JP5461288B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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本発明は、燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を導入して負圧を発生させるアスピレータと、蒸発燃料の処理システムを制御するシステム制御手段とを備え、アスピレータの負圧を利用してキャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を燃料タンク内へ回収する処理システムの蒸発燃料処理装置に関する。
この種の蒸発燃料処理装置として、例えば下記特許文献1がある。特許文献1の蒸発燃料処理装置では、ジェットポンプ(アスピレータ)が、プレッシャレギュレータを介して燃料ポンプと間接的に連通されている。エンジン始動に伴い燃料ポンプが稼動すると、当該燃料ポンプから吐出される余剰燃料は、プレッシャレギュレータを介して燃料タンク内へリリーフされる。このとき、プレッシャレギュレータからリリーフされる余剰燃料をアスピレータに導入することで、負圧を発生させている。また、特許文献1では、効率良く蒸発燃料を脱離するために、蒸発燃料の処理回収中は、ヒータによってキャニスタ内を加熱している。なお、特許文献1には明記されていないが、この種の処理システムでは、エンジンコントロールユニット(ECU)によってシステム制御されることが一般的である。
特開2002−235608号公報
特許文献1では、エンジンが稼動している限り、キャニスタ内の蒸発燃料吸着量(残存量)に関係なく常に蒸発燃料の処理システムが作動する構成である。したがって、実際にはキャニスタ内の蒸発燃料をほぼ脱離し終えたとしても、蒸発燃料の処理システムは作動し続けている。これでは、ヒータの作動電力等を無駄に消費し、燃費が悪化してしまう。そこで、エンジン稼動に関係なく燃料ポンプを稼動させて蒸発燃料を処理するよう制御することも可能である。しかし、この場合もキャニスタ内の蒸発燃料残存量を検知する構成を有しないため、蒸発燃料の回収完了を検知することはできない。これでは、蒸発燃料の脱離完了後には、ヒータのみならず燃料ポンプの稼動電力も無駄となる。
アスピレータによって発生する負圧の程度は、導入燃料量に依存する。すなわち、燃料導入量が多ければ大きな負圧が発生し、燃料導入量が少なければ負圧の程度は小さい。これに対し特許文献1では、アスピレータへはプレッシャレギュレータからの余剰燃料が導入される。すなわち特許文献1では、燃料ポンプとアスピレータとが、プレッシャレギュレータを介して間接的に連通されている。これでは、アスピレータへの燃料導入量が安定しないので、負圧の程度も安定しない。したがって、処理システムの累計作動時間に対する蒸発燃料残存量も不安定である。これでは、キャニスタ内の蒸発燃料残存量を検知把握することは困難である。したがって、処理システムの停止タイミングを的確に設定することができない。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、キャニスタ内の蒸発燃料をほぼ回収し終えた後の無駄な電力消費を避け、蒸発燃料残存量も簡便に検知できる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を導入して負圧を発生させるアスピレータと、蒸発燃料の処理システムを制御するシステム制御手段とを備え、アスピレータの負圧を利用してキャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を燃料タンク内へ回収する処理システムの蒸発燃料処理装置であって、システム制御手段においてキャニスタ内の蒸発燃料吸着量(残存量)が所定値以下となったことが検知されると、蒸発燃料処理システムが停止されることを特徴とする。すなわち、キャニスタ内の蒸発燃料吸着量が所定値以下となってほぼ蒸発燃料を脱離回収し終えたことが検知されると、その後は蒸発燃料処理システムが停止される。したがって、蒸発燃料の回収後に処理システムの作動電力を無駄に消費することがない。而して、燃費の悪化を回避できる。
