JP5460495B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、電気掃除機の電動送風機の気密構造および防振構造に関する。
電気掃除機には、電動送風機の振動が、筺体,大気と伝播し発生する振動騒音の問題が知られている。振動騒音低減に関わる対策は、振動源からの発生を抑える方法と、電動送風機の振動の伝播を低減する方法があり、後者の従来技術として、以下に示す特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1には、吸気孔の周囲に取り付けられた防振ゴム兼シールと、モータ部側の端部に取り付けられた後部防振ゴムとを有する防振構造が記載されている。
特開平2−279123号公報
一方、排気がきれいなことは、電気掃除機に対する要望として高い。しかるに上記特許文献1に記載の従来技術には、以下に示すような課題がある。
主として電動送風機の径方向を支持する防振ゴム兼シールは、防振効果を高めるためには、径方向の剛性を下げる必要があるが、変形しやすく、電動送風機を支持できない。支持するために剛性を上げると振動騒音が増大する。
さらに、きれいな排気を提供する電気掃除機は電動送風機の下流にフィルタを設けることが一般的である。フィルタは、流路抵抗であるため電動送風機を内蔵するケースの圧力を上昇させる。上記従来技術でこれを実現する場合、電動送風機の排気と吸気が、防振ゴム兼シールで仕切られているため、防振効果を高めようとすると、防振ゴム兼シールを柔軟にする必要があるため気密が保てず、排気と吸気が循環し、吸込性能が劣化する。逆に、ケースの内圧に抗しようと気密を高めると防振効果が劣化し振動が増大する。
そこで、本発明の目的は、電動送風機の吸排気間の気密を保持しつつ、電動送風機の振動を伝達しにくい電気掃除機を提供することにある。
本発明は、振動を抑える環状の振動防止部と、前記電動送風機の吸気側及び排気側の気密を取る環状で薄板状の形状を有する気密部と、を備え、前記振動防止部と前記気密部を別々の形状で実現し、前記振動防止部と前記気密部とは、同じ側に位置し、前記電動送風機の吸口側の面であるケーシング面と当接することを特徴とする。
本発明によれば、振動を抑える振動防止部と電動送風機の吸気側及び排気側の気密を取る気密部を別々の形状で実現したため、振動に効果がある形状と気密に効果がある形状を別々に構成でき、防振と気密を両立することができる。
本発明によれば、電動送風機の吸込口の周囲とケースとの間に配置された部材に、複数の突起が環状に配置された第1の環状部と、環状の薄板で構成され根元に対して先端が外側に拡がって形成された第2の環状部を備えたため、振動に効果がある形状と気密に効果がある形状を別々に構成でき、防振と気密を両立することができる。
そして、電動送風機の振動がケースに伝達しにくければ、電気掃除機の騒音を低減でき、電動送風機の吸排気間の気密を保持できれば、電気掃除機の吸込仕事率を向上できる。
本実施例の掃除機本体の横断面図である。 (A)は、本実施例の集塵装置の斜視図であり、(B)は、本実施例の集塵装置の横断面図である。 (A)は、本実施例の内筒および外筒の斜視図であり、(B)は、本実施例の内筒の裏側の斜視図である。 (A)は、本実施例の塵埃収容部の前蓋を開いた状態の斜視図であり、(B)は、本実施例の塵埃収容部の後部フィルタを開いた状態の斜視図である。 (A)は、本実施例の塵埃収容部の前蓋を塵埃収容部外側から見た正面図であり、(B)は、本実施例の塵埃収容部の前蓋を塵埃収容部内側から見た正面図である。 本実施例の塵埃収容部の前蓋を除いたときの塵埃分離部側から見た正面図である。 本実施例の電気掃除機の概観図である。 本実施例の吸気ダクトとコードリールを残した掃除機本体の平面断面図である。 本実施例の吸気ダクトと排気ダクトとケースとフィルタと電動送風機の分解斜視図である。 本実施例の吸気ダクトを電動送風機側から見たときの斜視図である。 本実施例の吸気ダクトを弾性部材側から見た下面図である。 本実施例の弾性部材の斜視図である。 (A)は、本実施例の吸気ダクトとケースと気密パッキンの断面図であり、(B)は、本実施例の気密パッキンの断面図である。 (A)は、本実施例の吸気ダクトと固定カバーと弾性部材の断面図であり、(B)は、本実施例の弾性部材の断面図である。 本実施例の固定カバーを吸気ダクト側からみた斜視図である。
本発明は、振動を抑える振動防止部と吸気側及び排気側の気密を取る形状を、1個の部材ではなく別々の形状で設けたため、振動に効果がある形状と気密に効果がある形状を別々に構成でき、防振と気密を両立することができる。また、気密部材の振動防止部が複数の凸形状となっているため、一つ一つの凸形状が均一に潰され、電動送風機からの振動を抑制し易い。また、気密部材の気密を保つ形状が薄板状の形状となっているため、吸排気の方向に追従し易く、吸排気性能が低下しにくい。また、気密部材の気密を保つ形状が薄板状の形状となっており、薄板状の先端が略30度外側に傾いて広がっていることで、安定して先端が同一方向に組み込むことができる。さらに、組み込み時には常に先端が気密面に押し付けられているため、吸排気性能が低下しにくい。このように本構成を採用することで、吸気と排気の気密がとりやすく吸気性能を悪化させず、かつ低騒音で使い勝手の良い掃除機を提供することができる。
以下。本発明の実施例1を説明する。
図1に、本実施例の掃除機本体の横断面図を示す。図8に、集塵装置2を取り外した状態で掃除機本体1を切断したときの本発明の実施例の掃除機本体の平面断面図を示す。電気掃除機の使用状態では、掃除機本体1が横置きとなり、電気掃除機の収納状態では、掃除機本体1が縦置きとなるのが好ましい。電気掃除機の使用状態において、本体吸気口21側を前方(上流側)、本体排気口30側を後方(下流側)とすると、電気掃除機の収納状態では、本体吸気口21が重力作用方向上側となり本体排気口30が重力作用方向下側となる。掃除機本体1が横置きされた場合は、掃除機本体1の下面が、掃除機本体1が置かれた面(例えば、床面)に対して平行になり、重力作用方向に対して垂直となる。また、本実施例では、図1に示すように掃除機本体1を横置きした場合、本体吸気口21のある方を掃除機本体1の前方向、本体排気口30のある方を掃除機本体1の後ろ方向とし、掃除機本体1の前方向と後ろ方向にかけて掃除機本体1の縦方向と呼ぶ。また、本実施例では、図1に示すように掃除機本体1を横置きした場合、把手16のある方を掃除機本体1の上方向、基板49のある方を掃除機本体1の下方向とし、掃除機本体1の上方向から下方向にかけて掃除機本体1の高さ方向と呼ぶ。また、本実施例では、図8に示すように、掃除機本体1の両側にある車輪軸(図示せず)の方向を幅方向と呼ぶ。
まず、掃除機本体1の構造を説明する。吸い込んだ空気から塵埃を捕集する集塵装置2は、掃除機本体1の前側に着脱自在に配置される。集塵装置2の長手方向(軸方向)を重力作用方向(縦型配置)とすると、掃除機本体1の高さが高くなる。一方、集塵装置2内の旋回流の軸方向(集塵装置2の軸方向)が重力作用方向に近いほど遠心分離作用による分離効果が大きくなり、集塵装置2内の旋回流の軸方向が重力作用方向に対して45度を超えると遠心分離作用による分離効果が極端に低下する。そこで、掃除機本体1の高さを小さくすると共に遠心分離作用による分離効果の低下を抑制するために、本実施例では、集塵装置2の軸方向は、重力作用方向に対して40度〜45度程度とする。ただし、遠心分離作用による分離効果を高くするには、集塵装置2の軸方向は、重力作用方向に対して40度よりも小さくてもよい(例えば、0度)。塵埃分離部(旋回部)4を下側に配置し、塵埃収容部5を上側に配置する代わりに、塵埃分離部4を上側に配置し、塵埃収容部5を下側に配置してもよい。この場合は、入口管3は、塵埃分離部4の軸方向の前側端部の円周面に接続されるのが好ましい。
集塵装置2は、吸い込んだ空気を旋回させ、遠心分離作用(サイクロン方式)によって塵埃を分離する塵埃分離部4と、塵埃分離部4に連通し、塵埃分離部4で分離された塵埃を収容する塵埃収容部5とを備える。塵埃分離部4と塵埃収容部5とは、集塵装置2の軸方向に配列され、それぞれの軸方向端部で接続され、連通する。つまり、塵埃分離部4は、掃除機本体1の前側に配置され、塵埃収容部5は、塵埃分離部4に対して掃除機本体1の後側に配置される。使用者が塵埃分離部4と塵埃収容部5とを容易に分離可能なように、塵埃分離部4と塵埃収容部5とが連結されている。掃除機本体1の前端に、管状の本体吸気口21を備える。塵埃分離部4の軸方向の前側端面の一部は、開口しており、その開口部が入口管3に接続される。塵埃分離部4の軸方向の前側端面ではなく、塵埃分離部4の軸方向の前側端部の円周面が、入口管3に接続されてもよい。入口管3は、掃除機本体1の幅方向の中央に形成されるのが好ましい。内筒7および凹み部8も、掃除機本体1の幅方向の中央に形成されるのが好ましい。
