JP5466028B2 - 可食性シート及び食品保持シート - Google Patents

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Description

本発明は、口溶け性及び歯切れ性がよい、食品入可食性シート及び食品保持シートに関する。
近年、食品や医薬品等の包装材や担体等として可食性シートが用いられるようになってきている。例えば、香料等を含有させた口中清涼シートや消臭成分等を含有させた口臭予防シートとして可食性シートが使用されている。また、医薬活性成分を含有させたシート状製剤についても開発が行われている。
従来、可食性シートとしてオブラートが知られている。これは、α化デンプンを薄膜状にしたものであり、薬を服用する際における補助製品として使用されているものである。また、セルロース系の高分子物質等を用いた速溶性シート状製剤が特許文献1に開示されている。
しかしながら、従来の可食性シートを服用した場合においては、口腔内において崩壊するまでに時間を要し、口腔内が粘ついて不快感を与える場合があった。
特開2004−43450号公報
本発明は、口溶け性及び歯切れ性がよい、食品を含有する可食性シート及び食品保持シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、ヒドロキシプロピルセルロースからなる水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子を分散状態で存在させ、さらに、ここに食品を添加することにより、口溶け性及び歯切れ性がよい、バラエティーに富んだ食品入りの可食性シートが得られることを見出した。さらに、ヒドロキシプロピルセルロースからなる水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子を分散状態で存在させた可食性シートに食品を保持させることによって、口溶け性及び歯切れ性がよい食品保持シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(3)の食品入可食性シートが提供される。
(1)ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在することを特徴とする可食性シート。
(2)前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン及び/又はマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする(1)に記載の可食性シート。
(3)前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種の乾燥粉末であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の可食性シート。
本発明の第2によれば、下記(4)〜(6)の食品保持シートが提供される。
(4)ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートによって、食品が保持されてなる食品保持シート。
(5)前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン及び/又はマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする(4)に記載の食品保持シート。
(6)前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種を含むものであることを特徴とする(4)又は(5)に記載の食品保持シート。
本発明によれば、口溶け性及び歯切れ性が良い、新しい食感を有する食品入可食性シート及び食品保持シートが提供される。
本発明の食品入可食性シート又は食品保持シートによれば、種々の食品を、口溶け性及び歯切れ性良く簡便に摂取することができる。
本発明の食品入可食性シート又は食品保持シートによれば、バラエティーに富んだ味を有する可食性シートが得られる。
本発明の食品入可食性シート及び食品保持シートは、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
以下、本発明を、1)食品入可食性シート、及び、2)食品保持シートに項分けして詳細に説明する。
1)食品入可食性シート
本発明の食品入可食性シートは、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在することを特徴とする。
(水溶性微粒子)
本発明の食品入可食性シートには、水溶性微粒子が水溶性フィルムの内部に分散状態で存在する。ここで、「分散状態で存在」とは、水溶性フィルムの内部に水溶性微粒子が微粒子状で存在することを意味する。
水溶性微粒子としては、常温において固体でかつ体温付近の温度で水に溶解するものであり、水溶性フィルムの内部に分散状態で存在できるものであれば特に制限はない。なかでも、水溶性微粒子の5質量%水溶液の37℃における粘度が、10mPa・s以下であるものが好ましい。
なお、本明細書において粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠して測定されたものである。
水溶性微粒子を構成する材料としては、例えば、マルトデキストリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、デオキシリトール、スクラロース、シュークロース、マルチトール、ラクトース、ラクチトール等が挙げられる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、口溶け性及び歯切れ性に優れ、後味が良いことからマルトデキストリン及び/又はマンニトールが好ましく、マルトデキストリン、マルトデキストリン及びマンニトールを両方含むものが特に好ましい。
水溶性微粒子の平均粒径は、コールカウンター法による測定で、通常1〜300μmであり、好ましくは5〜50μmである。
