JP5465511B2 - 水晶振動素子 - Google Patents
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Description
例えば、平板型の水晶片としては、平面視四角形状のもの(例えば、特許文献1参照)と、平面視円形状のもの(例えば、特許文献2参照)が知られており、平板型以外の水晶片としては、例えば、音叉形状のも(例えば、特許文献3参照)のが知られている。また、平板状の素子には、その主面に凸部を設けてこの凸部の主面に電極を設けた構造のもの(例えば、特許文献4参照)や、凹部を設けてその凹部の主面に電極を設けた構造のもの(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
なお、これら電極は、引回しパターンと電気的に接続しており、この引回しパターンにより水晶片の端部まで引回されている。
例えば、平面視四角形状の水晶片の主面に凸部が形成された構造の水晶振動素子の場合、凸部の主面が所定の面積を有し、平面視四角形状に形成されている。この凸部は、ウェットエッチングなどにより形成される。
この凸部主面に電極を形成し、この電極と向かい合うように反対側にも電極を設けて水晶振動素子が構成される(例えば、特許文献4参照)。
なお、凸部は、水晶片の一方の主面のみに形成する場合と両主面に形成する場合とがある。このような形状の水晶振動素子は、電極の厚みも凸部として考慮しており、水晶片の凸部と合わせて多段状の凸部として扱われる。
このような凸部を設ける理由は、水晶振動素子の振動エネルギーが凸部内で閉じ込められるようにするためである。これにより、平板状の水晶振動素子よりもクリスタルインピーダンス(以下、「CI値」という)の低い優れた特性を得ることが期待できる。
CI値が低いということは、安定した振動でありながら、振動エネルギーが凸部内で閉じ込められた状態であるといえる。
また、振動エネルギーを閉じ込めることを目的とした素子の他の例として、コンベックス加工された水晶片やベベル加工された水晶片も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
例えば、不要振動は、水晶片の輪郭となる部分から生じる。これにより、多段状の凸部を有する水晶振動素子は、水晶片の輪郭、この水晶片に設けられた凸部の輪郭、凸部に設けられた電極の輪郭で不要振動が発生することとなる。この不要振動がなくなるとCI値が低くなり、優れた特性を得ることができる。そのため、従来の水晶振動素子は、この不要振動を減少させるために、多段状の凸部のそれぞれの高さや幅方の表面積の調節を行って形成されていた。
これにより、従来の水晶振動素子は、不要振動が軽減して振動のエネルギー閉じ込めが良好となるが、水晶振動素子を最適な状態に形成するのに多くの手間がかかっていた。
、前記第二の凸部の形状とが、所定のだ円形状となっている。
図1(a)〜(c)に示すように、本発明の第一の実施形態に係る水晶振動素子100aは、両主面に凸部11a、11bが設けられた水晶片10aと、この凸部11a、11bの主面に設けられた電極12a、12bとから主に構成されている。
第一の電極12aは、第一の凸部11aの主面全面に設けられる。また、第二の電極12bは、第二の凸部11bの主面全面に設けられる。
なお、これら第一の電極12a、第二の電極12bは、前記状態を満たす範囲で、凸部の主面内に形成されていれば、その長さを任意に設定してよい。
次に、本発明の第二の実施形態に係る水晶振動素子について第一の実施形態と同様の圧電振動素子を用いて説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、本発明の第二の実施形態に係る水晶振動素子100aは、両主面に凸部11a、11bが設けられた水晶片10aと、この凸部11a、11bの主面に設けられた電極12a、12bとから主に構成されている。
第一の電極12aは、第一の凸部11aの主面全面に設けられる。また、第二の電極12bは、第二の凸部11bの主面全面に設けられる。
