JP5459616B2 - 締め付けツール及び自動締め付け装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ボルト軸にナットを締め付ける締め付けツール及び自動締め付け装置に関する。
実開平6−36728号公報には、ロングソケットの外周とベアリングの内接円径との間の微小隙間を有する自動増締め装置が記載されている。ロングソケットは、先端でナットを保持し、ナットの締め付けを行う。
上記実開平6−36728号公報に記載された自動増締め装置では、ボルト軸の先端形状に依存してナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収する。例えば、ボルト軸の先端外縁が傾斜面に形成されていると、ボルト軸の先端外縁にナットのネジ孔が当接した際に、ロングソケットが傾斜面に案内されてベアリングとの間の微小隙間を平行移動して、ナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれが吸収される。
しかし、ボルト軸の先端縁まで雄ネジが形成されていると、ロングソケットが上述のように案内されないため、ナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収することができない。
そこで、本発明は、ボルト軸へのナットの締め付けにおいて、ボルト軸の先端形状に依存せずにナットの中心軸とボルトの軸心との位置ずれを吸収することが可能であり、且つ吸収可能な位置ずれの範囲を広く設定することができる締め付けツール及び締め付け装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、自動締め付け装置に取り付けられ、自動締め付け装置の駆動部の回転によってボルト軸にナットを締め付ける締め付けツールであって、軸部材とソケットと付勢部材と複数の板バネ部材とを備える。
軸部材は、自動締め付け装置の駆動部に取り付けられる取付端部を有し、駆動部の回転軸に沿って延びて駆動部と共に回転する。ソケットは、基端部とナット収容端部とを一体的に有する。基端部は、回転軸に沿ってスライド移動自在に軸部材に支持されて軸部材と共に回転する。ナット収容端部は、ナットを収容するとともに回転軸を中心とした回転方向でナットと係合する。ソケットは、基端部からナット収容端部に向かって回転軸に沿って取付端部から離れる方向へ延びる。ソケットは、取付端部から離間する初期位置から取付端部に近づく作動方向へスライド移動自在である。また、ソケットは、軸部材の取付端部と駆動部との間隙及び基端部と軸部材との間隙の少なくとも一方によって回転軸に対する傾動が許容される。付勢部材は、取付端部から離れる方向へソケットを付勢する。板バネ部材は、固定端部と先端部と傾斜部とを有する。固定端部は、自動締め付け装置に対して固定される。先端部は、初期位置のソケットのナット収容端部に外側から当接する。傾斜部は、ナット収容端部から固定端部に向かって回転軸から離れる方向へ傾斜する。板バネ部材は、固定端部から先端部に向かって回転軸に沿って取付端部から離れる方向へ延び、ソケットのナット収容端部を回転軸に向かって付勢する。
複数の板バネ部材に付勢された初期位置のソケットのナット収容端部に収容されるナットのネジ孔の中心軸は、回転軸とほぼ一致する。
初期位置のソケットのナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸とボルト軸の軸心とが一致しない状態でボルト軸がナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動し、ボルト軸の先端がナット収容端部に収容されたナットのネジ孔に挿入されずにナット又はナット収容端部に当接して押圧すると、初期位置のソケットが付勢部材の付勢力に抗して作動方向へ相対移動し、ナット収容端部が複数の板バネ部材の先端部の間に没入してボルト軸の先端が複数の板バネ部材の先端部の間に進入し、板バネ部材の先端部が板バネ部材自身の付勢力によって回転軸に向かって移動する。これにより、板バネ部材の傾斜部は、ナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸がボルト軸の軸心に向かって傾くようにソケットのナット収容端部を案内し、作動方向へ相対移動するソケットは、板バネ部材の傾斜部の案内に従って回転軸に対して傾動する。
上記構成では、ボルト軸の先端がソケットのナット収容端部及び複数の板バネ部材の先端部から離間する初期状態において、ソケットは、付勢部材の付勢力によって初期位置に維持される。
初期位置のソケットのナット収容端部に収容されたナットの中心軸とボルト軸の軸心とがほぼ一致する場合、初期状態のボルト軸がナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動することによって、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入される。この状態で、ボルト軸がナット収容端部に対してさらに近接する方向へ相対的に移動すると、ボルト軸の先端がナットのネジ孔に挿入されたまま、ソケットが付勢部材の付勢力に抗して作動方向へ相対移動する。なお、ナットの中心軸とボルト軸の軸心とがほぼ一致する場合とは、ナットの中心軸とボルト軸の軸心とが完全に一致する場合の他、ボルト軸の先端形状がナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収する場合を含む。
一方、初期位置のソケットのナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸とボルト軸の軸心とが一致せず、ボルト軸がナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動した際にボルト軸の先端がナットのネジ孔に挿入されずにナット又はナット収容端部に当接して押圧する場合には、ボルト軸の押圧によってソケットが付勢部材の付勢力に抗して作動方向へ相対移動し、ナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸がボルト軸の軸心に向かって傾くように、板バネ部材の傾斜部が作動方向へ相対移動するソケットを傾動させ、ソケットが十分に傾いたときに、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入される。すなわち、ボルト軸をナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動させるだけで、ナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収してナットのネジ孔にボルト軸の先端を挿入させることができる。
このように、ボルト軸がナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動した際に、ボルト軸の先端がナットのネジ孔に挿入されずにナット又はナット収容端部に当接して押圧する場合であっても、ナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを、作動方向へ相対移動するソケットの傾動によって吸収することができる。従って、ボルト軸の先端形状に依存せずにナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収することができる。また、ボルト軸の先端形状のみに依存してナットの中心軸とボルト軸の軸心との位置ずれを吸収する場合に比べて、吸収可能な位置ずれの範囲を広く設定することができる。
また、本発明の第2の態様は、上記第1の態様の締め付けツールが取り付けられる自動締め付け装置であって、上記駆動部と制御手段と判定手段とを備える。
制御手段は、回転軸とボルト軸の軸心とをほぼ平行に維持した状態での駆動部とボルト軸との相対移動を、第1位置と第2位置との間で制御するとともに、回転軸の回転を制御する。第1位置では、ボルト軸の先端がソケットのナット収容端部及び複数の板バネ部材の先端部から離間し、第2位置では、ソケットがボルト軸に押圧されて初期位置から作動方向に変位する。判定手段は、駆動部とボルト軸とが第1位置から第2位置へ向かって相対的に移動して第2位置に達したときに前記軸部材に対して前記ソケットが前記判定基準位置に存在する場合に、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入されたと判定する。判定基準位置とは、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入された状態で駆動部とボルト軸とが第2位置に達したときの軸部材に対するソケットのスライド位置である。制御手段は、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入されたと判定手段が判定した場合に、駆動部を回転させる。
上記構成では、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入されたと判定手段が判定した場合に制御手段が駆動部を回転させるので、ナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入されていない状態でのナットの締め付けを未然に防止することができる。また、判定手段は、軸部材に対するソケットのスライド位置が判定基準位置に達しているか否かによってナットのネジ孔にボルト軸の先端が挿入されたか否かを判定するので、ナットのネジ孔へのボルト軸の挿入の成否を簡単に判定することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の締め付けツールの断面図、図5は自動締め付け装置のブロック構成図である。なお、以下の説明における上下方向は、図1における上下方向に対応する。
図1に示すように、自動締め付け装置29は、ベース51と、ベース51に回転自在に支持されてベース51の上面から突出する角ドライブ(駆動部)8とを備える。また、図5に示すように、自動締め付け装置29は、位置センサ31と、入力部32と、昇降駆動機構43と、モータ10と、クラッチ39と、トルクセンサ33と、表示装置34と、情報処理装置30とを備える。昇降駆動機構43は、ベース51を、下方の待機位置から上方の準備位置(第1位置)まで上昇させ、準備位置からさらに上方の締結作業位置(第2位置)まで上昇させた後、待機位置まで下降させる。角ドライブ8は、角柱形状を有し、クラッチ39を介してモータ10によって回転駆動される。角ドライブ8の締め付けトルクは、トルクセンサ33によって検出され、情報処理装置30に入力される。
図1に示すように、締め付けツール1は、エクステンションバー(軸部材)2と、エクステンションソケット(ソケット)3と、ピン4と、スプリング(付勢部材)5と、複数の板バネ部材6と、バネ支持部材7とを備える。締め付けツール1は、自動締め付け装置29のベース51に取り付けられ、角ドライブ8の回転によってボルト軸11へのナット14の締め付けを行う。バネ支持部材7は筒形状を有し、ベース51の上面に固定されて角ドライブ8の外側を覆う。
ボルト軸11の基端側(上端側)はワーク50に固定されており、ボルト軸11の先端側(下端側)はワーク50の下面から下方へ突出して延びている。ボルト軸11の外周面のうち先端部を除く領域には、雄ネジ11aが形成され、ボルト軸11の先端部は、雄ネジ11aが形成された領域よりも細い外径を有する。被締結部品13には、ボルト軸11が挿通する貫通孔13aが形成されている。ワーク50は、搬送装置(図示省略)によって締め付けツール1の上方の所定の作業位置に搬送されて保持される。作業位置では、貫通孔13aにボルト軸11が挿通した状態の被締結部品13が作業者や搬送装置などによって仮保持される。なお、図1は、ワーク50が作業位置に保持され、ベース51が待機位置から準備位置まで上昇した状態(初期状態)を示している。
ナット14は、座金部14aを一体的に有する座金付きナットである。ナット14のネジ孔15(図2に示す)は、ボルト軸11の外径とほぼ同じ大きさの内径を有し、ネジ孔15の内周面にはボルト軸11の雄ネジ11aと螺合する雌ネジ(図示省略)が形成されている。ナット14は、被締結部品13の貫通孔13aを貫通するボルト軸11の先端から螺合し、ワーク50に対する被締結部品13の締め付けに用いられる。なお、ナット14は、座金部15を一体的に有さないナットであってもよい。
エクステンションバー2は、取付端部17から軸部18が一体的に延びる棒状部材であり、取付端部17の下端面には、角ドライブ8と嵌合する嵌合穴20が形成されている。角ドライブ8と嵌合穴20との嵌合によって、エクステンションバー2は、自動締め付け装置29に着脱自在に取り付けられ、角ドライブ8の回転軸9に沿って上方へ延びた状態で角ドライブ8と共に回転する。軸部18は、取付端部17よりも細径の角柱形状であり、軸部18の外周面は、エクステンションソケット3と係合する係合部19として機能する。角ドライブ8の外面と嵌合穴20の内面との間には、回転軸9に対するエクステンションバー2の傾動を許容する所定の間隙が設定されている。
エクステンションソケット3は、基端部21とナット収容端部22とを両端に有する筒形状であり、これら基端部21とナット収容端部22とは一体的に形成されている。基端部21には、エクステンションバー2の軸部18よりも僅かに大きい角孔形状の挿通孔23が形成され、挿通孔23の内周面は、エクステンションバー2の係合部19と係合する被係合部53として機能する。エクステンションバー2の軸部18が挿通孔23に挿入された状態で、係合部19と被係合部53とが係合し、両者の係合によって、エクステンションソケット3は、エクステンションバー2に対する回転が阻止された状態で軸部18に沿ってスライド移動自在に支持される。また、軸部18の外周面と挿通孔23の内側面との間には、軸部18(回転軸9)に対するエクステンションソケット3の傾動を許容する所定の間隙が設定されている。すなわち、回転軸9に対するエクステンションソケット3の傾動は、嵌合穴20と角ドライブ8との間の間隙及び軸部18と挿通孔23との間の間隙によって許容される。なお、軸部18を円柱形状とし、挿通坑3を円孔形状とし、係合部19及び被係合部53の一方を回転軸9に沿って延びる係合溝とし、係合部19及び被係合部53の他方を係合溝と係合する係合突部としてもよい。
ナット収容端部22には、ナット14を収容するナット収容穴24が形成されている。ナット収容穴17の内側面は、挿入されたナット14の外側面と対向し、エクステンションソケット3の回転時にナット14の外側面と係合する。
エクステンションソケット3の内部には、基端部21(ソケット係合穴19)とナット収容端部22(ナット収容穴24)とを貫通する貫通孔25が形成されている。貫通孔25の上部領域25aは、ナット収容穴24よりも小さい内径を有する。この上部領域25aには、ナット収容穴24に収容されたナット14とボルト軸11との螺合が進行することによるエクステンションソケット3のスライド移動に伴って、ボルト軸11が上方から進入する。貫通孔25の下部領域25bは、上部領域25a及び挿通孔23よりも大きい内径を有する。この下部領域25bには、エクステンションソケット3のスライド移動に伴って、エクステンションバー2の軸部18が下方から進入する。また、挿通孔23から拡径される下部領域25bの下端には、ピン当接面25aが形成されている。なお、基端部21とナット収容端部22とは貫通孔25によって連通している必要はなく、エクステンションソケット3の内部の基端部21側及びナット収容端部22側に、軸部18及びボルト軸11の進入を許容する空間がそれぞれ独立して形成されていてもよい。
ピン4は、エクステンションバー2の軸部18の上端部を挿通した状態で固定され、軸部18の外周面から突出する。ピン4がピン当接面25aと当接することにより、エクステンションバー2に対するエクステンションソケット3の上方への移動範囲(移動限界)が規定される。
スプリング5は、エクステンションバー2の軸部18に外装され、スプリング5の上端及び下端は、エクステンションソケット3の基端部21の下面とエクステンションバー2の取付端部17の上面とにそれぞれ接する。スプリング5は、エクステンションソケット3をエクステンションバー2から離れる方向(上方)へ付勢し、エクステンションソケット3は、ピン4とピン当接面25aとの当接によってエクステンションバー2から最も上方へ突出した初期位置に設定される。スプリング5の付勢力よりも強い外力がエクステンションソケット3に対して下方へ作用すると、エクステンションソケット3がスプリング5の付勢力に抗して軸部18に沿って下方(エクステンションバー2の取付端部17に近づく作動方向)へスライド移動する。エクステンションソケット3が初期位置に設定された状態で、ナット収容穴24に収容されたナット14のネジ孔15の中心軸は、角ドライブ8の回転軸9とほぼ一致する。
図2に示すように、エクステンションソケット3の外側には、角ドライブ8の回転軸9を挟んで対向する2枚を1対とした3対(計6枚)の板バネ部材6が、角ドライブ8(図1に示す)の回転軸9を中心とする所定の円周上に等間隔で配置されている。なお、板バネ部材6の枚数は、上記6枚に限定されるものではなく、回転軸9を中心とする所定の円周上に等間隔で配置された2枚以上であればよい。
図1に示すように、各板バネ部材6は、基端部26と中間部27と傾斜部28とを一体的に有する。基端部26は、バネ支持部材7の上面にボルト52によって締結固定される。中間部27は、基端部26から上方へ曲折して直線状に延びる。傾斜部28は、中間部27の上端から曲折し、角ドライブ8の回転軸9に向かって斜め上方へ直線状に延びる。傾斜部28の上端部(板バネ部材6の先端部)28aは、初期位置のエクステンションソケット3のナット収容端部22に外側から当接し、板バネ部材6は、ナット収容端部22の上端を露出させた状態で、ナット収容端部22を回転軸9に向かって付勢する。なお、傾斜部28は、中間部27から連続して湾曲する曲面形状であってもよい。傾斜部28を湾曲形状とすることにより、回転軸9からの板バネ部材6の最大離間量を低減させることができ、周辺部品との干渉を回避し易くなる。
次に、ベース51の上昇に伴う締め付けツール1の動作について説明する。
ワーク50が作業位置に保持され、ベース51が待機位置から準備位置まで上昇した初期状態において、ボルト軸11の先端は、エクステンションソケット3のナット収容端部22及び板バネ部材28の先端部28aから離間し、エクステンションソケット3は、スプリング5の付勢力及びピン4とピン当接面25aとの当接によって初期位置に維持される。また、ボルト11のボルト軸11aと角ドライブ8の回転軸9とは一致または略平行に設定され、エクステンションソケット3のナット収容穴24はボルト11の先端の直下方に配置され、ナット収容穴24にナット14が収容される。
ベース51が準備位置から締結作業位置に向かって上昇すると、ナット収容端部22がボルト軸11に対して近接する方向(上方)へ移動する。上記初期状態において、ナット収容端部22に収容されたナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12とがほぼ一致する場合、ナット収容端部22の上方への移動によって、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入される。この状態からナット収容端部22がさらに上方へ移動すると、エクステンションソケット3の上下位置が維持されたまま、エクステンションバー2がコイルバネ5の付勢力に抗して上方へ移動し、ナット収容端部22が複数の板バネ部材6の先端部28aの間に没入する。なお、ナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12とがほぼ一致する場合とは、ナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12とが完全に一致する場合の他、ナット14のネジ孔15からボルト軸11の先端外縁がはみ出しておらず、ボルト軸11の先端形状がナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12との位置ずれを吸収する場合を含む。
一方、上記初期状態において、ナット収容端部22に収容されたナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12とが一致せず、ナット14のネジ孔15からボルト軸11の先端外縁がはみ出しており、ナット収容端部22が上方へ移動した際に、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入されずにナット14又はナット収容端部22に当接して押圧すると、ボルト軸11の先端がナット14又はナット収容端部22に接した状態で、エクステンションソケット3の位置が維持されたまま、エクステンションバー2がコイルバネ5の付勢力に抗して上方へ移動する。この移動時において、板バネ部材6もエクステンションバー2とともに上方へ移動し、ナット収容端部22が複数の板バネ部材6の先端部28aの間に没入して、ボルト軸11の先端が複数の板バネ部材6の先端部28aの間に進入する。
ナット収容端部22が複数の板バネ部材6の先端部28aの間に没入すると、複数の板バネ部材6の先端部28aが板バネ部材6自身の付勢力によって回転軸9に向かって移動する。このとき、複数の板バネ部材6のうちボルト軸11の軸心12に近い側の板バネ部材6(図1中左側の板バネ部材6)の先端部28aは、ボルト軸11の外周面に近接しているため、ナット収容端部22が没入した後、直ぐにボルト軸11の外周面と接触する。一方、ボルト軸11の軸心12から遠い側の板バネ部材6(図1中右側の板バネ部材6)では、先端部28aがボルト軸11の外周面から離れているため、ナット収容端部22の没入量の増大に応じて、傾斜部28がナット収容端部22に接触しながら先端部28aが徐々にボルト軸11の外周面に向かって移動し、最終的に先端部28aがボルト軸11の外周面に接触又は近接する。このように、ナット収容端部22の没入量の増大に伴って、ボルト軸11の軸心12から遠い側の板バネ部材6の傾斜部28の方が近い側の板バネ部材6の傾斜部29よりも大きく変位する。この変位に伴って、各板バネ部材6の傾斜部28は、ナット14のネジ孔15の中心軸がボルト軸11の軸心12に向かって傾くようにナット収容端部22を案内し、エクステンションソケット3は、作動方向(板バネ部材6に対して下方)へ相対移動しながら板バネ部材6の傾斜部28の案内に従って回転軸9に対して傾動する。そして、図3に示すように、エクステンションソケット3が十分に傾いたときに、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入される。
ベース51が締結作業位置に設定され、且つナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入された状態で、角ドライブ8を介してエクステンションソケット3が締め付け方向へ回転すると、ナット14は、ボルト軸11に締め付けられながら上方へ移動する。エクステンションソケット3は、コイルスプリング5から上方への付勢力を受けているため、ナット14の上方への移動に応じて上方へ移動し、図4に示すように、最終的に初期位置近傍の締結完了位置まで戻る。なお、以下の説明において、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された状態を締結前適正状態と称し、ナット14がボルト軸11に締め付けられることによってエクステンションソケット3が締結完了位置に戻った状態を締結後適正状態と称する。
次に、自動締め付け装置29の位置センサ31、入力部32、表示装置34及び情報処理装置30について説明する。
位置センサ31は、バネ支持部材7の上方の所定の高さにブラケット54を介して固定され(図1参照)、互いに隣接する2つの板バネ部材6の間からエクステンションソケット3の外周面を検出可能な位置(検出基準軸31aがエクステンションソケット3の外周面と交叉する位置)に配置される(図2参照)。本実施形態の位置センサ31は、センサコイルに高周波磁界を発生させ、センサコイルのインピーダンスの変化を検出信号として出力する近接スイッチである。位置センサ31から検出対象までの距離が動作距離以内の場合、位置センサ31から情報処理装置30に検出信号が出力され、動作距離を超えている場合、検出信号は出力されない。エクステンションソケット3の外周面には、下側の第1の特定検出部55と上側の第2の特定検出部56とが設けられている。各特定検出部55,56は、エクステンションソケット6の外周面に形成された環状凹部の底面である。エクステンションソケット6の外周面のうち位置センサ31の検出対象となる部分(検出基準軸31aと交叉する被検出部分)は、エクステンションバー2に対するエクステンションソケット3の移動に伴って変わる。エクステンションソケット3に対する位置センサ31の距離は、特定検出部55,56が設けられていないエクステンションソケット3の外周面(一般検出面)を検出し、且つ各特定検出部55,56を検出しない位置(エクステンションソケット3の一般検出面が動作距離よりも近く、特定検出部55,56が動作距離よりも遠くなる位置)に設定される。第1の特定検出部55は、エクステンションソケット3が初期位置及び締結完了位置に存在するときに検出基準軸31aと交叉する所定範囲に形成される。第2の特定検出部56は、ベース51が締結作業位置に移動し、且つボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された締結前適正状態のときに検出基準軸31aと交叉する所定範囲に形成される。エクステンションソケット3が初期位置及び締結完了位置に設定されている状態並びに上記締結前適正状態では、位置センサ31から情報処理装置30に検出信号が入力されない非入力状態となり、それ以外の状態では、位置センサ31から情報処理装置30に検出信号が入力される入力状態となる。なお、位置センサ31は、上記近接スイッチに限定されず、反射型フォトセンサなど他種のセンサを用いてもよい。
情報処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)35と記憶部36とを有する。情報処理装置30は、汎用のパーソナルコンピュータであってもよく、専用の装置であってもよい。
記憶部36は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などによって構成され、記憶部36には、CPU35が各種処理を実行するための各種プログラムや各種データが予め記憶されている。各種プログラムには、CPU35が目標トルク設定処理を実行するための目標トルク設定プログラム及び自動締め付け制御処理を実行させるための自動締め付け制御プログラムが含まれる。なお、目標トルク設定プログラムや自動締め付け制御プログラムは、各種CDメディア(Compact Disc Media)などの記憶媒体から読み出され、記憶部36に記憶されてもよく、インターネットなどのネットワークを介して取得され、記憶部36に記憶されてもよい。また、締付完了情報は、上記各プログラムとは別に記憶部36に記憶されていてもよい。
目標トルク設定処理及び自動締め付け制御処理を実行するCPU35は、目標トルク設定部37、昇降制御部38、判定部40、回転制御部41及び画像制御部42として機能する。なお。CPU35の機能の一部を抽出して他の情報処理装置に設けてもよい。
入力部32は、例えば操作ボタンやキーボードなどであり、作業者からの入力を受ける。作業者が入力部32に対して入力操作を行うと、これに対応した操作信号が入力部33から情報処理装置30へ入力する。目標トルク設定処理及び自動締め付け制御処理は、ワーク50が所定の作業位置に保持されていることを条件として、作業者が入力部32に対して所定の入力操作を行うことによって実行される。なお、自動締め付け制御処理は、1つのナット14の締め付けが終了する毎に都度終了し、作業者からの再度の操作入力に応じて次のナットの締め付けを開始してもよく、作業者からの終了の入力操作を受けるまで連続して繰り返して実行してもよい。また、目標トルク設定処理は、自動締め付け制御処理の開始直後の作業者からの所定の入力操作により、開始されてもよい。
目標トルク設定処理において、画像制御部42は、目標トルクの設定入力を求める画像を表示装置34に表示させる。作業者は、所望の目標トルクを入力部から入力することにより、目標トルクの設定を行う。目標トルク設定部37は、入力された目標トルクを記憶部36に記憶させる。
自動締め付け制御処理において、昇降制御部38は、入力部32からの信号を受信した後、昇降機構43を制御して、ベース51を、下方の待機位置から上方の準備位置まで比較的高速で上昇させて一度停止し、準備位置からさらに上方の締結作業位置まで比較的低速で上昇させて停止し、モータ10による角ドライブ8の回転が実行された後、待機位置まで下降させる。すなわち、昇降制御部38は、回転軸9とボルト軸11の軸心12とをほぼ平行に維持した状態での角ドライブ8とボルト軸11との相対移動を準備位置と締結作業位置との間で制御する制御手段として機能する。
判定部40は、ベース51が待機位置に設定された状態において、エクステンションソケット3が初期位置に設定されているか否かを、位置センサ31から検出信号に基づいて判定する。位置センサ31からの検出信号が入力状態の場合には、エクステンションソケット3が初期位置に設定されていると判定され、非入力状態の場合には、エクステンションソケット3が初期位置に設定されていないエラー状態であると判定される。
また、判定部40は、ベース51が締結作業位置に移動した際に、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された締結前適正状態であるか否かを、位置センサ31から検出信号に基づいて判定する。ベース51が締結作業位置に移動することにより、位置センサ31からの検出信号が入力状態から非入力状態に変化して維持されている場合には、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された締結前適正状態であると判定される。一方、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入されないままベース51が締結作業位置に達すると、エクステンションソケット3はエクステンションバー2に対して締結前適正状態を通過してさらに下方まで相対移動した状態となる。このため、第2の特定検出部56が位置センサ31の検出基準軸31aよりも下方に位置し、検出基準軸31aが第2の特定検出部56よりも上方の一般検出面と交叉し、位置センサ31から検出信号が入力される。すなわち、ベース51が締結作業位置に移動することによって、位置センサ31からの検出信号が入力状態から非入力状態に変わった後さらに入力状態に変わって維持されている場合には、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入されていないエラー状態であると判定される。
このように、判定部40は、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入された状態でベース51が締結作業位置に達したときのエクステンションバー2に対するエクステンションソケット3のスライド位置を判定基準位置とし、ベース51が準備位置から締結作業位置に上昇したときにエクステンションバー2に対してエクステンションソケット3が判定基準位置に存在する場合に、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されたと判定する判定手段として機能する。
また、判定部40は、ベース51が締結作業位置に設定されて角ドライブ8が回転しているときに、ナット14がボルト軸11に締め付けられることによってエクステンションソケット3が締結完了位置に戻ったか否か(締結後適正状態であるか否か)を、位置センサ31から検出信号に基づいて判定する。位置センサ31からの検出信号が非入力状態から入力状態に変わった場合には、エクステンションソケット3が締結完了位置に戻った締結後適正状態であると判定され、検出信号の入力状態が維持されている場合には、エクステンションソケット3がまだ締結完了位置まで戻っていない(締結後適正状態ではない)と判定される。
また、判定部40は、エクステンションソケット3がナット14をボルト軸11に締め付けている間、トルクセンサ33から入力された締め付けトルクと記憶部36に記憶された目標トルクとを比較し、締め付けトルクが目標トルクに達しているか否かを判定する。
さらに、判定部40は、上記2つのエラー状態に加えて、角ドライブ8が回転を開始してから第1の所定時間が経過しても締結後適正状態とならない(エクステンションソケット3が締結完了位置に戻らない)場合、及びエクステンションソケット3が初期位置に戻った締結後適正状態から第2の所定時間(第2の所定時間<第1の所定時間)が経過しても締め付けトルクが目標トルクに達しない場合に、エラー状態であると判定する。
回転制御部41は、ベース51が締結作業位置に設定され、締結前適正状態であると判定部40が判定した場合、クラッチ39を接続し、モータ10によって角ドライブ8を回転させる。また、回転制御部41は、締結後適正状態であり且つ締め付けトルクが目標トルクに達していると判定部40が判定した場合、及びエラー状態であると判定部40が判定した場合、クラッチ39を遮断して角ドライブ8の回転を停止させる。すなわち、回転制御部41は、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されたと判定部40が判定した場合に、角ドライブ8を回転させる制御手段として機能する。
画像制御部42は、締結後適正状態であり且つ締め付けトルクが目標トルクに達していると判定部40が判定した場合、締結作業が適正に完了したことを報知する画像を表示装置34に表示させる。また、画像制御部42は、エラー状態であると判定部40が判定した場合、これを報知する画像を表示装置34に表示させる。なお、ブザーやスピーカーなどの音声出力部を設け、締結作業が適正に完了したことやエラー状態であることを音声によって報知してもよい。また、エラー状態であることを報知する画像は、エラー内容を報知する画像を含んでもよい。
次に、情報処理装置30のCPU35が実行する自動締め付け制御処理について、図6を参照して説明する。図6は自動締め付け制御処理のフローチャートである。
本処理は、作業者からの所定の入力操作に応じて開始される。本処理の開始時において、ワーク50は所定の作業位置に保持され、ベース51は待機位置に設定され、ナット14はナット収容穴24に収容されている。なお、自動締め付け制御処理の実行前又は実行中に、作業者は必要に応じて目標トルクを設定する。
本処理が開始されると、判定部40は、エクステンションソケット3が初期位置に設定されているか否かを判定し(ステップS1)、初期位置に設定されていると判定した場合(ステップS1:YES)、昇降制御部38は、ベース51を締結作業位置まで上昇させる(ステップS2)。このとき、昇降制御部38は、ベース51を、待機位置から準備位置まで比較的高速で上昇させて一度停止した後、準備位置からさらに締結作業位置まで比較的低速で上昇させて停止する。
ベース51が締結作業位置に達すると、判定部40は、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された締結前適正状態であるか否かを判定し(ステップS3)、締結前適正状態であると判定した場合(ステップS3:YES)、回転制御部41は、角ドライブ8を回転させる(ステップS4)。
角ドライブ8の回転開始後、判定部40は、ナット14がボルト軸11に締め付けられることによってエクステンションソケット3が締結完了位置に戻った締結後適正状態であるか否かを判定し(ステップS5)、締結後適正状態であると判定した場合(ステップS5:YES)、締め付けトルクが目標トルクに達しているか否かを判定する(ステップS6)。
締め付けトルクが目標トルクに達していると判定部40が判定した場合(ステップS6:YES)、回転制御部41は角ドライブ8の回転を停止し(ステップS7)、昇降制御部38はベース51を締結作業位置から準備位置まで下降させ(ステップS8)、画像制御部42は締結作業が適正に完了したことを報知する画像を表示装置34に表示させ(ステップS9)、CPU36は本処理を終了する。
また、判定部40は、角ドライブ8の回転中にエクステンションソケット3が締結完了位置にまだ戻っていないと判定した場合(ステップS5:NO)、回転制御部41が角ドライブ8の回転を開始してから第1の所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS10)。回転開始からまだ第1の所定時間が経過していないと判定部40が判定した場合(ステップS10:NO)、ステップS4に戻り、角ドライブ8の回転を継続する。一方、回転開始から第1の所定時間が経過したと判定部40が判定した場合(ステップS10:YES)、回転制御部41は角ドライブ8の回転を停止し(ステップS11)、昇降制御部38はベース51を締結作業位置から準備位置まで下降させ(ステップS12)、画像制御部42はエラーを報知する画像を表示装置34に表示させ(ステップS13)、CPU36は本処理を終了する。
また、判定部40は、エクステンションソケット3が締結完了位置に戻っているにも拘わらず締め付けトルクが目標トルクにまだ達していないと判定した場合(ステップS6:NO)、エクステンションソケット3が締結完了位置に戻ってから第2の所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。エクステンションソケット3が締結完了位置に戻ってからまだ第2の所定時間が経過していないと判定部40が判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS4に戻り、角ドライブ8の回転を継続する。一方、エクステンションソケット3が締結完了位置に戻ってから第2の所定時間が経過したと判定部40が判定した場合(ステップS14:YES)、回転制御部41は角ドライブ8の回転を停止し(ステップS11)、昇降制御部38はベース51を締結作業位置から準備位置まで下降させ(ステップS12)、画像制御部42はエラーを報知する画像を表示装置34に表示させ(ステップS13)、CPU36は本処理を終了する。
また、本処理の開始時においてエクステンションソケット3が初期位置に設定されていないと判定部40が判定した場合(ステップS1:NO)、画像制御部42はエラーを報知する画像を表示装置34に表示させ(ステップS13)、CPU36は本処理を終了する。
さらに、ベース51が締結作業位置に達した際に、ボルト軸11の先端がナット14のネジ孔15に挿入された締結前適正状態ではないと判定部40が判定した場合(ステップS3:NO)、昇降制御部38はベース51を締結作業位置から準備位置まで下降させ(ステップS12)、画像制御部42はエラーを報知する画像を表示装置34に表示させ(ステップS13)、CPU36は本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、初期状態においてナット14のネジ孔15からボルト軸11の先端外縁がはみ出している場合であっても、エクステンションソケット3の傾動によって、ナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12との位置ずれを吸収することができる。すなわち、ナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12との位置ずれを、ボルト軸11の先端形状に依存せずに吸収することができる。また、ボルト軸11の先端形状のみに依存してナット14の中心軸とボルト軸11の軸心12との位置ずれを吸収する場合に比べて、吸収可能な位置ずれの範囲を広く設定することができる。
また、吸収可能な最大位置ずれ量は、ボルト軸11が板バネ部材6の先端部28aの間を進入可能な範囲(ボルト軸11の先端外縁がナット収容端部22の上端外縁からはみ出さない範囲)まで拡大可能である。
また、情報処理装置30は、位置センサ31からの検出信号に基づいてナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されたか否かを判定し、ネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されたと判定した場合に角ドライブ8を回転させるので、ナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されていない状態での締め付けに起因するナット14やボルト軸11の損傷を未然に防止することができる。
また、情報処理装置30は、エクステンションバー2に対するエクステンションソケット3のスライド位置を検出する位置センサ31からの検出信号に基づいてナット14のネジ孔15にボルト軸11の先端が挿入されたか否かを判定するので、ナット14のネジ孔15へのボルト軸11の挿入の成否を簡単に判定することができる。
さらに、ボルト軸11が下方以外の方向に突出している場合には、そのボルト軸11に応じて角ドライブ8が配置されるように自動締め付け装置29を設定すればよい。すなわち、ボルト軸11の突出方向(ナット14の締め付ける向き)を問わず、自動締め付け装置29の適用が可能である。従って、例えば1つのワークが上方に突出する第1のボルト軸と下方に突出する第2のボルト軸とを有し、これら2つのボルト軸に対してそれぞれナットを締め付ける場合、ワークを作業位置に保持した状態で第1のボルト軸に対して下向きの締め付けを行う第1の自動締め付け装置と、第2のボルトに対して上向きの締め付けを行う第2の締め付け装置とを設けることによって、第1のボルト軸に対する下向きの締め付けと第2のボルトに対する上向きの締め付けとを、1つの作業位置(1つの工程内)において行うことができる。
なお、エクステンションバー2にエクステンションソケット3をスライド移動自在に支持させる構造は上記に限定されるものではなく、例えば、エクステンションバー2の内部にエクステンションソケット3が挿入される構造であってもよい。
また、回転軸9に対するエクステンションソケット3の傾動を許容する間隙を、軸部18と挿通孔23との間にのみ設定してもよく、角ドライブ8と嵌合穴20との間にのみ設定してもよい。
また、本実施形態では、角ドライブ8がベース51に回転自在に支持されているが、角ドライブ8がベース51に固定され、ベース51がモータ10によって回転してもよい。
また、板バネ部材6の固定端部26とバネ支持部材7との間に、板バネ部材6の付勢力を調整して設定可能なバネ機構を設けてもよい。
また、本実施形態では、ボルト軸11に対して角ドライブ8を移動させる場合について説明したが、反対に、角ドライブ8に対してボルト軸11を移動させてもよく、ボルト軸11と角ドライブ8の双方を移動させてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明は、ボルト軸にナットを締め付ける自動締め付け装置に広く適用可能である。
