JP3749953B1 - 複相水素透過合金および水素透過合金膜 - Google Patents

複相水素透過合金および水素透過合金膜 Download PDF

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Abstract

【課題】水素透過性と耐水素脆性とを有し、473K以上で使用可能な複相水素透過合金を提供することを目的とする。
【解決手段】複合相からなり、MをNiとCoが任意の原子%で混合した合金としたとき、前記複合相が、Nbを固溶したMTi相とMを固溶したTiNb相との共晶(MTi+TiNb)構造、初晶として生成する前記TiNb相が前記共晶に囲まれている構造、或いは初晶として生成する前記MTi相が前記共晶に囲まれている構造を有し、MTiNb(100−x−y)(ただし、20<x<50原子%、10<y<60原子%である)からなる組成を有することを特徴とする複相Ni−Co−Ti−Nb系の結晶質水素透過合金である。
【選択図】図4

Description

本発明は、水素透過合金並びに水素透過合金膜に関するものである。
高純度水素は、半導体や光ファイバー、薬品などの製造に使用されており、その使用量は、年々増加している。また、最近では、燃料電池での燃料としても水素が注目され、将来本格的に燃料電池が使用されることになれば、高純度の水素が大量に必要とされる。従って、高純度の水素を低コストで大量に生産可能な方法の開発が望まれている。
水素の大量生産の方法としては、(1)非化石資源を利用する水の電気分解による方法と、(2)化石資源を利用する炭化水素の改質による方法に大別される。(1)の電気分解法では、電力源として太陽光発電で得た電気を用いて行う水の電気分解が研究されているが、現在の技術レベルでは実用化はコスト的に困難である。従って、当面は(2)の炭化水素の水蒸気改質で水素を製造することが現実的である。
前述したように、水素の大量生産のためには炭化水素の改質が適している。例えば、CHにHOを加えた反応系において、次式(1)〜(3)の反応式にしたがって大量の水素が発生する。
(化1)
CH+HO⇔CO+3H [ガス化反応(吸熱反応)](1)
(化2)
CO+HO⇔CO+H [シフト反応(発熱反応)](2)
(1)+(2)=(3)
(化3)
CH+2HO⇔CO+4H [吸熱反応](3)
反応は、化1と化2にしたがって起こり、最終的には化3の反応が生じることになる。反応系内には、大量の水素の他にCO、CO、HO、CH等の不純物ガスが含まれる。水素を燃料電池への供給原料として利用するには、水素をこれら不純物から分離・精製しなければならない。また、精製水素中のCO含量を10ppm以下にしないと、燃料電池のPt電極の損傷が発生する。即ち、水素の燃料電池への利用のためには、精製して、高純度化することが条件となる。
水素の精製法には、吸収法、深冷分離法、吸着法、膜分離法がある。これらの中で、膜分離法が実用化されている。膜分離法は、膜を透過するガスの速度の違いを利用するものであり、膜としては高分子膜や金属膜が利用されている。
高分子膜による膜分離法では、細孔を通過する気体分子の拡散速度の違いから水素の分離・精製がなされる。この膜分離法では、高純度の水素は得られないが、システムの大型化が可能であるという特徴がある。
一方、金属膜では高分子膜にある細孔は存在せず、水素の透過機構は次の通りである。金属膜を挟んで不純水素側を高圧にすると、高圧力側では水素分子(H)が金属表面で原子(H)に解離して金属に固溶し、侵入・拡散する。この水素原子は、水素濃度勾配を駆動力として金属膜を透過し低圧力側表面でHに再結合して飛び出す。不純物は透過できないので、その結果水素の精製が行われる。金属膜による水素の精製は、分離係数と透過係数が極めて大きいことが特徴である。金属膜を用いる水素の精製では、例えば、99%程度の水素を99.99999%程度に純化することが可能である。従って、燃料電池用高純度水素の精製には、金属膜による膜分離法が適しているといえる。
水素透過膜に用いる水素透過性金属膜として、Pdを主体とする合金、例えばPd−Ag合金、Pd−Ti合金等が知られている(例えば、特許文献1参照)。現在、水素の透過用金属膜としては、Pd−Ag合金膜が実用化されている。しかし、燃料電池の使用が本格化して大量の水素が必要となれば、それに応じて水素の透過用金属膜としてのPd−Ag合金の需要が増すことになる。そうなれば、高価で資源的にも少ないPdが制約となって、Pd−Ag合金膜では対応不可能と推測され、それに替わる金属膜の材料開発が急務となっている。
水素透過合金は、水素吸蔵合金と同様に「水素を吸蔵する」という特性を有することが不可欠である。しかし、それぞれの材料に要求される材料特性は表1に示すように全く異なり、水素吸蔵合金の開発指針に基づいて実現することはできない。
Figure 0003749953
