JP5520575B2 - 受信装置及び受信方法 - Google Patents
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そこで、周波数利用効率を向上する技術として、複数のアンテナを用いた技術の検討が盛んに行われている。例えば、非特許文献1のMIMO(Multi-Input Multi Output;多入力多出力)アンテナ技術は、複数の送受信アンテナを利用し、散乱環境による複数空間パスの独立性を活用した空間多重を行っている。
また、非特許文献2のアダプティブアレイアンテナ技術は、複数の送信アンテナまたは複数の受信アンテナを用いてアンテナ指向性を制御し、干渉波の波源方向にヌルパターンを向けるなどして、複数ユーザや複数信号が同一周波数帯を利用することが行われている。
また、アンテナ数を増やすことなく、周波数共用化を図ることで周波数利用効率を向上する重畳伝送技術の検討が進められている。
図1は、重畳伝送について説明する図である。図1(a)に示すように、複数の信号を伝送する場合、従来のスペクトル配置では、それら各信号が伝送に使用する周波数帯域間にガードバンドを設けていた。一方、図1(b)に示すように重畳伝送では、隣り合うスペクトルの一部の周波数帯域を部分的にオーバーラップ(重畳)させて送信する。このように、複数の信号によって部分的に周波数資源を共有するため、従来のスペクトル配置を用いた場合に複数の信号を送信するために必要であった帯域fallよりも、重畳伝送を用いた場合に複数の信号を送信するために必要な帯域f’allのほうが小さくなり、周波数利用効率を向上させることが可能となる。なお、1信号のデータ送信に使用する周波数帯域aに対する干渉帯域bの割合を重畳率(=b/a)という。
本実施形態の受信装置は、複数の信号R1〜Rn(n≧2、nは整数)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、受信装置が受信した重畳信号には、5つの信号R1〜R5それぞれが部分的にオーバーラップされているものとし、使用する周波数帯域の中心周波数が低い信号から順に信号R1、R2、R3、R4、R5とする。これらの信号R1〜R5は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)などのマルチキャリア信号であり、誤り符号訂正としてFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)符号を用いている。本実施形態では、重畳されている信号が、マルチキャリア信号である場合について説明する。
また、重畳信号に重畳されている信号のうち、最も中心周波数が低い信号、または、最も中心周波数が高い信号に使用されている周波数帯域を外側帯と記載する。例えば、図2に示す処理対象信号A1の場合、信号R1、R5の周波数帯域f1、f5が外側帯である。外側帯の信号は、他の1つの信号とのみ周波数帯域が重畳されており、外側帯以外の信号は、他の2つの信号と周波数帯域が重畳されている。
上記を繰り返すことによって、受信装置は、FEC尤度マスク及びFEC復号により信号R3、R4の復調復号を行ない、レプリカ信号R3’、R4’を除去して信号R5のみからなる処理対象信号A5を得る。処理対象信号A5が得られると、受信装置は、FEC尤度マスクを行なわずに、通常のFEC復号のみを行ない信号R5の復調復号を行なう。
このように、本実施形態の受信装置は、重畳伝送方式により送信された信号を受信すると、尤度マスクによって干渉抑圧して外側帯の信号のFEC復号を行い、その復調復号された信号を足掛かりにして、干渉を除去しながら重畳信号の逐次復調復号を行なう。
同図においては、復調復号対象の信号Riの一部が他の信号R(i+1)と重畳されている場合を示しており、信号R(i+1)はさらに他の信号と重畳されうる。受信装置は、送信装置において信号Riに用いられた符号化方法に応じて復調を行なうが、ここでは、軟判定正負多値の符号化方法である場合を例に説明する。この軟判定正負多値の符号化方法における復号処理では、受信信号の復調値が正負の多値出力であり、絶対値の大きさを信頼度(尤もらしさを表す値、尤度)として負の値を値「+1」、正の値を値「−1」と判定する復号処理を行う。
このように、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」、または、「0に近い値」に変換させる重み付け演算処理を行うことにより、重畳帯域のサブキャリアの復調値の信頼度を低減させることが可能になる。
上記のように、受信装置が、サブキャリアごとの受信信号の信頼度に応じて復調値に重み付け演算を行い、信頼度の低い重畳帯域のサブキャリアをマスクし、信頼度の高いサブキャリアの復調値を用いて受信信号を復号することにより、受信誤り訂正能力を向上させることが可能になる。
