以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
最初に、本発明に好適な第1実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図1を用いて説明する。
まず、図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射される遊技球が、第1始動口又は第2始動口に入賞したことを条件として特別図柄の可変表示を行う。始動入賞となった場合には(例えば、始動入賞する確率が約“5/100”〜“6/100”となるように障害釘設定)、その始動入賞に伴って、大当りに関する大当りカウンタから、大当りとなるか否かを判定するための大当り乱数、大当りの場合において停止表示させる特別図柄の種類を決定するための図柄乱数が抽出される。この場合において、通常時であるとき(例えば、約“1/300”)は、確変時であるとき(例えば、約“1/50”〜“1/100”)よりも低い確率で大当りとなると判定される。
そして、大当りとなると判定された場合には、リーチとなるが、大当りとならないと判定された場合には、リーチ(リーチ入賞)となるか否かが決定されることとなる(例えば、約“1/10”〜“1/20”の確率でリーチとなる)。
また、可変表示動作中において第1始動口に始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、第1始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。また、第2始動口に始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、第2始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。すなわち、最大8個の保留球の分の始動記憶が可能となる。
そして、上述した大当りとなるか否か、停止表示させる特別図柄の種類、リーチとなるか否かなどを示す各種のコマンドが演出表示手段に出力されるとともに、可変表示制御手段が表示器における可変表示を行う。
一方、演出表示手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像、演出映像を選択し、選択結果に対応する演出データを読み出し、表示器に表示映像信号を出力するとともに、音発生器(スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示器において、各種の映像が表示され、音発生器において、各種の音声が発生されることとなる。また、上述した始動記憶領域において記憶された大当りとなるかはずれとなるかが演出表示手段に出力されることによって、まだ可変表示されていない始動記憶領域における当落が認識可能となり、その当落に基づく演出が行われることもある。
また、大当りとなった場合には、通常時よりも高い確率で遊技球の払出制御が行われる。そして、大当りが終了した場合には、通常ゲームよりも遊技者に有利な時短状態や、確変状態(確率変動状態)となることもある。時短状態においては、始動入賞口チャッカーが開閉するなど、通常時よりも始動入賞しやすくなり、確変状態においては、大当り判定時において大当りとなる確率が通常時より高くなる。また、時短状態は、大当り終了後、50〜100回の可変表示中継続され、確変状態は、次に大当りとなるまで継続される。
また、第1実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図2を用いてさらに具体的に説明する。
まず、図2に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
また、このパチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われやすくなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞(第1始動口又は第2始動口への入賞)や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞(通過ゲートへの入球)も含まれている。
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、各乱数値が記憶されることとなる。
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶されることとなる。
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定が行われる。
次に、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターン決定が行われる。また、詳しくは後述するが特定の条件を満たした場合に、予告演出判定用カウンタから乱数値が抽出され、この抽出された乱数値が特定の値か否かを判定することによって予告演出を実行するか否かの予告演出判定が行われる。
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、大当り判定結果が大当りとなると判定された場合、可変表示制御、演出表示制御が終了した後に、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、大当り遊技制御が実行されない。
そして、大当り遊技制御が終了した場合に、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変状態であったり、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を短縮させる時短状態であったり、各種の遊技状態に移行させることがある。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、上述した当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。
そして、上述したように決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、当りとなるか否かが判定され、当りとなったと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定された場合には、当り遊技制御が実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
このように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射された遊技球が各種入賞すること以外に、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われやすくなるゲームである。
尚、第1実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[遊技機の構成]
第1実施形態における遊技機の概観について図3から図5を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図3、図4に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、各種の制御基板を含む基板ユニット400、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア13が軸着される。
上述した皿ユニット21は、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
上述した発射装置130は、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、図5に示すように、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、遊技領域15に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。
この遊技盤14の後方には、図4に示すように、液晶表示装置32の表示領域が視認可能に配設されている。また、ベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
図5に示すように、遊技盤14の左下方には、第1特別図柄表示装置35a、普通図柄表示装置33、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。また、遊技盤14の右下方には、第2特別図柄表示装置35b、特別図柄保留ランプ34e〜34hが設けられている。
第1特別図柄表示装置35aは、複数の8セグメントLEDで構成されている。この8セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。8セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄(第1識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“21”、“50”又は“64”などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
第1特別図柄表示装置35aの下方には、普通図柄表示装置33が設けられている。特別図柄表示装置35の下方には、普通図柄表示装置33が設けられている。普通図柄表示装置33は、例えば、赤色LEDと緑色LEDの二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返し、普通図柄として変動表示される。
普通図柄表示装置33の下方には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「第1始動記憶」、「保留球個数」、「特別図柄に関する保留球個数」)を表示する。例えば、メインRAM70(図6参照)の第1始動記憶領域に特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34aが点灯する。
普通図柄表示装置33の下方には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留球個数」、「普通図柄に関する保留球個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ50aが点灯する。
第1特別図柄表示装置35aの右側には、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示器51a〜51dは、特別遊技の実行中においてラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示器51a〜51dは、4つのドットLEDから構成されており、ドッドLEDごとに点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示器51は、複数の8セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
第2特別図柄表示装置35bは、複数の8セグメントLEDで構成されている。この8セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。8セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄(第2識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の図柄(例えば、“21”又は“64”などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この大当り遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。
第2特別図柄表示装置35bの右方には、特別図柄保留ランプ34e〜34hが設けられている。この特別図柄保留ランプ34e〜34hは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「第2始動記憶」、「保留球個数」、「特別図柄に関する保留球個数」)を表示する。例えば、メインRAM70(図6参照)の第2始動記憶領域に特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34eが点灯する。