塵埃分離部4は、中空の略円筒状の外筒6と、外筒6と同心軸で外筒6に内包される中空の略円筒状の内筒7を備える。旋回流の軸心が重力によって重力作用方向にずれることによって遠心分離作用による分離効果が低下するのを抑制するために、塵埃分離部4の軸方向が重力作用方向に対して傾いている場合には、内筒7の軸心を外筒6の軸心に対して下方向にずらしてもよい。図3(A)に示すように、外筒6の軸方向一端面(前側端面)は、入口管3に接続される開口を除き閉塞されており、外筒6の軸方向他端面(後側端面)は、開口している。外筒6は、使用者から塵埃の堆積が見えるようにまたは外筒6外に設けたセンサが塵埃の堆積を検出できるように、透明または半透明のプラスチックや樹脂で構成されるのが好ましい。内筒7の軸方向一端面(前側端面)は閉塞されており、内筒7の軸方向他端面(後側端面)は、開口している。図3(A)に示すように、内筒7の軸方向一端面の閉塞部分の中央に、内筒7の軸方向内側へ凹んだ凹み部8が形成される。入口管3は、内筒7の軸方向一端面の閉塞部分、つまり凹み部8に対向している。図3(A)に示すように、凹み部8の一部は、内筒7の外周端まで達している。空気の圧力損失を低減するために、凹み部8の開口方向は、下方向であるのが好ましい。ただし、凹み部8の開口方向は、上方向でも横方向でもよい。図3(A)に示すように、凹み部8の内筒7の外周端部では、凹み部8が内筒7の半径方向に真っ直ぐに向くのではなく、やや円周方向に傾いている。図1に示すように、凹み部8の軸方向の深さは、内筒7の円筒部分の軸方向の長さの略半分程度である。ただし、凹み部8の軸方向の深さは、内筒7の円筒部分の軸方向のほぼ全長にわたってもよい。この場合は、内筒7の円筒部分のほぼ全長にわたって内筒7の円周面の一部に凹み部8の開口が形成されることになる。さらに、凹み部8の外周端部に、案内管38が接続される。案内管38の断面は略1/4円形状であり、内筒7の外周面に沿って形成され、内筒7の外周面も流路の内壁面の一部を形成する。案内管38は、内筒7の外周面に円周方向に数cm程度形成される。よって、入口管3によって軸方向に流入した空気は、凹み部8によって半径方向に向きを変え、さらに、凹み部8の内筒7の外周端部でやや円周方向に変えられ、さらに案内管38で円周方向に変えられる。また、凹み部8は凹凸がなく、曲面で形成されるのが好ましい。これによって、圧力損失を抑制しつつ空気を十分に旋回させることができる。案内管38は、なくても構わない。内筒7の軸方向他端面(後側端面)の外周に、外筒6へ向かって延びる外延部34が形成される。つまり、図3(A)に示すように、内筒7の軸方向他端面(後側端面)は、内筒7の内側が開口した円環状となっている。
図3(A)に示すように、外延部34の円周方向の一部は、開口している。この開口によって、内筒7外の空気が、塵埃収容部5に流入することができる。内筒7は、菌の繁殖を抑制できるように、抗菌作用のある金属(例えば、銀,銅)や抗菌物質(例えば、銀,銅)を含有するあるいは塗布された金属(例えば、ステンレス)で構成されるのが好ましい。ただし、内筒7は、円筒部分も含め樹脂で構成されてもよい。そして、図3(A)に示すように、外筒6の軸方向他端面から内筒7が軸方向へ挿入されることによって、外延部34の外周端が外筒6の内周に当接され、その結果、外筒6の軸方向他端面が閉塞される。使用者が外筒6と内筒7とを容易に分離可能なように、外筒6と内筒7とが連結される。内筒7の円周面に、複数の貫通孔33を備える。複数の貫通孔33によって、内筒7はフィルタ機能を有する。この貫通孔33によって、大きなごみが内筒7内へ流入することなく、内筒7外側から内筒7内側へ空気が流入することができる。吸込力にもよるが、1円玉以上の重さのごみは、外筒6内を吸い上げられることができず、外筒6内に残ることがある。使用者が外筒6と内筒7とを容易に分離可能なように、外筒6と内筒7とが連結することによって、使用者は、外筒6と内筒7とを容易に分離でき、外筒6内に堆積したごみを容易に排出でき、また、内筒7の貫通孔33に引っかかった髪の毛や糸くずを容易に除去することができる。
塵埃分離部4と塵埃収容部5との接続部の気密を保つために、内筒7の軸方向他端面に、パッキング9を備える。パッキング9は、外延部34に設けられるだけでなく、内筒7の軸方向にも突出している。よって、内筒7の内側は、完全な中空ではなく、パッキング9によって一部閉塞空間が存在する。さらに、パッキング9の内筒7の内側へ突出した部分に、内筒7の軸方向内側へ凹んだ凹み部39が形成される。凹み部39は把手の機能を有する。これにより、使用者が凹み部39に指を挿入して、塵埃分離部4あるいは内筒7を保持することができる。外延部34の上側の一部は、開口しており、前蓋11の外側流路35に連通する。つまり、外筒6の内側であって内筒7の円筒部分の外側が、前蓋11の外側流路35に連通する。図3(A)に示すように、外延部34の上側の一部の開口の円周方向の壁面は、円周方向に案内管38の開口に対向する側の壁面が高く、円周方向に案内管38の開口側の壁面が低いのが好ましい。例えば、塵埃分離部4を前方から見た場合に案内管38の開口方向が反時計回り方向だとすると、外延部34の上側の一部の開口の円周方向の壁面のうち左側の壁面が高く、右側の壁面が低い。つまり、外延部34の上側の一部が開口しているため、外延部34の円周方向は、内筒7の外周の一周分には満たないが、らせん状にずれている。よって、内筒7外の旋回流は、外延部34の上側の一部の開口の円周方向の高い壁面にぶつかって、スムースに軸方向へ向きを変えることができ、旋回流に含まれる塵埃も塵埃収容部5へ流れやすくなる。一方、内筒7の内側は、前蓋11の内側流路36に連通する。
塵埃収容部5は、軸方向一端面(前側端面)と軸方向他端面(後側端面)とが開口し、縦断面で略逆三角形状の中空のケース10を備える。ケース10の軸方向一端面は、開閉可能な前蓋11によって閉塞される。前蓋11の下端部に軸31を備え、軸31はケース10の下端部によって支持される。前蓋11は、軸31を支点としてケース10の軸方向に前後回動可能である。前蓋11の上端部のケース10側には、爪が突出している。一方、ケース10の前側上部に、使用者が押下することが可能なボタン17(レバーでもよい)を備え、ボタン17に、ケース10の前側に延びる伝達棒(ロッド)18が連結されている。伝達棒18の一端は、ボタン17に連結され、伝達棒18の他端は、爪状に形成されている。伝達棒18の他端の爪は、前蓋11の上端部の爪に係合可能である。ケース10に前蓋11が閉じられた状態では、伝達棒18の他端の爪と前蓋11の上端部の爪とが係合して、前蓋11が開くのを防止することができる。そして、使用者がボタン17を押下すると伝達棒18が前側へスライドして(上側に回動してもよい)、伝達棒18の他端の爪と前蓋11の上端部の爪との係合が解除され、重力によってケース10から前蓋11を開くことができる。把手16の形成方向が水平であるのに対して、ケース10の軸方向一端面(前蓋11部分に相当)の法線方向は、水平方向に対して45°〜50°傾斜している。つまり、使用者が把手16を握って塵埃収容部5を持ち上げた際には、ケース10の軸方向一端面(前蓋11部分に相当)は、下方向(重力作用方向)を向いている。よって、重力によってケース10から前蓋11が開くことができる。尚、後述するが、集塵かご(集塵容器)12が、バネ(弾性体)によってケース10の前側へ飛び出すように付勢されていれば、集塵かご12が前蓋11の後面を押すため、使用者がボタン17を押下すると、集塵かご12の押す力によってスムースにケース10から前蓋11が開くこともできる。換言すると、集塵かご12の開口面が前蓋11の後面によって押さえられることによって、集塵かご12がケース10内に収納され、その収納状態が維持される。