また、硬判定出力型を用いてもよい。例えば、硬判定出力型が「−1」と「+1」との二値出力型の場合、重畳帯域のサブキャリアの復調値を「0」に置換する重み係数を用いることができる。
同図において、受信装置500は、復号回数カウンタ510、スイッチ515、減算器520、遅延器525、処理帯域決定器530、ローカル信号発生器535、ミキサ540、バンドパスフィルタ545、伝送路推定器550、復調器555、重み係数生成器560、第1重み演算器565、復号器570、データバッファ575、レプリカ生成器580、データ抽出・並替器590を備えて構成される。
再符号化器582は、復号器570により復号されたビットストリームに、当該ビットストリームを送信した送信装置(以下、「送信元送信装置」と記載)において用いられた符号化と同様の符号化を行なう。再変調器584は、再符号化器582が符号化した信号に、送信元送信装置において用いられた変調と同様の変調を行なう。第2重み演算器586は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性の推定値を再変調器584が変調した信号に乗算し、送信元送信装置が送信した信号を自受信装置において受信したときの推定信号であるレプリカ信号を生成する。
ここでは、受信装置500は、信号R1、R2、・・・、Rnが重畳された重畳信号を受信し、信号R1、R2、・・・、Rnの順に復調復号を行なうものとする。また、受信装置500は、この受信装置500の置局時に、希望波がないタイミングや、希望波がないサブキャリアの周波数帯域において、信号R1〜Rnの使用周波数帯域f1〜fn、中心周波数、重畳帯域などを測定、検出しているものとする。あるいは、これらの情報を送信装置との間で送受信される制御情報から取得してもよく、これらの情報を予め図示しない入力手段により取得したり、記録媒体から読み取ったりしてもよい。
また、信号R1〜Rnは、1または複数の送信装置におけるn個のシステムそれぞれが生成した信号であり、信号R1〜Rnのうち、一つの信号のみが受信装置500の所望信号であるとする。
(処理1−2):スイッチ515は、復号回数カウンタ510の値が初期値であるため、減算器520の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理1−6):バンドパスフィルタ545は、ミキサ540によりダウンコンバートされた処理対象信号A1から、処理帯域決定器530により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去して周波数帯域f1の信号を抽出すると、抽出した信号を復調復号対象の信号として出力する。
(処理1−8):復調器555は、伝送路推定器550により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ545により抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度を算出する。
(処理1−15):(処理1−14)によって、データバッファ575に復号されたビットストリームが書き込まれると、データ抽出・並替器590は、処理帯域決定器530から受信した復号回数と周波数帯域との対応付けを示すデータに基づいて、所望信号が何回目の復号により得られたかを判断し、その復号回数のときにデータバッファ575に書き込まれたビットストリームを所望信号のビットストリームとして抽出する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、受信装置500の復調器555において、復調復号対象の周波数帯域のみを復調していた。一方、第2の実施形態では、復調器は受信した重畳信号全体の周波数帯域を復調する。以下、第1の実施形態の受信装置500との差分について説明する。
同図において、受信装置500aが、第1の実施形態の受信装置500と異なる点は、ローカル信号発生器535、ミキサ540、及び、バンドパスフィルタ545を設けていない点、処理帯域決定器530、伝送路推定器550、復調器555に代えて処理帯域決定器530a、伝送路推定器550a、復調器555aを備えている点、帯域抽出器557を新たに備えている点である。
ここでは、信号R1〜Rnは、1つシステムが生成した信号であり、受信装置500aは、信号R1〜Rnから得られたビットストリームを一連のデータとして取得する。
(処理2−3):復調器555aは、伝送路推定器550aにより推定された伝送路特性を用いて、減算器520から出力された処理対象信号A1を復調して尤度を算出する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、重畳信号の外側帯の信号から1つずつ順次復調復号しているが、第3の実施形態では、受信装置500において復調復号器に用いられる構成を二対保持し、外側帯に配置された高周波数側と低周波数側の二信号を同時に復調復号してレプリカ減算を行なう。これにより、復号に要する処理時間を削減することができる。
