JP5463557B2 - 複相型水素透過合金およびその製造方法 - Google Patents

複相型水素透過合金およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5463557B2
JP5463557B2 JP2006244010A JP2006244010A JP5463557B2 JP 5463557 B2 JP5463557 B2 JP 5463557B2 JP 2006244010 A JP2006244010 A JP 2006244010A JP 2006244010 A JP2006244010 A JP 2006244010A JP 5463557 B2 JP5463557 B2 JP 5463557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
alloy
phase
permeation
hydrogen permeation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006244010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008063628A (ja
Inventor
清 青木
和宏 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitami Institute of Technology NUC
Original Assignee
Kitami Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitami Institute of Technology NUC filed Critical Kitami Institute of Technology NUC
Priority to JP2006244010A priority Critical patent/JP5463557B2/ja
Publication of JP2008063628A publication Critical patent/JP2008063628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5463557B2 publication Critical patent/JP5463557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

本発明は、複相型水素透過合金およびその製造方法に関するものである。
高純度水素は、半導体や光ファイバ、薬品などの製造に使用されており、その使用量は、年々増加している。また、最近では、燃料電池での燃料としても水素が注目され、将来本格的に燃料電池が使用されることになれば、高純度の水素が大量に必要とされる。したがって、高純度の水素を低コストで大量に生産可能な方法の開発が望まれている。
水素の大量生産の方法としては、(1)非化石資源を利用する水の電気分解による方法と、(2)化石資源を利用する炭化水素の改質による方法とがある。
(1)の電気分解法では、電力源として太陽光発電等で得た電気を用いて行う水の電気分解が研究されているが、現在の技術レベルでは経済的に実用化は困難である。したがって、当面は(2)の炭化水素の水蒸気改質で水素を製造することが現実的である。
前述したように、水素の大量生産のためには炭化水素の改質が適している。例えば、CHにHOを加えた反応系においては、大量の水素の他にCO、CO、HO、CH等の不純物ガスが発生する。水素を燃料電池への供給原料として利用するには、水素をこれら不純物から分離・精製しなければならない。特に、精製水素中のCO含量を10ppm以下にしないと、燃料電池のPt電極の損傷が発生する。すなわち、水素の燃料電池への利用のためには、精製して、高純度化することが条件となる。
水素の精製法にはさまざまな方式があるが、燃料電池用高純度水素を得るためには、金属膜による膜分離法が適している。金属膜による水素の精製は、分離係数と透過係数との影響が極めて大きいことが特徴である。金属膜を用いる水素の精製では、例えば、99%程度の水素を99.99999%程度に純化することが可能である。
水素透過膜に用いる水素透過性金属膜として、Pdを主体とする合金、例えばPd−Ag合金、Pd−Ti合金等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、水素の透過用金属膜としては、Pd−Ag合金膜が実用化されている。しかし、燃料電池の使用が本格化して大量の水素が必要となれば、それに応じて水素の透過用金属膜としてのPd−Ag合金の需要が増すことになる。そうなれば、高価で資源的にも少ないPdが制約となって、Pd−Ag合金膜では対応不可能と推測されるので、それに替わる金属膜の材料開発が急務となっている。
そのため、非パラジウム系水素透過合金の開発が活発に行われてきたが、水素脆化が顕著なため、実用に耐える合金は作製できなかった。これら合金は、単相合金なので水素透過性と耐水素脆化性の両立が困難であった。
