JP2004222663A - 可食性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、口腔内での口溶けに優れ、様々な機能性素材を持ち合わせた可食性フィルム及びその製造法を提供することである。
【解決手段】水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内で容易に溶解する可食性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な可食性フィルムが製造されてきた。
【0003】
例えば、香料及び食用色素を混和したプルラン水溶液を、乾燥させて得られる可食性フィルムがある(特許文献1参照)。
【0004】
香料および食用色素を混和したエルシナン水溶液を、乾燥させて得られる可食性フィルムがある(特許文献2参照)。
【0005】
プルラン、フレーバー類、水及び必要な添加剤からなる混合物を親水性基材に塗布して皮膜化して得られる可食性シートがある(特許文献3参照)。
【0006】
粉末糖アルコール、澱粉及び結晶セルロースから選ばれた少なくとも1種の賦形剤、グリセリン、プロピレングリコール、糖アルコールの飽和水溶液及びオリゴ糖の飽和水溶液から選ばれた少なくとも1種の可塑剤、並びに水溶性多糖類の結合剤を配合してなるシート状可食性成形物がある(特許文献4参照)。
【0007】
消費者の口内に接着して溶解するようにされた消耗性フィルムであって、少なくとも1種の水溶性ポリマーと、抗菌有効量の、チモール、サリチル酸メチル、オイカリプトール及びメントールからなる群から選択される少なくとも1種のエッセンシャルオイルを含んでなる消耗性フィルムがある(特許文献5参照)。
【0008】
少なくとも1つの水溶性ポリマー;ポリアルコール、界面活性剤及び可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種;少なくとも1つの美容又は医薬成分;並びに調味材料を含む粘膜付着性組成物から形成されるフィルムがある(特許文献6参照)。
【0009】
しかし、従来の可食性フィルムは、酸等を添加すると基材が非常に不安定になりフィルムが成型できないという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開昭59−111817号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭60−42018号公報
【0012】
【特許文献3】
特開昭63−296655号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平10−179045号公報
【0014】
【特許文献5】
国際公開番号WO 00/18365
【0015】
【特許文献6】
米国特許番号5948430
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、口腔内での口溶けに優れ、様々な機能性素材を持ち合わせた可食性フィルム及びその製造法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、様々な機能性素材を可食性フィルムに添加できることを見出した。
【0018】
即ち、本発明は、以下の可食性フィルム及びその製法に関する。
項1. 水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム。
項2. 水溶性ポリマーを含む混合物をフィルム支持体上に塗布し、塗布膜が乾燥する前にサプリメント成分の粉末を付着させ、乾燥させた後、フィルム支持体から可食性フィルムを剥離させる、可食性フィルムの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、可食性フィルム及びその製造方法に関する。
【0020】
本発明は、水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム及びその製造方法に関する。
【0021】
(1)フィルム
本発明の水溶性ポリマーは、ゼラチン、カラギーナン、微小繊維状セルロース、ローカストビーンガム、加工でんぷん、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルスターチ、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミローススターチ、ヒドロキシプロピル化高アミローススターチ、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質単離物、乳漿タンパク質単離物、カゼイン及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。好ましい水溶性ポリマーは、でんぷんを一部エーテル化し、酸化漂白により低分子化した加工でんぷんであり、次のように製造される。でんぷんに含まれるアミロースまたはアミロペクチンは、D−グルコース構造1つあたり3つのヒドロキシル基を有する。これらのヒドロキシル基を、でんぷん1分子における置換度0.05〜0.15の割合で、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピルメチル基などに置換し、一部エーテル化したでんぷんを得る。このエーテル化でんぷんを、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸、ピロ亜硫酸カリウムなどの食品に使用許可されている漂白剤を用いて酸化漂白し、より低分子化した加工でんぷんを作る。加工でんぷんの例として、松谷やよい、フードテックス(松谷化学工業株式会社製)などが挙げられる。
