JPH06254358A - 逆浸透膜の欠陥検出方法 - Google Patents

逆浸透膜の欠陥検出方法

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JPH06254358A
JPH06254358A JP5042698A JP4269893A JPH06254358A JP H06254358 A JPH06254358 A JP H06254358A JP 5042698 A JP5042698 A JP 5042698A JP 4269893 A JP4269893 A JP 4269893A JP H06254358 A JPH06254358 A JP H06254358A
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membrane
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osmosis membrane
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Seiji Yoshida
清司 吉田
Morio Morino
盛雄 森野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜面の汚染が無く、透水量の低下もほぼみら
れず、染料や不純物による安全性の問題も無く漏洩箇所
の特定および膜欠陥部の修復が可能な逆浸透膜の欠陥検
出方法を提供する。 【構成】 染料溶液を用いた逆浸透膜の欠陥検出方法に
おいて、染料として逆浸透膜には吸着されない食用色素
を用い、かつ欠陥から漏洩した染料の検出手段として該
食用色素を吸着すると共にイオン交換能を有する多孔性
シート状物を用いることを特徴とする逆浸透膜の欠陥検
出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆浸透膜の欠陥検出方
法、特に高性能な逆浸透膜モジュールを得るための欠陥
検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】逆浸透膜を使用した膜モジュールは海水
の淡水化をはじめ、河川水や井戸水又は下水等の比較的
塩分の多い水から飲料水や純水を得るために使用され、
最近では、電子工業用水や医薬用水等の超純水製造にも
使用されるようになってきた。この様に、より高純度の
水を得るには高性能な逆浸透膜モジュールが求めらる一
方、特に医療用や医薬工業用への使用に際して更に透過
水水質にエンドトキシンフリー性が求められる。原水の
漏洩が発生してはこの用途への応用は困難であり、漏洩
や欠陥の皆無化が要求されており、同時に膜モジュール
の価格の低減も併せて要求されている。
【0003】膜モジュールが膜表面に欠陥を持つと供給
水や濃縮水が漏洩して透過水に混ざり、膜モジュールの
塩除去性能の低下が大きくなるため使用に耐えず、膜モ
ジュールの価格アップの要因ともなる。漏洩する膜面の
欠陥の程度は小さくても膜モジュールの性能低下は無視
できず、エンドトキシン漏洩の原因にもなる。膜面の欠
陥の検出や欠陥部位の特定に関しては種々検討されてき
た。例えば、S.Sourirajan著、REVERSE OSMOSIS and SY
NTHETIC MEMBRANES,第334 頁,NRCC,(1977)や米国特許 U
SP3,567,632 号には運転中の膜モジュールに染料の Cry
stal Violet を加えた供給水を圧入し、漏洩する染料を
観察する方法が、同様に、"In-silir and Dynamically-
formed Reverse-Osmosis Membranes", Research and De
velopment Progress Report, No.730, U.S. Government
Printing Office,(1971) には染料の Trypan Blue
が、更に「膜」(第一巻、第3号、第231 頁、1976) に