ところが最近、水素透過性と耐水素脆化性を別々の相に担わせた複相型水素透過合金が開発された。例えば、Ni−Ti−Nb系合金ではNiTi相とTiNb相(特許文献2)、Co−Ti−Nb系合金ではCoTi相とTiNb相(特許文献3)、Ni−Zr−Nb系合金ではNiZr相とZrNb相(特許文献3)など、複相化による役割分担で水素透過性と耐水素脆化性を両立し、水素中で破壊することなくパラジウムより高い水素透過性を示す。
特開平8−215551号公報(段落0006) 特開2005−232491号公報(段落0018) 特開2006−118035号公報(段落0039、0041)
これらの特許文献2、3に記載の複相型水素透過合金は、すべて鋳造状態での特性評価に限られている。合金を複相化した場合、これら両相の配列の仕方によって合金全体の水素透過係数が変わることが予想される。ところが、合金のミクロ組織と水素透過性の関係やその作製法についての知見は何ら得られていない。
合金の水素透過流量Jは膜厚Lに反比例するので、できるだけ薄い合金膜を作製する必要がある。溶解・鋳造法により得られた合金の厚さ、あるいは断面積を減ずる方法として、圧延、鍛造、プレス等の塑性加工法が工業的に用いられている。合金をこのような方法で塑性加工すると、合金はある方向には伸び、ある方向には縮むため、合金内部の組織が大きく変わる。また、通常このような方法で合金を塑性加工した場合には、合金内部に加工ひずみが蓄積されるので、熱処理により除去する必要がある。この際、合金内部では再結晶等が起こり、ミクロ組織が変化する。
以上のことから、複相型水素透過合金として適切なミクロ組織について明らかにし、組織制御により合金の水素透過性を向上させる手段について明らかにすることが強く望まれている。
そして、上記で説明した鋳造状態の複相型水素透過合金(特許文献2、3)は、水素透過係数が十分ではなく、更なる改善が必要である。合金中のNb濃度を高めることで合金の水素透過係数を高めることが可能であるが、水素脆化も同時に顕著となるため、許容できるNb量には上限がある。
そのため、合金組成を変えるのではなく、ミクロ組織を変えることで水素透過係数を改善する必要がある。
そこで、本発明は、水素透過に適切なミクロ組織を有する複相型水素透過合金についての技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、水素透過に適切な合金のミクロ組織について検討を行った結果、水素透過の複合則を案出し、これを作製する方法を見出すことによって解決することができた。
すなわち、請求項1に記載の本発明の複相型水素透過合金の製造方法は、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相とで構成された複相型水素透過合金の製造方法であって、合金の断面積を減ずる塑性加工処理を施して、前記水素透過性を担う相を水素透過方向に平行な方向伸ばすことを特徴とする。
ここで、本明細書において「水素透過性を担う相」とは、専ら水素透過を行う相という意味ではなく、耐水素脆化性としての側面を有することがあるが、主として水素透過を担う機能を有する水素透過性に優れた相との意味である。同様に、「耐水素脆化性を担う相」についても、専ら耐水素脆化を行う相という意味ではなく、水素透過性としての側面を有することがあるが、主として耐水素脆化を担う機能を有する耐水素脆化性に優れた相との意味である。
複相型水素透過合金中では、耐水素脆化性を担う相と水素透過性を担う相の配列の仕方によって合金全体の水素透過性に違いが生ずる。これを図1の模式図を使って説明する。
耐水素脆化性を担う相(黒色のA相とする)と水素透過性を担う相(白抜きのB相とする)とが水素の透過方向に垂直、つまり直列型に配列されている場合、A相、B相の水素透過係数をΦおよびΦ、体積率をV、Vとしたとき、直列方向の水素透過係数Φは次式で示される。ただし、V+V=1、Φ<Φとする。
1/Φ=V/Φ+V/Φ (1)
この式を、横軸にB相の体積率、縦軸に合金全体の水素透過係数としてグラフにプロットすると、ΦとΦを結んだ曲線として表すことができる。このような組織では、水素が合金中を透過するには、必ずしも水素透過性に優れないA相を必ず通過しなければならず、合金全体として水素透過に不利となる。
一方、A相とB相が水素透過方向に平行、つまり並列型に配列している場合は、並列方向の水素透過係数Φは次式で示される。ただし、V+V=1、Φ<Φとする。
Φ=Φ+Φ (2)
この式は、ΦAとΦBを結んだ直線として表すことができる。このような組織では、B相の体積率が同じであっても、水素は水素透過性を担う相内を透過できる確率が高くなるため、合金全体として水素透過に有利となる。
さて、合金の組織を一方向に伸ばす手段として一方向凝固法が知られている。ところが、一方向凝固法を用いて相を伸ばすには、温度勾配、凝固速度、撹拌速度等を細かく制御する必要があり、かつ製品の完成までに時間を要するため、実用材料の製造方法としては必ずしも好ましくない。また、大型合金の作製には適しておらず、効率的な合金作製方法とは言い難い。