【0022】
可食性フィルムに含まれる水溶性ポリマーは、フィルム完成時において、可食性フィルム重量の約10〜90重量%、好ましくは約25〜80重量%、より好ましくは約35〜75重量%の量である。
【0023】
本発明の可食性フィルムは、必要に応じて、グリセリン、甘味料、香料、着色料、乳化剤、マルトデキストリンを含む。
【0024】
本発明で用いられる甘味料として、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチン酸ニナトリウム、ステビア抽出物、甘草抽出物、タウマチン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、D−キシロース、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどが挙げられ、好ましくは、アセスルファムカリウムなどの高甘味度の甘味料である。
【0025】
本発明で用いられる香料に含まれる成分として、シンナムアルデヒド、シンナミルアセテート、フェニルプロピルアセテート、サリチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルサリチルアルデヒド、L−メントール、L−カルボン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、1,8−シネオール、3−オクタノール、3−オクチルアセテート、リナロール、L−メントン、イソメントン、リナリルアセテート、カルボメントン、メンチルアセテート、ジヒドロカルボン、メントール、カルボメントール、α−プレゴン、ジヒドロカルビルアセテート、ジヒドロカルベオール、trans−カルビルアセテート、cis−カルベオール、cis−カルビルアセテート、trans−カルベオール、trans−サビネンハイドレート、trans−サビネンアセテート、6−ヒドロキシカルボン、ジヒドロカルボン、ネオメントール、L−ピペリトン、cis−3−ヘキセノール、1−オクテン−3−オール、イソプレゴール、メントフラン、サビネン、β−カリオフィレン、ゲルマクレンD、ファルネセン、リナロールオキサイド、α−テルピネオール、ネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニオール、β−ブルボネン、trans−β−ファルネセン、ビシクロゲルマクレン、δ−カジネン、3−(5’,5’−ジメチルテトラヒドロフラン−2’−イル)−cis−2−ブテン−1−オール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン、L−ミントラクトン、D−イソミントラクトン、L−ミントスルフィド、3−フェニルピリジン、5−フェニル−2−プロピルピリジン、3−フェニル−4−プロピルピリジン、5−メチル−2−(2’−オキソ−3’−ブチル)フェノール、5−メチル−2−(3’−オキソ−2’−ペンチル)フェノールなどが好ましい例としとして挙げられる。香料として、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、レモンライム、ゆずなどの香りを有する柑橘系フレーバー;アップル、ストロベリー、メロン、グレープ、バナナ、ピーチ、パイナップル、マンゴ、ブルーベリーなどの香りを有するフルーツ系フレーバー;ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなどの香りを有するミルク系フレーバー;コーヒー、ココア、チョコレートなどの香りを有するフレーバー;紅茶、緑茶、ウーロン茶などの香りを有する茶系フレーバー;バニラ系フレーバー;ペパーミント、スペアミントなどの香りを有するミント系フレーバー;ガーリック、ジンジャー、ペッパー、シナモン、クローブ、ナツメグ、わさびなどの香りを有するスパイス系フレーバー;ピーナッツ、アーモンド、マロン、ウォルナッツなどの香りを有するナッツ系フレーバー;ビーフ、ポーク、チキン、かに、えび、うになどの香りを有するミート・魚介系フレーバー;オニオン、トマト、コーン、キャロットなどの香りを有する野菜系フレーバー;ウィスキー、ブランデー、ワイン、ラム、マラスキーノなどの香りを有する洋酒系フレーバー;しょうゆ、ソース、すきやき、バーべキュー、やきそばなどの香りを有するシーズニング系(セイボリー)フレーバー;メープル、うめぼし、あんなどその他のフレーバーなどが挙げられ、これらの香料を2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0026】
