JP5463374B2 - ガス吹き込みノズル - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉や転炉などに取り付けられ、溶融金属にガスを吹き込むために用いるガス吹き込みノズルに関する。
電気炉や転炉などの溶融金属精錬容器の底または側壁には、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス、あるいは一酸化炭素ガス、炭酸ガスなどを、精錬炉内の溶融金属中に吹き込むためのガス吹き込みノズルが設置されているのが一般的である。
このガス吹き込みノズルは、耐熱スポーリング性、耐摩耗性、および溶銑、溶鋼、スラグなどに対する耐食性が要求されるため、一般的に、例えばマグネシア・カーボン煉瓦等の炭素含有耐火物に、1本または複数本のガス吹き込み用金属細管(例えばステンレス鋼等)を前記耐火物を貫通するように埋め込んだ形で設置して作製される。
なお、大量にガスを吹き込む用途に使用されるガス吹き込みノズルとしては、単管タイプで管内径の大きいものが用いられる。特に多くのガスを吹き込む必要がなく、緻密な気泡のガスを吹き込むことが望ましい用途には、複数の金属細管を耐火物に貫通するように埋め込んだ形の細管タイプのものが用いられ、この細管タイプに用いられる金属細管としては、一般的には管内径φ1.5〜2.5mm、管肉厚0.5〜1.0mmのものが用いられる。
また、このようなガス吹き込みノズルにおいては、使用時にはノズルそのものの温度が上昇し、炭素含有耐火物中の炭素が金属細管に浸透する浸炭現象により、金属細管の融点が低下して溶融することが一般的に知られている。そして、金属細管が溶融すると、ガスの吹き込みによって生じる溶鋼流が直接に炭素含有耐火物に当たり、損耗し易くなる。このため、ガス吹き込みノズル自体の寿命が短くなる。
金属細管のかかる問題点を解決するために特許文献1〜5のような技術が提案されている。
(1)ガス導入管の外周に耐火性焼結体を配設するもの(特許文献1参照)。
(2)ガス導入管の周囲をカーボンを含まないキャスタブルとしたもの(特許文献2参照)。
(3)ガス導入管の周囲にMgO質コーティング層を設けるもの(特許文献3参照)。
(4)ガス導入管の外表面に溶射によって形成した酸化物層を設けるもの( 特許文献4参照)。
(5)ガス導入管の外表面にアルミニウムを含む合金層を設けるもの(特許文献5参照)。
上記(1)〜(5)の対策を実施することにより、ある程度の寿命の延長を図ることが可能になる。しかしながら、その効果は限定的なものであり、必ずしも十分なものではなかった。
[関連技術]
これに対し、本発明の発明者らは、以下に説明するような、新しいタイプのガス吹き込みノズルを提案している(特願2010−153958号)。
このガス吹き込みノズルは、
(a)開口した炉内側先端が炉内に露出し、炉内の溶融金属にガスを吹き込むことが可能な状態にある複数の第1金属細管と、第1金属細管と連通する第1サージタンクとを備える第1ノズル部と、
(b)耐火物中に埋設され、炉内側先端が閉塞している複数の第2金属細管と、第2金属細管と連通する第2サージタンクとを備える第2ノズル部と
を具備するガス吹き込みノズルであり、
第1ノズル部からのガスの吹き込みが継続して行われることにより、第2金属細管の炉内側先端に達するまで第2耐火物の損耗が進むと、閉塞していた第2金属細管の炉内側先端が開口し、第2ノズル部の第2金属細管からのガスの吹き込みが開始するように構成されている。
したがって、それまでガスを吹いていた第1ノズル部を構成する第1金属細管および第1耐火物が所定のラインまで損耗した時点で、ガス吹き込みの経路が、第1ノズル部の吐出口近傍より耐火物の損耗の程度が軽微な第2ノズル部から(詳しくは、第2金属細管の炉内側先端から)のガス吹き込みに切り換えられるため、上述の位置による耐火物の損耗差を有効に利用して、耐用寿命を延ばすことができるという特徴を有している。
しかしながら、このガス吹き込みノズルの場合、第1ノズル部から第2ノズル部への切り換え時に、複数本配設した第2ノズル部のうち、数本しか通気しない場合があり、切り換えが必ずしも上手くいかない場合が生じていた。
特開2003−231912号公報 実開平02−61950号公報 特開平10−265829号公報 特開2000−212634号公報 特開2011−26643号公報
本発明は、上記課題を解決するものであって、上記関連技術にかかるガス吹き込みノズルの改良にかかるものであり、第1ノズル部から第2ノズル部への切り換え時の通気を円滑に行うことが可能で、信頼性の高いガス吹き込みノズルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、発明者等は、第1ノズル部から第2ノズル部への切り換え時の状況を観察し、切り換えが上手くいかない原因を検討した。その結果、例えば図7に模式的に示すように、第2ノズル部20を構成する複数本の第2金属細管21のうち、一部の第2金属細管21(21a)しか通気しない状況があることを確認した。通気する第2金属細管21(21a)は、ほとんどが第1ノズル部の近傍に位置するものであり、第1ノズル部10から離れた第2金属細管21(21b,21c)は通気しないものが多く認められた。
これは、第1ノズル部を構成する第1金属細管、および第2ノズル部を構成する第2金属細管を埋設した耐火物の損耗の程度が位置により異なり、第1ノズル部に近い側で耐火物の損耗が大きく、そこに位置する第2ノズル部を構成する第2金属細管からの通気が行われ易くなることによるものである。
一般に、炉内耐火物全体を見た場合、炉内位置によって損耗速度が異なることはよく知られているが、これまでは、1個の耐火物においては位置による損傷速度は同一であり、多少の違いがあっても無視できるものと仮定し、第2ノズル部の長さは同一としてきた。しかし、実際には、上述のように、1個のノズル耐火物内でも位置によっては損耗量が異なることが解った。これは、特に損傷の著しい第1ノズル部の近傍であるためその差が顕在化したものと考えられる。