は Eosine Yellowish を使用する方法が報告されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では膜面の汚染や、膜モジュールの透水量の低下が大き
いためと、特定の用途例えば、飲料水や医薬工業用水に
使用するには安全性の確認が出来ていない染料を使用す
る点で問題がある。漏洩試験では膜モジュールの表面に
残留する染料と染料の不純物の毒性が無い事が要求され
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するため鋭意研究した結果、本発明に到達した。即
ち本発明は、染料溶液を用いた逆浸透膜の欠陥検出方法
において、染料として逆浸透膜には吸着されない食用色
素を用い、かつ欠陥から漏洩した染料の検出手段として
該食用色素を吸着すると共にイオン交換能を有する多孔
性シート状物を用いることを特徴とする逆浸透膜の欠陥
検出方法である。
【0006】本発明に使用する逆浸透膜とはこれを介し
て水を精製するものであれば何ら制限はないが、特にポ
リアミド系の膜に対して効果が大きく、更に分子骨格に
スルフォン基とアミド結合を持つ膜とピペラジン環を含
む膜に対して効果が大きい。中でもポリ3,3’−ジフ
ェニルスルホテレフタルアミド、ポリ3,3’−ジフェ
ニルスルホイソフタルアミド、ポリ4,4’−ジフェニ
ルスルホテレフタルアミド、ポリ4,4’−ジフェニル
スルホイソフタルアミド、ポリピペラジンテレフタルア
ミド、ポリピペラジンイソフタルアミド及びそれらを1
0%以上含むポリアミドから成る膜に対して効果が大き
い。
【0007】これらの膜自体の荷電は陽荷電であり,膜
の表面荷電は陰荷電である。ここで単に膜の荷電と言っ
た場合は水相に対する膜の荷電である固定荷電を意味
し、表面荷電はこれと相反する荷電を言う。膜の表面荷
電が陰荷電である時、陰荷電である酸性染料と親和力が
弱いため吸着性が弱く、膜面汚染性も弱い。更に詳しく
述べると、膜面の汚染は主に吸着性により決まり、これ
は膜と染料の間の荷電の組合せによって左右される。膜
に対する染料の吸着力は化学的、物理的な結合力であっ
て、電気的な引力に由来する。従って、水中での膜表面
と染料との間に働く荷電間の引力と斥力で、即ち、広い
意味のイオン性でその吸着力が決まり、膜の固定荷電が
陽荷電である時は陽荷電の染料は吸着され易く、陰荷電
の染料は吸着され難くい事となる。
【0008】ここで使用する染料等の薬品は(1)染料
が膜面を汚染しない事、(2)染料等の純度が高く不純
物が少ない事,(3)染料とその他の薬品類の安全性が
確認されている事が必要であり、食用色素は(2)、
(3)の点で有利であり、(1)については吸着力、即
ち荷電の組合せと大きさを考慮する事が必要である。染
料には前述の染料の安全性と純度と膜汚染性の他に
(4)膜面に滞留する染料の排出の容易な染料排出性と
(5)漏洩箇所の鮮明な検出が可能であって極微量の染
料漏洩も検出可能な顕色性があると更に有用である。
【0009】更に、エンドトキシンの阻止能をも考慮す
ると染料の選定には(6)膜面の欠陥の孔径の大きさ
や、膜面の孔径の阻止分子量を考える必要がある。エン
ドトキシンは裾の広い分子量分布を持っており、効果の
ある最小分子量を決める事は難しいがその最小分子量は
700〜800程度と考えられ、それより3割低い分子
量限界値は約500となるので染料の分子量は500以
下が適当である。
【0010】酸性染料は酸性の染浴中で蛋白質繊維を染
め易く、一般に毒性は少なく、指示薬の一部と食用色素
が含まれる。一般の染料には不純物と添加物を含む場合
が多く、安全性の確認が難しい。食品添加用色素は食品
衛生法で食用に使用が認められている色素で、製造工程
で充分な品質管理がなされているので、その安全性には
問題がない。使用する染料は酸性染料が良く、好ましく
は合成された食品添加色素であり、更に好ましくはアマ
ランス(食用赤色2号、分子量約605)、エリスロシ
ン(食用赤色3号、同898)、ニューコクシン(食用
赤色102号、同604)、フロキシン(食用赤色10
4号、同829)、ローズベンガル(食用105号、同
1018)、アシッドレッド(食用106号、同58
1)、ファストグリーン(食用緑色3号、同809)、
