JP5469773B1 - サーバーラック室内システム - Google Patents

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Abstract


【課題】外気冷房方式を適用しながら、サーバーラック列やサーバーラックの個別空調を実現できるサーバーラック室内システムを提供すること。
【解決手段】複数のサーバーラック1から構成された複数のサーバーラック列2がコールドアイル空間CAもしくはホットアイル空間HAを介して併設し、外気が流通する天井空間VCが設けてあるサーバーラック室内システム10であって、サーバーラック1は、ホットアイル空間HAに面する背面において天井空間VCまで延びている複数のヒートパイプ4’、5’からなるヒートパイプ群4,5を有し、ヒートパイプ4’、5’は天井空間VCに露出した凝縮領域と排気と接する蒸発領域から構成され、ヒートパイプ4’、5’内には作動流体9が封入されており、蒸発領域で排気からの吸熱によって作動流体9が気相状態となり、凝縮領域で気相状態の作動流体9が外気に放熱して液相状態となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のサーバーラック列の間にコールドアイル空間とホットアイル空間を交互に備えたサーバーラック室内システムに関するものである。
インターネットやLANなどのネットワーク上で複数のパソコンに多様な機能やサービスを提供したり、データを一元化するサーバーがラックに集積されてサーバーラックを構成し、複数のサーバーラックが隣接するように配設されてサーバーラック列を構成し、複数のサーバーラック列が通路を挟んで配設され、各通路が交互にホットアイル空間とコールドアイル空間を形成するようにしてサーバーラック室内システムが構成される。このサーバーラック室においては、二重床の上にサーバーラック列が配設され、室内の側端部に配設された下吹き空調機から吹き出された冷気が二重床空間を通過して各コールドアイル空間に提供される形態や、同様に室内の側端部に配設された横吹き空調機から吹き出された冷気が室内を側方に横断するように提供される形態など、冷気の吹き出し態様も多様である。なお、このサーバーラック室内システムはデータセンターなどと称されることもある。
ところで、サーバーラック室における冷房態様として、上記する下吹き空調方式や横吹き空調方式に代わって、もしくはこれらと併用する態様で、外気を室内に取り込んで室内の冷房を図る、いわゆる外気冷房方式もよく知られるところである。この外気冷房方式は、低温外気を積極的に室内に取り込んで利用することから、空調機の作動のみに依存する冷房方式に比して省エネ性が極めて高い。
この外気冷房は、サーバーラック室の天井側の上方空間に配設され、内蔵ファンや熱交換器を備えている空調機の作動によって実行される。具体的には、空調機を作動させ、吸気ダクトを介して外気を取り込んだ後、この空調機を介し、給気ダクトを介して外気を室内に吹き出すようになっている。吹き出された外気は室内にある相対的に軽い暖気と還流して入れ替わり、暖気は空調機に取り込まれ、吸気ダクトから空調機に取り込まれた外気と混合されて再度冷気とされ、この冷気が室内に再度給気されるような冷気と暖気の還流が実行される。
しかしながら、このような外気冷房方式では、外気がたとえば15℃程度以下の中間期や冬期には有効であるものの、外気の温度が冷房温度よりも高い時期には利用し難く、したがって年間を通した稼働率が低いといった問題がある。
この問題に対処するべく、特許文献1に開示の空調システムでは、天井空間を経由して予冷熱交換部に導入される高温排気を熱搬送手段であるヒートパイプの熱交換器(蒸発器)でプレクーリングした後、空調機の蒸発器で設定温度に冷却し、送風機によって往き側ダクトを介して二重床空間に送出する構成が開示されている。
送出された冷気は、床パネルに複数設けられた吹き出し口を介してコールドアイル空間に吹き出され、さらに各サーバーラックに吸い込まれ、サーバーラック内の各サーバーを冷却した後に高温排気となってホットアイル空間に排出される。排気はさらに天井空間に導かれ、最終的に予冷熱交換部に戻されるようになっており、このような室内空気の循環によって各サーバーラックの冷却を実行するものである。
特開2010−65912号公報