水素吸蔵合金は、水素を繰り返し容易に吸蔵・放出できる合金である。水素吸蔵量が増大しても水素圧力が一定となる、つまり圧力プラトーが生じる原理を利用している。圧力プラトーはギブスの相律によって説明されるように、金属に水素が固溶した状態(以下水素固溶体とする)と水素化物が共存すると生じる。水素化物が生成しなければ、圧力プラトーが生成しないため水素吸蔵合金として効率的に使用することはできない。
水素化物は例外なく脆いが、それは水素吸蔵合金には障害とはならず、むしろ利点である。例えば、水素吸蔵前の合金が脆くても何ら問題ない。何故ならば、水素吸蔵により合金は容易に自己粉砕し、水素と反応する比表面積の増大により水素吸蔵・放出速度が大になり、水素吸蔵合金として好都合だからである。
また、水素吸蔵合金は粉末状で用い、板状または膜状で使用されることはない。使用温度が上昇、または水素圧力が低下すると水素化物生成が困難になり、水素吸蔵合金としての特性が低下するので、室温〜150℃での温度かつ0.5MPa以上の水素下での使用が求められている。
一方、水素透過合金は、水素分子(H)が金属表面で水素原子(H)に解離して金属中に進入して、吸蔵されるところまでは水素吸蔵合金と同じである。
しかし、水素透過合金では不純物を含んだ水素を高圧側とし、金属膜を透過して精製された水素を低圧側として、合金の両側に圧力差、つまり水素の濃度勾配を生じさせ、それを水素透過の駆動力としている。合金の両面に圧力差をつけることが必須であるから、粉末状態での使用は不可能であり、板または膜として使用される。
材料は水素を吸蔵すると一般に脆くなる性質がある。水素固溶体ではあまり脆くはならないが、水素化物が生成すると決定的に脆くなり、自己粉砕が生じる。そのため、水素透過合金では水素化物の生成を絶対に避けなければならない。また、温度が低下、または水素圧力が上昇すると水素化物の生成が容易になるため、水素透過合金は200℃(473K)以上での温度かつ0.5MPa以下の水素下で使用される。
以上のように、両材料の合金設計の考え方は180度異なり、水素吸蔵合金を水素透過合金として使用することは不可能であり、またその逆も同様である。水素透過合金では水素吸蔵前に延性を示し、しかも水素吸蔵により水素化物が生成しないようにしなければならない。
一般に、水素透過材料は水素固溶体を形成する領域で使用され、そのような場合には、単位時間、単位面積当たりに合金膜を透過する水素量J(molH−2−1)と水素透過係数Φ(molH−1−1Pa−0.5)との間には次式で示す関係がある。
(数1)
J=Φ(P 0.5−P 0.5)/L
上式中、P及びP(Pa)は、それぞれ上流側及び下流側の水素圧力であり、Lは水素透過合金膜の厚さ(m)である。
水素透過量Jを増大させるには、数1から明らかなように、水素透過係数Φの大きい合金を用いることの他に、薄い膜をより高い圧力差をつけて使用すれば良い。そのため、合金膜の機械的性質が優れていることが不可欠である。何故ならば、如何に水素透過係数が大きい材料であろうと、水素脆化により破壊するなら水素透過合金膜として実現することはできないからである。純Pdより100倍以上水素透過係数が高い純Nbが水素透過合金膜として使用されない理由は、Nbの耐水素脆性が低いからである。現在、水素透過合金の最大の開発課題は、如何に水素脆化を抑制するかである。
水素透過合金膜は、例えば、V,Nb,TaとTi、Zr、Ni、Coとの合金が適していることが知られている(例えば特許文献2参照)。この文献での合金設計指針は、水素透過性能の優れたV,Nb、Taに水素吸蔵能のあるTi,Zr,Hfと触媒作用のあるNi,Coから水素透過合金を作製しようとするものである。しかし、この文献には、水素透過性のみならず水素脆化については全く記述がない。また、このような指針に基いて合金を作製しても、水素脆化により合金は破壊するため、水素透過合金としては使用できない。
また、同様の文献(特許文献3参照)にもNb系水素透過合金について記載されているが、その水素透過特性はPdのそれより低下している。これらの合金は、単一相を想定しているが、単一相に水素透過性と耐水素脆性という矛盾する特性を担わせることは困難である。これらの合金で水素脆化を抑制しようとすると、水素固溶量を低下せざるを得ず、水素透過性低下の原因となる。
このような問題を解決するために、合金の複相化が効果的であることが提案されている。Ni−Ti−Nb系合金がNiTiNb100−x(ただし、x=25〜45、y=25〜55)の組成を有するとき、Nbを固溶したNiTi相とNiを固溶したTiNb相の共晶組織が生じ、水素脆化の抑制に有効である。これは、高い水素透過性を有するが水素脆化が著しいTiNb相と、耐水素脆性に優れているNiTi相との複相化により、水素透過性と耐水素脆性を両立させたものである。
また、Co−Ti−Nb系合金においてもNi−Ti−Nb系合金と同様の効果があることが知られている。すなわち、Co−Ti−Nb合金がCoTiNb100−x(ただし、20<x<50、10<y<60)の組成を有するとき、Nbを固溶したCoTi相とCoを固溶したTiNb相の共晶組織が生じ、水素透過性と耐水素脆性の両立が可能になる。