このとき、第一の電極12aは、第二の電極12bより小さく設けられる。つまり、第一の電極12aの表面積は、第二の電極12bの表面積よりも小さく設けられる。なお、この第一の電極12aと第二の電極12bとは、平面形状がだ円形状に形成されている。
また、第一の電極12aは、第一の凸部11aと第一の電極12aとの厚みを考慮して水晶片10aから離れたところから、前記所定の半径R1となる円の輪郭に長さL2の中心点P2、つまり平面中心を位置させた状態となっている。
また、第二の電極12bは、第一の凹部11b、第一の電極12bの厚みを考慮して水晶片10aから離れたところから、前記所定の半径R2となる円の輪郭に長さL3の両端部P4a、P4bを位置させた長さとする。
これにより、第一の凸部11aの長さは、第一の電極12aの長さと同一となっている。同様に、第二の凸部11bの長さは、第二の電極12bの長さと同一となっている。
これにより、前記所定の半径R1となる円の輪郭に第一の電極12aの平面の中心点P2が接する状態となる。したがって、実際の第一の電極12aの厚さは、所定の半径R1となる円の輪郭に位置させたときの厚さとは異なった値となっている。
同様に、第二の電極12bの厚さは、前記所定の半径R2となる円の輪郭に位置させる場合、水晶の密度に換算した厚さとする。したがって、実際の第二の電極12bの厚さは、所定の半径R2となる円の輪郭に位置させたときの厚さとは異なった値となっている。
なお、半径R1及び半径R2は、同じ大きさとなっても良い。
次に、本発明の第三の実施形態に係る水晶振動素子について説明する。
図2(a)〜(c)に示すように、本発明の第三の実施形態に係る水晶振動素子100bは、両主面に凸部11c、11dが設けられた水晶片10bと、この凸部の主面に設けられた電極12c、12dとから主に構成されている。
このような第二の実施の形態に係る水晶振動素子100bは、第一の凸部11c、第二の凸部11d、第一の電極12c、第二の電極12dのX軸方向の長さがそれぞれ異なる点で第二の実施形態と異なる。
第一の電極12cは、第一の凸部11cの主面の中央側に設けられる。また、第二の電極12dは、第二の凸部11dの主面の中央側に設けられる。
このとき、第一の電極12cは、第二の電極12dより小さく設けられる。つまり、第一の電極12cの表面積は、第二の電極12dの表面積よりも小さく設けられる。なお、この第一の電極12cと第二の電極12dとは、平面形状がだ円形状に形成されている。
また、第二の電極12dの表面積は、第一の凸部11cの表面積よりも小さく形成されている。
言い換えると、水晶片10bの長さL4は、その長さL4の一方の主面の両端部P5a、P5bを所定の半径R3となる円の輪郭に位置させた長さとする。この水晶片10bの長さL4は、予め決定しておく。
また、第一の凸部11cは、厚みを考慮して水晶片10aから離れたところから、前記所定の半径R3となる円の輪郭に長さL5の両端部P6a、P6bを位置させた長さとする。
また、第一の電極12cは、第一の凸部11cと第一の電極12cとの厚みを考慮して水晶片10bから離れたところから、前記所定の半径R3となる円の輪郭に後述する長さL8の中心点P7、つまり平面中心を位置させた状態となっている。
この場合、第二の凸部11dの長さL6の両端部P8a、P8bは、所定の半径R4となる円の輪郭に位置した状態となっている。このとき、第二の凸部11dの厚さを第一の凸部11cと同じ厚さとしたとき、第二の凸部11dの長さL6は、第一の凸部11cの長さL5より長くなるように、長さL6の両端部P8a、P8bを前記所定の円の輪郭上に位置させる。
所定の厚さとなる第二の電極12dの長さL7の両端部P9a、P9bは、前記所定の半径R4となる円の輪郭上に位置した状態となっている。このとき、第二の電極12dの長さL7は、第一の凸部11cの長さL5より短くなっている。
第二の電極12dの厚さと同じ厚さの第一の電極12cの長さL8の両端部は、前記所定の半径R3の円の輪郭上に位置しておらず、任意の長さとする。このとき、第一の電極12cの長さL8は、第二の電極12dの長さL6より短くなっている。