水溶性微粒子の含有量は、食品入可食性シート全体に対して、通常5〜80質量%、好ましくは20〜70質量%である。水溶性微粒子の含有量をこの範囲とすることで、口溶け性及び歯切れ性に優れる食品入可食性シートが得られる。
なお、一般的に、水溶性微粒子の添加量を多くすれば、口腔内における食品入可食性シートの崩壊時間を短くでき、水溶性微粒子の添加量を少なくすれば、口腔内における食品入可食性シートの崩壊時間を長くすることができる。
(食品)
本発明の食品入可食性シートにおいては、水溶性フィルムの内部に、前記水溶性微粒子の他、食品を有する。食品としては水溶性フィルム内に存在することができる食品であれば、特に制約はないが、製造の容易性から、以下に詳述する食品粉末であることが好ましい。
(食品粉末)
食品粉末の材料としては、粉末状になることができ、水溶性フィルム内に存在することができる食品材料であれば特に制約はなく、用途に合わせて選択することができる。例えば、魚介類、甲殻類、植物、海藻、肉類、乳製品、卵、調味料等が挙げられる。なかでも、乾燥粉末が得られ易く取り扱いが容易な、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
魚介類としては、例えば、鰹、鮭、鯛、鰯、鯖、鯵、鱈、鮪、秋刀魚、鰆、鰻、穴子、河豚等の魚類;烏賊;アサリ、シジミ、蛤、帆立、牡蠣等の貝類;等が挙げられる。
甲殻類としては、エビ、カニ、オキアミ等が挙げられる。
植物としては、イチゴ、蜜柑、林檎、マンゴー、バナナ、葡萄、柿、パイナップル、ブルーベリー等の果物;ほうれん草、小松菜、葱、玉葱、人参、牛蒡、南瓜、トウモロコシ、蓮根、大根、ピーマン、パプリカ、トマト、ゴーヤ、ヨモギ等の野菜類;じゃがいも、サツマイモ、里芋、蒟蒻等の芋類;大豆(枝豆、納豆)、緑豆、インゲン、落花生等の豆類;椎茸、エノキ、シメジ等の茸類;梅、山葵、生姜、辛子、シソの葉、胡麻、唐辛子、山椒、柚子等の香辛料(薬味);米、小麦、蕎麦等の穀類;栗、アーモンド、カシューナッツ、銀杏、胡桃、カカオ等の実(種子);茶;等が挙げられる。
海藻としては、ワカメ、昆布、ヒジキ、モズク、紅藻、緑藻、藍藻等が挙げられる。
肉類としては、豚肉、牛肉、鳥肉、鯨肉等が挙げられる。
乳製品としては、チーズ、ミルク、ヨーグルト等が挙げられる。
調味料としては、天然由来の調味料、化学調味料、及びそれらから選択される2以上を組み合わせたもの等が挙げられる。
天然由来の調味料としては、天日塩、砂糖、蜂蜜、味噌、カレー粉等が挙げられる。
化学調味料としては、合成食塩、合成アミノ酸を用いたうまみ成分、アセスルファムカリウム等の合成甘味料、その他の合成化合物を用いた苦味料、酸味料、香料等が挙げられる。
これらの食品は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて添加することができる。また、食品は、調理品、加工品等であってもよい。
食品粉末としては、乾燥粉末を用いるのが好ましい。
食品を乾燥させる方法としては、扱う食品によって異なるが、特に制約はなく、加熱乾燥、自然乾燥、凍結乾燥等の従来公知の方法が挙げられる。
食品を粉末にする方法としては、特に制約はなく、扱う食品によって異なるが、例えば、食品の乾燥品を、ハンマーミル粉砕機、ピン式粉砕機、ジェットミル粉砕機、衝撃式粉砕機等の従来公知の粉砕機を用いて粉砕する方法等が挙げられる。
食品粉末の平均粒径は、食品粉末入可食性シートの厚み等にもよるが、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。
食品入可食性シートにおける食品の含有量は、食品入可食性シート全体に対して、通常0.01〜80質量%、好ましくは5〜50質量%である。
また、食品は、水溶性フィルムの内部に、均一に含まれていても、分散状態で含まれていてもよい。
(水溶性フィルム)
本発明に用いる水溶性フィルムは、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成されたフィルムである。
ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースに酸化プロピレンを反応させて得られるヒドロキシエーテルであり、2005年に食品添加物として指定されたものである。
ヒドロキシプロピルセルロースは、市販されているものをそのまま使用することができる。
フィルム形成剤中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有割合は、フィルム形成剤全体に対して、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
前記フィルム形成剤には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)以外に、水溶性の他の可食性高分子が含有されていてもよい。
他の可食性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム(CMC−Na)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギン酸−Na等が挙げられる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度は、1000〜100000mPa・sであることが好ましい。このような粘度を有するものにすることにより、薄いシートであっても取り扱い時に破れたりしない十分な強度を持たせることができる。
前記フィルム形成剤の含有率は、食品入可食性シート全体に対して、通常15〜90質量%、好ましくは25〜60質量%である。
本発明の食品入可食性シートには、可塑剤がさらに含有されていてもよい。可塑剤により、食品入可食性シートの口溶け性をさらに向上させることができる。
