JP5464989B2 - 膜分離プロセスのモニタリングシステム - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は広く膜分離に関するものであり、特に、膜分離プロセスのモニタリング及び/又はコントロール方法に関するものである。
発明の背景
膜分離は選択膜(selective membrane)を用いるものであり、つい最近水精製のような液流プロセスに対する工業的分離技術に加わったものである。膜分離においては、一般的に、一つの流出流の駆動力の結果として流入成分が膜を通過し、それによって元々あった成分の一部が第二流中に取り残される。膜分離は、通例、水精製或いは精密ろ過法(MF)、限外ろ過法(UF)、ナノろ過法(NF)、逆透過法(RO)、電気透析法、電気的脱イオン化法(electrodeionization)、パーベーパレーション法(pervaporation)、膜抽出法(membraneextraction)、膜蒸留法(membrane distillation)、メンブレンストリッピング法(membrane stripping)、メンブレンエアレーション法(membrane aeration)及びその他のプロセスを含む、他の液体プロセスに対し用いられる。その分離の駆動力は膜分離の形態に依存する。圧駆動される膜ろ過は、膜ろ過としても知られており、精密ろ過法、限外ろ過法、ナノろ過法及び逆透過法を含み、駆動力として圧力を用いる。一方、電気的な駆動力は電気透析法及び電気的脱イオン化法で用いられる。歴史的に、膜分離プロセス又はシステムは、水性の水流からの溶質除去効率にとって、膜スケーリング(scaling)や膜付着物、膜劣化等が不利益をもたらすという悪影響のために、水処理に対してコスト上効果的とは考えられなかった。しかし、技術の進歩によって膜分離は、より商業的に実現性のある、工業プロセスに適する水性供給流処理技術になった。
更に、膜分離プロセスは工業用途、特に、原水及び排水の精製に対してより実用的なものにもなってきた。これは膜分離性能の評価に対する改良された診断道具又は技術の使用を通じて達成されたものである。効率(例えば、流量又は膜透過性)及び効果(例えば、除去率又は選択性)のような膜分離の性能は、一般的にそのプロセスの操作条件に関係する様々なパラメータによって影響を受ける。それゆえ、プロセス及び/又は操作条件の性能を評価するため、膜分離に特有なこれら或いは他のタイプのプロセスパラメータをモニターすることが望ましい。この点において、膜分離プロセスのモニタリングのための様々な異なる検査技術が日常的に用いられてきており、今や、工業用途への実用性及び実現性に必要不可欠なものとして認められている。
しかしながら、モニタリングは一般的に時々、例えば交代制勤務毎に1回もしくは時にはより少ない頻度で、実施される。実際に採用されているモニタリング技術は骨が折れ(labor)、時間的にも集約されている。それゆえ、一般のモニタリングに基づき、性能を向上させることを目的として膜分離プロセスに対しなされる調節は、迅速なやり方とはならないかもしれない。それに加えて、現在利用可能なモニタリング技術は膜分離プロセスを評価及び/又はコントロールするための指標として一般的に信頼されている様々なプロセスパラメータのモニタリングの点に関して、しばしば最良の感度及び選択性を提供しない。
例えば、一般的に逆透過法及びナノろ過法に対し適用するモニタリング技術は導電率測定及び流量測定を含む。導電率測定は、膜に実質的に保持されている溶質の回収率を測定する目的のためには本質的に正確性が低い。この点において、一般的には導電性測定中に指標として用いられる導電性の塩は、膜を通過することができる。塩は一般的に総塩濃度のある割合で膜を通過するので、濃度勾配等による局所的な濃度変更が、膜損傷を必ずしも示すことなしに、生産水の導電性を変えてしまうことが起こりうる。これは特にクロスフロー膜システムの最終工程に当てはまるものであり、塩濃度(及びそれゆえその濃度の一定割合の塩の通過)は、その最高レベルに達するものである。この点において、塩通過/除去率パラメータは一般的に膜システムのすべての工程の間に測定された値に基づき、平均値として決定される。
さらに、このようなシステムに一般的に用いられる流量計は、較正が不正確になりやすいため、頻繁に較正を行うことが求められる。さらに、逆透過又は他の膜分離のモニタリングは一般的に、複数の異なる手法を付加及び/又は組み合わせることが日常的に求められており、モニタリングの複雑化、及び費用増加を招いている。
したがって、水性供給流のような供給流を扱うことが可能な、工業的プロセスに適した、膜分離プロセスをモニターする及び/又はコントロールする必要があるが、工業プロセスにおける従来のモニタリング技術は一般的に複雑であり、かつ/又は、膜分離の性能評価に重要な膜分離プロセス固有の一以上のプロセスパラメータを、適切にモニターするために必要な感度及び選択性を欠くかもしれないものであった。
発明の要約
本発明は、工業プロセスにおける使用に適した、供給流を処理することを可能にする膜分離プロセスのモニタリング及び/又はコントロールのための方法及びシステムを提供するものである。この点において、不活性蛍光トレーサーの検知は、操作上の(operational)パラメータ、化学的パラメータ、機械的パラメータ及びそれらの組み合わせのような膜分離に固有の多くの様々なプロセスパラメータを評価及び/又はコントロールするのに利用される。本発明における不活性蛍光トレーサーのモニタリング技術は、膜分離に特有なプロセスパラメータをモニタリングする点において、高度な感度及び選択性をもって行われうるものである。この点において、本発明の方法及びシステムは膜分離プロセスの性能を最適化するのに効果的に利用されうるものである。そのように最適化された性能の例としては、膜洗浄と膜洗浄の間の期間の長期化、膜寿命の長期化、システムにおける処理薬品確認、最適な回収率を行う能力、及びエネルギーコストの削減などが含まれ、これらの例は、スケーリング、付着物、及び他のシステムパラメータの好適なコントロールによるものである。
このため、本発明の実施形態においては、供給流を少なくとも第一流及び第二流に分離することが可能な膜を含む膜分離プロセスのモニタリング方法が提供される。前記方法は、不活性蛍光トレーサーを準備し;前記不活性蛍光トレーサーを前記供給流中に導入し;
前記不活性蛍光トレーサーの蛍光信号を検知するための蛍光光度計を前記供給流、前記第一の流れ、前記第二の流れのうち少なくとも一つの中に備え付け;前記蛍光光度計を使用して、前記供給流、前記第一の流れ及び前記第二の流れのうち少なくとも一つにおいて、前記不活性蛍光トレーサーの量を測定する;工程を含むものである。
他の実施形態においては、工業プロセスにおける使用に適した、供給流から溶質を除去することが可能な膜を含む膜分離システムのモニタリング方法が提供される。前記方法は、不活性トレーサーを前記供給流へ添加し;前記膜を前記供給流と接触させ;前記供給流を透過流と濃縮流に分離して溶質を前記供給流から除去し;前記供給流、前記透過流及び前記濃縮流のうち少なくとも一つに、前記不活性トレーサーの蛍光信号を検知するための蛍光光度計の中に備え付け;前記蛍光光度計を使用して、前記供給流、前記透過流、前記
濃縮流のうち少なくとも一つにおける前記不活性トレーサーの量を測定する;工程を含むものである。
更に他の実施形態においては、工業プロセスにおける使用に適した水性供給流を精製することが可能な膜分離システムが提供される。前記膜分離システムは、前記水性供給流から一以上の溶質を除去するため、不活性トレーサーを含む前記水性供給流を透過流及び濃縮流に分離することができる半透過膜;前記水性供給流、前記透過流及び前記濃縮流のうち少なくとも一つにおいて、1012分の約5(ppt)から約100万分約1000(ppm)の範囲で前記不活性トレーサーの量を蛍光分析的に測定することが可能な検知装置であり、前記検知装置は測定された不活性トレーサーの量を表示する信号を発生させることが可能であるもの;前記水性供給流の精製をモニター及び/又はコントロールするための信号を処理することが可能であるコントローラー;を含むものである。このようなモニタリング又はコントロールは、化学薬品使用量のコントロール及び標準機器(例えば流量センサー)の精度/較正を含んでいても良い。
更に別の実施形態においては、工業プロセスにおける使用に適した、供給流から溶質を除去することが可能な膜を含む、膜分離プロセスをモニター及びコントロールする方法が提供される。前記方法には、不活性トレーサーを前記供給流へ添加し;前記膜を前記供給流に接触させ;前記供給流から溶質を除去するため、前記供給流を第一流出流及び第二流出流に分離し;前記不活性トレーサーの蛍光信号を検知するための、蛍光光度計を、前記供給流、前記第一流出流及び前記第二流出流のうち少なくとも1つの中に備え付け;前記蛍光光度計を使用して、前記供給流、前記第一流出流及び前記第二流出流のうち少なくとも1つにおいて、約5pptから約1000ppmの範囲で前記不活性トレーサーの量を計測し;前記不活性トレーサーの測定可能な量に基づき、前記膜分離プロセスに特有な一以上のプロセスパラメータを評価する;工程を含むものである。
従って、本発明の利点として、不活性蛍光トレーサーを利用して膜分離プロセス又はシステムをモニター及び/又はコントロールする方法及びシステムを提供することが挙げられる。
他の本発明の利点としては、測定可能な量の不活性トレーサーを利用して、膜分離プロセス又はシステムの操作上の効率を改善した方法及びシステムを提供することが挙げられる。
更なる本発明の利点としては、膜分離システムに添加された不活性トレーサーの測定可能な量に基づき、膜分離プロセスに特有なパラメータを選択的及び特異的にモニタリング方法及びシステムを提供することが挙げられる。
更に別の本発明の利点としては、工業用水システムにおける使用に適する、水性供給流精製のための膜分離プロセスをモニタリング及び/又はコントロールする方法及びシステムを提供することが挙げられる。
なお更なる本発明の利点としては、供給流から溶質を除去するために、クロスフロー及び/又はデッドエンドフロー(dead-end flow)分離を利用する膜分離プロセス及びシステムに特有な改善された性能を付与することが挙げられる。
本発明の更なる付加的な特徴は、好適な実施の形態の詳細な説明の欄に記述し、明示する。
現時点での好適な実施の形態の詳細な説明
本発明は、水性供給流のような、供給流から溶質を除去することが可能な膜分離プロセスをモニター及び/又はコントロールするための方法及びシステムであって多くの様々な工業上の応用へ利用するのに適しているものを提供するものである。更に具体的には、本発明の方法及びシステムは、膜分離プロセスへ添加された不活性蛍光トレーサーの測定可能な量に基づき、膜分離プロセスをモニター及び/又はコントロールすることができる。この点において、例えば、操作上のパラメータ、化学的パラメータ、機械的パラメータ等のパラメータ及びそれらの組み合わせを含む、膜分離に特有な多くの様々なプロセスパラメータを、膜分離プロセスの性能が効果的に最適化されるような、高度の選択性、特異性、及び正確性をもって評価することができる。
本発明の方法及びシステムは、膜分離プロセス又はシステムをモニタリング及び/又はコントロールするために、様々な異なる及び適した構成要素、工程段階、操作条件等、を含むことができる。一つの実施形態として、本発明の膜分離プロセスはクロスフロー及びデッドエンドフロー(dead-end flow)プロセスを含む。クロスフロープロセスの最中、供給流は実質的に膜分離システムの膜に対し平行な流れ方向の状態で処理される。デッドエンドフロー分離プロセスについては、供給流は実質的に、膜分離システムの膜に対し垂直な流れ方向の状態で処理される。
一般的に、本発明の膜分離プロセスは、供給流を別の流れに分離することにより供給流を処理又は精製することができる。一つの実施形態として、供給流は少なくとも透過流と濃縮流のように、第一流及び第二流に分けられる。供給流は、溶解有機物、固体の溶解物、固体の浮遊物、及びそれらの組み合わせのような様々な溶質を含み得る。例えば膜ろ過器で供給流を透過流及び濃縮流に分離する際に、本質的に、透過流は水性供給流と比べると実質的に低濃度の溶解及び/又は浮遊溶質を含んでいる。一方、濃縮流は水性供給流に比べて高濃度の溶解及び/又は浮遊溶質を含んでいる。この点において透過流は、精製された水性供給流のような、精製された供給流であることを意味する。