本発明で用いられる着色料として、食用赤色2号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色3号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色40号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、ムラサキイモ色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、ビートレッド、コチニール色素(中性)、ラック色素(中性)、ベニバナ赤色素、ベニコウジ色素、ボイセンベリー色素、アカネ色素、食用黄色4号及びそのアルミニウムレーキ、食用黄色5号及びそのアルミニウムレーキ、アナトー色素、水溶性アナトー、コチニール色素(酸性)、ラック色素(酸性)、トウガラシ色素、ウコン色素、オレンジ色素、クチナシ黄色素、トウモロコシ色素、にんじんカロテン、β−カロテン、ベニバナ黄色素、リボフラビン(ビタミンB2)、食用緑色3号及びそのアルミニウムレーキ、クロロフィリン、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、食用青色1号及びそのアルミニウムレーキ、食用青色2号及びそのアルミニウムレーキ、クチナシ青色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、コウリャン色素、タマリンド色素などが挙げられ、好ましくは純度が高く微量の使用で済む合成着色料である。
【0027】
本発明で用いられる乳化剤として、レシチン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどが挙げられる。
【0028】
(2)サプリメント成分の配合
本発明の可食性フィルムは、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含む。
【0029】
酸味料として、乳酸、クエン酸、フマル酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸ナトリウム、フィチン酸などが挙げられる。
【0030】
酸味料をフィルム内部に練りこむ場合は、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどで緩衝させ、pH調整を行い、pH 2〜5の範囲にするのが、フィルム成型において好ましい。
【0031】
アミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリンなどが挙げられる。
【0032】
ビタミン類として、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、L−アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)、チアミン塩酸塩(ビタミンB1塩酸塩)、リボフラビン(ビタミンB2)などが挙げられる。
【0033】
サプリメント成分をフィルム内部に含む可食性フィルムは、サプリメント成分をフィルム原料に混合することにより得られる。
【0034】
サプリメント成分をフィルム表面に含む可食性フィルムは、サプリメント成分を粉末にしたものを、フィルム表面に付着させることにより得られる。
【0035】
可食性フィルム表面に付着させる粉末は、上記以外に、フリーズドライした果汁、フリーズドライした野菜粉末、カフェイン、根菜パウダー、食物繊維、還元難消化性デキストリン、サイクロデキストリンなどでも良い。
【0036】
(3)製造方法
本発明の可食性フィルムの好ましい実施態様は、ゼラチン(100重量部)、水(100〜700重量部)、グリセリン(5〜33重量部)、ペクチン(2〜30重量部)、乳化剤(3〜25重量部)、結晶セルロース(1〜10重量部)、甘味料(適量)、酸味料(適量)、香料(適量)、着色料(適量)等の混合物;又は加工デンプン(100重量部)、水(100〜700重量部)、グリセリン(5〜33重量部)、カラギーナン(10〜50重量部)、乳化剤(3〜25重量部)、結晶セルロース(1〜10重量部)、甘味料(適量)、酸味料(適量)、香料(適量)、着色料(適量)等の混合物を撹拌機、ホモジナイザーなどの混合機を用いて混合し、該混合物をポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム支持体上に塗布し、乾燥させた後、フィルム支持体から可食性フィルムを剥離させる。
【0037】
得られるフィルムの含水量は6.0〜14重量%である。
【0038】
可食性フィルムの厚さは、20〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
【0039】
混合物をフィルム支持体上に塗布する方法として、スプレー、ロールコーター、コンマコーターなどを用いる方法が挙げられる。
【0040】
また、上記の塗布膜が乾燥する前に、サプリメント成分の粉末を付着させることにより、サプリメント成分がフィルム表面に付着したフィルムを製造できる。付着させる粉末の量は、約1〜300g/m2、好ましくは3〜120g/m2である。サプリメント成分を付着させる方法の例として、10〜100メッシュのふるいを用いて振りかける方法がある。
【0041】
サプリメント成分は、可食性フィルム原料に配合しても良い。
【0042】
フィルム内部に酸味料を含む可食性フィルムは、フィルム同士の接着性が高くなるが、フィルム同士の接着を防ぐためにカゼイン、乳清タンパク等を添加剤としてフィルム原料に加えるか、又はバレイショデンプンなどをフィルム表面に振りかける。
【0043】
可食性フィルムは、食べやすいサイズ(例えば23mm x 33mm、33mm x 33mmなど)に裁断される。
【0044】
本発明の可食性フィルムを入れる容器として、例えば、図1〜3に示した容器が挙げられる。図1は、密閉式容器を表し、図2は、ヒンジ式容器、図3は、スライド式容器を表す。
【0045】
【実施例】
実施例1
