JP5498767B2 - 送信装置、及び送信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、送信装置、及び送信方法に関する。
近年、各種無線通信システムの普及により周波数資源の枯渇が問題となっている。
そこで、周波数利用効率を向上する技術として、複数のアンテナを用いた技術の検討が盛んに行われている。例えば、非特許文献1のMIMO(Multi-Input Multi Output;多入力多出力)アンテナ技術は、複数の送受信アンテナを利用し、散乱環境による複数空間パスの独立性を活用した空間多重を行っている。
しかしながら、複数アンテナ技術において、空間多重数を増加させ、複数ヌルパターンの生成を行うことにより特性改善を図るためには、いずれの方法においてもアンテナ数を増やす必要があり、携帯型端末のように筐体の小型性が重視される送受信機への実装は現実的ではなかった。
一方でアンテナ数を増やすことなく、複数の信号のスペクトルを重ね合わせて、周波数共用化を図ることで周波数利用効率を向上する重畳伝送技術の検討が進められている。例えば、図10は、周波数帯域を共用する無線通信システムの組み合わせの一例として、周波数チャンネルが異なる2つの無線LAN(Local Area Network;ローカル・エリア・ネットワーク)システム全体を示す概念図である。
同図において、無線通信システムは、無線LAN基地局2a、2bと、受信機1aとを備えている。無線LAN基地局2aは、中心周波数faであるCH1の周波数帯域を用いて通信する。一方、無線LAN基地局2bは、中心周波数fb(ただし、fa<fb)であるCH5の周波数帯域を用いて通信する。受信機1aは、無線LAN基地局2aと無線LAN基地局2bとの双方の無線信号が到達する位置に配置され、中心周波数faの無線信号と中心周波数fbの無線信号との2つの無線信号が部分的に互いに干渉した信号を含む無線信号を受信する。なお、周波数帯域を共用する他の例として、無線LANシステムと、bluetooth(登録商標)と、WiMAX(登録商標)とによる組み合わせなど、異なる通信方式のシステム同士が周波数共用する場合も考えられる。
このように、例えば、図10に示す受信機1aが無線LAN基地局2aを通信対象とする場合、中心周波数faである希望波の送信周波数帯域と、中心周波数fbである無線LAN基地局2bからの干渉波の送信周波数帯域とが、部分的にオーバーラップ(重畳)する周波数共用型の無線通信において、受信機1aは、希望波であるを正確に受信することが必須となる。一般にこのような干渉波が存在する場合、通信特性が著しく劣化するが、この干渉の影響を抑圧しながら分散配置されたFEC(Forward Error Correction ;前方誤り訂正)ブロックを復号し、正確な伝送を実現する非特許文献2に示される干渉抑圧技術がある。非特許文献2に記載の干渉抑圧技術では、所望波を復調後、干渉帯域の尤度の信頼性を低下させる方向に重み付けすることで、干渉波の影響を抑圧しするとともに、誤り訂正復号することで、強い干渉波が存在する場合においても、正確な伝送を実現することができる。
また、非特許文献3では、周波数ダイバーシチ獲得を目的として複数ユーザの周波数割当てリソースの一部重複を許容している。
黒崎聰、淺井裕介、杉山隆利、梅比良正弘、"MIMOチャネルにより100Mbit/sを実現する広帯域移動通信用SDM−COFDM方式の提案"、信学技報、RCS2001−135、pp.37−41、2001年10月 増野淳、杉山隆利、"マルチキャリア重畳伝送による周波数利用効率向上効果"、信学技報、vol.108、no.188、RCS2008−67、pp.85−90,2008年8月. 横枕一成、高橋宏樹、中村理、後藤淳悟、浜口泰弘、"スペクトル重複リソースマネジメントを用いたシングルキャリアにおける多値変調適用時の性能評価"、信学技報、RCS2009−25、pp.145−150、2009年5月
しかしながら、非特許文献3に記載された技術は、高い重複率環境ではコンスタレーションポイントが近接する多値変調を使用する場合、受信機側でターボ等化処理により複数信号間干渉の一括除去を行っているので、誤り伝播によりエラーフロアが生じてしまう。
一方、非特許文献2記載の干渉抑圧方式では、伝送周波数帯域のうち隣接する伝送周波数帯域との干渉帯域から得られる尤度情報の信頼性を低下させて復号を行う、すなわち、伝送周波数帯域のうち隣接する伝送周波数帯域と重畳していない帯域幅の尤度情報に基づいて信号を復号している。このため、重畳させる部分の帯域幅を広げると復号に用いる尤度情報が減りFECにより正しく復号が行えなくなるので、重畳させる帯域幅は、一定の帯域幅を超えてより広くすることができないという問題がある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、複数の信号を用いて情報を伝送する通信方式において、周波数領域において重畳させる帯域幅を増加させて、更なる周波数利用効率の改善を図る送信装置、及び送信方法を提供することにある。
(1)上記問題を解決するために、本発明は、周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号を復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置であって、前記受信装置が前記複数の送信信号の復号をする順番に応じて、前記複数の送信信号それぞれの送信電力を設定する制御部と、前記制御部の設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅部とを備えることを特徴とする送信装置である。
(2)また、本発明は、上記記載の発明において、前記制御部が、前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に送信信号の送信電力を高くすることを特徴とする。
(3)また、本発明は、上記記載の発明において、前記制御部が、共通の重畳帯域を有する送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い送信信号の該重畳帯域の送信電力を低くすることを特徴とする。
(4)また、本発明は、上記記載の発明において、送信すべきデータに対して誤り訂正符号化を行う符号化器と、前記符号化器により符号化されたデータを変調する変調器と、前記変調器が変調したデータを周波数変換して複数の送信信号に変換する周波数変換器と、を備え、前記制御部が、前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に、前記符号化器における符号化率を低くするか、又は、前記変調器における1シンボルあたりのビット数を少なくすることを特徴とする。
(5)また、本発明は、周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号を復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置における送信方法であって、前記受信装置が前記複数の送信信号の復号をする順番に応じて、前記送信信号それぞれの送信電力を設定する制御過程と、前記制御過程において設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅過程とを備えることを特徴とする送信方法である。
この発明によれば、複数の信号を用いて情報を伝送する通信方式において、隣接する信号の間で重畳する領域を増加させることにより、周波数利用効率を改善することができる。
重畳伝送について説明する図である。 本願発明の各実施形態における無線通信システムの受信装置が行う信号受信処理の概要を示す図である。 FEC尤度マスクによる復調復号を説明する図である。 第1実施形態の無線通信システムの送信装置100の構成を示す概略ブロック図である。 第1実施形態の無線通信システムにおける受信装置500の構成を示す概略ブロック図である。 第2実施形態の無線通信システムにおける送信装置200の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態の送信装置200が送信する送信信号(重畳信号)を示す模式図である。 第3実施形態の無線通信システムにおける送信装置300の構成を示す概略ブロック図である。 第4実施形態の無線通信システムの送信装置400−1〜400−Nの構成を示す概略ブロック図、及びそれぞれが送信する信号の周波数帯域における配置の一例を示した図である。 周波数帯域を共用する無線通信システムの組み合わせの一例として、周波数チャンネルが異なる2つの無線LANシステム全体を示す概念図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、重畳伝送について説明する図である。図1(a)に示すように、複数の信号を伝送する場合、従来のスペクトル配置では、それら各信号が伝送に使用する周波数帯域間にガードバンドを設けていた。一方、図1(b)に示すように重畳伝送では、隣り合うスペクトルの一部の周波数帯域を部分的にオーバーラップ(重畳)させて送信する。このように、複数の信号が部分的に周波数資源を共有するため、従来のスペクトル配置を用いた場合において複数の信号を伝送するために必要であった帯域fallよりも、重畳伝送を用いた場合に複数の信号を伝送するために必要な帯域f’allのほうが小さくなり、周波数利用効率を向上させることが可能となる。なお、1信号のデータ伝送に使用する周波数帯域aに対する干渉帯域bの割合を重畳率(=b/a)という。
