JP5465805B1 - 樹脂接合構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイオノマー樹脂による樹脂被覆線を使用して接合した構造体を製造する。
【解決手段】金属線をアイオノマー樹脂で被覆した複数本の樹脂被覆線と、アイオノマー樹脂を表面に有する構造物との間で、アイオノマー樹脂同士を溶着させて樹脂接合構造体を製造する。
【選択図】図3

Description

この発明は、樹脂と金属線からなり汎用的に利用できる構造体に関する。
金網は、落石防護や、護岸工事用のかごマット、侵入防止フェンスなど、種種の用途で用いられている。ただし、鉄線のみからなる金網は容易に錆びるため、亜鉛メッキや亜鉛アルミ合金メッキなどによる保護層を施すことで、錆びにくくしたものが一般に用いられている。しかし、亜鉛メッキによる防錆処理では、犠牲防食による防錆効果はあるものの、雨風により少しずつ亜鉛が溶落するため、時間とともに全体に錆が広がることは避けられない。特に、海岸や離島のような塩害の強い地域や、融雪剤と接触する北国、硫黄などが介在する温泉地などでは、錆の進行が早く、使用が困難である。
これに対して、鉄線の周囲に、接着剤層を介してポリオレフィン樹脂などの樹脂層を設けた樹脂被覆鉄線が考案されている(例えば特許文献1)。樹脂層は塩害の強い場所でも破れにくく、水辺や海岸などで用いても従来の亜鉛メッキ鉄線に比べて比較的高い耐久性を示した。しかし、ポリオレフィンは耐寒性が低く、冬場に工事をすると表面の樹脂層が割れやすいという問題があった。特に、川の護岸工事は水田に影響を与えにくい冬場に行うことが多いが、その冬場に工事を行う際に、破損しやすいため、扱いにくかった。これを解決する手段として、表面の樹脂にアイオノマー樹脂を用いた耐久性及び耐寒性に優れた樹脂被覆鉄線が提案されている(非特許文献1)。
特開2004−025459号公報
(財)土木研究センター 建設技術審査証明報告書 鉄線かご形護岸用被覆鉄線「IR被覆鉄線」
しかしながら、樹脂被覆線を用いて通常のフェンスと同様の構造で金網を造ろうとすると、それぞれの樹脂被覆線を大きく曲げなければならず、曲げによって被覆する樹脂が傷みやすくなるため、加工の際の条件や樹脂の被覆厚などを厳密に調整しなければならなかった。
一方で、曲げずに縦横に樹脂被覆線を交差させた接触点を通常の金属格子のように溶接で接合しようとすると、当然にアイオノマー樹脂の保護層が破れてしまい、溶接点から腐食が進行してしまうため、金属溶接を行うわけにはいかなかった。
そこでこの発明は、アイオノマー樹脂による樹脂被覆線を使用しながら、接合した構造体をより簡便に製造できるようにすることを目的とする。
この発明は、金属線をアイオノマー樹脂で被覆した複数本の樹脂被覆線を、アイオノマー樹脂を表面に有する構造物との間で、アイオノマー樹脂同士を溶着させた樹脂接合構造体により、上記の課題を解決したのである。
アイオノマー樹脂を外周に有する構造物との接触点でアイオノマー樹脂を加熱、溶着させれば、樹脂被覆線を従来の金網のように曲げて相互に絡ませることなく、平面的に展開される樹脂接合構造体を製造させることができる。すなわち、本来は被覆に用いるアイオノマー樹脂自体を、接着のためにも用いることとしたのである。その接着強度は、金属溶接による金属格子に近い強度を発揮するため、得られる樹脂接合構造体の接着部分の強度は高い信頼性を有する。
アイオノマー樹脂を溶着させる方法は特に限定されないが、樹脂被覆線の周囲にあるアイオノマー樹脂を適切に加熱できる方法であることが望ましい。特に、コイルに交流電流を流して付近の金属を加熱する誘導加熱を行える電磁誘導加熱装置を至近距離に配して樹脂被覆線の金属線を加熱すると、それに接するアイオノマー樹脂を十分に溶着できる温度まで加熱できる。
樹脂被覆線と溶着させる構造物は、アイオノマー樹脂のベルトを並べてもよいし、上記樹脂被覆線を並べてもよい。樹脂被覆線同士を溶着させると、金属線を曲げることなく樹脂被覆線による格子を造ることができる。
この発明にかかる樹脂接合構造体は、接触部分がアイオノマー樹脂同士の溶着であるため、金属溶接に近い接着強度を有しており、フェンスや台材など、強度を必要な様々な用途に用いることができる。また、接触部分も含めてアイオノマー樹脂で被覆されているため、アイオノマー樹脂被覆線が有する、高い耐腐食性を発揮し、海岸沿いなどの塩害が過酷な環境や、大気中の酸性成分などが多い汚染環境でも使用することが出来る。