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表1の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例2−1
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表2の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜が乾燥する前に、L−アスコルビン酸:乳酸粉末=2:1(重量比)のブレンド粉3.7g/m2を50メッシュのふるいを用いて全体に均等に振りかけ、該フィルムを乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例2−2
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにL−アスコルビン酸粉末を用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0050】
実施例2−3
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにクエン酸粉末を用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0051】
実施例2−4
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにクエン酸粉末:可溶性デンプン=1:1(重量比)のブレンド粉を7.4g/m2用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0052】
実施例2−5
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉の添加量を115g/m2にする以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0053】
実施例3
実施例1及び2−1〜2−5で得られた可食性フィルムを23mm×33mmのサイズにカットし、各1〜2枚ずつ6人のパネラーによる官能評価を実施した。
【0054】
官能評価は、口溶け感に関しては、実施例1の可食性フィルムを基準(良)にして、非常に良、良、悪の3段階とし、酸味評価は、5段階(強、やや強、良、やや弱、弱)とし、双方、最も多かった意見を採用した。
【0055】
その結果を下記表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
口溶けにおいては、実施例2−4以外は、口腔内で素早く溶けたが、実施例2−4は、口中に素早く溶けずに残るような感じがあった。
【0058】
酸味に関しては、実施例2の振りかけたものが酸味を強く感じ、特に実施例2−4のクエン酸を使用したものの評価が高かった。
【0059】
酸の添加量を増やした実施例2−5においての評価も高かったが、少し苦味が残るという意見が多かった。
【0060】
実施例4
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表4の原料を混合した混合液をアプリケーターに塗布し、塗布膜が乾燥する前に、フリーズドライしたニンジンパウダー15g/m2を50メッシュのふるいを用いて全体に均等に振りかけ、該フィルムを乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0061】
【表4】
【0062】
得られた可食性フィルムは、口腔内での溶けも良く、ニンジン味が強く感じられた。
【0063】
実施例5
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表5の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0064】
【表5】
【0065】
得られた可食性フィルムは、実施例1、2−1〜2−5及び4で得られた可食性フィルムとの比較においてもかなり口溶けも良く、香料、酸味の発現も良好であった。得られたフィルムを23mm x 33mmの大きさに裁断し、図1に示す容器に入れた。
【0066】
実施例6
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表6の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0067】
【表6】
【0068】
得られた可食性フィルムは、口腔内で素早く溶け、清涼感が強く口中で広がっていくのが感じられた。
【0069】
【発明の効果】
サプリメント成分の粉末がフィルム上に付着した可食性フィルムは、フィルム内部にサプリメント成分を含む可食性フィルムよりも、サプリメント成分の味が強く感じられる。
【0070】
フィルム内部に酸味料を含む可食性フィルムは、フィルム同士の接着を防ぐために、カゼイン、乳清タンパク等を添加剤としてフィルム原料に加えるか、又はバレイショデンプンなどをフィルム表面に振りかけることにより、フィルム同士の接着を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
【図2】図2は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
【図3】図3は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内で容易に溶解する可食性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な可食性フィルムが製造されてきた。
