置において信号Riに用いられた符号化方法に応じて復調を行うが、ここでは、軟判定正負多値の符号化方法である場合を例に説明する。この軟判定正負多値の符号化方法における復号処理では、受信信号の復調値が正負の多値出力であり、絶対値の大きさを信頼度(尤もらしさを表す値、尤度)として負の値を値「+1」、正の値を値「−1」と判定する復号処理を行う。
このように、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」、又は、「0に近い値」に変換させる重み付け演算処理を行うことにより、重畳帯域のサブキャリアの復調値の信頼度を低減させることが可能になる。
上記のように、受信装置が、サブキャリアごとの受信信号の信頼度に応じて復調値に重み付け演算を行い、信頼度の低い重畳帯域のサブキャリアをマスクし、信頼度の高いサブキャリアの復調値を用いて受信信号を復号することにより、受信誤り訂正能力を向上させることが可能になる。
また、硬判定出力型を用いてもよい。例えば、硬判定出力型が「−1」と「+1」との二値出力型の場合、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」に置換する重み係数を用いることができる。
同図において、送信装置100は、帯域分割器110と、N個の送信部120−1〜120−N(Nは、2以上の自然数)と、合成器191とを備える。
帯域分割器110は、例えば、シリアル・パラレル変換器(S/P変換器)111を備え構成される。シリアル・パラレル変換器111は、入力される入力ビットストリームをシリアル・パラレル変換してN個のビットストリームに分割し、分割したビットストリームを送信部120−1〜120−Nそれぞれに出力する。
符号化器130−1〜130−Nは同じ構成を有し、変調器140−1〜140−Nは同じ構成を有し、周波数変換器150−1〜150−Nは同じ構成を有している。以下、符号化器130−1と、変調器140−1と、周波数変換器150−1とについて説明し、他の符号化器130−2〜130−N、変調器140−2〜140−N、周波数変換器150−2〜150−Nについての説明を省略する。
合成器191は、周波数変換器150−1〜150−Nそれぞれがアップコンバートする信号R1〜Rn(送信信号)を合成し、合成により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。
同図において、受信装置500は、復号回数カウンタ510、スイッチ515、減算器520、遅延器525、処理帯域決定器530、ローカル信号発生器535、ミキサ540、バンドパスフィルタ545、伝送路推定器550、復調器555、重み係数生成器560、第1重み演算器565、復号器570、データバッファ575、レプリカ生成器580、データ抽出・並替器590を備えて構成される。
再符号化器582は、復号器570により復号されたビットストリームに、当該ビットストリームを送信した送信装置100において用いられた符号化と同様の符号化を行う。すなわち、再符号化器582は、符号化器130−1〜130−N(図4)と同じ符号化を行う。再変調器584は、再符号化器582が符号化した信号に、送信装置100において変調器140−1〜140−N(図4)が行った変調と同様の変調を行う。第2重み演算器586は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性の推定値を再変調器584が変調した信号に乗算し、送信装置100が送信した信号を自受信装置において受信したときの推定信号であるレプリカ信号を生成する。
ここでは、受信装置500は、信号R1、R2、・・・、Rnが重畳された重畳信号を受信し、信号R1、R2、・・・、Rnの順に復調復号を行うものとする。また、受信装置500は、送信装置100からビットストリームを受信する前に、希望波がないタイミングや、希望波がないサブキャリアの周波数帯域において、信号R1〜Rnの使用周波数帯域f1〜fn、中心周波数、重畳帯域などを予め測定、検出しているものとする。すなわち、受信装置500は、送信装置100の周波数変換器150−1〜150−Nそれぞれの使用周波数帯域f1〜fn、搬送波の中心周波数、及び隣り合う信号との重畳帯域などを重畳伝送による伝送を行う前に予め測定、検出しているものとする。
あるいは、これらの情報を送信装置との間で送受信される制御情報から取得してもよく、これらの情報を予め図示しない入力手段により取得したり、記録媒体から読み取ったりしてもよい。