水素透過合金を工業製品に応用する場合、水素透過性や耐水素脆性以外にも,例えば、加工性、溶接性、原料価格等の要因も考慮しなければならない。そのために、合金元素の一部を他の合金元素に置換する手法が一般的に用いられる。特に重要なのは圧延性である。鋳造合金の圧延が可能であれば、効率よく水素透過合金膜を作製できる。上記Co−Ti−Nb系のCo35Ti35Nb30合金は、Pdの1.6倍程度の水素透過性を持つが、最大の冷間圧延率は20%程度であり、加工性にやや乏しい。一方、上記Ni−Ti−Nb系のNi30Ti30Nb40合金は、水素透過性はCo−Ti−Nb系合金に劣るが、70%以上の冷間加工が可能であり、例えば、鋳造合金から中間焼鈍することなく冷間圧延のみで薄体を作製できる。
また、高価な原料であるCoをNiに置き換えることができれば、安価な水素透過合金を提供することができる。
以上より、水素透過性と加工性を両立可能な合金系はNi−Co−Ti−Nb系合金であると考えられる。しかし、前記Ni−Co−Ti−Nb系合金が水素中で脆化により破壊することなく水素を透過できるか否かについては不明である。この合金系において水素透過性と耐水素脆性を両立した合金が作製できることを実証することが不可欠である。
特開平8−215551号公報(段落0006) 特開平11−276866号公報(段落0014) 特開2004−42017号公報(段落0005、0009)
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、合金組成、組織、水素透過性の関係について明らかにし、水素透過性と耐水素脆化性とを異なる相に担わせた結晶質複相水素透過合金、並びにこの合金からなる473K以上で使用可能な複相水素透過膜を提供することにある。
上記課題は、本発明者らが、Ni−Co−Ti−Nb合金においても、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複合、即ち、複相合金により水素透過性と耐水素脆性を両立できることを見いだしたことにより解決できた。
本発明の複相Ni−Co−Ti−Nb系結晶質水素透過合金は、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複合相からなることを特徴とする。
複相Ni−Co−Ti−Nb合金においては、MをNiとCoがNiCo1−z(ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、Mを固溶したTiNb相(以下TiNb相と記す)とNbを固溶したMTi相(以下MTi相と記す)との共晶(MTi+TiNb)構造、初相として生成する前記TiNb相が前記共晶に囲まれている構造、或いは初相として生成する前記MTi相が前記共晶に囲まれている構造を有する。これにより、水素透過性と耐水素脆性を両立した水素透過合金の作製が可能になり、効率よく水素を透過することができる。
前記Ni−Co−Ti−Nb系合金が、MをNiとCoがNiCo1−z(ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、MTiNb(100−x−y)(ただし、20<x<50原子%、10<y<60原子%である)からなることを特徴とする。xが20原子%以下であると水素脆化が著しく、水素透過合金として適さない。また、xが50原子%以上であると水素透過係数が極めて小さくなるあるいは鋳造状態で脆性を示すため、水素透過合金として適さない。一方、yが上記範囲を外れると鋳造状態で脆性を示すため水素透過合金として使用することはできない。
本発明の前記合金から作製された金属膜(合金膜)は、その厚さが0.01〜3mmであることを特徴とする。厚さが3mmを超えると、水素透過束(量)が小さくなり、水素透過効率が悪くなる。また、厚さが0.01mm未満であると、機械的強度が弱くなり、実用的でなくなる。
前記金属膜の表面の被処理原料を流す側と精製水素を取り出す側との両側にさらにPd膜又はPd合金膜が形成され、このPd膜又はPd合金膜の厚さが50〜400nmであることを特徴とする。このように合金材を挟んで、被処理原料ガス側(上流、高圧側)と精製水素側(下流、低圧水素側)との両側に所定の厚さのPd膜又はPd合金膜を形成すれば、当該合金膜の酸化、窒化等を防止でき、また水素の解離と再結合が容易に行われ得る。この範囲を外れると、薄い場合にはPd膜またはPd合金膜の剥離が生じ、厚い場合には不経済になる。
本発明によれば、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複相合金、例えば特定の組成を有するNi−Co−Ti−Nb系複相合金を用いることにより、473K以上で優れた水素透過性と耐水素脆化性とを両立して達成することができるという効果を奏する。