このように、第2ノズル部に埋設されている複数本の第2金属細管が概ね同時期にガス通気を開始するかどうかは、上記の損耗速度の差異が深く関係し、その結果として、第2ノズル部を構成する複数の第2金属細管のうち、一部の第2金属細管からしか通気しないという事態が生じることが解った。
第1ノズル部を構成する複数の第1金属細管からの吹き出しから、第2ノズル部を構成する複数の第2金属細管からの吹き出しに切り換えるためには、必ずしも第2ノズル部を構成する第2金属細管のすべてが通気することは必要ではないが、精錬容器内の溶融金属の攪拌に影響がない程度の本数の第2金属細管からの通気が必須である。この通気が可能にならないと、第1ノズル部と第2ノズル部の両方から同時にガスが吹き出し続けることになり、第1金属細管およびガスの吹き込みを開始した第2金属細管内の圧力が低下する。
そして、圧力が低下した状態でガスの吹き込みを続けると、最悪の場合、まだ開口していない第2金属細管からのガスの吹き込みができなくなる場合が発生する。この段階の第2ノズル部を回収してその状態を調べると、まだ開口していない第2金属細管の先端部が軟化変形して、金属細管が閉塞されていることが確認された。
これは、吹き込み圧力が十分に高い場合、高温での軟化変形による第2金属細管の開口部の収縮と、内圧とがバランスして、開口している状態が保たれるのに対し、内圧がある程度以上に低下すると第2金属細管の開口部の収縮力が内圧を上回ってしまい、第2金属細管の閉塞が発生するものと考えられる。
また、このような最悪の事態にならないまでも、第1ノズル部と第2ノズル部の両方から同時にガスが吹き出し続ける時間が長くなると、それに伴って第2金属細管の損傷が大きくなり、結果として、第1ノズル部と第2ノズル部からのガスの吹き込みを切り換えるようにした構成から得られる効果、すなわち、第1ノズル部からのガスの吹き込みを継続して行い、第2耐火物の損耗が進んで閉塞していた第2金属細管の炉内側先端が開口して、第2ノズル部の第2金属細管からのガスの吹き込みが始まるようにする(第1ノズル部から第2ノズル部にガスの吹き込みを切り換える)ことにより、位置による耐火物の損耗差を有効に利用して、耐用寿命を延ばすという効果を得ることができなくなる。
さらに発明者等は、ガス吹き込みノズルと同等の位置にあった炉底内張り耐火物を回収し、位置による損傷速度の違いを測定した。その結果、1個の煉瓦内であっても損傷速度に差があり、第2ノズル部の複数の第2金属細管のうち、最初の第2金属細管の炉内側先端が開口(露出)して、ガスを導入できる状態になる時点と、最後の第2金属細管の炉内側先端が開口(露出)して、ガスを導入できる状態になる時点とでは数チャージ、場合によっては30チャージ以上の差が生じる場合があることを知った。なお、ここでいうチャージは、精錬容器において所定量の溶融金属を精錬し、別の容器に移し換えるまでの回数を意味する。
発明者等は、上述の検討を行って得た知見に基づき、さらに実験、検討を行って本発明を完成した。
すなわち、本発明のガス吹き込みノズルは、
ガス導入用の複数の金属細管と、吹き込み前のガスをプールするサージタンクと、前記金属細管および前記サージタンクを保護する耐火物とを備えた、炉内の溶融金属にガスを吹き込むためのガス吹き込みノズルであって、
炉内側先端が開口しているとともに、前記炉内側先端が炉内に露出し、炉内の溶融金属にガスを吹き込むことが可能な状態にある複数の第1金属細管と、前記第1金属細管と連通する第1サージタンクと、前記第1金属細管および前記第1サージタンクを保護する第1耐火物とを備える第1ノズル部と、
炉内側先端が所定の深さに位置するように耐火物中に埋設され、前記炉内側先端が閉塞した複数の第2金属細管と、前記第2金属細管と連通する第2サージタンクと、前記第2金属細管および前記第2サージタンクを保護する第2耐火物とを備える第2ノズル部とを具備し、
前記第2ノズル部にガスの圧力をかけた状態で、前記第1ノズル部からのガスの吹き込みが継続して行われ、前記第2耐火物中に埋設された前記第2金属細管の前記炉内側先端に達するまで前記第2耐火物の損耗が進むと、閉塞していた前記第2金属細管の前記炉内側先端が開口し、前記第2金属細管からのガスの吹き込みが開始するように構成されたガス吹き込みノズルにおいて、
複数本の前記金属細管のうち、少なくとも一部の第2金属細管の、前記炉内側への延長線上に、周囲の前記第2耐火物とは損耗速度の異なる第3耐火物が配設されていること
を特徴としている。
本発明のガス吹き込みノズルにおいては、 前記第3耐火物が、前記炉内側先端の開口を封止するような態様で配設されていることが好ましい。
また、前記第3耐火物の、前記第2金属細管の前記炉内側先端から炉内に向かう方向の寸法である厚みが1〜20mmであることが好ましい。
また、前記第3耐火物は、前記第2金属細管の前記炉内側先端が入り込む凹部を備えたキャップ状の構造を有するものであることが好ましい。
また、前記第3耐火物は、1つのブロックで複数の前記第2金属細管の前記炉内側先端の開口を封止するように構成されていることが好ましい。
また、複数の前記第2金属細管が、その周囲の耐火物の損耗速度の大きさにより、複数のグループに分けられているとともに、
複数の前記グループのうち、所定のグループに属する前記第2金属細管の前記炉内側への延長線上に所定の損耗速度を有する前記第3耐火物を配設することにより、複数の前記第2金属細管のうちの大部分の第2金属細管において、近似したタイミングでガスの吹き込みが開始するように構成されていることが好ましい。