この発明で用いる樹脂被覆線の断面図 この発明で用いる樹脂被覆線の概念図 (a)第一の実施形態における製造前の樹脂被覆線とベルトの斜視図、(b)樹脂被覆線に対応した誘導加熱装置の斜視図 第一の実施形態における加熱溶着時の斜視図 第一の実施形態における加熱溶着時の断面図 第二の実施形態における加熱溶着時の断面図 第三の実施形態にかかる樹脂接合構造体の斜視図 第三の実施形態における接着部分の拡大図 第三の実施形態における接着部分のA−A断面図 第三の実施形態にかかる樹脂接合構造体の加熱溶着時の概念図 第四の実施形態に係る樹脂接合構造体の斜視図 実施例における剪断強さの測定方法の概念図
以下、この発明にかかる樹脂接合構造体について説明する。まず、この発明で用いる樹脂被覆線10について図1及び図2を用いて説明する。中心に金属線11を用い、その周囲をメッキ層12が包んでいる。さらに外側に保護層14があり、メッキ層12と保護層14との間には接着剤層13があって、金属部分と樹脂部分を接着させている。
金属線11は、ある程度の強度を持つことが必要であり、人力では容易に曲げることができない程度の強度を有することが望ましい。材料としては、一般的な鉄系材料を用いることができるが、鉄鋼材料を用いたものでもよい。
メッキ層12は、金属線11に対して犠牲防食をするために設けるものであり、金属線11の材料(例えば鉄)に対して防食効果がある材料であれば特に限定されない。具体的には、亜鉛メッキ、亜鉛アルミ合金メッキなどが挙げられる。
金属線11とメッキ層12とを合わせた心線部分の径は特に限定されるものではないが、一般的な用途に使用可能な大きさとして、2.0mm以上だとよく、3.0mm以上だと好ましい。2.0mm未満の心線に対しては、樹脂で被覆したとしても、強度の点でやや弱くなる。一方で、太い分には強度上の問題は無いが、太すぎると金網などに加工しにくいため、7.0mm以下がよく、6.0mm以下が好ましい。ただし、用途次第ではこの上限から外れたとしても、本発明の利用上の問題は無い。
上記の接着剤層13は、前記心線と保護層14との間で摩擦が生じたり、撚れたりすることを防ぎ、力学的な作用に対する耐久力が高くなるために設けるものである。この接着剤層13を構成する接着剤としては、アイオノマー樹脂からなる保護層14との接着性の高さから、ポリオレフィン系接着剤が好ましく、ポリエチレン系接着剤が特に好ましい。接着剤層13の厚さは特に限定されるものではないが、30μm以上、200μm以下程度であれば実用上の問題は生じにくい。その接着強度としては、JIS G 3543に準拠して、心線部分と樹脂層とを接着した後で、線径の1.5倍の円筒に6回巻き付けても剥離を生じなければ、実用上の問題は生じにくい。
上記の保護層14を構成するベース樹脂は、主にアイオノマー樹脂からなり、少なくとも80質量%以上をアイオノマー樹脂が占めていると好ましい。アイオノマー樹脂とは、エチレン−メタクリル酸共重合体や、エチレン−アクリル酸共重合体などの分子間をナトリウムや亜鉛などの金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂である。このアイオノマー樹脂は、通常のポリオレフィン樹脂と比べて著しく強靱でありながら、適度な弾力性と柔軟性を有し、また、ポリオレフィンと比較して耐寒性、耐摩耗性、耐ストレスクラッキング性に優れているという特徴を有する。このような特質を有しながらも、ポリエチレンとほぼ同様の可塑成形が可能であり、加熱溶融して押出成形することで上記心線に上記保護層14を被覆させることができる。
上記の保護層14は、上記アイオノマー樹脂の無垢材でもよいが、発泡剤以外の添加剤であれば、この発明にかかる樹脂被覆線の効果を害さない程度に含有していてもよい。保護層14の厚みは、100μm以上がよく、300μm以上が好ましく、500μm程度が特に好ましい。100μm未満では保護層14による防護効果が不充分で、破れてしまうおそれがあるためである。また、後述するベルト15との接合を強固にするためには、300μm以上であることが好ましくなる。一方、2000μmを超えることは現実的ではなく、1000μm以下であるとよい。