【0003】
例えば、香料及び食用色素を混和したプルラン水溶液を、乾燥させて得られる可食性フィルムがある(特許文献1参照)。
【0004】
香料および食用色素を混和したエルシナン水溶液を、乾燥させて得られる可食性フィルムがある(特許文献2参照)。
【0005】
プルラン、フレーバー類、水及び必要な添加剤からなる混合物を親水性基材に塗布して皮膜化して得られる可食性シートがある(特許文献3参照)。
【0006】
粉末糖アルコール、澱粉及び結晶セルロースから選ばれた少なくとも1種の賦形剤、グリセリン、プロピレングリコール、糖アルコールの飽和水溶液及びオリゴ糖の飽和水溶液から選ばれた少なくとも1種の可塑剤、並びに水溶性多糖類の結合剤を配合してなるシート状可食性成形物がある(特許文献4参照)。
【0007】
消費者の口内に接着して溶解するようにされた消耗性フィルムであって、少なくとも1種の水溶性ポリマーと、抗菌有効量の、チモール、サリチル酸メチル、オイカリプトール及びメントールからなる群から選択される少なくとも1種のエッセンシャルオイルを含んでなる消耗性フィルムがある(特許文献5参照)。
【0008】
少なくとも1つの水溶性ポリマー;ポリアルコール、界面活性剤及び可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種;少なくとも1つの美容又は医薬成分;並びに調味材料を含む粘膜付着性組成物から形成されるフィルムがある(特許文献6参照)。
【0009】
しかし、従来の可食性フィルムは、酸等を添加すると基材が非常に不安定になりフィルムが成型できないという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開昭59−111817号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭60−42018号公報
【0012】
【特許文献3】
特開昭63−296655号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平10−179045号公報
【0014】
【特許文献5】
国際公開番号WO 00/18365
【0015】
【特許文献6】
米国特許番号5948430
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、口腔内での口溶けに優れ、様々な機能性素材を持ち合わせた可食性フィルム及びその製造法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、様々な機能性素材を可食性フィルムに添加できることを見出した。
【0018】
即ち、本発明は、以下の可食性フィルム及びその製法に関する。
項1. 水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム。
項2. 水溶性ポリマーを含む混合物をフィルム支持体上に塗布し、塗布膜が乾燥する前にサプリメント成分の粉末を付着させ、乾燥させた後、フィルム支持体から可食性フィルムを剥離させる、可食性フィルムの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、可食性フィルム及びその製造方法に関する。
【0020】
本発明は、水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム及びその製造方法に関する。
【0021】
(1)フィルム
本発明の水溶性ポリマーは、ゼラチン、カラギーナン、微小繊維状セルロース、ローカストビーンガム、加工でんぷん、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルスターチ、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミローススターチ、ヒドロキシプロピル化高アミローススターチ、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質単離物、乳漿タンパク質単離物、カゼイン及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。好ましい水溶性ポリマーは、でんぷんを一部エーテル化し、酸化漂白により低分子化した加工でんぷんであり、次のように製造される。でんぷんに含まれるアミロースまたはアミロペクチンは、D−グルコース構造1つあたり3つのヒドロキシル基を有する。これらのヒドロキシル基を、でんぷん1分子における置換度0.05〜0.15の割合で、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピルメチル基などに置換し、一部エーテル化したでんぷんを得る。このエーテル化でんぷんを、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸、ピロ亜硫酸カリウムなどの食品に使用許可されている漂白剤を用いて酸化漂白し、より低分子化した加工でんぷんを作る。加工でんぷんの例として、松谷やよい、フードテックス(松谷化学工業株式会社製)などが挙げられる。
【0022】
可食性フィルムに含まれる水溶性ポリマーは、フィルム完成時において、可食性フィルム重量の約10〜90重量%、好ましくは約25〜80重量%、より好ましくは約35〜75重量%の量である。