蒸発燃料の吸着量は、燃料ポンプとアスピレータとを直接連通させたうえで、蒸発燃料処理システムが作動してからの累計作動時間に基づいて検知することができる。燃料ポンプとアスピレータとを直接連通していれば、アスピレータへの燃料導入量は常に一定であり安定している。したがって、アスピレータによって発生する負圧の程度も安定する。この場合、キャニスタ内の蒸発燃料残存量は、処理システムの累計作動時間に対して一定の速度で減少していく。これにより、処理システムの累計作動時間を計測するだけで、容易にキャニスタ内の実質的な蒸発燃料吸着量(残存量)を同定することができる。
また、処理システムの累計作動時間に基づいて蒸発燃料吸着量を検知し、蒸発燃料を脱離回収し終えた時点で蒸発燃料処理システムが停止されるということは、これを換言すれば、例えエンジンが停止しても、所定の条件を満たすまでは処理システムは作動し続けることになる。すなわち、本発明における処理システムの停止タイミングは、エンジンの稼動状態とは直接関係無い。したがって、エンジン停止後でも、蒸発燃料を回収し終えるまでは燃料ポンプは稼動し続ける場合もある。しかし、蒸発燃料の回収後には確実に燃料ポンプが停止するので、蒸発燃料を回収するに必要最低限の電力のみを要し、その後の無駄な電力消費を回避することができる。
このように、燃料ポンプとアスピレータとを直接連通させれば、蒸発燃料残存量の経時的変化は安定する。そこで、システム制御手段に、処理システムの累計作動時間に応じたキャニスタ内の蒸発燃料吸着量変動マップを予め記憶させておけば、当該蒸発燃料吸着量変動マップに基づいて、キャニスタ内の蒸発燃料吸着量をより容易確実に検知することができる。この場合、処理システムの累計作動時間が基準時間となったところで、蒸発燃料処理システムを停止するよう設定することができる。これによれば、蒸発燃料残存量を直接検知する必要は無いので、システム制御プログラムを簡素化できる。
また、蒸発燃料処理システムは、給油の完了に伴い始動することが好ましい。給油時以外の車両走行中や駐車中には、蒸発燃料はキャニスタへ徐々に導入吸着されていくが、給油時には多量の蒸発燃料が一気にキャニスタへ導入吸着される。そこで、給油の完了に伴い蒸発燃料を脱離回収することで、最も必要とされる状況において確実に蒸発燃料を脱離回収することができる。また、本発明では、給油から次回の給油までの間に蒸発燃料の確実な脱離回収を図るものである。
なお、蒸発燃料は、実際にはキャニスタ内に充填された吸着材に吸着される。当該吸着材は、温度に応じて蒸発燃料の吸着性能が変化する特性を有する。したがって、キャニスタ内の温度が変動すれば、蒸発燃料残存量の経時的な変化速度も変動し得る。そこで、キャニスタ内の温度を検知する温度センサを設けたうえで、当該温度センサからの検知温度に基づいて、処理システムの停止タイミングとなる基準時間を補正することが好ましい。これによれば、キャニスタ内の温度が変化しても、蒸発燃料残存量を確実に所定値以下にすることができる。
さらに、キャニスタ内を加熱するヒータを設けて、蒸発燃料処理システムの作動に伴いヒータも作動させることが好ましい。キャニスタ内の吸着材は、温度が高いほど蒸発燃料の脱離性能が高くなる特性を有するからである。これにより、蒸発燃料の脱離効率が向上し、処理時間を短縮できる。一方、蒸発燃料処理システムの停止に伴い、ヒータも停止させる。これにより、処理システム停止後に、ヒータ作動電力を無駄に消費することを回避できる。
本発明によれば、キャニスタ内の蒸発燃料吸着量が所定値以下となってほぼ蒸発燃料を脱離回収し終えたところで、蒸発燃料処理システムが停止されるので、その後の無駄な電力消費を避けることができる。また、燃料ポンプとアスピレータとを直接連通させているので、処理システムの累計作動時間に基づいて容易に蒸発燃料残存濃度を同定でき、簡便かつ的確に処理システムの停止タイミングを設定することができる。