当然のことながら、本発明は、例えばクロスフロープロセス、デッドエンドフロー(dead-end flow)プロセス、逆透過、限外ろ過、精密ろ過、ナノろ過 (nanofiltration)、電気透析、電気的脱イオン化(electrodeionization)、パーベーパレーション(pervaporation)、膜抽出(membrane extraction)、膜蒸留(membrane distillation)、メンブレンストリッピング(membrane stripping)、メンブレンエアレーション(membrane aeration)等及びそれらの組み合わせを含む、多くの様々なタイプの膜分離プロセスにおいて利用され得る。逆透過、限外ろ過、精密ろ過、ナノろ過は好ましい膜分離プロセスである。
逆透過において、供給流は一般的にクロスフローの条件下で処理される。この点において、供給流の一部のみが透過水として膜を通って拡散するように、供給流は実質的に膜に対し平行に流れる。膜表面の付着物を減少させる研磨作用を付与するため、膜表面のクロスフロー速度は通常大きい。これは濃度分極効果(例えば、膜表面での乱流を抑制した境界層(reduced-turbulence boundary layer)における溶質の濃縮、これによって膜の透過圧が増加し、透過流が減少する。)も減少させることが可能である。濃度分極効果は供給流水が透過水として膜を通過することを抑制し、その結果、例えば負荷した供給流量に対する透過水の割合などの、回収率を減少させる。リサイクル巡環を、膜表面を渡ってゆく流速を高く維持するために適用しても良い。
逆透過プロセスは、様々な異なるタイプの膜を用いることができる。そのような市販の膜部材の形態には、中空糸膜部材、チューブ状膜部材、スパイラル型膜部材、平板型膜部材等を含むが、特に制限はない。それらのいくつかは、「ザナルコウォーターハンドブック」(“The Nalco Water Handbook,” Second Edition, Frank N.Kemmer ed., McGraw-Hill Book Company, New York, N.Y., 1988)により詳細に記載されており、本願に援用され、特に「膜分離」“Membrane Separation”というタイトルの第15章が本願に援用される。当然のことながら、単膜の部材を対象とする膜ろ過システムに用いてもよいが、複数の膜部材を工業上の用途に合わせて用いても良い。
一般的な逆透過システムは、膜ろ過及び更に広く一般には膜分離の例として説明される。逆透過は主にスパイラル型部材又はモジュールを用いる。それらは、穴を開けた透過水回収チューブを中心にして、その周りにフィードスペーサー(feed spacer)及び透過水キャリアー(permeate water carriers)をと共に半多孔性膜の層を巻くことにより構成されている。一般的に、前記モジュールはテープ及び/又はファイバーグラスのオーバーラップでシールされている。結果として生じる構造は、流入流を受け入れることが可能な一つの通路となっている。その流入流は膜モジュールに対し縦方向に流れ、濃縮流として他端から抜け出る。モジュール内部では、水は半多孔膜を通り、中央の回収チューブへ流れる透過通路で捕捉される。このチューブから水が設計された通路の中から外へ流れ、回収される。
実際のところ、膜モジュールは、第一モジュールの透過水チューブを第二モジュールの透過水チューブへ接続する等、相互コネクタを用いて次々に接続して一つに重ねられる。
これらの膜モジュールスタックは圧力容器内に収納される。圧力容器内で、供給水はスタック内の第一モジュールへ進入し、前記第一モジュールは供給流の一部を透過水として除去する。第一膜からの濃縮流は、第二膜等下流のスタックへ下る供給流となる。スタック内すべての膜の透過流は接続された透過水チューブ内に回収される。第一モジュールへ進入する供給流、併合された(combined)透過流、及びスタック内の最後尾モジュールからの最終的な濃縮流のみが、通例モニターされる。
多くの逆透過システムにおいては、圧力容器はステージ(stage)又はパス(pass)のどちらかの配列とされる。ステージ膜システムでは、圧力容器のたまり(bank)から併合された濃縮流が第二の圧力容器のたまりへ導入され、そこでは前記併合された濃縮流は第二ステージへの供給流となる。通例、システムには、各ステージ内の圧力容器の数を順次少なくした2から3のステージが存在する。例えば、あるシステムでは、第一ステージに4つの圧力容器を含み、前記4つの圧力容器の濃縮流は第二ステージの2つの圧力容器へ供給され、前記2つの容器の濃縮流は第三ステージにおける1つの圧力容器に順番に供給される。これは「4:2:1配列」として設計されたものである。ステージ膜配置では、すべてのステージのすべての圧力容器から併合された透過流は回収され、更なる膜処理なしに使用される。マルチステージシステムは、例えばボイラー供給水向けなど、多量の浄水が必要とされる際、用いられる。前記膜システムからの透過流はイオン交換又は他の手段により更に洗浄されることがある。
マルチパス(multi-pass)システムでは、各圧力容器のたまりからの透過流が回収され、続く圧力容器のたまりへの供給物として用いられる。すべての圧力容器からの濃縮流は、それぞれ独立した流れの更なる膜処理なしに併合される。マルチパスシステムは非常に純度の高い水が要求される際、例えば精密電子或いは製薬工業において、用いられる。
上記例から明らかなように、ROシステムの1ステージの濃縮流は他のステージの供給流となりうるものである。同様にマルチパスシステムの単独パスの透過流は、それに続くパスの供給流となってもよい。上記に引用される逆透過の例のようなモニタリングシステムにおける課題は、サンプリングやモニタリングを行いうる場所、すなわち供給、透過、濃縮流が限られていることである。すべてではないが、いくつかのシステムでは、インターステージ(inter-stage)試料採取場所が、第一ステージで濃縮され/第二ステージに供給される供給流のサンプリング/モニタリングを可能としている。同様のインターパス試料採取場所はマルチパスシステムにおいても同様に利用可能である。
実際上、スタック内のそれぞれの膜部材から、透過水の品質をサンプリングするために、単独の圧力容器内で透過回収チューブを精査(“probe”)することは可能である。それは時間のかかる面倒で不正確な方法であり、トラブルシューティングの状況において以外は日常的に適用されない。単独の圧力容器内部で、独立した膜部材の供給/濃縮流の品質を調査する一般に認められた方法は現在のところ存在しない。
クロスフローろ過膜分離プロセスとは対照的に、従来の固体浮遊物のろ過は供給流を実質的に垂直方向にろ材又はろ過膜に通すことにより、行われうるものであった。このろ過は供給サイクルの中で一つの排出流を効率的に生成する。定期的に前記フィルターは、清浄な流体を供給とは逆方向に通過させることにより逆洗洗浄され、フィルターに保持されていた物質種(species)を含む逆洗廃液を生成する。こうして、従来のろ過は供給流、精製流及び逆洗流を生み出す。このタイプの膜分離は一般的にデッドエンドフロー(dead-en
d flow)分離と称され、一般的には約1ミクロンよりも大きいサイズの浮遊粒子の分離に制限されるものである。
他方、クロスフローろ過技術は、より小さな粒子(一般的には約1ミクロン以下のサイズ)、コロイド、溶解した溶質を除去するために用いられうるものである。そのようなタイプのクロスフロー膜分離システムには、例えば、逆透過、精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過、電気透析等が含まれる。逆透過法は低分子量の溶解種さえ除去することが可能である。前記溶解種は、少なくとも約0.0001から約0.001ミクロンの最小径で、例えば、イオン種、非イオン種、低分子量分子、水溶性巨大分子又はポリマー、固体浮遊物、コロイド及びバクテリアやウィルスのような個体を含むものである。
この点において、逆透過法は中程度から高度(例えば500ppm以上)の全溶解固形分(“TDS”)量を有する水を処理するため、しばしば工業的に用いられる。一般的に、供給流中のTDS量の約2パーセントから約5パーセントは膜を通過するだろう。従って、一般的に透過水は完全に溶質が存在しない状態ではない可能性がある。この点において、逆透過の透過水は高圧ボイラー向けの補給水としての利用のような、いくつかの工業上の利用にとっては高すぎる可能性がある。それゆえ、逆透過システム又は他の膜分離システムのようなものはイオン交換プロセス、又は樹脂上に充填されるTDSを減少させ、そして、酸や水酸化ナトリウムのような樹脂再生で用いられ貯蔵される有害物質の量を減少させるのに適した他のプロセスよりも先に、或いはこれらと組み合わせて頻繁に用いられる。
上記のとおり、膜分離システムの能力は膜分離プロセスに特有な、例えば温度、pH、圧力、透過流量、処理の活性、及び/又は洗浄剤、付着物活性等のような、多くの様々な操作条件によって変動する可能性がある。不活性蛍光トレーサーの検知に基づき、モニタリング及び/又はコントロールプログラムを開発及び/又は実施する際、膜分離システムに特有な操作条件の効果が必ず考慮されなければならない。上記のとおり、水処理プロセスの操作条件はプロセスごとに大きく変動する可能性がある。この点で、各プロセスに適用されるモニタリング技術は大いに異ならしめることができる。
膜分離プロセス及びそのモニタリングは下記の点が考慮されており、固有のものである。
1.システムはモニタリングする場所及び/又はサンプル収集場所の観点から、自由度が制限される。
2.膜分離システムは水がバリアを通って透過する時、形成される濃度分極層を含む。これは、冷却水システムのような、他の水処理プロセスには存在しない。
3.膜分離システムは、逆溶解性が問題となる工業プロセスよりも極めて低温で動作する。しかしながら逆透過法やナノろ過のような膜分離システムの場合、このような低温は高温プロセスでは問題とならなそうな(シリカ及びケイ酸塩のような)塩由来のスケーリングを引き起こす。この点、一般的な毎日の膜分離操作(例えば逆透過及びナノろ過)は約75°Fで行われる。
4.膜表面をきれいな状態に保つことは不可欠であるため、比較的少量の微小な沈殿物が、重大な性能損失を引き起こす可能性がある。従って、膜の性能損失は、冷却水処理に比べて沈殿物堆積に対し、より敏感である。この点において、膜中の性能損失は冷却水システム中で発生する熱移動損失との関係で求められる膜厚よりもかなり薄い膜厚で発生する可能性がある。
5.膜ろ過での水損失は“透過”によるか、或いは、膜障壁の通過によるものである。損傷した或いは不完全な膜は、膜を通過する溶質の望ましくない漏出に影響を受けやすい。従って、最高効率で膜ろ過が動作するのを保持するために、膜を通じての漏出をモニターすることは重要である。
6.薄い半透過フィルム(高分子、有機、或いは無機の)は化学種による劣化に対し敏感である。膜表面に接触する生成物は、表面の損傷とそれによる性能低下を回避するためには、膜の化学的性質(membrane chemistry)と両立していなければならない。
7.膜システムに用いられる化学処理は、使用前に膜素材に両立していることが証明されていなければならない。相容れない化学物質からの損傷はすぐさま性能低下や、場合によっては膜表面の劣化を引き起こす可能性がある。そのような化学処理による即時の不可逆損傷は冷却水システムにおいては極めて稀である。
これらの違いに基づき、多くの様々な要素及び検討事項は、冷却水処理プロセスのような他の水処理プロセスと比較して、膜分離システムに関してプログラムのモニタリング及び/又はコントロールを開発及び/又は実施する際は、必ず考慮に入れなければならない。