ケース10の軸方向他端面は、開閉可能なフィルタ15によって閉塞される。フィルタ15の下端部に軸32を備え、軸32はケース10の下端部によって支持される。フィルタ15は、軸32を支点としてケース10の軸方向に前後回動可能である。フィルタ15は、断面形状が略四角形の枠体内にプリーツ状に折られたフィルタ部材が形成される。図4(B)に示すように、フィルタ部材の波方向は高さ方向(重力作用方向)であるのが好ましい。フィルタ15は、例えば、高密度のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)である。HEPAフィルタとは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。フィルタ15のケース10の反対側の面に、パッキング25を備えていてもよい。パッキング25によって、塵埃収容部5の軸方向他端面と掃除機本体1(特に吸気ダクト27入口)との気密を保持できる。尚、軸31と軸32は、共用されてもよい。また、軸32は、フィルタ15の下端部ではなく、フィルタ15の上端部に備えられてもよい。
ケース10に、集塵かご12を内包する。集塵かご12の形状は、一つの面が開口したかご形状,立体的形状,箱形状または容器形状であってもよいし、ちりとり形状であってもよい。つまり、集塵かご12は、開口と反対側に凹んだ形状を有する。集塵かご12の断面形状は、略四角形状であってもよいし、略円形状であってもよいし、略三角形状であってもよい。集塵かご12の断面形状は、開口面から底面へ向かって、小さくなるのが好ましい。これによって、塵埃が排出される側(開口側)に向かって断面積が拡がるため、使用者は、集塵かご12内に堆積した塵埃を容易に排出することができる。集塵かご12の形状は、枠体(支骨)によって形成される。集塵かご12の開口面以外の底面、上下左右面に、金属やナイロンなどで構成されたメッシュ部材が被覆または貼着されているのが好ましい。集塵かご12の底面だけでなく、上下左右面にも通気性を持たせることによって、集塵かご12の底面に塵埃が堆積しても流路を確保することができ、吸い込み空気の圧力損失を低減し、吸引力の低下を抑制することができる。このメッシュ部材は、通気性があり、塵埃を捕集するフィルタ機能を有する。通気性があり、塵埃を捕集するフィルタ機能を有するものであれば、メッシュ部材の代わりに使い捨てのティッシュペーパでもよいし、メッシュ部材とティッシュペーパとを組み合わせてもよい。例えば、メッシュ部材の上に使用者がティッシュペーパを装着してもよい。集塵かご12の開口面は、ケース10の軸方向一端面(前側端面)の開口面に一致する。つまり、集塵かご12の開口方向と、ケース10の軸方向一端面の開口方向とが同一である。そして、図6に示すように、集塵かご12の開口面の外周端の上側半分程度は、ケース10の軸方向一端面の内周面に当接し、集塵かご12の開口面の外周端の下側半分程度は、ケース10の軸方向一端面の内周面に当接していない。集塵かご12に下部に軸14を備える。軸14は、ケース10内に支持される。よって、集塵かご12は下部の軸14を支点として、ケース10の軸方向前後に回動可能である。これによって、塵埃収容部5から前蓋11が開かれた際に、重力によって塵埃収容部5から集塵かご12の一部が飛び出すことができる。ケース10に対する軸14の形成位置は、ケース10に対する軸31の形成位置と同じ側(下側)であるため、塵埃収容部5から前蓋11が開かれた際に、前蓋11によって阻害されることなく、塵埃収容部5から集塵かご12の一部が飛び出すことができる。さらに、軸14に集塵かご12を前蓋11側に押し出す方向に弾性力が作用するつるまきバネを備えてもよい。これによって、塵埃収容部5から前蓋11が開かれた際に、バネの弾性力によって塵埃収容部5から集塵かご12の一部が勢いよく飛び出すことができ、使用者は、集塵かご12内に堆積した塵埃を容易に排出することができる。さらに、集塵かご12は、上下に2分割されており、つまり上半分の枠体(支骨)と下半分の枠体(支骨)という2つの構造物からなるのが好ましい。2分割された集塵かご12は、集塵かご12の底面の外側に形成された軸13によって連結される。よって図4(A)に示すように、集塵かご12は、底面の中間を支点として、集塵かご12の開口面が上下に割れる。特に、集塵かご12の一部が塵埃収容部5から飛び出した際に、集塵かご12が上下に割れる。これによって、使用者は、集塵かご12内に堆積した塵埃をさらに容易に排出することができる。特に、集塵かご12の内面にへばりついた塵埃も容易にはがし落とすことができる。ただし、集塵かご12の上下2分割の構成は、必須ではない。また、上述したようにケース10の前側は重力作用方向に対し40°〜45°傾いていることに加え、集塵かご12は塵埃収容部5から30°傾いて飛び出すため、集塵かご12内に堆積した塵埃を略重力方向に排出することができる。
前蓋11内には、軸方向に貫通する外側流路35および内側流路36が形成される。そして、外側流路35は、前蓋11の上側に形成され、外側流路35の一端は塵埃分離部4の特に外筒6と内筒7の筒部の間にあたる外延部34の開口に連通し、外側流路35の他端はケース10の特に集塵かご12の開口に連通する。電気掃除機の停止時に、集塵かご12に堆積した塵埃が外側流路35および塵埃分離部4に逆流するのを防止するために、外側流路35の他端は集塵かご12の開口のうち半分よりも上側あるいは上端近傍に連通するのが好ましい。ただし、外側流路35の他端は、集塵かご12の開口の中央部に連通してもよい。さらに、電気掃除機の停止時に、集塵かご12に堆積した塵埃が外側流路35および塵埃分離部4に逆流するのを防止するために、外側流路35の内部または他端部に、外側流路35を覆う逆止弁(図示せず)を形成するのが好ましい。逆止弁は、上端を支点として、集塵かご12内へ回動する。ただし、逆止弁は必須の構成ではない。外側流路35の断面積は、外側流路35の一端から他端へ向けて拡大している。外側流路35の形成方向は、外側流路35の一端から他端へ向けて前蓋11の外側から中心側へ向かう方向である。つまり、集塵かご12の外側から中心側へ向かう方向である。外側流路35から集塵かご12へ流入する空気の乱れを抑制するため、外側流路35の形成方向は、集塵かご12の外側流路35が連通する側の壁面(上側壁面)の方向であるのが好ましい。内側流路36は、前蓋11の中央から下側にかけて形成され、内側流路36の一端は塵埃分離部4の特に内筒7の軸方向他端開口(内筒7内)に連通し、内側流路36の他端はケース10の特に集塵かご12の外側に連通する。内側流路36の他端は、集塵かご12の外部下側に連通するのが好ましい。内側流路36は、外側流路35を避けて形成される。内側流路36の断面積は、外側流路35とは逆に、内側流路36の一端から他端へ向けて縮小している。
塵埃収容部5の上部外側には、水平方向に延びる、使用者が握ることが可能な把手16を備える。使用者は、この把手16を持って、塵埃収容部5を上方へ持ち上げ、塵埃分離部4を掃除機本体1に残したまま、塵埃収容部5のみを掃除機本体1から取り外すことができる。尚、塵埃分離部4と塵埃収容部5とを連結していれば、使用者は、この把手16を持って、塵埃収容部5を上方へ持ち上げれば、塵埃分離部4と塵埃収容部5とを一体として、つまり集塵装置2そのものを掃除機本体1から取り外すこともできる。図1に示すように、塵埃収容部5の軸方向他端面(フィルタ15部分に相当)の形成方向は、垂直面(重力作用方向)よりはケース10側に傾斜するのが好ましい。つまり、塵埃収容部5の軸方向他端面の上部よりも下部がケース10側に近いのが好ましい。また、図1に示すように、塵埃収容部5の軸方向一端面(前蓋11部分に相当)の形成方向は、垂直面(重力作用方向)よりはケース10側に40°〜45°程度傾斜している。つまり、塵埃収容部5の軸方向一端面の上部よりも下部がケース10側に近い。これによって、塵埃収容部5の軸方向一端面と軸方向他端面とは、垂直面(重力作用方向)を基準として、逆ハの字形状となる。これによって、使用者が塵埃収容部5を上方へ持ち上げる際に引っかかりが少なくなり、使用者は、塵埃収容部5を掃除機本体1から容易に取り外すことができる。そして、使用者は、塵埃収容部5の取り外し後に、凹み部39を持って、塵埃分離部4を上方または斜め上方へ持ち上げ、塵埃分離部4を掃除機本体1から容易に取り外すことができる。図1に示すように、塵埃分離部4の軸方向一端面(入口管3部分に相当)の形成方向は、垂直面(重力作用方向)よりは外筒6側に傾斜するのが好ましい。つまり、塵埃分離部4の軸方向他端面の上部よりも下部が外筒6側に近いのが好ましい。これによって、使用者が塵埃分離部4を上方または斜め上方へ持ち上げる際に引っかかりが少なくなり、使用者は、塵埃分離部4を掃除機本体1から容易に取り外すことができる。また、使用者が塵埃分離部4を取り外す場合だけでなく、塵埃分離部4と塵埃収容部5とを一体として、つまり集塵装置2そのものを掃除機本体1から取り外す際も、集塵装置2の軸方向一端面と軸方向他端面とは、垂直面(重力作用方向)を基準として、逆ハの字形状となるため、集塵装置2を上方へ持ち上げる際に引っかかりが少なくなり、使用者は、集塵装置2を掃除機本体1から容易に取り外すことができる。
