JP5498767B2 - 送信装置、及び送信方法 - Google Patents
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Description
そこで、周波数利用効率を向上する技術として、複数のアンテナを用いた技術の検討が盛んに行われている。例えば、非特許文献1のMIMO(Multi-Input Multi Output;多入力多出力)アンテナ技術は、複数の送受信アンテナを利用し、散乱環境による複数空間パスの独立性を活用した空間多重を行っている。
しかしながら、複数アンテナ技術において、空間多重数を増加させ、複数ヌルパターンの生成を行うことにより特性改善を図るためには、いずれの方法においてもアンテナ数を増やす必要があり、携帯型端末のように筐体の小型性が重視される送受信機への実装は現実的ではなかった。
同図において、無線通信システムは、無線LAN基地局2a、2bと、受信機1aとを備えている。無線LAN基地局2aは、中心周波数faであるCH1の周波数帯域を用いて通信する。一方、無線LAN基地局2bは、中心周波数fb(ただし、fa<fb)であるCH5の周波数帯域を用いて通信する。受信機1aは、無線LAN基地局2aと無線LAN基地局2bとの双方の無線信号が到達する位置に配置され、中心周波数faの無線信号と中心周波数fbの無線信号との2つの無線信号が部分的に互いに干渉した信号を含む無線信号を受信する。なお、周波数帯域を共用する他の例として、無線LANシステムと、bluetooth(登録商標)と、WiMAX(登録商標)とによる組み合わせなど、異なる通信方式のシステム同士が周波数共用する場合も考えられる。
また、非特許文献3では、周波数ダイバーシチ獲得を目的として複数ユーザの周波数割当てリソースの一部重複を許容している。
一方、非特許文献2記載の干渉抑圧方式では、伝送周波数帯域のうち隣接する伝送周波数帯域との干渉帯域から得られる尤度情報の信頼性を低下させて復号を行う、すなわち、伝送周波数帯域のうち隣接する伝送周波数帯域と重畳していない帯域幅の尤度情報に基づいて信号を復号している。このため、重畳させる部分の帯域幅を広げると復号に用いる尤度情報が減りFECにより正しく復号が行えなくなるので、重畳させる帯域幅は、一定の帯域幅を超えてより広くすることができないという問題がある。
図1は、重畳伝送について説明する図である。図1(a)に示すように、複数の信号を伝送する場合、従来のスペクトル配置では、それら各信号が伝送に使用する周波数帯域間にガードバンドを設けていた。一方、図1(b)に示すように重畳伝送では、隣り合うスペクトルの一部の周波数帯域を部分的にオーバーラップ(重畳)させて送信する。このように、複数の信号が部分的に周波数資源を共有するため、従来のスペクトル配置を用いた場合において複数の信号を伝送するために必要であった帯域fallよりも、重畳伝送を用いた場合に複数の信号を伝送するために必要な帯域f’allのほうが小さくなり、周波数利用効率を向上させることが可能となる。なお、1信号のデータ伝送に使用する周波数帯域aに対する干渉帯域bの割合を重畳率(=b/a)という。
本実施形態の受信装置は、複数の送信信号R1〜Rn(n≧2、nは整数)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、受信装置が受信した重畳信号には、5つの送信信号R1〜R5それぞれが部分的にオーバーラップされているものとし、使用する周波数帯域の中心周波数が低い信号から順に送信信号R1、R2、R3、R4、R5とする。これらの送信信号R1〜R5は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)などのマルチキャリア信号であり、誤り訂正機構としてFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)符号を用いている。本実施形態では、重畳されている信号が、マルチキャリア信号である場合について説明する。
また、重畳信号に重畳されている信号のうち、最も中心周波数が低い信号、又は、最も中心周波数が高い信号に使用されている周波数帯域を外側帯と記載する。例えば、図2に示す処理対象信号A1の場合、送信信号R1、R5の周波数帯域f1、f5が外側帯である。外側帯の信号は、他の1つの信号とのみ周波数帯域が重畳されており、外側帯以外の信号は、他の2つの信号と周波数帯域が重畳されている。
上記を繰り返すことによって、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号により送信信号R3、R4の復調復号を行い、レプリカ信号R3’、R4’を除去して送信信号R5のみからなる処理対象信号A5を得る。処理対象信号A5が得られると、受信装置は、FEC尤度マスクを行わずに、通常のFEC復号のみを行い送信信号R5の復調復号を行う。
このように、本実施形態の受信装置は、重畳伝送方式により送信された信号を受信すると、尤度マスクによって干渉抑圧して外側帯の信号のFEC復号を行い、その復調復号された信号より生成したレプリカ信号を用いて、重畳された信号の干渉を除去しながら重畳信号の逐次復調復号を行う。
同図においては、復調復号対象の送信信号Riの一部が他の送信信号R(i+1)と重畳されている場合を示しており、送信信号R(i+1)はさらに他の信号と重畳されうる。受信装置は、送信装置において送信信号Riに用いられた符号化方法に応じて復調を行うが、ここでは、軟判定正負多値の符号化方法である場合を例に説明する。この軟判定正負多値の符号化方法における復号処理では、受信信号の復調値が正負の多値出力であり、絶対値の大きさを信頼度(尤もらしさを表す値、尤度)として負の値を値「+1」、正の値を値「−1」と判定する復号処理を行う。