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、特別図柄表示装置35(35a、35b)において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示装置35で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字や記号などからなる識別図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示装置35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の識別情報が停止表示される。
また、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、「大当り!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。このように、液晶表示装置32は、遊技領域に複数設けられた始動領域(第1始動口25、第2始動口44)のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて識別情報の可変表示を行う可変表示手段の一例である。
さらに、図5に示すように、遊技盤14の前面部には、二つのガイドレール30(30a及び30b)、障害物57、通過ゲート54a、54b、第1始動口25を形成する役物、第2始動口44を形成する普通電動役物48、シャッタ40、大入賞口39、一般入賞口56a、56b、56c、56dなどの遊技部材が遊技盤14上に設けられている。
遊技盤14の略中央部には、障害物57が設けられている。この障害物57の両側部には障害物57の内部に遊技球を進入させるための孔部57a、57aが設けられている。すなわち、発射ハンドル26の操作によって遊技盤14に打ち出された遊技球において、障害物57に衝突した遊技球は障害物57に沿って左右いずれかに流下する。また、孔部57a、57aに進入した遊技球のみが障害物57の内部に案内される。障害物57の内部には、3つの孔部が形成されており、障害物57内に案内された遊技球は、3つの孔部のいずれかに入球する。中央の孔部に入球した遊技球は、案内路(図示せず)を介して中央の孔部の直下に形成された排出口から遊技盤14に戻される。両側の孔部に入球した遊技球は、直接遊技盤14に戻される。
中央の孔部に対応する排出口の直下には、第1始動口25を形成する役物が設けられており、さらに、第1始動口25の下部には、第2始動口44を形成する普通電動役物48が設けられている。普通電動役物48は、左右の両側に設けられた一対の羽根部材を備えており、この一対の羽根部材によって第2始動口44が形成される。また、一対の羽根部材は、普通電動役物ソレノイド118(図6参照)によって閉鎖状態又は開放状態に切り替え可能であり、開放状態となった場合には、第2始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、閉鎖状態となった場合には、第2始動口44に遊技球が入りにくくなる。このように、第2始動口44を形成する普通電動役物48は、複数設けられた始動領域(第1始動口25、第2始動口44)の少なくとも1つに設けられ、遊技球が通過し難い態様に変移する入球阻止部材の一例である。
遊技盤14の左側に設けられている二つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、複数の障害釘、遊技盤14上に設けられた障害物57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
第1始動口25内には、遊技球の入賞を検知する第1始動入賞球センサ116(図6参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、第1始動入賞球センサ116で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄表示装置35aによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。
第2始動口44内には遊技球の入賞を検出する第2始動入賞球センサ117(図6参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、第2始動入賞球センサ117で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄表示装置35bによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口44への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立するごとに特別図柄の変動表示が開始される。
遊技盤14の略中央の左右両側には通過ゲート54a、54bが設けられている。この通過ゲート54a、54bには、後述する通過球センサ114、115(図6参照)が設けられている。通過球センサ114、115は、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したことを検出する。そして、通過球センサ114、115によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示装置33において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。
この普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、普通電動役物48に備えられている羽根部材が閉鎖状態から開放状態となり、第2始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、第2始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。第1実施形態においては、閉鎖状態の場合は第2始動口44への入球は不可能となる。開放状態おいては、普通電動役物48の左右両側からの遊技球が第2始動口44に入球可能になる。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54a、54bを遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示装置35(35a、35b)において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図6参照)を有する領域(図示せず)があり、この領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態(第1の状態)から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態(第2の状態)までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンドなどのラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当り遊技あるいは特別遊技という。
特別遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、停止表示された特別図柄によって異なる。第1実施形態においては、特別図柄表示装置35(35a、35b)に停止表示される数字図柄が64の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示装置35に停止表示される数字図柄が21の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示装置35(35a、35b)に停止表示される数字図柄が50の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドとなる。なお、最大継続ラウンド数は2ラウンド又は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60(図6参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるようにしてもよい。
また、前述した一般入賞口56a〜56d、大入賞口39に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
また、前述した第1始動口25、第2始動口44において入賞と判定されたときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
なお、第1実施形態において、表示手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。例えば、表示手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプなどであってもよい。
[遊技機の電気的構成]
第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図6に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、記憶手段の一例であるメインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70などが接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、大当り実行制御手段や遊技実行制御手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される特別図柄決定テーブルなどの各種のテーブルも記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、大当り判定用カウンタ、大当り図柄決定用カウンタ、はずれ図柄決定用カウンタ、変動決定用カウンタ、演出決定用カウンタ、予告演出判定用カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、第1始動記憶に係る特別図柄に関する保留球個数を示すデータ、第2始動記憶に係る特別図柄に関する保留球個数を示すデータ、普通図柄に関する保留球個数を示すデータ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数などが位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。
大当り判定用カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用カウンタは、大当りではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。変動決定用カウンタは、変動パターンを決定するためのものである。演出決定用カウンタは、演出用を決定するためのものである。予告演出判定用カウンタは、予告演出を行うか否かを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、第1実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。なお、第1実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPUなど自体がタイマを備えていてもよい。
第1始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、その特別図柄ゲームの実行が保留される。第1始動記憶に係る特別図柄に関する保留球個数を示すデータは、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものであり、この保留回数は所定回数を上限(本実施形態においては4回)としている。
第2始動口44へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、その特別図柄ゲームの実行が保留される。第2始動記憶に係る特別図柄に関する保留球個数を示すデータは、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものであり、この保留回数は所定回数を上限(本実施形態においては4回)としている。
すなわち、本実施形態においては、第1始動口25への遊技球の入賞により、最大4回の特別図柄ゲームの実行が保留され、また、第2始動口44への遊技球の入賞により、最大4回の特別図柄ゲームの実行が保留される。このため、合計して最大8個の特別図柄ゲームの保留回数を確保することが可能になる。
遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの実行が保留される。普通図柄に関する保留球個数を示すデータは、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示すものである。ラウンド数表示用カウンタは、液晶表示装置32において表示されるラウンド数を示すものである。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図6に示すように、第1特別図柄表示装置35a、第2特別図柄表示装置35b、普通図柄表示装置33、特別図柄保留ランプ34a〜34h、普通図柄保留ランプ50a〜50d、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、第1始動入賞球センサ116、第2始動入賞球センサ117、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における所定の領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bをそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
第1始動入賞球センサ116は、第1始動口25に設けられている。この第1始動入賞球センサ116は、第1始動口25を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
第2始動入賞球センサ117は、第2始動口44に設けられている。この第2始動入賞球センサ117は、第2始動口44を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して普通電動役物48に設けられる羽根部材に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図5に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。例えば、筐体の電源を落とすことにより、結果データがリセットされる。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサなどの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、ランプ132の制御などを行う。なお、ランプ132には、白熱電球、LEDなど、具体的には、遊技盤14上を明暗表示する装飾ランプ(図示せず)などが含まれる。
なお、第1実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御手段としての表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、ランプや可動役物に関する制御を行うランプ制御回路240を備える。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210などが接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種テーブルが記憶されている。
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。その他にも、プログラムROM208には、複数種類の特別遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この特別遊技の実行中の演出パターンは、特別遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。また、プログラムROM208には、出力情報画像表示報知演出後、出力情報画像などを表示するまでの時間を定める出力情報画像表示タイマが記憶されている。また、プログラムROM208には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブルが記憶されている。
なお、第1実施形態においては、プログラム、テーブルなどを記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に、プログラム、テーブルなどが記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210などに記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタなど、各種の変数などが位置付けられている。
なお、第1実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
ランプ制御回路240は、ドライブ回路と、装飾データROMを備え、サブCPU206に接続されている。ドライブ回路を介し白熱電球、LEDなど演出に係わる発光部材を制御する。
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)、各種の画像データを記憶する画像データROM、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路から構成されている。
上述したVDPは、サブCPU206、画像データROM、D/Aコンバータ、初期リセット回路と接続されている。
このVDPは、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路などの回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDPは、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDPには、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROMには、背景画像データ、演出画像データなどの各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
VDPは、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROMから、背景画像データ、演出画像データなど、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源ICは、サブCPU206、初期リセット回路、音声データROM、AMPと接続されている。この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図7〜図18に示す。
[メイン処理]
最初に、図7に示すように、ステップS9において、メインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、詳しくは図12を用いて後述するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、第1特別図柄表示装置35a、第2特別図柄表示装置35bに表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置33に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとに発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図8を用いて説明する。
最初に、図8に示すように、ステップS43において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU66は、第1始動口25、第2始動口44、一般入賞口56a〜56d、通過ゲート54a、54b、大入賞口39等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する。入力検出処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。
ステップS45において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、メインCPU66は、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[入力検出処理]
図8に示すステップS44の入力検出処理について、図9を用いて説明する。
ステップS50において、賞球関連入力チェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112及び第1始動入賞球センサ116、第2始動入賞球センサ117の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU66は、カウントセンサ104の入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞球センサ106、108、110、112の入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動入賞球センサ116、第2始動入賞球センサ117の入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS51に処理を移す。
ステップS51において、特別図柄関連入力チェック処理を行う。特別図柄関連入力チェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、普通図柄関連入力チェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114、115の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、普通図柄ゲームの保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連入力チェック処理]
図9に示すステップS51の特別図柄関連入力チェック処理について、図12を用いて説明する。
ステップS53において、メインCPU66は、カウントセンサ104の入力があったか否かを判定し、カウントセンサ104の入力があったと判定した場合には、ステップS54に処理を移し、入力があったと判定しない場合には、ステップS55に処理を移す。
ステップS54において、カウントセンサ検出時処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39に入球した遊技球数をカウントする大入賞口入賞数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS55に処理を移す。
ステップS55において、メインCPU66は、第1始動入賞球センサ116又は第2始動入賞球センサ117の入力があったか否かを判定し、第1始動入賞球センサ116又は第2始動入賞球センサ117の入力があったと判定した場合には、ステップS56に処理を移し、入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS56において、始動口検出時処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
[始動口検出時処理]
図11を用いて、始動口検出時処理について以下に説明をする。
ステップS60において、メインCPU66は、検知した始動入賞球センサが第1始動入賞球センサ116であるか否かを判定する。第1始動入賞球センサ116であると判定した場合には、ステップS61に処理を移し、第1始動入賞球センサ116であると判定しない場合には、ステップS70に処理を移す。
ステップS61において、特別図柄の保留個数が4未満であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1始動記憶における保留個数が4未満であるか否かを判定する。保留個数が4未満であると判定した場合には、ステップS62に処理を移す。保留個数が4未満でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS62において、保留個数に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第1始動記憶における保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS63に処理を移す。
ステップS63において、大当り判定用乱数値及び大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS64に処理を移す。