そこで本発明では、水素透過に優れる相を一方向に伸ばす手段として、合金の断面積を減ずる塑性加工法を用いることとした。これらの塑性加工法として、例えば、圧延法、鍛造法、プレス法などが挙げられるが、いずれも工業的に確立した塑性加工法であり、一般実用材料の製造法として広く用いられている。また、塑性加工速度も高いので、効率的な製造が可能である。
以下に、前記合金の断面積を減ずる塑性加工法により、水素透過性を担う相を伸ばす手法について図2を用いて説明する。
半径Rのインゴット中に、水素透過を担う相が半径rの球状に分散している状態を考える。この合金インゴットを幅A、高さBまで加工したとき、この球状相が板状に変形すると仮定する。このとき、合金インゴットの加工率δは次式で定義される。
δ=(S−S)/S (3)
ただし、SおよびSは加工前後の合金の断面積であり、それぞれ次式で示される。
=πR (4)
=AB (5)
このとき、加工率が大きい場合には、球状相は幅方向にA/R、高さ方向にB/Rの圧縮をされるので、変形後の板状相の幅と高さはそれぞれ、rA/R、rB/Rと近似できる。変形後も体積が変わらないとした場合、板状相の長さLは次式で計算される。
L=4πrR/3AB (6)
この式より、AおよびBを小さくする、つまり、塑性加工量が大きいほど、水素透過性を担う相がより長く伸びた組織が得られる。このインゴットからAB断面と平行に試料を切り出せば、水素透過性を担う相が一方向に伸びた水素透過合金膜が得られる。特に、Lが水素透過合金膜の厚さより大きい場合は、水素透過を担う相が水素透過合金膜の全長に亘って形成されているようになるため、最良の効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、水素透過性を担う相は水素透過方向の全長に亘って形成されていることを特徴とする。
水素透過に優れる相が水素透過の方向に伸びた複相型水素透過合金において、特に、水素透過を担う相の水素透過方向の長さが合金膜の膜厚より大きい場合は、水素透過を担う相が合金膜における水素透過方向の全長に亘って形成されていることになる。この場合、水素は、水素透過に有利な相のみを透過することができ、合金全体として水素透過に極めて有利となる。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、塑性加工処理後に800℃以上の加熱処理を行うことを特徴とする。この加熱処理には2つの異なった目的がある。第一の目的は、合金の塑性加工時に導入される欠陥を除去するためである。これらの欠陥、特に転位は合金中を拡散する水素をトラップし、拡散を妨げる。その結果、水素透過性が低下する。このような合金を高温で保持すると、合金内部の転位を除去して水素透過係数を回復することができる。
ところが、上記方法で一方向に伸ばされた相は大きな表面積を有するため、表面エネルギーを多く蓄えている。そのため、加熱処理を行うと表面積を小さくするために球状に近づこうとするので、塑性加工により作製した一方向性組織が熱処理時間とともに失われ、水素透過係数の低下の原因となる。したがって、欠陥除去のための加熱処理は、欠陥は除去できるが相の形状変化を伴わない条件で行う必要がある。したがって、この目的の熱処理時間には上限があり、好ましくは100時間以下である。
上記方法で作製した合金をAB断面と平行に切り出した合金膜は水素透過性を担う相が水素透過方向に伸びたいわゆる並列型組織となり、高い水素透過係数が得られる。一方、圧延面と垂直に切り出した合金膜は水素透過性を担う相が水素透過方向と略垂直な方向に伸びたいわゆる直列型組織となり、高い水素透過係数は望めない。このような水素透過に適切でない合金組織を水素透過に適切な組織に変えることが熱処理の第二の目的である。直列型組織では、水素透過性を担う相は水素透過の方向には一方向につながっていない。このような場合、長時間の加熱処理を行うと上述のように相の球状に近づく組織変化が起こるので、水素透過と同一方向を持った成分が増加する。このことで、水素透過係数の改善ができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の複相型水素透過合金の製造方法で製造された複相型水素透過合金であって、当該複相型水素透過合金は、厚さが0.01〜1mmの合金膜であることを特徴とする。厚さが1mmを超えると、水素透過束(量)が小さくなり、水素透過効率が悪くなる。また、厚さが0.01mm未満であると、機械的強度が弱くなり、実用的でなくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、水素を取り込む側の面および水素を取り出す側の面にPd膜またはPd合金膜が形成され、当該Pd膜またはPd合金膜の厚さが50〜400nmの範囲内であることを特徴とする。このように合金膜を挟んで、被処理原料ガス側(上流、高圧側)と精製水素側(下流、低圧水素側)との両側に所定の厚さのPd膜またはPd合金膜を形成すれば、当該合金膜の酸化、窒化等を防止でき、また水素の解離と再結合が容易に行われ得る。この範囲を外れると、薄い場合にはPd膜またはPd合金膜の剥離が生じ、厚い場合には不経済になる。