特許文献1で開示される空調システムでは、予冷された外気を下吹き空調機を介してデータセンターの全体に提供し、データセンター全体の空調を実行している。そのため、仮に一部のサーバーラック列やさらにサーバーラック列中の一部のサーバーラックの熱負荷が高い場合は、この熱負荷の高いサーバーラック列やサーバーラックに対応するようにして空調機から冷気を室内全体に提供するような制御を実行せざるを得ない。そのため、消費電力が過度に増大することは避けられない。また、仮に熱負荷の高いサーバーラック列やサーバーラックに応じた冷気を室内に提供するとしても、このような冷気を提供するべき熱負荷の高いサーバーラック列等に集中的に提供するのは実際に難しく、熱負荷の高いサーバーラック列等を効果的にクーリングするのは困難である。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、外気冷房方式を適用しながら、サーバーラック列やサーバーラックの個別空調を実現できるサーバーラック室内システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるサーバーラック室内システムは、複数のサーバーラックからサーバーラック列が構成され、複数のサーバーラック列がコールドアイル空間もしくはホットアイル空間を介して併設し、コールドアイル空間とホットアイル空間が交互に配設されており、天井には外気が流通する天井空間が設けられているサーバーラック室内システムであって、サーバーラックは、ホットアイル空間に面する背面において、外気が流通する天井空間まで延びている複数のヒートパイプからなるヒートパイプ群を有しており、ヒートパイプは、天井空間に露出した凝縮領域と、サーバーラックの背面から排出された排気と接する蒸発領域から構成され、ヒートパイプ内には作動流体が封入されており、蒸発領域で排気からの吸熱によって作動流体が気相状態となり、凝縮領域で気相状態の作動流体が外気に放熱して液相状態となるものである。
本発明のサーバーラック室内システムは、サーバーラックのホットアイル空間に面する背面において外気が流通する天井空間まで延びている複数のヒートパイプからなるヒートパイプ群を有していること、さらに、このヒートパイプがいわゆるサーモサイフォン式のヒートパイプであることを特徴とするものである。
サーバーラック室内においては、サーバーラック列よりも上方の上方空間が外気が取り込まれる空間となる。本発明のサーバーラック室内システムでは、この上方空間を下方の空間と画成するのが好ましく、たとえばプレートにて上方空間と下方空間を画成して該上方空間を天井空間とし、この天井空間にヒートパイプ群を構成する各ヒートパイプのたとえば上端を臨ませる。
より具体的には、ヒートパイプは、天井空間に露出した凝縮領域と、サーバーラックの背面から排出された排気と接する蒸発領域とから構成され、ヒートパイプ内には作動流体が封入されている。
ヒートパイプの内部に封入されている作動流体の相変化、すなわち状態変化によってサーバーラック室内の熱(ホットアイル空間に滞留する排気の熱)を潜熱の形で天井空間に熱輸送するものである。ヒートパイプの蒸発領域はホットアイル空間の排気と接するように構成されており、この蒸発領域にある作動流体は排気の熱で加熱されて蒸発し、作動流体は気相状態に変化する。気相状態となった作動流体(の蒸気)は、ヒートパイプの凝縮領域に移動するが、この凝縮領域は外気が存在する天井空間に露出していることからここで気相状態の作動流体が放熱し、放熱した作動流体は凝縮して液相状態に相変化する。
液相状態となった作動流体は、自身の重量で再度蒸発領域に移動し、ここで排気の熱を受けて相変化し、再度気相状態となる。このように凝縮領域と蒸発領域の間で作動流体が液相状態と気相状態に相変化しながら自然移動することで、熱を帯びていた排気から生成された冷気がコールドアイル空間に提供されることになる。
本発明のサーバーラック室内システムによれば、各サーバーラックがその背面にサーモサイフォン式のヒートパイプを備え、このヒートパイプで排気を冷却して冷気とし、この冷気をコールドアイル空間側に戻す構成としたことにより、動力の極めて少ない態様でサーバーラックごとの個別空調が可能となる。