実施例1の蒸発燃料処理装置の模式図である。 アスピレータの縦断面図である。 実施例1における蒸発燃料処理システムの制御フローである。 実施例1における蒸発燃料吸着量の経時的変化を示す模式グラフである。 実施例2の蒸発燃料処理装置の模式図である。 実施例2における蒸発燃料処理システムの制御フローである。 実施例2における蒸発燃料吸着量の経時的変化を示す模式グラフである。 蒸発燃料処理装置の変形例を示す模式図である。 アスピレータの変形例を示す縦断面図である。
(実施例1)
蒸発燃料処理装置は、図1に示すように、内部に燃料Fを貯留する燃料タンク1と、該燃料タンク1で発生する蒸発燃料(ベーパ)を吸着するキャニスタ2と、燃料ポンプ3から吐出される燃料の一部を導入して負圧を発生させるアスピレータ4と、処理システムを制御するエンジン・コントロール・ユニット(ECU)30などを備える。ECU30が、本発明のシステム制御手段に相当する。
燃料タンク1は密閉タンクである。燃料ポンプ3は燃料タンク1内に配され、燃料供給通路10を通して燃料Fをエンジン(図示せず)へ圧送する。キャニスタ2の内部には吸着材Cが充填されている。吸着材Cとしては、空気は通すが蒸発燃料を吸着・脱離可能な活性炭等を使用できる。キャニスタ2内には、当該キャニスタ2内(吸着材C)を加熱するヒータ5が設けられている。吸着材Cは、温度が高いほど特定成分(本発明では蒸発燃料)の吸着量が少なく、温度が低いほど特定成分の吸着量が多くなる特性を有する。したがって、吸着材Cに吸着されている蒸発燃料を脱離する際は、吸着材Cの温度はできるだけ高い方が好ましい。しかし、蒸発燃料が吸着材Cから脱離されるとき、その気化熱によって吸着材Cの温度は低下する。そこで、蒸発燃料脱離の際にヒータ5を作動させて吸着材Cを加熱することで、脱離効率を向上することができる。
燃料タンク1とキャニスタ2とは、吸着ベーパ通路11を介して連通されている。吸着ベーパ通路11上には、当該吸着ベーパ通路11の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、吸着ベーパ通路弁21が設けられている。また、キャニスタ2には、その先端が大気開放された大気通路12が連結されている。大気通路12上にも、当該大気通路12の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、大気通路弁22が設けられている。また、燃料タンク1には、当該燃料タンク1の内圧を検知する圧力センサ6が設けられている。圧力センサ6からの検知信号は、ECU30に入力される。
燃料供給通路10には、分岐通路13の一端が分岐状に連結されており、その他端にアスピレータ4が連結されている。すなわち、アスピレータ4は、燃料供給通路10及び分岐通路13を介して燃料ポンプ3と直接連通している。分岐通路13上には、アスピレータ4への燃料導入と遮断とを切り替えてアスピレータ4への燃料導入タイミングを制御する燃料導入制御弁23が設けられている。また、アスピレータ4には、キャニスタ2に至る回収通路14も連結されている。回収通路14上には、アスピレータ4からキャニスタ2への逆流を防ぐ逆止弁24が設けられている。
ECU30は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などを有する。ROMには、所定の制御プログラムや、後述の蒸発燃料吸着量変動マップ(図4参照)などが予め記憶されている。そのうえで、CPUが、当該制御プログラムや蒸発燃料吸着量変動マップに基づいて、各構成要素を所定のタイミングで制御操作する。吸着ベーパ通路弁21、大気通路弁22、及び燃料導入制御弁23は、それぞれECU30によって開閉タイミングが制御される電磁弁である。