本発明者らは、Ni−Co−Ti−Nb系合金が複相合金となることから水素透過用金属膜として有用である可能性を見いだした。図1にNi−Co−Ti−Nb系4元状態図の模式図を示す。4元系状態図は正四面体となる。Ni−Ti2元系には、NiとTiの原子比率が1:1付近の組成で、B2構造(規則化した体心立方格子)のNiTi相が存在する。ただし、このNiTi相はNi側およびTi側に固溶幅を有しているので、NiとTiの原子比率の比は1:1に限定されない。また、Co−Ti2元系には、CoとTiの原子比率が1:1付近の組成で、B2構造のCoTi相が存在する。同様の理由で、CoTi相のCoとTiの原子比率の比は1:1に限定されない。
Ni−Co−Ti系では、上記NiTi相およびCoTi相が全率固溶体を形成する。Ni、Coの原子比率の和とTiの原子比率の比が1:1付近、つまり(Ni+Co):Ti=1:1(原子比)付近であれば、NiおよびCoの原子比率は任意に選択してもB2構造の相を形成する。本明細書では、前記B2構造を有する相をMTi相と記す。ただし、MはNiとCoがNiCo1−z(ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金とする。
一方、Ti−Nb2元系では、Nbの濃度が40原子%以上で体心立方構造の相を形成する。本明細書では前記体心立方構造を有する相をTiNb相と記す。
Ni−Ti−Nb3元系、Co−Ti−Nb3元系では、NiTi相とNbを結んだ線上付近、CoTiとNbを結んだ線上付近で、NiTi+TiNb2相領域、CoTi+TiNb2相領域をそれぞれ形成する。そのため、M−Ti−Nb系においても、MTiとNbを結んだ線上付近でMTi+TiNb2相領域を形成する。つまり、図1でNiTi,CoTiおよびNbを結んだ3角形付近に、MTi+NbTiの2相領域が生成する。ただし、MTi相はNb側に固溶領域を有するので、MTi相中にNbが含まれている。同様に、NbTi相中にもMが含まれている。
本発明の実施の形態によれば、水素透過金属膜としてNi−Co−Ti−Nb系合金からなる膜を用いるものであり、この金属膜は、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複合相を有する複相合金からなる。MをNiとCoがNiCo1−z(ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、MTiNb(100−x−y)(ただし、20<x<50原子%、10<y<60原子%である)とすることにより、Mを固溶したTiNb相とNbを固溶したMTi相との共晶(MTi+TiNb)からなる複相合金材、この共晶と初相TiNb相からなる複合合金材、或いはこの共晶と初相MTi相からなる複合合金材提供することができ、この複相合金材の例えば鋳造合金材から金属膜を提供できる。この複相合金材は、水素透過性と耐水素脆性との両特性に優れており、水素透過のための金属膜を構成するのに適している。この複相合金の水素透過係数は組成により異なるが、現在水素精製用金属膜として実用化しているPd合金膜と同等以上の水素透過性を示す。
本発明の複相合金からなる金属膜は、Pd合金膜に比ベ1/4〜1/8の費用で作製可能のため低コストであり、また、将来懸念されるPdの資源枯渇の際の代替品として適用できる材料といえる。
本発明の合金材の作製方法は特に限定されないが、原料金属を所定の組成になるように配合後、Ar等の不活性ガス雰囲気中のアーク溶解、Ar等の不活性ガス雰囲気中若しくは真空中の高周波誘導加熱溶解、Ar等の不活性ガス雰囲気中若しくは真空中の電気炉中溶解、真空中の電子ビーム溶解、又はレーザ加熱溶解等の溶解法等により作製される。
または、上記溶解法により作製した合金を粉砕後に、Ar等の不活性ガス雰囲気中でメカニカルグラインディングを施した合金粉末、あるいはそれぞれの原料金属粉末を所定の組成になるように配合後に、Ar等の不活性ガス雰囲気中でメカニカルアロイングを施した粉末等を固化成型する粉末冶金法等により作製される。
水素透過用金属膜の厚さが薄いほど水素透過束(量)が大きくなり、水素透過効率が良くなる。しかし、金属膜の厚さが薄くなれば横械的強度が弱くなる。そのためこれら合金系の場合、合金膜の厚さは0.01〜3mmであることが好ましい。
これら合金材を水素透過用金属膜として利用するためには、その合金材を挟んで、原料ガス側(上流、高圧水素側)と精製水素側(下流、低圧水素側)との両側にそれぞれ、水素の解離と再結合のために、さらにPd膜又はPd合金膜を形成することが必要である。その厚さは、一般に50〜400nm、好ましくは100〜200nmである。
水素の解離と再結合のために、これら合金膜の両側にPd又はPd合金膜を形成する方法は特に制限されず、例えば、真空蒸着、スパックリング、イオンプレーティング、電解めっき、無電解めっき等のいずれで行ってもよい。
以下、本究明の実施例を説明する。
