JP5461550B2 - 導光基板およびこれを備えた光学系 - Google Patents

導光基板およびこれを備えた光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP5461550B2
JP5461550B2 JP2011519567A JP2011519567A JP5461550B2 JP 5461550 B2 JP5461550 B2 JP 5461550B2 JP 2011519567 A JP2011519567 A JP 2011519567A JP 2011519567 A JP2011519567 A JP 2011519567A JP 5461550 B2 JP5461550 B2 JP 5461550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffraction grating
sub
wavelength
order
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011519567A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010146856A1 (ja
Inventor
孝吉 菅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Enplas Corp
Original Assignee
Enplas Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Enplas Corp filed Critical Enplas Corp
Priority to JP2011519567A priority Critical patent/JP5461550B2/ja
Publication of JPWO2010146856A1 publication Critical patent/JPWO2010146856A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5461550B2 publication Critical patent/JP5461550B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/0001Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems
    • G02B6/0011Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems the light guides being planar or of plate-like form
    • G02B6/0013Means for improving the coupling-in of light from the light source into the light guide
    • G02B6/0015Means for improving the coupling-in of light from the light source into the light guide provided on the surface of the light guide or in the bulk of it
    • G02B6/0016Grooves, prisms, gratings, scattering particles or rough surfaces
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1809Diffraction gratings with pitch less than or comparable to the wavelength

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)

Description

本発明は、導光基板およびこれを備えた光学系に係り、特に、レーザなどの発光装置によって発光された光を伝播させるのに好適な導光基板およびこれを備えた光学系に関する。
近年、半導体レーザ光源に関する技術の発達が著しく、近い将来においては、LED(Light Emitting Diode)だけでなくLD(Laser Diode)においても3色(赤、緑および青)の光を発光してディスプレイなどに応用されることが期待されている。このようなLDから発光(出射)される光の特徴としては、電気から光への変換効率が高いことや、コヒーレンシーが良いことなどの長所がある一方で、光の出射のNA(Numerical Aperture)が高く広がり角度が大きいことによる使い難さなどの短所もある。
特開2004−273203号公報
ところで、最近では、ディスプレイの小型化などに伴い、薄い基板の内部に高い効率で光を閉じ込めて、その光を基板の内部を通して基板の厚さ方向に直交する方向に伝播させたいという要求が増えている。このような要求を満足させるために、図1に示すような手段が採られている。図1では、薄肉の基板1の側端面(図1における右端面)1aに臨む位置にLEDやLD等の発光装置2を配置した状態で、発光装置2から出射された光を側端面1aを通して基板1の内部に入射させ、入射された光を基板1の上面1bおよび下面1cに交互に繰り返し全反射させる。これにより、基板1の厚さ方向に直交する方向に伝播させることができる。
しかしながら、LEDもLDも出射光として平行光が出てくるわけではない。LDでは広がり角が大きいガウシアン強度分布の光が出てくる。また、LEDでは、ランバート散乱体として近似することができる非常に広がり角が大きい光が出射されるのが一般的である。例えば、LDでは、λ=650nmの波長においては、しばしば広がり角θ=30°程度のものが使用される。
このため、従来は、このような高NAの光を高い効率で基板1の内部に閉じ込めて伝播させることが困難であるといった問題が生じていた。
なお、このような問題の解決を図るための先行技術として、特許文献1に記載の発明がある。この特許文献1は、全反射を利用して導光板に光を結合するために、入射カプラとして回折光学素子を利用することを提案している。そして、特許文献1には、回折を利用したカプラによって高効率かつ損失が少ない状態で光を板の中に閉じ込められることが記載されている。しかしながら、特許文献1には、なんら具体的な素子の構造や回折効率等のデータが示されていない。一般に、このような回折を利用した素子の場合には、高次回折光が存在するために、特定の次数のみに光を集めるのは困難であり、高次回折光へある程度の光パワーが逃げていくことによる光の損失は避けられないのが通常である。
本発明の目的は、発光装置によって発光された光を可及的に高い効率で閉じ込めた状態で伝播させることができる導光基板およびこれを備えた光学系を提供することである。