用いる可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、トリアセチレン、ポリソルベート80等が挙げられる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
食品入可食性シートが可塑剤を含む場合、その含有量は、食品入可食性シート全体に対して1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
食品入可食性シートの厚みは、特に限定されないが、通常20〜400μm、好ましくは30〜150μmである。
また、本発明の食品入可食性シートは、用途に応じ、前記水溶性微粒子、食品に加え、その他の添加物、例えば、酸化チタン等の着色剤;鎮痛剤、ホルモン剤、睡眠導入剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤等の薬物;ビタミン類;サプリメント;香料;各種色素;等を含有していてもよい。
前記その他の添加物の配合量は、食品入可食性シートに対して、通常0.01〜40質量%程度である。
本発明の食品入可食性シートは、食品入可食性シート形成用組成物を、保持基材上に塗布、乾燥して製膜することにより得ることができる。
食品入可食性シート形成用組成物は、例えば、溶媒に前記水溶性微粒子を分散させ、得られた溶液にフィルム形成剤を溶解させ、食品、及び所望により可塑剤、その他の添加物を添加して溶解・分散させる方法、フィルム形成剤を溶解させた溶媒溶液に、水溶性微粒子を分散させ、さらに、食品、及び所望により可塑剤、その他の添加物を添加して溶解・分散させる方法等により調製することができる。
用いる溶媒としては、水溶性フィルムの内部に水溶性微粒子を分散状態で存在させるため、水溶性微粒子が難溶又は不溶であり、フィルム形成剤が易溶又は可溶であるのが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素数2〜4の脂肪族アルコール系溶媒(以下、「脂肪族アルコール系溶媒」という。)が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもエタノールが特に好ましい。
また、食品が用いる溶媒に難溶又は不溶である場合には、水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品が分散状態で存在する可食性シートを得ることができる。
用いる保持基材としては、本発明の食品入可食性シートを担持することができるものであれば、特に制限されない。例えば、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリエチレンナフタレートシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート等のプラスチックシート;グラシン紙、クレーコート紙、ポリエチレンラミネート紙等の紙類;等及び、これらのプラスチックシート等に必要に応じてシリコーン系剥離剤等で剥離処理したものが挙げられる。
用いる保持基材の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
食品入可食性シート用組成物を保持基材上に塗工する方法としては、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、アプリケーター等の公知の塗工装置を用いて塗布する方法が挙げられる。
食品入可食性シート用組成物の塗布量は、乾燥後において、10〜100g/m、好ましくは20〜60g/mとなる量である。
食品入可食性シート用組成物の塗膜を形成後、溶媒を乾燥除去して食品入可食性シート層を形成することができる。
溶媒を乾燥除去するときの温度は、通常50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。
乾燥時間は、通常数十秒から数分間である。
以上のようにして、保持基材上に本発明の食品入可食性シートを得ることができる。
またこの場合、保持基材として長尺のものを用い、該保持基材を一定方向に搬送しながら、該保持基材表面に連続的に前記組成物を塗工し、得られた塗膜を乾燥室内で連続的に乾燥することにより、保持基材上に長尺状の食品入可食性シートを連続的に製造することもできる。
得られた食品入可食性シートは、保持基材が付された状態で運搬し、保管することができる。
保持基材を除去することにより、目的とする食品入可食性シートを得ることができる。
食品入可食性シートは、用途に合わせ、複数枚を積層させて好みの厚さにして用いることができる。
また、食品入可食性シートの保持基材のない面上に、保護シートを積層してもよい。
保護シートとしては、保持基材と同様の材質のものを用いることができる。
本発明の食品入可食性シートは、口溶け性、及び歯切れ性がよい。新しい食感や食べ方を楽しみながら、さまざまな食品を摂取することができる。
本発明の食品入可食性シートは、例えば、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
2)食品保持シート
本発明の第2は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートによって、食品が保持されてなる食品保持シートである。
可食性シートのフィルム形成剤、水溶性微粒子としては、前記と同様のものが挙げられる。
可食性シートは、食品を用いない以外は、前記食品入可食性シートの製造方法と同様の方法で製造することができる。なお、可食性シートとして、第1発明の食品入可食性シートを用いてもよい。
保持させる食品としては、可食性シート上に保持できる食品であれば特に制約はない。例えば、前記食品入可食性シートを作成する際に用いることができるとして例示した食品等が挙げられる。また、食品の形状は特に制約はないが、保持の容易性等から、食品粉末であるのが好ましい。
用いる食品の量は、可食性シートに保持することができる量以下であれば特に制約はなく、用途に応じて決定すればよい。
ここで、「食品が保持されてなる」とは、可食性シート上に食品が付着又は担持されていることを意味する。