例えば膜及び消費エネルギーの費用の両方が、膜分離プロセスに特有の重要な操業コスト因子になる可能性がある。この点において、膜上のスケール及び付着物の小規模な堆積は、膜ろ過において、例えば一定の駆動力での透過流の減少や、透過水の品質(純度)の低下や、一定の透過流量を維持するために消費されるエネルギーの増大や、膜交換及び/又は膜交換又は洗浄/修復のための予定外のダウンタイムの招来や、他の類似した状況、及びそれらの組み合わせによって、膜分離システムの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。この点において、標準化された透過流量、駆動力、差圧、及び除去率のような膜ろ過固有のプロセスパラメータの連続モニタリングが、付着物及び/又はスケーリングの検知、及びそのような問題が観察されたときの改善策の実施に対し重要であると一般的に信じられている。逆透過においては、約10〜15%の変化がこれらのいずれかのパラメータで生じると、それがスケーリング/付着物の問題を知らせる日常的な信号となり、処理剤の使用量の調節といった対応措置が必要とされる。従って、可能な限り早期にこれらの問題を探知することにより、例えば、過度のエネルギー消費、生産物の損失、早すぎる膜交換等を避けることができる。理想的には、好ましくない又は疑わしい状況又は変化が探知される時に、警報のような何らかの手段を使ってオペレーターに状況又変化を知らせる。是正措置を必要に応じ又は適切に取っても良い。
出願人は、不活性トレーサーの量の測定に基づいた膜分離に固有のプロセスパラメータのモニタリング及び/又はコントロールは、現在利用可能な従来技術よりもより早く、より感度良く、より分かりやすく、より選択性の高い及び/又はより信頼性のあり、特に本発明のモニタリング方法が実質的に連続的手法に採用された時にそうであることを、独自に発見した。本発明は、高い検査性能を有しており、例えば、膜分離及び/又は膜ろ過に特有の、薬品処理の不足、予定外の回収率の増加、溶質の通過量増加、流量不規則、及び、スケーリング及び/又は付着物の問題を、非常に高い感度で、そして現在利用可能な方法よりも少ない経過時間で、探知することができる。この点においては、一時的なシステムの混乱又は他の短時間の変動は、散発的なモニタリングによる場合には誤った警告信号として検知されるようなものを、むしろ、連続的モニタリングの間中、一時的な状況として、検知することができる。
前述の通り、本発明の方法及びシステムは、膜分離プロセスをモニター及び/又はコントロールするために不活性蛍光トレーサーを用いる。不活性トレーサーを利用することにより、本発明では従来のモニタリング技術と比較して、より高い選択性及び検出感度で多くの様々な膜分離プロセスパラメータを評価することができる。この点において、不活性トレーサーの測定可能な量は、そのようなシステムの性能を最適に最大化するのに効果的に利用され得るものである。
本明細書で使用される用語「不活性」は、不活性トレーサーが、感知される程又は有意に、前記システム内のいずれの他の化学要素にも影響を受けない、又は、pH、温度、イオン強度、レドックスポテンシャル、微生物活性、殺生物剤濃度等の他のシステムパラメータには影響を受けない、という意味である。「感知されるほど又は有意に影響を受けない」の意味を定量化すると、この記述は、産業用水システムで通常遭遇する過酷な条件下では、不活性蛍光化合物は蛍光信号の変化が10%以下である、という意味である。産業用水システムで通常遭遇する過酷な条件は、産業用水システム技術分野の当業者にとって公知である。
当然のことながら、様々な及び適した多様な不活性トレーサーが好適な量、回数、及び応用に、使用され得る。例えば単一のトレーサーは、多くの様々な膜分離プロセスパラメータを評価するのに用いられ得る。しかしながら、本発明は、別個のモニタリング用途に対するトレーサーとしてそれぞれ機能する多くの様々なトレーサーを含むものである。実施形態の一つとして、本発明の不活性蛍光トレーサーのモニタリングは、単独に、断続的に、或いは半連続的に行われ得るもので、望ましくは流水中のトレーサーの濃度測定が、迅速なリアルタイム測定を提供するため、その場(on-site)で行われる。
不活性トレーサーは、膜分離システムの水によって輸送できなければならない。従って、仮に完全にではないとしても、当該システムにおいて、膜分離システムに特有かつ固有の温度及び圧力条件下で、使用レベルの濃度に実質的に水溶性でなければならない換言すれば不活性トレーサーが用いられる膜分離システムの溶質と同じような性質を示す。実施の形態の一つとして、本発明の不活性トレーサーは下記の基準に当てはまるものが好適である:
1.かなりの量を膜に吸収されない;
2.膜を劣化させない、或いは膜の性能を阻害しない、或いは膜の組成を変化させない;
3.連続的又は半連続的に検知可能であり、濃度測定に対し感度が高く、その測定が正確、リピート可能、かつ供給水、濃縮水、透過水又は他の適応可能な媒体或いはそれらの組み合わせに対して実施可能である;
4.不活性トレーサーが用いられる可能性がある膜分離システムの水の中に普通に存在する化学種とは実質的に無関係である;
5.不活性トレーサーが用いられる可能性がある膜分離システムの水の中に普通に存在する化学種からの干渉、又は前記化学種による性質の偏向に実質的に影響されない;
6.膜分離システムの水からの固有のかつ選択的な損失のいかなる潜在能力、例えば、膜の選択的透過に対しても実質的に影響されない;
7.不活性トレーサーが用いられ得る膜分離システムの水に用いられるすべての処理剤に対し反応性がなく、従ってその有効性が少しも減少しない;
8.その処方物の構成要素のすべてに対し反応性がない;
9.用いられ得る水又は膜分離プロセスの環境だけでなく、それからの排出に際し、相対的に毒性がなく環境に安全であるもの。
当然のことながら、膜分離プロセスに対し添加される不活性トレーサーの、あまりに過度でなく効果的な量は、選択したモニタリング方法、選択したモニタリング方法に関連したバックグラウンド障害の範囲、供給水中及び/又は濃縮物中の、不活性トレーサー濃度の大きさ、(オンライン連続モニタリングモードのような)モニタリングモード、そして他の類似要因等、特に制限されない、様々な要因に関連して変動する可能性がある。実施形態の一つとして、膜分離システムに添加した不活性トレーサーの量は、例えば、濃縮流中において測定可能な濃度を安定な状況で得るために、少なくとも十分な量であって、濃縮流中又は他の流出流中に少なくとも約5ppt、望ましくは少なくとも約1ppb又は約5ppbもしくはそれ以上から約100ppm又は約200ppmまで、或いは、約1000ppmまでである。実施形態の一つとして、トレーサーの量は約5pptから約1000ppm、好ましくは約1ppbから約50ppm、より好ましくは約5ppbから約50ppbの範囲である。
実施形態の一つとして、不活性トレーサーは、乾燥固体又は純粋な液体のような単独の成分としてよりはむしろ、処方物の一成分として膜分離システムに添加されることができる。不活性トレーサーの処方物又は製品は、水溶液、又はそれが添加された膜分離システム中で好適な速度で分散する実質的に均一な他の製品を含む。この点において、不活性トレーサーの濃度は製品の濃度に相関性がある可能性がある。一つの実施一形態として、製品又は処方物には、スケーリング及び/又は付着物を処理するために添加される処理剤を
含むことができる。
様々な適用可能な形態の化合物が不活性蛍光トレーサーとして利用することが可能である。実施形態の一つとして、不活性蛍光化合物は例えば次のような化合物を含む:
3,6−アクリジンジアミン,N,N,N’,N’−テトラメチル−,一塩酸塩、別名、アクリジンオレンジ(CAS Registry No. 65-61-2)、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS Registry No. 16106-40-4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS Registry No. 61736-91-2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-95-6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-92-3)及びその塩、
アントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩、別名、アントラゾルグリーンIBA(Anthrasol Green IBA) (CAS Registry No. 2538-84-3, aka Solubilized Vat Dye)、
バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩(CAS Registry No. 52746-49-3)、
アミノ2,5−ベンゼンジスルホン酸(CAS Registry No. 41184-20-7)、
2−(4−アミノフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール(CAS Registry No. 92-36-4)、
1H−ベンズ[de]イソキノリン−5−スルホン酸,6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−1,3−ジオキソ−,一ナトリウム塩、別名、ブリリアントアシッドイエロー8G(Brilliant Acid Yellow 8G) (CAS Registry No. 2391-30-2,aka Lissamine Yellow FF, Acid Yellow 7)、
フェノキサジン−5−イウム,1−(アミノカルボニル)−7−(ジエチルアミノ)−3,4−ジヒドロキシ−,クロライド、別名、セレスチンブルー(Celestine Blue)(CAS Registry No. 1562-90-9),
ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5,9−ジアミノ−,アセテート、別名、クレシルバイオレットアセテート(CAS Registry No. 10510-54-0)、
4−ジベンゾフランスルホン酸 (CAS Registry No. 42137-76-8),
3−ジベンゾフランスルホン酸 (CAS Registry No. 215189-98-3)、
1−エチルキナルジニウムアイオダイド (CAS Registry No. 606-53-3)、
フルオレセイン (CAS Registry No. 2321-07-5)、
フルオレセイン,ナトリウム塩(CAS Registry No. 518-47-8, aka Acid Yellow 73, Uranine)、
キーフルオロホワイトST(Keyfluor White ST) (CAS Registry No. 144470-48-4, aka Flu. Bright 28)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、別名、キーフルオロホワイトCN(Keyfluor White CN)(CAS Registry No. 16470-24-9)、
C.I.フルオレセントブライトナー230、別名、ローコファーBSB(Leucophor BSB) (CAS Registry No. 68444-86-0)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]1,3,5−トリアジン−2イル]アミノ−四ナトリウム塩、別名、ローコファーBMB(Leucophor BMB)(CAS Registry No. 16470-24-9, aka Leucophor U, Flu. Bright 290)、
9,9’−バイアクリジニウム(biacridinium),10,10’−ジメチル−,二硝酸塩、別名、ルシゲニン(Lucigenin) (CAS Registry No. 2315-97-1, aka bis-N-methylacridinium nitrate)、
1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール、別名、リボフラビン(Riboflavin)又はビタミンB2 (CAS Registry No. 83-88-5)、
ナフタレンモノ-,ジ-,又はトリ-スルホン酸、として以下を含むが、これらに制限されない、
1,5-ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物) (CAS Registry No. 1655-29-4, aka 1,5-NDSA hydrate)、
2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 81-16-3)、
5-アミノ-2-ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 119-79-9)、