ステップS64において、メインCPU66は、ステップS63の処理において抽出した乱数値をメインRAM70の第1始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1始動記憶領域は、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)まであって、特別図柄記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した大当り乱数値及び大当り図柄乱数値は、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、メインCPU66は、ステップS63の処理において抽出して、新たに第1始動記憶領域に記憶した乱数値と大当り判定値とを比較する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS66に処理を移す。
ステップS66において、メインCPU66は、ステップS65の処理における比較の結果、抽出した乱数値と大当り判定値とが一致しているか否かを判定する処理を行う。一致していると判定した場合には、ステップS67に処理を移し、一致していると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。このように、メインCPU66は、複数設けられた始動領域(第1始動口25、第2始動口44)のいずれかに遊技球が通過した際に、当該遊技球通過に基づく始動記憶が特定の表示態様とする旨の情報が含まれた特定始動記憶(大当り判定用カウンタから抽出した乱数値が大当り判定値と一致している始動記憶)であるか否かを判定する表示態様事前判定手段の一例である。
ステップS67において、予告演出抽選処理を行う。この処理において、メインCPU66は、予告演出を実行するか否かを乱数抽選によって決定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS68に処理を移す。このように、メインCPU66は、表示態様事前判定手段(メインCPU66)によって特定始動記憶であると判定され、所定の予告演出実行条件を満たした場合、予告演出を実行する設定を行う予告演出設定手段の一例である。
ステップS68において、メインCPU66は、ステップS65の処理において実行された抽選の結果が当選であると判定した場合には、ステップS69に処理を移し、当選であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS69において、メインCPU66は、メインRAM70に予告演出コマンドをセットする処理を行う。なお、メインRAM70に予告演出コマンドがセットされた場合は、図8のステップS47の処理によって副制御回路200に、予告演出コマンドを送信する処理が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS70において、特別図柄の保留個数が4未満であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の第2始動記憶における保留個数が4未満であるか否かを判定する。保留個数が4未満であると判定した場合には、ステップS71に処理を移す。保留個数が4未満でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、メインRAM70の第1、第2始動記憶領域は、複数設けられた始動領域(第1始動口25、第2始動口44)に対応して設けられ、始動領域を遊技球が通過したが、始動領域への遊技球の通過に基づく識別情報の可変表示が実行できないときに、識別情報の可変表示の実行を、当該識別情報の可変表示が実行できる条件が成立するまで、識別情報の可変表示結果を特定の表示態様とするか否かを決定するための情報とともに、始動記憶として所定数記憶可能な複数の始動記憶手段の一例である。
ステップS71において、保留個数に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第2始動記憶における保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
ステップS72において、メインCPU66は、メインRAM70に第2保留記憶コマンドをセットする処理を行う。なお、メインRAM70に第2保留記憶コマンドがセットされた場合は、図8のステップS47の処理によって副制御回路200に、第2保留記憶コマンドを送信する処理が行われる。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、大当り判定用乱数値及び大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、メインCPU66は、ステップS73の処理において抽出した乱数値をメインRAM70の第2始動記憶領域に格納する処理を行う。第1実施形態においては、第2始動記憶領域は、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)まであって、特別図柄記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した大当り乱数値及び大当り図柄乱数値は、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図7のステップS14において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。なお、図12において、ステップS81からステップS91の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、図12に示すように、ステップS81において、メインCPU66は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS82に処理を移す。
尚、後述する各処理において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、ステップS82において、メインCPU66は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理、すなわちステップS83の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS83において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理すなわちステップS84の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS84において、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理、すなわちステップS85の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS91の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS85において、メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理、すなわちステップS86の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS86において、メインCPU66は、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理、すなわちステップS87の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS87において、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理、すなわちステップS90の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理、すなわちステップS88の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS88において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理、すなわちステップS86の処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、ステップS90に示す大当り終了インターバル処理、すなわちステップS90の処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS91の処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPU66は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、ステップS91の特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理、すなわちステップS82の処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図12に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、特別図柄ゲーム終了処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図12に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
さらに、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図12に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
尚、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図12に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。このように、メインCPU66は、識別情報の可変表示結果が特定の表示態様となったことを条件として遊技者に有利な特定遊技状態に制御を行う遊技状態制御手段の一例である。
[特別図柄記憶チェック処理]
図12の特別図柄記憶チェック処理について図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、ステップS101において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行う。メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS102において、第2始動記憶における保留球の有無を判別する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2始動記憶領域に記憶されている保留個数が0であると判定した場合には、ステップS103に処理を移す。第2始動記憶領域に記憶されている保留個数が0であると判定しない場合(保留球がある場合)には、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、第1始動記憶における保留球の有無を判別する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1始動記憶領域に記憶されている保留個数が0であると判定した場合には、ステップS112に処理を移す。第1始動記憶領域に記憶されている保留個数が0であると判定しない場合(保留球がある場合)には、ステップS104に処理を移す。
ステップS104において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、第1特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄に関する第1始動記憶の保留個数を“1”減算する処理を実行する。そして、メインCPU66は、第1始動記憶領域における特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータをセットする処理を実行する。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、つまり特別図柄に関する保留個数の更新を実行することになる。次回の特別図柄当り判定には特別図柄記憶領域(0)にセットされたデータが使用されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106において、メインCPU66は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU66は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、第1始動口25への始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、決定した特別図柄によって、大当りの種類が決定される。また、メインCPU66は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。なお、通常大当りとは、大当り判定テーブルとして、大当りの判定値(大当り判定値)の数が少ない、すなわち大当り確率が低い大当り判定テーブルを選択し、大当り遊技終了後、低確率状態で特別図柄ゲームを実行することが決定する大当りを指す。確変大当りとは、大当り判定テーブルとして、大当りの判定値(大当り判定値)の数が多い、すなわち大当り確率が高い大当り判定テーブルを選択し、大当り遊技終了後、高確率状態で特別図柄ゲームを実行することが決定する大当りを指す。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、第1特別図柄表示装置35aに供給される。これによって、第1特別図柄表示装置35aに、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特図図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する識別図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109において、メインCPU66は、変動パターン決定処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