(処理1−2):スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値が初期値であるため、減算器520の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理1−6):バンドパスフィルタ545は、ミキサ540によりダウンコンバートされた処理対象信号A1から、処理帯域決定器530により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去して周波数帯域f1の信号を抽出すると、抽出した信号を復調復号対象の信号として出力する。
(処理1−8):復調器555は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度(復調値)を算出する。
(処理1−15):(処理1−14)によって、データバッファ575に復号されたビットストリームが書き込まれると、データ抽出・並替器590は、処理帯域決定器530から入力された復号回数と周波数帯域との対応付けを示すデータに基づいて、データバッファ575に記憶されているビットストリームの順序を、信号R1、R2、…、Rnから得られたビットストリームの順に並べ替えて出力する。上記のように、信号R1、R2、…、Rnの順で復調復号を行った場合はビットストリームが得られた順にデータを並べることにより元のデータが得られるが、それ以外の順序、例えば、信号R1、Rn、R2、R(n−1)、…のような順番で復号を行った場合は入れ替えが必要となる。
次に、本発明の第2実施形態の無線通信システムを説明する。本実施形態の無線通信システムは、第1実施形態の無線通信システムと同様に、1つの送信装置と、少なくとも1つの受信装置とを具備する。
図6は、第2実施形態の無線通信システムの受信装置における受信信号処理の概要を示す図である。本実施形態の受信装置は、送信装置から複数の信号R1〜R(n+1)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、受信装置が受信した重畳信号には、6つの信号R1〜R6それぞれが部分的にオーバーラップされているものとし、使用する周波数帯域が低い信号から順にR1、R2、R3、R4、R6、R5とする。
本実施形態の重畳信号は、第1実施形態の重畳信号(図2)に加えて、2つの信号R4と、信号R5とが重畳する周波数帯域にもう1つの信号R6が重畳されている。この信号R6の帯域幅は、信号R4と信号R5との重畳する周波数帯域の幅以下である。
上記を繰り返すことによって、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号を用いて信号R3、R4、R5の復調復号を行い、レプリカ信号R3’、R4’、R5’を除去して信号R6のみからなる処理対象信号A6を得る。処理対象信号A6が得られると、受信装置は、FEC尤度マスクを用いずに、通常のFEC復号のみを用いて信号R6の復調復号を行う。
このように、本実施形態の受信装置は、重畳伝送方式により送信された信号を受信すると、尤度マスクによって干渉抑圧して外側帯の信号のFEC復号を行い、その復調された信号を足掛かりにして、干渉を除去しながら重畳信号の逐次復調復号を行う。
なお、上記においては、信号R(n+1)は、信号R(n−1)と信号Rnとを重畳した周波数帯域に重畳するように配置しているが、隣接する信号を重畳した周波数帯域のいずれかに配置してよい。重畳した周波数帯域のいずれに信号R(n+1)を配置した場合においても、信号R(n+1)と重畳される2つの信号のうち一方はn番目に復調復号され、信号R(n+1)は最後、すなわち(n+1)番目に復調復号される。また、信号R(n+1)の配置される周波数帯域は、受信装置が復調復号の処理を行う前に、予め決まっているものとする。
同図において、送信装置100aは、帯域分割器110aと、N+1個の送信部120−1〜120−(n+1)と、合成器191、192とを備える。なお、送信装置100aにおいて、第1実施形態の送信装置100と同じ構成については、該当箇所に同じ符号(11、11a、120−1〜120−N、130−1〜130−N、140−1〜140−N、150−1〜150−N、191)を付して、その説明を省略する。