【0023】
本発明の可食性フィルムは、必要に応じて、グリセリン、甘味料、香料、着色料、乳化剤、マルトデキストリンを含む。
【0024】
本発明で用いられる甘味料として、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、グリチルリチン酸ニナトリウム、ステビア抽出物、甘草抽出物、タウマチン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、D−キシロース、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどが挙げられ、好ましくは、アセスルファムカリウムなどの高甘味度の甘味料である。
【0025】
本発明で用いられる香料に含まれる成分として、シンナムアルデヒド、シンナミルアセテート、フェニルプロピルアセテート、サリチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルサリチルアルデヒド、L−メントール、L−カルボン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、1,8−シネオール、3−オクタノール、3−オクチルアセテート、リナロール、L−メントン、イソメントン、リナリルアセテート、カルボメントン、メンチルアセテート、ジヒドロカルボン、メントール、カルボメントール、α−プレゴン、ジヒドロカルビルアセテート、ジヒドロカルベオール、trans−カルビルアセテート、cis−カルベオール、cis−カルビルアセテート、trans−カルベオール、trans−サビネンハイドレート、trans−サビネンアセテート、6−ヒドロキシカルボン、ジヒドロカルボン、ネオメントール、L−ピペリトン、cis−3−ヘキセノール、1−オクテン−3−オール、イソプレゴール、メントフラン、サビネン、β−カリオフィレン、ゲルマクレンD、ファルネセン、リナロールオキサイド、α−テルピネオール、ネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニオール、β−ブルボネン、trans−β−ファルネセン、ビシクロゲルマクレン、δ−カジネン、3−(5’,5’−ジメチルテトラヒドロフラン−2’−イル)−cis−2−ブテン−1−オール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン、L−ミントラクトン、D−イソミントラクトン、L−ミントスルフィド、3−フェニルピリジン、5−フェニル−2−プロピルピリジン、3−フェニル−4−プロピルピリジン、5−メチル−2−(2’−オキソ−3’−ブチル)フェノール、5−メチル−2−(3’−オキソ−2’−ペンチル)フェノールなどが好ましい例としとして挙げられる。香料として、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、レモンライム、ゆずなどの香りを有する柑橘系フレーバー;アップル、ストロベリー、メロン、グレープ、バナナ、ピーチ、パイナップル、マンゴ、ブルーベリーなどの香りを有するフルーツ系フレーバー;ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなどの香りを有するミルク系フレーバー;コーヒー、ココア、チョコレートなどの香りを有するフレーバー;紅茶、緑茶、ウーロン茶などの香りを有する茶系フレーバー;バニラ系フレーバー;ペパーミント、スペアミントなどの香りを有するミント系フレーバー;ガーリック、ジンジャー、ペッパー、シナモン、クローブ、ナツメグ、わさびなどの香りを有するスパイス系フレーバー;ピーナッツ、アーモンド、マロン、ウォルナッツなどの香りを有するナッツ系フレーバー;ビーフ、ポーク、チキン、かに、えび、うになどの香りを有するミート・魚介系フレーバー;オニオン、トマト、コーン、キャロットなどの香りを有する野菜系フレーバー;ウィスキー、ブランデー、ワイン、ラム、マラスキーノなどの香りを有する洋酒系フレーバー;しょうゆ、ソース、すきやき、バーべキュー、やきそばなどの香りを有するシーズニング系(セイボリー)フレーバー;メープル、うめぼし、あんなどその他のフレーバーなどが挙げられ、これらの香料を2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0026】
本発明で用いられる着色料として、食用赤色2号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色3号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色40号及びそのアルミニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、ムラサキイモ色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、ビートレッド、コチニール色素(中性)、ラック色素(中性)、ベニバナ赤色素、ベニコウジ色素、ボイセンベリー色素、アカネ色素、食用黄色4号及びそのアルミニウムレーキ、食用黄色5号及びそのアルミニウムレーキ、アナトー色素、水溶性アナトー、コチニール色素(酸性)、ラック色素(酸性)、トウガラシ色素、ウコン色素、オレンジ色素、クチナシ黄色素、トウモロコシ色素、にんじんカロテン、β−カロテン、ベニバナ黄色素、リボフラビン(ビタミンB2)、食用緑色3号及びそのアルミニウムレーキ、クロロフィリン、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、食用青色1号及びそのアルミニウムレーキ、食用青色2号及びそのアルミニウムレーキ、クチナシ青色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、コウリャン色素、タマリンド色素などが挙げられ、好ましくは純度が高く微量の使用で済む合成着色料である。