次に、本発明の第三の実施形態の変形例に係る水晶振動素子の変形例について説明する。
図3に示すように、本発明の第三の実施形態の変形例に係る水晶振動素子100b2は、第一の電極が第二の電極より多きく構成されている点で第一の実施形態とは異なる。
なお、第一の凸部11cに設けられる電極を第一の電極12c2、第二の凸部11dに設けられる電極を第二の電極12d2とする。
また、第一の電極12c2及び第二の電極12d2の表面積は、第一の凸部11cの表面積よりも小さく形成されている。
なお、本実施形態の場合、第二の電極12d2が第一の電極12c2より小さく設けられている。この場合は、第二の凸部11dの両端部と第二の電極12d2の平面の中心点とが所定の半径R4に接するように構成される。また、水晶片10bの両端部と第一の凸部11cの両端部と第一の電極12cの両端部とが所定の半径R3の円に接するように構成される。
次に、本発明の第四の実施形態に係る水晶振動素子について説明する。
図4に示すように、本発明の第四の実施形態に係る水晶振動素子100cは、両主面に凸部11e、11fが設けられた水晶片10cと、この凸部の主面に設けられた電極12e、12fとから主に構成されている。
このような第三の実施の形態に係る水晶振動素子100cは、第一の凸部11e、第二の凸部11f、第一の電極12e、第二の電極12fのX軸方向の長さがそれぞれ異なる点で第二の実施形態と異なり、第二の電極12fの表面積が第一の凸部11eの表面積よりも大きく形成されている点で第三の実施形態と異なる。
第一の電極12eは、第一の凸部11eの主面の中央側に設けられる。また、第二の電極12fは、第二の凸部11fの主面の中央側に設けられる。
このとき、第一の電極12eは、第二の電極12fより小さく設けられる。つまり、第一の電極12eの表面積は、第二の電極12fの表面積よりも小さく設けられる。
また、この第一の電極12eと第二の電極12fとは、平面形状がだ円形状に形成されている。
また、第一の凸部11eは、厚みを考慮して水晶片10cから離れたところから、前記所定の半径R5となる円の輪郭に長さL10の両端部P11a、P11bを位置させた長さとする。
この場合、第二の凸部11fの長さL11の両端部P13a、P13bは、所定の半径R6となる円の輪郭に位置した状態となっている。このとき、第二の凸部11fの厚さを第一の凸部11eと同じ厚さとしたときに、第二の凸部11fの長さL11は、第一の凸部11eの長さL10より長くなるように、長さL11の両端部P13a、P13bを所定の半径R6となる円の輪郭上に位置させる。
また、この状態で、第二の電極12fの長さを決定する。
所定の厚さとなる第二の電極12fの長さL12の両端部P14a、P14bは、前記所定の半径R6となる円の輪郭上に位置した状態となっている。このとき、第二の電極12fの長さL12は、第一の凸部11eの長さL10より長くなっている。
第二の電極12fの厚さと同じ厚さの第一の電極12eの長さL13の両端部は、前記所定の半径R5の円の輪郭上に位置しておらず、任意の長さとする。このとき、第一の電極12eの長さL13は、第二の電極12fの長さL12より短くなっている。
次に、変形例について説明する。
例えば、図5(a)〜(b)に示すように、変形例に係る水晶振動素子100dは、水晶片10d、第一の凸部11g、第二の凸部11h、第一の電極12g、第二の電極12hから構成される。このとき、水晶片10d、第一の凸部11g、第二の凸部11h、第一の電極12g、第二の電極12hのX軸方向の長さの関係は、第三の実施形態と同様とする。
このように、変形例に係る水晶振動素子100dは、水晶片10d、第一の凸部11g、第二の凸部11h、第一の電極12g、第二の電極12hの形状を四角形にしても、第三の実施形態と同様の効果を奏する。
実施例1は、水晶片のX軸方向の長さが1000μmであり、第一の凸部の長さが580μmであり、第二の凸部の長さが820μmであり、第一の電極の長さが370μmであり、第二の電極の長さが410μmであり、所定の円の半径が10mmであり、水晶片のX軸方向の長さの端部、第一の凸部の長さの端部、第二の凸部の長さの端部、第二の電極の長さの端部、が前記半径10mmの円の輪郭上に位置している。