このように、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」、又は、「0に近い値」に変換させる重み付け演算処理を行うことにより、重畳帯域のサブキャリアの復調値の信頼度を低減させることが可能になる。
上記のように、受信装置が、サブキャリアごとの受信信号の信頼度に応じて復調値に重み付け演算を行い、信頼度の低い重畳帯域のサブキャリアをマスクし、信頼度の高いサブキャリアの復調値を用いて受信信号を復号することにより、受信誤り訂正能力を向上させることが可能になる。
また、硬判定出力型を用いてもよい。例えば、硬判定出力型が「−1」と「+1」との二値出力型の場合、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」に置換する重み係数を用いることができる。
同図において、送信装置100は、シリアル・パラレル変換器(S/P変換器)120と、N個の送信部130−1〜130−N(Nは、n=Nかつ2以上の自然数)と、合成器191とを備える。シリアル・パラレル変換器120は、送信すべき情報を表す入力ビットストリームに対してシリアル・パラレル変換してN個のビットストリームに分割し、分割したビットストリームを送信部130−1〜130−Nそれぞれに出力する。送信部130−1〜130−Nは、それぞれシリアル・パラレル変換器120から入力されたビットストリームに応じた送信信号R1〜RNを生成して合成器191に出力する。合成器191は、送信部130−1〜130−Nそれぞれから入力された送信信号R1〜RNを加算による合成により重畳信号を生成し、生成した重畳信号をアンテナを介して受信装置に送信する。
送信部130−1〜130−Nは、それぞれ同じ構成を有しているので、送信部130−1について説明をし、送信部130−2〜130−Nについてその説明を省略する。
例えば、送信信号は、図2に示すように、搬送波周波数が隣接する他の送信信号と、周波数帯域の両側が重畳される。このとき、送信信号は、それぞれ伝送品質や、入力されるビットストリームに対して要求される通信品質(Quality of Service;QoS)に応じて定められる。
同図に示すように、受信装置500は、復号回数カウンタ510、スイッチ515、減算器520、遅延器525、処理帯域決定器530、ローカル信号発生器535、ミキサ540、バンドパスフィルタ545、伝送路推定器550、復調器555、重み係数生成器560、第1重み演算器565、復号器570、データバッファ575、レプリカ生成器580、データ抽出・並替器590を備えて構成される。
なお、処理周波数決定機530は、復号回数カウンタ510の値と、復調復号対象信号の中心周波数と帯域周波数幅とが記憶されているテーブルを有しており、復号カウンタ510からカウンタ値を読み出して、復調復号対象の送信周波数と帯域幅とを読み出してローカル信号発生器535に出力する。
また、処理帯域決定器530は、復号回数と周波数帯域の対応付けをデータ抽出・並替器590に出力する。
再符号化器582は、復号器570により復号されたビットストリームに、当該ビットストリームを送信した送信装置100において用いられた符号化と同じ符号化を行う。すなわち、再符号化器582は、符号化器140(図4)と同じ符号化を行う。
再変調器584は、再符号化器582が符号化した信号を用いて、当該ビットストリームを送信した送信装置100において用いられた変調方式と同じ変調方式で変調を行う。
すなわち、再変調器584は、変調器150(図4)と同じ変調方式を用いて変調を行う。
第2重み演算器586は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性の推定値を再変調器584が変調した信号に乗算し、送信装置100が送信した信号を自受信装置において受信したときの推定信号であるレプリカ信号を生成する。
送信装置100は、シリアル・パラレル変換器120が、入力されたビットストリームをN個のビットストリームに分割するシリアル・パラレル変換を行い、変換により得られたN個のビットストリームそれぞれを異なる送信部130−1〜130−Nに出力する。
送信部130−1〜130−Nにおいて、入力されたビットストリームに対して符号化器140及び変調器150により、誤り訂正符号化と変調とが行われてベースバンド信号が生成される。この生成されたベースバンド信号が周波数変換器170に入力され、周波数変換器170で予め定められた搬送波周波数に周波数変換(アップコンバート)が行われて送信信号Ri(iは、1≦i≦n=Nの自然数)として出力される。合成器191は、各送信部130−1〜130−Nから出力される送信信号R1、R2、…、RNを合成により重畳を行った重畳信号を生成し、生成した重畳信号をアンテナから受信装置500に送信する。
あるいは、これらの情報を送信装置100との間で送受信される制御情報から取得してもよく、これらの情報を予め図示しない入力手段により取得したり、記録媒体から読み取ったりしてもよい。
(処理1−2):スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値が初期値であるため、減算器520の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理1−6):バンドパスフィルタ545は、ミキサ540によりダウンコンバートされた処理対象信号A1から、処理帯域決定器530により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去して周波数帯域f1の信号を抽出すると、抽出した信号を復調復号対象の信号として出力する。