本体吸気口21には、ホース継手管20が挿入され、ホース継手管20を保持可能である。本体吸気口21の一端に、パッキング22を備える。これによって、ホース継手管20と入口管3との気密を保持できる。掃除機本体1の前方下端(集塵装置2の下側)に、キャスタを支持するためのキャスタ支持部23を備える。掃除機本体1内の後方上側に、掃除機本体1の前後方向に延びる吸気ダクト27を備える。吸気ダクト27の延設方向一端の開口27aは、フィルタ15に対向する。吸気ダクト27の一端の開口27a付近に、補助フィルタ26を備える。これによって、集塵装置2外に残った塵埃を電動送風機28が吸い込むのを抑制することができる。吸気ダクト27の延設方向他端は閉塞されており、吸気ダクト27の延設方向他端近傍の下部、つまり、電動送風機28側が吸気ダクト27の排出口27bとして開口している。掃除機本体1の吸気ダクト27の一端の開口27aの上部に、フィルタ15に接触する位置に、フィルタ15に付着した塵埃を除去する除塵装置24を備える。除塵装置24は回転体の外周にらせん状のバネ(弾性体)を備える。除塵装置24はモータによってまたはコードリール41の周囲に設けられたコード47の引き出しによって回転して、らせん状のバネがフィルタ15のフィルタ部材を弾くことによって、フィルタ15に付着した塵埃を振るい落とす。上述したように、フィルタ15の波方向は高さ方向のため、振るい落とされた塵埃は重力作用方向に落ちやすくなっている。フィルタ15から振るい落とされた塵埃は、ケース10内に堆積することとなる。これによって、フィルタ15の目詰まりを抑制し、空気の圧力損失の低下を抑制し、吸引力の低下を抑制することができる。
図1に示すように、掃除機本体1内の後方下側に、吸引力を発生する電動送風機28を備える。電動送風機28は、電動送風機28の吸込口28aが上方を向く縦置きで設置される。電動送風機28は、吸込口28aの面からその吸込口28aの面の反対面までが最も長い。そのため、電動送風機28の吸込口28aが上方を向くよう電動送風機28を縦置きで設置することによって、ホース継手管20から本体排気口30までの掃除機本体1の長さを短くすることができる。掃除機本体1内において電動送風機28の上部には吸気ダクト27が設けられており、電動送風機28の吸込口28aと吸気ダクト27の排出口27bとが連結されている。本実施例では、電動送風機28を掃除機本体1内に設置した場合、電動送風機28の上部の上面に吸込口28aを有し、電動送風機28の下部の側部に排気口28bを有するよう設置される。掃除機本体1内において、電動送風機28の下流側かつ電動送風機28よりも前側に、電動送風機28の排気口28bに連通する排気ダクト40を備える。さらに、掃除機本体1内において排気ダクト40の下流側かつ排気ダクト40よりも前側に、排気ダクト40に連通するフィルタ29を備える。排気ダクト40とフィルタ29は、ねじなどの固定手段で固定されている。これは、排気ダクト40とフィルタ29を固定することで排気ダクト40とフィルタ29との気密を保持でき、電動送風機28の排気口28bから出る全ての排気がフィルタ29を通過することができるようにするためである。フィルタ29は、断面形状が略四角形の枠体内にプリーツ状に折られたフィルタ部材が形成される。フィルタ部材の波方向は高さ方向(重力作用方向)であるのが好ましい。フィルタ29は、例えば、高密度のULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)である。ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタであり、HEPAフィルタの粒子捕集効率よりも高い粒子捕集効率を有する。そして、掃除機本体1の後端面に、本体排気口30を備える。
図8に示すようにコード47は先端にプラグ43を有している。プラグ43を部屋などにあるコンセントに差し込むことで電気を得る。充電式掃除機以外の電気掃除機の使用時には、プラグ43をコンセントに差し込まないと電動送風機28などを作動させることができない。そのため、電気掃除機の使用時に邪魔にならない箇所にコードリール41を設けることが好ましい。以下、コードリール41を設ける場所をコードリール室42と呼ぶ。掃除機本体1の前部からプラグ43やコード47が出るように掃除機本体1の前部にコードリール室42を設けた場合、進行方向にプラグ43やコード47が出ることになるため掃除する際に扱いづらい。掃除機本体1の側面部や上面部からプラグ43やコード47が出るように掃除機本体1の側面部や上面部にコードリール室42を設けた場合も掃除をする際に扱いづらい。掃除機本体1の後端面からプラグ43やコード47が出るように掃除機本体1内の後部にコードリール室42を設けることで進行方向や方向転換の邪魔とならず、扱いやすくなる。本実施例では、電動送風機28とコードリール室42は、掃除機本体1内で隣り合うように設けられている。また、電動送風機28とコードリール室42は、掃除機本体1内で集塵装置2よりも後部に設けられている。図8に記載されたように本実施例ではコードリール室42の縦方向の長さは電動送風機28の縦方向の長さよりも長く、電動送風機28と排気ダクト40を合わせた縦方向の長さよりも短い。
図9は、本実施例の吸気ダクトと排気ダクトとケースとフィルタと電動送風機の分解斜視図である。図10は、本実施例の吸気ダクトを電動送風機側から見た斜視図である。図11は、本発明の実施例の吸気ダクト側を弾性部材側から見た下面図である。図1および図9に示すように、電動送風機28は上下方向の断面が略円形状を有する。送風機が配置された電動送風機28の上部の外径は、電動機が配置された電動送風機28の下部の外径よりも大きい。図9に示すように、電動送風機28を収容するためのケース45は、上下方向の断面が略円形状で、上面が開口し、下面が閉塞された容器状であり、ケース45の下部側面には、排気ダクト40が連結される。電動送風機28は、ケース45内に挿入される。電動送風機28の上側は、吸込口28a付近の弾性部材101を介して吸気ダクト27の底面の裏面に支持され、電動送風機28の下側は、防振材113を介してケース45の底面の内側に支持されている。電動送風機28は、上面と下面のみで支持されており、側面はケース45に接触していない。よって、電動送風機28の振動がケース45や吸気ダクト27へ伝達しにくい。弾性部材101は、吸込口28aよりも内径の大きい円環形状を有し、ゴムなどの弾性材によって構成される。弾性部材101は、円環形状でなくても、吸込口28aの周囲を覆う形状(例えば、多角形状)を有していればよい。防振材113は、円柱形状または円筒形状を有し、ゴムなどの弾性材によって構成される。防振材113は、支持機能があればよいので、バネによって構成されてもよい。電動送風機28の下面は、ケース45の底面と防振材113のみで支持されているため、防振材113には電動送風機28の重さ(数百g)が加わる。防振材113は、上下方向に圧縮され、弾性変形する。図9に示すように、ケース45の上面の開口部は、気密パッキン103を介して吸気ダクト27と5箇所をねじ止め107で固定、締結される。吸気ダクト27の底面とケース45によって、電動送風機28を内蔵する空間を形成する。吸気ダクト27の底面は、電動送風機28を収容するケース45の一部とみなしても良い。ねじ止め107によって電動送風機28の上面は吸気ダクト27によって押圧されるため、防振材113には電動送風機28の重さに加えて、押圧された力が加わることになる。そして、弾性部材101も上下方向に圧縮され、弾性変形する。