帯域分割器110aは、例えば、シリアル・パラレル変換器(S/P変換器)111aを備えて構成される。シリアル・パラレル変換器111aは、入力される入力ビットストリームをシリアル・パラレル変換して(N+1)個のビットストリームに分割し、分割したビットストリームを送信部120−1〜120−(N+1)それぞれに出力する。
なお、周波数変換器150−(N+1)の搬送波周波数は、信号R1〜Rnにおける(N−1)個の重畳帯域のうち最も広い重畳帯域の中心周波数である。また、帯域分割器110aから符号化器130−(N+1)に入力されるビットストリームの情報量は、符号化器130−(N+1)で用いられる符号化率と、変調器140−(N+1)の変調方式とに基づいて、最も広い重畳帯域に収まるように予め設定される。
ここでは、受信装置500は、送信装置100aから送信された信号R1、R2、…、Rn、R(n+1)が重畳された重畳信号を受信し、信号R1、R2、…、Rn、Rn+1の順に復調復号を行う場合について説明する。また、受信装置500は、送信装置100の周波数変換器150−1〜150−(N+1)それぞれの使用周波数帯域f1〜f(n+1)、搬送波の中心周波数、及び重畳帯域などを重畳伝送による伝送を行う前に予め測定、検出するものとする。
あるいは、これらの情報を送信装置との間で送受信される制御情報から取得してもよく、これらの情報を予め図示しない入力手段により取得したり、記録媒体から読み取ったりしてもよい。
(処理2−2):受信装置500は、第1実施形態の(処理1−4)〜(処理1−12)の処理において、カウンタ値「1」をカウンタ値「i」、処理対象信号A1を処理対象信号Ai、処理対象信号A2を処理対象信号A(i+1)、信号R1を信号Ri、信号R2を信号R(i+1)、周波数帯域f1を周波数帯域fi、レプリカ信号R1’をレプリカ信号Ri’と読み替えて、iが2、3、…、nの場合について行う。
(処理2−3):iが(n+1)の場合、すなわち、2つの信号の重畳帯域に更に重畳された信号を処理する場合について、第1実施形態の(処理1−4)〜(処理1−10)と同様の処理を行う。なお、第1実施形態の(処理1−9)においては、処理対象信号A(n+1)には重畳帯域がないので、重み係数生成器560は、全て1の重み係数を生成することになる。
続いて、本発明の第3実施形態の無線通信システムについて説明する。本実施形態の無線通信システムは、1つの送信装置と、少なくとも1つの受信装置とを具備する。
第3実施形態の送信装置は、第2実施形態の送信装置100aと同じ構成であるので、その説明は省略する。以下、本実施形態の受信装置について説明する。
図8は、第3実施形態の無線通信システムの受信装置500aの構成を示す概略ブロック図である。第3実施形態の受信装置500aは、第1及び第2実施形態の受信装置500の変形例である。具体的には、第1及び第2実施形態の受信装置500の復調器555は、復調復号対象の周波数帯域のみを復調していたが、本実施形態の受信装置500aは、受信する重畳信号全体の周波数帯域を復調する。
以下、第1実施形態の受信装置500との差分について説明する。
同図において、受信装置500aが、第1実施形態の受信装置500と異なる点は、ローカル信号発生器535、ミキサ540、及び、バンドパスフィルタ545を設けていない点、処理帯域決定器530、伝送路推定器550、復調器555に代えて処理帯域決定器530a、伝送路推定器550a、復調器555aを備えている点、帯域抽出器557を新たに備えている点である。
(処理3−1):受信装置500aは、第1実施形態の(処理1−1)〜(処理1−3)と同様の処理を行う。なお、減算器520により生成された処理対象信号A1は、遅延貴525に記憶されるとともに、伝送路推定器550a及び復調器555aに出力される。
(処理3−1):伝送路推定器550aは、減算器520から出力された処理対象信号A1から伝送路特性を推定する。
(処理3−2):復調器555aは、伝送路推定器550aにより推定された伝送路特性を用いて、減算器520から出力された処理対象信号A1を復調して尤度を算出する。
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の無線通信システムは、(N+1)個の送信装置と、少なくとも1つの受信装置とを具備する。
図9は、第4実施形態の無線通信システムの送信装置300−1〜300−(N+1)の構成を示す概略ブロック図、及びそれぞれが送信する信号の周波数帯域の一例を示した図である。同図において、送信装置300−1〜300−Nは、同じ構成を有しており、それぞれが符号化器13と、変調器14と、周波数変換器15とを備えている。
