JP5462317B2 - 道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム及びその制御方法 - Google Patents

道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム及びその制御方法 Download PDF

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本発明は、排風機(送風機も含めて排風機と称する。)とジェットファン(JF)とを備えた道路トンネル換気装置の火災時におけるトンネル内風速を制御する道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム及びその制御方法に関するものである。
従来、ジェットファンを用いたトンネル換気システムは、トンネル内に複数台のジェットファンを配置し、火災時における換気制御においても、トンネル内の必要換気風量に対し、ジェットファンの駆動台数のみのステップ状の制御(ノッチ制御)を行っているのが現状である(例えば、特許文献1、2参照)。
このようなシステムでは、ジェットファンの駆動台数のみのステップ状の制御を行っているために、ジェットファンの吹出し風量が必要換気風量に対して多くなりがちで、電力を無駄に消費している。
そこで、出願人は、道路トンネル用換気システムにおいて、平常時に各換気ジェットファンを低速運転する一方、火災排煙時等の非常時には前記各換気ジェットファンを高速運転する制御指令をそれぞれ回転数可変機構を介して行う換気制御装置を備えたものを提案している(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−337099号公報 特開2002−206400号公報 特開2010−116768号公報
しかしながら、火災発生時において、ジェットファンを用いて排煙を行おうとしても、火災発生地点に近いジェットファンは天井部に滞留している煙を拡散させるため、火災発生地点から一定距離(例えば、500m)以内に配置されたジェットファンは運転することができない。このため、ジェットファンによるトンネル内風速の制御では、火災時には、火災発生地点にかかわらず、トンネル内のジェットファンを停止させるようになっており、ジェットファンを有効に使用した換気を行うことができないのが現状である。
発明者は、道路トンネル換気システムにおいて、トンネル内風速の制御を行いやすいジェットファンの特性を活かし、火災時において使用できるジェットファンがあれば、そのジェットファンを優先的に活用して、道路トンネル内での火災時にトンネル内風速を速やかに調整できることに着想した。
本発明は、火災時において、トンネル内風速を制御しやすいジェットファンを有効に活用して、トンネル内での煙の拡散を回避しながらトンネル内風速を速やかに調整できる道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、道路トンネル内に配置される排風機と、前記道路トンネル内に配置
され風量を調整できる一以上のジェットファンと、前記道路トンネル内に設置され前記道路トンネル内の風向・風速を測定する風向風速計とを備える道路トンネル換気装置における火災時風速制御システムにおいて、火災の発生により火災発生地点を検出する火災地点検出手段と、前記風向風速計からの信号を受けて火災時における風速目標値とする風速設定値を決定し、前記風速設定値に基づき、必要換気風量を決定する換気風量決定手段と、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れている場合には前記ジェットファンを、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れていない場合には前記排風機をそれぞれ使用することを決定し、前記必要換気風量に基づき、その決定されたジェットファン又は排風機についての風量を決定し、それらを駆動制御する制御手段とを備えることを特徴とする。ここで、「排風機」としては、風量を調整できる排風機(例えば、動翼可変型排風機、回転数可変型排風機等)はもちろん、風量を調整できない排風機も含む。
このようにすれば、火災発生地点に応じて、必要換気風量に基づき、使用するジェットファン又は排風機を決定し、その決定されたジェットファン又は排風機それぞれについて風量を決定し、それらを駆動制御するようにしているので、トンネル内での煙の拡散を回避しながら、トンネル内風速の制御を行いやすいジェットファンを有効に使用して、火災制御(火災時における最適な風速制御)を速やかに行うことを実現できる。なお、使用可能であるジェットファンがない場合には、排風機を使用して火災制御を行う。
また、排風機とジェットファンとを使い分けることにより、ジェットファンを使用できる場合は、トンネル内風速を制御しやすいジェットファンを優先的に使用し、ジェットファンを運転できない場合(ジェットファンを使用することにより天井部付近に滞留している煙を拡散させるおそれがある場合)には排風機を使用することで、道路トンネル内での火災時に必要換気風量を最適に調整できる。
さらに、天井部付近に滞留している煙を拡散させるおそれがないジェットファン(火災発生地点から一定距離以上離れているジェットファン)だけを有効活用することができる。
請求項1の発明については、請求項に記載のように、前記換気風量決定手段は、火災時の風速設定値に、前記風向風速計の計測に基づく補正値を加減算して、前記風速設定値からのずれ量である制御偏差量を決定する制御偏差量決定部を有し、前記制御偏差量に基づき必要換気風量を決定するものであることが望ましい。
このようにすれば、トンネル内の実際の風速を考慮して、前記風速設定値からのずれ量である制御偏差量に基づき、必要換気風量を決定することができる。
請求項の発明については、請求項に記載のように、前記道路トンネル内の渋滞の有無を検出する渋滞検出手段を更に備え、前記制御偏差量決定部は、前記風速設定値を、トンネル内渋滞のときには、火災による煙の拡散を抑制する第1の風速設定値とする一方、トンネル内非渋滞のときには、前記第1の風速設定値よりも大きく火災による煙を車両進行側へ流すことで換気する第2の風速設定値とするものであることが望ましい。
このように、トンネル内渋滞情報を火災制御に取り入れることで、トンネル内における車両状況を把握して、最適な風速設定値を設定することが可能となる。つまり、火災時にあっては非渋滞であっても火災発生地点よりも入口側には車両があるのが通常であるから、火災発生地点より出口側(車両進行側)で車両がスムーズに流れている方向にジェットファンによって空気の流れを起こすことで、トンネル内の車両に影響を与えることなく、煙を外部に速やかに出すことができ、また、火災時にトンネル内渋滞が生じている場合は、風速制御により火災発生地点に煙を留めることで煙の拡散を防止し、安全な避難を行うことができる。
請求項1〜のいずれか1つの発明については、請求項に記載のように、前記火災地点検出手段からの信号を受け、火災時には前記換気風量決定手段により決定された必要換気風量をそのまま出力させる一方、非火災時には前記換気風量決定手段により決定された必要換気風量をキャンセルして必要換気風量を0として出力させる構成とすることができる。
このようにすれば、非火災時には、火災時と異なる必要換気風量で、最適なトンネル内風速の制御を行うことができる。
請求項の発明は、道路トンネル内に配置される排風機と、前記道路トンネル内に配置され風量を調整できる一以上のジェットファンと、前記道路トンネル内に設置され道路トンネル内の風向・風速を測定する風向風速計とを備える道路トンネル換気装置における火災時風速制御方法であって、火災時に火災発生地点を検出し、前記道路トンネル内の風向・風速に基づき火災時における風速目標値とする風速設定値を決定し、前記風速設定値に基づき、必要換気風量を決定し、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れている場合には前記ジェットファンを、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れていない場合には前記排風機をそれぞれ使用することを決定し、前記必要換気風量に基づき、使用する前記ジェットファン又は前記排風機について風量を決定し、それらを駆動制御することを特徴とする。
このようにすれば、火災発生地点に応じて、トンネル内での煙の拡散を回避しながら、トンネル内風速の制御を行いやすいジェットファンを有効に使用して、火災時における風速制御を行うことができる。
また、請求項に記載のように、前記必要換気風量は、前記道路トンネル内の渋滞の有無を考慮して決定することが望ましい。
このように、トンネル内渋滞情報を制御に取り入れることで、トンネル内における車両状況を把握して、火災発生地点に応じた最適な風速設定値を設定することが可能となる。
本発明は、上記のように、火災発生地点に応じて、必要換気風量に基づき、使用する前記ジェットファン又は排風機を決定し、その決定されたジェットファン又は排風機それぞれについて風量を決定し、それらを駆動制御するようにしているので、トンネル内での煙の拡散を回避しながら、トンネル内風速の制御を行いやすいジェットファンを有効に使用して、火災制御を速やかに行うことができる。
また、ジェットファンの使用ができない場合には、排風機を使用することで、ジェットファンと排風機との使い分けによる円滑な火災制御を行うことができる。
本発明に係る道路トンネル換気装置における火災時風速制御システムの一実施の形態を示す概略説明図である。 制御装置のブロック図である。 火災時の必要換気風量の決定に用いられる必要換気風量決定部のブロック図である。 火災時の風速制御を示すフローチャート図である。 渋滞状況にある場合において、ジェットファンを用いた風速制御における時間と、風速及び風量との関係を示す図である。 渋滞状況にある場合において、排風機を用いた風速制御における時間と、風速及び風量との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、非火災時には、従来と同様の周知の風速制御(換気制御)を行うので、その説明は省略する。
図1に示すように、道路トンネル1は一方通行で、入口側P1には、2つのトンネル換気所1A、1Bが設置されており、そのトンネル換気所1A、1B内に、風量を調整できる排風機2、3がそれぞれ配置されている。この排風機2、3は、インバータ駆動方式、動翼可変機構などにより、無段階で風量の変更が可能である。
また、出口側P2には、一以上のジェットファン(JF)4が、道路トンネル1内の風向・風速を測定する2つの風向風速計5A、5Bに挟まれて配置され、それらの更に出口側には、道路トンネル1内を走行する車両の車種(例えば、大型車、小型車)、平均速度、交通量を検知する交通量測定装置(トラフィックカウンタ)6が設置されている。そして、風向風速計5A、5Bや交通量測定装置6からの信号に基づいて、制御装置(制御手段)7が排風機2、3やジェットファン4の風量を制御するようになっている。この実施の形態では、トンネル出口ランプ1Cとしての分岐部があるので、2つの風向風速計5A、5Bが設置され、後述する火災区画に最も近い風向風速計5A、5Bの計測値を採用するが、分岐部がない道路トンネルの場合にはトンネル内の風速は一様であると推測されるので、風向風速計は1つで足りる。
ここで、ジェットファン4は、インバータ駆動方式で、無段階で風量を変更できるようになっている。交通量測定装置6は、道路トンネル1内を走行する車両の車種(例えば、大型車、小型車)、平均速度、交通量についての情報に基づき、道路トンネル1内の渋滞の有無を判断し、制御装置7に出力するようになっている。
制御装置7は、火災時における道路トンネル1内の渋滞の有無を考慮して、必要換気風量を設定する。この必要換気風量が、排風機2、3又はジェットファン4の運転テーブル(必要換気風量と、排風機2、3による風量及びジェットファン4による風量との関係を決定するテーブル)に入力され、排風機2、3又はジェットファン4の風量制御を行う。なお、火災検知器8(図2参照)は一定間隔(例えば、20m間隔)でもって道路トンネル1内に設置されており、火災検知器8からの信号に応じて火災発生地点が検出され、その火災発生地点を含む火災区画が認定される。
制御装置7は、図2に示すように、風向風速計5A、5B、交通量測定装置6及び火災検知器8からの信号を受け、後述するように火災時における風速目標値とする風速設定値を決定し、その風速設定値に基づき(火災時における)必要換気風量を決定する必要換気風量決定部11と、必要換気風量決定部11よりの信号を受け前記必要換気風量を満たすようにジェットファン4又は排風機2、3の風量を決定する風量決定部12と、この風量決定部12からの信号を受け前記決定された風量を満たすようにジェットファン4を駆動するジェットファン駆動制御部13と、風量決定部12からの信号を受け前記決定された風量を満たすように排風機2、3を駆動する排風機駆動制御部14とを有する。ここで、風量決定部12は、各ジェットファン4の使用可否を判定するジェットファン使用可否判定部12Mを含み、使用可能であるジェットファン4がある場合には、前記必要換気風量を満たすように、使用可能である各ジェットファンの風量を決定する。
必要換気風量決定部11は、火災制御中は、演算結果(例えば、PID出力)をそのまま必要換気風量として出力し、非火災時には、必要換気風量を0%として、後述の出力部11Kから出力されるようになっている。
必要換気風量決定部11は、図3に示すように構成され、火災区画に最も近い風向風速計の計測に基づく補正値に応じて、前記風速設定値での風速制御を実現するために、前記風速設定値からのずれ量である制御偏差量を決定する制御偏差量決定部11A(火災区画風速設定値決定部11Aa、火災区画風速補正値演算部11Ab)、積分動作部11C、微分動作部11D、比例動作部11E、出力リミッタ部11Fなどを有し、火災検知器8や風向風速計5A、5B、交通量測定装置6からの入力により、必要換気風量を決定し、火災制御中は、演算結果(PID出力)をそのまま必要換気風量として出力し、非火災時には、切替スイッチ11Gの切換えで、最終段階で出力リミッタ11Fからの信号がキャンセルされる一方、定数部11Hからの信号が有効とされ、演算結果を0に置換し、必要換気風量を0%として出力部11Kから出力されるようになっている。よって、非火災時には火災制御のための必要換気風量の演算がキャンセルされるので、非火災時における通常の風速制御には影響を及ぼさない。
なお、出力部11Kから出力される必要換気風量(PID制御の出力)は−100%〜+100%であるが、このときの100%は、排風機風量100%運転あるいはジェットファン風量100%運転(全台運転)したときの風量に相当する。なお、排風機2、3とジェットファン4のどちらを運転するかは、トンネル内の火災区画から判断される(図4参照)。
火災区画風速設定値決定部11Aaは、交通量測定装置6からの信号に基づき、トンネル内渋滞の時には低風速制御で、例えば、0m/s(第1の風速設定値)を、トンネル内非渋滞の時には前流し制御で、例えば、車両進行側2m/s(第2の風速設定値)を、それぞれ風速設定値として設定する。ここで、低風速制御とは、火災発生地点付近に煙を留めることで煙の拡散を防止する制御をいい、前流し制御とは、火災発生地点から車両進行側に向けて煙を流し、車両に影響を与えることなく、煙を外部に速やかに出す制御をいう。
火災区画風速補正値演算部11Abは、風向風速計5A、5Bの測定値をトンネル内風速分布の測定結果に基づき補正した値を風速補正値として採用する。ここで、風速分布測定に基づく補正は、周知のように、トンネル断面の風速を測定し、平均化した値と風向風速計5A、5Bによる測定値とを比較し、1次関数y=ax+b(a:ゲイン b:オフセット)で補正する。風速補正値が+側となっている場合には、(風速設定値)−(風速補正値)は−となり、PID制御の入力値も−となる。但し、PID制御の出力値は、積分要素と微分要素とがあるため、必ずしも入力値と同じ符号にはならない。
風速設定値決定部11Aaは、基本的には、一定間隔(例えば、5秒間隔)毎に、風速設定値と風速補正値との差分から制御偏差量を決定し、フィードバック制御の一種であるPID(比例動作+積分動作+微分動作)制御により必要換気風量(%)が決定されるようになっている。
なお、非火災時には、積分動作部11Cの出力が0とされ、積分演算は行わない。出力リミッタ部11Fは、上限値100%、下限値−100%のリミッタであり、出力リミッタ部11F前後の値が異なるときは積分動作部11Cの出力がホールドされる。
風量決定部12は、(i)ジェットファン使用可否判定部12Mにより火災発生地点との関係から運転可能(使用可能)であるジェットファン4があるかどうかの判定をまず行い、(ii)それに基づいて運転可能であるジェットファン4がある場合にはジェットファン4による火災制御とする一方、運転可能であるジェットファン4がない場合には排風機2、3による火災制御とすることとし、(iii)火災制御に用いるジェットファン4又は排風機2、3について、それらの運転テーブルから必要換気風量に基づきそれぞれの風量を決定するものである。そして、必要換気風量が0%〜100%のときは、排風機2、3は送風運転され、ジェットファン4は車両進行方向に送風運転され、0%〜−100%のときには、排風機2、3は排風運転され、ジェットファン4は車両進行方向とは逆方向に送風運転される。
続いて、火災時における風速制御を図4に沿って説明する。
まず、火災が発生すると、火災検知器8からの信号に基づき、いずれの火災区画(火災を検出した火災検知器8が含まれる火災区画)で火災が発生したかが認知される(ステップS1)。
続いて、その火災区画が、各ジェットファンの運転が可能である火災区画であるか否かが、火災区画からの距離に基づいて判定される(ステップS2)。つまり、ジェットファン4が属する区画が、火災区画から一定距離(例えば、500m)以内である場合には、火災による煙の拡散を防止するために、ジェットファン4を運転できない区画と判定され、火災区画から一定距離を超える場合には、ジェットファン4を運転できる区画と判定される。
前記火災区画に対しジェットファンの運転が可能であれば、ジェットファン4による火災制御が行われる一方(ステップS3)、ジェットファンの運転が可能でなければ、排風機2、3による火災制御が行われる(ステップS4)。
ジェットファン4による火災制御であれば、次いで、トンネル内渋滞があるか否かが判定され(ステップS5)、トンネル内渋滞がある場合には、ジェットファン4による低風速制御(例えば、車両進行側0m/s:第1の風速設定値)が行われ(ステップS6)、トンネル内渋滞がなければ、ジェットファン4による前流し制御(例えば、車両進行側2m/s:第2の風速設定値)が行われる(ステップS7)ことにより、トンネル内の車両が安全に避難することができる。ここで、ジェットファン4による低風速制御や前流し制御は、例えば、インバータ駆動方式で制御することができる。
また、排風機2、3による火災制御であれば、トンネル内渋滞があるか否かが判定され(ステップS8)、トンネル内渋滞がある場合には、排風機2、3による低風速制御が行われ(ステップS9)、トンネル内渋滞がなければ、排風機2、3による前流し制御が行われる(ステップS10)ことにより、トンネル内の車両が安全に避難することができる。ここで、排風機2、3による低風速制御や前流し制御は、例えば、インバータ駆動方式あるいは動翼可変にて制御することができる。
上記のように構成すれば、ジェットファン4と排風機2、3を使い分けることによって、ジェットファン4が運転できる場合にはトンネル内風速を制御しやすいジェットファン4を優先的に運用し、ジェットファン4が運転できない場合には排風機2、3を運用することによって火災制御を円滑に行うことができる。つまり、トンネル内が渋滞状況にある場合(第1の風速設定値を車両進行側0m/sとする場合)において、ジェットファン4による火災制御の場合には時間の経過により風量・風速が図5に示すように変化する一方、排風機2、3による火災制御の場合には、時間の経過により風量・風速が図6に示すように変化することが確認されており、この結果から、ジェットファン4による火災制御の方が、排風機2、3による火災制御よりもトンネル内風速の静定までの時間の短縮を図れる、といえる。
また、ジェットファン4又は排風機2、3の回転数をそれぞれ無段階に制御することによって、必要換気風量の最適調整を速やかに行うことができ、トンネル内風速の静定までの時間短縮を図ることができる。
特に、インバータ駆動方式のジェットファン4を使用することで、換気方向と風量を自在に制御することができ、ジェットファン4の電動機の逆転保護機能(前記電動機が停止してから逆転回転するまでのタイマ)も不要となるため、特に縦流換気区間の火災風速制御を短時間かつ精度よく行うことができる。
また、一定間隔(例えば、5秒という短い時間間隔)でトンネル内風速を測定し、必要換気風量の決定に取り入れれば、ほぼリアルタイムでの制御が可能となり、風速制御の精度を向上させることができる。
また、交通量測定装置6(トラフィックカウンタ)からのトンネル内渋滞制御を、必要換気風量の決定に取り入れることで、トンネル内の車両状況を把握して、最適な風速設定値(第1あるいは第2の風速設定値のいずれか)を設定することが可能となる。
本発明は、前述したほか、次のように変更して実施することができる。
(i)前記実施の形態は、ジェットファン4又は排風機2、3のいずれか一方を用いて、火災制御を行っているが、両方を併用して、必要換気風量に応じた火災風速制御を行うことも可能である。
(ii)前記実施の形態では、トンネル坑口(出口側)付近のみに一以上のジェットファン4が群をなすように配置されている場合について説明しているが、道路トンネル1内に一定間隔あるいは不規則に一以上のジェットファン4が設置されている場合にも同様に適用することができる。
(iii)前記実施の形態では、トンネル坑口(出口側)付近に一以上のジェットファン4が配置されている場合について説明しているが、その台数については、道路トンネルの長さ、形状などに応じて適宜変更されるのはもちろんである。道路トンネル1内に一定間隔あるいは不規則にジェットファン4を設ける場合も同様である。
(iv)前記実施の形態では、火災発生地点を火災区画として検出し、その火災区画からの距離に基づきジェットファン4の運転が可能であるか否かを判定しているが、そのような火災区画でもって判定するのではなく、前記火災発生地点を中心とする任意の範囲内にないジェットファンの運転が可能であるか否かを判定することができるのはもちろんである。
(v)制御装置7は、各排風機2、3、各ジェットファン4に対して1つ設けるほか、各排風機2、3、各ジェットファン4毎に設けることも可能である。
(vi)火災時において使用可能であるジェットファン4だけでのトンネル内風速制御では、火災制御を十分にできない場合には、ジェットファン4による火災制御を中止し、排風機2、3による火災風速制御とする判定手段を、制御装置7に更に含ませるようにすることも可能である。
(vii)前記実施の形態では、道路トンネル1は一方通行であるが、対面通行のトンネルにも同様に適用できるのはもちろんである。
1 道路トンネル
2、3 排風機
4 ジェットファン
5A、5B 風向風速計
6 交通量測定装置(渋滞検出手段)
7 制御装置
8 火災検知器(火災地点検出手段)
11 必要換気風量決定部(換気風量決定手段)
11A 制御偏差量決定部
11Aa 火災区画風速設定値決定部
11Ab 火災区画風速補正値演算部
11C 積分動作部
11D 微分動作部
11E 比例動作部
11F 出力リミッタ部
11G 切替スイッチ
11H 定数部
11K 出力部
12 風量決定部(風量決定手段)
12M ジェットファン使用可否判定部
13 ジェットファン駆動制御部
14 排風機駆動制御部

Claims (6)

  1. 道路トンネル内に配置される排風機と、前記道路トンネル内に配置され風量を調整できる一以上のジェットファンと、前記道路トンネル内に設置され前記道路トンネル内の風向・風速を測定する風向風速計とを備える道路トンネル換気装置における火災時風速制御システムにおいて、
    火災の発生により火災発生地点を検出する火災地点検出手段と、
    前記風向風速計からの信号を受けて火災時における風速目標値とする風速設定値を決定し、前記風速設定値に基づき、必要換気風量を決定する換気風量決定手段と、
    前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れている場合には前記ジェットファンを、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れていない場合には前記排風機をそれぞれ使用することを決定し、前記必要換気風量に基づき、その決定されたジェットファン又は排風機についての風量を決定し、それらを駆動制御する制御手段とを備えることを特徴とする道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム。
  2. 前記換気風量決定手段は、火災時の風速設定値に、前記風向風速計の計測に基づく補正値を加減算して、前記風速設定値からのずれ量である制御偏差量を決定する制御偏差量決定部を有し、前記制御偏差量に基づき必要換気風量を決定するものである請求項1に記載の道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム。
  3. 前記道路トンネル内の渋滞の有無を検出する渋滞検出手段を更に備え、
    前記制御偏差量決定部は、前記風速設定値を、トンネル内渋滞のときには、火災による煙の拡散を抑制する第1の風速設定値とする一方、トンネル内非渋滞のときには、前記第1の風速設定値よりも大きく火災による煙を車両進行側へ流すことで換気する第2の風速設定値とするものである請求項2に記載の道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム。
  4. 前記換気風量決定手段は、前記火災地点検出手段からの信号を受け、火災時には前記換気風量決定手段により決定された必要換気風量をそのまま出力させる一方、非火災時には前記換気風量決定手段により決定された必要換気風量をキャンセルして必要換気風量を0として出力させるものである請求項1〜のいずれか1つに記載の道路トンネル換気装置における火災時風速制御システム。
  5. 道路トンネル内に配置される排風機と、前記道路トンネル内に配置され風量を調整できる一以上のジェットファンと、前記道路トンネル内に設置され道路トンネル内の風向・風速を測定する風向風速計とを備える道路トンネル換気装置における火災時風速制御方法であって、
    火災時に火災発生地点を検出し、
    前記道路トンネル内の風向・風速に基づき火災時における風速目標値とする風速設定値を決定し、前記風速設定値に基づき、必要換気風量を決定し、
    前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れている場合には前記ジェットファンを、前記ジェットファンが前記火災発生地点から一定距離以上離れていない場合には前記排風機をそれぞれ使用することを決定し、前記必要換気風量に基づき、使用する前記ジェットファン又は前記排風機について風量を決定し、それらを駆動制御することを特徴とする道路トンネル換気装置における火災時風速制御方法。
  6. 前記必要換気風量は、前記道路トンネル内の渋滞の有無を考慮して決定する、請求項5に記載の道路トンネル換気装置における火災時風速制御方法。
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