本発明の導光基板は、所定の厚さに形成された基板本体を有し、前記基板本体における厚さ方向の一方の面には、発光装置によって発光された光を前記厚さ方向に対してほぼ垂直に入射して透過し、0次光および±1次光を発生させる透過型の第1のサブ波長回折格子が形成され、前記基板本体における前記厚さ方向の他方の面には、前記第1のサブ波長回折格子を透過した0次光を反射回折させることによって±1次光を発生させる反射型の第2のサブ波長回折格子が、前記第1のサブ波長回折格子に前記厚さ方向において対向するように形成され、前記第1のサブ波長回折格子によって発生させた前記±1次光および前記第2のサブ波長回折格子によって発生させた前記±1次光を前記一方の面および前記他方の面によって全反射させる、構成を採る。
本発明によれば、発光装置によって発光された光を、第1のサブ波長回折格子によって発生させた±1次光および第2のサブ波長回折格子によって発生させた±1次光として基板本体における厚さ方向の両面によって全反射させつつ厚さ方向に直交する方向に伝播させることにより、発光装置によって発光された光を可及的に高い効率で閉じ込めた状態で伝播させることができる。同時に、反射型の第2のサブ波長回折格子の0次光として光源に戻る成分を小さくすることができるため、光源の出力を安定化することができる。
従来から採用されていた基板を用いた光の伝播方法の一例を示す模式図 本発明に係る導光基板および光学系の実施の形態を示す構成図 図2に示した導光基板の平面図 図2に示した導光基板の下面図 本発明に係る導光基板の実施の形態において、第1のサブ波長回折格子に入射した光の光路を示す模式図 本発明に係る導光基板の実施の形態において、第1のサブ波長回折格子の設計方法を説明するための説明図 本発明に係る導光基板の実施の形態において、第1のサブ波長回折格子の回折効率の計算結果を示すグラフ 本発明に係る導光基板の実施の形態において、図7の変形例としての第1のサブ波長回折格子の回折効率の計算結果を示すグラフ 本発明に係る導光基板の実施の形態において、第2のサブ波長回折格子の設計方法を説明するための説明図 本発明に係る導光基板の実施の形態において、第2のサブ波長回折格子の回折効率の計算結果を示すグラフ 本発明に係る導光基板の実施の形態において、導光基板の厚さと第1のサブ波長回折格子および第2のサブ波長回折格子の面積との最適な関係を設計する方法を説明するための説明図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、本実施の形態における光学系6は、所定の厚さを有する導光基板5と、この導光基板5に図2における上方において対向する発光装置7と、これら導光基板5および発光装置7の間に配置されたコリメーションレンズ8とによって構成される。なお、導光基板5、発光装置7およびコリメーションレンズ8は、図示しない公知の位置保持手段によってそれぞれの配置位置に保持される。
発光装置7は、導光基板5側(図2における下方)に向けて光を出射(すなわち発光)する。この発光装置7として、LED、LD、ガスレーザまたは固体レーザ等を用いることができる。
コリメーションレンズ8は、発光装置7から出射された光をコリメートした上で導光基板5側に向けて出射する。
図2〜図4に示すように、導光基板5は、透光性の材料によって所定の厚さに形成された平板状の基板本体5aを有する。基板本体5aには、基板本体5aにおける厚さ方向(図2における縦方向)の一方の面としての厚さ方向に垂直な上面10と、基板本体5aにおける厚さ方向の他方の面としての上面10に平行な下面11とが形成される。
図2および図3に示すように、基板本体5aの上面10における中央の所定範囲の領域には、透過型の第1のサブ波長回折格子12が形成される。第1のサブ波長回折格子12は、図2における紙面垂直方向(図3における縦方向)に長尺とされた複数の格子溝14をその長手方向に直交する方向(図2および図3における横方向)に所定の間隔を設けて整列するように形成される。また、第1のサブ波長回折格子12は、その周期Λ1が発光装置7から発光される光の波長に近い微細な周期構造に形成される。ただし、第1のサブ波長回折格子12は、格子溝14に加えて、この格子溝14に直交する複数の格子溝が図2における紙面垂直方向に整列するように形成されてもよい。
図5に示すように、第1のサブ波長回折格子12には、発光装置7から出射されてコリメーションレンズ8によってコリメートされた光Lが、図2における上方から垂直に入射する。そして、第1のサブ波長回折格子12は、入射した光Lを透過させる。第1のサブ波長回折格子12を透過した光は、光Lとほぼ平行の0次光L1(0)、光Lに対して所定の回折角を持って進む+1次光L1(+1)および−1次光L1(−1)を発生させる。
また、図2および図4に示すように、基板本体5aの下面11における第1のサブ波長回折格子12に厚さ方向において対向する位置、すなわち、下面11における中央の所定範囲の領域には、反射型の第2のサブ波長回折格子15が形成される。第2のサブ波長回折格子15は、図2における紙面垂直方向(図4における縦方向)に長尺とされた複数の格子溝16をその長手方向に直交する方向(図2および図4における横方向)に所定の間隔を設けて整列するように形成した格子形状17を有している。この格子形状17の周期Λ2は、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1よりも小さい周期に形成されており、この周期Λ2は、第2のサブ波長回折格子15自体の周期に相当する。ただし、第2のサブ波長回折格子15も、第1のサブ波長回折格子12と同様に、格子溝16に加えて、この格子溝16に直交する複数の格子溝が図2および図4における縦方向に整列するように形成されてもよい。さらに、図2および図4に示すように、第2のサブ波長回折格子15は、格子形状17の表面における下面11に平行な部位(すなわち、格子形状17における格子溝16の非形成面および格子溝16の底面)に形成された金属薄膜18を有する。
図5に示すように、第2のサブ波長回折格子15には、第1のサブ波長回折格子12によって発生した0次光L1(0)が入射する。そして、第2のサブ波長回折格子15は、入射した0次光L1(0)を回折させることによって、所定の回折角を持って進む+1次光L2(+1)および−1次光L2(−1)を発生させる。
このように形成された本実施の形態の導光基板5においては、第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)および−1次光L1(−1)ならびに第2のサブ波長回折格子15によって発生した+1次光L2(+1)および−1次光L2(−1)が、基板本体5aの上面10および下面11によって全反射されつつ導光基板5の厚さ方向に直交する方向に伝播される。