4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 90-51-7)、
6-アミノ-ヒドロキシ-2-ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 116-63-2)、
7-アミノ-1,3-ナフタレンスルホン酸,カリウム塩 (CAS Registry No. 79873-35-1)、
4-アミノ-5-ヒドロキシ-2,7-ナフタレンジスルホン酸 (CAS Registry No. 90-20-0)、
5-ジメチルアミノ-1-ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 4272-77-9)、
1-アミノ-4-ナフタレン スルホン酸 (CAS Registry No. 84-86-6)、
1-アミノ-7-ナフタレン スルホン酸 (CAS Registry No. 119-28-8)、
及び、2,6-ナフタレンジカルボン酸,二カリウム塩 (CAS Registry No. 2666-06-0)、
3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸 (CAS Registry No. 81-32-3)、
C.I. フルオレセントブライトナー191、別名 フォーワイトCL(Phorwite CL) (CAS Registry No. 12270-53-0)、
C.I. フルオレセントブライトナー200、別名 フォーワイトBKL(Phorwite BKL) (CAS Registry No. 61968-72-7)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−二カリウム塩、別名、フォーワイトBHC766(Phorwite BHC 766) (CAS Registry No. 52237-03-3)、
ベンゼンスルホン酸,5-(2H-naphtho[1,2-d]トリアゾール-2-イル)-2-(2-フェニルエテニル)-,ナトリウム塩、別名 ピラクロアホワイトS-15A(Pylaklor White S-15A) (CAS Registry No. 6416-68-8)、
1,3,6,8-ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩 (CAS Registry No. 59572-10-0)、
ピラニン (CAS Registry No. 6358-69-6, aka 8-hydroxy-1,3,6-pyrenetrisulfonic acid,trisodium salt)、
キノリン (CAS Registry No. 91-22-5)、
3H-フェノキサジン-3-オン,7-ヒドロキシ-,10-酸化物、別名 ロダラックス(Rhodalux) (CAS Registry No. 550-82-3)、
キサンチリウム,9-(2,4-ジカルボキシフェニル)-3,6-ビス(ジエチルアミノ)-,クロライド,二ナトリウム塩、別名、ロドアミンWT(Rhodamine WT) (CAS Registry No. 37299-86-8)、
フェナジニウム,3,7-ジアミノ-2,8-ジメチル-5-フェニル-,クロライド、別名 サフラニン O (CAS Registry No. 477-73-6)、
C.I.フルオレセントブライトナー 235、別名 サンドスCW(Sandoz CW) (CAS Registry No. 56509-06-9)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス(5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、別名、サンドスCD(Sandoz CD) (CAS Registry No. 16470-24-9、aka Flu. Bright. 220)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、別名、サンドスTH−40(Sandoz TH-40) (CAS Registry No. 32694-95-4)、
キサンチリウム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,分子内塩(inner salt),ナトリウム塩、別名、スルフォホダムB(Sulforhodamme B) (CAS Regrstry No 3520-42-1, aka Acid Red 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、別名、チノパル5BM−GX(Tinopal 5BM-GX) (CAS Registry No. 169762-28-1)、
チノポルDCS(Tinopol DCS) (CAS Registry No. 205265-33-4)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、別名、チノパルCBX−X(Tinopal CBS-X) (CAS Registry No. 27344-41-8)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、別名、チノパルRBS200(Tinopal RBS 200) (CAS Registry No. 6416-68-8)、
7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩、別名、チタンイエロー(Titan Yellow) (CAS Registry No. 1829-00-1,aka Thiazole Yellow G)、及びその全てのアンモニウム、カリウム、ナトリウム塩、及び全ての類似薬剤、及びその適当な混合物。
望ましいトレーサーには次のようなものが挙げられる:
1−デオキシ−1−(3,4−ヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール、別名、リボフラビン又はビタミンB2 (CAS Registry No. 83-88-5)
フルオレセイン (CAS Registry No. 2321-07-5)、
フルオレセイン,ナトリウム塩 (CAS Registry No. 518-47-8, aka Acid Yellow 73, Uranine)、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩 (CAS Registry No. 16106-40-4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-91-2)、及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-95-6)、及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-92-3)、及びその塩、
ナフタレンモノ-,ジ-,又はトリ-スルホン酸、として以下を含むがこれらに制限されない、
1,5−ナフタレンジスルホン酸,ジナトリウム塩(水和物) (CAS Registry No. 1655-29-4,aka 1,5-NDSA hydrate)、
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 81-16-3)、
5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 119-79-9)、
4−アミノ−3−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 90-51-7)、
6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 116-63-2)、
7−アミノ−1,3−ナフタレンスルホン酸,カリウム塩 (CAS Registry No. 79873-35-1)、
4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸 (CAS Registry No. 90-20-0)、
5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 4272-77-9)、
1−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 84-86-6)、
1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸 (CAS Registry No. 119-28-8)、
及び、2,6−ナフタレンジカルボン酸,二カリウム塩 (CAS Registry No. 2666-06-0)、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸 (CAS Registry No. 81-32-3)、
C.I.フルオレセントブライトナー191、別名、フォーワイトCL(Phorwite CL) (CAS Registry No. 12270-53-0)、
C.I.フルオレセントブライトナー200、別名、フォーワイトBKL(Phorwite BKL) (CAS Registry No. 61968-72-7)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−二カリウム塩、別名、フォーワイトBHC766(Phorwite BHC 766) (CAS Registry No. 52237-03-3)、ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、別名、ピラクロアホワイトS−15A(Pylaklor White S-15A) (CAS Registry No. 6416-68-8)、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩 (CAS Registry No. 59572-10-0)、
ピラニリン、(CAS Registry No. 6358-69-6, aka 8-hydroxy-1,3,6-pyrenetrislufonic acid, trisodium salt)、
キノリン(CAS Registry No. 91-22-5)、
3H−フェノキサジン−3−オン,7−ヒドロキシ−,10−酸化物、別名、ロダラックス(Rhodalux) (CAS Registry No. 550-82-3)、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,クロライド,二ナトリウム塩、別名、ロダミンWT(Rhodamine WT) (CAS Registry No. 37299-86-8)、
フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,クロライド、別名、サフラニンO (CAS Registry No. 477-73-6)、
C.I.フルオレセントブライトナー235、別名 サンドスCW(Sandoz CW) (CAS Regrstry No 56509-06-9)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、別名、サンドスCD(Sandoz CD) (CAS Registry No. 16470-24-9, aka Flu. Bright. 220)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、別名、サンドスTH40(Sandoz TH40) (CAS Registry No. 32694-954)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,分子内塩,ナトリウム塩、別名、スルホロダミンB(Sulforhodamine B) (CAS Registry No. 3520-42-1, aka Acid Red 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、別名、チノパル5BM−GX(Tinopal 5BM-GX) (CAS Registry No. 169762-28-1)、