本発明のガス吹き込みノズルは、上述のように、炉内の溶融金属にガスを吹き込む複数の第1金属細管と、第1金属細管と連通する第1サージタンクと、第1金属細管および第1サージタンクを保護する第1耐火物とを備える第1ノズル部と、炉内側先端が耐火物中に埋設され複数の第2金属細管と、第2金属細管と連通する第2サージタンクと、第2金属細管および第2サージタンクを保護する第2耐火物とを備える第2ノズル部とを具備し、第1ノズル部からのガスの吹き込みが継続して行われ、第2耐火物中に埋設された第2金属細管の炉内側先端に達するまで第2耐火物の損耗が進むと、第2金属細管からのガスの吹き込みが開始するように構成されたガス吹き込みノズルにおいて、複数本の第2金属細管のうち、少なくとも一部の第2金属細管の、炉内側への延長線上に、周囲の第2耐火物とは損耗速度の異なる第3耐火物を配設するようにしているので、複数本埋設した第2金属細管の先端がほぼ同時期に炉内に露出させることを可能にして、第1金属細管からのガスの吹き出しから、第2金属細管からのガスの吹き出しへの切り換えを円滑に行うことが可能になる。そして、その結果、上記切り換えが円滑に進まなかった場合にしばしば発生する第2金属細管の閉塞を回避することができるようになる。また、第1ノズル部と第2ノズル部から同時にガス吹きをすることがないため、ノズル寿命の延長も図れるようになる。
また、本発明のガス吹き込みノズルにおいて、第3耐火物が、前記炉内側先端の開口を封止するような態様で配設されている場合、地金侵入による第2金属細管の閉塞を防止して、信頼性を向上させることができる。
また、第3耐火物の、第2金属細管の炉内側先端から炉内に向かう方向の寸法である厚みを1〜20mmの範囲とすることにより、複数の第2金属細管からのガス吹きのタイミングをあまりばらつかせないようにすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、第3耐火物を、第2金属細管の炉内側先端が入り込む凹部を備えたキャップ状の構造とすることにより、第2金属細管の炉内側先端開口を所定の時間(切り換え時間)まで確実に封止することが可能になり、より信頼性を向上させることができるようになる。
ただし、本発明のガス吹き込みノズルにおいては、その製造方法などにより、第3耐火物を、特に凹部を備えていない形状、構造のものとすることも可能である。
また、第3耐火物が、1つのブロックで複数の第2金属細管の炉内側先端の開口を封止することができるように構成されている場合、製造工程を効率化して、生産性を向上させることができる。
複数の第2金属細管を、その周囲の耐火物の損耗速度の大きさにより、複数のグループに分け、所定のグループに属する第2金属細管の炉内側への延長線上に所定の損耗速度を有する第3耐火物を配設することにより、複数の第2金属細管のうちの大部分の第2金属細管において、近似したタイミングでガスの吹き込みが開始するようにすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
溶融金属精錬容器(精錬炉)の底部に組み込んだ状態の、本発明の実施形態にかかるガス吹き込みノズルを模式的に示す正面断面図である。 本発明の実施形態にかかるガス吹き込みノズルの要部構成を示す図であり、(a)は第2ノズル部を構成する複数の第2金属細管の配設態様および第3耐火物の配設態様を模式的に示す平面断面図、(b)はその正面断面図である。 本発明の実施形態にかかるガス吹き込みノズルを用いて溶融金属にガスの吹き込みを開始した状態を示す正面断面図である。 本発明の実施形態にかかるガス吹き込みノズルを用いて溶融金属にガスの吹き込みを行う場合における、第1ノズル部から第2ノズル部への切り換えの状態を模式的に示す正面断面図である。 (a)〜(d)は、本発明のガス吹き込みノズルに用いられる、種々の形状を有するキャップ状の第3耐火物を示す正面断面図である。 本発明のガス吹き込みノズルに用いられるキャップ状の第3耐火物の変形例を示す図である。 本発明の実施形態にかかる他のガス吹き込みノズルの要部構成を示す図であり、(a)は第2ノズル部を構成する複数の第2金属細管の配設態様および第3耐火物の配設態様を模式的に示す平面断面図、(b)はその正面断面図である。 本発明が関連する発明にかかるガス吹き込みノズルの問題点を示す図である。
図1は本発明の実施形態にかかるガス吹き込みノズルを溶融金属精錬容器(精錬炉)の底部に組み込んだ状態を模式的に示す正面断面図、図2は、第2ノズル部を構成する複数の第2金属細管の配設態様および第3耐火物の配設態様を模式的に示す図であって、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図である。
図1に示すように、このガス吹き込みノズルAは、電気炉や転炉などの精錬炉1内の溶融金属2にガスを吹き込むためのガス吹き込みノズルである。このガス吹き込みノズルAは、炉内側先端111が開口しているとともに、炉内側先端111が炉内に露出し、炉内の溶融金属2にガスを吹き込むことが可能な状態にある複数の第1金属細管11と、第1金属細管11と連通する第1サージタンク12と、第1金属細管11および第1サージタンク12を保護する第1耐火物13とを備える第1ノズル部10を備えている。
ガス吹き込みノズルAは、さらに、複数の第2金属細管21と、第2金属細管21と連通する第2サージタンク22と、第2金属細管21および第2サージタンク22を保護する第2耐火物23とを備える第2ノズル部20を備えている。
また、第1ノズル部10および第2ノズル部20は、サポート耐火物31により一体に保持されている。なお、サポート耐火物31は、例えば、第1ノズル部10および第2ノズル部20の周囲を取り囲むように、複数のサポートれんがを一つのユニットに組んだ構造体である。