(処理1−8):復調器555は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度(復調値)を算出する。
(処理1−15):(処理1−14)によって、データバッファ575に復号されたビットストリームが書き込まれると、データ抽出・並替器590は、処理帯域決定器530から入力された復号回数と周波数帯域との対応付けを示すデータに基づいて、データバッファ575に記憶されているビットストリームの順序を、送信信号R1、R2、…、Rnから得られたビットストリームの順に並べ替えて出力する。上記のように、送信信号R1、R2、…、Rnの順で復調復号を行った場合はビットストリームが得られた順にデータを並べることにより元のデータが得られるが、それ以外の順序、例えば、送信信号R1、Rn、R2、R(n−1)、…のような順番で復号を行った場合は入れ替えが必要となる。
周波数帯域幅が同じ幅のn個の送信信号R1〜Rnを、ガードバンドを設けずに重畳しないで送信した場合の占有周波数帯域幅をfallとした場合、つまり、各送信信号R1〜Rnの周波数帯域幅をfall/Nとし、干渉抑圧処理により復号可能な限界(最大)の重畳率をαとした場合に、重畳信号が占有する周波数帯域幅は、以下のようになる。
FEC尤度マスクのみを用いて復調復号したとき、N個の送信信号R1〜Rnを送信するために必要な占有周波数帯域幅は、[{1−(α/2)}+α/2N]fallとなる(但し、Nは3以上)。
外側帯の信号の数は2個、外側帯以外の信号の数は(N−2)個、重畳帯域の数(N−1)個であるため、FEC尤度マスクを用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/2N)×fall×2+(1/N−α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/2N)×(N−1)
={(1−α/2)+α/2N)}fall
本実施の形態では、受信した重畳信号の外側帯から順に信号を復調復号し、レプリカ信号をまだ復調復号を行っていない重畳信号から減算する。例えば、送信信号R1、R2、…の順に復調復号を行うことを考えると、送信信号R1の重畳帯域幅は、送信信号R1と送信信号R2がオーバーラップする帯域幅である。続いて送信信号R1が復調復号され、送信信号R1のレプリカ信号が除去されると、次の復調復号対象の送信信号R2の重畳帯域幅は、送信信号R2と送信信号R3がオーバーラップする帯域のみとなる。送信信号R3以降も同様に考えられるため、送信信号R1と送信信号R2、送信信号R2と送信信号R3、…、送信信号R(n−1)と送信信号Rnがオーバーラップする帯域幅をそれぞれα×fall/Nとすることができる。
従って、本実施形態を用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/N)×fall×2+(1/N−2α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/N)×(N−1)
={(1−α)+α/N)}fall
そこで、以下の実施形態では、重畳伝送方式の逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることのできる送信装置について説明する。
図6は、第2実施形態の無線通信システムにおける送信装置200の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、送信装置200は、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態の無線通信システムにおける受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるのでその説明を省略する。
同図に示すように、送信装置200は、無線リソース制御部210と、可変シリアル・パラレル変換器220と、N個の中間信号生成部230−1〜230−Nと、周波数変換器280と、合成器290を備えている。
ここで、制御信号は、符号化率、変調方式、平均送信電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比を含む信号である。そして、無線リソース制御部210は、制御信号を中間信号生成部230−1〜230−Nそれぞれに出力することで、受信装置において送信信号R1〜Rnそれぞれが復調復号される順序に応じて順序に応じて電力比を比較することで、送信信号R1〜Rnの送信電力を制御する。
中間信号生成部230−1〜230−Nは、同じ構成を有しているので、中間信号生成部230−1の構成を説明し、中間信号生成部230−2〜230−Nの説明を省略する。中間信号生成部230−1は、符号化器240と、変調器250と、重み演算器260と、周波数変換器270とを有している。
「(制御信号に含まれる平均送信電力値)×(制御信号に含まれる重畳帯域と非重畳帯域との電力比)」となるように増幅する。一方、それ以外の周波数帯域の信号に対して、当該信号の平均電力値が、制御信号に含まれる平均送信電力値となるように増幅する。
周波数変換器270は、重み演算器260が増幅したベースバンド信号を周波数変換して予め定められた中間周波数(Intermediate Frequency;IF)の帯域の中間信号を出力する。