ここで、信号R1は、図9に示すように、送信装置300−1から送信される信号である。また、信号R2〜Rnは、信号R1と同様に、送信装置300−2〜300−Nそれぞれから送信される信号である。
符号化器130aは、帯域制御器170から出力されるビットストリームを予め定められた誤り訂正符号化を行い、誤り訂正符号化したビットストリームを変調器140aに出力する。変調器140aは、重畳帯域測定器160から入力されるシンボルレートに基づいた変調方式で符号化器130aから入力されるビットストリームを用いてサブキャリアを変調する。ここで、変調器140aが用いる変調方式は、例えば、シンボルレートごとに対応する変調方式を記憶するテーブルを設け、当該テーブルを用いて選択される。
重畳帯域測定器160は、送信装置300−1〜300−Nから送信される信号R1〜Rnそれぞれの重畳帯域を検出し、検出した重畳帯域のうち最も周波数帯域が広い重畳帯域を選択する。また、重畳帯域測定器160は、選択した重畳帯域の中心周波数を表す情報を周波数変換器150aに出力する。また、重畳帯域測定器160は、選択した重畳帯域で伝送可能なシンボルレートを算出して帯域制御器170及び変調器140aに出力する。重畳帯域の検出は、送信装置300−1〜300−Nから送信されるパイロット信号などに基づいて、送信装置300−1〜300−Nそれぞれが使用する周波数帯域を検出し、検出した周波数帯域を用いて行われる。
図10は、本発明の実施形態の占有周波数帯域幅を示す図である。同図は、以下の4つの場合について示している。1つ目は、同じ帯域幅の信号R1〜Rnと、信号R1〜Rnそれぞれが隣接する信号間で重畳する重畳帯域と同じ帯域幅の信号R(n+1)とをガードバンドを設けず、且つ重畳しないで送信した場合である。2つ目は、尤度マスクのみを用いた復調復号を行う場合である。3つ目は、上述の第1実施形態における尤度マスク及びレプリカ信号除去を用いた復調復号を行う場合である。4つ目は、上述の第2実施形態から第4実施形態の場合における信号R1〜Rnの重畳帯域のうちいずれか1つの重畳領域に信号R(n+1)を更に重畳した重畳信号に対して尤度マスク及びレプリカ信号除去を用いた復調復号を行う場合である。
尤度マスクのみを用いる場合、信号R1〜R(n+1)を送信するために必要な占有周波数帯域幅は、{(1+α/2)+(3−α)α/2N}fallとなるこれは、以下による。
外側帯の信号の数は2個、外側帯以外の信号の数は(N−2)個、重畳帯域の数(N−1)個であるため、尤度マスクを用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/2N)×fall×2+(1/N−α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/2N)×(N−1)
={(1−α/2)+α/2N)}fall
そして、信号R1〜Rnの占有周波数帯域幅に、信号R(n+1)の非重畳帯域幅を加えた周波数帯域幅が、信号R1〜R(n+1)の占有周波数帯域幅となる。
このとき、信号Rnの重畳率は、(α/2)+(α2/N)となり、N≧2かつ0≦α≦1の場合において、限界重畳率αを超える事はない。
=(信号R1〜Rnの占有周波数帯域幅)+(信号R(n+1)の非重畳帯域幅)
={(1−α/2)+α/2N}fall+{(1−α/2)α/N}fall
={(1−α/2)+(3−α)α/2N}fall
なお、先ほどと同様に、信号R1〜Rnについて検討し、その後に信号R(n+1)について検討することにする。
第1実施形態においては、受信した重畳信号の外側帯から順に信号を復調復号し、レプリカ信号をまだ復調復号を行っていない重畳信号から減算する。例えば、信号R1、R2、…の順に復調復号を行うことを考えると、信号R1の重畳帯域幅は、信号R1と信号R2がオーバーラップする帯域幅である。続いて信号R1が復調復号され、信号R1のレプリカ信号が除去されると、次の復調復号対象の信号R2の重畳帯域幅は、信号R2と信号R3がオーバーラップする帯域のみとなる。信号R3以降も同様に考えられるため、信号R1と信号R2、信号R2と信号R3、…、信号R(n−1)と信号Rnがオーバーラップする帯域幅をそれぞれα×fall/Nとすることができる。