そして、図1および図2に示すように、第2ノズル部20において、第2金属細管21は、炉内側先端121が所定の深さに位置するように第2耐火物23中に埋設されているとともに、第2ノズル部20を構成する複数本の第2金属細管21のうちの所定の第2金属細管21(21a,21c)の炉内側先端121には、第2金属細管21の延長線上で、炉内側先端121から、精錬炉1の内部(炉内)に向かう領域に、炉内側先端121の開口を封止するような態様で、周囲の第2耐火物23とは損耗速度の異なる第3耐火物33が配設されている。
なお、第2ノズル部20を構成する複数の第2金属細管21のうち、その炉内側先端121側に、第3耐火物33が配設されることになる第2金属細管21、および、配設される第3耐火物33の特性については、以下に説明する方法により定めた。
先に述べたように、複数本の第2金属細管21が埋設されている第2耐火物23は、通常、位置毎に損耗速度が多少異なるので、まず、損耗速度の似通った複数のグループに段階分けする。
なお、第2耐火物23を、損耗速度の似通った複数のグループに段階分けするにあたって、段階分けすべき損耗速度の段階の数(すなわち、グループの数)に特別の制約はなく、2段階以上の任意の段階に分けることができる。ただし、段階数を多くしすぎると、製造工程が煩雑になり、生産性が低下するため、通常は3段階から4段階程度とすることが好ましい。
例えば、損耗速度を3段階とした場合(すなわち、図1の構成の場合)の具体的な方法および構成は以下に説明するようになる。
まず、第2耐火物23を、その位置により損耗速度が大きい第1のグループ、損耗速度が中程度の第2のグループ、損耗速度の小さい第3のグループに分ける。
そして、第2耐火物23の、損耗速度が大きい第1のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21a)の炉内側先端121側には、第2耐火物23よりも損耗速度の小さい第3耐火物33(33a)を配設する。
また、損耗速度が中程度の第2のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21b)の炉内側先端121側には、特に第3耐火物を配設せず、そのままにする。
そして、損耗速度の小さい第3のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21c)の炉内側先端121側には、には、第2耐火物23よりも損耗速度の大きい第3耐火物33(33b)を配設する。
なお、第3耐火物33(33a,33b)を配設するにあたっては、第2金属細管21の延長線上で、炉内側先端121から、精錬炉1の内部(炉内)に向かう領域に、炉内側先端121の開口を封止するような態様で配設する。
上述のように構成されたガス吹き込みノズルを用いてガスの吹き込みを行う場合、まず、図3Aに示すように、第2ノズル部20を構成する閉塞した第2金属細管21にもガスの圧力をかけた状態で、第1ノズル部10を構成する第1金属細管11からガスを吹き込む。
この状態で精錬炉1が継続して稼働すると、第1ノズル部10を構成する第1金属細管11および第1耐火物13が徐々に損耗し、それに伴って第2ノズル20を構成する第2耐火物23も、第1耐火物13よりも穏やかにではあるが損耗する。
そして、図3Bに示すように、第2金属細管21の、第3耐火物33(33a,33b)が被せられた第2金属細管21(21a,21c)や、第3耐火物33が被せられていない第2金属細管21(21b)の位置まで、耐火物(第2耐火物23および第3耐火物33)の損耗が進むと、第2耐火物23および第3耐火物33(33a,33b)により閉塞していた第2金属細管21の炉内側先端21が開口し、第2ノズル部20を構成する複数の第2金属細管21からのガスの吹き込みがほぼ同時に始まる。
なお、第2金属細管21からの通気が確認されると、それまでガスを吹いていた第1ノズル部10の第1金属細管11へのガスの供給を停止する。
上記の例では、第2耐火物23のうち、第1のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21a)の炉内側先端121側には第3耐火物33(33a)を配設し、第3のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21c)の炉内側先端121側には第3耐火物33(33b)を配設する一方、第2のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21b)の炉内側先端121側には第3耐火物を配設しない構成とされており、かかる構成を備えたこの実施形態のガス吹き込みノズルにおいては、第2ノズル部20を構成する複数の第2金属細管21(21a,21b,21c)を、ほぼ同じタイミングで開口させることができる。
なお、場合によっては、第2のグループとされた領域に配設された第2金属細管21(21b)の炉内側先端121側にも、適切な損耗速度を有する第3耐火物を配設して、複数本ある第2金属細管21をほぼ同時に開口させるように構成することも可能である。
また、第3耐火物33として用いられる、損耗速度が第2耐火物のそれより小さい耐火物および大きい耐火物を得る方法には、特に制約はないが、例えば次のような方法を適用することができる。
第2耐火物23は通常、マグネシア・カーボン質耐火物が使用される。この第2耐火物23は第2金属細管21が埋め込まれる耐火物であり、製造上の理由から成形の際にあまり大きな圧力を加えることができない。一方、第2金属細管21を含まない耐火物単体であれば、高圧で成形することが可能である。したがって、第2耐火物と同じ組成の材料を用いた場合にも、成形時の圧力を高くすることにより、高密度で、損耗速度の小さい第3耐火物33(33a)を得ることができる。