本発明によれば、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相とで構成された複相型水素透過合金において、水素透過に最適なミクロ組織、つまり水素透過を担う相が水素透過方向に伸びている組織、さらにこれが水素透過方向の全長に亘って形成されている組織となっているので、水素原子は水素透過を担う相内を優先的に拡散するので、合金全体として優れた水素透過性能が得られる。
また、このような複相型水素透過合金が、合金の断面積を減ずる塑性加工によって作製することができるので、優れた水素透過性能を備えた複相型水素透過合金を容易且つ効率的に得ることができる。
さらに、合金の断面積を減ずる塑性加工の後に熱処理を行うことにより、加工時に導入された転位等が除去され、水素透過性を担う組織に変化するので、合金全体として優れた水素透過性能が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
本発明の合金材の作製方法は特に限定されないが、原料金属を所定の組成になるように配合後、Ar等の不活性ガス雰囲気中のアーク溶解、Ar等の不活性ガス雰囲気中若しくは真空中の高周波誘導加熱溶解、Ar等の不活性ガス雰囲気中若しくは真空中の電気炉中溶解、真空中の電子ビーム溶解、またはレーザ加熱溶解等の溶解法等により作製される。
作製した合金インゴットは、水素透過を担う相が初晶として、耐水素脆化性を担う相が共晶として生成している。水素透過を担う相はほぼ球状であり、共晶相に囲まれた構造を有している。このような組織では、水素透過は可能であっても、高い水素透過性能は得られない。
このように作製された合金インゴットに対し、合金の断面積を減ずる塑性加工を行う。この塑性加工法は特に限定されないが、圧延加工、鍛造加工、プレス加工、押出加工等により加工される。加工時の温度は、室温、高温のいずれでもよい。また、加工雰囲気は大気中、Ar等の不活性ガス中、真空中のいずれでもよい。
このように作製された合金試料中では、水素透過を担う相が加工方向に伸びた組織を形成している。組織の方向と同一方向に水素透過をさせれば、水素は水素透過を担う相を長距離拡散できるので、高い水素透過係数が期待できる。特に、膜厚を相の長さより小さくすれば、水素透過を担う相が水素透過方向の全長に亘って形成されていることになり、最良の結果が得られる。
加工直後でも水素透過合金として使用可能であるが、加工時に導入された格子欠陥を除去するために熱処理を行うのがよい。熱処理雰囲気は真空中、不活性ガス中のいずれでもよい。熱処理温度は、格子欠陥の消滅、金属原子の長距離拡散が必要なため、800℃以上が望ましい。
このようにして作製された水素透過用金属膜は、厚さが薄いほど水素透過束(量)が大きくなり、水素透過効率が良くなる。しかし、金属膜の厚さが薄くなれば横械的強度が弱くなる。そのためこれら合金系の場合、合金膜の厚さは0.01〜1mmであることが好ましい。
さて、作製された合金材には、塑性加工処理後または熱処理後に、その合金材を挟んで、原料ガス側(上流、高圧水素側)である水素を取り込む側の面と精製水素側(下流、低圧水素側)である水素と取り出す側の面との両面に、水素の解離と再結合のために、さらにPd膜またはPd合金膜を形成することが必要である。その厚さは、一般に50〜400nm、好ましくは100〜200nmである。
水素の解離と再結合のために、これら合金膜の両側にPdまたはPd合金膜を形成する方法は特に制限されず、例えば、真空蒸着、スパックリング、イオンプレーティング、電解めっき、無電解めっき等のいずれで行ってもよい。
以下、本発明の実施例、参考例および比較例を説明する。
合金材の組成がNi30Ti30Nb40(原子%)になるように、電解Ni(純度99.9重量%)、スポンジTi(純度99.5重量%)およびNbショット(純度99.9重量%)を配合し坩堝内に装填した。この坩堝を高周波誘導溶解炉内に設置し、油回転ポンプを用いて真空引きを行った。炉内の真空度が0.1Paに達した後、純アルゴンガスを導入した。その後、真空引きとアルゴンガス導入を3回繰り返した。次に、合金原料を加熱・溶解し、合金元素の溶け残り防止と均一性確保のため、溶融状態で15分保持した後、坩堝を傾けて溶湯を鋳型に流し込み、直径130mm、高さ150mmの円柱状インゴットを作製した。
合金インゴットを大気中で900℃に加熱した後に熱間鍛造および熱間圧延により所定の寸法に加工した。このようにして得られた合金インゴットから、放電加工により直径12mmで所定の厚さの円盤を切り出し、測定試料とした。
試料の両側を紙ヤスリ、バフ、次いで、直径0.5μmのαアルミナで研磨した後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた微小構造観察を行った。