図2は、本願発明の各実施形態における無線通信システムの受信装置が行う信号受信処理の概要を示す図である。
本実施形態の受信装置は、複数の送信信号R1〜Rn(n≧2、nは整数)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、受信装置が受信した重畳信号には、5つの送信信号R1〜R5それぞれが部分的にオーバーラップされているものとし、使用する周波数帯域の中心周波数が低い信号から順に送信信号R1、R2、R3、R4、R5とする。これらの送信信号R1〜R5は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)などのマルチキャリア信号であり、誤り訂正機構としてFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)符号を用いている。本実施形態では、重畳されている信号が、マルチキャリア信号である場合について説明する。
以下、送信信号Ri(1≦i≦n、iは整数)が使用する周波数帯域をfiと記載する。
また、重畳信号に重畳されている信号のうち、最も中心周波数が低い信号、又は、最も中心周波数が高い信号に使用されている周波数帯域を外側帯と記載する。例えば、図2に示す処理対象信号A1の場合、送信信号R1、R5の周波数帯域f1、f5が外側帯である。外側帯の信号は、他の1つの信号とのみ周波数帯域が重畳されており、外側帯以外の信号は、他の2つの信号と周波数帯域が重畳されている。
図2に示すように、本実施形態の受信装置は、まず、受信した重畳信号である処理対象信号A1から、外側帯の信号の1つである送信信号R1の復調及び復号を行う。この復調及び復号(以下、「復調復号」とも記載)においては、FEC尤度マスク処理を行った後にFEC復号を行うが、FEC尤度マスク処理(以下、単に「FEC尤度マスク」とも記載)の詳細については後述する図3において説明する。受信装置は、送信信号R1を復号すると、復号により得られたビットストリームから送信信号R1のレプリカ信号R1’を生成し、この生成したレプリカ信号R1’を処理対象信号A1から除去する。この結果、送信信号R2〜R5を重畳した処理対象信号A2が生成される。
続いて、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号により、処理対象信号A2から外側帯の信号の1つである送信信号R2の復調復号を行う。受信装置は、送信信号R2を復号すると、復号により得られたビットストリームから送信信号R2のレプリカ信号R2’を生成し、この生成したレプリカ信号R2’を処理対象信号A2から除去する。この結果、送信信号R3〜R5を重畳した処理対象信号A3が生成される。
上記を繰り返すことによって、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号により送信信号R3、R4の復調復号を行い、レプリカ信号R3’、R4’を除去して送信信号R5のみからなる処理対象信号A5を得る。処理対象信号A5が得られると、受信装置は、FEC尤度マスクを行わずに、通常のFEC復号のみを行い送信信号R5の復調復号を行う。
つまり、受信装置は、i=1、2、…、(n−1)について、送信信号Ri〜送信信号Rnが重畳された処理対象信号AiからFEC尤度マスク及びFEC復号により送信信号Riの復調復号を行い、得られたビットストリームから送信信号Riのレプリカ信号Ri’を生成し、処理対象信号Aiからレプリカ信号Ri’を除去して処理対象信号A(i+1)を生成することを繰り返す。最後に得られた処理対象信号Anは、送信信号Rnのみを含むため、通常の復調復号を行う。
このように、本実施形態の受信装置は、重畳伝送方式により送信された信号を受信すると、尤度マスクによって干渉抑圧して外側帯の信号のFEC復号を行い、その復調復号された信号より生成したレプリカ信号を用いて、重畳された信号の干渉を除去しながら重畳信号の逐次復調復号を行う。
なお、上記においては、送信信号R1、R2、…、Rnの順に復調復号を行っているが、常に重畳信号の外側帯の信号の復調復号を行うようにすることで、その順序は任意としてよい。例えば、送信信号Rn、R(n−1)、…、R1の順、R1、Rn、R2、R(n−1)、R3、R(n−2)、…の順、R1、R2、…、Rp、Rn、R(n−1)、…、R(p+1)の順(1<p<n、pは整数)などの順で復調復号してもよい。但し、復調復号を行う順番は予め 決まっているものとする。
図3は、FEC尤度マスクによる復調復号を説明する図である。
同図においては、復調復号対象の送信信号Riの一部が他の送信信号R(i+1)と重畳されている場合を示しており、送信信号R(i+1)はさらに他の信号と重畳されうる。受信装置は、送信装置において送信信号Riに用いられた符号化方法に応じて復調を行うが、ここでは、軟判定正負多値の符号化方法である場合を例に説明する。この軟判定正負多値の符号化方法における復号処理では、受信信号の復調値が正負の多値出力であり、絶対値の大きさを信頼度(尤もらしさを表す値、尤度)として負の値を値「+1」、正の値を値「−1」と判定する復号処理を行う。
図3(a)は、受信装置が、送信信号Riの使用する周波数帯域fiについて重畳信号の復調を行った結果の例を示す図であり、復調により、周波数帯域fiに含まれる各サブキャリアの正負多値出力の復調値が得られたことを示す。同図において、最も「−1」であることへの信頼度が高いのは、最大の正値「+27.02」のサブキャリアである。一方、最も「+1」であることへの信頼度が高いのは、最小の負値「−26.34」のサブキャリアである。なお、「+1」と「−1」とのいずれであるか、最もあいまいである(信頼度が低い)のは、絶対値が最も小さい値、すなわち、復調値が0のサブキャリアである。
図3(b)は、周波数帯域fiに用いられる重み係数を示す図である。重み係数は、周波数帯域fiに含まれる各サブキャリアに対応し、非重畳帯域のサブキャリアについては復調値をそのまま使用し、重畳帯域のサブキャリアについては、当該復調値の信頼度を下げるために復調値を0にする、あるいは、0に近づけるための係数である。つまり、非重畳帯域の各サブキャリアの重み係数は「1」、重畳帯域の各サブキャリアの重み係数は「k」(0≦k<1)である。同図においては、重畳帯域のサブキャリアの復調値を0にする例を示している。すなわち、復号に用いる際の信号の重み付けを行っている。
図3(c)は、重み付け係数と、正負多値復調値とをサブキャリアごとに重み付け演算した結果得られた尤度データ列を示す図である。これは、図3(a)に示す正負多値復調値と、図3(b)に示す重み係数とを対応するサブキャリアごとに乗算して得られる。つまり、非重畳帯域のサブキャリアについては、復調値と重み係数「1」とを乗算した値、重畳帯域のサブキャリアについては、復調値と重み係数「k」(0≦k<1)とを乗算した値として重み付け演算後の尤度データ列を得る。例えば、同図においては、重畳帯域のサブキャリアであるサブキャリアSC1について、復調値「−25.32」と重み係数「0」とを乗算し、その乗算結果「0」を重み付け演算後の復調値として得ている。重畳帯域の他のサブキャリアも同様に、重み付け演算後の復調値は「0」である。従って、図3(c)に示すように、重畳帯域のサブキャリアに対応する重み付け演算後の尤度データの値は信頼度が最も低い値「0」となり、非重畳帯域のサブキャリアの復調値は変化しない。
このように、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」、又は、「0に近い値」に変換させる重み付け演算処理を行うことにより、重畳帯域のサブキャリアの復調値の信頼度を低減させることが可能になる。
受信装置は、重み付け演算により得られた尤度データ列に基づき、FEC復号処理を行う。このFEC復号は、送信信号Riを送信した送信装置において適用されたFEC符号化方法に対応する。適用が可能な誤り訂正用のFEC符号化方法としては、例えば、畳み込み符号(Convolutional coding)による方法や、繰り返し復号とターボ符号とを組み合わせた方法などに応じた方法がある。
上記のように、受信装置が、サブキャリアごとの受信信号の信頼度に応じて復調値に重み付け演算を行い、信頼度の低い重畳帯域のサブキャリアをマスクし、信頼度の高いサブキャリアの復調値を用いて受信信号を復号することにより、受信誤り訂正能力を向上させることが可能になる。