この実施例1の構造は、第三の実施形態の水晶振動素子と同一の構造となる。
ここで、図6に示すように、水晶振動素子の形状が実施例1の場合、この水晶振動素子に生じる振動は、第一の電極又は第二の電極が形成される部分に集中していることが確認できる。
これは、水晶片の輪郭部分や、第一の凸部の輪郭部分、第二の凸部の輪郭部分、第一の電極の輪郭部分、第二の電極の輪郭部分で不要振動が発生していないと考えられる。
つまり比較例1の場合、第一の凸部の長さと第二の凸部の長さとが同じであり、第一の電極の長さと第二の電極の長さとが同一となっている。
また、水晶片の形状、第一の凸部の形状、第二の凸部の形状、第一の電極の形状、第二の電極の形状がだ円形状に形成されている。
ここで、図に示すように、水晶振動素子の形状が比較例1の場合、この水晶振動素子に生じる振動は、いくつもの振動の山が不規則に発生しているのが確認できる。これは、設計において期待した振動に、水晶片の輪郭部分や、第一の凸部の輪郭部分、第二の凸部の輪郭部分、第一の電極の輪郭部分、第二の電極の輪郭部分で発生した不要振動が結合して起きていると考えられる。
つまり比較例2の場合は、第一の凸部の長さと第二の凸部の長さとが同じであり、第一の電極の長さと第二の電極の長さとが同一となっている。
また、水晶片の形状、第一の凸部の形状、第二の凸部の形状、第一の電極の形状、第二の電極の形状、が四角形に形成されている。
ここで、図に示すように、水晶振動素子の形状が比較例2の場合、比較例1と同様に、この水晶振動素子に生じる振動は、いくつもの山が不規則にできるような振動が発生しているのが確認できる。これは、設計において期待した振動に、水晶片の輪郭部分や、第一の凸部の輪郭部分、第二の凸部の輪郭部分、第一の電極の輪郭部分、第二の電極の輪郭部分で発生した不要振動が結合して起きていると考えられる。
また、平面の中心点と所定の半径の円とを接するよう構成する場合は、第一の電極と第二の電極のうち、小さいほうの電極を用いるのがよい。
例えば、大きさが第一の電極のほうが第二の電極より小さい場合は、第一の凸部と第一の電極の平面の中心点に接するように所定の円の半径を決定する。また、例えば、大きさが第二の電極のほうが第一の電極より小さい場合は、第二の凸部と第二の電極の平面の中心点に接するように所定の円の半径を決定する。
このように本発明を構成しても、擬似的なコンベックス構造を構成することができる。
また、第一の電極や第二の電極は、蒸着技術やメッキ技術を用いて水晶片に設けることができる。また、第一の凸部、第二の凸部、第一の電極、第二の電極は、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術により形成することができる。
10a、10b、10c、10d 水晶片
11a、11c、11e、11g 第一の凸部
11b、11d、11f、11f 第二の凸部
12a、12c、12e、12g 第一の電極
12b、12d、12f、12h 第二の電極
R1、R2、R3、R4、R5、R6 半径
Claims (2)
- 板状の水晶片の両主面に凸部を有し、一方の凸部を第一の凸部、他方の凸部を第二の凸部とし、前記第一の凸部に設けられた第一の電極と、前記第二の凸部に設けられた第二の電極とを備えた水晶振動素子であって、
前記第一の凸部の表面積が前記第二の凸部の表面積よりも小さく、
前記第一の電極の表面積と前記第二の電極の表面積とが異なる大きさであり、
前記第一の電極の表面積と前記第二の電極の表面積とが前記第一の凸部の表面積よりも小さく形成されていることを特徴とする水晶振動素子。 - 前記水晶片の形状と、
前記第一の凸部の形状と、
前記第二の凸部の形状と、
が、所定のだ円形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動素子。
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