上記αアルミナで研磨した試料をアセトンで洗浄後、高周波マグネトロンスパッタ装置内にセットした。油回転ポンプ、クライオポンプを用いて、3×10−5Torrまで真空引きを行った。その後、試料表面に付着した酸化皮膜等を除去するため、RF電源を用いて10分間の逆スパッタを行った。次いで、試料をスパッタ装置内で350℃に加熱し、DC電源を用いて5分間Pdのスパッタを行った。この条件で被覆されるPd膜の厚さは190nmである。
水素透過測定は次のような流量法により実施した。まず、Pd被覆した円盤試料をCuガスケットでシールした。次いで、円盤の両側を油拡散ポンプにより排気して3×10−3Pa以下の圧力にし、その後円盤を加熱して673Kにし、そのまま保持した。それから水素ガス(純度99.99999%)を下流側および上流側に、それぞれ0.1および0.2MPa導入し、その後水素透過測定を行った。上流側の水素圧力を0.2MPaから0.65MPaまで段階的に増大させ、また、温度は段階的に673Kから553Kまで40K間隔で下げた。一定温度に30分保持してから水素透過試験を開始した。水素透過束J(molH−2−1)はマスフローメータを用いて測定した。
様々な条件下(加工率、熱処理条件、膜厚、水素透過方向)で測定した合金の673Kでの水素透過係数を表1および表2に示す。
図3(a)に合金インゴットから切り出した加工前の合金材、図3(b)に幅25mm、高さ12mmまで加工した(加工率は98%である)直後の合金材のSEM写真を示す。なお、加工後の組織は、圧延方向に対して横方向から観察したものである。
鋳造状態では、水素透過を担う白色のTiNb相が15μm程度に球状に生成している。そしてこの相はNiTi相とTiNb相の細かい共晶組織に囲まれている。加工後には、このTiNb相は圧延方向に500μm〜800μm程度まで伸びていることが分かる。式(6)から見積もられるTiNb相の長さは800μm程度であり、両者はほぼ一致している。
幅50mm、高さ25mmまで加工を行った合金(加工率は91%である)についても組織観察を行った結果、98%まで加工した合金と同様にTiNb相が圧延方向に伸びた組織を形成していた。しかし、TiNb相の長さは上記合金より小さく、200〜300μmであった。なお、式(6)から見積もられるTiNb相の長さは200μmである。
このような組織を有する合金に対し、組織の伸びと平行な方向(紙面に対して左右方向)に水素を透過させた場合は並列方向の水素透過になる。この場合、水素は水素透過を担うTiNb相中を長距離拡散できるので、合金として高い水素透過性が得られると予想される。一方、組織の伸びと垂直な方向(紙面に対して上下方向)に水素を透過させた場合は直列方向の水素透過になる。この場合は、水素はTiNb相中を長距離拡散できず、水素透過性の低いNiTi相内も拡散しなければならないので、合金全体の水素透過性は低くなると考えられる。なお、本明細書において平行・垂直とは、幾何学的に厳密な意味で平行・垂直を意味するのではなく、平行あるいは垂直に近いものも含む概念である。
図4に、鋳造状態(△印、比較例1)、98%まで加工した合金の並列方向(◆印、実施例1)、同合金の直列方向(◇印、比較例2)、91%まで加工した合金の並列方向(○印、実施例2)、同合金の直列方向(●印、比較例3)における水素透過係数の温度依存性をアレニウスプロットの形式で示す。
鋳造合金の水素透過係数は純Pdと同等程度であるが、並列方向に水素透過させた場合、水素透過係数は数倍に増加した。一方、直列方向に水素を透過させた場合は、水素透過係数が1/8程度まで減少した。並列方向と直列方向の水素透過係数の差は数十倍にもなることが分かる。なお、鋳造合金は方向性組織を形成していないため、どの方向の水素透過係数もほぼ同じ値であった。
また、並列方向の水素透過では加工率が大きいほど水素透過係数が高く、逆に直列方向の水素透過では、加工率が高いほど水素透過係数は小さくなることが分かる。加工率が高いほど、TiNb相の長さが長くなるため、並列方向に長距離TiNb相内を水素が拡散できるが、直列方向にはTiNb相の長さは短くなるため、水素が拡散できる距離が小さくなるためであると考えられる。
また、この合金の水素透過係数の対数は絶対温度(K)の逆数に対して直線的に変化する。これはこの合金における水素透過が水素の拡散によって律速されていることを示す。また、この直線の傾きは水素透過の活性化エネルギーであり、水素原子が拡散するときのエネルギー障壁の大小を示す。各合金の活性化エネルギーを比較すると、並列型<鋳造状態<直列型の関係が見られる。つまり、並列方向に水素が透過する場合には、水素原子が容易に拡散できることを示している。
以上より、圧延法を用いて水素透過を主に担うTiNb相を一方向に伸びた組織を作製できることが明らかとなり、水素透過と組織の伸びた方向を同一とすることで、鋳造状態と比較して高い水素透過係数が得られる。
98%加工材(実施例1)および91%加工材(実施例2)の水素透過係数は膜厚500μmで測定を行った。これら合金中で加工後のTiNb相の長さはそれぞれ500〜800μm、200〜300μmであるため、前者ではTiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されている構造、一方後者ではTiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されていない構造になっている。