従って、第1実施形態を用いる場合の信号R1〜Rnの占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/N)×fall×2+(1/N−2α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/N)×(N−1)
={(1−α)+α/N)}fall
そして、信号R1〜R(n+1)の占有周波数帯域幅は、信号R1〜Rnの占有周波数帯域幅に、信号R(n+1)の非重畳帯域幅を加えた幅となる。
=(信号R1〜Rnの占有周波数帯域幅)+(信号R(n+1)の非重畳帯域幅)
={(1−α)+α/N)}fall+{(1−α)α/N}fall
={(1−α)+(2−α)α/N}fall
従って、従来技術と比較して、伝送信号全体の占有周波数帯域幅を圧縮できるため、周波数利用効率を向上させることが可能である。
図11(a)によれば、第2〜第4実施形態の無線通信システムを用いることより、重畳信号数Nが3以上の場合に、従来例の無線通信システムと比較してfallに対する占有周波数帯域幅が圧縮されていることがわかる。なお、図11(a)は、信号R1〜Rnをガードバンドを設けずに重畳しないで送信した場合の占有帯域幅減少率を「1.0」として表している。また、図11(b)は、従来例の無線通信システムに対する本発明の無線通信システムの占有帯域幅減少率を示す図である
図示するように、本実施形態の無線通信システムを用いることにより、重畳信号数Nが3以上の場合に、従来の無線通信システムと比較してfallに対する占有周波数帯域幅が圧縮され、周波数利用効率が向上していることがわかる。
110、110a…帯域分割器
111、111a…シリアル・パラレル変換器(S/P変換器)
120−1、120−2、120−3、120−4、120−N、120−(N+1)…送信部
130、130a、130−1、130−2、130−3、130−4、130−N、130−(N+1)…符号化器
140、140a、140−1、140−2、140−3、140−4、140−N、140−(N+1)…変調器
150、150a、150−1、150−2、150−4、150−4、150−N、150−(N+1)…周波数変換器
160…重畳帯域測定器
170…帯域制御器
191、192…合成器
300−1、300−2、300−3、300−N、300−(N+1)…送信装置
500、500a、…受信装置
510…復号回数カウンタ
515…スイッチ
520…減算器
525…遅延器
530、530a、…処理帯域決定器
535…ローカル信号発生器
540…ミキサ
545…バンドパスフィルタ
550、550a…伝送路推定器
555、555a…復調器
557…帯域抽出器
560…重み係数生成器
565…第1重み演算器
570…復号器
575…データバッファ
580…レプリカ生成器
582…再符号化器
584…再変調器
586…第2重み演算器
590…データ抽出・並替器
Claims (3)
- 複数の送信装置と受信装置とを具備する無線通信システムにおいて、
前記複数の送信装置が、
周波数領域において隣接する信号と一端又は両端を重畳し誤り訂正符号を適用した複数の第1信号、及び、該複数の第1信号の重畳された帯域である重畳帯域のいずれかに更に重畳した第2信号を送信し、
前記受信装置が、
前記送信装置から送信された前記複数の第1信号と前記第2信号とを受信して得られた重畳信号、又は該重畳信号からレプリカ信号を除去した信号を処理対象信号とし、該処理対象信号に含まれる前記複数の第1信号のうち、最も高い周波数あるいは最も低い周波数帯域の第1信号を復調復号対象とし、該復調復号対象に対する前記処理対象信号の復調値を得る復調部と、
前記復調復号対象の周波数帯域における重畳帯域に対して、前記復調値の信頼度を低減させる重み係数を生成する重み係数生成部と、
前記復調部により得られた前記復調値に、前記重み係数生成部により生成された前記重み係数を適用する重み演算部と、
前記重み演算部により前記重み係数が適用された前記復調値に対して誤り訂正復号を行う復号部と、
前記復号部により誤り訂正復号された結果に誤り訂正符号を適用して符号化を行う再符号化部と、
前記再符号化部により符号化された信号を用いてサブキャリアを変調して前記レプリカ信号を生成する再変調部と、
前記再変調部によって生成された前記レプリカ信号を前記処理対象信号から除去して新た処理対象信号を生成し、前記復調部に出力する減算器と
を備え、
前記複数の送信装置のうち1つの送信装置が