(実施例1)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=10原子%になるように、Ni(純度99.9%)、Co(純度99・9%)、Ti(純度99.5%)、Nb(99.9%)の所定量を配合した。この配合物をアーク溶解炉に装填し、真空引きを行った。真空引きは、油回転ポンプと油拡散ポンプを用い、1.3×10−3Pa以下まで行った。真空引き完了後、47kPaのアルゴンガスを導入しアーク溶解を行った。均一な合金を作製するため、溶解後の鋳塊を反転し再溶解を行った。鋳塊の反転−再溶解は6回行った。このようにして得られた鋳塊から、放電加工により直径12mm、厚さ1mmの円盤を切り出し、測定試料とした。
試料の両側を紙ヤスリ、バフ、次いで、直径0.5μmのαアルミナで研磨した後、試料の微小構造観察には走査型電子顕微鏡(SEM)、結晶構造解析にはX線回折装置(XRD)を用いた。化学組成はエネルギー分散型X線分析装置(EDS)により決定した。相の体積占有率は、パブリック・ドメインNIHイメージプログラムを使って、マッキントッシュ・コンピュータにより算出した。
上記αアルミナで研磨した試料をアセトンで洗浄後、高周波マグネトロンスパッタ装置内にセットした。研磨後の合金試料の厚さは0.7mmであった。油回転ポンプ、クライオポンプを用いて、4×10−3Paまで真空引きを行った。その後、試料表面に付着した酸化皮膜等を除去するため、RF電源を用いて10分間の逆スパッタを行った。次いで、試料をスパッタ装置内で350℃に加熱し、DC電源を用いて5分間Pdのスパッタを行った。この条件で被覆されるPd膜の厚さは190nmである。
水素透過測定は次のような流量法により実施した。先ず、Pd被覆した円盤試料をCuガスケットでシールした。次いで、円盤の両側を油拡散ポンプにより排気して3×10−3Pa以下の圧力にし、その後円盤を加熱して673Kにし、そのまま30分間保持した。それから水素ガス(純度99.99999%)を下流側及び上流側に、それぞれ0.1及び0.2MPa導入し、その後水素透過測定を行った。上流側の水素圧力を0.2MPaから0.97MPaまで増大させ、また、温度は段階的に673Kから523Kまで50K間隔で下げた。一定温度に30分保持してから水素透過試験を開始した。水素透過束J(molH−2−1)はマスフローメータを用いて測定した。
数1に示されるように、J×L対(Pu0.5−Pd0.5)プロットの傾きから水素透過係数Φが求められる。673Kでの(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材の水素透過係数は、1.47×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、純Pdと同等であった。
鋳造状態の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材のX線回折パターン解析から、この合金材は、B2型−MTiと体心立方型−TiNbからなっていた。
鋳造状態の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材のSEM写真を図2に示す。この合金は、白色の初晶とグレーの共晶から構成されているのが分かる。EDS分析の結果、初晶の合金組成はNiCoTi13Nb83(原子%)であった。従って、初晶はTiNb相であるといえる。一方、共晶部分は組織が非常に細かいため、共晶を構成する相を単独で組成分析することは不可能であった。しかし、共晶部分の平均組成はNi12Co24Ti34Nb30(原子%)であった。従って、この共晶はMTi相とTiNb相から構成され、初晶が共晶に囲まれている。
以上のように、初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成される複相合金は、優れた水素透過係数、即ち水素透過特性を示すことが分かり、水素透過用金属膜として使用できた。
(実施例2)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=20原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。得られた鋳造状態の(Ni20Co10)Ti30Nb40合金材のSEM写真を図3に示す。X線回折パターン解析の結果、EDS分析の結果より、この合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていることが分かる。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.81×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。