サンセットイエロウー(食用黄色5号、同452)、ブ
リリアントブルー(食用青色1号、同793)、インジ
ゴカルミン(食用青色2号、同466)が挙げられる。
【0011】以上にあげた合成食用色素の中でもインジ
ゴカルミンは染着性、即ち吸着性が弱く、色調の鮮明で
あり、人体への毒性が無く、染料の排出の容易さ、更に
例えばイオン交換能のある多孔性シート状物との組合せ
で相反する弱い荷電によるイオン的な結合を持つのと染
料の顕色性のため検出力が大きく、分子量も466であ
りエンドトキシンより予想される最小分子量の3〜5割
低い特徴を持つことなどを考慮すると、最も好ましい。
これらの染料(食用色素)は1種類の染料を水溶液とし
て使用しても良く、2種類以上を溶解した水溶液として
使用しても良い、更にこの水溶液には食塩をはじめ無機
塩類や有機化合物とか他の染料等で、食用色素の溶解と
染着に影響を与えない物質を共存させても良い。
【0012】染料の漏洩確認には例えば透過水の吸光度
測定による判定などがあげられるが、検出力不足による
エンドトキシンの漏洩を防止するためには、後述する特
定方法を採用する必要がある。漏洩箇所を特定する方法
は例えば、膜モジュールの透過側に漏洩する染料液の着
色状態を目視によってでも漏洩箇所を特定できるが、誤
差が生じ易く、漏洩の検出力は低い。透過水側に色素を
吸着すると共にイオン交換能を有するシート状物を取り
付け漏洩箇所を特定する事が必要である。
【0013】本発明に使用するイオン交換能を有する多
孔性シート状物とは素材及び/又はその表面にイオン交
換基を導入した物であり、この例としては東洋濾紙
(株)製のイオン交換濾紙DEAC,ECTEOLA、
CMなどがある。これらの多孔性シート状物を使用する
ことで検出力が高まり、極微量の漏洩も検出が可能とな
る。更に漏洩箇所を特定する時に染料と親和性のある多
孔性シート状物の他に補強と密着性を高めるために他の
多孔性シート状物を併せて使用しても良い。
【0014】染料の漏洩の確認や検出にあたっては、染
料の使用濃度や漏洩する染料濃度の他、更に検出時の所
要時間にも留意する必要があり、低濃度・短時間では検
出力が低下し、微量の漏洩を見逃す事があり、高濃度・
長時間では染着斑が拡大し漏洩箇所の特定が不確実にな
り修復が出来ない場合もあるので、濃度と時間の設定が
大切である。
【0015】本発明に適用する膜モジュールは如何なる
形態でも漏洩の検出が可能であるが、欠陥部の特定と修
復を行うことを考えると多孔性シート状物が膜面に密着
可能な平膜、中空糸膜形態が好ましい。モジュールの修
復は既知の方法によって行えば良く、例えば平膜の場合
は膜面の漏洩箇所にエポキシ系やウレタン系等の耐久性
と耐水性を持つ糊剤を塗布しても良く、不透性シートを
貼布しても良い。中空糸膜の場合は同様に膜モジュール
開口面に不透性シートを貼布しても良いが、更に効果的
なのは中空糸膜モジュールの中空糸開口面への糊剤の塗
布であり、開口面の漏洩箇所を切削加工後に糊剤を塗布
する方法が最も効果的である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。ま
た、種々の特性は下記の方法に従った。
【0017】(1)膜の透過性能の測定 逆浸透膜モジュールの試験装置の簡単なフローシートを
図1に示す。装置にモジュール又は小型モジュールを取
り付け、貯槽11に所定量の食塩を溶解して、ポンプ1
2を起動し、膜モジュール1を加圧して、所定時間経過
後に透過水3の水質と水量を測定し、透水量と塩除去率
を求める。
【0018】(2)膜の荷電の測定 別々にクリスタルヴァィオレット及びオレンジ−IIを入
れた逆浸透膜の性能測定を行い、透水量の低下率で判定
する。透水量の低下率が大きい方をとり、例えばクリス
タルヴァイオレットの場合は陽荷電、オレンジ−IIの場
合は陰荷電と判定する。
【0019】(3)染料の荷電の判定 染料の構造式からまたは染料の使用方法による分類で判
定できるものはこれにより、できないものは染料を加え
た膜の透水性能の測定を行い、使用する膜はスルホン化
ポリスルホン中空糸膜と後述するポリアミド中空糸膜を
使い、透水量の低下率が大きい方をとり、スルホン化ポ