そして、ステップS110において、メインCPU66は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112において、メインCPU66は、デモ表示コマンドデータをメインRAM70の所定領域にセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、でも表示が液晶表示装置32おいて実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS115において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
ステップS116において、第2特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄に関する第2始動記憶の保留個数を“1”減算する処理を実行する。そして、メインCPU66は、第2始動記憶領域における特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータをセットする処理を実行する。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、つまり特別図柄に関する保留個数の更新を実行することになる。次回の特別図柄当り判定には特別図柄記憶領域(0)にセットされたデータが使用されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS117に処理を移す。
ステップS117において、メインCPU66は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPU66は、第2始動口44への始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS118に処理を移す。
ステップS118において、メインCPU66は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、決定した特別図柄によって、大当りの種類が決定される。また、メインCPU66は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。なお、通常大当りとは、大当り判定テーブルとして、大当りの判定値(大当り判定値)の数が少ない、すなわち大当り確率が低い大当り判定テーブルを選択し、大当り遊技終了後、低確率状態で特別図柄ゲームを実行することが決定する大当りを指す。確変大当りとは、大当り判定テーブルとして、大当りの判定値(大当り判定値)の数が多い、すなわち大当り確率が高い大当り判定テーブルを選択し、大当り遊技終了後、高確率状態で特別図柄ゲームを実行することが決定する大当りを指す。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、第2特別図柄表示装置35bに供給される。これによって、第2特別図柄表示装置35bに、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特図図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する識別図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
[変動パターン決定処理]
図13の変動パターン決定処理について図14を用いて説明する。
最初に、図14に示すように、ステップS121において、メインCPU66は、図13のステップS105又はステップS117における大当り判定の結果が大当りである場合には、ステップS122に処理を移し、大当り判定の結果が大当りでない場合には、ステップS123に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に大当りコマンドをセットする。大当りコマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。この処理が終了した場合には、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、メインCPU66は、図13のステップS107又はステップS118の処理において決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを選択する。そして、メインCPU66は、変動決定用カウンタから抽出した乱数値と選択した変動パターンテーブルとに基づいて、変動パターンを決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS124に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU66は、変動パターンを示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する処理を行う。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置35に供給される。これによって、特別図柄表示装置35に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、メインCPU66は、セットした変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドをメインRAM70の所定領域にセットする処理を行う。この変動パターン指定コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
図15を用いて、副制御回路メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
ステップS1010においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、プログラムROM208から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM210に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1020に処理を移す。
ステップS1020においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1030に処理を移す。
ステップS1030においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1040に処理を移す。
ステップS1040においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDPは、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1050に処理を移す。このように、サブCPU206は、可変表示手段(液晶表示装置32)の表示制御を行う可変表示制御手段の一例である。
ステップS1050においては、音制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、音を出力するためのデータを音声制御回路230に送信する。音声制御回路230は、サブCPU206からの音を出力するためのデータに基づいて、音声データROMから曲データ、効果音データ、声データなどの、各種音データを読み出し、音をミキシングして、アンプで増幅し、スピーカ46から出力する。この処理が終了した場合には、ステップS1060に処理を移す。
ステップS1060においては、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ランプを点灯するためのデータをランプ制御回路240に送信する。ランプ制御回路240は、サブCPU206からのランプを点灯するための点灯データに基づいて、装飾データROMから各種の点灯パターンデータを読み出し、ランプ132等を点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS1020に処理を移す。
[コマンド解析処理]
図16を用いて、コマンド解析処理について以下に説明をする。
ステップS1110において、主制御回路60から受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が受信コマンドありと判定した場合には、ステップS1120に処理を移し、サブCPU206が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1120において、サブCPU206は、バッファに記憶されているコマンドデータを読み出す処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1030に処理を移す。
ステップS1130において、サブCPU206は、予告演出設定処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1140に処理を移す。
ステップS1140において、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドであると判定した場合には、ステップS1150に処理を移し、変動パターン指定コマンドを示すデータが変動パターン指定コマンドであると判定しない場合には、ステップS1160に処理を移す。
ステップS1150において、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに基づいて、液晶表示装置32に演出表示する際の演出パターンを決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1160において、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドであると判定した場合には、ステップS1170に処理を移し、導出図柄指定コマンドを示すデータが導出図柄指定コマンドであると判定しない場合には、ステップS1180に処理を移す。
ステップS1170において、導出図柄決定処理を行う。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドに基づいて、液晶表示装置32に表示する演出用の識別図柄の導出図柄(停止表示の確定図柄)を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1180において、サブCPU206は、その他受信したコマンドに対応する処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[予告演出設定処理]
図17を用いて、予告演出設定処理について以下に説明をする。
ステップS1210において、サブCPU206は、主制御回路60から受信したコマンドが大当りコマンドであるか否かを判定する処理を行う。大当りコマンドであると判定した場合には、ステップS1220に処理を移し、大当りコマンドであると判定しない場合には、ステップS1230に処理を移す。
ステップS1220において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出フラグをセットするとともに、ワークRAM210の所定領域にセットされている予告演出実行フラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1230に処理を移す。