図9に示すように、吸気ダクト27とケース45との間の気密パッキン103は、略円環状の形状をし、ケース45の上部の開口部の縁部110に相当する大きさを有する。気密パッキン103は、ゴムなどの弾性材で構成される。気密パッキン103は、ケース45の縁部110に嵌め込み、吸気ダクト27と当接して配置される。吸気ダクト27とケース45との間に配置された気密パッキン103は、吸気ダクト27の円環状のダクト気密面27bの周囲に設けられたねじ止め107により、吸気ダクト27のダクト気密面27bからの下方向への圧力とケース45の縁部110からの上方向への圧力を一様に受ける。圧力を受けた気密パッキン103は、吸気ダクト27とケース45の間で変形する。
図13に気密パッキン103の断面形状を示す。図13(A)は吸気ダクト27とケース45の間に気密パッキン103が嵌め込まれた時の図で、図13(B)は気密パッキン103の単体の断面図を示している。気密パッキン103は、円環状の内部材と円環状の外部材とが、その上部の連結部を介して一体に形成されている。内部材の上部は、わずかに上側に突出している。外部材の上部には、内部材の上方へ向かって延びる排気リップ部103aが一体に形成されている。内部材と外部材と連結部との間に、ケース45の縁部110が挟み込まれる。縁部110の上面には、山部B110aが形成され、気密パッキン103の連結部に食い込んでいる。特に山部B110aよって、気密パッキン103とケース45の縁部110とが密着する。さらに、排気リップ部103aと内部材の上部とが当接することによって、気密パッキン103と吸気ダクト27のダクト気密面27bとが密着する。さらに、気密パッキン103の排気リップ部103aは、ケース45内に組み込まれた電動送風機28から矢印方向の排気圧116が高まると排気リップ部103aが外側に膨らもうとする力が働き排気リップ部103aとダクト気密面27bの接面圧力が上昇し、より排気の気密が取れるような構造となっている。本実施例では、気密パッキン103を変形量が大きく硬度の低い弾性部材としているが、耐圧性能が求められる場合、より硬度の高い弾性部材を用いてもかまわない。また、吸気ダクト27とケース45を固定する箇所は気密パッキン103を均一に変形させるため5箇所であるが、気密パッキン103を均一に変形させることができれば5箇所でなくてもよく、あるいはねじ以外の固定方法(例えば、クリップや圧入)でも構わない。
集塵装置2を通過した空気の流れを説明する。集塵装置2を通過した空気流れは、吸気ダクト27により偏向され、吸込口28aより電動送風機28内に流入する。流入した空気流れは、電動送風機28内で羽根車により昇圧され、排出口28bより吸気ダクト27とケース45により形成される空間に押し出される。排気ダクト40のケース45と反対側の開口には、フィルタ29が設けられている。吸気ダクト27とケース45により形成される空間に押し出された空気は、すべてフィルタ29を通過し、掃除機本体1内を経て大気に拡散される。集塵装置2を通過した空気流れは、集塵装置2が装備するフィルタ15が濾し取れない場合や、集塵装置2取り付け時に微細なごみが混入する可能性があり、本実施例のような、電動送風機28の下流に排気をすべて通過するフィルタ29があれば、微細なごみを濾過し、きれいな空気にすることができるため部屋の空気を汚すことがない。また、電動送風機28から発生するカーボン粉もすべてフィルタ29を通過し濾過されるため、きれいな空気を得ることができる。
図10に示すように、電動送風機28上部を支持する弾性部材101は、円環形状の固定カバー102によって吸気ダクト27に固定される。固定カバー102の外径は弾性部材101の外径よりも大きく、固定カバー102の内径は弾性部材101の内径よりも大きいが、固定カバー102の内径は弾性部材101の外径よりも小さい。よって、弾性部材101の外周側を固定カバー102の内周側によって覆い、固定することになる。固定カバー102の外径は、ダクト気密面27bの内径よりも小さく、固定カバー102はダクト気密面27bの内側に収容されることになる。そして、図10に示すように、吸気ダクト27の排出口27bの裏面の周囲には、円環状の位置決めリブ108が形成される。位置決めリブ108は、内外2つのリブから構成される。弾性部材101の固定用溝101cと吸気ダクト27の位置決めリブ108が接するように弾性部材101が配置され、固定カバー102で吸気ダクト27に6箇所ねじで締結される。図11に示すように、吸気ダクト27のダクト気密面27bの内周側の一箇所には位置決め凹部105が設けてあり、固定カバー102の位置決め凸部102aとの位置決めに用いられる。これによって位置決めが容易であり、組立時間を短縮することができる。
吸気ダクト27からは固定カバー102を固定するねじを受けるボス104が突出している。これは、吸気ダクト27のボス104が突出する壁111の裏面は、集塵装置2からの電動送風機28への空気流れを導く風路になっているため、固定カバー102を吸気ダクト27に固定するためには、壁111の厚みを増すか、風路に突起を設ける必要がある。固定カバー102を皿ねじで固定することで、壁111の厚みを増さず、風路に突起物を出さずに固定カバー102を吸気ダクト27に固定することができる。また、ねじと電動送風機28との当接を防止することができる。
図12は、本実施例の弾性部材の斜視図である。弾性部材101は、円環状の基体に、防振機能を果たす防振突起101eと気密保持機能を果たす防振部材気密部101aとが一体に形成されている。基体,防振突起101e,防振部材気密部101aとは同一材料で構成されるのが好ましい。防振突起101eは、防振部材気密部101aの内周側に形成された円環状の突出した部分に、8箇所設けてある。防振突起101eの先端が、ケーシング面28cに当接する。この防振突起101eは、突起同士が独立しているため吸気ダクト27がケース45にねじで締結されると防振突起101eの先端は突起同士の間に潰れ代が入り込み電動送風機28が弾性部材101で固定され、振動を抑制することができる。防振突起101eは押し潰された状態でも、複数の防振突起101e間に隙間が残っていてもよい。本実施例では、防振突起101eが8個に分かれているが、防振突起101eの数量が違っていても、リング状に繋がっていても良い。防振部材気密部101aは、防振突起101eの外周側に形成される。防振部材気密部101aは、円環状の薄板で構成されるが、根元に対して先端が外周側に拡がっている。防振部材気密部101aの先端が、ケーシング面28cに当接する。防振部材気密部101aは薄板で構成されているため、防振突起101eと同一の材料(例えば、ゴムなど)で構成されても、防振突起101eよりも剛性が低く、弾性変形しやすい。円環状に配置された防振突起101eと円環状の防振部材気密部101aとは同心円上の位置関係となるのが好ましい。防振突起101eを内周側、防振部材気密部101aを外周側に配置する代わりに、防振部材気密部101aを内周側、防振突起101eを外周側に配置してもよい。
図15は、本実施例の固定カバーを吸気ダクト側からみた斜視図を示す。図15に示すように、固定カバー102は、円環形状を有する。固定カバー102の最内周部は、円環状の気密面102bが形成される。気密面102bの外周には、円筒状に突出したリブ102dが形成される。また、リブ102dの外周には、ねじが挿入可能な取り付け孔102cが周方向に6箇所形成される。固定カバー102の最外周の一箇所に位置決め凸部102aが外周側に突出して形成される。インサート形成などによって弾性部材101が吸気ダクト27に固定可能な場合は、固定カバー102はなくてもよい。