なお、このサーバーラック室内システムは、外気冷房方式を基本構成とするものの、二重床の上にサーバーラック列が配設され、室内の側端部に配設された下吹き空調機から吹き出された冷気が二重床空間を通過して各コールドアイル空間に提供される下吹き空調機を併用してもよい。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの好ましい実施の形態において、ヒートパイプ群は、ラック背面の2以上の異なる高さレベルを起点として天井空間まで延びて外気に通じる2種以上のヒートパイプから構成されているものである。
本実施の形態のシステムは、サーバーラックの背面全面をたとえば、上方領域と下方領域の2つの領域に仮に分割し、もしくは上方領域、中央領域、下方領域の3つの領域に仮に分割し、各分割領域に対応する箇所にヒートパイプの一端を配設し、ヒートパイプの他端を天井空間に臨ませた構成としたものである。
このようにサーバーラックの背面を2以上の領域に分割し、各分割領域に固有のヒートパイプを配設したことで、サーバーラックの背面全面から排出される排気の冷却効果を一層高めることができる。仮にヒートパイプの一端がサーバーラックの背面の下端に配設されるもののみから構成されたヒートパイプ群を適用した場合には、作動流体による冷却効果はヒートパイプの下方に対応するサーバーラック背面の下方ほど高くなり、上方にいくにつれて冷却効果が低くなり、このことに依拠して生成される冷気に温度分布が生じることになる。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの好ましい実施の形態は、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置にファンが配設されている形態、もしくは、コールドアイルの上方の位置にファンが配設されている形態である。
ヒートパイプ群のホットアイル側の位置にファンが配設されていることにより、あるいはコールドアイルの上方の位置にファンが配設されていることにより、排気がヒートパイプを通過する過程で生成された冷気をコールドアイル空間に効果的に送り出すことができ、冷気の効率的な循環作用を奏することができる。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの他の実施の形態は、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置に冷媒が流通する冷媒コイルが配設されているものである。
外気がサーバー背面からの排気の熱よりも低い場合は、既述するヒートパイプによる冷却機構を適用することで熱を帯びていた排気を効果的に冷気に変えることができる。その一方で、外気がサーバーからの排気よりも高い場合、もしくは排気よりも低いものの外気と排気の温度差が所定の温度差を確保できていない場合は、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置に配設された冷媒が流通する冷媒コイルにて排気を冷却するようにしたものである。なお、ここでいう「所定の温度差」とは、ヒートパイプが所定の冷却能力を発揮するために必要となる温度差のことである。実際には、外気の温度はヒートパイプの作動流体の蒸発温度よりも低いことが必要であり、かつ、双方の温度差はヒートパイプの能力発揮のための温度差が必要となる。
この冷媒には冷水等を適用でき、冷媒コイルと冷凍機およびポンプを冷媒管を介して繋いだ構成とし、冷媒コイルをヒートパイプのバックアップ的な冷却機構として使用することができる。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの他の実施の形態は、サーバーラック内のサーバーに取り付けられてサーバー内のCPUを冷却するヒートシンクにヒートシンク用ヒートパイプが繋がっており、該ヒートシンク用ヒートパイプも天井空間まで延びており、該ヒートシンク用ヒートパイプ内にも作動流体が封入されているものである。
本実施の形態は、サーバー内でも発熱量が大きいCPUを内蔵したサーバーを重点的に冷却するのに好適なものであり、そのための構成として、CPUに付いているヒートシンク(放熱器)をこのヒートシンクの冷却に固有のヒートシンク用ヒートパイプと繋ぎ、ヒートシンク用ヒートパイプは既述するヒートパイプと同様に天井空間まで延ばすとともに封入された作動流体によってヒートシンクの冷却を図るものである。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの好ましい実施の形態は、天井空間の内部と天井空間下方の室内のそれぞれに温度センサが設けてあり、それぞれの温度センサにおける検知データを受信し、受信された双方の検知データの温度差に応じて外気の風量を調整する外気制御装置を備えているものである。