このことを具体的に説明すると、まず、図5に示すように、第1のサブ波長回折格子12によって発生した0次光L1(0)は、第2のサブ波長回折格子15側に向かって第1のサブ波長回折格子12に入射した光Lと同方向(図5における下方向)の進路を維持しつつ基板本体5aの内部を進行する。このとき、第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)は、0次光L1(0)に対して図5における時計回りに所定の回折角度θ1(+1)〔°〕を有した状態で基板本体5aの下面11側に向かって基板本体5aの内部を進行する。また、このとき、第1のサブ波長回折格子12によって発生した−1次光L1(−1)は、0次光L1(0)に対して図5における反時計回りに所定の回折角度θ1(−1)〔°〕を有した状態で基板本体5aの下面11側に向かって基板本体5aの内部を進行する。ただし、−1次光L1(−1)の回折角度θ1(−1)は、+1次光L1(+1)の回折角度θ1(+1)と同一となっている。
次いで、第2のサブ波長回折格子15に到達した0次光L1(0)は、この第2のサブ波長回折格子15によって回折されることによって、反射の0次光および前述した反射の+1次光L2(+1)ならびに−1次光L2(−1)へと変換される。このとき、基板本体5aの下面11に到達した第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)は、臨界角以上の入射角すなわち|θ1(+1)|を有した状態で下面11に入射するとともに、この下面11によって全反射される。また、このとき、基板本体5aの下面11に到達した第1のサブ波長回折格子12によって発生した−1次光L1(−1)は、臨界角以上の入射角すなわち|θ1(−1)|を有した状態で下面11に入射するとともに、この下面11によって全反射される。
次いで、第2のサブ波長回折格子15によって発生した+1次光L2(+1)は、0次光L1(0)に対して図5における時計回りに所定の回折角度θ2(+1)〔°〕を有した状態で基板本体5aの上面10側に向かって基板本体5aの内部を進行する。このとき、第2のサブ波長回折格子15によって発生した−1次光L2(−1)は、0次光L1(0)に対して図5における反時計回りに所定の回折角度θ2(−1)〔°〕を有した状態で基板本体5aの上面10側に向かって基板本体5aの内部を進行する。ただし、−1次光L2(−1)の回折角度θ2(−1)は、+1次光L2(+1)の回折角度θ2(+1)と同一となっている。また、このとき、基板本体5aの下面11によって全反射された第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)は、基板本体5aの上面10に向かって基板本体5aの内部を進行する。さらに、このとき、基板本体5aの下面11によって全反射された第1のサブ波長回折格子12によって発生した−1次光L1(−1)は、基板本体5aの上面10に向かって基板本体5aの内部を進行する。
次いで、基板本体5aの上面10に到達した第2のサブ波長回折格子15によって発生した+1次光L2(+1)は、 臨界角以上の入射角すなわち|θ2(+1)|を有した状態で上面10に入射するとともに、この上面10によって全反射される。このとき、基板本体5aの上面10に到達した第2のサブ波長回折格子15によって発生した−1次光L2(−1)は、臨界角以上の入射角すなわち|θ2(−1)|を有した状態で上面10に入射するとともに、この上面10によって全反射される。また、このとき、基板本体5aの上面10に到達した第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)は、臨界角以上の入射角|θ1(+1)|を有した状態で上面10に入射するとともに、この上面10によって全反射される。さらに、このとき、基板本体5aの上面10に到達した第1のサブ波長回折格子12によって発生した−1次光L1(−1)は、臨界角以上の入射角|θ1(−1)|を有した状態で上面10に入射するとともに、この上面10によって全反射される。
なお、これ以後、第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)は、基板本体5aの下面11および上面10における全反射を繰り返しながら、基板本体5aの内部を厚さ方向に直交する方向すなわち図5における左方に向かって伝播されることになる。また、第1のサブ波長回折格子12によって発生した−1次光L1(−1)は、基板本体5aの下面11および上面10における全反射を繰り返しながら、基板本体5aの内部を厚さ方向に直交する方向すなわち図5における右方に向かって伝播されることになる。さらに、第2のサブ波長回折格子15によって発生した+1次光L2(+1)は、基板本体5aの下面11および上面10における全反射を繰り返しながら、基板本体5aの内部を厚さ方向に直交する方向すなわち図5における右方に向かって伝播されることになる。さらにまた、第2のサブ波長回折格子15によって発生した−1次光L2(−1)は、基板本体5aの下面11および上面10における全反射を繰り返しながら、基板本体5aの内部を厚さ方向に直交する方向すなわち図5における左方に向かって伝播されることになる。つまり、第1のサブ波長回折格子12によって発生した+1次光L1(+1)および−1次光L1(−1)は、厚さ方向に直交する方向における互いに逆方向に向かって伝播され、同様に、第2のサブ波長回折格子15によって発生した+1次光L2(+1)および−1次光L2(−1)も、厚さ方向に直交する方向における互いに逆方向に向かって伝播されることになる。
このような構成によれば、発光装置7によって発光された光Lを、第1のサブ波長回折格子12によって発生させた±1次光L1(+1)、L1(−1)および第2のサブ波長回折格子15によって発生させた±1次光L2(+1)、L2(−1)として基板本体5aの上面10および下面11によって全反射させつつ厚さ方向に直交する方向に伝播させることができる。これにより、発光装置7によって発光された光を可及的に高い効率で導光基板5の内部に閉じ込めた状態で伝播させることができる。更に、第1のサブ波長回折格子12によって発生した0次光L1(0)のうち、第2のサブ波長回折格子15によってさらに回折された僅かな成分のみが、反射の0次光L2(0)(図示せず)として第1のサブ波長回折格子12に戻ることになる。そして、この第1のサブ波長回折格子12に戻った0次光L2(0)のうち、この第1のサブ波長回折格子12による更なる回折によって発生した0次光の成分のみが、基板本体5aの上面10を透過して光源に戻ることになる。この成分は極めて小さいため、光源への戻り光はほぼ完全に防止されるといえる。
上記構成に加えて、更に、次の(1)に示す条件式を満足することが望ましい。
h・tan〔min(θ、θ')〕≧2w (1)
但し、(1)式におけるhは、導光基板5の厚さである。また、(1)式におけるθは、第1のサブ波長回折格子12によって発生する±1次光L1(+1)、L1(−1)の回折角度θ1(+1)=θ1(−1)〔°〕である。さらに、(1)式におけるθ'は、第2のサブ波長回折格子15によって発生する±1次光L2(+1)、L2(−1)の回折角度θ2(+1)=θ2(−1)〔°〕である。さらにまた、(1)式におけるmin(θ、θ')は、θまたはθ'のうちの小さい方の値である。また、(1)式におけるwは、第1のサブ波長回折格子12に入射する発光装置7によって発光された光Lのビーム径である。