可食性シート上に食品を付着又は担持させる方法としては、特に制約はなく、可食性シート形成用組成物(食品を含んでいなくてもよいこと以外は、前記食品入可食性シート形成用組成物と同じ組成物。)を保持基材上に塗布し、粘凋な組成物上に食品粉末を散布し、付着させた後に乾燥を行い、食品を保持させる方法、可食性シートの少なくとも片方の面に、食品からなるシートをラミネートする方法等が挙げられる。なかでも、簡便に食品保持シートを形成できることから、可食性シート形成用組成物を保持基材上に塗布し、粘凋な組成物上に食品粉末を散布し、付着させた後に乾燥を行い、食品を保持させる方法が好ましい。
得られる食品保持シートは、複数枚を積層させて用いてもよいし、食品保持シートにさらに可食性シートを積層させて用いてもよい。
本発明に用いる可食性シートは、熱可塑性を有する。そのため、所定の熱、または熱と圧力を加えることにより、複数の可食性シートを接着することができる。
本発明の食品保持シートは、可食性シート上に食品粉末を散布し、固定されない状態のまま、当該可食性シートの食品粉末が散布された面と、もう一枚の可食性シートの任意の面とが対向するように接着することにより、2枚の可食性シートの間に食品粉末を保持させる方法によっても形成することができる。
本発明の食品保持シートは、口溶け性、及び歯切れ性がよい。新しい食感や食べ方を楽しみながら、さまざまな食品を摂取することができる。
本発明の食品保持シートは、例えば、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
(実施例1)
適量のエタノールに、食品としてのさば削節の粉砕物8.2質量部と水溶性微粒子としてのマルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)60.1質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散させた。そこへ、フィルム形成剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:5500mPa・s)25.7質量部と可塑剤としてのグリセリン6質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解させ、食品入可食性シート形成用組成物1を得た。
次に、保持基材のポリエチレンテレフタレートフィルム(SP−PET381031、リンテック社製)上に、食品入可食性シート形成用組成物1を、乾燥後の塗布量が40g/mとなるようにギャップを調整したアプリケーターを用いて展延塗布し、80℃で5分間乾燥後、保持基材を剥離除去することにより、食品入可食性シート1aを得た。
(実施例2)
実施例1のマルトデキストリン60.1質量部を、マルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)30.05質量部及びマンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)30.05質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート1bを得た。
(実施例3)
実施例1のマルトデキストリン60.1質量部を、マンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)60.1質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート1cを得た。
(実施例4)
適量のエタノールに、水溶性微粒子としてのマルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)65.5質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散させた。そこへ、フィルム形成剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:5500mPa・s)28.0質量部と可塑剤としてのグリセリン6.5質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解させ、可食性シート形成用組成物2を得た。
次に、保持基材のポリエチレンテレフタレートフィルム(SP−PET381031、リンテック社製)上に、可食性シート形成用組成物2を、37g/mとなるようにギャップを調整したアプリケーターを用いて展延塗布し、塗布面上に、食品粉末としてのさば削節の粉砕物を、面積あたりに散布した重量が3g/mとなるように均一に散布し、80℃で5分間乾燥し、保持基材を剥離除去することにより、可食性シートの一方の表面上に、さば削節の粉砕物が保持された食品保持シート2aを得た。
(実施例5)
実施例4の可食性シート形成用組成物2を、保持基材のポリエチレンテレフタレートフィルム(SP−PET381031、リンテック社製)上に、37g/mとなるようにギャップを調整したアプリケーターを用いて展延塗布し、80℃で5分間乾燥し、保持基材上に形成された可食性シート2bを得た。
次に、可食性シート2b上に、食品としてのさば削節の粉砕物を、面積あたりに散布した重量が6g/mとなるように均一に散布したのち、当該可食性シート2bの、さば削節の粉砕物を散布した面と、もう1枚の可食性シート2bの一方の面とが対向するようにして、熱圧ロールラミネータにより、120℃の熱、0.5MPaの圧力を加えてウェブ搬送速度0.3m/分で接着を行い、2枚の可食性シート2bの間に、さば削節の粉砕物が保持された食品保持シート2bを得た。
(実施例6)
実施例4のマルトデキストリン65.5質量部を、マルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)32.75質量部及びマンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)32.75質量部に代えた以外は、実施例4と同様にして、食品保持シート2cを得た。
(実施例7)
実施例4のマルトデキストリン65.5質量部を、マンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)65.5質量部に代えた以外は、実施例4と同様にして、食品保持シート2dを得た。
(比較例1)
エタノール270質量部に、食品としてのさば削節の粉砕物8.2質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散した。そこに、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製)85.8質量部と、グリセリン6質量部を攪拌しながらゆっくりと添加して溶解し、食品入可食性シート用組成物3を得た。
実施例1において、食品入可食性シート形成用組成物1の代わりに、食品入可食性シート形成用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート3を得た。
実施例1〜7及び比較例1で得られた、食品入可食性シート1a、1b、1c及び3、食品保持シート2a、2b、2c、及び2dにつき、以下の口腔内崩壊時間の測定、口溶け性評価及び歯切れ性評価を行った。
[口腔内崩壊時間]
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断し、水なしで口腔内に含ませ、可食性シートが口腔内の唾液で崩壊するまでの時間を測定した。試験は3回行い、その平均値を算出した。その結果を下記第1表に示す。
[口溶け性評価]
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断し、水なしで口腔内に含ませ、シートが口腔内の唾液で崩壊した後、嚥下を行った後の口の中の感覚を、下記の3段階の基準で評価した。
◎:口腔内はさっぱりとしていた。
○:口腔内がはじめは粘ついたがすぐにさっぱりとした。
×:口腔内が粘ついて感触が悪かった。
結果を下記第1表に示す。
[歯切れ性評価]
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断しておにぎりに貼り付け、歯で噛み千切った時の感覚を、下記の3段階の基準で評価した。
◎:歯切れがよかった。
○:やや切れにくいものの噛み千切ることが容易にできた。
×:歯切れが悪かった。
結果を下記第1表に示す。なお、歯切れ性が×に該当する食品入可食性シート又は食品保持シートは存在しなかった。
Figure 0005466028
実施例1〜7の食品入可食性シート及び食品保持シートは、比較例1の食品入可食性シートに比して、口腔内崩壊時間が短く、口溶け性、歯切れ性に優れていた。

Claims (6)

  1. ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートであって、
    前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン、又は、マルトデキストリン及びマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする可食性シート。
  2. 前記水溶性微粒子の平均粒径が、5〜50μmであり、
    前記水溶性微粒子の5質量%水溶液の37℃における粘度が、10mPa・s以下であり、
    前記水溶性微粒子の含有量が、可食性シート全体に対して、20〜70質量%であり、
    前記フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであり、
    前記フィルム形成剤中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有割合が、フィルム形成剤全体に対して、80質量%以上であり、
    前記フィルム形成剤の含有率が、可食性シート全体に対して、25〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載の可食性シート。
  3. 前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種の乾燥粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可食性シート。
  4. ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートと、当該可食性シートに保持された食品と、を有する食品保持シートであって、
    前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン、又は、マルトデキストリン及びマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする食品保持シート。
  5. 前記水溶性微粒子の平均粒径が、5〜50μmであり、
    前記水溶性微粒子の5質量%水溶液の37℃における粘度が、10mPa・s以下であり、
    前記水溶性微粒子の含有量が、可食性シート全体に対して、20〜70質量%であり、
    前記フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであり、
    前記フィルム形成剤中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有割合が、フィルム形成剤全体に対して、80質量%以上であり、
    前記フィルム形成剤の含有率が、可食性シート全体に対して、25〜60質量%であることを特徴とする請求項4に記載の食品保持シート。
  6. 前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の食品保持シート。
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