本来、水素透過係数は膜厚に依存しない物理量である。しかし、TiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されている状態では、水素はTiNb相のみを主に拡散することができるため、水素透過係数の増大が予想される。そこで、水素透過係数に及ぼすTiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されていることの影響を調べるため、91%加工材の膜厚と水素透過係数の関係を調べた。
図5にこの合金の膜厚と673Kにおける水素透過係数の関係を示す。膜厚が500μm以上では、TiNb相は合金膜の水素透過方向の全長に亘って形成されていないと考えられる。このとき、水素透過係数は4.0×10−8(molH−1−1Pa−0.5)程度であり膜厚依存性は見られなかった(○印、実施例2〜4)。ところが、膜厚を小さくすると、水素透過係数が急激に増加した。これは、膜厚の減少により水素透過方向の全長に亘って形成されたTiNb相の量が増大するためと考えられる。膜厚が300μm以下になると、ほぼすべてのTiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されるようになり、水素透過係数は7.5×10−8(molH−1−1Pa−0.5)程度になった(○印、実施例5、6)。この値は、TiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されていると考えられる98%加工材(実施例1)の水素透過係数とほぼ同じである。
参考のため鋳造合金でも同様の測定を行ったが、鋳造合金の水素透過係数は膜厚に依存せず1.7×10−8(molH−1−1Pa−0.5)程度であった(◇印、比較例1、4〜6)。図3(a)に示したように、鋳造合金中のTiNb相は15μm程度と膜厚に対して小さく、水素透過方向の全長に亘って形成されていないためと考えられる。
以上のように、一方向に伸びた組織を作製して組織の方向と水素透過の方向を揃えることで高い水素透過係数を得られるが、TiNb相が水素透過方向の全長に亘って形成されている状態では極めて高い水素透過係数が得られるといえる。通常、水素透過合金は厚くとも50μm程度で用いられる。そのため、TiNb相の長さが50μm程度にするには、50%以上の加工率が必要である。
ここで、加工後の金属材料には、合金内部に転位等の格子欠陥が生成し、水素の拡散を妨害するため、熱処理により除去する必要がある。その際、ミクロ組織が変化して水素透過性が変化する可能性がある。そこで、鍛造・圧延により作製した合金試料を熱処理し、ミクロ組織および水素透過係数の変化について調べた。
図6に加工率98%の合金材を1173Kで熱処理したときの673Kにおける水素透過係数の変化を示す。前述のように、熱処理前は並列方向と直列方向で水素透過係数に大きな差が生じている。○印で示した並列方向の水素透過の場合、熱処理時間とともに水素透過係数が増加し、100時間で最大となった。これは、水素原子をトラップする転位等の格子欠陥が消滅していくことで、水素の拡散が容易になり、水素透過係数が増加したと考えられる。しかし、100時間以上の熱処理により水素透過係数は低下した。
図7に上記合金を1373Kで168時間熱処理した際のSEM写真を示す。熱処理前の組織と比較すると(図3(b))、白色のTiNb相の長さが短くなり、幅が大きくなっていることが分かる。加工直後はTiNb相が薄く長く延びているため、合金内には大きな界面エネルギーが蓄えられている。そのため、熱処理中に界面エネルギーを低下させるために、TiNb相が途中で断絶して幅が大きくなる。その結果、TiNb相内を水素が拡散できる距離が短くなり、水素透過係数が低下したと考えられる。したがって、並列方向に水素を透過させる場合には、このような組織変化が生じないようにするため、熱処理時間は100時間以下に限定される。
一方、◇印で示した直列方向の水素透過係数は、熱処理時間と共に増加し、100時間以上の熱処理により鋳造材の水素透過係数と同程度まで回復していることが分かる。熱処理時間が短い場合は、転位等の格子欠陥の消滅により水素透過係数が増加したと考えられる。ところが、直列方向の場合は、100時間以上の熱処理でも水素透過係数は増加した。上述のように、168時間の熱処理でTiNb相が断絶し幅が大きくなり、並列方向の水素透過には不利になるが、直列方向の水素透過には有利になる。TiNb相の幅が大きくなることは、直列方向で水素がTiNb相中を拡散できる距離が大きくなるからである。
以上のように、加工後の試料に熱処理を行うと、水素の拡散を妨げる格子欠陥の除去により水素透過係数を向上させることができる。また、直列方向の水素透過では、水素の拡散方向にTiNb相の幅を増加させる効果もあり、水素透過係数の向上に寄与する。