このような構成によれば、第1のサブ波長回折格子12によって発生させた±1次光L1(+1)、L1(−1)の第2のサブ波長回折格子15への入射および第2のサブ波長回折格子15によって発生させた±1次光L2(+1)、L2(−1)の第1のサブ波長回折格子12への入射を回避することができる。これにより、透過回折光による光の損失および回折角の変化による光のロスを抑制して発光装置7によって発光された光をさらに適切に閉じ込めた状態で伝播させることができる。
次に、本発明の実施例として、導光基板5および光学系6の設計方法について説明する。
本実施例においては、最初に、光を閉じ込める基板(すなわち、基板本体5aに用いる基板)を樹脂基板と定める。ただし、基板は必ずしも樹脂である必要はなく、ガラスやセラミックスなどの他の光学材料であってもよい。また、本実施例においては、樹脂基板用の樹脂として、日本ゼオン製のZeonex−480Rという樹脂を用いる。さらに、本実施例においては、発光装置7によって発光される光Lを赤色の波長λ=650nmの光として計算を進めるが、他の波長の光(例えば、青色の光)を用いたとしても問題はない。なお、Zeonex−480Rは、650nmの波長の光に対する屈折率が約1.525である。
ここで、互いに屈折率が異なる第1の媒体と第2の媒体との境界位置においては、次の(2)に示すフレネルの式が成立する。
sinθ1/sinθ2=n1/n2 (2)
但し、(2)式におけるθ1は、第1の媒体と第2の媒体との界面に第1の媒体側から入射する光の入射角〔°〕である。また、(2)式におけるθ2は、第1の媒体と第2の媒体との界面に第1の媒体側から入射した光が界面から第2の媒体側に向かって出射される際の出射角〔°〕である。さらに、(2)式におけるn1は、第1の媒体の屈折率である。さらにまた、(2)式におけるn2は、第2の媒体の屈折率である。
今、(2)式における第1の媒体を樹脂基板、第2の媒体を空気と仮定すると、次式より、臨界角θc〔°〕として40.972°という角度が算出される。
sinθc=1/1.525 (3)
そして、この臨界角θcより大きい角度で樹脂基板側から空気側に入射される光が、樹脂基板と空気との界面において全反射されながら樹脂基板の内部に閉じ込められた状態で樹脂基板の内部を通って伝播される。
次に、本実施例においては、このような樹脂基板の内部における光の伝播を確保するために、樹脂基板の表面(基板本体5aの上面10に相当)に、第1のサブ波長回折格子12を設ける。なお、本実施例における第1のサブ波長回折格子12は、金型を用いた樹脂成形法によって樹脂基板と一体的に形成することができる。
ここで、一般に、サブ波長回折格子という用語は、その周期(空間的な周期)が使用される光の波長と同じ程度かまたは波長よりも小さなサイズの回折格子に用いられる用語として知られている。本実施例における第1のサブ波長回折格子12も、そのような一般的に用いられる用語と同様の語義を有する回折格子である。
また、一般に、回折格子は、次式に示す回折格子方程式を満足することが知られている。
Λsinθ=nλ (4)
但し、(4)式におけるΛは、回折格子の周期である。また、(4)式におけるθは、回折格子における回折光の回折角度である。さらに、(4)式におけるnは、回折光の回折次数である。さらにまた、(4)式におけるλは、回折格子に入射する(回折格子によって回折される)光の波長である。
さらに、一般に、サブ波長回折格子は、サブ波長回折格子よりも周期Λが大きい通常の回折格子とは異なり、発生する回折光の回折次数が少なく、±1次光および0次光のみ、あるいは、0次光のみが発生する。ただし、本実施例においては、第1のサブ波長回折格子12によって±1次光L1(+1)、L1(−1)および0次光L1(0)が発生する導光基板5を設ける。
次に、このような一般的な回折格子およびサブ波長回折格子の性質を前提として、第1のサブ波長回折格子12によって発生する+1次光L1(+1)が樹脂基板の裏面(基板本体5aの下面11に相当)に臨界角よりも大きな入射角で入射する条件を求めると、次式のようになる。
Λ1≦λ/sinθ=0.65/sin(40.97°)
=0.9991μm (5)
但し、(5)式におけるλ、θは、(4)式と同様である。また、(5)式におけるΛ1は、第1のサブ波長回折格子12の周期である(図2参照)。
この(5)式から分かるように、波長λ=650nmでZeonex−480Rからなる樹脂基板を用いた場合には、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1は約1μm以下であれば、+1次光L1(+1)が樹脂基板中に閉じ込められることになる。
ただし、(5)式を満足する場合においても、Λ1≦λ/n=0.65/1.525=0.426μmのサイズになると0次光しか発生しなくなるので、本実施例においては、さらに、次式を満足するように設計する。
0.426μm≦Λ1≦0.9991μm (6)
さらに、(6)式を満足する場合においても、第1のサブ波長回折格子12の位相が変わることにより、±1次と0次との回折効率のパワー配分が変わるため、なるべく±1次の回折効率が高くなるような位相を求める必要がある。このような条件はブラッグ条件と呼ばれる。このような位相は、第1のサブ波長回折格子12に入射する光の波長λ、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1および充填率f1を決定(固定)した上で、第1のサブ波長回折格子12の格子溝14の深さd1(図2参照)を制御することによって求めることができる。
但し、充填率f1は、図2に示したような第1のサブ波長回折格子12の場合には、周期Λ1および格子溝14の整列方向における溝幅w1(図2参照)を用いて次式のように表すことができる。
1=(Λ1−w1)/Λ1 (7)
ここで、一般に、回折格子の回折効率は、Fourier modal method 、RCWA法などの方法により計算できることが知られている。但し、RCWA法とは、Rigorous Coupled wave Analysisの略であり、このRCWA法の詳細は、M.G.MoharamによりJ.Opt.Soc.Am,A 12(5) :1077-1086 May 1995 に記述されている。また、このようなRCWA法を採用した回折格子の回折効率を計算するソフトウェアとしては、米国のGrating solver Developmentt Co.,から販売されているG-solverや米国のR-Soft Design groupが販売しているDiffractMODなどが知られている。