本実施形態の受信装置は、第1の実施形態と同様に信号R1〜Rn(n≧2、nは整数)が重畳された重畳信号を受信する。ここでは、信号R1〜R5は、OFDMなどのマルチキャリア信号であり、誤り符号訂正としてFEC符号を用いている。
受信装置は、処理対象信号B3を得ると、FEC尤度マスクを行なわずに、通常のFEC復号のみを行なって信号R3の復調及び復号を行なう。
同図において、受信装置700は、復号回数カウンタ710、スイッチ715、減算器720、遅延器725、処理帯域決定器730、ローカル信号発生器735−1及び735−2、ミキサ740−1及び740−2、バンドパスフィルタ745−1及び745−2、伝送路推定器750−1及び750−2、復調器755−1及び755−2、重み係数生成器760−1及び760−2、第1重み演算器765−1及び765−2、復号器770−1及び770−2、データバッファ775、レプリカ生成器780−1及び780−2、データ抽出・並替器790を備えて構成される。
再符号化器782−j(j=1,2)は、復号器770−jにより復号されたビットストリームに、当該ビットストリームの送信元送信装置において用いられた符号化と同様の符号化を行なう。再変調器784−j(j=1,2)は、再符号化器782−jが符号化した信号に、送信元送信装置において用いられた変調と同様の変調を行なう。第2重み演算器786−j(j=1,2)は、伝送路推定器750−jにより推定された伝送路特性の推定値を再変調器784−jが変調した信号に乗算し、送信元送信装置が送信した信号を自受信装置において受信したときの信号であるレプリカ信号を生成する。
ここでは、受信装置700は、信号R1、R2、・・・、Rnが重畳された重畳信号を受信するものとし、第1の実施形態の受信装置500と同様の方法によって、信号R1〜Rnの使用周波数帯域f1〜fn、中心周波数、重畳帯域の情報を取得している。
また、信号R1〜Rnは、1つシステムが生成した信号であり、受信装置700は、信号R1〜Rnから得られたビットストリームを一連のデータとして取得する。
(処理3−2):スイッチ715は、復号回数カウンタ710の値が初期値であるため、減算器720の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理3−8):復調器755−j(j=1,2)は、伝送路推定器750−jにより推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ745−jにより抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度を算出する。
つまり、再符号化器782−1は、復号器770−1により復号されたビットストリームに、信号R1の送信元送信装置と同様の符号化を行ない、再変調器784−1は、再符号化器782−1が符号化した信号に、信号R1の送信元送信装置と同様の変調を行なう。第2重み演算器786−1は、伝送路推定器750−1により推定された信号R1の送信元送信装置との間の伝送路特性の推定値を、再変調器784−1が変調した信号に乗算し、レプリカ信号R1’を生成する。
同時に、再符号化器782−2は、復号器770−2により復号されたビットストリームに、信号Rnの送信元送信装置と同様の符号化を行ない、再変調器784−2は、再符号化器782−2が符号化した信号に、信号Rnの送信元送信装置と同様の変調を行なう。第2重み演算器786−2は、伝送路推定器750−2により推定された信号Rnの送信元送信装置との間の伝送路特性の推定値を、再変調器784−2が変調した信号に乗算し、レプリカ信号Rn’を生成する。
レプリカ信号R1’、Rn’が生成されると、復号回数カウンタ710の値に1が加算される。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した第3の実施形態では、受信装置700の復調器755−1及び755−2において、復調復号対象の周波数帯域のみを復調していた。一方、第4の実施形態では、復調器は受信した重畳信号全体の周波数帯域を復調する。以下、第3の実施形態の受信装置700との差分について説明する。
同図において、受信装置700aが、第3の実施形態の受信装置700と異なる点は、ローカル信号発生器735−1及び735−2、ミキサ740−1及び740−2、及び、バンドパスフィルタ745−1及び745−2を設けていない点、処理帯域決定器730、伝送路推定器750−1及び750−2、復調器755−1及び755−2に代えて処理帯域決定器730a、伝送路推定器750−1a及び750−2a、復調器755−1a及び755−2aを備えている点、帯域抽出器757−1及び757−2を新たに備えている点である。
(処理4−1):受信装置700aは、第3の実施形態の(処理3−1)〜(処理3−3)と同様の処理を行なう。なお、減算器720により生成された処理対象信号B1は、遅延器725に記憶されるとともに、伝送路推定器750−1a及び750−2a、ならびに、復調器755に出力される。
(処理4−3):復調器755−ja(j=1,2)は、伝送路推定器750−jaにより推定された伝送路特性を用いて、減算器720から出力された処理対象信号B1を復調して尤度を算出する。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、重畳されている信号を所定の順序で順次復調復号している。しかし、早期の復調復号の段階で誤りが発生した場合、その誤りが後続する全ての復調復号に伝播してしまう。そこで、第5の実施形態では、より受信品質の高い外側帯の1信号から重畳信号を復調復号していく。より受信品質の高い外側帯の信号から順次復調復号していくことにより、誤りが発生しにくい順に復調復号が行なわれることになり、誤りが伝播する可能性を低下させることができる。
本実施形態の受信装置は、第1の実施形態と同様に信号R1〜Rn(n≧2、nは整数)が重畳された重畳信号を受信する。信号R1〜R5は、例えば、OFDMなどのマルチキャリア信号であり、誤り符号訂正としてFEC符号を用いている。
同図において、受信装置900は、復号回数カウンタ910、スイッチ915、減算器920、遅延器925、処理帯域決定器930、ローカル信号発生器935、ミキサ940、バンドパスフィルタ945、伝送路推定器950、復調器955、重み係数生成器960、第1重み演算器965、復号器970、データバッファ975、レプリカ生成器980、データ抽出・並替器990を備えて構成される。
ここでは、受信装置900は、信号R1、R2、・・・、Rnが重畳された重畳信号を受信するものとし、第1の実施形態の受信装置500と同様の方法によって、信号R1〜Rnの使用周波数帯域f1〜fn、中心周波数、重畳帯域の情報を取得している。
また、信号R1〜Rnは、1または複数の送信装置におけるn個のシステムそれぞれが生成した信号であり、信号R1〜Rnのうち、一つの信号のみが受信装置900の所望信号であるとする。
(処理5−2):スイッチ915は、復号回数カウンタ910の値が初期値であるため、減算器920の接続元を受信信号側に切り替える。ここでは、初期値を「1」とする。
(処理5−6):バンドパスフィルタ945は、ミキサ940によりダウンコンバートされた処理対象信号C1から、処理帯域決定器930により指示された中心周波数及び周波数帯域幅の周波数成分以外を除去して周波数帯域fmの信号を抽出すると、抽出した信号を復調復号対象の信号として出力する。
(処理5−8):復調器955は、伝送路推定器950により推定された伝送路特性を用いて、バンドパスフィルタ945により抽出された復調復号対象の信号を復調して尤度を算出する。
(処理5−15):データ抽出・並替器990は、処理帯域決定器930から出力された順に記憶していた復調復号対象の周波数帯域から、所望信号の周波数帯域が何回目の復号時にデータバッファ975に書き込まれたビットストリームでるかを判断すると、データバッファ975から該当するビットストリームを抽出する。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。上述した第5の実施形態では、受信装置900の復調器955において、復調復号対象の周波数帯域のみを復調していた。一方、第6の実施形態では、復調器は受信した処理対象信号全体の周波数帯域を復調する。以下、第5の実施形態の受信装置900との差分について説明する。
同図において、受信装置900aが、第5の実施形態の受信装置900と異なる点は、ローカル信号発生器935、ミキサ940、及び、バンドパスフィルタ945を設けていない点、処理帯域決定器930、伝送路推定器950、復調器955に代えて処理帯域決定器930a、伝送路推定器950a、復調器955aを備えている点、帯域抽出器957を新たに備えている点である。
なお、信号R1〜Rnは、1つシステムが生成した信号であり、受信装置900aは、信号R1〜Rnから得られたビットストリームを一連のデータとして取得する。
(処理6−4):復調器955aは、伝送路推定器950aにより推定された伝送路特性を用いて、減算器920から出力された処理対象信号C1を復調して尤度を算出する。
図12は、本実施形態の占有周波数帯域幅を示す図である。ここでは、同じ帯域幅のN個の信号R1〜Rnを、ガードバンドを設けずに重畳しないで送信した場合、FEC尤度マスクのみを用いて復調復号する場合、本実施形態によって復調復号する場合の占有周波数域幅を示している。なお、干渉抑圧処理により復号可能な限界(最大)の重畳率をαとする。このαは、伝送品質や要求される品質によって変化する値である。