上記のように得られた実施例1に記載の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金、および実施例2に記載の(Ni20Co10)Ti30Nb40合金について、J×L対(Pu0.5−Pd0.5)プロットの傾きから計算した水素透過係数Φの温度依存性をアレニウスプロットの形で図3に示す。なお、図4には参考としてx=0の合金(Co30Ti30Nb40合金)、x=30の合金(Ni30Ti30Nb40合金)の結果も示してある。両合金とも温度の下降にしたがって水素透過係数が減少した。また、523Kでも水素脆化は生じず、Pdと同等の水素透過性を有していることがわかる。
(実施例3)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=5原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(NiCo25)Ti30Nb40合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.80×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
(実施例4)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=15原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(Ni15Co15)Ti30Nb40合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.33×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
(実施例5)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=25原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(Ni25Co)Ti30Nb40合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.55×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
以上の実施例1〜5で作製した合金の鋳造状態でのX線回折パターンを図5にまとめた。(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材は、x=5〜25原子%の範囲でB2構造のMTi相と体心立方構造のNbTi相から構成される。また、x=0原子%およびx=30原子%の合金材も上記構造を有することが分かっている。従って、(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材は、任意のx(ただし0≦x≦30原子%である)において上記構造を有すると言える。
以上の実施例1〜5から、(NiCo30−x)Ti30Nb40合金は、x=5〜25原子%の範囲で水素透過試験が可能であった。また、x=0原子%およびx=30原子%の合金材も水素透過試験が可能であることが分かっている。従って、(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材は、任意のx(ただし0≦x≦30原子%である)において水素透過性と耐水素脆性の両立した水素透過合金膜を作製することが可能と言える。
(実施例6)
(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材の組成がx=10原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。J×L対(Pu0.5−Pd0.5)プロットの傾きから求めた(Ni10Co25)Ti35Nb30合金材の水素透過係数は、673Kで1.30×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
鋳造状態の(Ni10Co25)Ti35Nb30合金材のX線回折パターン解析から、この合金材は、B2型−MTiと体心立方型−TiNbからなっていた。
鋳造状態の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材のSEM写真を図6に示す。この合金は、共晶から構成されているのが分かる。EDS分析の結果、共晶部分の平均組成はNi10Co25Ti36Nb29(原子%)であった。従って、この共晶はMTi相とTiNb相から構成されているといえる。
以上のように、共晶(MTi+TiNb)から構成される複相合金は、優れた水素透過係数、即ち水素透過特性を示すことが分かり、水素透過用金属膜として使用できた。
(実施例7)