ステップS1230において、サブCPU206は、主制御回路60から受信したコマンドが予告演出コマンドであるか否かを判定する処理を行う。予告演出コマンドであると判定した場合には、ステップS1240に処理を移し、予告演出コマンドであると判定しない場合には、ステップS1260に処理を移す。
ステップS1240において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出フラグ及び予告演出実行フラグがセットされているか否かを判定する処理を行う。セットされていると判定した場合には、ステップS1260に処理を移し、セットされていると判定しない場合には、ステップS1250に処理を移す。
ステップS1250において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1260に処理を移す。
ステップS1260において、サブCPU206は、主制御回路60から受信したコマンドが第2保留記憶コマンドであるか否かを判定する処理を行う。第2保留記憶コマンドであると判定した場合には、ステップS1270に処理を移し、第2保留記憶コマンドであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。このように、サブCPU206は、複数設けられた始動記憶手段のうち、2つ以上の始動記憶手段が、始動記憶をしているか否かを判定する始動記憶判定手段の一例である。
ステップS1270において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出フラグがセットされているか否かを判定する処理を行う。セットされていると判定した場合には、ステップS1280に処理を移し、セットされていると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1280において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出実行フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1290に処理を移す。このように、サブCPU206は、始動記憶判定手段(メインCPU66)によって、2つ以上の始動記憶手段(メインRAM70の第1、第2始動記憶領域)が、始動記憶していると判定され、予告演出設定手段(サブCPU206)によって、予告演出を実行する設定が行われた場合に、特定の表示態様となることを示す予告演出を、特定始動記憶に基づく識別情報の可変表示の実行以前に実行される識別情報の可変表示とともに実行する予告演出実行制御手段の一例である。
ステップS1290において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出フラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出パターン決定処理]
図18を用いて、演出パターン決定処理について以下に説明をする。
ステップS1310において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。変動パターン指定コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS1320に処理を移し、変動パターン指定コマンドを受信したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1320において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出実行フラグがセットされているか否かを判定する処理を行う。セットされていると判定した場合には、ステップS1350に処理を移し、セットされていると判定しない場合には、ステップS1330に処理を移す。
ステップS1330において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている通常演出テーブルを参照して、実行する演出を決定する処理を行う。通常演出テーブルの内容については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1340に処理を移す。
ステップS1340において、サブCPU206は、選択された演出データをワークRAM210の所定領域にセットする処理を行う。そして、この処理において設定された演出データに基づいて、図15に示すステップS1040〜S1060の処理によって演出を実行する処理が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、サブCPU206は、識別情報の可変表示とともに、演出を実行する演出実行手段の一例である。
ステップS1350において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する処理を行う。予告演出カウンタの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1360に処理を移し、予告演出カウンタの値が「0」であると判定しない場合には、ステップS1380に処理を移す。
ステップS1360において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている特別演出テーブルAを参照して、実行する演出を決定する処理を行う。特別演出テーブルAの内容については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1370に処理を移す。
ステップS1370において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出カウンタの値に「1」加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1340に処理を移す。
ステップS1380において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出カウンタの値が「1」であるか否かを判定する処理を行う。予告演出カウンタの値が「1」であると判定した場合には、ステップS1390に処理を移し、予告演出カウンタの値が「1」であると判定しない場合には、ステップS1400に処理を移す。
ステップS1390において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている特別演出テーブルBを参照して、実行する演出を決定する処理を行う。特別演出テーブルBの内容については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1370に処理を移す。
ステップS1400において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出カウンタの値が「2」であるか否かを判定する処理を行う。予告演出カウンタの値が「2」であると判定した場合には、ステップS1410に処理を移し、予告演出カウンタの値が「2」であると判定しない場合には、ステップS1420に処理を移す。
ステップS1410において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている特別演出テーブルCを参照して、実行する演出を決定する処理を行う。特別演出テーブルCの内容については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1370に処理を移す。
ステップS1420において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている特別演出テーブルDを参照して、実行する演出を決定する処理を行う。特別演出テーブルDの内容については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1370に処理を移す。
ステップS1430において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶されている予告演出カウンタの値をクリアする(「0」にする)処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1340に処理を移す。
次に、図19を参照しながら、各種のテーブルの内容について説明する。
図19(a)は、図14のステップS123の処理において参照される変動パターンテーブルを示すものである。図19(a)に示すように、大当り判定がハズレの場合においては、ハズレ変動パターン1〜3のいずれかが乱数抽選によって決定される。また、大当り判定が大当りの場合においては、大当り変動パターン1〜3のいずれかが乱数抽選によって決定される。
具体的には、大当り判定がハズレの場合において、0〜59の範囲の乱数を発生させ、0〜19を抽出した場合には、ハズレ変動パターン1が選択される。ハズレ変動パターン1は、変動時間が10秒であり、変動パターン指定コマンド1が副制御回路200に送信される。また、20〜39を抽出した場合には、ハズレ変動パターン2が選択される。ハズレ変動パターン2は、変動時間が20秒であり、変動パターン指定コマンド2が副制御回路200に送信される。また、40〜59を抽出した場合には、ハズレ変動パターン3が選択される。ハズレ変動パターン3は、変動時間が30秒であり、変動パターン指定コマンド3が副制御回路200に送信される。
さらに、大当り判定が大当りの場合において、0〜59の範囲の乱数を発生させ、0〜19を抽出した場合には、大当り変動パターン1が選択される。大当り変動パターン1は、変動時間が20秒であり、変動パターン指定コマンド4が副制御回路200に送信される。また、20〜39を抽出した場合には、大当り変動パターン2が選択される。大当り変動パターン2は、変動時間が30秒であり、変動パターン指定コマンド5が副制御回路200に送信される。また、40〜59を抽出した場合には、大当り変動パターン3が選択される。大当り変動パターン3は、変動時間が40秒であり、変動パターン指定コマンド6が副制御回路200に送信される。
図19(b)は、図18のステップS1330の処理において参照される通常演出テーブルを示すものである。図19(b)に示すように、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンド1を受信した場合には、演出データ1を選択する。演出データ1の変動時間は10秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド2を受信した場合には、演出データ2を選択する。演出データ2の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド3を受信した場合には、演出データ3を選択する。演出データ3の変動時間は30秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド4を受信した場合には、演出データ4を選択する。演出データ4の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド5を受信した場合には、演出データ5を選択する。演出データ5の変動時間は30秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド6を受信した場合には、演出データ6を選択する。演出データ5の変動時間は40秒である。
図19(c)は、図18のステップS1360の処理において参照される特別演出テーブルAを示すものである。図19(c)に示すように、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンド1を受信した場合には、特別演出データ1を選択する。特別演出データ1の変動時間は10秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド2を受信した場合には、特別演出データ2を選択する。特別演出データ2の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド3を受信した場合には、特別演出データ3を選択する。特別演出データ3の変動時間は30秒である。