リスルホン中空糸膜の場合は陰荷電、ポリアミド中空糸
膜の場合は陽荷電と判定する。
【0020】(4)濾紙の荷電の判定 膜の荷電の測定と同様に実施し、染着状態を目視判定す
る。オレンジ−IIで染まる場合を陽荷電と、クリスタル
ヴァイオレットで染まる場合を陰荷電と判定する。
【0021】(中空糸型逆浸透膜の製造例) [ポリアミドポリマーI]4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン57.36部、ピペラジン8.52部および
ピリジン42部をN−メチルピロリドン500部に溶解
し、10℃以下に冷却しながらテレフタル酸クロライド
65.33部を徐々に加えて重合を行い、その後水中に
投入して固化、水洗、濾別および乾燥を行なった。 [ポリアミド中空糸膜]このポリマー10.95部、
N,N−ジメチルアセトアミド15.29部、N−メチ
ルピロリドン,1.70部、ポリグリセリン#310,
1.694部、塩化カルシウム六水塩,0.816部よ
り成る紡糸原液を二重環状口金より押しだし9cm空中
走行の後、水99.5%以上のよりなる凝固液中で固
化、水洗して中空糸膜を得た。85℃水中で20分熱処
理を行った後の中空糸形状は内径75μm、外径165
μmであった。この中空糸膜を使用して、小型300本
及び大型約25,000本から200,000本の中空
糸型モジュールを製造した。
【0022】(平膜の製造例) [ポリアミドポリマーII]4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン,57.36部とピペラジン,8.52部と
ピリジン,42部をN−メチルピロリドン500部に溶
解し、10℃以下に冷却しながら、イソフタル酸クロラ
イド,65.33部を徐々に加えて重合を行ない、水中
に投入、固化、水洗、濾別、乾燥を行った。 [ポリアミド平膜]このポリマー,20部、N,N−ジ
メチルアセトアミド,55.04部、N−メチルピロリ
ドン,13.76部、ポリグリセリン#500,11.
2部、塩化カルシウム六水塩,1.20部よりなるキャ
スト原液を流延し、水99.5%以上よりなる凝固液に
浸漬固化後、85℃の温水中で熱処理を行った。
【0023】(染料の吸着性試験) 膜の性能測定時に
貯槽11に染料を所定濃度に成るように溶解した。ポン
プ12を運転し、所定圧力で所定時間後に食塩の濃度と
透過水量を測定し、透水量と塩除去率を求めた後に、膜
モジュールを分解して中空糸膜を取り出し、水洗し、原
水を10mmセルに入れた比較サンプルと比べて、これを
目視判定し、膜の吸着性とした。
【0024】実施例1−4、比較例1−3 各種染料に関して逆浸透膜試験装置を用いた透過性能と
吸着性の試験結果を表1に示した。透過性能の測定は小
型中空糸膜モジュールを用い、食塩を1500ppm にな
る様に溶解し、染料5ppm を加えて、25℃、30kg/m
2 I加圧下で30分の運転後とした。濾紙の吸着性は原
水に試験片を10分間浸漬した後に水洗し比較判定し
た。表中の濾紙は東洋濾紙製イオン交換濾紙DEACを
使用した。このときの膜荷電は陽荷電で、イオン交換濾
紙DEACの荷電も陽荷電であった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例5 大型半透膜モジュールの漏洩箇所の修復例を表2に示し
た。中空糸膜モジュールを用いて、透過性能の測定は食
塩1500ppm 、回収率30%、水温25℃で2時間後
に実施し、更に開口面にイオン交換濾紙DEACを取り
付け、食用青色2号を2ppm になる様に加え、10kg/m
2 の加圧下で30分運転して膜の漏洩箇所を検出した。
漏洩箇所は錐で切削加工後、エポキシ系糊剤を流延固化
した。修復後、透過性能と漏洩箇所の検出を行った。表
2から解るように修復後の漏洩はほとんどみられなかっ
た。
【0027】実施例6−8 大型逆浸透膜モジュールの漏洩箇所修復のその他の例を
表2に示した。中空糸膜モジュールを用いて、透水性能
の測定と漏洩試験を実施した。使用した染料は実施例6
では食用青色2号を、実施例7では食用赤色104号