直列方向の水素透過係数が熱処理により鋳造状態と同程度のレベルに回復することは、実用上特に大きな意味を持つ。大面積の水素透過合金膜を製造する場合には、圧延により薄膜化した後に、圧延面と垂直な方向に水素を透過させることが求められる。しかし、この場合は必然的に直列方向の水素透過になり、水素透過係数が著しく低下するので、このままでは水素透過合金膜として使用することはできない。ところが、30〜50時間程度の熱処理により、実用レベルまで水素透過係数を回復させることができる。
水素透過合金中を透過する水素の流束は、合金の水素透過係数に比例し、膜厚に反比例する。本発明の圧延・熱処理法は、単なる膜厚を減少させるための手段だけではなく、組織制御により水素透過係数も向上させることができる。その結果、これらの相乗効果によって極めて高い水素透過流束を得ることが可能である。
本発明によれば、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複合合金を圧延・熱処理を用いて組織を制御することにより、高い水素透過係数を有する薄膜を容易に作製することができる。そのため、極めて高い効率で水素の透過を行うことができので、得られた高純度水素を、燃料電池用の供給燃料や、半導体、光ファイバ、薬品等の製造分野に適用可能である。
水素透過複合則から計算した並列方向および直列方向の水素透過係数を示すグラフである。 円柱状インゴット中の球状相の加工による形状変化を示した模式図である。 Ni30Ti30Nb40合金のSEM写真である。(a)は鋳造状態、(b)は98%まで加工した合金の圧延横方向から観察したものである。 Ni30Ti30Nb40合金の水素透過係数の温度依存性を示す図である。◆印は98%加工材の並列方向、○印は91%加工材の並列方向、△印は鋳造状態、●印は91%加工材の直列方向、◇印は98%加工材の直列方向の水素透過係数をそれぞれ示す。 Ni30Ti30Nb40合金の膜厚と673Kにおける水素透過係数の関係を示す図である。○印は91%加工材の並列方向、◇印は鋳造状態の水素透過係数を示す。 Ni30Ti30Nb40合金の熱処理時間と水素透過係数の変化を示す図である。○印は98%加工材の並列方向、◇印は98%加工材の直列方向の水素透過係数を示す。 98%加工後に168時間熱処理したNi30Ti30Nb40合金を圧延横方向から観察したSEM写真である。

Claims (5)

  1. 水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相とで構成された複相型水素透過合金の製造方法であって、
    合金の断面積を減ずる塑性加工処理を施して、前記水素透過性を担う相を水素透過方向に平行な方向伸ばすことを特徴とする複相型水素透過合金の製造方法
  2. 前記水素透過性を担う相は水素透過方向の全長に亘って形成されていることを特徴とする請求項1記載の複相型水素透過合金の製造方法
  3. 前記塑性加工処理後に800℃以上の加熱処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の複相型水素透過合金の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の複相型水素透過合金の製造方法で製造された複相型水素透過合金であって、
    当該複相型水素透過合金は、厚さが0.01〜1mmの合金膜であることを特徴とする複相型水素透過合金。
  5. 水素を取り込む側の面および水素を取り出す側の面にPd膜またはPd合金膜が形成され、
    当該Pd膜またはPd合金膜の厚さが50〜400nmの範囲内であることを特徴とする請求項4記載の複相型水素透過合金。
JP2006244010A 2006-09-08 2006-09-08 複相型水素透過合金およびその製造方法 Active JP5463557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006244010A JP5463557B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 複相型水素透過合金およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006244010A JP5463557B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 複相型水素透過合金およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008063628A JP2008063628A (ja) 2008-03-21
JP5463557B2 true JP5463557B2 (ja) 2014-04-09

Family