図19(d)は、図18のステップS1390の処理において参照される特別演出テーブルBを示すものである。図19(d)に示すように、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンド1を受信した場合には、演出データ1を選択する。演出データ1の変動時間は10秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド2を受信した場合には、特別演出データ4を選択する。特別演出データ4の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド3を受信した場合には、特別演出データ5を選択する。特別演出データ5の変動時間は30秒である。
図19(e)は、図18のステップS1410の処理において参照される特別演出テーブルCを示すものである。図19(e)に示すように、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンド1を受信した場合には、特別演出データ6を選択する。特別演出データ6の変動時間は10秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド2を受信した場合には、演出データ2を選択する。演出データ2の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド3を受信した場合には、特別演出データ7を選択する。特別演出データ7の変動時間は30秒である。
図19(f)は、図18のステップS1420の処理において参照される特別演出テーブルDを示すものである。図19(f)に示すように、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンド1を受信した場合には、特別演出データ8を選択する。特別演出データ8の変動時間は10秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド2を受信した場合には、特別演出データ9を選択する。特別演出データ9の変動時間は20秒である。同様に、主制御回路60から変動パターン指定コマンド3を受信した場合には、演出データ3を選択する。演出データ3の変動時間は30秒である。
[演出表示の説明]
図20を用いて、液晶表示装置による演出表示について説明をする。図20に示すように、液晶表示装置32の表示領域32aには、演出用の識別図柄94、第1始動口25への始動入賞に基づく第1保留球図柄92a、第2始動口44への始動入賞に基づく第2保留球図柄92bなどが表示される。演出用の識別図柄94は、通常遊技状態において、第1始動口25又は第2始動口44始動入賞に基づいて識別図柄94を変動表示させ、始動記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致している場合(大当りの場合)には、特定の停止表示態様、例えば「777」を表示することにより、大当りに当選したことを遊技者に報知する。始動記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致していない場合(はずれの場合)には、特定の停止表示態様以外の停止態様を表示する。
次に、演出表示の具体例について説明する。まず、図20(a)に示すように、演出用の識別図柄94が変動表示中でかつ第1保留球図柄92aが3つ点灯している状態にあるとする。さらにこの状態において、普通図柄抽選に当選して、普通電動役物48(図5参照)が開放し、第2始動口44に2個の始動入賞があったとする。この場合には、図20(b)に示すように、第2保留球図柄92bが2つ点灯する。そして、演出用の識別図柄94が停止表示する前に1個の始動入賞があったとする。これにより、図20(c)に示すように、第1保留球図柄92aが1つ点灯して、4つの第1保留球図柄92aと、2つの第2保留球図柄92bの計6つの保留球があることが遊技者に報知されるようになる。
本実施形態においては、図11のステップS66、S67に示すように、第1始動口25への始動入賞において抽出した大当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致した場合に、予告演出抽選が行われ、予告演出抽選に当選した場合に、予告演出コマンドがセットされる。さらに、第2始動口44に始動入賞した場合に、図11のステップS72の処理において、第2保留記憶コマンドがセットされる。そして、図17に示すように、副制御回路200が第2保留記憶コマンドを受信した時に予告演出コマンドがセットされていた場合に、予告演出が実行されるようになる。
したがって、図20(b)に示す場合においては、第2始動口44に始動入賞する前の3つの保留球に対応する始動記憶としての乱数値の中に、1つでも大当り判定値に一致するものがあれば、予告演出抽選に当選した場合に予告演出が実行されることになる。
次に、図20〜図22を用いて、予告演出表示について説明する。まず、前提として、図20(b)に示す第1保留球図柄92a3に対応する始動記憶が大当り判定値に一致し、かつ予告演出抽選に当選しているとする。さらに、第1保留球図柄92a3に対応する始動記憶以外の始動記憶は、全てはずれであるとする。また、図20(c)に示す状態となった後、遊技球の発射を停止しているものとする。
図20(d)に示すように停止表示態様が確定した後、図21(a)に示すように、次の保留球に基づく可変表示が実行される。第1実施形態においては、第2始動口44への始動入賞による保留球に基づく大当り判定結果が優先的に報知されるため、2つ点灯していた第2保留球図柄92bが1つなるとともに、演出用の識別図柄94の変動表示を開始する。そして、変動時間経過後、図21(b)に示すように、演出用の識別図柄94を停止表示させるとともに、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が表示領域32aに表示される。この時、ワークRAM210に記憶されている予告演出カウンタの値が「0」であるため、図19(c)に示す特別演出テーブルAに基づいて予告演出の内容が決定される。このため、予告図柄95が表示領域32aに1つ表示される。
図21(b)に示すように停止表示態様が確定した後、図21(c)に示すように、次の保留球に基づく可変表示が実行される。第1実施形態においては、1つ点灯していた第2保留球図柄92bが消灯するとともに、演出用の識別図柄94の変動表示を開始する。そして、変動時間経過後、図21(d)に示すように、演出用の識別図柄94を停止表示させるとともに、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が表示領域32aに表示される。この時、ワークRAM210に記憶されている予告演出カウンタの値が「1」であるため、図19(d)に示す特別演出テーブルBに基づいて予告演出の内容が決定される。ここで、特別演出データ4又は5に決定した場合には、予告図柄95が表示領域32aに2つ表示される。
図21(d)に示すように停止表示態様が確定した後、図21(e)に示すように、次の保留球に基づく可変表示が実行される。第1実施形態においては、4つ点灯していた第1保留球図柄92aの1つが消灯して3つになるとともに、演出用の識別図柄94の変動表示を開始する。そして、変動時間経過後、図21(f)に示すように、演出用の識別図柄94を停止表示させるとともに、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が表示領域32aに表示される。この時、ワークRAM210に記憶されている予告演出カウンタの値が「2」であるため、図19(e)に示す特別演出テーブルCに基づいて予告演出の内容が決定される。ここで、特別演出データ6又は7に決定した場合には、予告図柄95が表示領域32aに3つ表示される。
図21(f)に示すように停止表示態様が確定した後、図21(g)に示すように、次の保留球に基づく可変表示が実行される。第1実施形態においては、3つ点灯していた第1保留球図柄92aの1つが消灯して2つになるとともに、演出用の識別図柄94の変動表示を開始する。そして、変動時間経過後、図21(h)に示すように、演出用の識別図柄94を停止表示させるとともに、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が表示領域32aに表示される。この時、ワークRAM210に記憶されている予告演出カウンタの値が「3」であるため、図19(f)に示す特別演出テーブルDに基づいて予告演出の内容が決定される。ここで、特別演出データ8又は9に決定した場合には、予告図柄95が表示領域32aに4つ表示される。
図21(h)に示すように停止表示態様が確定した後、図22(a)に示すように、次の保留球に基づく可変表示が実行される。第1実施形態においては、2つ点灯していた第1保留球図柄92aの1つが消灯して1つになるとともに、演出用の識別図柄94の変動表示を開始する。ここで、この変動において消灯した第1保留球図柄92aは、図20(b)に示す第1保留球図柄92a3に対応しており、始動記憶されている大当り判定用の乱数値が大当り判定用乱数値に一致している。このため、図22(a)に示すように演出用の識別図柄94の変動表示を開始した後、図22(b)、図22(c)に示すように演出用の識別図柄94が順番に停止表示し、リーチ演出を経て、図22(d)に示すように大当り停止表示態様(777のような同一図柄の組合せ)となる。そして、「やったね!」という文字情報96が表示され、遊技者に大当りであることが報知される。
なお、図20(b)に示す場合において、左から3番目の第1保留球図柄92a3に対応する始動記憶が大当り判定値に一致したが予告演出抽選に当選しなかった場合には、図21に示す予告演出が実行されないことになる。また、例えば、図21(g)に示す変動表示中に第2始動口44に始動入賞した場合には、図21(h)に示すように、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が4つ表示領域32aに表示され、この表示の後、第2始動口44への始動入賞に基づく変動表示が行われるようになる。この場合、図18のステップS1430の処理によって、予告演出カウンタの値がクリアされているため、第2始動口44への始動入賞に基づく変動表示においては、特別演出テーブルAが参照されるようになる。このため、演出用の識別図柄94が停止表示する際に、「チャンス」という文字画像からなる予告図柄95が1つ表示領域32aに表示されるようになる。
このように構成することにより、第1実施形態においては、「チャンス」という文字画像が出現した時点で大当り確定であることが判断できる。このため、遊技球の発射を停止した状態で保留球を消化させることにより、大当り遊技が実行されるまで遊技球を消費させることを抑えることが可能になる。ここで、「チャンス」という文字画像が出現した時点における遊技状態が確変又は時短状態であり、普通電動役物48が頻繁に開放する場合(いわゆる、電チューサポートありの場合)には、遊技球の発射を継続し、第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りを狙ってもよい。特に低確率状態(時短状態)において第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りを狙って遊技球の発射を継続し、第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りに当選した場合には、2回の大当り遊技を獲得したことになる。
その一方で、高確率状態(確変状態)において「チャンス」という文字画像が出現した場合に、その後も第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りを狙って、遊技球の発射を継続し、第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りに当選したとする。仮に、この時の大当りが確変大当りであれば、大当り遊技終了後に遊技球発射を行わずに保留球を消化していくことにより、いずれ「チャンス」の出現の契機となった保留球に基づく可変表示を行うようになり、再び大当り当選を報知する停止表示態様となって、大当り遊技に移行する。なお、この大当りが確変大当りであれば高確率状態は継続され、通常大当りであれば高確率状態から低確率状態に転落することになる。しかし、第2始動口44への始動入賞を契機とした大当りが通常大当りであり、しかも、「チャンス」の出現の契機となった保留球に対応する大当り乱数値が、高確率状態のみに設定された大当り判定値(低確率状態においてははずれとなる判定値)と一致したことによる大当りであった場合には、大当り遊技終了後に遊技球発射を行わずに保留球を消化して、「チャンス」の出現の契機となった保留球に基づく可変表示を行っても大当り当選を報知する停止表示態様とはならない。すなわち、確定していた大当り遊技を獲得する権利を失うことになる。このように、第1実施形態においては、高確率状態において、「チャンス」という文字画像が出現した場合には、確定した大当りが確変大当りであるか否かを考えた上で、遊技球の発射を継続するか否かを決定するという、遊技者に新たな興趣を与えることが可能になる。なお、大当り遊技終了後に、高確率状態か否かを敢えて遊技者に報知しないことにより、電チューサポート状態において、「チャンス」という文字画像が出現した場合における判断の難易度を高くしてもよい。