本実施例においては、このような公知の回折効率の計算方法を利用して第1のサブ波長回折格子12の回折効率を計算した。具体的には、図6に示すように、第1のサブ波長回折格子12に入射する光Lの波長λ=650nm、第1のサブ波長回折格子12の屈折率n=1.525、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1=0.9μm、第1のサブ波長回折格子12の充填率f1=0.4として、空気側から第1のサブ波長回折格子12にコリメートされた光Lが入射すると仮定して第1のサブ波長回折格子12の回折効率を計算した。但し、この計算に用いたパラメータ(変数)は格子溝14の深さd1であり、本実施例においては、この格子溝14の深さd1を0〜0.8μmまで変化させた。また、この計算においては、RCWA法において誘電率のフーリエ展開項を10項まで取った。さらに、この計算においては、第1のサブ波長回折格子12にTE光の直線偏光(すなわち、光L)が入射したと仮定した。その計算結果を図7のグラフに示す。
図7には、図6に示した計算条件の下で計算された第1のサブ波長回折格子12の回折効率の計算結果が、横軸の値を格子溝14の深さd1〔μm〕、縦軸の値を0次および±1次の回折効率としたグラフとして示されている。なお、図7において、+1次の回折効率と−1次の回折効率とは互いに同一の特性を示している。
図7に示すように、格子溝14の深さd1=0.60μmにおいては、±1次の回折効率が合計で約86.6%となることが分かる。このときの0次の回折効率は約6.38%となる。さらに、このとき、第1のサブ波長回折格子12によって発生した±1次光L1(+1)、L1(−1)は、図6に示すように、46.24°の回折角度で回折することになる。この回折角度は、前述した樹脂基板側から空気側に光が入射する際の臨界角40.92°よりも大きいために、±1次光L1(+1)、L1(−1)は、樹脂基板の内部を進行して樹脂基板の裏面に到達すると、この裏面によって全反射されることになり、それ以後は、樹脂基板と空気との界面における全反射が繰り返されつつ樹脂基板内を伝播されることになる。したがって、図6の計算条件の下では、d1=0.60μmとすれば、最適な回折効率を有する第1のサブ波長回折格子12を得ることができる。
ところで、図7に示したものとは少し計算条件を変化させて、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1=0.7μmにして格子溝14の深さd1を変化させたときの回折効率の計算結果を図8に示す。なお、ここで第1のサブ波長回折格子12においては、フレネル反射に起因する反射の回折効率が若干存在しており、反射±1次回折効率が合計で4.0%、反射0次回折効率が0.3%ほど存在する。この4%は挿入損失となるが、第1のサブ波長回折格子12の上に反射防止膜をコートすれば、この値を極めて小さくすることができる。
図8に示すように、第1のサブ波長回折格子12の周期Λ1を0.7μmにすることにより、±一次光の回折角度は68.2°と図6の場合に比べて大きくなるが、その一方で、±一次の回折効率は、最大でも格子溝の深さd1=0.49μmのときの74.07%に止まり、図7の場合と比べると10%以上も減少することになる。したがって、相対的に図7に示した特性を有する第1のサブ波長回折格子12の方が図8に示したものよりも光の伝播に適したものといえる。
ただし、図7に示した第1のサブ波長回折格子12においても、6.38%の0次光L1(0)が問題となる。この0次光L1(0)は、何もしなければ樹脂基板の裏面に到達した際に、この裏面によってフレネル反射される一部の成分を除いたほぼすべての成分が裏面から樹脂基板を透過して空気側に出ていくことになる。そして、この空気側に出ていく光は、樹脂基板の内部に閉じ込めることができないものとなる。
そこで、本実施例においては、樹脂基板の裏面における0次光L1(0)の透過を抑制すべく、第1のサブ波長回折格子12に加えて、更に、樹脂基板の裏面における第1のサブ波長回折格子12に対して樹脂基板の厚さ方向において対向する位置に、第2のサブ波長回折格子15を設計する。
具体的には、図9に示すように、樹脂基板の裏面における第1のサブ波長回折格子12に厚さ方向において対向する位置に、複数の格子溝16を整列させた格子形状17を設計するとともに、この格子形状17の表面における樹脂基板の裏面に平行な部位に、金属薄膜18を配置する。なお、本実施例において、金属薄膜18は、金属蒸着やスパッタリング等の公知の成膜方法によって形成することができる。
また、本実施例においては、金属薄膜18をアルミニウムによって形成することとする。ただし、金、銀、あるいは誘電体の多層膜等のアルミニウム以外の材料によって金属薄膜18を形成してもよい。さらに、本実施例においては、第2のサブ波長回折格子15の周期(すなわち、格子形状17の周期)Λ2=800nm、第2のサブ波長回折格子15の充填率f2=0.4とした。
但し、充填率f2は、図2、図9に示したような第2のサブ波長回折格子15の場合には、周期Λ2および格子溝16の整列方向における溝幅w2(図2、図9参照)を用いて次式のように表すことができる。
2=(Λ2−w2)/Λ2 (8)
そして、本実施例においては、図9の計算条件の下で、第1のサブ波長回折格子12の回折効率の計算方法と同様の方法によって第2のサブ波長回折格子15の回折効率を計算した。ただし、この計算においては、格子溝16の深さd2(図2、図9参照)〔μm〕を変数とし、このd2の値を0〜1μmの範囲で変化させた。ここで、アルミニウムからなる金属薄膜18の膜厚は100nmで一定とした。また、この計算においては、光の波長を、第1のサブ波長回折格子12の回折効率を計算したときと同様に650nmとした。このような計算条件の下で計算された第2のサブ波長回折格子15の回折効率の計算結果を図10に示す。
図10には、図9に示した計算条件の下で計算された第2のサブ波長回折格子15の回折効率の計算結果が、横軸の値を格子溝16の深さd2〔μm〕、縦軸の値を0次および±1次の回折効率としたグラフとして示されている。なお、図10において、+1次の回折効率と−1次の回折効率とは互いに同一の特性を示している。
図10に示すように、0次の回折効率および±1次の回折効率は、格子溝16の深さd2の変化にともなって増減を繰り返すような特性を示している。また、図10に示すように、0次の回折効率が増加特性を示すような格子溝16の深さd2の範囲においては、±1次の回折効率が減少特性を示し、逆に、0次の回折効率が減少特性を示すような格子溝16の深さd2の範囲においては、±1次の回折効率が増加特性を示している。さらに、図10に示すように、d2=0.73μmの場合に、0次の回折効率は0.86%と最小値を示し、また、このときの±1次光の回折効率の合計は96.52%と最大値を示している。さらにまた、この第2のサブ波長回折格子15の±1次光L2(+1)、L2(−1)の回折角度は54.34°であり、この回折角度は、樹脂基板側から空気側に光が入射する際の臨界角40.92°よりも大きいために、±1次光L2(+1)、L2(−1)は、樹脂基板の内部を進行して樹脂基板の表面に到達すると、この表面によって全反射されることになり、それ以後は、樹脂基板と空気との界面における全反射が繰り返されつつ樹脂基板内を伝播されることになる。したがって、図9の計算条件の下では、d2=0.73μm、アルミの膜厚を100nmとすれば、最適な回折効率を有する第2のサブ波長回折格子15を得ることができる。