また、第2耐火物23は耐熱衝撃性と耐食性とを兼ね備えた材料であることが必要であるが、第3耐火物33は、第2耐火物23に比べて形状が小さいため、熱衝撃の影響が小さいことから、耐食性が向上するような組成を採用することにより、損耗速度の小さい第3耐火物33(33b)を得ることができる。
具体的には、マグネシア・カーボン質耐火物の場合、そこで使用するマグネシア原料の純度を上げる、マグネシア含有量を上げカーボン含有量を減らすなどの方法を適用することができる。
また、第3耐火物33として、損耗速度が第2耐火物のそれより大きい耐火物を得る方法としては、例えば、マグネシア・カーボン質耐火物を用いる場合において、低い成形圧で成形してかさ密度の小さい素材とする、使用するマグネシアの純度を下げる、カーボン量を増加させるなどの方法を適用することができる。
また、マグネシア・カーボン質耐火物に比べて耐食性の劣るアルミナ・カーボン質、アルミナ・マグネシア・カーボン質、マグネシア質、アルミナ質などの耐火物を使用することも可能である。
さらには、通常、煉瓦に比べて耐食性が劣る不定形耐火物を使用することも可能である。
また、第2ノズル部を構成する複数本の第2金属細管をほぼ同じタイミングで開口させる方法としては、上述の方法に限らず、第3耐火物33の厚さ(第2金属細管の延長線に沿う方向の寸法)t(図2参照)を異ならせて、第2ノズル部を構成する複数本の第2金属細管が開口するタイミングをより精度よく制御する様にすることも可能である。
例えば、上で説明した、図1に示すような構成を有するガス吹き込みノズルにおいて、第2耐火物23よりも損耗速度の小さい第3耐火物33(33a)の厚さを厚くすることにより、第2金属細管21(21a)の炉内側先端121が開口するまでの時間をさらに長くすることが可能であり、また、第2耐火物23よりも損耗速度の大きい第3耐火物33(33b)の厚さを薄くすることにより、第2金属細管21(21c)の炉内側先端121が開口するまでの時間をさらに短くすることが可能である。
また逆に、第2耐火物23よりも損耗速度の小さい第3耐火物33(33a)の厚さを薄くすることにより、第2金属細管21(21a)の炉内側先端121が開口するまでの時間を短くすることが可能であり、また、第2耐火物23よりも損耗速度の大きい第3耐火物33(33b)の厚さを厚くすることにより、第2金属細管21(21c)の炉内側先端121が開口するまでの時間を長くすることが可能である。
したがって、第3耐火物33の材質とその厚さを適宜選択することにより、第2ノズル部を構成する第2耐火物および第3耐火物が損耗して、第2金属細管21の炉内側先端121が開口するに至るまでの時間をより精度よく制御することが可能になる。
ここで、第3耐火物33の厚さ(第2金属細管21の延長線に沿う方向の寸法)t(図2参照)は、1〜20mmとすることが好ましい。
これは、第3耐火物33の厚さtが1mm未満の場合、各第2金属細管21が配設された位置における耐火物の損耗速度差を十分に解消することができなくなり、また、20mmを超えると、第2耐火物23より損耗速度の大きい第3耐火物33(33b)を使用した場合に当該部位の損耗が激しくなり、弊害が生じるおそれがあることによる。
より好ましい第3耐火物33の厚さtは2〜10mmである。
第3耐火物33を図2に示すようなキャップ状に形成する場合、全体の高さhは、厚さtに2mm以上を加えた寸法であることが好ましい。
また、第3耐火物33の厚さtの方向に直交する面の大きさは、第2金属細管21の炉内側先端121を覆うことができる大きさであれば特に制約はない。ただし、隣接する第2金属細管21と当該第2金属細管21の中間点を超えた大きさとすることは、特に損耗速度により分けた他グループに配設された第2金属細管21周辺の損耗速度に影響するため好ましくない。
また、第3耐火物33の形状には特に制約はないが、例えば、図4(a)〜(d)に示すように、下面側に凹部133を設けたキャップ状に形成し、凹部133に第2金属細管21の炉内側先端121(図1,図2など参照)を嵌入させるようにすることができる。
また、第3耐火物3をキャップ状に形成するにあたっては、例えば、図4(a)のものを基本形状とした場合に、図4(b)に示すように、第2金属細管21の炉内側先端121から炉内1に向かう方向の寸法(厚み)tを厚くするとともに、全体の高さhを高くしたもの、図4(c)に示すように、厚みtは図4(a)のものと同じとする一方、全体の高さhを高くして、第2金属細管21が嵌入する凹部133の深さを大きくしたもの、図4(d)に示すように、図4(a)のものの上面周囲の稜線部を面取りして丸みを付けたものなどが示される。
そして、図4(a)〜(d)に示されるような第3耐火物33であって、厚みtを有する部分の全体が損耗するまで(すなわち、炉内側先端121が露出するまで)にかかる時間として、所定の時間を要するようなキャップ状の第3耐火物33を、所定の第2金属細管21の炉内側先端121を封止するように被せることにより、複数本の第2金属細管21をほぼ同時に開口させて、ガスの吹き込みを開始させるようにすることができる。
なお、第3耐火物33をキャップ状とする場合、図4(a)〜(d)に示されたもの以外の形状とすることも可能である。また、各部の寸法などについても、特に制約はなく、本発明の効果を奏する範囲において、任意の寸法とすることが可能である。
また、図5に示すように、第2耐火物23と同じ耐火材を筒状に成形した筒状部43の一端側(上端側)の中空部に第2耐火物23とは損耗速度の異なる第3耐火物33を嵌め込むことにより、下面側に凹部133を備えたキャップ状の構造とすることも可能である。この場合、第3耐火物自体はキャップ状ではなく、筒状部43と第3耐火物33が共働してキャップ状構造体を構成している。この図5の構造体を用いた場合にも、上述の図4(a)〜(d)のキャップ状の第3耐火物33を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図4(a)〜(d)のキャップ状の第3耐火物33および図5のキャップ状の構造体(以下、これらをまとめて「第3耐火物」という)においては、主要部(筒状部)の形状を円柱状としてもよく、多角柱状としてもよい。