【0027】
本発明で用いられる乳化剤として、レシチン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどが挙げられる。
【0028】
(2)サプリメント成分の配合
本発明の可食性フィルムは、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含む。
【0029】
酸味料として、乳酸、クエン酸、フマル酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸ナトリウム、フィチン酸などが挙げられる。
【0030】
酸味料をフィルム内部に練りこむ場合は、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどで緩衝させ、pH調整を行い、pH 2〜5の範囲にするのが、フィルム成型において好ましい。
【0031】
アミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリンなどが挙げられる。
【0032】
ビタミン類として、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、L−アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム)、チアミン塩酸塩(ビタミンB1塩酸塩)、リボフラビン(ビタミンB2)などが挙げられる。
【0033】
サプリメント成分をフィルム内部に含む可食性フィルムは、サプリメント成分をフィルム原料に混合することにより得られる。
【0034】
サプリメント成分をフィルム表面に含む可食性フィルムは、サプリメント成分を粉末にしたものを、フィルム表面に付着させることにより得られる。
【0035】
可食性フィルム表面に付着させる粉末は、上記以外に、フリーズドライした果汁、フリーズドライした野菜粉末、カフェイン、根菜パウダー、食物繊維、還元難消化性デキストリン、サイクロデキストリンなどでも良い。
【0036】
(3)製造方法
本発明の可食性フィルムの好ましい実施態様は、ゼラチン(100重量部)、水(100〜700重量部)、グリセリン(5〜33重量部)、ペクチン(2〜30重量部)、乳化剤(3〜25重量部)、結晶セルロース(1〜10重量部)、甘味料(適量)、酸味料(適量)、香料(適量)、着色料(適量)等の混合物;又は加工デンプン(100重量部)、水(100〜700重量部)、グリセリン(5〜33重量部)、カラギーナン(10〜50重量部)、乳化剤(3〜25重量部)、結晶セルロース(1〜10重量部)、甘味料(適量)、酸味料(適量)、香料(適量)、着色料(適量)等の混合物を撹拌機、ホモジナイザーなどの混合機を用いて混合し、該混合物をポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム支持体上に塗布し、乾燥させた後、フィルム支持体から可食性フィルムを剥離させる。
【0037】
得られるフィルムの含水量は6.0〜14重量%である。
【0038】
可食性フィルムの厚さは、20〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
【0039】
混合物をフィルム支持体上に塗布する方法として、スプレー、ロールコーター、コンマコーターなどを用いる方法が挙げられる。
【0040】
また、上記の塗布膜が乾燥する前に、サプリメント成分の粉末を付着させることにより、サプリメント成分がフィルム表面に付着したフィルムを製造できる。付着させる粉末の量は、約1〜300g/m2、好ましくは3〜120g/m2である。サプリメント成分を付着させる方法の例として、10〜100メッシュのふるいを用いて振りかける方法がある。
【0041】
サプリメント成分は、可食性フィルム原料に配合しても良い。
【0042】
フィルム内部に酸味料を含む可食性フィルムは、フィルム同士の接着性が高くなるが、フィルム同士の接着を防ぐためにカゼイン、乳清タンパク等を添加剤としてフィルム原料に加えるか、又はバレイショデンプンなどをフィルム表面に振りかける。
【0043】
可食性フィルムは、食べやすいサイズ(例えば23mm x 33mm、33mm x 33mmなど)に裁断される。
【0044】
本発明の可食性フィルムを入れる容器として、例えば、図1〜3に示した容器が挙げられる。図1は、密閉式容器を表し、図2は、ヒンジ式容器、図3は、スライド式容器を表す。
【0045】
【実施例】
実施例1
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表1の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例2−1