なお、上記においては軟判定正負多値を例に説明したが、正数多値出力を用いてもよい。軟判定出力型においては、正数多値出力の復調値が0に近いほどビット値を「−1」として復号し、復調値が最大値に近いほどビット値を「1」として復号する。従って、重み係数として、重畳帯域のサブキャリアの復調値を、出力候補値の中央値(例えば、出力候補値が0〜7であれば、その中央値の3又は4)に置換する重み係数を用いることができる。
また、硬判定出力型を用いてもよい。例えば、硬判定出力型が「−1」と「+1」との二値出力型の場合、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」に置換する重み係数を用いることができる。
図4は、第1実施形態の無線通信システムの送信装置100の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、送信装置100は、N個の送信信号R1〜Rnを送信する場合について説明する。
同図において、送信装置100は、シリアル・パラレル変換器(S/P変換器)120と、N個の送信部130−1〜130−N(Nは、n=Nかつ2以上の自然数)と、合成器191とを備える。シリアル・パラレル変換器120は、送信すべき情報を表す入力ビットストリームに対してシリアル・パラレル変換してN個のビットストリームに分割し、分割したビットストリームを送信部130−1〜130−Nそれぞれに出力する。送信部130−1〜130−Nは、それぞれシリアル・パラレル変換器120から入力されたビットストリームに応じた送信信号R1〜RNを生成して合成器191に出力する。合成器191は、送信部130−1〜130−Nそれぞれから入力された送信信号R1〜RNを加算による合成により重畳信号を生成し、生成した重畳信号をアンテナを介して受信装置に送信する。
送信部130−1〜130−Nは、それぞれ同じ構成を有しているので、送信部130−1について説明をし、送信部130−2〜130−Nについてその説明を省略する。
送信部130−1は、符号化器140と、変調器150と、周波数変換器170とを有している。符号化器140は、シリアル・パラレル変換器120から入力されたビットストリームに対して、予め定められた誤り訂正符号化を行い、誤り訂正符号化をしたビットストリームを変調器150に出力する。変調器150は、予め定められた変調方式で、符号化器140から入力された誤り訂正符号化されたビットストリームを用いてサブキャリアを変調した信号を周波数変換器170に出力する。周波数変換器170は、変調器150で変調された信号を周波数変換して予め定められた搬送波周波数の帯域の送信信号R1(無線信号)を出力する。
なお、符号化器140で用いられる予め定められた誤り訂正符号には、例えば、リード・ソロモン符号、ターボ符号、低密度パリティ検査符号などである。また、変調器150で用いられる予め定められた変調方式には、BPSK(Binary phase-shift keying;2位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature amplitude modulation;16値直交振幅変調)などである。また、予め定められた搬送波周波数は、それぞれ周波数変換器170ごとに異なり、各周波数変換器170から出力される送信信号R1〜RNの周波数帯域が、隣接する信号の周波数帯域と重畳されるように定められた周波数である。
例えば、送信信号は、図2に示すように、搬送波周波数が隣接する他の送信信号と、周波数帯域の両側が重畳される。このとき、送信信号は、それぞれ伝送品質や、入力されるビットストリームに対して要求される通信品質(Quality of Service;QoS)に応じて定められる。
図5は、第1実施形態の無線通信システムにおける受信装置500の構成を示す概略ブロック図である。
同図に示すように、受信装置500は、復号回数カウンタ510、スイッチ515、減算器520、遅延器525、処理帯域決定器530、ローカル信号発生器535、ミキサ540、バンドパスフィルタ545、伝送路推定器550、復調器555、重み係数生成器560、第1重み演算器565、復号器570、データバッファ575、レプリカ生成器580、データ抽出・並替器590を備えて構成される。
復号回数カウンタ510は、送信装置100から新たな重畳信号を受信してから復号を行った回数を1から順にカウントし、そのカウントした値を記憶する。スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値に従って、減算器520の接続元を受信信号側、あるいは、遅延器525側のいずれかに切り替える。具体的には、スイッチ515は、復号回数が初期値である場合、外部から入力される受信信号を選択して出力し、初期値よりも大きい場合、遅延器525から出力される信号を選択して出力する。
減算器520は、受信した重畳信号、あるいは、遅延器525に記憶されている処理対象信号から、レプリカ信号を除去して新たな処理対象信号を生成する。ここで、レプリカ信号は、復号した信号に基づいてレプリカ生成部580において生成される。但し、新たな重畳信号を受信してから最初の処理の場合、レプリカ信号が生成されていないため、レプリカ信号の初期値は0である。遅延器525は、減算器520から出力された処理対象信号を記憶し、時間的遅延を付加する。
処理帯域決定器530は、復号回数カウンタ510の値に基づいて復調復号対象信号の周波数帯域幅と中心周波数を決定し、決定した中心周波数のローカル信号の生成をローカル信号発生器535に指示するとともに、決定した中心周波数及び周波数帯域幅をバンドパスフィルタ545に出力し、復調復号対象の周波数成分以外を除去するよう指示する。
なお、処理周波数決定機530は、復号回数カウンタ510の値と、復調復号対象信号の中心周波数と帯域周波数幅とが記憶されているテーブルを有しており、復号カウンタ510からカウンタ値を読み出して、復調復号対象の送信周波数と帯域幅とを読み出してローカル信号発生器535に出力する。
また、処理帯域決定器530は、復号回数と周波数帯域の対応付けをデータ抽出・並替器590に出力する。
ローカル信号発生器535は、処理帯域決定器530により指示された中心周波数のローカル信号を発生させる。ミキサ540は、減算器520から出力された処理対象信号を、ローカル信号発生器535により発生させたローカル信号によりダウンコンバートする。バンドパスフィルタ545は、ミキサ540によりダウンコンバートされた処理対象信号から、処理帯域決定器530により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去し、復調復号対象の周波数帯域の信号のみを抽出する。伝送路推定器550は、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号に含まれるパイロット信号などから伝送路特性を推定する。復調器555は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象信号を復調して尤度を算出する。
重み係数生成器560は、復号回数カウンタ510の値に基づいた復調復号対象の周波数帯域について、復調器555による復調で得られた尤度を、非重畳帯域についてはそのまま使用し、重畳帯域については信頼度を低下させるような重み係数を生成する。第1重み演算器565は、復調器555による復調で得られた尤度に、重み係数生成器560により生成された重み係数を乗算した結果、つまり、尤度マスクされた尤度データ列を復号器570に出力する。復号器570は、第1重み演算器565により尤度マスクされた尤度データ列に基づき、誤り訂正処理及び復号処理を行い、ビットストリームを得る。
データバッファ575は、復号器570により復号されたビットストリームを記憶する。データ抽出・並替器590は、処理帯域決定器530から受信した復号回数と周波数帯域との対応付けを示す情報に基づいて、データバッファ575に記憶されているビットストリームから所望信号のビットストリームを抽出するか、あるいは、データバッファ575に記憶されているビットストリームの順序を並べ替えて正しいビットストリームを生成し、出力する。ここで、データ抽出・並替器590が行うビットストリームの順序の並び替えは、送信装置100のシリアル・パラレル変換器120に入力される入力ビットストリーム列の順序を復元する並び替えである。
レプリカ生成器580は、再符号化器582、再変調器584、及び、第2重み演算器586からなり、復号器570により得られたビットストリームからレプリカ信号を生成する。
再符号化器582は、復号器570により復号されたビットストリームに、当該ビットストリームを送信した送信装置100において用いられた符号化と同じ符号化を行う。すなわち、再符号化器582は、符号化器140(図4)と同じ符号化を行う。