また、図4(a)〜(d)および図5の第3耐火物において、凹部133の径(筒状部の内径)は、第2金属細管21の外径より大きく、かつ外径に近い方が好ましい。これは、第2金属細管21の外周と凹部133の内周との間の隙間が大きくなると、そこから地金差しなどが発生し、好ましくないことによる。
また、図4(a)〜(d)および図5の第3耐火物において、全体の高さhは、通常3〜22mmの範囲とすることが好ましく、また、厚さtに2mm以上を加えた寸法であることが好ましい。全体の高さhが3mm未満の場合、製造時に第2金属細管21から外れやすくなる傾向がある。
図4(a)〜(d)および図5の第3耐火物のより好ましい、全体の高さhは、5〜15mmである。この範囲は,第3耐火物の厚さtのより好ましい範囲2〜10mmに、上述の2mm以上を加えることにより求められる範囲である。
また、図4(a)〜(d)および図5の第3耐火物の厚さtの方向に直交する面の大きさに特別の制約はないが、その外径あるいは幅が、第2金属細管21の炉内側先端121の外径より2mm以上大きいことが好ましい。厚さtの方向に直交する面の大きさ(外径あるいは幅)が第2金属細管21の外径+2mm未満の場合、十分な強度を得ることが困難である。また、厚さtの方向に直交する面の大きさ(外径あるいは幅)の上限にも特に制約はないが、隣接する第2金属細管21との中間点を超えるような大きさとすることは、特に損耗速度により分けた他グループの第2金属細管21周辺の損耗速度に影響するため好ましくない。
また、第3耐火物33を配設すべき所定の第2金属細管21のそれぞれに第3耐火物を用意し、その炉内側先端121側に第3耐火物33を配設するようにしてもよいが、上述のように、第2耐火物を損耗速度の異なるグループに段階分けし、各グループに属する第2金属細管21のうちの、所定の複数本の第2金属細管21の炉内側先端121を1つの第3耐火物(集合第3耐火物233a,233b)で覆うように構成することも可能である(図6参照)。
この場合、第1のグループに属する複数本の第2金属細管21(21a)の炉内側先端121を覆うように意図された1つの第3耐火物(集合第3耐火物)233(233a)と、第3のグループに属する複数本の第2金属細管21(21c)の炉内側先端121を覆うように意図された1つの第3耐火物(集合第3耐火物)233(233b)として、覆うべき第2金属細管21の炉内側先端121に対応する位置に、凹部133として機能する有底穴が形成された第3耐火物(集合第3耐火物)233(233a,233b)を用意する。そして、この第3耐火物(集合第3耐火物)233(233a,233b)を、上記複数本の第2金属細管21(21a,21c)の炉内側先端121が上記有底穴(凹部133)に嵌り込むように配設する。この場合も、上述の図1および2に示すガス吹き込みノズルの場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図6に示すような、第3耐火物(集合第3耐火物)233を用いる構成とする場合にも、第3耐火物(集合第3耐火物)233の厚さt、全体の高さhなどは、他グループの第2金属細管21周辺の損耗速度に影響しない範囲で、図4および5に示した第3耐火物33の場合に準じた寸法とすることが好ましい。
以下、本発明のガス吹き込みノズルが関連する比較用のガス吹き込みノズル(本発明の要件を満たさないガス吹き込みノズル)を用いた比較例と、本発明の要件を満たすガス吹き込みノズルを用いて行った実施例について、図1〜6などを随時参照しつつ、説明する。
[比較例1]
第3耐火物を備えていないことを除いて、上述の図1に示す本発明の実施例にかかるガス吹き込みノズルに準じる構造を有するガス吹き込みノズルを作製して、1チャージ当たりの溶鋼量が約160tonの電気炉の炉底に設置した。
なお、比較例1のガス吹き込みノズルにおいては、第2ノズル部20に埋設する第2金属細管21として、内径1.5mm、肉厚1mm、外径3.5mmのステンレス鋼管を用い、図2に示すような態様で、第2金属細管21どうしの距離が50mmとなるように第2金属細管21を7本配設した。なお、図1,2のガス吹き込みノズルは第3耐火物33(33a,33b)を備えているが、この比較例のガス吹き込みノズルは第3耐火物を備えていないことは上述の通りである。
ノズルの有効長は350mmとし、第2金属細管21の炉内側先端121の位置は、第2ノズル部20の炉内側表面から145mmの位置とした。第2ノズル部20を構成する第2耐火物23には、黒鉛10重量%とマグネシア純度97%の高純度マグネシア原料とを含有するマグネシア・カーボン煉瓦を用いた。
そして、ガスを供給するためのガス配管(本管)5(図3A,図3B)から分岐させたガス供給ライン3a,3bをそれぞれ第1ノズル部10と第2ノズル部20に接続し、ガス配管5に窒素ガスを流量約150NL/minで吹き込んだ。
492チャージに達した時点で第1ノズル部10から第2ノズル部20への切り換えを試みたところ、7本の第2金属細管21のうち、2本のみが開口してガス吹きが可能になった。しかし、第2ノズル部20からのガス吹き込み量は十分でなく、第1ノズル部10から第2ノズル部20に切り換えると、ガスの吹き込み量が不足することから、第1ノズル部10と第2ノズル部20の双方から同時にガスの吹き込みを行った。その後、チャージ数が増えるにつれて、第2ノズル部20からの吹き込み量は増加し、514チャージでの切り換えとなった。