天井空間とその下方のサーバーラックのある空間の温度差が大きすぎる場合、言い換えれば、サーバーラックのある下方空間の温度が十分に冷却されずに想定温度よりも温度が高い場合には、天井空間への外気の導入をより一層積極的におこない、ヒートパイプ群による排気の冷却効果を高めるような制御をおこなうのが本実施の形態のシステムである。
また、本発明によるサーバーラック室内システムの他の実施の形態は、天井空間内にミスト噴霧装置が備えてあり、外気にミストを噴霧して外気をクーリングするようになっているものである。
本実施の形態のシステムでは、天井空間に導入した外気の温度を下げるべく、外気が導入された際にミスト噴霧をおこない、クーリングされた外気をヒートパイプ群に提供して排気の冷却効果を高めるものである。
以上の説明から理解できるように、本発明のサーバーラック室内システムによれば、外気冷房方式を適用することで省エネ性が高く、しかも、サーバーラック室全体の空調は勿論のこと、サーバーラック列やサーバーラックの個別空調もおこなうことができる。
本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態1を示した模式図である。 サーバーラックと背面のヒートパイプを拡大した図である。 ヒートパイプ内の作動流体の相変化を説明した図である。 本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態2を示した模式図である。 本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態3を示した模式図である。 本発明のサーバーラック室内システムにおける冷却機構の他の実施の形態を示した模式図である。 本発明のサーバーラック室内システムにおける冷却機構のさらに他の実施の形態を示した模式図である。
以下、図面を参照して本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態を説明する。なお、図示例は、二重床の上にサーバーラック列が配設され、室内の側端部に配設された下吹き空調機から吹き出された冷気が二重床空間を通過して各コールドアイル空間に提供される下吹き空調機を併設したものであるが、このように下吹き空調機を具備せず、外気のみで室内空調を実行するサーバーラック室内システムであってもよいことは勿論のことである。また、図示例はコールドアイルの上方にファンが設けられた形態を示しているが、これ以外にも、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置にファンが配設されている形態であってもよい。さらに、図示例は、サーバーラックの背面を下方領域Aと上方領域Bの2つの領域に仮に分割し、各分割領域に対応したヒートパイプ群を設けたものであるが、サーバーラックの背面を3つ以上の領域に仮に分割し、各分割領域に対応したヒートパイプ群を設けた形態であってもよいことは勿論のことである。
(サーバーラック室内システムの実施の形態1)
図1は本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態1を示した模式図であってサーバーラック室の内部を視認可能に透視した図であり、図2はサーバーラックと背面のヒートパイプを拡大した図である。
図示するサーバーラック室内システム10は、二重床3の上方において、複数のサーバーラック1が側方に並べられてサーバーラック列2を構成し、複数のサーバーラック列2が通路を介して並べられてその全体が構成されている。対向するサーバーラック列2の間の各通路は、サーバーラックの前面であって冷気をサーバーラック1内に取り込む側となるコールドアイル空間CAと、サーバーラック1内を冷気が通過する過程で吸熱して生成された高温の排気が排出されるホットアイル空間HAとなっており、このコールドアイル空間CAとホットアイル空間HAが交互に形成されている。
サーバーラック室は、サーバーラック列2がある下方空間LCと、下方空間LCの上方にあって外気が取り込まれる天井空間VCから構成されており、この2つの空間LC,VCはプレートにて画成されている。