つまり、重畳率=重畳帯域幅/占有周波数帯域幅と表せることから、1つの信号における重畳帯域の帯域幅は最大でα×fall/Nとなる。ここで、信号R2〜R(n−1)に注目すると、重畳帯域は高周波数側と低周波数側にあるため、高周波数側、低周波数側それぞれの重畳帯域はα×fall/2Nとなり、非重畳帯域は(1/N−α/N)×fallとなる。外側帯の信号R1、Rnの場合、高周波数側、低周波数側のいずれかにのみ重畳帯域があるため、非重畳帯域は(1/N−α/2N)×fallとなる。
外側帯の信号の数は2個、外側帯以外の信号の数は(N−2)個、重畳帯域の数(N−1)個であるため、FEC尤度マスクを用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/2N)×fall×2+(1/N−α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/2N)×(N−1)
={(1−α/2)+α/2N)}fall
本実施の形態では、受信した重畳信号の外側帯から順に信号を復調復号し、レプリカ信号をまだ復調復号を行なっていない重畳信号から減算する。例えば、信号R1、R2、…の順に復調復号を行なうことを考えると、信号R1の重畳帯域幅は、信号R1と信号R2がオーバーラップする帯域幅である。続いて信号R1が復調復号され、信号R1のレプリカ信号が除去されると、次の復調復号対象の信号R2の重畳帯域幅は、信号R2と信号R3がオーバーラップする帯域のみとなる。信号R3以降も同様に考えられるため、信号R1と信号R2、信号R2と信号R3、…、信号R(n−1)と信号Rnがオーバーラップする帯域幅をそれぞれα×fall/Nとすることができる。
このように、外側帯以外の信号R2〜R(n−1)の場合、重畳帯域が高周波数側と低周波数側にあるが、上記のように一方の重畳帯域はレプリカ信号の除去により非重畳帯域として復調復号が可能となるため、高周波数側と低周波数側にそれぞれ(1/N−α/N)×fallの重畳帯域を設けることができる。よって、信号R2〜R(n−1)の非重畳帯域は、(1/N−2α/N)×fallとなる。また、外側帯の信号R1、Rnの非重畳帯域は(1/N−α/N)×fallとなる。
従って、本実施形態を用いる場合の占有周波数帯域幅は、以下となる。
=(1/N−α/N)×fall×2+(1/N−2α/N)×fall×(N−2)+(α×fall/N)×(N−1)
={(1−α)+α/N)}fall
同図によれば、本実施形態の受信装置を用いることより、重畳信号数Nが3以上の場合に、従来の受信装置と比較してfallに対する占有周波数域幅が圧縮されていることがわかる。なお、N=2の場合、干渉抑圧のみを用いた従来の受信装置も、2つの信号R1、R2の重畳領域としてα×fall/Nをとることができるため、占有帯域幅の減少率は本実施形態の受信装置と同じになる。
また、外側帯の2信号を同時に復調復号してそれらの2つのレプリカ信号を減算することを繰り返し、外側から内側方向への逐次復調復号を実施することによって、逐次復調復号に要する時間を削減する。
また、外側帯の2信号のうち、受信品質の良い信号から逐次復調復号することを繰り返すことによって受信特性を改善する。
また、重畳された信号のうち所望信号が一部である場合、その信号を復号できた段階で上記処理を停止しても良い。
なお、単一無線通信システムにおいて送信信号を複数のブロックに分割し、それらを個別の信号と見立てることで、単一の無線通信システムにおいて、複数の無線通信システムを用いる場合と同様に重畳伝送を行うことができる。
510、710、910…復号回数カウンタ
515、715、915…スイッチ
520、720、920…減算器(減算部)
525、725、930…遅延器
530、530a、730、730a、930、930a…処理帯域決定器
535、735−1、735−2、935…ローカル信号発生器
540、740−1、740−2、940…ミキサ
545、745−1、745−2、945…バンドパスフィルタ
550、550a、750−1、750−2、750−1a、750−2a、950、950a…伝送路推定器
555、555a、755−1、755−2、755−1a、755−2a、955、955a…復調器(復調部)
557、757−1、757−2、957…帯域抽出器(復調部)
560、760−1、760−2、960…重み係数生成器(干渉抑圧部)
565、765−1、765−2、965…第1重み演算器(干渉抑圧部)
570、770−1、770−2、970…復号器(復号部)
575、775、975…データバッファ
580、780−1、780−2、980…レプリカ生成器
582、782−1、782−2、982…再符号化器(再符号化部)
584、784−1、784−2、984…再変調器(再変調部)
586、786−1、786−2、986…第2重み演算器