アスピレータ4は、図2に示すように、ベンチュリ部41とノズル部45とから構成されている。ベンチュリ部41は、絞り42と、絞り42の燃料流動方向上流側に設けられた先窄まり状の減圧室43と、絞り42の燃料流動方向下流側に設けられた末拡がり状のディフューザ部44と、吸引ポート41pとを備えている。減圧室43、絞り42、およびディフューザ部44は、それぞれ同軸に形成されている。吸引ポート41pは、減圧室43に連通形成されている。吸引ポート41pに、回収通路14が連結される。ノズル部45は、ベンチュリ部41の上流側に接合されている。ノズル部45は、アスピレータ4内に燃料を導入する導入ポート45pと、導入された燃料を噴射するノズル本体46とを備えている。導入ポート45pに、分岐通路13が連結される。ノズル本体46は減圧室43内に同軸収納されており、当該ノズル本体46の噴射口46pは絞り42に臨んでいる。
燃料ポンプ3から吐出された燃料Fの一部は、燃料供給通路10から分岐通路13を通して燃料導入ポート45pからアスピレータ4内へ導入される。すると、導入された燃料Fがノズル本体46から噴射され、絞り42及びディフューザ部44の中央部を軸方向に高速で流動する。このとき、減圧室43においては、ベンチュリ効果によって負圧が発生する。これにより、吸引ポート41pおよび回収通路14に吸引力が生じる。回収通路14を通して吸引ポート41pから吸引された気体(本発明ではキャニスタ2からの蒸発燃料及び空気)は、ノズル本体46から噴射された燃料Fと共にディフューザ部44から混合排出される。
次に、蒸発燃料処理装置による蒸発燃料の処理機構について説明する。なお、以下の説明において、各制御は全てECU30によって行われる。駐車中(オフ時)は、大気通路弁22は開弁しているが、吸着ベーパ通路弁21及び燃料導入制御弁23は閉弁している。給油時には、吸着ベーパ通路弁21が開弁される。また、給油時以外でも、外気温等によって燃温が上昇し、燃料タンク1の内圧が所定値(例えば5kPa)を超えたことを圧力センサ6によって検知された場合も、吸着ベーパ通路弁21が開弁される。これに伴い、燃料タンク1内の蒸発燃料含有ガスが吸着ベーパ通路11を通してキャニスタ2内に流入する。すると、キャニスタ2内の吸着材Cによって蒸発燃料が選択的に吸着捕捉される。残余の空気は吸着材Cを透過し、キャニスタ2から大気通路12を通して大気中に放散される。これにより、大気汚染を回避しながら燃料タンク1が圧力開放され、燃料タンク1の破損が防止される。燃料タンク1の内圧が所定値(例えば大気圧)以下に低下したことが圧力センサ6によって検知されると、吸着ベーパ通路弁21は再度閉弁される。
本実施例では、図3に示すように、給油の完了に伴い蒸発燃料の処理システムが始動する。具体的には、給油の完了後に処理システムの作動条件が成立すると、蒸発燃料の処理システム(キャニスタ2からの脱離回収)が始動する。処理システムの作動条件としては、代表的にはエンジンの始動とすることができるが、エンジンの始動とは関係なく給油完了後から所定時間経過後とすることもできる。そして、処理システムの作動条件が成立すると、燃料ポンプ3が稼動されると共に、燃料導入制御弁23が開弁される。すると、燃料ポンプ3から吐出された燃料Fの一部は、燃料供給通路10から分岐通路13を通してアスピレータ4へ導入される。このとき、エンジンが稼動していなければ、余分な燃料Fはプレッシャレギュレータ(図示せず)から燃料タンク1内へリリーフされる。燃料タンク1から燃料Fがアスピレータ4へ導入されると、アスピレータ4において負圧が発生し、回収通路14を通してキャニスタ2内に負圧が作用する。なお、アスピレータ4の始動と共にヒータ5も作動する。また、燃料導入制御弁23の開弁と同時に、大気通路弁22は閉弁される。吸着ベーパ通路弁21は閉弁したままである。したがって、燃料タンク1及びキャニスタ2内は閉鎖空間となっている。
アスピレータ4からの負圧がキャニスタ2内へ作用すると、キャニスタ2内(の吸着材C)に吸着されていた蒸発燃料が徐々に吸引脱離される。脱離された蒸発燃料は、回収通路14及びアスピレータ4を介して燃料タンク1内へ回収される。これにより、図4に示すように、キャニスタ2内の蒸発燃料(ベーパ)吸着量(残存量)は経時的に減少していく。なお、ヒータ5によって吸着材Cが加熱されていることで、蒸発燃料の脱離回収が促進される。このとき、ECU30では、処理システムの累計作動時間が計測されている。そして、ECU30には、予め図4に示すような蒸発燃料残存量変動マップが記憶されている。したがって、ECU30では、処理システムの累計作動時間を計測するだけで、蒸発燃料残存量変動マップに基づき蒸発燃料残存量を同定検知することができる。そのうえで、ECU30には、キャニスタ2内の蒸発燃料残存量が目標吸着量(残存量)Qsとなる基準時間Tsが設定されている。そして、処理システムの累積作動時間が基準時間Tsとなったところで、処理システムが停止される。換言すれば、一旦処理システムが作動すると、仮に途中でエンジンが停止されても、基準時間Tsまでは処理システムは作動し続ける。
処理システムは、燃料導入制御弁23が閉弁されてアスピレータ4が停止することで停止となる。このとき、基準時間Tsの時点でエンジンが稼動していれば、当然に燃料ポンプ3も稼動し続ける。逆に、基準時間Tsの時点でエンジンが停止していれば、燃料ポンプ3も停止される。また、処理システムの停止に伴い、ヒータ5への通電も遮断される。これにより、処理システムの停止後は、ヒータ5や状況に応じて燃料ポンプ3への通電が遮断されることで、無駄な電力消費を避けることができる。蒸発燃料の目標残存量Qsは特に限定されないが、できるだけ低い方が好ましい。蒸発燃料の残存量が高いと、駐車中等にキャニスタ2から蒸発燃料が大気中へ放散するおそれがあるからである。目標残存量Qsは、例えば濃度換算で1vol%、好ましくは0.5vol%程度に設定するとよい。
なお、アスピレータ4の停止後は、キャニスタ2及び回収通路14内は負圧状態なので、アスピレータ4からキャニスタ2へ燃料Fが逆流し得る。しかし、当該逆流は、逆止弁24によって防がれる。また、蒸発燃料の回収処理中でも、外気温や燃料ポンプ3の稼動熱などによって燃温は上昇し得る。これに伴い、燃料タンク1の内圧が所定値以上に上昇したことが圧力センサ6によって検知されると、吸着ベーパ通路弁21及び大気通路弁22が開弁されて、燃料タンク1の圧力開放がされる。処理システムの累計作動時間は、処理システムの停止と同時にリセットしてもよいし、給油完了直後にリセットしてもよい。
(実施例2)
図5〜7に、本発明の実施例2を示す。実施例2の蒸発燃料処理装置は、図5に示すように、実施例1の蒸発燃料処理装置に、温度センサ8を設けた構成であり、その他の構成は実施例1と同じである。したがって、実施例1と共通する構成については、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略し、以下の説明では、実施例1との相違点を中心に説明する。
実施例1では、キャニスタ2内の温度に関係なく蒸発燃料残存量を検知していたが、実際には、キャニスタ2内の温度によって、蒸発燃料の脱離速度(蒸発燃料吸着量の経時的減少速度)が変動する。具体的には、キャニスタ2内の温度が低いほど、図7の一点鎖線で示すように、蒸発燃料残存量は緩やかに減少し、キャニスタ2内の温度が高いほど、図7の破線で示すように、蒸発燃料残存量は急激に減少する。したがって、蒸発燃料の目標吸着量Qsに到達する基準時間Tsも、厳密にはキャニスタ2内の温度によって変動する。そこで、本実施例2では、当該キャニスタ2内の温度に応じた複数の蒸発燃料吸着量変動マップが予め記憶されている。なお、ここでの「温度」とは、外気温の影響による温度であって、ヒータ5による加熱温度は関係ない。キャニスタ2内の温度が異なっていても、ヒータ5による加熱量は一定だからである。