したがって、この比較例1では、22チャージ(514チャージ−492チャージ=22チャージ)の間、第1ノズル部10と第2ノズル部20の双方からガスを吹き続ける必要があったことになる。
その結果、最終的なノズルの寿命は、805チャージとなった。
[比較例2]
比較例1と同様の条件で操業を行った。488チャージに達した時点で第1ノズル部10から第2ノズル部20への切り換えを試みたところ、7本ある第2金属細管21のうち、3本のみが開口してガス吹きが可能となった。
しかし、第2ノズル部20からのガス吹き込み量は十分でなく、第1ノズル部10から第2ノズル部20に切り換えると、ガスの吹き込み量が不足することから、切り換えは行わずに、第1ノズル部10と第2ノズル部20の双方から同時にガスの吹き込みを行ったところ、489チャージ目の吹錬の開始時に地金侵入により第2ノズル部20を構成する第2金属細管が閉塞し、ガスの吹き込みを行うことができなくなった。
[実施例1]
図1に示すような構造を有するガス吹き込みノズルAを用意した。このガス吹き込みノズルAにおいては、比較例1,2の場合と同様に、第2ノズル部20の第2耐火物に埋設する第2金属細管21として、内径1.5mm、肉厚1mm、外径3.5mmのステンレス鋼管を用い、第2金属細管21どうしの距離が50mmとなるように第2金属細管21を7本配設した。
第2ノズル部20のノズルの有効長は350mmとし、第2金属細管21の炉内側先端121の位置は、第2ノズル部20の炉内側表面から145mmの位置とした。
そして、第2ノズル部20を構成する第2耐火物22には黒鉛10重量%とマグネシア純度97%の高純度マグネシア原料とを含有するマグネシア・カーボン煉瓦を用いた。
また、第2耐火物22のみを用いた場合の損耗速度から、上記7本の第2金属細管21を、第2耐火物22の損耗速度が大きい位置にあるもの2本、第2耐火物22の損耗速度が中程度の位置にあるもの3本、第2耐火物22の損耗速度が小さい位置にあるもの2本の、3つのグループに分けた。
そして、損耗速度の大きいグループの2本の第2金属細管21(21a)に対しては、第2耐火物22より耐食性の優れる(損耗速度の小さい)、キャップ状の第3耐火物33(33a)を、その炉内側先端121に被せた。第3耐火物33(33a)の材質は、マグネシア・カーボン質耐火物でカーボン量を7質量%とし、かつ使用するマグネシアの純度を98質量%に上げた。
また、損耗速度の小さいグループの2本の第2金属細管21(21c)に対しては、第2耐火物22より耐食性の劣る(損耗速度の大きい)、キャップ状の第3耐火物33(33b)を、その炉内側先端121に被せた。
第3耐火物33(33b)の材質は、マグネシア・カーボン煉瓦で、カーボン量を15質量%とし、かつ使用するマグネシアの純度を92質量%に下げた。
一方、損耗速度が中程度の第2金属細管21(21b)の3本には、第3耐火物33は取り付けなかった。
第3耐火物として、全体の高さhが15mm、外径15mmとし、下部に内径3.6mm、深さ5mmの穴(凹部)133が形成された第3耐火物33(33a,33b)を作製し、これを、第2金属細管21(21a,21c)の炉内側先端121に被せた。
このガス吹き込みノズルを用いて、溶融金属へのガスの吹き込みを繰り返して行い、513チャージで第1ノズル部10から第2ノズル部20へのガスの切り換えを試みたところ、7本ある第2金属細管21のうち、6本が開口してガス吹きが可能になったことから、ガスの吹き込みを、第1ノズル部10から第2ノズル部20に切り換えた。その後、第2ノズル部20からのガス吹きにより吹錬を続行した結果、最終的に836チャージの寿命を得ることができた。なお、この実施例1では、第2ノズル部20を構成する第2金属細管21の閉塞は全く起こらなかった。
[実施例2および実施例3]
上記実施例1と全く同様の条件で、さらに2回のガスの吹き込み実験を行った。その結果、切り換えは、それぞれ、519チャージ(実施例2)、523チャージ(実施例3)であり、第2金属細管21の開口は、それぞれ、7本(実施例2)、6本(実施例3)であった。
また、最終寿命は、それぞれ、831チャージ(実施例2)、851チャージ(実施例3)であった。
この実施例2および実施例3でも、第2ノズル部20を構成する第2金属細管21の閉塞は全く起こらなかった。
[実施例4]
この実施例4では、第3耐火物として、上記実施例1の場合とは異なる第3耐火物を用いたこと以外は、上記実施例1の場合に準じる条件のガス吹き込みノズルを用いて操業を行った。以下、説明を行う。
まず、実施例1の場合と同様に、第2耐火物22のみを用いた場合の損耗速度から、上記7本の第2金属細管21を、第2耐火物22の損耗速度が大きい位置にあるもの2本、第2耐火物22の損耗速度が中程度の位置にあるもの3本、第2耐火物22の損耗速度が小さい位置にあるもの2本の、3つのグループに分けた。
そして、7本の第2金属細管21のうち、損耗速度の大きいグループの2本の第2金属細管21(21a)に対しては、第2耐火物23より耐食性に優れた(損耗速度の小さい)、キャップ状の第3耐火物33(33a)をその炉内側先端121に被せた。
なお、第2耐火物23より耐食性に優れた(損耗速度の小さい)第3耐火物33(33a)としては、カーボン量を5質量%とし、かつ使用するマグネシアの純度を98質量%に上げたマグネシア・カーボン耐火物(煉瓦)からなるものを用いた。そして、整形時には、プレス圧を、第2耐火物23を成形する際のプレス圧の1.5倍に上げて成形を行った。
また、第3耐火物は、寸法が、全体の高さh20mm、外径20mmであり、下面側に内径3.6mm、深さ10mmの有底穴(凹部)133を備えている。
また、7本の第2金属細管21のうち、損耗速度の小さいグループの2本の第2金属細管21(21c)に対しては、第2耐火物23より耐食性の劣る(損耗速度の大きい)、キャップ状の第3耐火物33(33b)をその炉内側先端121に被せた。