(NiCo30−x)Ti30Nb40合金材の組成がx=20原子%になるようにした。合金作製は、実施例1と同様にした。得られた鋳造状態の(Ni20Co15)Ti35Nb30合金材のSEM写真を図7に示す。X線回折パターン解析の結果、EDS分析の結果より、この合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていることが分かる。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.17×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。
上記のように得られた実施例6に記載の(Ni10Co25)Ti35Nb30合金、および実施例7に記載の(Ni20Co15)Ti35Nb30合金について、J×L対(Pu0.5−Pd0.5)プロットの傾きから計算した水素透過係数Φの温度依存性をアレニウスプロットの形で図8に示す。なお、図8には参考としてNi35Ti35Nb30合金、Co35Ti35Nb30合金の結果も示してある。両合金とも温度の下降にしたがって水素透過係数が減少した。また、523Kでも水素脆化は生じず、Pdと同等の水素透過性を有していることがわかる。
(実施例8)
(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材の組成がx=5原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(NiCo30)Ti35Nb30合金は共晶(MTi+TiNb)から構成されていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.89×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
(実施例9)
(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材の組成がx=15原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(Ni15Co20)Ti35Nb30合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.15×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
(実施例10)
(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材の組成がx=25原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(Ni25Co10)Ti35Nb30合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は1.17×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
(実施例11)
(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材の組成がx=30原子%になるようにした。合金試料作製は、実施例1と同様にした。X線回折パターン解析の結果、SEM観察の結果およびEDS分析の結果より、得られた鋳造状態の(Ni30Co)Ti35Nb30合金は初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)から構成され、初晶が共晶によって囲まれていた。この合金材の673Kでの水素透過係数は0.98×10−8(molH−1−1Pa−0.5)であり、水素透過用金属膜として使用可能であった。また、523Kでも水素脆化は生じなかった。
以上の実施例6〜11で作製した合金の鋳造状態でのX線回折パターンを図9にまとめた。(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材は、x=5〜30原子%の範囲でB2構造のMTi相と体心立方構造のNbTi相から構成される。また、x=0原子%およびx=35原子%の合金材も上記構造を有することが分かっている。従って、(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材は、任意のx(ただし0≦x≦35原子%である)において上記構造を有すると言える。
以上の実施例6〜11から、(NiCo35−x)Ti35Nb30合金は、x=5〜30原子%の範囲で水素透過試験が可能であった。また、x=0原子%およびx=35原子%の合金材も水素透過試験が可能であることが分かっている。従って、(NiCo35−x)Ti35Nb30合金材は、任意のx(ただし0≦x≦35原子%である)において水素透過性と耐水素脆性の両立した水素透過合金膜を作製することが可能と言える。