ID=39286587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006244010A Active JP5463557B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 複相型水素透過合金およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5463557B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008000647T5 (de) * 2007-03-09 2010-04-15 Hitachi Metals, Ltd. Wasserstoffdurchlässige Legierung und wasserstoffdurchlässige Folie sowie Herstellungsverfahren dafür
CN102471839B (zh) * 2010-05-31 2013-12-11 日立金属株式会社 氢分离合金及其制造方法
JP5987197B2 (ja) * 2012-03-12 2016-09-07 東京瓦斯株式会社 水素分離膜及び水素分離方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4363633B2 (ja) * 2004-02-17 2009-11-11 株式会社アルバック 水素分離・精製用複相合金及びその作製方法、並びに水素分離・精製用金属膜及びその作製方法
JP3749952B1 (ja) * 2004-09-22 2006-03-01 国立大学法人北見工業大学 結晶質複相水素透過合金および結晶質複相水素透過合金膜
JP5000115B2 (ja) * 2005-09-26 2012-08-15 株式会社日本製鋼所 水素透過合金

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008063628A (ja) 2008-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101290942B1 (ko) 수소 분리ㆍ정제용 복합상 합금 및 그 제작 방법, 그리고수소 분리ㆍ정제용 금속막 및 그 제작 방법
JP5152433B2 (ja) 水素分離合金及びその製造方法
JP3749952B1 (ja) 結晶質複相水素透過合金および結晶質複相水素透過合金膜
JP3749953B1 (ja) 複相水素透過合金および水素透過合金膜
JP5463557B2 (ja) 複相型水素透過合金およびその製造方法
US7514036B2 (en) Hydrogen permeable alloy and method for producing the same
JP2007083198A (ja) 水素透過合金およびその製造方法
JP4742269B2 (ja) 複相水素透過合金の製造方法および複相水素透過合金
KR101493473B1 (ko) 분리막용 바나듐계 수소투과합금, 그 제조 방법 및 이를 이용한 분리막의 사용 방법
JP4953337B2 (ja) 水素分離・精製用複相合金
EP1992401B1 (en) Hydrogen-permeable separation thin membranes
JP4953278B2 (ja) すぐれた水素透過分離性能を発揮する水素透過分離薄膜
JP2006274298A (ja) 水素分離・精製用複相合金およびその製造方法
JP5199760B2 (ja) すぐれた水素透過分離性能を発揮する水素透過分離薄膜
KR102130069B1 (ko) 분리막, 이를 포함하는 수소 분리막, 및 상기 분리막의 제조 방법
JP5039968B2 (ja) 結晶質複相水素透過合金および水素透過合金膜
JP3882089B1 (ja) 結晶質複相水素透過合金および水素透過合金膜
JP4953279B2 (ja) すぐれた水素透過分離性能を発揮する水素透過分離薄膜
JP4178143B2 (ja) 水素分離膜及びその製造方法
JP5549205B2 (ja) 水素分離合金、水素分離合金圧延形成用素材、水素分離合金の製造方法、および水素分離装置
JP2020142197A (ja) 水素透過装置及び水素透過装置の製造方法
JP2008194629A (ja) 水素透過合金膜
JP2014198883A (ja) 水素透過性銅合金、水素透過膜及び水蒸気改質装置
JP2006088037A (ja) 水素透過膜及び水素透過膜の製造方法
KR20180044846A (ko) 기체 혼합물로부터 수소를 분리하기 위한 막의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130131

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130207

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20130322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5463557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350