この発明に用いる樹脂被覆線10の製造手順としては、まず金属線11にメッキ層12を施した後、例えば、接着剤層13及び保護層14を同時に押出被覆する押出成形により形成させるとよい。メッキ層12と接着剤層13とは無くても発明の実施は可能であるが、耐久性の点からある方が好ましい。
次に、この発明にかかる、上記の樹脂被覆線10と表面にアイオノマー樹脂を有する構造物との間でアイオノマー樹脂を溶着させた樹脂接合構造体について、複数の実施形態を挙げて説明する。まず、第一の実施形態について、図3〜図5を用いて説明する。この第一の実施形態は、上記構造物として、主にアイオノマー樹脂からなる樹脂製のベルト15を用い、並行に並んだベルト15の間に、複数本の樹脂被覆線10を渡して溶着させたものである。図3(a)に、一層目を形成する複数枚のベルト15を並行に並べた間に、二層目を形成する樹脂被覆線10を複数本並べた、溶着前の状態を示す。
上記ベルト15は、少なくともアイオノマー樹脂が80質量%以上であることが望ましいが、この発明で利用するベルトの効果を害さない程度に添加剤を含んでいてもよい。ただし、少なくとも表面には、溶着できる程度のアイオノマー樹脂が露出していることが必要である。上記の保護層14に用いるアイオノマー樹脂と上記ベルト15に用いるアイオノマー樹脂とは、分子量までは必ずしも一致していなくてもよく、構成単位が同じか又は類似であるアイオノマー樹脂であれば、高い接合性を発揮する。ただし、軟化点が高すぎると樹脂被覆線10と溶着させることが難しくなるため、ベルト15に用いるアイオノマー樹脂は150〜250℃程度で溶着できるものであると好ましい。
上記ベルト15の厚みは2.0mm以上であると好ましく、2.5mm以上であるとより好ましい。ベルト15が薄すぎると破れやすく、樹脂接合構造体20が形状を維持しにくくなるため、2.0mm以上であると好ましい。一方で、収納や持ち運びに不便となるので、6.0mm以下が好ましく、3.0mm以下であるとより好ましい。
上記ベルト15の幅は特に限定されないが、幅が広すぎてもフェンスとして用いるには無駄となるため、10.0cm以下であると好ましく、6.0cm以下であるとより好ましい。一方で、狭すぎると強度が不充分となるため、1.0cm以上であると好ましく、2.0cm以上であるとより好ましい。ただし、用途次第ではこの範囲の幅に限るものではない。例えば、その他の実施形態として、上記の幅よりも広いアイオノマー樹脂のシートの鉄筋として樹脂被覆線10を用いる場合には、幅には特に制限がなくなる。
上記ベルト15、15間の間隔は、1.0cm以上であると好ましく、5.0cm以上であるとより好ましい。一方で、50.0cm以下が好ましく、25.0cm以下がより好ましい。ただし、これは用途による。
上記のベルト15上に、直交する位置関係となるように樹脂被覆線10を載せた上で、この接触部分が溶着するように加熱する。この実施形態では、ベルト15と樹脂被覆線10との接触部分が細長いため、加熱も樹脂被覆線10に沿って行う。図3(b)に加熱に用いる電磁誘導加熱用のコイル環25を示す。電磁誘導加熱により樹脂被覆線10を加熱することで、樹脂被覆線10の周囲のアイオノマー樹脂が軟化するが、特に他の構造物のアイオノマー樹脂と接している部分が、軟化、溶着が進行しやすく、速やかにかつ強固な溶着が可能となる。
コイル環25により樹脂被覆線10を加熱する際の斜視図を図4に示し、その断面図を図5に示す。樹脂被覆線10の加熱すべき範囲が、コイル環によって生じる磁束が集中する範囲に収まっていると、加熱効率がよく好ましい。ベルト15がコイル環25の上に接触して乗っているが、コイル環25自体の加熱は小さいため、ベルト15の軟化はそれほど進行しない。ただし、製造する樹脂接合構造体の美観を損ねないようにするのであれば、コイル環25の周囲には離型剤が塗工されていることが好ましい。金属線の加熱により、熱がベルトを伝って軟化することがあり得るため、加熱が長時間に亘る場合には、離型剤を塗布しておくことが望ましくなる。
また、加熱溶着を進行させ易くするために、加熱中は樹脂被覆線10の上から、ベルト15に樹脂被覆線10を押し付けるように荷重を掛けておくと望ましい。樹脂被覆線10だけの重量では、アイオノマー樹脂が変形しにくいが、上から別途荷重を掛けられると、樹脂被覆線10の下側のアイオノマー樹脂が押されて横にずれようとする力が生じ、その分のアイオノマー樹脂(変形分アイオノマー樹脂16)が広い範囲に溶着部分を形成するため、接着強度が向上する。