さらに、本実施例においては、光学系6の全体の構成を設計する。すなわち、本実施例においては、第1のサブ波長回折格子12に対向する位置に、発光装置7として、前述した第1のサブ波長回折格子12および第2のサブ波長回折格子15の最適な回折効率を実現させるべくλ=650nmの光を出射するLDを配置する。本実施の形態におけるLDは、NA=0.6程度の広がり角度を有する缶タイプのLDとする。また、本実施例においては、非球面レンズからなるコリメーションレンズ8を、第1のサブ波長回折格子12とLDとの間に配置する。ただし、本実施例においては、コリメーションレンズ8を、LDに対してLDから出射される光(すなわちレーザ光)の焦点距離fだけ離れた位置に配置することにより、LDから出射された光をコリメーションレンズ8によって平行化できるようにする。
さらにまた、本実施例においては、コリメーションレンズ8の設計を最適化する。すなわち、LDのNAと焦点距離fとを決めた上で、最適なレンズ面形状を設計する。具体的には、前述のようにLDのNAを0.6とし、さらに、焦点距離fを2mm程度にして、LDから出射された光をビーム径1mm程度の平行光に変換することができるコリメーションレンズ8のレンズ面形状を設計する。このレンズ面形状の設計は、公知のレンズ面の設計方法によって設計することができる。このようにして設計されたコリメーションレンズ8によってコリメートされた光の強度分布は、空間的にはガウシアン分布になることが知られている。第1のサブ波長回折格子12の図11における横幅、奥行きとしては、このコリメーションレンズ8側から入射する光(ガウシアンビーム)のモードフィールド径の2倍程度の横幅、奥行きがあれば実用上問題はない。
また、本実施例においては、導光基板5の厚さに相当する樹脂基板の厚さと第1のサブ波長回折格子12および第2のサブ波長回折格子15の面積との最適な関係を考慮する。すなわち、図11に示すように、第1のサブ波長回折格子12に、LDから出射されてコリメーションレンズ8によってコリメートされた光Lが入射して、±1次光L1(+1)、L1(−1)が所定の回折角度θ1(+1)、θ1(−1)(ただし、θ1(+1)=θ1(−1))で樹脂基板内を進行していくと仮定する。そして、本実施例においては、第1のサブ波長回折格子12に入射する光Lのビームのモードフィールド直径をwとし、第1のサブ波長回折格子12の図11における横幅および奥行き並びに第2のサブ波長回折格子15の図11における横幅および奥行きをいずれも2wとし、樹脂基板の厚さをhとした上で、±1次光L1(+1)、L1(−1)が第2のサブ波長回折格子15に入射しない条件を求める。この条件は次式のようになる。
h・tanθ≧2w (9)
但し、(9)式におけるθは、θ1(+1)またはθ1(−1)である。ここで、(9)式におけるwの値を、コリメーションレンズ8から出射される光Lのビーム径に相当する1.0mmとし、(9)式におけるθの値を、図7に示した第1のサブ波長回折格子12と同様に46.24°とすると、h≧1.92mmとすればよいことが分かる。この条件が満たされる場合に、±1次光L1(+1)、L1(−1)は、第2のサブ波長回折格子15に入射することなく、すべて樹脂基板の裏面において全反射されて樹脂基板内を伝播されていくことになる。
一方で、第1のサブ波長回折格子12によって発生した0次光θ1(0)は、そのまま第2のサブ波長回折格子15の入射することになる。ここで、第2のサブ波長回折格子15に入射した0次光θ1(0)のうちの大部分の光は、第2のサブ波長回折格子15によって±1次光 L2(+1)、L2(−1)として所定の回折角度θ2(+1)、θ2(−1)(ただし、θ2(+1)=θ2(−1))で反射される。本実施例においては、(9)式に加えて、さらに、第2のサブ波長回折格子15によって発生した±1次光L2(+1)、L2(−1)が、第1のサブ波長回折格子12に入射しない条件を求める。この条件は、(9)式において定義されたhおよびwを用いると次式のようになる。
h・tanθ'≧2w (10)
但し、(10)式におけるθ'は、θ2(+1)またはθ2(−1)である。ここで、(10)式におけるwの値を、(9)式に代入した値と同様に1.0mmとし、(10)式におけるθ'の値を、図10に示した第2のサブ波長回折格子15と同様に58.34°とすると、h≧1.23mmとすればよいことが分かる。この条件が満足される場合に、±1次光L2(+1)、L2(−1)は、第1のサブ波長回折格子12に入射することなく、すべて樹脂基板の表面において全反射されて樹脂基板内を伝播されていくことになる。
なお、(10)式の条件を満足するhの最小値(1.23mm)は、(9)式の条件を満足するhの最小値(1.92mm)よりも小さいことから、(9)式の条件が満足されれば、直ちに(10)式の条件が満足されることが分かる。
したがって、(9)式および(10)式を総括した条件として、前述した(1)式を満足するようにすれば、第1のサブ波長回折格子12によって発生した±1次光L1(+1)、L1(−1)が第2のサブ波長回折格子15に入射することを抑制することができるとともに、第2のサブ波長回折格子15によって発生した±1次光L2(+1)、L2(−1)が第1のサブ波長回折格子12に入射することを抑制することができる。
なお、第2のサブ波長回折格子15によって発生した0次光は、第1のサブ波長回折格子12に戻ることになるが、この成分の比率は6.38%×0.86%=0.055%と極めて低いものとなる。また、ここで、第1のサブ波長回折格子12に戻った光は、この第1の回折格子12によって再び回折されることになる。このときの回折効率を計算すると、今度は、基板の中側から回折格子12に光が入射することになるので、基板の外側から回折格子12に光が入射する場合に比べて若干回折効率は異なる可能性もあるが、実際に前述したRCWA法で計算してみると、0次回折効率が6.38%、±1次の回折効率は86.61%と同じになった。この0次光は、そのまま回折格子12を透過して光源に戻ることになる。しかし、この光源に戻る成分は6.38%×0.86%×6.38%=0.0035% となり、ほとんど光は戻らないことが分かる。
このような設計方法によって設計されて製造された導光基板5および光学系6は、種々の用途に適用することができ、例えば、ディスプレイ表面を均一照明するための導光板や、光を均一な面積部分に分離するための分離光学系あるいは空間の均一な照明系などに用いることができる。
以上述べたように、本発明によれば、発光装置7によって発光された光Lを、第1のサブ波長回折格子12によって発生させた±1次光L1(+1)、L1(−1)および第2のサブ波長回折格子15によって発生させた±1次光L2(+1)、L2(−1)として基板本体5aの上面10および下面11によって全反射させつつ厚さ方向に直交する方向に伝播させることができるので、発光装置7によって発光された光を可及的に高い効率で閉じ込めた状態で伝播させることができる。
