JP5466028B2 - 可食性シート及び食品保持シート - Google Patents
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Description
(1)ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在することを特徴とする可食性シート。
(2)前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン及び/又はマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする(1)に記載の可食性シート。
(3)前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種の乾燥粉末であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の可食性シート。
(4)ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートによって、食品が保持されてなる食品保持シート。
(5)前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン及び/又はマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする(4)に記載の食品保持シート。
(6)前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種を含むものであることを特徴とする(4)又は(5)に記載の食品保持シート。
本発明の食品入可食性シート又は食品保持シートによれば、種々の食品を、口溶け性及び歯切れ性良く簡便に摂取することができる。
本発明の食品入可食性シート又は食品保持シートによれば、バラエティーに富んだ味を有する可食性シートが得られる。
本発明の食品入可食性シート及び食品保持シートは、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
本発明の食品入可食性シートは、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在することを特徴とする。
本発明の食品入可食性シートには、水溶性微粒子が水溶性フィルムの内部に分散状態で存在する。ここで、「分散状態で存在」とは、水溶性フィルムの内部に水溶性微粒子が微粒子状で存在することを意味する。
なお、本明細書において粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠して測定されたものである。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、口溶け性及び歯切れ性に優れ、後味が良いことからマルトデキストリン及び/又はマンニトールが好ましく、マルトデキストリン、マルトデキストリン及びマンニトールを両方含むものが特に好ましい。
なお、一般的に、水溶性微粒子の添加量を多くすれば、口腔内における食品入可食性シートの崩壊時間を短くでき、水溶性微粒子の添加量を少なくすれば、口腔内における食品入可食性シートの崩壊時間を長くすることができる。
本発明の食品入可食性シートにおいては、水溶性フィルムの内部に、前記水溶性微粒子の他、食品を有する。食品としては水溶性フィルム内に存在することができる食品であれば、特に制約はないが、製造の容易性から、以下に詳述する食品粉末であることが好ましい。
食品粉末の材料としては、粉末状になることができ、水溶性フィルム内に存在することができる食品材料であれば特に制約はなく、用途に合わせて選択することができる。例えば、魚介類、甲殻類、植物、海藻、肉類、乳製品、卵、調味料等が挙げられる。なかでも、乾燥粉末が得られ易く取り扱いが容易な、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
甲殻類としては、エビ、カニ、オキアミ等が挙げられる。
植物としては、イチゴ、蜜柑、林檎、マンゴー、バナナ、葡萄、柿、パイナップル、ブルーベリー等の果物;ほうれん草、小松菜、葱、玉葱、人参、牛蒡、南瓜、トウモロコシ、蓮根、大根、ピーマン、パプリカ、トマト、ゴーヤ、ヨモギ等の野菜類;じゃがいも、サツマイモ、里芋、蒟蒻等の芋類;大豆(枝豆、納豆)、緑豆、インゲン、落花生等の豆類;椎茸、エノキ、シメジ等の茸類;梅、山葵、生姜、辛子、シソの葉、胡麻、唐辛子、山椒、柚子等の香辛料(薬味);米、小麦、蕎麦等の穀類;栗、アーモンド、カシューナッツ、銀杏、胡桃、カカオ等の実(種子);茶;等が挙げられる。
肉類としては、豚肉、牛肉、鳥肉、鯨肉等が挙げられる。
乳製品としては、チーズ、ミルク、ヨーグルト等が挙げられる。
天然由来の調味料としては、天日塩、砂糖、蜂蜜、味噌、カレー粉等が挙げられる。
化学調味料としては、合成食塩、合成アミノ酸を用いたうまみ成分、アセスルファムカリウム等の合成甘味料、その他の合成化合物を用いた苦味料、酸味料、香料等が挙げられる。
食品を乾燥させる方法としては、扱う食品によって異なるが、特に制約はなく、加熱乾燥、自然乾燥、凍結乾燥等の従来公知の方法が挙げられる。
食品粉末の平均粒径は、食品粉末入可食性シートの厚み等にもよるが、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。
また、食品は、水溶性フィルムの内部に、均一に含まれていても、分散状態で含まれていてもよい。
本発明に用いる水溶性フィルムは、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成されたフィルムである。
ヒドロキシプロピルセルロースは、市販されているものをそのまま使用することができる。
他の可食性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム(CMC−Na)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギン酸−Na等が挙げられる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
用いる保持基材の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
食品入可食性シート用組成物の塗布量は、乾燥後において、10〜100g/m2、好ましくは20〜60g/m2となる量である。
溶媒を乾燥除去するときの温度は、通常50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。
乾燥時間は、通常数十秒から数分間である。
以上のようにして、保持基材上に本発明の食品入可食性シートを得ることができる。
保持基材を除去することにより、目的とする食品入可食性シートを得ることができる。
食品入可食性シートは、用途に合わせ、複数枚を積層させて好みの厚さにして用いることができる。
保護シートとしては、保持基材と同様の材質のものを用いることができる。
本発明の食品入可食性シートは、例えば、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
本発明の第2は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートによって、食品が保持されてなる食品保持シートである。
可食性シートは、食品を用いない以外は、前記食品入可食性シートの製造方法と同様の方法で製造することができる。なお、可食性シートとして、第1発明の食品入可食性シートを用いてもよい。
用いる食品の量は、可食性シートに保持することができる量以下であれば特に制約はなく、用途に応じて決定すればよい。
本発明の食品保持シートは、可食性シート上に食品粉末を散布し、固定されない状態のまま、当該可食性シートの食品粉末が散布された面と、もう一枚の可食性シートの任意の面とが対向するように接着することにより、2枚の可食性シートの間に食品粉末を保持させる方法によっても形成することができる。
本発明の食品保持シートは、例えば、巻き寿司やおにぎり等の海苔の代わりに、また、保存食、宇宙食の食材、調味料等、種々の食材として利用することができる。
適量のエタノールに、食品としてのさば削節の粉砕物8.2質量部と水溶性微粒子としてのマルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)60.1質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散させた。そこへ、フィルム形成剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:5500mPa・s)25.7質量部と可塑剤としてのグリセリン6質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解させ、食品入可食性シート形成用組成物1を得た。
実施例1のマルトデキストリン60.1質量部を、マルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)30.05質量部及びマンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)30.05質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート1bを得た。
実施例1のマルトデキストリン60.1質量部を、マンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)60.1質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート1cを得た。
適量のエタノールに、水溶性微粒子としてのマルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)65.5質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散させた。そこへ、フィルム形成剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:5500mPa・s)28.0質量部と可塑剤としてのグリセリン6.5質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解させ、可食性シート形成用組成物2を得た。
実施例4の可食性シート形成用組成物2を、保持基材のポリエチレンテレフタレートフィルム(SP−PET381031、リンテック社製)上に、37g/m2となるようにギャップを調整したアプリケーターを用いて展延塗布し、80℃で5分間乾燥し、保持基材上に形成された可食性シート2bを得た。
実施例4のマルトデキストリン65.5質量部を、マルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)32.75質量部及びマンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)32.75質量部に代えた以外は、実施例4と同様にして、食品保持シート2cを得た。
実施例4のマルトデキストリン65.5質量部を、マンニトール(日本薬局方D−マンニトール、花王社製、5質量%水溶液の37℃における粘度:1mPa・s未満)65.5質量部に代えた以外は、実施例4と同様にして、食品保持シート2dを得た。
エタノール270質量部に、食品としてのさば削節の粉砕物8.2質量部を、ホモジナイザーを用い攪拌しながらゆっくりと添加して分散した。そこに、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製)85.8質量部と、グリセリン6質量部を攪拌しながらゆっくりと添加して溶解し、食品入可食性シート用組成物3を得た。
実施例1において、食品入可食性シート形成用組成物1の代わりに、食品入可食性シート形成用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして食品入可食性シート3を得た。
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断し、水なしで口腔内に含ませ、可食性シートが口腔内の唾液で崩壊するまでの時間を測定した。試験は3回行い、その平均値を算出した。その結果を下記第1表に示す。
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断し、水なしで口腔内に含ませ、シートが口腔内の唾液で崩壊した後、嚥下を行った後の口の中の感覚を、下記の3段階の基準で評価した。
○:口腔内がはじめは粘ついたがすぐにさっぱりとした。
×:口腔内が粘ついて感触が悪かった。
結果を下記第1表に示す。
得られた食品入可食性シート1a〜1c及び3、食品保持シート2a〜2dを15mm×20mmの大きさに切断しておにぎりに貼り付け、歯で噛み千切った時の感覚を、下記の3段階の基準で評価した。
○:やや切れにくいものの噛み千切ることが容易にできた。
×:歯切れが悪かった。
結果を下記第1表に示す。なお、歯切れ性が×に該当する食品入可食性シート又は食品保持シートは存在しなかった。
Claims (6)
- ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子及び食品を有し、かつ、前記水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートであって、
前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン、又は、マルトデキストリン及びマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする可食性シート。 - 前記水溶性微粒子の平均粒径が、5〜50μmであり、
前記水溶性微粒子の5質量%水溶液の37℃における粘度が、10mPa・s以下であり、
前記水溶性微粒子の含有量が、可食性シート全体に対して、20〜70質量%であり、
前記フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであり、
前記フィルム形成剤中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有割合が、フィルム形成剤全体に対して、80質量%以上であり、
前記フィルム形成剤の含有率が、可食性シート全体に対して、25〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載の可食性シート。 - 前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種の乾燥粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可食性シート。
- ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性シートと、当該可食性シートに保持された食品と、を有する食品保持シートであって、
前記水溶性微粒子が、マルトデキストリン、又は、マルトデキストリン及びマンニトールの微粒子を含むものであることを特徴とする食品保持シート。 - 前記水溶性微粒子の平均粒径が、5〜50μmであり、
前記水溶性微粒子の5質量%水溶液の37℃における粘度が、10mPa・s以下であり、
前記水溶性微粒子の含有量が、可食性シート全体に対して、20〜70質量%であり、
前記フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであり、
前記フィルム形成剤中におけるヒドロキシプロピルセルロースの含有割合が、フィルム形成剤全体に対して、80質量%以上であり、
前記フィルム形成剤の含有率が、可食性シート全体に対して、25〜60質量%であることを特徴とする請求項4に記載の食品保持シート。 - 前記食品が、魚介類、甲殻類、植物及び海藻からなる食品群から選択される少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の食品保持シート。
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