なお、荷重を掛ける際には、荷重体26の接触部分にも離型剤が塗工されていることが望ましい。加熱されている樹脂被覆線の外周に直接接触するため、軟化したアイオノマー樹脂が荷重体の表面に付着しやすく、剥がす際に美観を損ねる恐れがあるからである。
このような溶着により、ベルト15と樹脂被覆線10とが接合された樹脂接合構造体20が得られる。樹脂被覆線10の保護層14を形成するアイオノマー樹脂と、ベルト15のアイオノマー樹脂とが溶着により一体化して、高い接着強度を発揮するとともに、接着部分の全体がアイオノマー樹脂に覆われたままであるため、樹脂被覆線10の耐腐食性能を維持した構造体とすることができる。このような樹脂接合構造体20は、一般的なフェンスの代用として用いることができるが、一般的な金属線製のフェンスよりも十分に高い耐腐食性能を有する。特に、塩害などにより通常の金属フェンスでは腐食が激しくなる環境で好適に用いることが出来る。
上記の樹脂接合構造体20の強度をさらに向上させる第二の実施形態について、その断面図を図6に示す。第一の実施形態におけるベルト15をそれぞれ二枚重ねとし、樹脂被覆線10をその間に配した上で、第一の実施形態と同様に、樹脂被覆線10を電磁誘導加熱することで、その保護層14のアイオノマー樹脂を両方のベルト15に溶着させるものである。荷重体26は、上側に配したベルト15の上から荷重を掛けると良い。樹脂被覆線10の両側で溶着することになるため、この実施形態の樹脂接合構造体21は、第一の実施形態の樹脂接合構造体20よりも全体的な強度はさらに高くなる。こうして得られる樹脂接合構造体21は、樹脂接合構造体20と同様に使用できる。
次に、第三の実施形態にかかる樹脂接合構造体31について図7を用いて説明する。この樹脂接合構造体31は、樹脂被覆線10と接合させる構造物に、同様の樹脂被覆線10を用いた構造体である。すなわち、樹脂被覆線10の保護層14であるアイオノマー樹脂同士を溶着させた、格子状の構造体である。製造にあたってはまず、樹脂被覆線10を並行に並べて一層目を形成させ、その上に直交する方向に樹脂被覆線10を並べて二層目を形成させて、その接触部分を溶着する。
交差する溶着部分の拡大図を図8に、そのA−A断面図を図9に示す。接触部分では、金属線11(又はメッキ層12)が保護層14二層分よりも近接するとともにその部分のアイオノマー樹脂が押しのけられて、その変形分アイオノマー樹脂16が接触部分の周囲を固めることで、強度を向上させていると好ましい。なお、接着を高める分の樹脂がはみ出ていればよく、厳密に金属線11同士が接触している必要はない。
この第三の実施形態にかかる樹脂接合構造体31を形成させる際には、接触部分一つ一つについて個別に加熱溶着してもよい。ただし、製造に時間がかかりすぎるため、少なくとも一の樹脂被覆線10が他の樹脂被覆線10と接する点について、一列ごとにまとめて加熱する方が高い効率で製造できる。さらに纏めるのであれば、図10に示すように、格子状の樹脂接合構造物31を構成する二層分の樹脂被覆線10を、下方に電磁誘導コイル27を備えたIH台28上に載せて、全ての接触部分で軟化、溶着を進行させて製造してもよい。このとき、さらに上から荷重体26により重みをかけて接触部分の樹脂をはみ出させると、接着強度が向上するため望ましい。ただし、樹脂被覆線10がIH台に接触しないように、IH台28の表面に離型剤を塗布しておくか、IH台28の上に離型紙を載せた上で作業を行うことが好ましい。
この実施形態にかかる樹脂接合構造体31は、二軸方向に金属線が配された格子状であり、第一及び第二の実施形態よりも曲がりにくい金網として、強い弾性強度と耐腐食性とを発揮する。また、溶接しているわけではないため、接触部分から腐食が進むことはない一方で、アイオノマー樹脂同士の接合により、金属溶接に匹敵する剪断強さで接着され、全体として高い強度を有する構造体となる。
次に、第四の実施形態にかかる樹脂接合構造体32を、図11を用いて説明する。これは、アイオノマー樹脂製の構造物として、上記のベルト15と同様の材質による板状の接合パッチ17を用い、この接合パッチ17に上下から樹脂被覆線10を接着させるものである。すなわち、第三の実施形態における接触部分のそれぞれにおいて、接合パッチ17を介して接着させたものである。接着部分の全てに接合パッチ17を挟む以外は、第三の実施形態と同様の手順により接合させることができる。このとき、上方から荷重を掛けておくと、樹脂被覆線10の保護層14が上下から接合パッチ17に食い込むことになり、接合パッチ17のアイオノマー樹脂が樹脂被覆線10を囲んで固定されるため、第三の実施形態よりもさらに接着強度が高い格子となる。