なお、本発明は、前述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、第1のサブ波長回折格子12および第2のサブ波長回折格子15は、図3および図4に示したように平面形状が矩形状のものに限る必要はなく、例えば、平面形状が円形のものであってもよい。
2009年6月17日出願の特願2009−144411の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る導光基板およびこれを備えた光学系は、レーザなどの発光装置によって発光された光を伝播させるために用いるに好適である。
5 導光基板
5a 基板本体
6 光学系
7 発光装置
8 コリメーションレンズ
10 上面
11 下面
12 第1のサブ波長回折格子
15 第2のサブ波長回折格子
17 格子形状
18 金属薄膜

Claims (4)

  1. 所定の厚さに形成された基板本体を有し、
    前記基板本体における厚さ方向の一方の面には、発光装置によって発光された光を前記一方の面に対してほぼ垂直に入射して透過し、0次光および±1次光のみを発生させる透過型の第1のサブ波長回折格子が形成され、
    前記基板本体における前記厚さ方向の他方の面には、前記第1のサブ波長回折格子を透過した0次光を反射回折させることによって0次光および所定の回折角を持って進む±1次光のみを発生させる反射型の第2のサブ波長回折格子が、前記第1のサブ波長回折格子に前記厚さ方向において対向するように形成され、
    次の(1)に示す条件式を満足し、
    前記第1のサブ波長回折格子によって発生させた前記±1次光および前記第2のサブ波長回折格子によって発生させた前記±1次光を前記一方の面および前記他方の面によって全反射させる、
    導光基板。
    h・tan〔min(θ、θ’)〕≧2w …(1)
    [上記式(1)において、h:導光基板の厚さ、θ:第1のサブ波長回折格子によって発生する±1次光の回折角度、θ’:第2のサブ波長回折格子によって発生する±1次光の回折角度、min(θ、θ’):θまたはθ’のうちの小さい方の値、w:第1のサブ波長回折格子に入射する発光装置によって発光された光のビーム径、である。]
  2. 前記第2のサブ波長回折格子は、前記基板本体に形成された格子形状およびこの格子形状の表面に形成された金属薄膜からなる、請求項1に記載の導光基板。
  3. 請求項1に記載の導光基板を備え、この導光基板における前記第1のサブ波長回折格子に対向する位置に、請求項1に記載の発光装置が配置され、この発光装置と前記第1のサブ波長回折格子との間に、前記発光装置によって発光された光をコリメートした上で前記第1のサブ波長回折格子に入射させるコリメーションレンズが配置されている、光学系。
  4. 前記発光装置が、LED、半導体レーザ、ガスレーザまたは固体レーザのいずれかである、請求項に記載の光学系。
JP2011519567A 2009-06-17 2010-06-16 導光基板およびこれを備えた光学系 Expired - Fee Related JP5461550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011519567A JP5461550B2 (ja) 2009-06-17 2010-06-16 導光基板およびこれを備えた光学系

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009144411 2009-06-17
JP2009144411 2009-06-17
PCT/JP2010/004018 WO2010146856A1 (ja) 2009-06-17 2010-06-16 導光基板およびこれを備えた光学系
JP2011519567A JP5461550B2 (ja) 2009-06-17 2010-06-16 導光基板およびこれを備えた光学系

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010146856A1 JPWO2010146856A1 (ja) 2012-11-29
JP5461550B2 true JP5461550B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=43356187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011519567A Expired - Fee Related JP5461550B2 (ja) 2009-06-17 2010-06-16 導光基板およびこれを備えた光学系

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8854732B2 (ja)
JP (1) JP5461550B2 (ja)
WO (1) WO2010146856A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210145853A (ko) * 2019-04-30 2021-12-02 레이아 인코포레이티드 이분 방출 패턴을 갖는 광원, 멀티뷰 백라이트 및 방법

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3112924B1 (en) * 2015-06-30 2021-07-28 ams AG Optical hybrid lens and method for producing an optical hybrid lens
US9851577B2 (en) * 2015-07-17 2017-12-26 Dicon Fiberoptics, Inc. Nano-structured lens for collimating light from surface emitters
JP6597197B2 (ja) * 2015-11-05 2019-10-30 セイコーエプソン株式会社 光束径拡大素子および表示装置
KR102526929B1 (ko) 2018-04-04 2023-05-02 삼성전자 주식회사 메타 표면이 형성된 투명 부재를 포함하는 광원 모듈 및 이를 포함하는 전자 장치
CN108594535B (zh) * 2018-06-29 2023-12-26 深圳创维新世界科技有限公司 背光模组、lcd显示屏及vr头显
CN108646338B (zh) * 2018-07-02 2019-12-31 京东方科技集团股份有限公司 一种背光模组及显示装置
WO2023163224A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社エンプラス 光レセプタクルおよび光モジュール

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188910A (ja) * 1984-03-08 1985-09-26 Canon Inc 光結合器
JPH02158928A (ja) * 1988-12-13 1990-06-19 Canon Inc 光ヘッド装置