Ni−Ti−Nb系合金材は、Nb量に応じて、(1)初晶NiTiと共晶(NiTi+TiNb)、(2)共晶(NiTi+TiNb)、(3)初晶TiNbと共晶(NiTi+TiNb)の3つの構造を取る。同様にCo−Ti−Nb系合金材も、Nb量に応じて、(4)初晶CoTiと共晶(CoTi+TiNb)、(5)共晶(CoTi+TiNb)、(6)初晶TiNbと共晶(CoTi+TiNb)の3つの構造を取る。また、上記(1)〜(6)の構造を有する合金は、全て水素脆化することなく、水素透過が可能である。従って、Ni−Co−Ti−Nb系合金の組成をMTiNb(100−x−y)(ただし、20<x<50原子%、10<y<60原子%である)とすれば、Nb量に応じて(7)初晶MTiと共晶(MTi+TiNb)(8)共晶(MTi+TiNb)、(9)初晶TiNbと共晶(MTi+TiNb)という3つの構造を有する合金を作製でき、これらは全て水素透過が可能であると考えられる。
本発明によれば、水素透過性を担う相と耐水素脆化性を担う相との複相合金である特定の組成を有するNi−Co−Ti−Nb系複相合金を用いることにより、優れた水素透過性と耐水素脆化性とを両立して達成することができる。そのため、極めて高い効率で水素の透過を行うことができので、得られた高純度水素を、燃料電池用の供給燃料や、半導体、光ファイバー、薬品等の製造分野に適用可能である。
Ni−Co−Ti−Nb4元系状態図の模式図である。 実施例1における鋳造状態の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材のSEM写真である。 実施例2における鋳造状態の(Ni20Co10)Ti30Nb40合金材のSEM写真である。 実施例1、2における鋳造状態の(Ni10Co20)Ti30Nb40合金材、(Ni20Co10)Ti30Nb40合金材及び比較用Ni30Ti30Nb40合金材、Co30Ti30Nb40合金材の水素透過係数の温度依存性を示すグラフである。 (NiCo30−x)Ti30Nb40合金(ただしx=5、10、15、20、25)のX線回折プロファイルである。 実施例6における鋳造状態の(Ni10Co25)Ti35Nb30合金材のSEM写真である。 実施例7における鋳造状態の(Ni20Co15)Ti35Nb30合金材のSEM写真である。 実施例6、7における鋳造状態の(Ni10Co25)Ti35Nb30合金材、(Ni20Co15)Ti35Nb30合金材及び比較用Ni35Ti35Nb30合金材、Co35Ti35Nb30合金材の水素透過係数の温度依存性を示すグラフである。 (NiCo35−x)Ti35Nb30合金(ただしx=5、10、15、20、25、30)のX線回折プロファイルである。

Claims (5)

  1. 複合相からなり、MをNiとCoがNi Co 1−z (ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、前記複合相が、Nbを固溶したMTi相とMを固溶したTiNb相との共晶(MTi+TiNb)構造、初晶として生成する前記TiNb相が前記共晶に囲まれている構造、或いは初晶として生成する前記MTi相が前記共晶に囲まれている構造を有し、MTiNb(100−x−y)(ただし、20<x<50原子%、10<y<60原子%である)からなる組成を有することを特徴とする複相Ni−Co−Ti−Nb系の結晶質水素透過合金。
  2. 複合相からなり、MをNiとCoがNi Co 1−z (ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、前記複合相が、Nbを固溶したMTi相とMを固溶したTiNb相との共晶(MTi+TiNb)構造、初晶として生成する前記TiNb相が前記共晶に囲まれている構造、或いは初晶として生成する前記MTi相が前記共晶に囲まれている構造を有し、(NiCo30−x)Ti30Nb40(ただし、0<x<30原子%である)からなる組成を有することを特徴とする複相Ni−Co−Ti−Nb系の結晶質水素透過合金。
  3. 複合相からなり、MをNiとCoがNi Co 1−z (ただし0<z<1原子比率である)で混合した合金としたとき、前記複合相が、Nbを固溶したMTi相とMを固溶したTiNb相との共晶(MTi+TiNb)構造、初晶として生成する前記TiNb相が前記共晶に囲まれている構造、或いは初晶として生成する前記MTi相が前記共晶に囲まれている構造を有し、(NiCo35−x)Ti35Nb30(ただし、0<x<35原子%である)からなる組成を有することを特徴とする複相Ni−Co−Ti−Nb系の結晶質水素透過合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の結晶質複相水素透過合金において、当該合金膜は厚さが0.01〜3mmであることを特徴とする結晶質複相水素透過合金膜。
  5. 請求項4記載の結晶質複相水素透過合金膜において、当該合金膜の表面の水素を流す側と取り出す側との両面にPd膜またはPd合金膜が形成され、かつ当該Pd膜またはPd合金膜の厚さが50〜400nmの範囲内であることを特徴とする結晶質複相水素透過合金膜。
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