そのうえで、実施例1と同様に蒸発燃料処理システムの作動条件が成立すると、図6に示すように、処理システムの作動に先だって、温度センサ8によってキャニスタ2内の(初期)温度が検知される。当該検知温度は、ECU30へ入力される。すると、ECU30では、図7に示すようなキャニスタ2内の温度に応じた蒸発燃料吸着量変動マップに照らして、目標吸着量Qsに到達する基準時間Tsを増減補正する。そのうえで、処理システムが作動し、実施例1と同様にして蒸発燃料の回収処理が行われる。これによれば、キャニスタ2内の温度変化に関係なく、蒸発燃料残存量を精度良く目標残存量にできる。特に、キャニスタ2内の温度が外部環境によって低い場合でも、蒸発燃料残存量を確実に目標吸着量Qs以下まで低減できる。逆に、キャニスタ2内の温度が外部環境によって高い場合は、処理システムの停止タイミングが短縮されるので、その分の無駄な電力消費も避けることができる。その他は実施例1と同様である。
(変形例)
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。特に、蒸発燃料処理装置の構成は、本発明に必須の構成要素である燃料タンク、キャニスタ、及びアスピレータを備える基本的構成を有する限り、その他種々の構成要素を付加できる。
例えば図8に示すように、複数種の混合ガス中から特定成分を優先的に濃縮分離する分離膜を使用することもできる。すなわち、図8に示す変形例では、実施例1の基本構成に加えて、分離膜モジュール9を備えている。分離膜モジュール9は、密閉容器9aと、当該密閉容器9a内を導入室9bと透過室9cとに区画するように配された分離膜9dとからなる。ここでの分離膜9dには、燃料成分に対する溶解拡散係数が高く、燃料成分は優先的に透過分離するが空気成分は透過し難い公知の分離膜を使用している。分離膜モジュール9の導入室9bには、燃料タンク1から延びる処理ベーパ通路15が連結される。処理ベーパ通路15上には、当該処理ベーパ通路15の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、処理ベーパ通路弁25が設けられている。また、分離膜モジュール9の導入室9bには、分離膜9dを透過せずに残存する希釈ガスが流動していく希釈ガス通路16の一端が連結されている。希釈ガス通路16の他端は、キャニスタ2に連結されている。希釈ガス通路16の中途部には、圧力調整弁26が設けられている。圧力調整弁26は、分離膜モジュール9からキャニスタ2へのガス流動のみを許容するチェック弁である。圧力調整弁26は、分離膜モジュール9側から所定圧力のガス圧が作用することで開弁する。一方、分離膜モジュール9の透過室9cには、分離膜9dによって濃縮分離された濃縮ガスが流動していく濃縮ガス通路17の一端が連結されている。濃縮ガス通路17の他端は、回収通路14に連結されている。濃縮ガス通路17上には、分離膜モジュール9からアスピレータ4へのガス流動のみを許容する逆止弁27が設けられている。
このような構成の蒸発燃料処理装置では、実施例1、2のように蒸発燃料を処理する際、燃料導入制御弁23と同時に、処理ベーパ通路弁25が開弁される。これにより、アスピレータ4によってキャニスタ2から蒸発燃料を脱離回収している間に燃料タンク1において発生する蒸発燃料を含む蒸発燃料含有ガスが、処理ベーパ通路15を通して分離膜モジュール9の導入室9bに導入される。すると、蒸発燃料含有ガス中の燃料成分が分離膜9dを優先的に透過分離することによって、透過室9cに濃縮ガスが精製される。このとき、透過室9cにもアスピレータ4からの負圧が作用しており、導入室9bと透過室9cには分離膜9dを介して差圧が生じているので、効率よく蒸発燃料が分離される。濃縮ガスは、濃縮ガス通路17及び回収通路14を通してアスピレータ4から燃料タンク1へ吐出回収される。一方、分離膜9dを透過せずに導入室9bに残存している、主として空気成分からなる希釈ガスは、希釈ガス通路16を通してキャニスタ2へ導入される。これにより、キャニスタ2から蒸発燃料の脱離が促進される。このとき、キャニスタ2内は、圧力調整弁26によって負圧状態が保たれる。その他は実施例1等と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
また、上記分離膜モジュール9を備える蒸発燃料処理装置において、キャニスタ2に温度センサ8を設けたうえで、実施例2のように、温度センサ8からの検知情報に基づいて基準時間Tsを補正することもできる。