JPH0567345A (ja) * 1991-09-09 1993-03-19 Sharp Corp 光基板型光情報記録再生装置
JPH05172633A (ja) * 1991-12-25 1993-07-09 Nec Corp 光接続装置および光接続装置用光学系
JPH06273639A (ja) * 1992-12-21 1994-09-30 Motorola Inc 光チャンネル導波管において入/出力ノ−ドを製造する方法
JPH10160964A (ja) * 1996-11-27 1998-06-19 Idec Izumi Corp 光デバイス、光導入装置および光検出装置
JP2000056168A (ja) * 1998-08-05 2000-02-25 Seiko Epson Corp 光伝送装置
JP2004503808A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 ノキア コーポレイション 光ガイド内で光を分配するための方法および装置
JP2005115176A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 分光素子、回折格子、複合回折格子、カラー表示装置、分波器、および回折格子の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002079719A2 (en) * 2001-03-29 2002-10-10 Georgia Tech Research Corporation Microinterferometers with performance optimization
JP4341262B2 (ja) 2003-03-06 2009-10-07 凸版印刷株式会社 導光体、およびそれを用いた表示体
KR101375332B1 (ko) * 2007-08-16 2014-03-19 삼성디스플레이 주식회사 반사판과 이를 채용한 디스플레이 및 반사광 분포 제어방법

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188910A (ja) * 1984-03-08 1985-09-26 Canon Inc 光結合器
JPH02158928A (ja) * 1988-12-13 1990-06-19 Canon Inc 光ヘッド装置
JPH0567345A (ja) * 1991-09-09 1993-03-19 Sharp Corp 光基板型光情報記録再生装置
JPH05172633A (ja) * 1991-12-25 1993-07-09 Nec Corp 光接続装置および光接続装置用光学系
JPH06273639A (ja) * 1992-12-21 1994-09-30 Motorola Inc 光チャンネル導波管において入/出力ノ−ドを製造する方法
JPH10160964A (ja) * 1996-11-27 1998-06-19 Idec Izumi Corp 光デバイス、光導入装置および光検出装置
JP2000056168A (ja) * 1998-08-05 2000-02-25 Seiko Epson Corp 光伝送装置
JP2004503808A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 ノキア コーポレイション 光ガイド内で光を分配するための方法および装置
JP2005115176A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 分光素子、回折格子、複合回折格子、カラー表示装置、分波器、および回折格子の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210145853A (ko) * 2019-04-30 2021-12-02 레이아 인코포레이티드 이분 방출 패턴을 갖는 광원, 멀티뷰 백라이트 및 방법
KR102642698B1 (ko) 2019-04-30 2024-03-04 레이아 인코포레이티드 이분 방출 패턴을 갖는 광원, 멀티뷰 백라이트 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20120087007A1 (en) 2012-04-12
WO2010146856A1 (ja) 2010-12-23
US8854732B2 (en) 2014-10-07
JPWO2010146856A1 (ja) 2012-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5461550B2 (ja) 導光基板およびこれを備えた光学系
JP4310080B2 (ja) 回折光学素子およびこれを備えた光学系、光学装置
KR101226346B1 (ko) 광학 소자, 광학 장치, 광 픽업, 광 정보 처리 장치, 광 감쇠기, 편광 변환 소자, 프로젝터 광학 시스템 및 광학 장치 시스템
JP5010549B2 (ja) 液晶表示装置
KR20110100656A (ko) 광을 혼합하기 위한 장치
JP2014110257A (ja) 光学装置
JP2010210824A (ja) 光学素子及び照明装置
JP6508466B2 (ja) 光源装置およびプロジェクター
US8098430B2 (en) Grating structure for directing non-polarized light
JP5338987B2 (ja) 光源および投射型表示装置
WO2009139093A1 (ja) バックライトユニットおよび液晶表示装置
JP2010537364A (ja) 照明アセンブリ
WO2017030207A1 (ja) 光学デバイス
JP2019511094A (ja) 反射格子島状構造を使用する格子ベースのバックライト
CN111045146A (zh) 一种光栅型光波导及其光传播调控方法
JP6316940B2 (ja) 波長選択性を有する光学素子及びこれを用いた灯具装置
US8264773B2 (en) Grating structure for splitting light
JP2004273203A (ja) 導光体、およびそれを用いた表示体
WO2005013446A1 (ja) 半導体レーザ装置
US10359584B2 (en) Light source device
WO2012120738A1 (ja) 光源およびその光源を用いた投射型表示装置
JP4599979B2 (ja) 照明装置
JP2006285222A (ja) 回折光学素子及び光通信モジュール
CN217007745U (zh) 波导基板和增强现实显示装置
JP2010164752A (ja) 光学素子、光ピックアップ、光情報処理装置、光減衰器、偏光変換素子、プロジェクタ光学系、光学機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees