JP5460470B2 - グレーチング付き側溝の排水構造 - Google Patents
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Description
また、特許文献3は、道路の流水表面を流れる雨水の呑み込み機能を強化した集水用グレーチング及びこれを用いた排水構造を提案する。
(1)実施形態1
図1〜図8は本発明の側溝本体側に斜路を設けたグレーチング付き側溝の排水構造の一形態で、図1はその側溝本体の斜視図、図2は図1の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図3は図2の要部拡大斜視図、図4は図3に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図5は図2の側溝本体を連ねた側溝にグレーチングを載置した概略縦断面図、図6は図1に代わる他態様の側溝本体の斜視図、図7は図6の側溝本体にグレーチングを載置した側面図、図8は図1〜図7に代えて、コンクリート製側壁部を隆起させて斜路Fを形成する他態様の側溝本体を示す。
図面を判り易くするため、当て板部34の板厚を厚く描き、図5は要部のみを簡略図示する。
本実施形態のグレーチング5の方は公知品で、側溝本体1に斜路Fを形成する。グレーチング5は、主部材50に連結材51を格子状に直交させてなる平面視長方形の金属製グレーチングとする。全体形状が規格化された長方形盤状をなし、主部材50と連結材51と端板58,59と側板52とを備える公知のグレーチング5である。多数の金属製帯板からなる主部材50とこれに直交する連結材51とで格子状に形成して、その両側を側板52で塞ぐ(図3)。通称Iバーと呼ばれる断面I字状の帯板からなる主部材50は、図3のように幅方向を上下にして平行に複数配設される。主部材50の両端を端板58,59(図9参照)として、長方形盤のグレーチング5になっている。
ここでの連結材51は通称クロスバーとも呼ばれ、金属製棒状材を捩ったツイスト棒からなる。連結材51は、主部材50をその帯幅方向を垂直起立させ且つ所定ピッチで複数配設した後、これらと直交するようにして所定間隔離して主部材50の上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着して図2,図5ごとくの長方形盤に組み立てられる。符号SLは主部材50と連結材51とを格子状に配設することによってできるスリットを示す。後述する側溝本体1が複数接続されてなる側溝Aの上面開口Kに被着されるグレーチング5にあって、路面GLに降った雨は雨水Wとなって路面GLをはい、グレーチング5付き側溝Aへと向かう。そして、主に側板52を横切り、スリットSLを通って側溝本体1の斜路F(詳細後述)を経由した後、流路たる縦通溝R内へ流れ落ちる。
ここで、本発明でいう上方とは、側溝本体1が道路等の路面GLに埋設される図2の状態下で、紙面上方をいい、下方とは紙面下方を指す。また、水平方向や左右方向とは図2の紙面左右横方向をいう。縦通溝Rの排水流れ方向uは図2でいえば紙面垂直手前方向をいい、側壁部3の他端面39やグレーチング5の他端面59が紙面手前に現れ、側壁部3の一端面38やグレーチング5の一端面58は、側壁部3やグレーチング5に係る紙面奥方の図2に現れない端面になる。
当て部材34は一の側溝主部αに一対配設され、両当て部材34は左右対称品である(図2)。当て部材34は平板のプレス成形品で、上板部34aと立板部34bと水平板部34cと垂下部34dと張出部34eと補強部34fとを備える。上板部34aと立板部34bと水平板部34cと補強部34fは、当て部材34の長手方向に向けて等断面形状になっている(図1,図2)。側溝本体1の成形に先立ち、当て部材34をインサートして側溝本体1を成形すると、当て部材34の上板部34aが両側壁部3に係る上端面32aの全域を覆う。側壁部3の上端面32aから側壁部3の内面がグレーチング盤5aの厚みh分だけ垂直降下するが、その垂直面を、上板部34aから縦通溝R側が屈曲、延設された立板部34bが覆う。さらに立板部34bの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平延設する水平板部34cが、側壁部3の平坦部33を覆って、上面開口Kをグレーチング5が塞いで直かに接して載る真の平坦部になる。また、前記側壁部3に係る上端面32aの外縁から側壁部外面が垂直下降するが、該側壁部外面の上端垂直部分を、上板部34aの外縁から屈曲延設された補強部34fが覆う。
一方、上板部34a,立板部34b,水平板部34cが当て部材34の長手方向等断面形状であるのに対し、垂下部34dは図1のごとく側壁部3の一端面38から他端面39に向けて徐々に帯幅が広くなる細長の帯板部になっている。側壁部3の平坦部33の内縁から側壁部内面が底壁部2へ向けて垂直降下するが、その垂直面の上方部を、水平板部34cから縦通溝R側が屈曲延設された垂下部34dが覆う。そして、垂下部34dの下縁から屈曲して縦通溝R側へ水平に張り出す張出部34eが設けられる。該張出部34eは、一定幅の長尺板部で、側壁部3の一端面38から他端面39に進むにしたがい徐々に帯幅が広くなる垂下部34dの下縁から、屈曲して縦通溝R側へ水平に突き出す。この張出部34eの突き出しで、該張出部34eの上面部分34e1に、側壁部3の一端面38から他端面39へ向けて傾斜勾配がつくすなわち斜路Fが形成される(図1,図2)。張出部34eの上面部分34e1に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。尚、張出部34eは垂下部34dから縦通溝R側へ水平に突き出したが、縦通溝Rの中央に向けて、後述する図13のごとく角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜させてもよい。
尚、図1〜図4の当て部材34に係る各上板部34a,立板部34b,水平板部34c,垂下部34d,張出部34e,補強部34f,返し部34gは、長手方向長さが図示のごとく側溝主部αの一端面38から他端面39までの長さを有する板部とする。
施工現場では、本側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせ、図5のごとく数珠つなぎに一列に接続して側溝Aとする。各側溝本体1(側壁部3)の他端面39側は下流側に向けられる。したがって、側溝Aを形成する各側溝本体1には、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。各側溝本体1の平坦部33に汎用グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。
図8の側溝本体1には、平坦部33よりも下方の両側壁部3で、該側壁部3の縦通溝R側を張出してコンクリート製張出部35が形成される。そして、両側壁部3に張出部35が対向配設され、各張出部35の上面部分351に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する斜路Fが設けられる。張出部35の上面部分351は、平坦部33が縦通溝R方向の突出す幅とほぼ同程度の幅を有して水平に張り出し、且つ側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する斜路Fとなす。張出部35は側壁部3の一端面38側の箇所が切り欠かれる。さもないと、一の側溝本体1に係る一端面38を他の側溝本体1に係る他端面39と突き合わせて、複数の側溝本体1を一列に接続して側溝Aにした際、支障をきたすからである。グレーチング5の側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが、斜路F上を流れて、縦通溝Rの排水流れ方向uに進む水Wのスピードが加速するが、隣接する側溝本体1の一端面38に該水Wが衝突してそのスピードを落とすからである。図8の側溝本体1は、側壁部3の一端面38寄りから他端面39に向けて下降傾斜する横長状の斜路Fとなすが、これに代えて、上面部分351が側壁部3の一端面38又は一端面38寄りから他端面39寄りに向けて下降傾斜する斜路F用の張出部35を形成することもできる。同様の本発明効果が得られるからである。
図9〜図18はグレーチング5側に傾斜板部55を設けたグレーチング付き側溝の排水構造で、図9はそのグレーチング5の下面側から見た斜視図、図10は側溝本体1(又は側溝A)に図9のグレーチング5を載置した側面図、図11は図10の側溝本体1を連ねた側溝Aに図9のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図12は図10の部分拡大図、図13は図12に代わる他態様図、図14は図9〜図12に代わる別態様のグレーチング5の下面側から見た斜視図、図15は側溝本体1(又は側溝A)に図14のグレーチング5を載置した側面図、図16は図15の側溝本体1を連ねた側溝Aに図14のグレーチング5を載置した概略縦断面図、図17は図9〜図12や図14〜図16に代わる他様のグレーチング5の斜視図、図18は図17のグレーチング5を側溝本体1(又は側溝A)に載置した側面図を示す。図面を判り易くするため、図11,図16は要部のみを簡略図示し、また、図11は図9のグレーチング5が一端面58から他端面59まで傾斜板部55を配設するのに対し、グレーチングの一端面58寄りから他端面59寄りまで傾斜板部55を配設するにとどめる。
また、図13は図10〜図12に代わる他態様のグレーチング5である。図示のごとく、板片部53から縦通溝R内へ突き出す傾斜板部55の帯幅方向部分55aが縦通溝Rの中央(縦通溝Rの溝中心軸側)に向けて角度θ(15°>θ>0°)で下降傾斜すると、より好ましくなる。豪雨等でグレーチング5内に流れ込む土砂が傾斜板部55に堆積するのを防止できるからである。
符号551は傾斜板部55に流れ込む水を、最も高い地点で受け止める傾斜板部の上点、符号552は傾斜板部55の最も低い下点、符号6は傾斜板部55を板片部53に固着する溶接部を示す。図10〜図13における矢印は雨水等の水Wの流れを示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1の符号と同一符号は同一又は相当部分を示す。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50上面に載置される。その後、主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、側面視L形のアングル部材が一対用意される。一対のアングル部材に係る底板部55の外縁を図14のごとく両側板52の下縁に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。このとき、側面視L形のアングル部材の起立部を、縦通溝R側に配して且つグレーチング盤5aの下方に向けて図15のごとく起立させる。該起立部がグレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。さらに、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板を用意して、傾斜板部55が形成される。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、該板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる傾斜板部55が設けられる。図14で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
図14の側溝本体1が複数用意され、一の側溝本体1を他の側溝本体1と突き合わせるようにして、図11と同様、一列に接続されると、図16ごとくの側溝Aが完成する。各グレーチング5は一端面58側を上流側に配する。そして、各側溝本体1の平坦部33に前記グレーチング5を載せて上面開口Kを塞ぐと、グレーチング5に、縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部55を設けたことで、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む雨水等の水Wが傾斜板部55上を流れる本グレーチング付き側溝の排水構造となる。他の構成は図9〜図12のグレーチング付き側溝の排水構造と同様で、その説明を省く。
本グレーチング5も、帯板からなる主部材50が幅方向を上下にして平行に所定ピッチで複数配設され、且つこれらと直交するようにして、連結材51が所定間隔離して主部材50の上面に載置される。主部材50と連結材51とを電気圧接固定して格子状とし、両側横方向に側板52を固着してグレーチング盤5aに組み立てる。主部材50の両端を端板58,59とする平面視長方形のグレーチング盤5aになる。そして、四角筒形した嵩上げ部材56を一対用意する。一対の嵩上げ部材56の外縁を図17のごとく両側板52に沿わせて、グレーチング盤5aの下面に固着する。嵩上げ部材56に係るグレーチング中央側筒壁の板部が、グレーチング盤5aの下面よりも垂直下方に延在する板片部53になる。別途、グレーチング盤5aの長手方向長さに匹敵する長さの細長帯板が用意され、これを板片部53に固着して傾斜板部55を形成する。側溝本体1に載置されるグレーチング5の下部で、長手方向部分55bが縦通溝Rの排水流れ方向uに向けて下降傾斜するよう、両板片部53の縦通溝R側に細長帯板の一側縁を固着してなる帯状の傾斜板部55が一対設けられる。図17で、傾斜板部55はグレーチング5の一端面58から他端面59に向けて下降傾斜する。傾斜板部55はその帯幅方向部分55aを縦通溝R内へ水平突出する。
このように構成したグレーチング付き側溝の排水構造は、豪雨等で、路面GLをはい、側板52を横切ってグレーチング5内に流れ込む水が、斜路F上又は傾斜板部55上の坂を滑るようにして流れるので、縦通溝Rの排水流れ方向uに進むその水Wのスピードが加速する。斜路F上又は傾斜板部55上を雨水等の水Wが流れると、その傾斜勾配で水Wに加速度がつき、その加速度をつけた状態で、水Wが斜路Fの下点F2(又は傾斜板部の下点552)から縦通溝Rの底板部上面21へと流れ落ちる。縦通溝Rを流れる単位時間あたりの水量が増加するので、側溝A(側溝本体1)に導かれた排水Wは迅速処理される。したがって、側溝A内の流路(縦通溝R)を流れる雨水スピードが従来のように律速支配して、側溝Aから水Wが溢れ出すような事態を回避できる。特に水難事故等につながり易い豪雨時の路面GL浸水を、比較的簡便な構造で解消でき、極めて有益となる。
2 底壁部
3 側壁部
32 上部
33 平坦部
34 当て部材
34e 張出部
34e1 上面部分
35 張出部
351 平坦部
5 グレーチング
5a1 下面
50 主部材
51 連結材
53 板片部
55 傾斜板部
55a 帯幅方向部分
55b 長手方向部分
58 一端面(端板)
59 他端面(端板)
F 斜路
K 上面開口
R 縦通溝
u 排水の流れ方向
W 水(雨水)
α 側溝主部
Claims (1)
- 主部材に連結材を格子状に直交させてなる平面視長方形のグレーチングと、底壁部の左右両側に側壁部を起立して、該底壁部と両側壁部とで上面開口の縦通溝が形成され、さらに両側壁部の上部に、前記グレーチングが該上面開口を塞いで載る平坦部が対向配設される側溝本体と、を備えるグレーチング付き側溝の排水構造にあって、
前記平坦部よりも下方の側壁部の縦通溝側に張出部を形成して、該張出部の上面部分に、縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する斜路が設けられるか、又は側溝本体に載置される前記グレーチングの下部で、グレーチング盤の下面よりも垂直下方に延在する板片部から帯幅方向部分が縦通溝内へ突き出す一方、長手方向部分が縦通溝の排水流れ方向に向けて下降傾斜する帯状の傾斜板部が設けられて、
グレーチングの側板を横切ってグレーチング内に流れ込む水が、前記斜路上又は前記傾斜板部上を流れるようにしたことを特徴とするグレーチング付き側溝の排水構造。
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