このように、第1実施形態によれば、保留球に対応する始動記憶が特定始動記憶(大当り)であるか否かを判定し、特定始動記憶であると判定したこと、予告演出実行条件を満たすこと、2つ以上の始動記憶手段が始動記憶をしていること、という条件を満たすことによって、予告演出(連続予告演出)が実行される。例えば、2つの始動記憶手段があって一方の始動記憶手段に4個の保留球があり、4個目の保留球の始動記憶が特定始動記憶(大当り)であり、しかも予告演出実行条件を満たしていたとしても、予告演出は実行されないが、その後、他方の始動記憶手段が始動記憶をするようになれば、予告演出は実行されるようになる。このため、例えば、遊技者は、一方の始動記憶手段(第1始動記憶領域)に4個の保留球があった場合に、他方の始動記憶手段(第2始動記憶領域)への始動入賞を目的として遊技球の発射操作を行うことにより、予告演出を遊技者自身の技術によって、一方の始動記憶手段に4個の保留球において大当りがあるか否かを確かめることができる、という面白みを提供することが可能になる。このように、保留球が多い場合において面白みがある予告演出を実行する遊技機を提供することが可能になる。
また、第1実施形態によれば、複数設けられた始動領域(第1始動口25、第2始動口44)の少なくとも1つに、遊技球が通過し難い態様に変移する入球阻止部材(普通電動役物48)が設けられているため、複数の始動領域での始動記憶が困難になる。その結果、さらに予告演出を実行させるために要する技術介入性が高まり、特に熟練の遊技者を楽しませることが可能になる。このように、保留球が多い場合において面白みがある予告演出を実行する遊技機を提供することが可能になる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、第1実施形態における遊技機と構成は同一であるが、制御処理の一部が異なっている。すなわち本発明の第2実施形態は、第1実施形態における図11に示す始動口検出時処理、及び図17に示す予告演出設定処理が異なっている。
[始動口検出時処理]
図23を用いて、第2実施形態の始動口検出時処理について以下に説明をする。
ステップS260において、メインCPU66は、検知した始動入賞球センサが第1始動入賞球センサ116であるか否かを判定する。第1始動入賞球センサ116であると判定した場合には、ステップS261に処理を移し、第1始動入賞球センサ116であると判定しない場合には、ステップS271に処理を移す。
ステップS261において、特別図柄の保留個数が4未満であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1始動記憶における保留個数が4未満であるか否かを判定する。保留個数が4未満であると判定した場合には、ステップS262に処理を移す。保留個数が4未満でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS262において、保留個数に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS263に処理を移す。
ステップS263において、大当り判定用乱数値及び大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS264に処理を移す。
ステップS264において、メインCPU66は、ステップS263の処理において抽出した乱数値をメインRAM70の第1始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1始動記憶領域は、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)まであって、特別図柄記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した大当り乱数値及び大当り図柄乱数値は、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS265に処理を移す。
ステップS265において、メインCPU66は、ステップS263の処理において抽出して、新たに第1始動記憶領域に記憶した乱数値と大当り判定値とを比較する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS266に処理を移す。
ステップS266において、メインCPU66は、ステップS265の処理における比較の結果、抽出した乱数値と大当り判定値とが一致しているか否かを判定する処理を行う。一致していると判定した場合には、ステップS267に処理を移し、一致していると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS267において、メインCPU66は、第2始動記憶領域に始動記憶があるか否かを判定する処理を行う。一致していると判定した場合には、ステップS268に処理を移し、一致していると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS268において、予告演出抽選処理を行う。この処理において、メインCPU66は、予告演出を実行するか否かを乱数抽選によって決定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS269に処理を移す。このように、第1、第2始動記憶領域に始動記憶がある場合に予告演出抽選を行うことは、所定の予告演出実行条件として、始動記憶判定手段(メインCPU66)によって、2つ以上の始動記憶手段が始動記憶をしていると判断されることを含むことの一例である。
ステップS269において、メインCPU66は、ステップS268の処理において実行された抽選の結果が当選であると判定した場合には、ステップS270に処理を移し、当選であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS270において、メインCPU66は、メインRAM70に予告演出コマンドをセットする処理を行う。なお、メインRAM70に予告演出コマンドがセットされた場合は、図8のステップS47の処理によって副制御回路200に、予告演出コマンドを送信する処理が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS271において、特別図柄の保留個数が4未満であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2始動記憶における保留個数が4未満であるか否かを判定する。保留個数が4未満であると判定した場合には、ステップS271に処理を移す。保留個数が4未満でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS272において、保留個数に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS273に処理を移す。
ステップS273において、大当り判定用乱数値及び大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数値を抽出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS274に処理を移す。
ステップS274において、メインCPU66は、ステップS273の処理において抽出した乱数値をメインRAM70の第2始動記憶領域に格納する処理を行う。第2実施形態においては、第2始動記憶領域は、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)まであって、特別図柄記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した大当り乱数値及び大当り図柄乱数値は、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[予告演出設定処理]
図24を用いて、第2実施形態の予告演出設定処理について以下に説明をする。
ステップS2210において、サブCPU206は、主制御回路60から受信したコマンドが大当りコマンドであるか否かを判定する処理を行う。大当りコマンドであると判定した場合には、ステップS2220に処理を移し、大当りコマンドであると判定しない場合には、ステップS2230に処理を移す。
ステップS2220において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域にセットされている予告演出実行フラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2230に処理を移す。
ステップS2230において、サブCPU206は、主制御回路60から受信したコマンドが予告演出実行コマンドであるか否かを判定する処理を行う。予告演出実行コマンドであると判定した場合には、ステップS2240に処理を移し、予告演出実行コマンドであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2240において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出実行フラグがセットされているか否かを判定する処理を行う。セットされていると判定した場合には、ステップS2250に処理を移し、セットされていると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2250において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に予告演出実行フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、第2実施形態においては、第1実施形態のように第2保留記憶コマンドを送信する処理は省略される。その一方で、第1始動口25に始動入賞した時に、この始動入賞を契機として抽出した乱数値と大当り乱数値が一致していること、及び第2始動記憶があるという2つの条件を満たしていることを条件として、予告演出抽選が実行される。言い換えれば、第1始動口25に始動入賞した時に乱数値と大当り乱数値が一致したとしても、その時点で第2始動記憶がなければ、予告演出抽選は実行されない。このため、第2実施形態においては、第1実施形態よりも予告演出を実行させる条件が厳しくなるが、その代わりに、予告演出のプレミア度が高くなり、第2始動口44に始動入賞させることによって得られる興趣を向上させることが可能になる。
このように第2実施形態によれば、始動記憶判定手段によって、2つ以上の始動記憶手段が始動記憶をしていることが、予告演出実行条件となる。このため、例えば、2つの始動記憶手段がある場合においては、それぞれの始動記憶手段において始動記憶が存在するように、各始動記憶に対応する始動領域に対して遊技球の発射操作を行うことにより、予告演出を遊技者自身の技術によって予告演出を実行させることが可能になる。さらに、遊技者は複数の始動記憶を常に維持しようとするので、打ち止め防止の効果が期待できるようになる。このように、保留球が多い場合において面白みがある予告演出を実行する遊技機を提供することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、本実施形態においては、第1始動口25を形成する役物の直下に普通電動役物48が配置されており、普通図柄抽選に当選しなければ第2始動口44に入賞できないように構成されているが、それに限らず、直接入賞できるような位置に第2始動口44を形成する普通電動役物48を配置してもよい。また、それ以外でも、例えば、障害物57内のステージ上に第2始動口44を形成したり、4つの一般入賞口56a〜56dの中の1つを第2始動口44としてもよい。
尚、本実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、ドラム式の表示装置や7セグメントのLEDを用いた表示装置を用いたパチンコ遊技機であってもよい。
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチンコ遊技を画面上に表現したTVゲーム機など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。