チノポルDCS(Tinopol DCS) (CAS Registry No. 205265-33-4)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、別名、チノパルCBS−X(Tinopal CBS-X) (CAS Registry No. 27344-41-8)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、別名、チノパルRBS200(Tinopal RBS 200) (CAS Registry No. 6416-68-8)、
7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩、別名、チタンイエロー(Titan Yellow) (CAS Registry No. 1829-00-1, aka Thiazole Yellow G)、及びそれら全てのアンモニウム、カリウム、ナトリウム塩、及びそれら全ての類似薬剤、及びそれらの適当な混合物。
本発明のもっとも望ましい不活性トレーサーとして、次のようなものが挙げられる。
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸四ナトリウム塩 (CAS Registry No. 59572-10-0);1,5−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム塩(水和物) (CAS Registry No. 1655-29-4, aka 1,5 NDSA hydrate);キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,クロライド,二ナトリウム塩、別名、ロダミンWT(Rhodamine WT) (CAS Registry No. 37299-86-8);1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール、別名、リボフラビン又はビタミンB2 (CAS Registry No. 83-88-5);フルオレセイン (CAS Registry No. 2321-07-5);フルオレセイン,ナトリウム塩 (CAS Registry No. 518-47-8, aka Acid Yellow 73, Uranine);2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩 (CAS Registry No. 16106-40-4);1,5−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-91-2)、及びその塩;2,6−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 6 1 736-95-6)、及びその塩;1,8−アントラセンジスルホン酸 (CAS Registry No. 61736-92-3)、及びそれらの塩;及びそれらの混合物。上記リストに記載された蛍光トレーサーは様々な薬品供給会社より商業的に入手可能である。
上記に記載されたトレーサーに加え、技術的に熟練した者ならば代わりのカウンターイオンを用いた塩も用いることができることに気がつくだろう。従って、例えば、カウンターイオンとしてNaを持つアニオン性トレーサーはカウンターイオンがK,Li,NH ,Ca+2,Mg+2或いは他適当なカウンターイオンのリストから選択される形態においても使用されることができる。同様に、カチオン性トレーサーは様々なカウンターイオン、例えばCl;SO −2;PO −3;HPO −2;HPO ;CO −2;HCO ;又は他の適当なカウンターイオンを持つことができる。
これらのトレーサーの修飾、例えば不活性重合分子へのそれらの固定、蛍光ミクロスフィア内へのそれらの組み込み、又は分子側鎖中の付加的な化学残基の付加によって、当該トレーサーの分子量或いは望まれる大きさの範囲内で物理的な大きさを調整することは、当業者にとって容易なことであろう。そのような修飾は本発明に包含される。
前述の通り、不活性トレーサーは膜分離プロセスの性能を評価するために測定又は検知される。流入水/供給水中、及び/又は膜分離プロセス中の他のプロセス流中において、不活性蛍光トレーサーの存在及びその濃度の測定は、前記流入水/供給水中、及び/又は膜分離システムの他の流れにおいて、前記不活性トレーサーの濃度が数ppm以下か、前述のようにppb程度の低さとなった時に、なされ得る。
時には複数の不活性トレーサーを用いることが望まれる場合がある。この点において、変動等の条件又はそれらの組み合わせをモニターするため、複数の不活性トレーサー、例えば損失に固有の不活性トレーサーを用いることが望まれる場合がある。そのような別個のそして区別し得る不活性トレーサーは、それぞれの発光波長がお互いに干渉しなければ、双方の不活性トレーサーが存在するにもかかわらず、それぞれ検知され、一つの流入/供給水及び/又は他の流れにおいて定量化することができる。従って、多数からなる不活性トレーサーの同時の解析は適当な分光学的特性を有する不活性トレーサーを選択することにより可能である。
本発明における不活性トレーサーは、様々な適切な技術を利用することにより検知することができる。例えば、本発明の実施の形態によれば、少なくとも一定の時間にわたって、実質的に連続して行われる、蛍光発光分光測定は好適な分析技術の一つである。蛍光発光分光測定及び他の分析方法による化学物質のトレーサーの稼動状態で連続的な測定方法の一つが、US Patent No. 4,992,380, B.E. Moriarty, J.J. Hickey, W.H. Hoy, J.E. Hoots and D.A. Johnson,(1991年2月12日発行)に記載されており、本願に引用して援用する。
一般的に、妥当なレベルの実用性を有する多くの蛍光発光分光学的方法にとって、いかなる方法によってもトレーサーを分離することなしに分析を行うことが望ましい。従って、蛍光分析が行われている流入/供給水 及び/又は濃縮水中に、ある程度のバックグラウンドの蛍光が存在する。このバックグラウンドの蛍光は、膜分離システム(その流出/供給水システムを含む)中の化合物から生じる可能性がある。前記化合物は、本発明における膜分離プロセスには無関係のものである。
バックグラウンドの蛍光が低い場合においては、バックグラウンドに対する不活性トレーサーの蛍光の相対的な測定可能な強度(標準濃度における標準蛍光化合物に対し測定され、相対的な強度の値として例えば100を割り当てられる)は非常に高く、例えば、蛍光化合物濃度が低い場合であっても励起及び発光波長のある組み合わせによれば、比が100/10或いは500/10となる。そのような比率は、それぞれ「相対蛍光」(そのような条件下における)が10及び50と表される。実施の形態の一つとして、励起/発光波長 及び/又は使用された不活性トレーサーの量は、一定の予想されるバックグラウンドの蛍光に対して、少なくとも約5又は約10の相対蛍光を与えるように選択される。
本発明の実施において使用されうる蛍光光度計の例としては、TRASAR(登録商標)3000及びTRASAR(登録商標)8000蛍光光度計(Ondeo Nalco Company of Naperville, ILから入手可能である);Hitachi F-4500 fluorometer(Hitachi through Hitachi Instrument Inc. of San Jose, CAから入手可能である);JOBIN YVON FluoroMax-3 “SPEX” fluorometer (JOBIN YVON Inc. of Edison, NJから入手可能である);Gilford Fluoro-IV spectrophotometer or the SFM 25 (Bio-techs Kontron trough Research Instruments International of San Diego, CAから入手可能である)などが挙げられる。当然のことながら、蛍光光度計の列挙は包括的なものではなく、蛍光光度計の例を示すことのみを意図したものである。他の商業上入手可能な蛍光光度計及びその変形も本発明に用いられる。
当然のことながら、様々な他の分析技術を膜分離プロセス中に不活性トレーサーの量を測定するのに利用してよい。そのような技術の例としては、高速液体クロマトグラフィー-蛍光複合分析、比色分析、イオン選択電極分析、遷移金属分析等が含まれる。
例えば、不活性蛍光トレーサーの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と蛍光分析の組み合わせは、本発明の膜分離システムにおいて、不活性トレーサーの測定可能な量を検知するのに用いられ、特に、非常に低レベルの不活性トレーサーを用いる時、或いは直面した(encountered)バックグラウンド蛍光が蛍光分析の有効性に支障をきたす時に用いられる。HPLC−蛍光分析法は不活性トレーサー化合物を流体基質(fluid matrix)から分離することができ、それから、不活性トレーサー濃度を測定することが可能である。
HPLC法は、他の蛍光分析以外の不活性トレーサー検知法を使用する目的で、流体基質から不活性トレーサー化合物を分離するためにも効果的に用いられる。このタイプのクロマトグラフィー技術の一例が、「テクニークスインリキッドクロマトグラフィー」“Techniques in Liquid Chromatography”, C.F. Simpson ed., John Wiley & Sons, New York, pp.121-122, 1982, に記載されており、本願に引用して援用する。また、“Standard Method for the Examination of Water and Wastewater”, 17th Edition, American Public Health Association, pp. 6-9 to 6-10, 1989, に記載されており、本願に引用して援用する。
比色分析に関して、比色分析及び/又は分光測光は、不活性化学物質トレーサーを検知及び/又は定量化するために用いられる可能性がある。分光測光は、紫外域又は可視域の光を吸収するその能力から化学種の特定するものである。熱量分析技術及びそのために使用される装置は、U.S. Patent No. 4,992,380, B.E Moriarty, J.J. Hickey, W.H. Hoy, J.E. Hoots and D.A Johnson, (1991年2月12日発行)に記載されており、本願に引用して援用する。
イオン選択電極分析(ion selective electrode analysis)に関して、イオン選択電極を、水系における特有のイオン性トレーサーの直接電位差測定によって、不活性化学トレーサーの濃度を測定するために用いてもよい。イオン選択電極トレーサーモニタリング技術の一例は、U.S. Patent No. 4,992,380, B.E Moriarty, J.J. Hickey, W.H. Hoy, J.E. Hoots and D.A Johnson, (1991年2月12日発行)に記載されており、本願に引用して援用する。
当然のことながら、それ自身の分離なしに化学種の存在及び/又は濃度を検知 及び/又は定量化する分析技術は、発展途上の技術である。この点において、本発明の膜分離プロセスの最中における、測定可能な不活性トレーサーの量の検知への利用に適した分析技術の上記調査は、現在のところ徹底しているわけではない。従って、本発明の上記目的に匹敵する分析技術は将来においておそらく開発されるだろう。
前記の通り、本発明は、膜分離プロセスに固有であり固有の様々なプロセスパラメータの高選択的及び/又は高感度のモニタリングを提供することができる。本モニタリングは、膜分離プロセス中で分析された不活性トレーサーの測定可能な量に基づく。この点において、不活性トレーサーは膜分離プロセス内のあらゆる適合する配置、例えば、供給流、濃縮流、透過流等、又はそれらの組み合わせに沿った膜ろ過プロセスにおいて適応可能なあらゆる位置、において検知されうるものである。これは各流れにおいて不活性トレーサーの濃度とよく対応している。