天井空間VCにおいては、側壁に取り付けられた吸気ダクト7を介して外気が導入され(X3方向)、外気雰囲気となっている。なお、この外気導入においては、吸気ダクト7を介した外気の自然導入のほかにも、吸気ダクト7に不図示のファンが装備されていて、随時強制的に外気を導入可能な構成であってもよい。
各サーバーラック1は、そのホットアイル空間HA側となる背面全面に2種類のヒートパイプ4’、5’を有しており、より具体的には、複数のヒートパイプ4’からなるヒートパイプ群4と複数のヒートパイプ5’からなるヒートパイプ群5を有している。
ここで、サーバーラック1の背面は、その全面が上下2つの領域である、下方の分割領域Aと上方の分割領域Bに仮に(仮想的に)分割されている。そして、2種類のヒートパイプ4’、5’はそれぞれ、分割領域A,Bの所定位置から天井空間VCまで延びる固有の長さを有している。長さが相対的に長いヒートパイプ4’はその一端が下方の分割領域Aの下方位置に位置決めされ、その他端は天井空間VCに臨んでいる。一方、ヒートパイプ5’はその一端が上方の分割領域Bに位置決めされ、その他端は天井空間VCに臨んでいる。
このようにサーバーラック1の背面をたとえば2つの領域に仮に分割し、各分割領域A,Bに固有のヒートパイプ4’、5’を配設したことで、サーバーラック1の背面全面から排出される排気の冷却効果を一層高めることができる。
具体的には、サーバーラック1の前面からサーバーラック1内に流れ込んだ(X2方向)冷気は、吸熱した状態でサーバーラック1の背面から排気として排出されるが、分割領域Aから排出された排気はヒートパイプ4’によってクーリングされ、分割領域Bから排出された排気はヒートパイプ5’によってクーリングされる。このように2つの領域に固有のヒートパイプ4’、5’にて各分割領域A,Bからの排気がクーリングされることで、たとえば1種類のヒートパイプにてサーバーラックの背面全面から排出された排気をクーリングする場合に比してクーリング効果が高くなる。
ここで、図3を参照してヒートパイプ4’、5’を適用した排気のクーリング方法を概説する。図3はサーモサイフォン式のヒートパイプ内の作動流体の相変化を説明した図であり、ヒートパイプ4’を取り上げて説明している。
ヒートパイプ4’の内部には作動流体9が封入されている。この作動流体9の相変化、すなわち状態変化により、サーバーラック室内の熱(ホットアイル空間HAに滞留する排気の熱)は潜熱の形で天井空間VCに熱輸送される。
ヒートパイプ4’はホットアイル空間HAに臨む蒸発領域4’bと天井空間VCに臨む凝縮領域4’aからなり、蒸発領域4’bにある作動流体9はサーバーラック1の背面から排出される(X1方向)排気の熱で加熱されて蒸発し、作動流体9は気相状態に変化する。
気相状態となった作動流体9(蒸気)は、ヒートパイプ4’の凝縮領域4’aに移動するが(Y1方向)、この凝縮領域4’aは天井空間VCに露出していることからここで気相状態の作動流体9が放熱し、放熱した作動流体9は凝縮して液相状態に相変化する。液相状態となった作動流体9は、自身の重量で再度蒸発領域4’bに移動し(Y2方向)、ここで排気の熱を受けて相変化し、再度気相状態となる。このように凝縮領域4’aと蒸発領域4’bの間で作動流体9が液相状態と気相状態に相変化しながら自然移動することで、排気から生成された冷気はコールドアイル空間CAに提供されることになる。
図1,2で示すように、コールドアイル空間CAの上方で該空間CAの左右にあるサーバーラック列2,2に跨るようにしてファン6が配設されており、サーバーラック列2の背面から排出された排気がヒートパイプ4’、5’にてクーリングされて生成された冷気は、作動するファン6によってサーバーラック列2の上方を回り込み、ファン6を介してその下方のコールドアイル空間CAに提供されることになる(X2方向)。
図示するサーバーラック室内システム10によれば、各サーバーラック1がその背面にサーモサイフォン式のヒートパイプ4’、5’を備え、これらのヒートパイプ4’、5’で排気を冷却して冷気とし、この冷気をコールドアイル空間CA側に戻す構成としたことにより、動力の極めて少ない態様でサーバーラックごとの個別空調が可能となる。
さらに、外気冷房方式を適用することで省エネ性が高く、かつ、サーバーラック室全体の空調は勿論のこと、サーバーラック列2やサーバーラック1の個別空調が可能となる。