なお、いずれの実施形態においても、樹脂被覆線10の端面11aがアイオノマー樹脂によって覆われていると、端面から塩や酸などが侵食することを防止できるので、耐腐食性の点からより好ましい。
(実施例1)
以下、この発明にかかる樹脂接合構造体を具体的に製造した例を示す。
アイオノマー樹脂として、三井・デュポンポリケミカル(株)製ハイミランを使用した。接着剤層に用いる接着剤として、ポリエチレン系接着剤を使用した。心線として、直径2.6mmの鉄線に、溶融亜鉛メッキを施したものを用いた。
まず、心線に、接着剤樹脂による接着層と、溶融したアイオノマー樹脂による保護層を合わせて平均厚さ300μmとなるよう、同時に押出成形により形成させて樹脂被覆線を得た。これを長さ50cmに揃えた。
一方、上記のアイオノマー樹脂を、幅2cm、厚さ2mmとなるように押し出し成形したベルト15を製造した。
2枚のベルト15で樹脂被覆線10の端部付近を挟み、出力が8〜10kWの電磁誘導加熱装置((株)高周波ネッスル製:高周波誘導加熱装置:KNT−3030)の上に置き、上から荷重を掛けながら5秒間かけて電磁誘導加熱し、接着部分を溶着させた。溶着完了時点での、金属線の端部の温度は120〜170℃であった。以上の手順による試験材を4体作製した。
その接着部分の引張強度を、図12に示す装置にて、JIS G 3551の溶接点剪断強さ試験に準じて測定した。すなわち、ベルト15をリング41に引っ掛け、その上方に配されたチャック42で樹脂被覆線10を掴んで、ベルト15から金属線11が剥がれるまで引っ張り上げた。そのときの引っ張る力(N)を、金属線11の外周面積で割り、剪断強さ(N/mm)を求めた。その結果を表1に示す。平均した剪断強さは、金属溶接による金属格子に求められる溶接点剪断強さの規格である250N/mmを上回り、強固な接着を達成できていることが確かめられた。
Figure 0005465805
(実施例2)
樹脂被覆線の厚みを300μmから700μmに増加させた以外は、実施例1と同様の手順により試験材を作製し、試験を行った。その結果を同様に表1に示す。実施例1とほぼ同様の剪断強さを得ることが出来た。保護層14の厚みに拘わらず高い接着力を発揮していることから、樹脂被覆線の外周の保護層14がほぼベルト15と一体化するほどに十分な強さで溶着されていることを示している。
10 樹脂被覆線
11 金属線
11a 金属線端面
12 メッキ層
13 接着剤層
14 保護層
15 ベルト
16 変形分アイオノマー樹脂
17 接合パッチ
20 樹脂接合構造体(単層型ベルトフェンス)
21 樹脂接合構造体(二重型ベルトフェンス)
25 コイル環
26 荷重体
27 電磁誘導コイル
28 IH台
31 樹脂接合構造体(格子)
41 リング
42 チャック

Claims (4)

  1. 金属線をアイオノマー樹脂で被覆した複数本の樹脂被覆線と、アイオノマー樹脂を表面に有する構造物との間で、アイオノマー樹脂同士を溶着させた樹脂接合構造体であって、
    上記樹脂被覆線が同方向に並んで一層を為し、
    上記構造物は、同方向に並んだ複数本の樹脂被覆線からなる別の一層を為し、
    上記樹脂被覆線同士が格子状に並んで層間の接点が溶着された樹脂接合構造体。
  2. 上記接点の溶着を、アイオノマー樹脂製で板状の接合パッチを介して接着させた請求項1に記載の樹脂接合構造体。
  3. 金属線をアイオノマー樹脂で被覆した複数本の樹脂被覆線と、アイオノマー樹脂を表面に有する構造物との間で、アイオノマー樹脂同士を溶着させた樹脂接合構造体であって、
    上記構造物は、並行に並べた複数本のアイオノマー樹脂からなるベルトであり、
    上記樹脂被覆線を前記ベルト間に互いに間隔を空けて渡して、上記ベルトに溶着させた樹脂接合構造体。
  4. 上記ベルトは二枚重ねであり、上記樹脂被覆線は、その二枚重ねの間に配されて両方のベルトと溶着させてある請求項3に記載の樹脂接合構造体。
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