実施形態の一つとして、本発明の膜ろ過プロセスのモニタリングは供給水流、透過流、及び濃縮流のうち少なくとも一つからの不活性トレーサーの測定可能な量に基づきうるものである。例えば、注目するパラメータが除去率の時(以下で議論する)、もっとも感度が高い測定は供給水の不活性トレーサー濃度及び透過水の不活性トレーサー濃度(除去率が100%の場合、ゼロになるであろう)の測定であると信じられている。除去率パラメータ、すなわち、除去された或いは膜を通過しなかった溶質の割合は、次の関係式により決定される:
方程式1 C=C/C=F/B
方程式2 F=P[C/(C−1)]
方程式3 C=[1/(1−R)]
は(例えば、初期の供給流と再循環供給流が混合された)供給流中の溶質濃度;Cは放出された時の透過水中の溶質濃度;Cは放出された時の濃縮水溶質濃度;Fは供給流の流速(gal/min);Pは透過放出の流速(gal/min);Bは濃縮流の流速;Lは再循環率;Rは回収率(例えば、P/F);及びCは濃度比(例えばC/C)。
溶質の完全除去に至らない場合、例えば80パーセントの除去率(例えば、除去係数)の場合、Cは方程式4に示す通り、F/Bより小さくなる:
方程式4 C=(F/B)x除去係数
また、前記除去係数は、膜による溶質除去の程度の指標となるものである。方程式5で計算されるとおりであり、Cは供給水中の溶質濃度、Cは透過水中の溶質濃度である:
方程式5 除去係数=(C−C)/C
同様の方程式がトレース流(traced stream)(例えば不活性トレーサーを含む流れ)において適用されるだろう。「トレーサー‐C」(例えばトレーサー‐C,トレーサー‐C,及びトレーサー‐C)は方程式1から5において、C、C、及びCと置き換えられる。不活性トレーサーの完全除去に至らない場合、例えば80%の除去率(除去係数0.8)の場合、トレーサー‐Cは方程式4に示されるようにF/Bよりも小さくなるだろう。この点において、膜ろ過システム中の不活性トレーサーの除去率の決定は、同じシステム内での、溶質の除去率に少なくとも比例している。より望ましい実施の形態では、除去率は約95パーセントから約100パーセントの範囲の量で決定され、維持される。
この点において、膜ろ過中の不活性トレーサーが変動する時の、前記不活性トレーサーの量のモニタリングは、前述した通り、高度の検出感度、選択性、正確性を有する、回収百分率、除去率、回収比率などといった膜ろ過に固有の多くのプロセスパラメータを評価するのに利用することができる。本発明によれば、継続的に、そのようなレベルでの確実性、検出感度及び選択性を有する、これらのタイプの膜分離プロセスパラメータを評価する能力によって、膜の性能をより良く、リアルタイムで理解をすることが可能となる。従って、膜分離プロセスの調節を、不活性トレーサーの測定可能な量に基づいて、より応答的に、かつ有効に行うことができ、必要に応じて膜の性能を最適化できる。例えば、調節は、膜分離システムの回収率又は回収百分率を増加させるために行われうる。この点において単位生成物に対する回収率又は回収百分率の増加は、必要供給水を減少させ、従って、供給水コストを減少させ、流入流前処理コストを減少させ、化学処理剤の必要量を減少させる。当然のことながら、最適な除去百分率の値は膜分離システムの形態に関連して変動しうるものである。加えて、回収百分率を様々な方法で計算することができる。膜ろ過において、回収百分率の計算は、様々な流れの比、又は前記流れの中の溶質の濃度に基づいて行うことができる。この点において、様々な流れ中における不活性トレーサーの量は、システム中の機械式フローセンサーの較正チェック方法を与えると共に、回収百分率の正確な評価を行うことが可能である。
しかしながらコントロール或いは最適に最小化されることなしに、膜のスケーリング及び/又は付着物は膜分離の性能に悪影響を及ぼすだろう。もし膜中における堆積物が洗浄手段によって強化的に除去するのに十分早く防止されることも検知されることもなければ、膜の標準寿命は、逆透過では約3から5年であるが、大幅に短くなり、交換費用は劇的に増大する可能性がある。前述の通り、膜分離システムは、冷却水システムと比較して、スケーリング及び/又は付着物に対してより感受性が高い。当然のことながら、本発明における膜分離システムは、効率よくスケール及び/又は付着状況を処理するために適した形態及び量の構成要素、例えば、アンチスカラント(antiscalant)及び/又は生物付着作用物質(biofouling agent)等を含む、何らかの適当な処理又は前処理システム、フィルター、処理装置、例えば薬品搬送装置、そのような要素、又はそれらの組み合わせ、を含むことができる。
たとえば、本発明の膜分離システム(特に逆透過システム)で用いられる適当なアンチスカラントは、炭酸カルシウム(“CaCO”)、硫酸カルシウム(“CaSO”)等を含むアルカリ土類炭酸塩や硫酸塩スケールの形成及び成長を阻害する、適当なポリマー水溶液を含む。アンチスカラント化学薬品は一般的に供給流中に連続的に供給され、その中での最適な供給場所は、供給水流に沿って配置されるカートリッジプレフィルターよりも前である。アンチスカラントの連続的供給の利用により、スケールを抑制するためにそのシステムへ供給される酸の必要性を最小限に又は無くすることができ、かつ、溶液中の固体浮遊物及びコロイドの形成を促進する。これは、膜付着物を最小限にし、CaCOやCaSOの沈殿を抑制することが可能である。
実施形態の一つとして、本発明はシステム中における不活性蛍光トレーサーの測定可能な量に基づき膜分離プロセス中でスケーリング及び/又は付着物処理剤の濃度をモニター及び/又はコントロールすることが可能である。実施形態の一つとして、不活性トレーサーは処理剤と共に供給水へ連続的に供給される。当然のことながら、不活性トレーサーを別個に、或いは処理剤の処方物の一部として、供給水へ添加することが可能である。実施形態の一つとして、不活性トレーサーは、スケーリング及び/又は生物付着剤に対して既知の割合で、供給水へ供給される。この点において、不活性トレーサー濃度の測定値は、膜分離システム内での、適当なトレーサーモニタリングポイントにて(ゼロシステム消費(zero-system-consumption)の条件下での)化学薬品の濃度に対応する(比例する)。
アンチスカラント及び/又は抗付着(anti-fouling)剤として用いられる薬品又は処理剤、そしてそれらがスケール堆積を抑制するメカニズムは、膜ろ過システムのためのアンチスカラント化学の分野での改良につれて変遷しうるが、しかし、その改良に係わらず処理剤の連続供給の必要性はおそらく続くだろう。
既に述べた通り、膜分離プロセスの性能を効率よくモニター及びコントロールすることができるような、膜分離システム固有の、様々なパラメータをモニターするために、本発明における不活性トレーサーを利用することができる。実施の形態の一つとして、前記パラメータには(上述の通り)標準化された透過流量、及び除去率を含むことが可能である。この点において、本発明は、例えばスケーリング及び/又は付着物条件、膜漏損(leakage)、劣化等、先述の通り、膜分離プロセスに特有な膜性能へ影響を与える可能性がある様々なプロセス条件を評価及び/又はコントロールするために利用することができる。
当然のことながら、本発明の好適な不活性トレーサーは、1の除去係数(rejection factor)を実質的に有し、より望ましくは、わずかな濃度で用いられる。従って、本発明における不活性トレーサーの使用は、透過水中の全溶解固形分(“TDS”)を有意に増加させることも、下流のイオン交換プロセス又は他の透過研磨(permeate polishing)プロセスに有害な影響を及ぼすこともない。
標準化した透過流モニタリング
標準化した透過流は一般的に逆透過のような膜ろ過プロセスにおいて、感度の高いトラブルの前兆を示すと考えられている。この点において、透過流速の減少は膜付着物の強力な指標となる。その一方で、膜付着物の増加は、例えば不利な操作条件(adverse operation condition)による、膜劣化の強力な指標となる。逆透過において、実際の透過流速は供給流温度、駆動力、及び供給流溶解全固形分と関連して変動する可能性がある。
標準化した透過流は、単純な計算結果により決定される。その計算結果は、実際のシステム温度や駆動力の変動の影響を除去し、実際の透過流の測定値を仮にそのシステムが一定の(“通常の”)駆動力及び温度条件(それらは一般に初期駆動力及び25℃である)で、動作していたと仮定するならそのようになるであろう値に変換するものである。実際の透過流速は、従来においては透過水流量計から直接読み取った値である。既定の供給水温度に対する温度変換因子は、それぞれ個別の膜ごとに、膜製造業者が提供している。
標準化した透過流の例
駆動力として差圧を用いた逆透過システムにおいて、供給圧及び透過圧の変動は、実際の正味差圧(例えば、供給圧から透過圧を引くことにより計算される差圧である。それらは適当な圧力計で交互に測定することができる)で割られた初期正味圧力を含む差圧変換係数にまとめられる。透過流速は、温度変換因子と駆動圧力変換因子とを乗じて得られる。出願人は、標準化された流量モニタリングの質を高めるために、本発明における不活性トレーサーのモニタリングを用いることができることを発見した。
供給流及び濃縮流中の不活性トレーサー濃度のモニタリングによっては、実際の透過流量の尺度が得られる。実際の透過流は、合計流量(例えば不活性トレーサーで測定した供給流量)と(こちらも不活性トレーサーで測定される)濃縮流量の間の差となるだろう。従って、本発明の不活性トレーサーモニタリングによって通常の流量メーターの読取り値に加え、実際の透過流の測定値を提供することが可能である。標準化された透過流量の決定と駆動力の測定の組み合わせから、いくつかの重要な傾向が容易に検知されるはずであ
る。標準化された透過流量が減少する一方で、駆動力が増加しているなら、これは膜付着物を示唆している。そうではなくて、もしも、標準化された透過流が減少している一方で駆動力が一定のままであるならば、ゲージやそれに類するものを、正確を期してチェックすべき警告となる。
既に述べた通り、流量と不活性トレーサーの濃度の間には、水流量が膜分離システム中の不活性トレーサーの測定可能な量に基づき決定され得るような、関係が存在する。どんな膜分離プロセス流の流速も、一定の時間内に決められたポイントを通過する体積で表される。従って、ある決められたポイントにおける流水中の不活性トレーサーの濃度のモニタリングは、添加された不活性トレーサーと比較した溶液中の不活性トレーサーイオンの物質収支により、流速を決定できるようにする。もう一つの方法として、放出流の質量流量の合計は供給流の質量流量と等しくなければならず、そして、放出流中の不活性トレーサーの質量の合計は供給流中の不活性トレーサーの質量と等しくなければならないので、そのような流水の一方の流量及び/又は不活性トレーサー濃度は、他方のそれらが既知の場合には、それらから計算され得る。さらに、不活性トレーサーが既知の速度(例えば、単位時間当たりの量)で供給水に添加される場合、供給水が、供給水トレーサーモニタリングポイントを通過する時の、当該供給水中の不活性トレーサー濃度そのものが、供給流の流速を決定することができる。
差圧モニタリング
膜ろ過において、差圧とは、供給流圧力と濃縮流圧力の間の差のことである。それは、膜ろ過用膜部材及び多岐配管(manifold piping)を通過する際の水圧損失の尺度である。供給流の通路が詰まるとき、駆動力は増加する。差圧は供給流速及び回収率にも依存している。異なる時刻に計測された差圧の読み取り値間を正確に比較するためには、それぞれの時点において、膜ろ過システムが同じ回収率及び供給流量で動作していることが要求される。この点において、不活性トレーサーモニタリングは、膜分離システムの差圧を正確に評価するために用いることができる。当然のことながら、従来的な方法により適当な時刻に差圧を測定することができる。
除去率モニタリング
除去率は、膜分離プロセスにより除去される溶質の割合のことである。実際に、除去率は供給流中の全溶質ではなく、一以上の選択された溶質に基づいており、前記除去率は対照(reference)溶質の識別を兼ねることがある。除去率は、膜及び/又はシステムの問題、例えば、付着物、スケーリング、膜加水分解、不適当なpH、低すぎる供給圧力、高すぎる回収率、流入流源の組成変化、”O”リングのリーク等が発生した時に、しばしば変化する。一般的に回収率の減少は、膜性能と関連した問題の指標となる。しかしながら、除去率は、一定量のフォーラント(foulants)によって膜が目詰まりする際に、増加する。膜ろ過において除去率は、百分率(例えば100をかけた)として表された除去係数(rejection factor)(例えば、方程式5)である。本プロセスでは、除去率を以下に示す方程式6を用いることにより、ほとんど即座に決定することを可能にする:
方程式6
除去係数=(トレーサー‐C−トレーサー‐C)/トレーサー-C
前記方程式において、供給水不活性トレーサー濃度及び透過水不活性トレーサー濃度のほぼ瞬時で且つ連続的なモニタリングを、前述の通り、高度の選択性、感度、及び正確性を持って決定することができる。供給水不活性トレーサー濃度(トレーサー‐CF)は、他の供給水溶質(その濃度は供給水品質の変動で変化するものであるが)とは対照的に、わずかに有効に変化し、また、不活性トレーサーは低水準でも他のほとんどすべての溶質よりも正確に定量されるので、一般的に回収率を定量して溶質濃度を測定する従来の回収率モニタリング技術と比較して、本発明の方法では未加工(natural)データの変動、例えば、供給水濃度の変化により引き起こされている変動が、少なくすることができる。このような未加工データの変動の減少は、微妙な傾向を同定しやすくさせる。
当然のことながら、本発明は、膜分離システムの性能に影響を与える様々な条件を評価及び/又はコントロールするのに利用することができる。例えば、本発明は、膜部材における漏出をモニターするのに利用できる。これは膜分離システムの実作業において非常に重要である。
この点において、膜そのもの又は膜部材の構成要素を通る濃縮流の漏出が透過水を汚染する。漏損による透過流の汚染はしばしば過酷であり、膜分離プロセスの性能が実質的に損なわれ、良くても透過流の品質が損なわれる。そのような漏損の際には、標準化された透過流及び透過流中の溶質濃度は増加するが、従来のモニタリング技術が利用されている場合には、その増加は小さく、おそらくほとんどの例では、少なくとも数時間は検出されない。
出願人は、本発明が高度の感度、選択性、及び/又は正確性をもって膜漏損を検出することが可能であり、また、それは容易に連続的に行われ得ることを発見した。例えば、もしも標準条件下、逆透過システムによって濃縮水の重量に対する透過水の重量が75/25の割合(例えば、透過水のTDSが40ppmであり、濃縮流のTDSが2000ppm)となるならば、濃縮水1%が透過水へ漏出すると、たった3%だけ透過水重量を増加させるに過ぎない。そのような増加量は、従来の標準化された透過流量をモニターする方法によって検知することが難しいだろう。もし検知されなければ、そのような漏出は透過水TDS成分全固形分を倍化させ約97ppmになるであろう。本発明の不活性蛍光トレーサーのモニタリングが透過水をモニターするのに用いられる際、特に連続的に又は実質的に連続的に用いられる際に、透過水中の不活性トレーサー濃度の上昇は容易に検知することができ、漏出が起こりそうであるということの指標となる。加えて、透過水中の不活性トレーサーの濃度上昇の検知は、漏損の発生とほぼ同時に追従するであろう。
逆透過システムが多数の膜部材を採用する際、それぞれから生成した透過水は、透過水の品質スクリーニングの前にしばしば混合されてしまう。単一の膜部材からの透過水TDSの増加は、混合された透過流についてのTDSの測定では希釈効果のためにほとんど検出できない。加えて、混合された透過水中のTDSの増加は漏損箇所を指し示さない。本プロセスが透過流不活性トレーサー濃度をモニターするのに用いられる際、各膜部材により生成する別々の透過水はそれらの透過水が混合される前に容易にモニターすることができる。本プロセスは漏損を検知できるだけでなく、漏出箇所を特定することにも用いられ得る。
前述の本発明のモニタリング能力に加え、膜分離システムの様々な他のプロセス条件についても、膜性能のリアルタイム評価を提供するために、本発明によって、定期的或いは連続的にモニターすることができる。例えば、これらの条件は濃縮流速、回収率、及び殺生剤濃度を含んでいてもよい。この点において、SDIは、直径約0.45ミクロン以上の微粒子によって、水中の粒子状の汚染物質の量を測定する。実施形態の一つとして、濃縮流速度又は除去率は前述のように単一の不活性トレーサーを用いてモニターされ得る。実施形態の一つとして、殺生剤は別の不活性トレーサーを用いることにより、非常に効果的に検出され得る。
本発明の手法は、不活性トレーサー化合物や不活性トレーサー検出装置(例えば分析技術)など、いかなる適切な構成要素の形態、数、及び組み合わせも含む事が可能である。実施の形態の一つとして、不活性トレーサーとして選択された1又は2以上の化合物はそれが添加される膜分離液中に、所望の、且つ、当該不活性トレーサーの使用寿命の期間中、添加された環境下で実質的に安定である濃度に溶解する。好ましい実施形態の一つでは、不活性トレーサーとして選択された1又は2以上の化合物、及びそのような不活性トレーサーの存在を判断するため選択された分析技術がその組み合わせによって、不活性トレーサーを単離する必要なく決定することをかのうとし、また、さらに好ましくは連続的に及び/又はオンラインで決定することを可能とする。
実施形態の一つとして、本発明は、操作条件及び膜分離プロセスの性能を不活性蛍光トレーサーの測定可能な量に基づいてモニター及び/又はコントロールするためのコントローラー(図示しない)を含む。前記コントローラーは様々な適切な手段で構成及び/又は調節され得る。
例えば、前記不活性トレーサーの検知を向上させるために前記コントローラーを検知信号(例えば、信号からのフィルターノイズ)を処理する検知装置(図示しない)に接続した状態にすることが可能である。さらに、コントローラーを膜分離システムの他の構成要素と交信するために調整することが可能である。前記交信は、配線で接続された(例えば、電気通信ケーブル)ものでも、無線交信(例えば、無線RFインターフェース)でも、空気を媒体としたもの等でも可能である。
この点において前記コントローラーは、膜分離の性能をコントロールするのに用いることができる。例えば、前記コントローラーは、膜分離プロセス内において、アンチスカラントや殺生剤のような処理剤の投与を制御するため、供給装置(図示しない)と交信することが可能である。実施形態の一つとして、コントローラーは、測定された不活性トレーサーの量に基づき供給流の供給速度を調整することが可能である。
当然のことながら、比較されるべき不活性トレーサーモニタリングポイントのペア又はグループは、高固形分濃度、例えば、約1立方インチの測定された体積単位に基づいて、単位体積あたり約5乃至約10重量パーセントの固形分濃度、を有する流通部位を横切って配置されるべきではない。そのような固形分濃度が高い流通部位はフィルターケーキ等のような場所で見受けられる。この点において、これらの部位は、不活性トレーサーの少なくともいくらかの量を吸収する、又は選択的に吸収する。これはモニタリング比較の有意性を歪める可能性がある。実施の形態の一つとして、例えば、不活性トレーサーがカートリッジフィルターの上流に添加される際には、モニタリングペアの第一のモニタリング位置は、望ましくはそのようなカートリッジフィルター部位の下流にすべきである。
しかしながら、流体中からの不活性トレーサーの損失を定量するために、また、もしそのような損失が不活性トレーサーに対して非選択的である場合には、その部位における他の溶質の損失を定量するために、固形分濃度が高い流通部位を横切って別々にモニタリングしてもよい。例えば、流通部位がカートリッジフィルターの場合、そのようなモニタリングは、たとえ、かかる前処理位置に起因する溶質の損失であるとしても決定することができる。他の高固形分濃度部位としては、凝固剤、凝集剤等のような化学添加物の使用により創出された固形分濃度を有する部位が挙げられるが、特に限定されない。
実施形態の一つとして、選択された不活性トレーサーは可視色素ではない、すなわち不活性トレーサーは可視域、すなわち約4000オングストロームから約7000オングストローム(約400ナノメーター(“nm”)から約700nm)の範囲にわたる領域において、電磁放射線の強い吸収を持たない化学種である。前記トレーサーは光の吸収により励起し、蛍光発光を生成する材料の一群より選ばれることが望ましい。ここで、励起と発光は、遠紫外から近赤外のスペクトル領域(200−800nmの波長)の中のいずれかのポイントにおいて起きる。不活性トレーサーの相対蛍光強度は、生成物の形成(一般的には、装置の供給流中に投与した時、活性な発蛍光団として2〜10ppb)により特定される量において、それが検知可能であることが必要とされる。
代わりに、トレーサー色素が可視スペクトルにおいて強い吸収を持つときには、それが裸眼で感知できないような濃度で使用される。例えば、膜によるトレーサーの除去率が100パーセント未満である時には、そのような実施形態が好ましく、また、無色の透過水を生成することが好ましい。
いくつかの例で、UV光で励起された時に、可視蛍光を発光する蛍光発光団を選択することが好ましい。このような選択は、視覚による検知及び/又は写真或いは他の方式による結像系が望まれる時に好ましい。
膜分離システムは、水の精製或いは水流の処理にしばしば用いられるが、本発明のシステムは水系流(aqueous influent)の使用に限定されるものではない。実施の形態の一つとして、流入流は、他の流体又は水と他の流体の混合物であってもよい。他の特定の膜分離システムにおける水の精製を用いるほうが適しており、本発明を適用できない場合を除けば、本発明における膜分離システム及びプロセスの動作原理は、流入流の性質によってそれほど左右されない。水を含むシステムに言及した上記発明の記載は、非水及び水/非水混合システムに対しても適用可能である。
実施の形態の一つとして、本発明の不活性蛍光トレーサーモニタリング方法は、破壊(犠牲的な)試験にさらされる膜をモニターするのに利用され得る。本形態の試験としては、産業用の膜の区分け又は分割が挙げられ、例えば、予め試験前に膜を多数の別個の膜小片に切断し、膜の異なる部分のそれぞれについて、多数の試験を実施する。この点において、本発明の不活性トレーサーモニタリングは、過剰圧力や膜を破壊する流体との接触による影響など、特に制限なく、破壊試験の様々な多くのパラメータをモニターするのに用いられ得る。破壊試験の検査体制は、一般的に膜に集中し、膜表面の目視検査、その表面を擦り取ること(swabbing)による微生物学的な分析、及び膜に接触させた水サンプルの分析、SEM/EDSによる無機堆積物に関する表面分析、IRによる有機堆積物に関する表面分析、電子顕微鏡、ICP、及びそれに準ずる表面分析技術にかけることができる。
破壊試験の間、膜は操業状態(on-line)ではないが、本発明の実施形態の一つとして、不活性トレーサーを供給流に添加することができ、添加が行われた。前記供給流は第一流出流として膜へ向かって流れ、膜を通り過ぎ(pass by)又は通り抜け(pass through)、結果として第二流出流として抜け出る。不活性トレーサーは膜の上流で流体に添加され、流体流中の不活性トレーサーは、少なくとも、第一の流出流の構成要素として膜を通り過ぎ、そして/或いは、膜を通り抜け、結果として第二の流出流の構成要素として抜け出る。不活性トレーサーは流体流の膜前の地点でモニターされ、流入不活性トレーサー濃度の値を決定し、及び/又は第一と第二の流出流のうち少なくとも一方において、流出不活性トレーサー濃度を決定する。この点において、不活性トレーサーは、流体流の溶質を代表し、当該溶質は、流入不活性トレーサー濃度及び流出不活性濃度を決定するのに十分な量、流体へ加えることができる。するものである。従って、膜の分離性能は実際の使用前に決定され得る。
本明細書における「堆積物(deposits)」とは、膜表面上に形成及び/又は集積する材料のことを言う。本明細書における不活性トレーサーの「量」又は「濃度」は、流体の単位体積あたりの不活性トレーサー重量の観点、或いは、流体の単位重量あたりの不活性トレーサー重量の観点、或いは、流体中の不活性トレーサーの濃度に比例し、そして流体中での不活性トレーサーの数値関連性があり(相関変換(correlation conversion)が計算されるか否かにかかわらず)、そしてゼロ又は実質的にゼロの値となりうる、不活性トレーサーの何らかの特徴の観点から定めた、特定の流体における不活性トレーサーの濃度のことをいう。従って、本発明におけるプロセスは、少なくとも使用した分析方法の制限に対して、そのような化学種が存在しないことの検知を含む。