また、サーバーラック室内の手前側の端部(図1の手前側)のうち、たとえばコールドアイル空間の手前には不図示の下吹き空調機が配設されており、下吹き空調機Gから二重床3内に吹き出された(X4方向)冷気は、各コールドアイル空間CAにある床の気孔を介してコールドアイル空間CA内に提供されるようになっている。
この二重床3からの冷気の吹き出しによってサーバーラック室全体の空調が可能となる。しかし、この全体空調における冷気の風量や温度に関しては、全サーバーラック列の中で必要とされる風量の中で最も少ない風量でよく、かつ最も高い温度でよい。すなわち、全体空調に要する電力は最低限でよい。そして、熱負荷の大きなサーバーラック列2やサーバーラック1に関しては、その背面にあるヒートパイプ4’、5’にて個別に、さらに必要な温度の冷気を提供する空調をおこなうことで対処が可能となる。
(サーバーラック室内システムの実施の形態2)
図4は本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態2を示した模式図であり、図1と同様にサーバーラック室の内部を視認可能に透視した図である。
図示するサーバーラック室内システム10Aは、天井空間VCの内部と下方空間LCの内部のそれぞれに温度センサ82,83を備えており、それぞれの温度センサ82,83における検知データを受信し(U1方向、U2方向)、受信された双方の検知データの温度差に応じて外気の風量を調整する外気制御装置81をさらに備えている。
吸気ダクト7にはファン84が設けてあり、このファン84は外気制御装置81から送信される制御信号を受信し(U3方向)、この制御信号に応じて作動したり、信号強度に応じてファンの回転速度を変更することができる。
天井空間VCと下方空間LCの温度差が大きすぎる場合、言い換えれば、サーバーラックのある下方空間LCの温度が十分に冷却されずに想定温度よりも温度が高い場合に、天井空間VCへの外気の導入をより一層積極的におこない、ヒートパイプ群4,5による排気の冷却効果を高めることができる。
(サーバーラック室内システムの実施の形態3)
図5は本発明のサーバーラック室内システムの実施の形態3を示した模式図であり、図1,4と同様にサーバーラック室の内部を視認可能に透視した図である。
図示するサーバーラック室内システム10Bは、吸気ダクト7の室内側の出口部分にミスト噴霧装置85を備えたものである。このミスト噴霧装置85によって天井空間VCに導入された外気にミスト噴霧をおこなって導入された外気の温度を下げ、温度が低下した外気をヒートパイプ群4,5に提供して排気の冷却効果を高めることができる。
なお、サーバーラック室内システム10Bが図4で示すサーバーラック室内システム10Aにおける温度センサ82,83や外気制御装置84をさらに備え、これら温度センサ82,83による検知データに基づき、外気制御装置84の制御信号によってミスト噴霧装置85の作動やミスト噴霧量を調整するようなシステムであってもよい。
(冷却機構の他の実施の形態)
図6は本発明のサーバーラック室内システムにおける冷却機構の他の実施の形態を示した模式図である。
図示する冷却機構は、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置に冷媒が流通する冷媒コイル11が配設されているものである。
冷媒コイル11は、不図示の冷凍機およびポンプと二重床3内に配設された冷媒管11a,11bを介して繋がれており、ポンプの駆動にて冷水等の冷媒が冷媒管11aを流通して冷媒コイル11に送られ(Z1方向)、冷媒コイル11内で冷媒が還流する過程で昇温した冷媒は冷媒管11bを介して排出されるようになっている(Z2方向)。
外気がサーバー背面からの排気の熱よりも低い場合は、ヒートパイプ4’、5’による冷却機構を適用することで熱を帯びていた排気を効果的に冷気に変えることができる。一方、外気がサーバーからの排気よりも高い場合、もしくは排気よりも低いものの外気と排気の温度差が所定の温度差を確保できていない場合は、ヒートパイプ群のホットアイル側の位置に配設された冷媒コイル11にて排気を冷却することができる。
ここで示す形態の冷却機構は、外気の温度に応じて、ヒートパイプ4’、5’による冷却機構を冷媒コイル11による冷却機構がバックアップするものであり、外気の温度に応じたより冷却精度の高いものとなっている。
(冷却機構のさらに他の実施の形態)
図7は本発明のサーバーラック室内システムにおける冷却機構のさらに他の実施の形態を示した模式図である。
図示する冷却機構は、サーバーラック内のサーバーに取り付けられ、サーバー内の不図示のCPUを冷却するヒートシンク1aにヒートシンク用ヒートパイプ1bが繋がっており、このヒートシンク用ヒートパイプ1bも天井空間VCまで延びていて、ヒートシンク用ヒートパイプ1b内にも作動流体が封入されているものである。
図示する冷却機構は、サーバー内でも発熱量が大きいCPUを内蔵したサーバーを重点的に冷却するのに好適なものであり、そのための構成として、CPUに付いているヒートシンク1aをこのヒートシンク1aの冷却に固有のヒートシンク用ヒートパイプ1bと繋いでいる。ヒートシンク用ヒートパイプ1bは既述するヒートパイプ4’、5’と同様に天井空間VCまで延びており、ヒートシンク用ヒートパイプ1bに封入されている作動流体は図3を用いて説明した作用によってヒートシンク1aの冷却を図るものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…サーバーラック、1a…ヒートシンク、1b…ヒートシンク用のヒートパイプ、2…サーバーラック列、3…二重床、4…ヒートパイプ群(領域Aに対応したヒートパイプ群)、4’…ヒートパイプ(領域Aに対応したヒートパイプ)、5…ヒートパイプ群(領域Bに対応したヒートパイプ群)、5’…ヒートパイプ(領域Bに対応したヒートパイプ)、6…ファン、7…吸気ダクト、81…外気制御装置、82,83…温度センサ、84…ファン、85…ミスト噴霧装置、9…作動流体、10,10A,10B…サーバーラック室内システム、11…冷媒コイル、VC…天井空間、LC…下方空間、CA…コールドアイル空間、HA…ホットアイル空間

Claims (7)

  1. 複数のサーバーラックからサーバーラック列が構成され、複数のサーバーラック列がコールドアイル空間もしくはホットアイル空間を介して併設し、コールドアイル空間とホットアイル空間が交互に配設されており、天井には外気が流通する天井空間が設けられているサーバーラック室内システムであって、
    サーバーラックは、ホットアイル空間に面する背面において、外気が流通する天井空間まで延びている複数のヒートパイプからなるヒートパイプ群を有しており、
    ヒートパイプは、天井空間に露出した凝縮領域と、サーバーラックの背面から排出された排気と接する蒸発領域から構成され、ヒートパイプ内には作動流体が封入されており、
    蒸発領域で排気からの吸熱によって作動流体が気相状態となり、凝縮領域で気相状態の作動流体が外気に放熱して液相状態となるものであり、
    サーバーラック内のサーバーに取り付けられてサーバー内のCPUを冷却するヒートシンクにヒートシンク用ヒートパイプが繋がっており、該ヒートシンク用ヒートパイプも天井空間まで延びており、該ヒートシンク用ヒートパイプ内にも作動流体が封入されているサーバーラック室内システム。
  2. ヒートパイプ群は、ラック背面の2以上の異なる高さレベルを起点として天井空間まで延びて外気に通じる2種以上のヒートパイプから構成されている請求項1に記載のサーバーラック室内システム。
  3. ヒートパイプ群のホットアイル側の位置にファンが配設されている請求項1または2に記載のサーバーラック室内システム。
  4. コールドアイル空間の上方の位置にファンが配設されている請求項1または2に記載のサーバーラック室内システム。
  5. ヒートパイプ群のホットアイル側の位置に冷媒が流通する冷媒コイルが配設されている請求項1または2に記載のサーバーラック室内システム。
  6. 天井空間の内部と天井空間下方の室内のそれぞれに温度センサが設けてあり、それぞれの温度センサにおける検知データを受信し、受信された双方の検知データの温度差に応じて外気の風量を調整する外気制御装置を備えている請求項1〜のいずれかに記載のサーバーラック室内システム。
  7. 天井空間内にミスト噴霧装置が備えてあり、外気にミストを噴霧して外気をクーリングするようになっている請求項1〜のいずれかに記載のサーバーラック室内システム。
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