他の前記送信装置が送信する前記第1信号それぞれの重畳帯域を検出する重畳帯域測定部と、
前記重畳帯域測定部により検出された重畳帯域のうちいずれか1つを選択し、選択した重畳帯域の帯域幅に応じて、出力するビットストリームの情報量を変化させる帯域制御部と、
前記帯域制御部から出力された前記ビットストリームを、前記重畳帯域測定部により選択された重畳帯域において送信する送信器と
を備える
ことを特徴とする無線通信システム。 - 複数の第1信号と第2信号とを受信して得られた重畳信号、又は該重畳信号からレプリカ信号を除去した信号を処理対象信号とし、該処理対象信号に含まれる前記複数の第1信号のうち、最も高い周波数あるいは最も低い周波数帯域の第1信号を復調復号対象とし、該復調復号対象に対する前記処理対象信号の復調値を得る復調部と、前記復調復号対象の周波数帯域における重畳帯域に対して、前記復調値の信頼度を低減させる重み係数を生成する重み係数生成部と、前記復調部により得られた前記復調値に、前記重み係数生成部により生成された前記重み係数を適用する重み演算部と、前記重み演算部により前記重み係数が適用された前記復調値に対して誤り訂正復号を行う復号部と、前記復号部により誤り訂正復号された結果に誤り訂正符号を適用して符号化を行う再符号化部と、前記再符号化部により符号化された信号を用いてサブキャリアを変調して前記レプリカ信号を生成する再変調部と、前記再変調部によって生成された前記レプリカ信号を前記処理対象信号から除去して新た処理対象信号を生成し、前記復調部に出力する減算器とを備えた受信装置に、周波数領域において隣接する信号と一端又は両端を重畳し誤り訂正符号を適用した前記複数の第1信号の重畳された帯域である重畳帯域のいずれかに更に重畳した前記第2信号を送信する送信装置であって、
他の送信装置が送信する前記第1信号それぞれの重畳帯域を検出する重畳帯域測定部と、
前記重畳帯域測定部により検出された重畳帯域のうちいずれか1つを選択し、選択した重畳帯域の帯域幅に応じて、出力するビットストリームの情報量を変化させる帯域制御部と、
前記帯域制御部から出力された前記ビットストリームを、前記重畳帯域測定部により選択された重畳帯域において送信する送信器と
を備える
ことを特徴とする送信装置。 - 複数の送信装置から受信装置に伝送を行う無線通信システムにおける無線通信方法であって、
周波数領域において隣接する信号と一端又は両端を重畳し誤り訂正符号を適用した複数の第1信号、及び、該複数の第1信号の重畳された帯域である重畳帯域のいずれかに更に重畳した第2信号を送信する送信過程と、
前記送信過程において送信された前記複数の第1信号と前記第2信号とを受信して得られた重畳信号、又は該重畳信号からレプリカ信号を除去した信号を処理対象とし、該処理対象信号に含まれる前記複数の第1信号のうち、最も高い周波数あるいは最も低い周波数帯域の第1信号を復調復号対象とし、該復調復号対象に対する前記処理対象信号の復調値を得る復調過程と、
前記復調復号対象の周波数帯域における重畳帯域に対して、前記復調値の信頼度を低減させる重み係数を生成する重み係数生成過程と、
前記復調過程において得られた前記復調値に、前記重み係数生成過程において生成された前記重み係数を適用する重み演算過程と、
前記重み演算過程において前記重み係数が適用された前記復調値に対して誤り訂正復号を行う復号過程と、
前記復号過程において誤り訂正復号された結果に誤り訂正符号を適用して符号化を行う再符号化過程と、
前記再符号化過程において符号化された信号を用いてサブキャリアを変調して前記レプリカ信号を生成する再変調過程と、
前記再変調過程において生成された前記レプリカ信号を前記処理対象信号から除去して新た処理対象信号を生成し、前記復調部に出力する減算過程と
を備え、
前記送信過程には、
前記複数の送信装置のうち1つの送信装置が、
他の前記送信装置が送信する前記第1信号それぞれの重畳帯域を検出する重畳帯域測定過程と、
前記重畳帯域測定過程において検出された重畳帯域のうちいずれか1つを選択し、選択した重畳帯域の帯域幅に応じて、出力するビットストリームの情報量を変化させる帯域制御過程と、
前記帯域制御過程において出力された前記ビットストリームを、前記重畳帯域測定過程において選択された重畳帯域において送信する過程と
が含まれる
ことを特徴とする無線通信方法。
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