本発明の前述の記載では、時に、水系流入流及び流出流に対して特に言及しており、膜ろ過システムの記述に対する水系システムの使用、及びそこでの本発明の操作は例示的である。当業者は本明細書の開示によって非水膜分離システムに対し前述をどのように適用すればよいかに理解し得るだろう。
「処理化学薬品及び/又は処理剤」は本明細書において、膜分離プロセスの性能を向上させる処理化学薬品、膜のスケール堆積を遅延させる/防止するアンチスカラント、膜付着物を遅延させる/防止するアンチホウオラント、生物分散剤(biodispersant)、殺生剤のような微生物成長抑制剤、及び膜堆積物を除去する洗浄薬品を含むことを意図しているが、特に限定されない。
当然のことながら本発明は膜分離プロセスを使用する可能性があるすべての工業に対し適用可能である。例えば、本発明の方法が広く適用される可能性がある様々な形態の工業プロセスとしては、原水プロセス、排水プロセス、工業用水プロセス、地方自治体の水処理、食料及び飲料プロセス、製薬プロセス、電気産業、ユティリティオペレーションズ(utility operations)、パルプ及び紙プロセス、鉱山及び鉱物プロセス、輸送関連プロセス、織物プロセス、めっき及び金属加工プロセス、洗濯及びクリーニングプロセス、革及びなめしプロセス、及び塗装プロセスを含む。
特に、食料及び飲料プロセスとしては、例えば、クリーム、低脂肪乳、チーズ、特殊(specialty)乳製品、タンパク質抽出物、乳糖製品、乳清、カゼイン、脂肪分離物(fat separation)、塩蔵チーズの塩水回収(brine recovery)等の製造に関連する日常のプロセスが挙げられる。例えば、飲料工業に関連のある使用としては、例えばフルーツジュース清澄化、濃縮又は脱酸、アルコール飲料清澄化、低アルコール含有飲料向けのアルコール除去、プロセス水、を含み、そして、砂糖精製、野菜蛋白プロセシング、野菜油製造/処理、穀物の湿式粉砕、動物処理(例えば赤身の肉、卵、ゼラチン、魚、鶏肉)、洗浄水の再生、フードプロセシング廃棄物等に関連する使用を含む。
本発明が適用される工業用水の使用例は、例えば、ボイラー水製造、プロセス水の精製及び再生/再利用、原水の軟化、冷却水ブローダウンの処理、製紙プロセスからの水の再生、工業及び市水向けの海水及び汽水の淡水化、飲料水/原水/地上水の精製が挙げられ、飲料水/原水/地上水の精製には、例えば、飲料水からの有害微生物除去や、軟水、バイオリアクター膜、採鉱及び鉱物プロセス水の浄化のための膜の利用が含まれる。
本発明における不活性トレーサーモニタリング方法に関して、水処理応用例としては、例えば、工業廃水処理、生物廃棄物処理システム、重金属汚染物質の除去、三次流出水の浄化、油性排水、輸送関連プロセス(例えば、タンカー洗浄水)、織物廃棄物(例えば、染料、接着剤、サイズ、ウールの汚れを擦り取るためのオイル(wool scouring)、織物のフィニッシングオイル)、めっき及び金属加工廃棄物、洗濯、印刷、革及びなめし、パルプ及び紙(例えば、色除去、希釈亜硫酸パルプ廃液の濃縮、リグノンの回収、紙コーティ
ングの回収)、化学薬品(例えば、エマルジョン、ラテックス、顔料、塗料、化学反応副産物)、及び地方自治体の排水処理(例えば、汚水、工業用水)が挙げられる。
本発明における工業への他の応用例としては、例えば、半導体洗浄水プロセス、注射用水の製造、酵素製造/回収及び製剤化処理に使用される水を含む製薬用の水、電気塗装プロセスを含む。
不活性トレーサーの利用により決定される検査例としては、膜中の化学種の有効「滞留時間(residence times)」、システムのフロープロファイル(system flow profiles)、膜ダメージ検知、物質収支に基づくシステムの回収、スケーリング或いは付着物傾向(物質収支と流量ベースのシステムパラメータとの間の差に基づく)の検知、システムの容量計算、化学処理生成物の分布、及び供給変動が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
実施例
以下の例は、本発明の実例となることを意図され、本発明の作成及び使用をどのように行うかについて、通常の技術の一つを教示するものである。これらの例は決して発明或いはその保護対象に制限されることを意図したものではない。
例1
試験は、多段式の逆透過システムを使って行われた。前記システムは6つの圧力容器2:2:1:1構成で配列して用い、各膜部材はそれぞれらせん状に巻いた膜部材を3つ有していた。前記膜部材はいくつかの部材製造業者による、ポリアミドベースの部材だった。一般的な回収システムは、システム流量ベースで、供給流が約100から約130gpmの範囲にわたる状況で、75〜80%だった。
前記供給水は、不活性トレーサー(1,3,6,8-ピレンテトラスルホン酸四ナトリウム塩(PTSA)の水溶液を含み、当該不活性トレーサーは水で希釈され水性溶液中で活性蛍光団として0.20から0.25%の最終濃度を与えた。前記不活性トレーサーは、容積移送式ポンプを使い、およそ2ミリリットル/分の供給速度で、そして前述の供給流中において約6ppmの濃度で、逆透過膜システムへ供給された。
前記不活性トレーサーの濃度は、ROシステムの、供給流及び濃縮流の両方において、選定した期間、通常は1〜3時間、を通じて1分間隔でデータを収集して、(TRASAR(登録商標)3000及び/又はTRASAR(登録商標)8000蛍光光度計を使って)蛍光分析的に測定された。(蛍光光度計の読取りは“処理生成物のppm”として表示された。前記蛍光光度計はトレーサーの濃度を読み取り、その測定値を処理ppmへと変換するようにプログラムされている。この場合、前記処理は0.2%の活性発蛍光団を含むことが予想された。)濃縮流及び供給流の両方において、前記不活性トレーサーの濃度の周期的変動が連続的に検知された。例えば、濃縮流中の不活性トレーサーの濃度は、トレーサーの約40ppb(処理生成物として20ppm)から、トレーサーの約180ppb(処理生成物として90ppm)程度まで変動した。概して、濃縮流中の不活性トレーサー濃度は、トレーサーの約40ppb(処理生成物として20ppm)からトレーサーの約80ppb(処理生成物として40ppm)の間で変動した。これと比べて、供給流中の不活性トレーサーの濃度は、トレーサーの約10ppb(処理生成物として5ppm)以下からトレーサーの約130ppb(処理生成物として65ppm)程度まで変動した。概して、供給流中の不活性トレーサーの濃度は、トレーサーの約10ppb(処理生成物として5ppm)以下からトレーサーの約20ppb(処理生成物として10ppm)まで変動した。
膜分離システムに添加された不活性トレーサーの濃度の変動を検知するための本発明の能力によって、特に本発明は、(例えば、操作上の、化学的な、機械的な)膜分離性能が効果的にモニターできるように、膜分離プロセス固有のプロセスパラメータを高度の選択性、感度、及び/又は正確性をもって評価することが可能になった。この点において、性能が最適化されるように、膜分離システムに対して適切な調整を制御可能に及び応答可能なように行うことができる。例えば、(前述したように)膜分離の最中での不活性トレーサーの濃度の変動の検知はそのような変動を減少させるために、膜分離プロセスに対する適切な応答的な調整が必要であることを必要的に表示してもよく、それによって、膜分離性能を向上させる。
そのテスト結果も、供給流及び濃縮流の両方において不活性トレーサーの濃度に関してスパイク波形を示した。前述の通り、供給流中の不活性トレーサー量におけるスパイクは、トレーサーの約120ppb(処理生成物として60ppm)で発生した。一方、濃縮流中のスパイクはトレーサーの約180ppb(処理生成物として90ppm)で発生した。供給流及び濃縮流の両方においてスパイク間の経過時間を測定することにより、膜分離システム内での溶質の有効滞留時間を計算できる。この情報は、例えば、膜分離に特有
な処理方法の開発において有用なはずである。
さらに、前述の通り、トレーサーは回収率を計算するのに用いられた。流量測定に基づく回収率の計算は約35%から約80%の回収率を示した一方で、トレーサーの物質収支に基づく回収率の計算は極めて高い回収率の値(89〜92%)を示した。このような情報は、有効なスケール防止方法の開発において有用である。
例2
実験は、逆透過膜分離システムを用いてプロセス条件をシミュレートする目的で、ポリアミドをベースとした逆浸透膜材料の薄膜状複合物を用いて、行われた。
この点において、多くの平坦な又は平板シートが、ポリアミド材料のロールから切り出された。前記ポリアミド材料は商業的に入手可能な製品であり、例えば、フィルムテック社(FILMTEC, Minneapolis, MN)製、FT30などである。
試験はSEPA CFという、平板逆透過セル内で行われた。前記セルはオスモニクスコーポレーション(Osmonics Corporation of Minnetonka, MN)から商業的に入手可能である。概して、試験システムは供給水タンク、高圧ポンプ、及び平板セルを含む。前記システムは、供給水、透過水、及び濃縮水の導電率や、透過及び濃縮水流量と同様に、膜を通過する圧力や注入圧力の変化が連続的にモニターされるように改変された。データロガーは連続的にデータをモニター及び収集するために用いられた。前記データロガーは、ヨコガワコーポレーション(Yokogawa Corporation of America of Newman, GA)から入手可能である。蛍光光度計(TRASAR(登録商標)3000、TRASAR(登録商標)8000及びHITACHI F−4500)は、システム中のトレーサーの濃度を測定するために用いられた。
実験条件は次の通りだった:
NaHCO 118 ppm
CaC1 694 ppm
MgSO7HO 1281 ppm
NaHPO 2.82 ppm
pH 8.5
透過水はドレーンに送られ、濃縮水は供給水タンクへ戻された。
本試験は長期間に渡って膜上のスケールを形成し透過流が減少していくように設計された。
試験は損傷のない膜を使って、逆透過システムのモニタリングを明らかにするために行われた。下記表2で、計算された性能パラメータが示すようにトレーサーの除去率は100%だった。これは、トレーサー分子が損傷のない膜を通過しないことを示している。対照的に、溶解した塩の一部は(伝導率により測定されたが)膜を通過した。
Figure 0005464989
Figure 0005464989
他のポリアミド膜材料のシートを、0.05%次亜塩素酸塩溶液を用いた表面塗布(swabbing)により、損傷させた。1500ppmのNaCl供給溶液を用いて、トレーサー分子の除去をモニターした。他のすべての実験条件は上記と同じである。表4において下記に示す結果は、トレーサーが損傷した膜を著しく通過することを示している。導電性塩は損傷のない膜(表2)及び損傷を受けた膜(表3)の両方を通り抜けるので、トレーサーは損傷を受けた膜のみを通過し、トレーサー測定が伝導率測定よりも膜損傷についての感度のより良い膜の指標となっている。
Figure 0005464989
Figure 0005464989
本発明は望ましい又は実例となる実施の形態に関して上述したが、これらの実施の形態は包括的であることも又は前記発明を限定することも意図していない。むしろ、前記発明は、添付の請求項で定義された精神及び適用範囲内に含まれる、すべての代替、改良、及びそれと同等のものにわたることを意図したものである。

Claims (1)

  1. 供給流を少なくとも第一流および第二流に分離することができる逆浸透膜を含む逆浸透膜分離プロセスのモニタリング方法であって、
    前記モニタリングは、
    少なくとも1つの不活性蛍光トレーサーを用意し、
    前記不活性蛍光トレーサーを前記供給流中に導入し、
    前記供給流における前記不活性蛍光トレーサーの蛍光信号を検出するとともに、前記第一流または前記第二流における前記不活性蛍光トレーサーの蛍光信号を検出する、少なくとも1つの蛍光光度計を設け、
    前記少なくとも1つの蛍光光度計を用いて、前記供給流における前記不活性蛍光トレーサーの量を検出するとともに、前記第一流および前記第二流の中の少なくとも1つにおける前記不活性蛍光トレーサーの量を検出する、
    ことから、実質的に構成される、逆浸透膜分離プロセスのモニタリング方法。
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