また、燃料導入制御弁23は、分岐通路13上のほかに、アスピレータ4へ設けることもできる。例えば図9に示すように、アスピレータ4内に、ノズル本体46からの燃料噴射タイミングを制御するニードル弁47を設けることができる。詳しくは、ノズル部45に弁設置ベース48を接合したうえで、当該弁設置ベース48の中央部に、ノズル本体46を開閉するニードル弁47を配すことができる。ニードル弁47はピン状の部材であり、アスピレータ4の軸方向に沿って摺動可能となっている。ニードル弁47と弁設置ベース48との間には圧縮バネ49が配されており、当該圧縮バネ49によってニードル弁47は閉弁方向へ常時付勢されている。また、弁設置ベース48の周縁部には、電磁石50がニードル弁47を囲むように配されている。ECU30によって電磁石50に通電されると、ニードル弁47が開弁方向へ引き寄せられ、ノズル本体46が開弁される。
1 燃料タンク
2 キャニスタ
3 燃料ポンプ
4 アスピレータ
5 ヒータ
6 圧力センサ
8 温度センサ
9 分離膜モジュール
11 吸着ベーパ通路
12 大気通路
13 分岐通路
14 回収通路
15 処理ベーパ通路
16 希釈ガス通路
17 濃縮ガス通路
C 吸着材
F 燃料

Claims (6)

  1. 燃料タンクと、該燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を導入して負圧を発生させるアスピレータと、蒸発燃料の処理システムを制御するシステム制御手段とを備え、前記アスピレータの負圧を利用して前記キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を前記燃料タンク内へ回収する処理システムの蒸発燃料処理装置であって、
    前記アスピレータは、前記燃料ポンプから吐出された燃料をエンジンへ圧送する燃料供給通路、該燃料供給通路に一端が分岐状に連結された分岐通路、及び該分岐通路上に設けられた燃料導入制御弁を介して前記燃料ポンプに連通されており、
    前記システム制御手段において前記キャニスタ内の蒸発燃料吸着量が所定値以下となったことが検知されると、前記蒸発燃料処理システムが停止され、
    前記蒸発燃料の吸着量は、前記蒸発燃料処理システムが作動してからの累計作動時間に基づいて検知されることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記システム制御手段には、処理システムの累計作動時間に応じた前記キャニスタ内の蒸発燃料吸着量変動マップが予め記憶されており、
    前記システム制御手段は、前記蒸発燃料吸着量変動マップに基づいて前記キャニスタ内の蒸発燃料吸着量を検知することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記システム制御手段は、処理システムの累計作動時間が基準時間となったところで、前記蒸発燃料処理システムを停止することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記蒸発燃料処理システムは、給油の完了に伴い始動することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記キャニスタ内の温度を検知する温度センサを備え、
    前記温度センサからの検知温度に基づいて、前記基準時間を補正することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記キャニスタ内を加熱するヒータを備え、
    前記システム制御手段は、前記蒸発燃料処理システムの作動に伴い前記ヒータも作動させ、前記蒸発燃料処理システムの停止に伴い前記ヒータも停止することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。

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