再変調器584は、再符号化器582が符号化した信号を用いて、当該ビットストリームを送信した送信装置100において用いられた変調方式と同じ変調方式で変調を行う。
すなわち、再変調器584は、変調器150(図4)と同じ変調方式を用いて変調を行う。
第2重み演算器586は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性の推定値を再変調器584が変調した信号に乗算し、送信装置100が送信した信号を自受信装置において受信したときの推定信号であるレプリカ信号を生成する。
続いて、本実施形態の送信装置100及び受信装置500の動作について説明する。
送信装置100は、シリアル・パラレル変換器120が、入力されたビットストリームをN個のビットストリームに分割するシリアル・パラレル変換を行い、変換により得られたN個のビットストリームそれぞれを異なる送信部130−1〜130−Nに出力する。
送信部130−1〜130−Nにおいて、入力されたビットストリームに対して符号化器140及び変調器150により、誤り訂正符号化と変調とが行われてベースバンド信号が生成される。この生成されたベースバンド信号が周波数変換器170に入力され、周波数変換器170で予め定められた搬送波周波数に周波数変換(アップコンバート)が行われて送信信号Ri(iは、1≦i≦n=Nの自然数)として出力される。合成器191は、各送信部130−1〜130−Nから出力される送信信号R1、R2、…、RNを合成により重畳を行った重畳信号を生成し、生成した重畳信号をアンテナから受信装置500に送信する。
受信装置500は、送信信号R1、R2、…、Rnが重畳された重畳信号を送信装置100から受信し、送信信号R1、R2、…、Rnの順に復調復号を行うものとする。また、受信装置500は、送信装置100からビットストリームを受信する前に、希望波がないタイミングや、希望波がないサブキャリアの周波数帯域において、送信信号R1〜Rnの使用周波数帯域f1〜fn、中心周波数、重畳帯域などを予め測定、検出、あるいは定められているものとする。すなわち、受信装置500は、送信装置100の送信部130−1〜130−Nそれぞれが有する周波数変換器170それぞれの使用周波数帯域f1〜fn、搬送波の中心周波数、及び隣り合う信号との重畳帯域などを重畳伝送による伝送を行う前に予め測定、検出、あるいは、予め定められているものとする。
あるいは、これらの情報を送信装置100との間で送受信される制御情報から取得してもよく、これらの情報を予め図示しない入力手段により取得したり、記録媒体から読み取ったりしてもよい。
(処理1−1):受信装置500は、送信信号R1〜Rnが重畳された信号を受信する。
(処理1−2):スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値が初期値であるため、減算器520の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理1−3):減算器520は、受信した重畳信号からレプリカ信号を除去して処理対象信号A1を生成する。但し、重畳信号を受信してから最初の処理のため、レプリカ信号は0であり、受信した重畳信号がそのまま処理対象信号A1となる。処理対象信号A1は遅延器525に記憶されるとともに、ミキサ540に出力される。
(処理1−4):処理帯域決定器530は、復号回数と、復調復号対象信号の周波数帯域との対応付けを予め記憶しており、復号回数カウンタ510の値「1」に基づいて、復調復号対象が送信信号R1の周波数帯域f1であることを判断すると、周波数帯域f1の中心周波数とその周波数帯域幅を得る。処理帯域決定器530は、ローカル信号発生器535に周波数帯域f1の中心周波数のローカル信号の生成を指示するともに、バンドパスフィルタ545に周波数帯域f1の中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去するよう指示する。
(処理1−5):ローカル信号発生器535は、処理帯域決定器530により指示された中心周波数のローカル信号を発生させ、ミキサ540は、処理対象信号A1を、ローカル信号発生器535が発生させたローカル信号によりダウンコンバートする。
(処理1−6):バンドパスフィルタ545は、ミキサ540によりダウンコンバートされた処理対象信号A1から、処理帯域決定器530により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去して周波数帯域f1の信号を抽出すると、抽出した信号を復調復号対象の信号として出力する。
(処理1−7):伝送路推定器550は、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号から伝送路特性を推定する。この伝送路特性の推定は、復調復号対象の信号に含まれるパイロット信号などに基づいて行われる。
(処理1−8):復調器555は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度(復調値)を算出する。
(処理1−9):重み係数生成器560は、復調復号対象信号の周波数帯域及び重畳帯域を示す重畳帯域情報と、復号回数との対応付けを予め記憶しており、復号回数カウンタ510の値「1」に基づいて、送信信号R1の周波数帯域f1と、送信信号R1及び送信信号R2が重畳されている重畳帯域との情報を得ると、周波数帯域f1に含まれる送信信号R1のサブキャリアごとの重み係数を生成する。つまり、周波数帯域f1から重畳帯域を除いた非重畳帯域内のサブキャリアについては重み係数を「1」とし、重畳帯域内のサブキャリアについては係数を「k」(0≦k<1)とした重み係数の列を生成する。
(処理1−10):第1重み演算器565は、復調器555による復調で得られた尤度に、重み係数生成器560により生成された重み係数を乗算した結果算出された尤度データ列を復号器570に出力する。復号器570は、第1重み演算器565により尤度マスクされた尤度データ列に基づき誤り訂正復号処理を行い、ビットストリームを得ると、データバッファ575に得られたビットストリームを書き込む。例えば、ビットストリームは、復号カウンタ値と対応付けて書き込んでもよく、復号カウンタ値に応じた記憶領域に書き込んでもよい。
(処理1−11):レプリカ生成器580は、復号器570により得られたビットストリームからレプリカ信号R1’を生成する。つまり、再符号化器582は、復号器570により復号されたビットストリームに、符号化器140と同様の符号化を行い、再変調器584は、再符号化器582が符号化した信号に、変調器150と同様の変調を行う。第2重み演算器586は、伝送路推定器550により推定された送信信号R1の送信装置100との間の伝送路特性の推定値を、再変調器584が変調した信号に乗算してレプリカ信号R1’を生成する。レプリカ信号R1’が生成されると、復号回数カウンタ510の値に1が加算される。
(処理1−12):スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値が2であるため、減算器520の接続元を遅延器525側に切り替える。減算器520は、遅延器525に記憶されている処理対象信号A1から、レプリカ生成器580により生成されたレプリカ信号R1’を除去し、処理対象信号A2を生成する。処理対象信号A2は遅延器525に記憶されるとともに、ミキサ540に出力される。
(処理1−13):以降は、カウンタ値「1」をカウンタ値「i」、処理対象信号A1を処理対象信号Ai、処理対象信号A2を処理対象信号A(i+1)、送信信号R1を送信信号Ri、送信信号R2を送信信号R(i+1)、周波数帯域f1を周波数帯域fi、レプリカ信号R1’をレプリカ信号Ri’と読み替えて、(処理1−4)〜(処理1−12)の処理を、iが2、3、…、(n−1)の場合について行う。
(処理1−14):iがnの場合について、(処理1−4)〜(処理1−10)の処理を行う。なお、(処理1−9)においては、重畳帯域がないため、重み係数生成器560は係数がすべて1の重み係数を生成することになる。
(処理1−15):(処理1−14)によって、データバッファ575に復号されたビットストリームが書き込まれると、データ抽出・並替器590は、処理帯域決定器530から入力された復号回数と周波数帯域との対応付けを示すデータに基づいて、データバッファ575に記憶されているビットストリームの順序を、送信信号R1、R2、…、Rnから得られたビットストリームの順に並べ替えて出力する。上記のように、送信信号R1、R2、…、Rnの順で復調復号を行った場合はビットストリームが得られた順にデータを並べることにより元のデータが得られるが、それ以外の順序、例えば、送信信号R1、Rn、R2、R(n−1)、…のような順番で復号を行った場合は入れ替えが必要となる。
上記のように、受信装置500において、受信した重畳信号の外側帯の送信信号Ri(1≦i≦n)から順に復調復号し、復調復号及び伝送路推定によるレプリカ信号の生成と、重畳信号からレプリカ信号の除去を繰り返して行うことにより、重畳信号に含まれる送信信号R1、…、Rnを復調復号することができる。
周波数帯域幅が同じ幅のn個の送信信号R1〜Rnを、ガードバンドを設けずに重畳しないで送信した場合の占有周波数帯域幅をfallとした場合、つまり、各送信信号R1〜Rnの周波数帯域幅をfall/Nとし、干渉抑圧処理により復号可能な限界(最大)の重畳率をαとした場合に、重畳信号が占有する周波数帯域幅は、以下のようになる。
FEC尤度マスクのみを用いて復調復号したとき、N個の送信信号R1〜Rnを送信するために必要な占有周波数帯域幅は、[{1−(α/2)}+α/2N]fallとなる(但し、Nは3以上)。
つまり、重畳率=重畳帯域幅/占有周波数帯域幅と表せることから、1つの信号における重畳帯域の帯域幅は最大でα×fall/Nとなる。ここで、送信信号R2〜R(n−1)に注目すると、重畳帯域は高周波数側と低周波数側にあるため、高周波数側、低周波数側それぞれの重畳帯域はα×fall/2Nとなり、非重畳帯域は(1/N−α/N)×fallとなる。外側帯の送信信号R1、Rnの場合、高周波数側、低周波数側のいずれかにのみ重畳帯域があるため、非重畳帯域は(1/N−α/2N)×fallとなる。
外側帯の信号の数は2個、外側帯以外の信号の数は(N−2)個、重畳帯域の数(N−1)個であるため、FEC尤度マスクを用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
(外側帯の非重畳帯域の帯域幅)×(外側帯の信号数)+(外側帯以外の非重畳帯域の帯域幅)×(外側帯を除いた信号数)+(重畳帯域の帯域幅)×(重畳帯域の数)
=(1/N−α/2N)×fall×2+(1/N−α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/2N)×(N−1)
={(1−α/2)+α/2N)}fall
一方、本実施形態を用いる場合、占有周波数帯域幅は、{(1−α)+α/N)}fallとなる。これは、以下による。
本実施の形態では、受信した重畳信号の外側帯から順に信号を復調復号し、レプリカ信号をまだ復調復号を行っていない重畳信号から減算する。例えば、送信信号R1、R2、…の順に復調復号を行うことを考えると、送信信号R1の重畳帯域幅は、送信信号R1と送信信号R2がオーバーラップする帯域幅である。続いて送信信号R1が復調復号され、送信信号R1のレプリカ信号が除去されると、次の復調復号対象の送信信号R2の重畳帯域幅は、送信信号R2と送信信号R3がオーバーラップする帯域のみとなる。送信信号R3以降も同様に考えられるため、送信信号R1と送信信号R2、送信信号R2と送信信号R3、…、送信信号R(n−1)と送信信号Rnがオーバーラップする帯域幅をそれぞれα×fall/Nとすることができる。
このように、外側帯以外の送信信号R2〜R(n−1)の場合、重畳帯域が高周波数側と低周波数側にあるが、上記のように一方の重畳帯域はレプリカ信号の除去により非重畳帯域として復調復号が可能となるため、高周波数側と低周波数側にそれぞれ(1/N−α/N)×fallの重畳帯域を設けることができる。よって、送信信号R2〜R(n−1)の非重畳帯域は、(1/N−2α/N)×fallとなる。また、外側帯の送信信号R1、Rnの非重畳帯域は(1/N−α/N)×fallとなる。
従って、本実施形態を用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
(外側帯の非重畳帯域の帯域幅)×(外側帯の信号数)+(外側帯以外の非重畳帯域の帯域幅)×(外側帯を除いた信号数)+(重畳帯域の帯域幅)×(重畳帯域の数)
=(1/N−α/N)×fall×2+(1/N−2α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/N)×(N−1)
={(1−α)+α/N)}fall
上記のように、受信側において干渉抑圧処理を用いて達成可能な最大の重畳率をαとするとき、本実施の形態を用いることにより、外側帯以外の信号についてはαを越える重畳率が許容され得る。従って、従来技術と比較して、伝送信号全体の占有周波数帯域幅を圧縮できるため、周波数利用効率を向上させることが可能である。
本実施形態における重畳伝送方式により送信された信号に対する逐次復調復号では、外側帯の内側に配置された信号を復調復号するために、レプリカ信号を生成して干渉を除去しながら復調復号を繰り返して行うので、逐次復調復号の初期の復調復号で訂正が不可能な誤りが生じると、誤りが後続の復調復号に伝播するので、重畳されたすべての信号を正しく復調復号することができなくなってしまう。
そこで、以下の実施形態では、重畳伝送方式の逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることのできる送信装置について説明する。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の無線通信システムにおける送信装置200の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、送信装置200は、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態の無線通信システムにおける受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるのでその説明を省略する。
同図に示すように、送信装置200は、無線リソース制御部210と、可変シリアル・パラレル変換器220と、N個の中間信号生成部230−1〜230−Nと、周波数変換器280と、合成器290を備えている。
無線リソース制御部210は、N個の送信信号R1〜Rnを受信する受信装置が送信信号R1〜Rnを逐次復調復号する順序に応じて、送信信号R1〜Rnそれぞれの送信エネルギーの制御を行う。具体的には、逐次復調復号される順序に応じて、逐次復調復号される順番が早い信号に送信電力を多く割り当てる。この送信電力の制御は、入力ビットストリームを送信する際の送信電力及びMCS(Modulation and Coding Scheme;変調・符号化方式)レベルの設定により行われ、MCS(符号化率と変調方式)、平均送信電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比(=(非重畳帯域の送信電力)/(重畳帯域の送信電力))をパラメータとして設定される。
例えば、符号化率を低くすると、1ビットの情報が符号化率の逆数に応じて冗長ビットが付加されて送信されるので、当該情報の送信のために要する送信電力が増加する。また、変調方式を64QAM(16 Quadrature amplitude modulation;16値直交振幅変調)からQPSK(quadrature phase shift keying;4位相偏移変調)にすると送信する1シンボルあたりのビット数が減り、1ビットあたりの送信電力が増加する。また、送信電力の増加に応じて1ビットの情報あたりの送信電力は、増加する。
ここで、制御信号は、符号化率、変調方式、平均送信電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比を含む信号である。そして、無線リソース制御部210は、制御信号を中間信号生成部230−1〜230−Nそれぞれに出力することで、受信装置において送信信号R1〜Rnそれぞれが復調復号される順序に応じて順序に応じて電力比を比較することで、送信信号R1〜Rnの送信電力を制御する。
可変シリアル・パラレル変換器220は、送信すべき入力ビットストリームが入力され、入力された入力ビットストリームをN個のビットストリームに分割して中間信号生成部230−1〜230−Nに出力する。
中間信号生成部230−1〜230−Nは、同じ構成を有しているので、中間信号生成部230−1の構成を説明し、中間信号生成部230−2〜230−Nの説明を省略する。中間信号生成部230−1は、符号化器240と、変調器250と、重み演算器260と、周波数変換器270とを有している。
符号化器240は、無線リソース制御部210から入力される制御信号で示される符号化率で、可変シリアル・パラレル変換器220から入力されるビットストリームを誤り訂正符号化して出力する。変調器250は、無線リソース制御部210から入力される制御信号で示される変調方式で、符号化器240により誤り訂正符号化されたビットストリームを用いてサブキャリアを変調し、変調により得られたベースバンド信号を重み演算器260に出力する。
重み演算器260は、無線リソース制御部210から入力される制御信号に含まれる平均送信電力値及び電力比に基づいて、変調器250から入力されるベースバンド信号のうち、当該ベースバンド信号より後に逐次復調復号されるベースバンド信号と重畳される周波数帯域の信号と、それ以外の周波数帯域の信号とに対して異なる増幅率で増幅する。具体的には、重み演算器260は、入力されるベースバンド信号より後に逐次復調復号されるベースバンド信号と重畳される周波数帯域の信号に対して、当該信号の平均電力値が
「(制御信号に含まれる平均送信電力値)×(制御信号に含まれる重畳帯域と非重畳帯域との電力比)」となるように増幅する。一方、それ以外の周波数帯域の信号に対して、当該信号の平均電力値が、制御信号に含まれる平均送信電力値となるように増幅する。
周波数変換器270は、重み演算器260が増幅したベースバンド信号を周波数変換して予め定められた中間周波数(Intermediate Frequency;IF)の帯域の中間信号を出力する。
なお、符号化器240で用いられる誤り訂正符号は、第1実施形態の符号化器140と同様である。また、変調器250で用いられる変調方式は、第1実施形態の変調器150と同様である。また、周波数変換器270で用いる中間周波数は、各中間信号生成部230−1〜230−Nごとに異なり、周波数領域においてそれぞれから出力される中間信号が隣接する中間信号と重畳するように定められる。但し、中間周波数は、隣接する中間信号の重畳する帯域幅が、互いの限界の重畳率を超えないように中間信号生成部230−1〜230−Nが出力する中間信号の帯域幅に基づいて定められる。
合成器290は、中間信号生成部230−1〜230−Nそれぞれから出力される中間信号すべてを合成して周波数変換器280に出力する。周波数変換器280は、合成器290で合成された中間信号を予め定められた搬送波周波数の帯域の送信信号に周波数変換をして、変換により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。
上記の構成により、無線リソース制御部210は、中間信号生成部230−1〜230−N対して個別に制御信号を出力してそれぞれが有する、符号化器240、変調器250、及び重み演算器260を制御する。これにより、無線リソース制御部210は、N個に分割されたビットストリームそれぞれに対する、符号化率と、変調方式と、重畳周波数帯域及び非重畳帯域の電力比と、平均送信電力とをパラメータとして重畳信号に含まれる送信信号R1〜Rnそれぞれの送信電力を制御する。
図7は、本実施形態の送信装置200が送信する送信信号(重畳信号)を示す模式図である。横軸は周波数を示し、縦軸は重畳信号に含まれる各信号の電力値を示す。ここでは、重畳信号は、送信信号R1〜R5が含まれる場合について説明する(N=5)。
図7(a)は、重畳信号を受信する受信装置が、最外側から内側に向けて復調復号した信号を足がかりにして干渉を抑圧しながら重畳信号から各送信信号R1〜R5を逐次復調復号する場合(例えば、送信信号R1、R5、R2、R4、R3の順で復調復号する場合)の送信信号を示す図である。このとき、無線リソース制御部210は、中間信号生成部230−1〜230−Nの重み演算器260に出力する制御信号に含まれる平均電力値を用いて、送信信号R3より周波数帯域の端に近い位置に配置される送信信号R2及び送信信号R4に送信信号R3より送信電力を多く割り当て、送信信号R2及び送信信号R4より周波数帯域の端に近い送信信号R1及び送信信号R5に信号2及び送信信号R3より送信電力を多く割り当てる。
例えば、(MCS,平均送信電力値)の組み合わせを、送信信号R1に対して(64QAM1/2,+4dB)とし、送信信号R2に対して(64QAM1/2,−2dB)とし、送信信号R3に対して(64QAM1/2,−4dB)、送信信号R4に対して(64QAM1/2,−2dB)とし、送信信号R5に対して(64QAM1/2,+4dB)とする。なお、重畳帯域と非重畳帯域との電力比は、「1.0」としている。
これにより、受信装置において重畳信号から送信信号R1〜R5それぞれを復調復号する際に、逐次復調復号される順番の早い信号ほど受信電力値を高くすることができ、送信信号R1、R5の復調復号において誤りの生じる可能性を低減させることができる。
図7(b)は、重畳信号を受信する受信装置が、周波数の低い側から周波数の高い側に順番(送信信号R1、R2、R3、R4、R5の順番)に逐次復調復号する場合の送信信号を示す図である。このとき、無線リソース制御部210は、中間信号生成部230−1〜230−Nそれぞれの重み演算器260に出力する制御信号に含まれる平均電力値を用いて、送信信号R1〜R5の送信電力値の大小関係が、「送信信号R1>送信信号R2>送信信号R3>送信信号R4>送信信号R5」となるように送信電力を割り当てる。このとき、符号化率、及び変調方式は、それぞれの中間信号生成部230−1〜230−Nにおいて同じにしてもよい。なお、重畳帯域と非重畳帯域との電力比は、「1」としている。
図7(c)は、重畳信号を受信する受信装置が、図7(a)の場合と同様に逐次復調復号を行うとともに、重畳帯域と非重畳帯域との電力比を1より小さい値としている場合の送信信号を示す図である。
これにより、隣接する信号の重畳帯域において、先に復調復号される信号が、後から復調復号される信号より受信強度が小さくなるように重畳帯域のサブキャリアの電力を調整することができる。その結果、逐次復調復号して生成したレプリカ信号に誤りが含まれていたとしても、後に逐次復調復号される信号の受信電力値を高くすることができ、図7(a)の場合に比べ、誤りが伝播する確率をさらに低くすることができる。同図において、具体的には、送信信号R2の周波数帯域のうち送信信号R2より後に逐次復調復号される送信信号R3と重畳される重畳帯域の送信電力が低くなっているので、送信信号R2の逐次復調復号において誤りが生じたとしても、送信信号R2の誤りが送信信号R3の逐次復調復号に伝播する可能性を低減することができる。
無線リソース制御部210は、図7(a)〜(c)に示したように、受信装置において逐次復調復号される順番の早い順に送信電力を多く割り当てる。また、無線リソース制御部210は、受信装置において逐次復調復号される順番の早い順に、干渉耐力の高い信号を割り当てるようにしてもよい。
信号の干渉耐力は、例えば、符号化率・変調方式が64QAM3/4の信号より、QPSK1/2の信号が高い。つまり、伝送するデータあたりの送信電力を高くすると干渉耐力が高くなる。また、より誤り訂正能力が高いFECを用いると干渉耐力が高くなり、例えば、RS(Read-Solomon)符号を適用した信号より、ターボ符号を適用した信号が同じ符号化率で比較した場合に優れた受信特性を有する。
また、無線リソース制御部210は、自送信装置200において最も干渉耐力の高い信号が最初に逐次復調復号され、最も干渉耐力の低い信号が最後に逐次復調復号されるように受信装置の逐次復調復号の順序に応じて各信号の符号化率、変調方式、平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比を定めるようにしてもよい。
例えば、図7(a)に示した順序により逐次復調復号をする場合、次にように各パラメータを定める。(MCS,平均送信電力値,重畳帯域と非重畳帯域との電力比)の組み合わせを、送信信号R1に対して(QPSK3/4,0dB,1.0)とし、送信信号R2に対して(16QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R3に対して(64QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R4に対して(16QAM1/2,0dB,1.0)とし、送信信号R5に対して(QPSK3/4,0dB,1.0)とする。
上記のように、無線リソース制御部210が、受信装置における逐次復調復号の順序に応じて、送信する信号を生成する際のパラメータ(MCS(符号化率と変調方式),平均送信電力値,重畳帯域と非重畳帯域との電力比)を定めるようにした。これにより、逐次復調復号の順序が早い信号を送信する際に用いる送信電力を高くして干渉耐力を高めることができ、逐次復調復号の初期の段階で誤りの発生を抑制することができる。また、誤りの伝播により重畳信号に含まれるすべての信号を正しく復調復号できなくなる可能性を低減することができる。
換言すると、送信するデータのビットあたりの送信電力を高くすることで、逐次復調復号される順番の早い信号の干渉耐力を高めて逐次復調復号の初期の段階における誤りの発生の可能性を低減させることができるとともに、逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることができ、重畳信号に含まれる信号すべての逐次復調復号の精度を向上させることができる。
なお、無線リソース制御部210は、選択した符号化率と変調方式とに応じて中間信号生成部230−1〜230−Nそれぞれが単位時間当たりに送信できるデータ量に応じて、可変シリアル・パラレル変換器220から出力されるN個に分割されたビットストリームそれぞれのデータ量を変更してもよい。具体的には、逐次復調復号の順序が早い信号で伝送するビットストリームのデータ量を、逐次復調復号の順序が遅い信号で伝送するビットストリームのデータ量より少なくする。これにより、符号化率、変調方式の設定により送信できるデータ量が少なくなる場合においても、入力ビットストリームを滞りなく送信することができる。
なお、無線リソース制御部210は、MCS(符号化率と変調方式)、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせと、受信装置における通信品質を表す指標とを対応付けたテーブルを設け、受信装置500における重畳信号に含まれる送信信号R1〜Rnの受信品質を表す指標を受信して、当該受信品質を表す指標に対応する、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせをテーブルから読み出し、読み出した組み合わせにより送信電力を設定するようにしてもよい。
これにより、受信装置500における送信信号R1〜Rnの受信品質に応じた重畳信号の送信をすることができ、送信信号R1〜Rnの受信品質の劣化を防ぐように重畳信号を送信することができる。受信品質を表す指標は、例えば、BER(Bit Error Rate;ビット誤り率)や、送信信号R1〜Rnの受信電力値などである。また、テーブルに記憶されている、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせは、シミュレーションや、実測値に基づいたものであり、予め定められたものである。
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態の無線通信システムにおける送信装置300の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態の無線通信システムにおける受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるのでその説明を省略する。
同図に示すように、送信装置300は、無線リソース制御部310と、可変シリアル・パラレル変換器320と、ベースバンド信号生成部330−1〜330−Nと、OFDM信号生成器370と、周波数変換器380と、合成器390−1〜390−(N−1)とを備えている。
無線リソース制御部310は、第2実施形態の無線リソース制御部210と同じ構成を有しており、自装置が送信する重畳信号に含まれる送信信号R1〜Rnそれぞれの送信電力の制御を行う制御信号をベースバンド信号生成部330−1〜330−Nそれぞれに出力する。可変シリアル・パラレル変換部320は、送信すべき入力ビットストリームが入力され、入力された入力ビットストリームを(N×3)個のビットストリームに分割し、3個のビットストリームをベースバンド信号生成部330−1〜330−Nに出力する。ベースバンド信号生成部330−1〜330−Nそれぞれに入力される3個のビットストリームは、送信信号Ri(1≦i≦n)において、低周波数側に隣接する送信信号R(i−1)との重畳帯域に配置される信号と、非重畳帯域配置される信号と、高周波数側に隣接する送信信号R(i+1)との重畳帯域に配置される信号とそれぞれに対応する。但し、送信信号R1には低周波数側に隣接する信号がなく、送信信号Rnには高周波数側に隣接する信号がないので、2つのビットストリームが非重畳領域に配置され、1個のビットストリームが重畳領域に配置される。
ベースバンド信号生成部330−1〜330−Nは、それぞれ周波数帯域の低いほうから順に送信信号R1〜Rnに対応している。また、ベースバンド信号生成部330−1〜330−Nは、同じ構成を有しているので、ベースバンド信号生成部330−1の構成を説明し、ベースバンド信号生成部330−2〜330−Nの説明を省略する。ベースバンド信号生成部330−1は、符号化器340と、変調器350と、重み演算器360とを有している。
符号化器340は、無線リソース制御部310から入力される制御信号で示される符号化率で、可変シリアル・パラレル変換器320から入力される3つのビットストリームそれぞれを誤り訂正符号化して出力する。変調器350は、無線リソース制御部310から入力される制御信号で表される変調方式で、符号化器340により誤り手製符号化された3つのビットストリームそれぞれを用いてサブキャリアを変調し、変調により得られた3つのベースバンド信号を重み演算器360に出力する。
重み演算器360は、無線リソース制御部310から入力される制御信号に含まれる平均送信電力値及び電力比に基づいて、変調器350から入力される3つのベースバンド信号のうち、当該ベースバンド信号より後に逐次復調復号されるベースバンド信号と加算されるベースバンド信号と、それ以外の2つのベースバンド信号とに対して異なる増幅率で増幅する。具体的には、重み演算器360は、入力されるベースバンド信号より後に逐次復調復号されるベースバンド信号と重畳される周波数帯域のベースバンド信号に対して、当該ベースバンド信号の平均電力値が「(制御信号の示す平均送信電力値)×(制御信号の示す重畳帯域と非重畳帯域との電力比)」となるように増幅する。一方、他の2つのベースバンド信号に対して、当該信号の平均電力値が、制御信号に含まれる平均送信電力値となるように増幅する。
ベースバンド信号生成部330−1の重み演算器360は、低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号と、非重畳帯域のベースバンド信号をOFDM信号生成器370に出力し、高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号を合成器390−1に出力する。ベースバンド信号生成部330−i(2≦i≦N−1)の重み演算器360は、低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号を合成器390−iに出力し、非重畳帯域のベースバンド信号をOFDM信号生成器370に出力し、高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号を合成器390−(i+1)に出力する。ベースバンド信号生成部330−Nは、低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号を合成器390−(N−1)に出力し、非重畳帯域のベースバンド信号と、高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号をOFDM信号生成器370に出力する。
合成器390−1は、ベースバンド信号生成部330−1から出力される高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号と、ベースバンド信号生成部330−2から出力される低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号とを加算により合成してOFDM信号生成器370に出力する。合成器390−i(2≦i≦N−1)は、ベースバンド信号生成部300−iから出力される高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号と、ベースバンド信号生成部330−(i+1)から出力される低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号とを加算により合成したベースバンド信号をOFDM信号生成器370に出力する。合成器390−(N−1)は、ベースバンド信号生成部330−(N−1)から出力される高周波数側の重畳帯域のベースバンド信号と、ベースバンド信号生成部330−Nから出力される低周波数側の重畳帯域のベースバンド信号とを加算により合成したベースバンド信号をOFDM信号生成器370に出力する。
OFDM信号生成器370は、ベースバンド信号生成部330−1〜330−N、及び合成器390−1〜390−(N−1)から入力されたベースバンド信号に対して逆フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform;IFFT)を行い、周波数領域から時間領域の信号に変換して周波数変換器380に出力する。
周波数変換器380は、OFDM信号生成器370から入力された信号の周波数を搬送波帯域の送信信号に変換し、変換により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。
上記のように、FEC尤度マスクと干渉抑圧処理とをOFDM変調を用いる場合、送信装置300は、複数信号系列の加算処理をベースバンド領域で行い、重畳される周波数帯域のサブキャリアのみを互いに加算し、加算したサブキャリアと、非重畳帯域のサブキャリアとをOFDM信号生成器370(逆フーリエ変換器)に入力して送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を生成することができる。これにより、複数のベースバンド信号を中間周波数に変換するために複数の周波数変換器を設けずとも重畳伝送を行うことができ、送信装置の構成を簡略化することができる。
なお、無線リソース制御部310は、MCS(符号化率と変調方式)、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせと、受信装置における通信品質を表す指標とを対応付けたテーブルを設け、受信装置500における重畳信号に含まれる送信信号R1〜Rnの受信品質を表す指標を受信して、当該受信品質を表す指標に対応する、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせをテーブルから読み出し、読み出した組み合わせにより送信電力を設定するようにしてもよい。
これにより、受信装置500における送信信号R1〜Rnの受信品質に応じた重畳信号の送信をすることができ、送信信号R1〜Rnの受信品質の劣化を防ぐように重畳信号を送信することができる。受信品質を表す指標は、例えば、BER(Bit Error Rate;ビット誤り率)や、送信信号R1〜Rnの受信電力値などである。また、テーブルに記憶されている、MCS、送信平均電力値、及び、重畳帯域と非重畳帯域との電力比の組み合わせは、シミュレーションや、実測値に基づいたものであり、予め定められたものである。
[第4実施形態]
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の無線通信システムは、N個の送信装置と、少なくとも1つの受信装置とを具備する。
図9は、第4実施形態の無線通信システムの送信装置400−1〜400−N(N=nは、2以上の自然数)の構成を示す概略ブロック図、及びそれぞれが送信する信号の周波数帯域における配置の一例を示した図である。ここでは、送信装置200は、第1実施形態の送信装置100と同様に、N個の送信信号R1〜Rnを重畳した重畳信号を送信する場合について説明する。また、重畳信号に含まれるN個の送信信号R1〜Rnそれぞれの搬送波の中心周波数及び帯域幅と、隣接する信号との重畳帯域幅とは、予め定められている。また、本実施形態における受信装置は、第1実施形態の受信装置500と同じ構成であるので、構成の説明及び処理の説明を省略する。
同図において、送信装置400−1〜400−Nは、同じ構成を有しており、それぞれが無線リソース制御部410と、符号化器240と、変調器250と、重み演算器260と、周波数変換器470とを備えている。なお、第2実施形態の送信装置200と同じ構成には、同一の符号(240、250、260)を付してその説明を省略する。
無線リソース制御部410は、第2実施形態の無線リソース制御部210と同じ構成を有しており、受信装置における受信電力値などの受信品質に応じて、自装置が送信する送信信号Ri(1≦i≦n)の送信電力の制御を行う制御信号を符号化器240、変調器250、及び重み演算器260に出力する。具体的には、無線リソース制御部410は、周波数軸上隣接し重畳される信号の受信電力値と、自装置が送信する信号との受信電力の大小関係と、受信装置が送信信号R1〜Rnを逐次復調復号する順序とに基づいて、符号化率、変調方式、平均送信電力、及び重畳帯域と非重畳帯域との電力比のパラメータを予め定められた時間間隔ごとに設定し、設定したパラメータを含む制御信号を出力する。
周波数変換器470は、重み演算器260から入力されるベースバンド信号を搬送波周波数に周波数変換し、変換により得られた送信信号をアンテナに出力して送信する。各送信装置400−1〜400−Nが送信する信号は、図9に示すように、周波数軸上で隣接する信号の端が重畳するように搬送波の中心周波数と、周波数帯域幅とが予め定められている。
上記の構成により、送信装置400−1〜400−Nは、受信装置における受信品質に応じた送信電力で送信信号R1〜Rnを送信することができるので、受信装置が受信する伝送路上で合成された重畳信号に含まれる送信信号R1〜Rnの受信電力を逐次復調復号される順番が早い順に大きくすることができる。これにより、逐次復調復号される順番の早い信号の干渉耐力を高めて逐次復調復号の初期の段階における誤りの発生の可能性を低減させることができ、重畳信号に含まれる信号すべての逐次復調復号の精度を向上させることができる。
このように、重畳伝送される信号に対してFEC尤度マスク及び干渉抑圧処理を行う無線通信システムにおいても、逐次復調復号において誤りが後続の復調復号に伝播することを低減させることができる。
なお、本発明に記載の増幅部は、重み演算器260及び重み演算気360に対応する。
本願発明は、移動局及び固定局を問わず、無線通信により複数の信号を伝送する通信装置及び通信システムに適用することができる。
100、200、300…送信装置
120…シリアル・パラレル変換器
130−1、130−2、130−3、130−N…送信部
140、240、340…符号化器
150、250、350…変調器
170、270、280、380、470…周波数変換器
191…合成器
210、310、410…無線リソース制御部
220、320…可変シリアル・パラレル変換器
230−1、230−2、230−3、230−N…中間信号生成部
260、360…重み演算器
290…合成器
330−1、330−2、330−3、330−N…ベースバンド信号生成部
370…OFDM信号生成器
390−1、390−2、390−3、390−(N−1)…合成器
400−1、400−2、400−3、400−N…送信装置
500…受信装置
510…復号回数カウンタ
515…スイッチ
520…減算器
525…遅延器
530、530a、…処理帯域決定器
535…ローカル信号発生器
540…ミキサ
545…バンドパスフィルタ
550、550a…伝送路推定器
555、555a…復調器
557…帯域抽出器
560…重み係数生成器
565…第1重み演算器
570…復号器
575…データバッファ
580…レプリカ生成器
582…再符号化器
584…再変調器
586…第2重み演算器
590…データ抽出・並替器

Claims (3)

  1. 周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号から順に復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置であって、
    前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に送信信号の送信電力を高くし、共通の重畳帯域を有する送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い送信信号の該重畳帯域の送信電力を、該送信信号より復号される順序の遅い送信信号の該重畳帯域の送信電力より低くする設定する制御部と、
    前記制御部の設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅部と
    を備えことを特徴とする送信装置。
  2. 送信すべきデータに対して誤り訂正符号化を行う符号化器と、
    前記符号化器により符号化されたデータを変調する変調器と、
    前記変調器が変調したデータを周波数変換して複数の送信信号に変換する周波数変換器と、
    を備え、
    前記制御部が、前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に、前記符号化器における符号化率を低くするか、又は、前記変調器における1シンボルあたりのビット数を少なくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 周波数領域において隣接する送信信号と端が重畳され誤り訂正符号が適用された複数の送信信号を重畳信号として受信し、該重畳信号のうち最も高い周波数又は最も低い周波数帯域の送信信号から順に復調復号するとともに復調復号した送信信号のレプリカ信号を生成して該重畳信号から除去する処理を繰り返して、受信した該重畳信号に含まれる送信信号の復調復号を行う受信装置に前記複数の送信信号を送信する送信装置における送信方法であって、
    前記複数の送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い順に送信信号の送信電力を高くし、共通の重畳帯域を有する送信信号のうち前記受信装置が復号する順序の早い送信信号の該重畳帯域の送信電力を、該送信信号より復号される順序の遅い送信信号の該重畳帯域の送信電力より低くする設定する制御過程と、
    前記制御過程において設定した送信電力に応じて送信信号を増幅する増幅過程と
    を備えことを特徴とする送信方法。
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