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表2の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜が乾燥する前に、L−アスコルビン酸:乳酸粉末=2:1(重量比)のブレンド粉3.7g/m2を50メッシュのふるいを用いて全体に均等に振りかけ、該フィルムを乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例2−2
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにL−アスコルビン酸粉末を用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0050】
実施例2−3
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにクエン酸粉末を用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0051】
実施例2−4
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉を用いる代わりにクエン酸粉末:可溶性デンプン=1:1(重量比)のブレンド粉を7.4g/m2用いる以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0052】
実施例2−5
L−アスコルビン酸と乳酸粉末のブレンド粉の添加量を115g/m2にする以外は、実施例2−1と同様にして、可食性フィルムを得た。
【0053】
実施例3
実施例1及び2−1〜2−5で得られた可食性フィルムを23mm×33mmのサイズにカットし、各1〜2枚ずつ6人のパネラーによる官能評価を実施した。
【0054】
官能評価は、口溶け感に関しては、実施例1の可食性フィルムを基準(良)にして、非常に良、良、悪の3段階とし、酸味評価は、5段階(強、やや強、良、やや弱、弱)とし、双方、最も多かった意見を採用した。
【0055】
その結果を下記表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
口溶けにおいては、実施例2−4以外は、口腔内で素早く溶けたが、実施例2−4は、口中に素早く溶けずに残るような感じがあった。
【0058】
酸味に関しては、実施例2の振りかけたものが酸味を強く感じ、特に実施例2−4のクエン酸を使用したものの評価が高かった。
【0059】
酸の添加量を増やした実施例2−5においての評価も高かったが、少し苦味が残るという意見が多かった。
【0060】
実施例4
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表4の原料を混合した混合液をアプリケーターに塗布し、塗布膜が乾燥する前に、フリーズドライしたニンジンパウダー15g/m2を50メッシュのふるいを用いて全体に均等に振りかけ、該フィルムを乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0061】
【表4】
【0062】
得られた可食性フィルムは、口腔内での溶けも良く、ニンジン味が強く感じられた。
【0063】
実施例5
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表5の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0064】
【表5】
【0065】
得られた可食性フィルムは、実施例1、2−1〜2−5及び4で得られた可食性フィルムとの比較においてもかなり口溶けも良く、香料、酸味の発現も良好であった。得られたフィルムを23mm x 33mmの大きさに裁断し、図1に示す容器に入れた。
【0066】
実施例6
クラフト紙上に積層された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面に、下記表6の原料を混合した混合液をアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食性フィルムを得た。
【0067】
【表6】
【0068】
得られた可食性フィルムは、口腔内で素早く溶け、清涼感が強く口中で広がっていくのが感じられた。
【0069】
【発明の効果】
サプリメント成分の粉末がフィルム上に付着した可食性フィルムは、フィルム内部にサプリメント成分を含む可食性フィルムよりも、サプリメント成分の味が強く感じられる。
【0070】
フィルム内部に酸味料を含む可食性フィルムは、フィルム同士の接着を防ぐために、カゼイン、乳清タンパク等を添加剤としてフィルム原料に加えるか、又はバレイショデンプンなどをフィルム表面に振りかけることにより、フィルム同士の接着を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
【図2】図2は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
【図3】図3は、本発明の可食性フィルムを入れる容器の例を示す。
Claims (2)
- 水溶性ポリマーを含む可食性フィルムであって、フィルム表面又は内部に酸味料、アミノ酸、ビタミン類などのサプリメント成分を含むフィルム。
- 水溶性ポリマーを含む混合物をフィルム支持体上に塗布し、塗布膜が乾燥する前にサプリメント成分の粉末を付着させ、乾燥させた後、フィルム支持体から可食性フィルムを剥離させる、可食性フィルムの製造方法。
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