1 締め付けツール
2 エクステンションバー(軸部材)
3 エクステンションソケット(ソケット)
5 スプリング(付勢部材)
6 板バネ部材
8 角ドライブ(駆動部)
9 回転軸
11 ボルト軸
12 軸心
13 被締結部品
14 ナット
15 ネジ孔
17 取付端部
21 基端部
22 ナット収容端部
28 傾斜部
28a 板バネ部材の先端部
29 自動締め付け装置
30 情報処理装置
31 位置センサ
38 昇降制御部(制御手段)
40 判定部(判定手段)
41 回転制御部(制御手段)
50 ワーク
51 ベース
2 エクステンションバー(軸部材)
3 エクステンションソケット(ソケット)
5 スプリング(付勢部材)
6 板バネ部材
8 角ドライブ(駆動部)
9 回転軸
11 ボルト軸
12 軸心
13 被締結部品
14 ナット
15 ネジ孔
17 取付端部
21 基端部
22 ナット収容端部
28 傾斜部
28a 板バネ部材の先端部
29 自動締め付け装置
30 情報処理装置
31 位置センサ
38 昇降制御部(制御手段)
40 判定部(判定手段)
41 回転制御部(制御手段)
50 ワーク
51 ベース
Claims (2)
- 自動締め付け装置に取り付けられ、該自動締め付け装置の駆動部の回転によってボルト軸にナットを締め付ける締め付けツールであって、
前記駆動部に取り付けられる取付端部を有し、該駆動部の回転軸に沿って延びて該駆動部と共に回転する軸部材と、
前記回転軸に沿ってスライド移動自在に前記軸部材に支持されて該軸部材と共に回転する基端部と、前記ナットを収容するとともに前記回転軸を中心とした回転方向で該ナットと係合するナット収容端部とを一体的に有し、前記基端部から前記ナット収容端部に向かって前記回転軸に沿って前記取付端部から離れる方向へ延び、前記取付端部から離間する初期位置から該取付端部に近づく作動方向へスライド移動自在であり、且つ前記軸部材の取付端部と前記駆動部との間隙及び前記基端部と前記軸部材との間隙の少なくとも一方によって前記回転軸に対する傾動が許容されるソケットと、
前記取付端部から離れる方向へ前記ソケットを付勢する付勢部材と、
前記自動締め付け装置に対して固定される固定端部と、前記初期位置の前記ソケットのナット収容端部に外側から当接する先端部と、前記ナット収容端部から前記固定端部に向かって前記回転軸から離れる方向へ傾斜する傾斜部とを有し、前記固定端部から前記先端部に向かって前記回転軸に沿って前記取付端部から離れる方向へ延び、前記ソケットのナット収容端部を前記回転軸に向かって付勢する複数の板バネ部材と、を備え、
前記複数の板バネ部材に付勢された前記初期位置のソケットのナット収容端部に収容されるナットのネジ孔の中心軸は、前記回転軸とほぼ一致し、
前記初期位置のソケットのナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸と前記ボルト軸の軸心とが一致しない状態で前記ボルト軸が前記ナット収容端部に対して近接する方向へ相対的に移動し、前記ボルト軸の先端が前記ナット収容端部に収容されたナットのネジ孔に挿入されずに該ナット又は前記ナット収容端部に当接して押圧すると、前記初期位置のソケットが前記付勢部材の付勢力に抗して前記作動方向へ相対移動し、前記ナット収容端部が前記複数の板バネ部材の先端部の間に没入して前記ボルト軸の先端が前記複数の板バネ部材の先端部の間に進入し、該板バネ部材の先端部が該板バネ部材の付勢力によって前記回転軸に向かって移動することにより、前記板バネ部材の傾斜部は、前記ナット収容端部に収容されたナットのネジ孔の中心軸が前記ボルト軸の軸心に向かって傾くように前記ソケットのナット収容端部を案内し、前記作動方向へ相対移動するソケットは、前記板バネ部材の傾斜部の案内に従って前記回転軸に対して傾動する
ことを特徴とする締め付けツール。 - 請求項1に記載の締め付けツールが取り付けられる自動締め付け装置であって、
前記駆動部と、
前記回転軸と前記ボルト軸の軸心とをほぼ平行に維持した状態での前記駆動部と前記ボルト軸との相対移動を、前記ボルト軸の先端が前記ソケットのナット収容端部及び前記複数の板バネ部材の先端部から離間する第1位置と前記ソケットが前記ボルト軸に押圧されて前記初期位置から前記作動方向に変位する第2位置との間で制御するとともに、前記駆動部の回転を制御する制御手段と、
前記ナットのネジ孔に前記ボルト軸の先端が挿入された状態で前記駆動部と前記ボルト軸とが前記第2位置に達したときの前記軸部材に対する前記ソケットのスライド位置を判定基準位置とし、前記駆動部と前記ボルト軸とが前記第1位置から前記第2位置へ向かって相対的に移動して該第2位置に達したときに前記軸部材に対して前記ソケットが前記判定基準位置に存在する場合に、前記ナットのネジ孔に前記ボルト軸の先端が挿入されたと判定する判定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記ナットのネジ孔に前記ボルト軸の先端が挿入されたと前記判定手段が判定した場合に、前記駆動部を回転させる
ことを特徴とする自動締め付け装置。
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JP2010070735A JP5459616B2 (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 締め付けツール及び自動締め付け装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010070735A JP5459616B2 (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 締め付けツール及び自動締め付け装置 |
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JP2011200977A JP2011200977A (ja) | 2011-10-13 |
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Family
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