図7(a)は、重畳信号を受信する受信装置が、最外側から内側に向けて復調復号した信号を足がかりにして干渉を抑圧しながら重畳信号から各送信信号R1〜R5を逐次復調復号する場合(例えば、送信信号R1、R5、R2、R4、R3の順で復調復号する場合)の送信信号を示す図である。このとき、無線リソース制御部210は、中間信号生成部230−1〜230−Nの重み演算器260に出力する制御信号に含まれる平均電力値を用いて、送信信号R3より周波数帯域の端に近い位置に配置される送信信号R2及び送信信号R4に送信信号R3より送信電力を多く割り当て、送信信号R2及び送信信号R4より周波数帯域の端に近い送信信号R1及び送信信号R5に信号2及び送信信号R3より送信電力を多く割り当てる。
これにより、受信装置において重畳信号から送信信号R1〜R5それぞれを復調復号する際に、逐次復調復号される順番の早い信号ほど受信電力値を高くすることができ、送信信号R1、R5の復調復号において誤りの生じる可能性を低減させることができる。
これにより、隣接する信号の重畳帯域において、先に復調復号される信号が、後から復調復号される信号より受信強度が小さくなるように重畳帯域のサブキャリアの電力を調整することができる。その結果、逐次復調復号して生成したレプリカ信号に誤りが含まれていたとしても、後に逐次復調復号される信号の受信電力値を高くすることができ、図7(a)の場合に比べ、誤りが伝播する確率をさらに低くすることができる。同図において、具体的には、送信信号R2の周波数帯域のうち送信信号R2より後に逐次復調復号される送信信号R3と重畳される重畳帯域の送信電力が低くなっているので、送信信号R2の逐次復調復号において誤りが生じたとしても、送信信号R2の誤りが送信信号R3の逐次復調復号に伝播する可能性を低減することができる。
信号の干渉耐力は、例えば、符号化率・変調方式が64QAM3/4の信号より、QPSK1/2の信号が高い。つまり、伝送するデータあたりの送信電力を高くすると干渉耐力が高くなる。また、より誤り訂正能力が高いFECを用いると干渉耐力が高くなり、例えば、RS(Read-Solomon)符号を適用した信号より、ターボ符号を適用した信号が同じ符号化率で比較した場合に優れた受信特性を有する。
例えば、図7(a)に示した順序により逐次復調復号をする場合、次にように各パラメータを定める。(MCS,平均送信電力値,重畳帯域と非重畳帯域との電力比)の組み合わせを、送信信号R1に対して(QPSK3/4,0dB,1.0)とし、送信信号R2に対して(16QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R3に対して(64QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R4に対して(16QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R5に対して(QPSK3/4,0dB,1.0)とする。
換言すると、送信するデータのビットあたりの送信電力を高くすることで、逐次復調復号される順番の早い信号の干渉耐力を高めて逐次復調復号の初期の段階における誤りの発生の可能性を低減させることができるとともに、逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることができ、重畳信号に含まれる信号すべての逐次復調復号の精度を向上させることができる。
これにより、受信装置500における送信信号R1〜Rnの受信品質に応じた重畳信号の送信をすることができ、送信信号R1〜Rnの受信品質の劣化を防ぐように重畳信号を送信することができる。受信品質を表す指標は、例えば、BER(Bit Error Rate;ビット誤り率)や、送信信号R1〜Rnの受信電力値などである。また、テーブルに記憶されている、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせは、シミュレーションや、実測値に基づいたものであり、予め定められたものである。
図8は、第3実施形態の無線通信システムにおける送信装置300の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態の無線通信システムにおける受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるのでその説明を省略する。
同図に示すように、送信装置300は、無線リソース制御部310と、可変シリアル・パラレル変換器320と、ベースバンド信号生成部330−1〜330−Nと、OFDM信号生成器370と、周波数変換器380と、合成器390−1〜390−(N−1)とを備えている。
符号化器340は、無線リソース制御部310から入力される制御信号で示される符号化率で、可変シリアル・パラレル変換器320から入力される3つのビットストリームそれぞれを誤り訂正符号化して出力する。変調器350は、無線リソース制御部310から入力される制御信号で表される変調方式で、符号化器340により誤り手製符号化された3つのビットストリームそれぞれを用いてサブキャリアを変調し、変調により得られた3つのベースバンド信号を重み演算器360に出力する。
周波数変換器380は、OFDM信号生成器370から入力された信号の周波数を搬送波帯域の送信信号に変換し、変換により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。
これにより、受信装置500における送信信号R1〜Rnの受信品質に応じた重畳信号の送信をすることができ、送信信号R1〜Rnの受信品質の劣化を防ぐように重畳信号を送信することができる。受信品質を表す指標は、例えば、BER(Bit Error Rate;ビット誤り率)や、送信信号R1〜Rnの受信電力値などである。また、テーブルに記憶されている、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせは、シミュレーションや、実測値に基づいたものであり、予め定められたものである。
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の無線通信システムは、N個の送信装置と、少なくとも1つの受信装置とを具備する。
図9は、第4実施形態の無線通信システムの送信装置400−1〜400−N(N=nは、2以上の自然数)の構成を示す概略ブロック図、及びそれぞれが送信する信号の周波数帯域における配置の一例を示した図である。ここでは、送信装置200は、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態における受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるので、構成の説明及び処理の説明を省略する。
周波数変換器470は、重み演算器260から入力されるベースバンド信号を搬送波周波数に周波数変換し、変換により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。各送信装置400−1〜400−Nが送信する信号は、図9に示すように、周波数軸上で隣接する信号の端が重畳するように搬送波の中心周波数と、周波数帯域幅とが予め定められている。
このように、重畳伝送される信号に対してFEC尤度マスク及び干渉抑圧処理を行う無線通信システムにおいても、逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることができる。
120…シリアル・パラレル変換器
130−1、130−2、130−3、130−N…送信部
140、240、340…符号化器
150、250、350…変調器
170、270、280、380、470…周波数変換器
191…合成器
210、310、410…無線リソース制御部
220、320…可変シリアル・パラレル変換器
230−1、230−2、230−3、230−N…中間信号生成部
260、360…重み演算器
290…合成器
330−1、330−2、330−3、330−N…ベースバンド信号生成部
370…OFDM信号生成器
390−1、390−2、390−3、390−(N−1)…合成器
400−1、400−2、400−3、400−N…送信装置
500…受信装置
510…復号回数カウンタ
515…スイッチ
520…減算器
525…遅延器
530、530a、…処理帯域決定器
535…ローカル信号発生器
540…ミキサ
545…バンドパスフィルタ
550、550a…伝送路推定器
555、555a…復調器
557…帯域抽出器
560…重み係数生成器
565…第1重み演算器
570…復号器
575…データバッファ
580…レプリカ生成器
582…再符号化器
584…再変調器
586…第2重み演算器
590…データ抽出・並替器
Claims (3)
- 周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号から順に復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置であって、
前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に送信信号の送信電力を高くし、共通の重畳帯域を有する送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い送信信号の該重畳帯域の送信電力を、該送信信号より復号される順序の遅い送信信号の該重畳帯域の送信電力より低くする設定する制御部と、
前記制御部の設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅部と
を備えることを特徴とする送信装置。 - 送信すべきデータに対して誤り訂正符号化を行う符号化器と、
前記符号化器により符号化されたデータを変調する変調器と、
前記変調器が変調したデータを周波数変換して複数の送信信号に変換する周波数変換器と、
を備え、
前記制御部が、前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に、前記符号化器における符号化率を低くするか、又は、前記変調器における1シンボルあたりのビット数を少なくする
ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。 - 周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号から順に復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置における送信方法であって、
前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に送信信号の送信電力を高くし、共通の重畳帯域を有する送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い送信信号の該重畳帯域の送信電力を、該送信信号より復号される順序の遅い送信信号の該重畳帯域の送信電力より低くする設定する制御過程と、
前記制御過程において設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅過程と
を備えることを特徴とする送信方法。
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