590、790、990…データ抽出・並替器
Claims (7)
- 誤り訂正符号を適用した信号が複数重畳された重畳信号を受信する受信装置であって、
受信した前記重畳信号、または、受信した前記重畳信号からレプリカ信号を除去した信号を処理対象信号とし、前記処理対象信号に含まれる前記信号の周波数帯域のうち、最も高い周波数帯域あるいは最も低い周波数帯域である復調復号対象に応じた中心周波数の正弦波を発生させるローカル信号発生部と、
前記ローカル信号発生部が発生させた前記正弦波により前記処理対象信号を周波数変換して得られた前記復調復号対象の復調値を得る復調部と、
前記復調復号対象の周波数帯域における重畳帯域について、前記復調部により得られた前記復調値の信頼度をD/U比によらずに低減させる干渉抑圧部と、
前記干渉抑圧部により重畳帯域について信頼度を低減させた前記復調復号対象の前記復調値の誤り訂正復号を行なう復号部と、
前記復号部により誤り訂正復号された結果に誤り訂正符号を適用して符号化を行なう再符号化部と、
前記再符号化部により符号化された信号を変調してレプリカ信号を生成する再変調部と、
前記再変調部によって生成された前記レプリカ信号を前記処理対象信号から除去して新たな処理対象信号を生成し、前記復調部へ出力する減算器と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記復調部、前記干渉抑圧部、前記復号部、前記再符号化部、及び、前記再変調部の組を2組備え、前記組のそれぞれが、前記処理対象信号に重畳された複数の前記信号の周波数帯域のうち最も高い周波数帯域と、最も低い周波数帯域とをそれぞれ復調復号対象として処理を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記処理対象信号に重畳された複数の前記信号の周波数帯域のうち、最も高い周波数帯域及び最も低い周波数帯域における受信品質を判定する受信品質判定部と、
前記受信品質判定部により判定された前記受信品質に基づいて、前記最も高い周波数帯域及び前記最も低い周波数帯域のうち受信品質のよりよい周波数帯域を復調復号対象として選択する処理帯域決定部とを備え、
前記ローカル信号発生部は、前記処理帯域決定部により選択された前記復調復号対象に応じた中心周波数の正弦波を発生させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記処理対象信号の伝送路推定を行なう伝送路推定部と、
前記再変調部によって変調された信号を、前記伝送路推定部により推定された前記処理対象信号の前記復調復号対象における伝送路推定値に基づいて重み付けし、前記レプリカ信号を生成する演算部とをさらに備え、
前記復調部は、前記伝送路推定部によって推定された伝送路推定値に基づいて復調を行って復調値を得る、
ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の受信装置。 - 前記復号部によって復号された結果得られたデータの並べ替えまたは抽出を行なうデータ抽出並替部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの項に記載の受信装置。
- 前記復号部によって所望信号の誤り訂正復号が行われると処理を終了することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの項に記載の受信装置。
- 誤り訂正符号を適用した信号が複数重畳された重畳信号を受信する受信装置に用いられる受信方法であって、
受信した前記重畳信号を処理対象信号とし、前記処理対象信号に含まれる前記信号の周波数帯域のうち、最も高い周波数帯域あるいは最も低い周波数帯域である復調復号対象に応じた中心周波数の正弦波を発生させるローカル信号発生過程と、
前記ローカル信号発生過程において発生させた前記正弦波により前記処理対象信号を周波数変換して得られた前記復調復号対象の復調値を得る復調過程と、
前記復調復号対象の周波数帯域における重畳帯域について、前記復調過程において得られた前記復調値の信頼度をD/U比によらずに低減させる干渉抑圧過程と、
前記干渉抑圧過程において重畳帯域について信頼度を低減させた前記復調復号対象の前記復調値の誤り訂正復号を行なう復号過程と、
前記復号過程において誤り訂正復号された結果に誤り訂正符号を適用して符号化を行なう再符号化過程と、
前記再符号化過程において符号化された信号を変調してレプリカ信号を生成する再変調過程と、
前記再変調過程において生成された前記レプリカ信号を前記処理対象信号から除去して新たな処理対象信号を生成する減算過程とを有し、
前記減算過程において生成された前記処理対象信号を用いて前記復調過程からの処理を繰り返す、
ことを特徴とする受信方法。
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