を、実施例8では食用赤色3号を各々2ppm に成る様に
加え、加圧下で30分運転した後、膜の漏洩箇所を特定
した。蛋白濾紙は卵白水溶液に浸漬後乾燥した濾紙を使
い、その他は実施例5と同様に行った。修復には漏洩箇
所にエポキシ系糊剤の塗布し、修復後、同様に漏洩を確
認したが漏洩はほとんどみられなかった。
【0028】
【表2】
【0029】実施例9 平膜型逆浸透膜を平膜用のセルに組み付けた平膜評価ユ
ニットを膜モジュールの代わりに取り付け、透過性能の
測定は食塩1500ppm 、25℃、20kg/cm2で2時間
運転後に測定し、透水量は2.6ml/時間で塩除去率は
91.4%であった。更に、透過水側にイオン交換濾紙
ECTEOLA(陽荷電)を取り付け、食用青色2号を
50ppm に成るように加え、20kg/cm2の加圧下で12
0分運転して膜の漏洩箇所を検出した。漏洩箇所に透過
能の無い膜をウレタン系糊剤で張付した。修復後、同様
に透過性能と漏洩箇所の確認を行い、透水量は2.0ml
/時間で、塩除去率は94.8%であって、染料の漏洩
はみられなかった。
【0030】実施例10 膜モジュールを修復することによりエンドトキシン漏洩
をほぼ防止できる例を表3に示した。実施例5で修復し
た後の膜モジュールを使用し、食塩濃度100ppm 、1
5kg/cm2、回収率40%で2時間運転後、大腸菌 Esche
richia coli,K-12株(IFO 3208)を培養して得たエンドト
キシン溶液を2リットル加え、継時的にサンプリング
し、エンドトキシン濃度を測定した。エンドトキシン濃
度測定には和光純薬製 Limulus HS II-Simgle Test Wak
o を使用した。染料の漏洩の無い膜モジュールのエンド
トキシンは測定限界以下となり、透過液の安全性が確認
できた。
【0031】比較例4 食用青色2号で漏洩がある膜モジュールを使用し、この
染料に吸着 性を示さない多孔性シートである東洋濾紙
(株)製の濾紙(No.5C)を用いる以外は全て実施
例10と同様に実施し透過水中のエンドトキシンの濃度
を測定した。表3から明らかなように、エンドトキシン
の漏洩を充分防ぐことができなかった。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】漏洩試験に使用する染料は逆浸透膜の膜
面汚染性が低いので、染料の膜面蓄積量が少なく、使用
する染料中の不純物も少なく毒性も無い。従って、染料
による汚染と汚染に伴う膜の透水量の低下が少なく、漏
洩試験に伴う膜モジュールの性能と安全性を損なう事が
無い。更に膜モジュールの欠陥部の特定および修復が容
易にでき、不良品が減るので、製造段階の歩留まりも上
がり、製造コストを安くできる。その上、検出にイオン
交換能を有する多孔性シート状物を使用することで検出
力が大幅に向上するので極微量の漏洩の検出および修復
ができ、製造した膜モジュールのエンドトキシン漏洩も
ほぼ無くする事が可能となる。この様に染料の膜面蓄積
量が少ない事、不純物の総量が少ない事および漏洩試験
に依る安全性での問題が無い事など、飲料水及び医療用
や製薬工業を含む広い用途にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の評価に使用した逆浸透膜モジュ
ール試験装置のフローシートを示す。 1 半透膜モジュール 2 給水配管 3 透過水配管 4 濃縮水配管 11 貯 槽 12 高圧ポンプ 13 弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料溶液を用いた逆浸透膜の欠陥検出方
    法において、染料として逆浸透膜には吸着されない食用
    色素を用い、かつ欠陥から漏洩した染料の検出手段とし
    て該食用色素を吸着すると共にイオン交換能を有する多
    孔性シート状物を用いることを特徴とする逆浸透膜の欠
    陥検出方法。
JP5042698A 1993-03-03 1993-03-03 逆浸透膜の欠陥検出方法 Pending JPH06254358A (ja)

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