図14(A)は、本実施例の吸気ダクトと固定カバーと弾性部材の片側の断面図であり、図14(B)は、本実施例の弾性部材の片側の断面図を示す。図14(B)に示すように、弾性部材101の基体の上面は凹んでおり、円環状の固定用溝101cを形成する。基体の最外周には円筒状の気密部101bが形成され、気密部101bの下端は下側へ突出し、凸部101dを形成する。固定カバー102がなければ、凸部101dはなくてもよい。基体の下面のうち固定用溝101cに対応する部分で、さらに固定用溝101cに対応する部分のうちの内側は下側へ突出しており、その突出した部分に、防振突起101eが形成される。防振突起101eの突出方向は、上下方向であり、これは弾性部材101が吸気ダクト27および電動送風機28から圧縮力を受ける方向である。尚、下側へ突出した部分は、円環形状を有する。基体の下面のうち固定用溝101cに対応する部分で、さらに固定用溝101cに対応する部分のうちの外側には、防振部材気密部101aが形成される。防振部材気密部101aは、数mm程度の薄板で構成され、円筒形状を有する。防振部材気密部101aの板厚は、防振突起101eの半径方向の厚みよりも小さい。防振部材気密部101aの上下方向中央より上側(根元側)は、上下方向に形成され、上下方向中央より下側(先端側)は、上下方向(軸方向)を基準にすると略60度程度、水平方向(半径方向)を基準にすると略30度程度、外側へ拡がって形成され、防振部材気密部101aの先端は、凸部101dの下方にまで達している。そして、図14(B)に示すように、防振部材気密部101aの先端の位置は、弾性部材101の基体を基準にすると防振突起101eの先端の位置よりも突出している。つまり、防振部材気密部101aは、途中から外側へ屈曲している。ただし、防振部材気密部101aは、根元端から外側へ拡がっていてもよい。防振部材気密部101aの屈曲部分の上下方向の位置は、防振突起101eの根元端の上下方向の位置にほぼ相当する。防振部材気密部101aの屈曲部分の根元側は、防振部材気密部101aの一部として薄板で構成されるのに対して、防振突起101eの根元は、基体の下側へ突出した部分で構成されることになる。
図14(A)に示すように、弾性部材101は、吸込口28aの縁を形成する円環状の目玉部28dの外側に配置される。弾性部材101の内周面は目玉部28dの外周面に当接するように弾性部材101が配置される。これによって、電動送風機28の上部の半径方向への位置ずれを抑制している。弾性部材101の凸部101dの下面が固定カバー102の気密面102bの上面に当接し、吸気ダクト27の壁111の下面に弾性部材101の気密部101bの上面が当接することによって、弾性部材101は、固定カバー102によって吸気ダクト27の壁111に固定される。気密部101bは、固定カバー102がねじにより締結されると、気密面102bと壁111から圧力を受ける。圧力を受けた気密部101bは、隙間112内で変形し、変形分の反力を気密面102bと壁111に対して発生させる。また、吸気ダクト27の壁111の気密部101bに対応する位置に設けた円環状の山部27cが気密部101bに突き刺さり吸気ダクト27と弾性部材101の気密を保持することができる。一方、弾性部材101と電動送風機28の気密を保持するために防振部材気密部101aが設けてある。防振部材気密部101aは薄板でかつ外側へ拡がって構成されるため、電動送風機28のケーシング面28cに当接すると防振部材気密部101aの先端が弾性変形してたわみ、電動送風機28からの排気圧116および電動送風機28の吸込圧117の力に対し、電動送風機28の運転状態ではケーシング面28cに押し付き、気密が確保される。防振部材気密部101aが接触するケーシング面28cと防振突起101eが接触するケーシング面とは、一直線状に形成されるが、その間に溝を有する。防振部材気密部101aの先端は吸排気圧のかかる方向(半径方向の内側の方向)に対し変形し追従し易いように薄板状になっている。防振部材気密部101aの先端は外側に略30度広がって構成されており、組み込み時には防振部材気密部101aの先端が30度よりも押し潰されて組み込まれる。これにより、防振部材気密部101a自身がケーシング面28cに常に押し付けられ気密を保つ働きがある。さらに、組み込み前状態(初期状態)において、防振部材気密部101aの先端は、外側に広がって構成しているため作業者が組み込む時に防振部材気密部101aの先端がめくれる心配をしなくても良く、安定して組み込むことができる。
図14(A)に示すように、防振突起101eの根元部分である基体の下側への突出部分と吸気ダクト27の位置決めリブ108との間には、空間(固定用溝101c)が残されている。よって、弾性部材101が吸気ダクト27と電動送風機28によって押しつぶされると、防振突起101eが弾性変形するだけでなく、防振突起101eの根元部分である基体の下側への突出部分も弾性変形する。弾性変形後も防振突起101eの根元部分である基体の下側への突出部分と吸気ダクト27の位置決めリブ108との間には、空間(固定用溝101c)が残されているため、剛性が高くならず、電動送風機28の振動が吸気ダクト27へ伝達しにくい。一方、図14(A)に示すように、防振部材気密部101aの根元部分にあたる基体部分と位置決めリブ108との間には、空間(固定用溝101c)が残されていない。そもそも防振部材気密部101aは、薄板でかつ外側へ拡がって構成されるため、防振突起101eよりも剛性が低く、電動送風機28の振動が吸気ダクト27へ伝達しにくいので、防振部材気密部101aの根元部分にあたる基体部分を変形させる必要がなく、隙間を空ける必要がない。そして、本実施例では、電動送風機28との防振,気密を別々の形状で構成しているため、防振に最適な形状と気密に最適な形状を得ることができる。本実施例では、硬度約40度の合成ゴムを弾性部材101に使用しているが、振動の影響に応じて硬度を変えても良い。その際、防振部材気密部101aは硬度の影響を受けにくい薄板状のため気密を保つことができる。
吸気ダクト27に固定された弾性部材101は、電動送風機28のケーシング面28cに防振気密部101aを接触する。吸気ダクト27とケース45がねじ止め107で固定されると、防振気密部101aは、電動送風機28と吸気ダクト27の壁111に押され、防振気密部101aおよび凸部101dは、隙間112やその周辺で変形する。この変形は反力となり防振気密部101aとケーシング面28cの間で、接面圧力を上昇させる。このため、防振気密部101aとケーシング面28cの気密が保持される。電動送風機28は集塵装置2から空気流れを吸気ダクト27を介して吸込み、羽根車で昇圧し、排気口28bからケース45内に押し出している。したがって、弾性部材101の吸込側空間114は負圧、排気側空間115は正圧になる。弾性部材101は、防振気密部101aと気密部101bで吸込側空間114と排気側空間115の気密を保持しているため、排気側空間115から吸気側空間114に空気が流れるのを防ぎ、吸込性能の低下および排気の循環を防止している。弾性部材101は、電動送風機28を支持してなお周囲に隙間112が存在し、柔らかく電動送風機28を保持している。このため、弾性部材101は電動送風機28から吸気ダクト27への振動の伝達を抑制することができる。本実施例では、合成ゴムを弾性部材101に使用しているが、さらに硬度の低いゴム等を使用し、吸気ダクト27への振動伝達量を低減してもよい。
電動送風機28は、下側を防振材113を介してケース45に支えられている。防振材113は、振動がケース45に伝達するのを防止するたけでなく、電動送風機28が回転することを防止している。本実施例では、合成ゴムを使用しているが、さらに硬度の低いゴムを使用し、ケース45への振動伝達量を低減してもよい。
次に、電気掃除機の騒音について説明する。電気掃除機は、内蔵する電動送風機28により3つの代表的な騒音を発生させる。
一つ目は、流れの乱れに起因する、広い帯域にわたって発生する乱流騒音である。本実施例のような掃除機本体1では、内蔵する電動送風機28の回転数は無負荷時で毎分36000回転以上と速く、風量も2m3/minと多い。電動送風機28内部や掃除機本体1内は流路が狭いため、電動送風機28により発生した空気流れは、局所的に高速な乱れた流れとなり乱流騒音を発生させる。
二つ目は、羽根車の羽根の数と回転数の積の整数倍の周波数を有する羽根音である。電動送風機28の羽根車は、羽根の表面に圧力差を生じさせることで、流体を駆動させる。そのため、本実施例のように羽根車の下流に静止翼を持つ電動送風機では、静止翼と羽根車の境界で圧力差が生じ、それが変動するため、羽根車の羽根の数と回転数の積の整数倍の周波数を有する羽根音が発生しやすい。
三つ目は、回転数の周波数の音を有する回転振動音である。電動送風機28はロータ、及びステータ間の電磁力により羽根車を回転させ、羽根の運動により羽根車の前後に差圧を生じ吸引力を発生させる回転機械である。回転機械は、回転軸周りに多少偏心アンバランスを残留させており、軸受に回転周期の加振力を発生させる。電動送風機は、ロータ,羽根車に偏心アンバランスを持ち、これらが回転することで、軸受への周期的な加振力を発生させ、これが回転振動となる。軸受に伝わった回転振動は一部は電動送風機の表面から、その他は、電動送風機を支持する部材から振動として伝播し、掃除機本体を加振し、大気に音として放射される。これが回転振動音である。
本実施例は、回転振動音による低周波の不快な騒音を低減することにより掃除機騒音を改善できる。回転振動音を低減するためには、発生源である電動送風機の偏心アンバランスを低減し、回転振動を抑制する方法と、電動送風機からの伝播経路で回転振動を低減する方法が考えられる。本実施例では後者により改善する。
本実施例のように、電動送風機28の下流にフィルタ29を備えるような電気掃除機の場合、フィルタ29をごみが多量に通過すると、目が詰まってしまう問題があった。このような場合、本実施例のような電気掃除機では、20kPa以上の正圧が排気側空間115に加わる。このため、気密面は、その圧力に耐えうる構造にするため、しっかり押さえつける必要があった。ところが、回転振動音を低減するため、回転振動の伝達抑制を考えると、気密面をしっかりと押さえつけると剛性が上がるため、振動の伝達量が大きくなってしまう。そこで、本実施例では、防振を抑える面と気密を保つ面を別々に構成した。電動送風機28は、上側を弾性部材101を介して吸気ダクト27に、下側を防振材113を介してケース45に支持される。電動送風機28の回転振動は、弾性部材101および防振材113から、回転軸に垂直な方向とスラスト方向に伝播される。このため、電動送風機28の垂直な方向とスラスト方向を支持する剛性を下げる必要がある。
本実施例では、弾性部材101により、電動送風機28を柔らかく支持することにより、スラスト方向の振動の伝播を低減させる。また、隙間112を設けることで、防振突起101eは、電動送風機28の回転軸に垂直な方向も柔らかく支持し、振動の伝播を低減させる。このため、本体に伝わる回転振動は小さくなり、回転振動音を低減することができる。
また、別形状で設けた防振部材気密面101aは、電動送風機28のケーシング面28cに当接すると先端がたわむ構成となっており、電動送風機28からの排気圧116および電動送風機28の吸込圧117の力に対し、電動送風機28が運転するとケーシング面28cに押し付き、気密が確保される。また、防振部材気密部101aの先端は吸排気圧のかかる方向に対し変形し追従し易いように薄板状になっている。また、防振部材気密部101aの先端は外側に略30度広がって構成されており、組み込み時には防振部材気密部101aの先端が30度よりも押し潰されて組み込まれる。これにより、防振部材気密部101a自身がケーシング面28cに常に押し付けられ気密を保つ働きがある。さらに、組み込み前状態(初期状態)において、防振部材気密部101aの先端は、外側に広がって構成しているため作業者が組み込む時に防振部材気密部101aの先端がめくれる心配をしなくても良く、安定して組み込むことができる。このため、電動送風機28の排気側空間115から吸込側空間114への逆流を防止し、吸込性能を低下させることを防いでいる。
図2(A)に、本発明の実施例の集塵装置の斜視図を示し、図2(B)に、本発明の実施例の集塵装置の横断面図を示す。使用者は、把手16を握って集塵装置2を上方へ持ち上げることによって、掃除機本体1から集塵装置2を取り外すことができる。ただし、塵埃分離部4を掃除機本体1に残して、塵埃収容部5のみを掃除機本体1から取り外すようにしてもよい。図2(A)に示すように、軸方向から見た塵埃分離部4の断面の外形状は、略円形状である。塵埃収容部5の断面の外形状は、前蓋11の部分では略円形状であるが、前蓋11の部分以降では略四角形状であり、フィルタ15の部分でも略四角形状である。図2(B)に示すように、ケース10の軸方向一端の開口方向とケース10の軸方向他端の開口方向とは一直線上になく、45°〜50°程度異なる。つまり、塵埃収容部5の軸方向は、中間よりも少し前側で、曲がっている。上述したが、集塵装置2の軸方向一端面(入口管3の部分)は、わずかに下方向(重力作用方向)を向き、集塵装置2の軸方向他端面(フィルタ15の部分)も、わずかに下方向(重力作用方向)を向いており、集塵装置2の軸方向一端面と軸方向他端面とは、垂直面(重力作用方向)を基準として、逆ハの字形状となるため、集塵装置2を上方へ持ち上げる際に引っかかりが少なくなり、使用者は、集塵装置2を掃除機本体1から容易に取り外すことができる。
図3(A)に、本発明の実施例の内筒および外筒の斜視図を示し、図3(B)に、本発明の実施例の内筒の裏側の斜視図を示す。外筒6の一端面は、入口管3の形成部分を除き、閉塞し、外筒6の他端面は、開口する。内筒7は、円筒部分の一端に、円環状の外延部34を有する。図3(A)に示すように、外筒6内に軸方向に内筒7の円筒部分から挿入されることによって、外筒6の他端面の外周端が外延部34の外周端に当接して、外筒6内に内筒7が形成される。図3(A)に示すように、入口管3の開口方向と凹み部8の開口とは対向している。凹み部8の内筒7の外周端部への開口方向は略下向きであり、案内管38の円周方向の開口方向は、反時計周りである。尚、案内管38の円周方向の開口方向は、時計周りであってもよい。そして、外延部34の上部に、軸方向に貫通する孔を備え、つまり外延部34の上部が開口している。開口の左壁面は、右壁面に比較して高くなっている。つまり、案内管38の円周方向の開口方向に対向する外延部34の上部の開口の壁面(左壁面)が他の壁面(右壁面)より高くなっている。そして、外延部34の表面はらせん状になっており、空気を外延部34の上部の開口に滑らかに導く流路の機能を有する。図3(B)に示すように、内筒7内の上側略半円部分に、内筒7の内側へ向かって凹み閉塞した凹み部39を備え、下側略半円部分は、内筒7内に開口している。集塵かご12に塵埃が堆積していない状態において内筒7内の空気の流量より内筒7外の空気の流量を多くする場合は、内筒7内の開口面積よりも外延部34上部の開口面積を大きくしてもよい。内筒7内への開口に比較して凹み部39の領域を多くしてもよいし、凹み部39に比較して内筒7内への開口の領域を多くしてもよい。そして、使用者は凹み部39に指を入れて、容易に塵埃分離部4あるいは内筒7を持つことができる。
内筒7の円筒部を抗菌効果のある金属材料で形成する場合は、先ず、金属の薄板に、直径0.1mm〜0.4mm程度の複数の貫通孔33をエッチング加工し、その後、両端を接合して円筒形状にする。貫通孔33はパンチング加工でもよい。抗菌効果のある金属材料として、例えば、ステンレス,銀,銅などがある。ステンレス,銀,銅に限らず、銀や銅を含むまたは銀や銅が表面析出した合金であればよい。金属の薄板の厚さは1mm以下であり、加工性を向上するには0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。金属薄板の厚さが薄い場合には、強度を向上したり、真円度を向上するために、円筒状の金属薄板の軸方向の両端を、成形性のよい樹脂で固定するのが好ましい。具体的には、凹み部8や案内管38を有する内筒7の略円形状の一端部の型および円環状の外延部34を有する内筒7の他端部の型が成型された型に、円筒状の金属薄板をセットし、その後、型に樹脂を流し込むことによって、インサート成型する。インサート成型による場合、金属薄板は両端を接合して円筒形状にしなくてもよい。こうして、凹み部8や案内管38を有する内筒7の略円形状の一端部および円環状の外延部34を有する内筒7の他端部を樹脂で構成した、内筒7の円筒部分のみを金属材料で構成することができる。インサート成型によって、製造過程を簡素化できる。
図4(A)に、本発明の実施例の塵埃収容部の前蓋を開いた状態の斜視図を示し、図4(B)に、本発明の実施例の塵埃収容部の後部フィルタを開いた状態の斜視図を示す。図4(A)に示すように、軸31を支点として前蓋11が下方向へ回動して開くと、軸14を支点として集塵かご12も下方向へ回動して飛び出す。この際に、集塵かご12は、軸13を支点として上下に2分割される。塵埃収容部5から飛び出した際の集塵かご12の開口は、塵埃収容部5内に収納されていた際の集塵かご12の開口に比較して拡がる。これによって、集塵かご12の内面にへばりついた塵埃を容易にはがし落とすことができる。尚、使用者が、集塵かご12の内面に沿ってティッシュペーパを装着した際には、ティッシュペーパの端を集塵かご12の開口部の枠体と前蓋11の外周端とで挟みこめば、ティッシュペーパがずれたり外れたりするのを抑制できる。図4(B)に示すように、軸32を支点としてフィルタ15も下方向へ回動して開く。これによって、使用者は、ケース10内で集塵かご12外部に堆積した塵埃を容易に排出することができ、さらに、フィルタ15のケース10側面に付着した塵埃も容易に除去することができる。
図5(A)は、本発明の実施例の塵埃収容部の前蓋の塵埃収容部外側から見た正面図であり、図5(B)は、本発明の実施例の塵埃収容部の前蓋の塵埃収容部内側から見た正面図である。尚、図中の斜線部分は、断面ではなく、最も手前の表面を示している。前蓋11の下端に、ケース10に回動自在に支持される軸31を備える。前蓋は、略円形状をしている。図5(A)に示す斜線部分の外側の略円部分は、塵埃分離部4の軸方向他端面の外周端に当接可能である。図5(A)に示す斜線部分の内側の略円部分は、塵埃分離部4の内筒7の軸方向他端面の外周端に当接可能である。前蓋11の上側つまり軸31と反対側で、斜線部分の外側の略円部分と内側の略円部分との間に、外側流路35の開口が形成される。外側流路35の表側(塵埃収容部5外側)の開口位置は、前蓋11の左右側や下側でもよいが、外側流路35の裏側(塵埃収容部5内側)の開口位置を前蓋11の上側とする場合は、外側流路35の長さを短くして空気の圧力損失を低減するために、外側流路35の表側の開口位置も、前蓋11の上側であるのが好ましい。一方、内筒7の内側に内側流路36の開口が形成される。図5(A)の正面図では、外側流路35の開口面積よりも内側流路36の開口面積のほうが大きいが、内筒7内の上側略半円部分は、凹み部39が形成されているので、内筒7内の空気の流量より内筒7外の空気の流量を多くする場合は、実質的な流路面積としては、外側流路35の開口面積よりも内側流路36の開口面積のほうが小さい。尚、斜線部分の外側の略円部分と内側の略円部分との間の外側流路35の開口が形成されていない部分は、閉塞されている。
図5(B)に示す斜線部分の外側の略円部分は、ケース10の軸方向一端面の外周端および集塵かご12の開口の外周端の一部に当接する。図5(B)に示すように、前蓋11の上下方向中心線よりも上側に、外側流路35の開口が形成される。これによって、電気掃除機の停止時に、集塵かご12に堆積した塵埃が外側流路35および塵埃分離部4に逆流するのを防止することができる。ただし、前蓋11の上下方向中心線を含む中央部に、外側流路35の開口が形成されてもよい。さらに、外側流路35を覆う逆止弁(図示せず)を形成するのが好ましい。これによって、さらに、電気掃除機の停止時に、集塵かご12に堆積した塵埃が外側流路35および塵埃分離部4に逆流するのを防止することができる。一方、前蓋11の下端近傍に、内側流路36の開口が形成される。ただし、内側流路36の開口位置は、外側流路35の開口位置に対して、下側でもよいし、左右側または上側でもよい。尚、内側流路36の開口の上側の斜線部分は、集塵かご12の開口の外周端の下端に当接する。そして、図5(B)に示すように、前蓋11の裏側(塵埃収容部5の内側)では、内側流路36の開口面積よりも外側流路35の開口面積のほうが大きい。さらに、図5(A)と図5(B)に示すように、外側流路35の他端(裏側)の開口面積(図5(B))は、外側流路35の一端(表側)の開口面積(図5(A))よりも大きい。つまり、外側流路35は、一端から他端へ向かって拡がっている。一方、図5(A)と図5(B)に示すように、内側流路36の他端(裏側)の開口面積(図5(B))は、内側流路36の一端(表側)の開口面積(図5(A))よりも小さい。つまり、内側流路36は、一端から他端へ向かって狭まっている。
図6に、本発明の実施例の塵埃収容部の前蓋を除いたときの塵埃分離部側から見た正面図を示す。尚、図5と同様に、図中の斜線部分は、断面ではなく、最も手前の表面を示している。略円形状の斜線部分は、前蓋11の外周端に当接する。図6に示すように、ケース10の軸方向一端面の開口の外周端は、集塵かご12の開口の外周端の一部に当接する。また、図6に示すように、ケース10の軸方向一端面の開口の80%以上は、集塵かご12の開口が占めている。そして、ケース10の開口の集塵かご12の開口以外の領域(残り20%程度以下)は、内側流路36の開口に対向し、内側流路36に連通する。
図7は、本発明の実施例の電気掃除機の概観図である。電気掃除機は、掃除機本体1以外に、吸口を有する吸込具50と、一端が吸込具50に連通し伸縮自在な継手管(延長管)51と、一端が継手管51の他端に連通し使用者が握る把手53や操作ボタン/スイッチを有する操作管52と、一端が操作管52の他端に連通し他端にホース継手管20が形成されるホース54とを備える。掃除機本体1の本体吸気口21にホース継手管20が挿入され、保持可能である。また、掃除機本体1の両側面に車輪55を備える。
そして、使用者から操作ボタン/スイッチへの操作によって電気掃除機の電源がONされると、電動送風機28が作動して吸引力を発生する。吸込具50の吸口から吸い込まれた空気は、継手管51,操作管52,ホース54,ホース継手管20の順に通過して、掃除機本体1に流入する。
本実施例1では、電動送風機28が縦置きのものを説明したが、電動送風機28が斜め置きまたは横置きのものにも適用可能である。本実施例1では、集塵装置2は遠心分離作用を利用したものであるが、紙パック等のろ過方式を利用したものにも適用可能である。
本発明は、電気掃除機に適用可能である。
1 掃除機本体
2 集塵装置
3 入口管
4 塵埃分離部
5 塵埃収容部
6 外筒
7 内筒
8 凹み部
9,22,25 パッキング
10 ケース
11 前蓋
12 集塵かご
13,14,31,32 軸
15,29 フィルタ
16 把手
17 ボタン
18 伝達棒
20 ホース継手管
21 本体吸気口
23 キャスタ支持部
24 除塵装置
26 補助フィルタ
27 吸気ダクト
27a 開口
27b 排出口
27c 山部A
27d ダクト気密面
28 電動送風機
28a 吸込口
28b 排気口
28c ケーシング面
28d 目玉部
30 本体排気口
33 貫通孔
34 外延部
35 外側流路
36 内側流路
38 案内管
39 凹み部
40 排気ダクト
41 コードリール
42 コードリール室
43 プラグ
44 外周部分
45 ケース
47 コード
49 基板
50 吸込具
51 継手管
52 操作管
53 把手
54 ホース
55 車輪
60 段差
61 仕切り板
62 円環リブ
63 パッキング押さえ
64 空間
101 弾性部材
101a 防振部材気密部
101b 気密部
101c 固定用溝
101d 凸部
101e 防振突起
102 固定カバー
102a 位置決め凸
102b 気密面
102c 取り付け孔
102d リブ
103 気密パッキン
103a 排気リップ部
104 ボス
105 位置決め凹
107 ねじ止め
108 位置決めリブ
110 縁部
110a 山部B
111 壁
112 隙間
113 防振材
114 吸込側空間
115 排気側空間
116 排気圧
117 吸気圧

Claims (5)

  1. 電動送風機と、前記電動送風機を収容するケースと、前記電動送風機の吸込口の周囲と前記ケースとの間に配置され部材とを備えた電気掃除機において、
    部材は、振動を抑える環状の振動防止部と前記電動送風機の吸気の気密を取る環状の薄板で構成される気密部と、を備え、
    前記振動防止部と前記気密部を別々の形状で実現し、
    前記振動防止部と前記気密部とは、同じ側に位置し、前記電動送風機の吸口側の面であるケーシング面と当接することを特徴とする電気掃除機。
  2. 請求項1に記載の電気掃除機において、
    前記振動防止部は、環状に配置された複数の突起からなることを特徴とする電気掃除機。
  3. 請求項1又は2に記載の電気掃除機において、
    前記気密部は、根元に対して先端が外側に拡がって形成されていることを特徴とする電気掃除機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気掃除機において、
    前記振動防止部と前記気密部とは、同一材料で構成され、
    前記部材が前記電動送風機の吸込口の周囲と前記ケースとの間に配置された状態において、前記気密部の弾性変形量は、前記振動防止部の弾性変形量よりも大きいことを特徴とする電気掃除機。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気掃除機において、
    前記部材が前記電動送風機の吸込口の周囲と前記ケースとの間に配置されていない状態において、前記気密部の先端は、前記振動防止部の先端よりも突出していることを特徴とする電気掃除機。
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