第2耐火物23より耐食性に劣る(損耗速度の大きい)第3耐火物33(33c)としては、第2耐火物22と同様のマグネシア・カーボン耐火物(煉瓦)を加工して、全長20mm、外径20mm、内径3.6mmのパイプを作り、下部に深さ10mmの穴(凹部)133が形成されるように、パイプの上端側にアルミナ・マグネシアキャスタブルを混練して詰め込むことによりキャップ状の第3耐火物33(33b)を作製した。
そして、この第3耐火物33(33b)を、第2金属細管21(21b)の炉内側先端121が凹部133に嵌り込むように被せた。
一方、損耗速度が中程度の第2金属細管21(21b)の3本には、第3耐火物33は取り付けなかった。
そして、このガス吹き込みノズルを、上記の実施例1〜3、比較例1,2の場合と同一の精錬炉で同様に使用した。
その結果、第1ノズル部10から第2ノズル部20への切り換えは、522チャージで、第2金属細管21は6本が開口し、切り換えを円滑に行うことができた。また、最終寿命は、844チャージであった。
なお、実施例1〜3の場合と同様、実施例4でも、第2ノズル部20を構成する第2金属細管21の閉塞は全く起こらなかった。
なお、上記実施例では、ガス吹き込みノズルから、精錬炉内の溶融金属に窒素ガスを吹き込む場合を例にとって説明したが、ガスの種類に特別の制約はなく、本発明のガス吹き込みノズルは、アルゴンガスなどの他のガスを吹き込む場合にも用いることが可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 精錬炉
2 溶融金属
3a,3b ガス供給ライン
5 ガス配管
10 第1ノズル部
111 第1金属細管の炉内側先端
11 第1金属細管
12 第1サージタンク
13 第1耐火物
20 第2ノズル部
121 第2金属細管の炉内側先端
21 第2金属細管
21a 第1のグループとされた領域(損耗速度の大きい領域)に配設された第2金属細管
21b 第2のグループとされた領域に配設された第2金属細管
21c 第3のグループとされた領域(損耗速度の小さい領域)に配設された第2金属細管
22 第2サージタンク
23 第2耐火物
31 サポート耐火物
33 第3耐火物
33a 第2耐火物よりも損耗速度の小さい第3耐火物
33b 第2耐火物よりも損耗速度の小大きい第3耐火物
43 筒状部材
133 凹部
233 集合第3耐火物
233a 第2耐火物よりも損耗速度の小さい集合第3耐火物
233b 第2耐火物よりも損耗速度の小大きい集合委第3耐火物
A ガス吹き込みノズル
h 第3耐火物の全体の高さ
t 第3耐火物の厚さ(第2金属細管の延長線に沿う方向の寸法)

Claims (6)

  1. ガス導入用の複数の金属細管と、吹き込み前のガスをプールするサージタンクと、前記金属細管および前記サージタンクを保護する耐火物とを備えた、炉内の溶融金属にガスを吹き込むためのガス吹き込みノズルであって、
    炉内側先端が開口しているとともに、前記炉内側先端が炉内に露出し、炉内の溶融金属にガスを吹き込むことが可能な状態にある複数の第1金属細管と、前記第1金属細管と連通する第1サージタンクと、前記第1金属細管および前記第1サージタンクを保護する第1耐火物とを備える第1ノズル部と、
    炉内側先端が所定の深さに位置するように耐火物中に埋設され、前記炉内側先端が閉塞した複数の第2金属細管と、前記第2金属細管と連通する第2サージタンクと、前記第2金属細管および前記第2サージタンクを保護する第2耐火物とを備える第2ノズル部とを具備し、
    前記第2ノズル部にガスの圧力をかけた状態で、前記第1ノズル部からのガスの吹き込みが継続して行われ、前記第2耐火物中に埋設された前記第2金属細管の前記炉内側先端に達するまで前記第2耐火物の損耗が進むと、閉塞していた前記第2金属細管の前記炉内側先端が開口し、前記第2金属細管からのガスの吹き込みが開始するように構成されたガス吹き込みノズルにおいて、
    複数本の前記第2金属細管のうち、少なくとも一部の第2金属細管の、前記炉内側への延長線上に、周囲の前記第2耐火物とは損耗速度の異なる第3耐火物が配設されていること
    を特徴とするガス吹き込みノズル。
  2. 前記第3耐火物が、前記炉内側先端の開口を封止するような態様で配設されていることを特徴とする請求項1記載のガス吹き込みノズル。
  3. 前記第3耐火物の、前記第2金属細管の前記炉内側先端から炉内に向かう方向の寸法である厚みが1〜20mmであることを特徴とする請求項1または2記載のガス吹き込みノズル。
  4. 前記第3耐火物は、前記第2金属細管の前記炉内側先端が入り込む凹部を備えたキャップ状の構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス吹き込みノズル。
  5. 前記第3耐火物は、1つのブロックで複数の前記第2金属細管の前記炉内側先端の開口を封止するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス吹き込みノズル。
  6. 複数の前記第2金属細管が、その周囲の耐火物の損耗速度の大きさにより、複数のグループに分けられているとともに、
    複数の前記グループのうち、所定のグループに属する前記第2金属細管の前記炉内側への延長線上に所定の損耗速度を有する前記第3耐火物を配設することにより、複数の前記第2金属細管のうちの大部分の第2金属細管において、近似したタイミングでガスの吹き込みが開始するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス吹き込みノズル。
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