JP5459404B2 - 熱誘電発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱誘電発電装置に関する。
エネルギーの有効利用の一環として、排熱利用のニーズが高まっている。排熱利用の形態として、熱として利用する方法と電気に変換する方法とが現実的である。電気に変換すると輸送や蓄積が比較的簡単で利便性が高い。
熱を電気に変換する際に、大規模で排熱の温度が高い場合には、熱エネルギーにより蒸気を発生させ、該蒸気によりタービンを駆動して発電することが可能となる。しかし、規模が小さい場合や排熱の温度が低い場合には効率的な熱エネルギーの活用が困難で、熱エネルギーの大部分は廃棄される。
熱エネルギーを電気エネルギーに変換する方法として、古くから物体の内部に温度差を生じさせ、ゼーベック効果を利用した発電素子が注目されて、開発が進められてきた。しかし、現状では、主として比較的大きな温度差(200℃以上)での利用を想定しており、そのような発電素子の信頼性およびコストの点で、解決すべき課題が多い。
また、200℃以下の低温でも駆動できるタービンの研究も進められ、アンモニアを媒体とする発電システムの提案もあるが、原理的に上記の高熱源体体(200℃以上)の場合よりも発電効率が低く、本格的な実用化には至っていない。
一方、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する他の方法として熱誘電発電が挙げられる。熱誘電発電とは、コンデンサを形成する誘電体の誘電率の温度依存性を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。熱誘電発電に関しては、「赤崎正則、原雅則共著、「電気エネルギー工学」、朝倉書店、1986年、pp.110-111」(非特許文献1)に記載されている。また、概念自体は「ジェイ.ディ.チルドレス(J.D.Childress)著、「Application of a Ferroelectric Material in an Energy Conversion Device」、Journal of Applied Physics、Vol.33、No.5、pp.1793-1798、1962年」(非特許文献2)で提唱され、実験による検証も、「藤本三治著、「熱誘電直接発電の実験的研究」、電気学会雑誌Vol.83-12、No.903、p.2080-2088、1963年」(非特許文献3)で報告されている。
また、特許文献としては、特開昭61−097308号公報(特許文献1)、特開平01−133581号公報(特許文献2)、および特開平06−165541号公報(特許文献3)が挙げられる。図20に特許文献1に開示された熱誘電発電装置の基本回路を示し、図21に、熱誘電発電装置の加熱工程における電荷と電圧との関係を示す。また、図22に、特許文献2に開示された熱誘電発電装置の概略構成を示す。
熱誘電発電技術は、コンデンサを形成する誘電体の温度特性を利用する。図20に示すような基本回路において、図21に示すように、温度TでコンデンサCAを充電する。その後、スイッチSW1およびスイッチSW2をOFFにし、コンデンサCAをオープン状態にして、コンデンサCAに電荷を保持したままコンデンサCAの温度をTまで上昇させる。
この際、温度T1におけるコンデンサCAの誘電率が、温度T2におけるコンデンサCAの誘電率より大きくなるように選択する。この結果、図21に示すように、電圧が上昇(VからVに上昇)する。温度TでのコンデンサCAの誘電率をεr1、温度TでのコンデンサCAの誘電率をεr2、温度Tでの充電電圧をV、温度Tでの電圧をVとすると、V=V×(εr1/εr2)の関係が成立する。
温度の変更前後でコンデンサCAの電荷量が同じで、コンデンサCAの電圧が上昇するために、コンデンサCAの持つ電気エネルギーが増幅される。これが熱誘電発電と呼ばれている。論文の中には自発分極の変化にも注目しているものもあり、自発分極の変化による効果も熱誘電発電には含まれる。
コンデンサCAを用いた熱誘電発電において、効率の高い発電のためには、誘電率自体が高くて電荷保持能力が高いこと、温度に伴う誘電率や自発分極の変化が大きいこと、温度変化の時間が短いこと、充放電の効率が良いことなどの条件が必要となる。
図22に示す、熱誘電発電装置501は、コンデンサ505、充電用サイリスタ506、充電用電池507、および放電用サイリスタ508を用いた発電回路を有する。また、コンデンサ505は、ダクト状(ヒートパイプ)電極502、このダクト状電極502を取囲む強誘電体504、この強誘電体504を取囲む電極503を有している。
コンデンサ505の充電工程、加熱工程、放電工程、および冷却工程の熱誘電発電サイクルを実現させるために、加熱工程および冷却工程においては、高温状態と冷却状態とを作り出してコンデンサ505の温度を変化させている。具体的には、ダクト状電極502内に、高温の熱媒体(高温水)と低温の熱媒体(冷却水)とを交互に流すことで、コンデンサ505の温度を変化させている。
特開昭61ー097308号公報 特開平01ー133581号公報 特開平06ー165541号公報
赤崎正則、原雅則共著、「電気エネルギー工学」、朝倉書店、1986年、pp.110-111 ジェイ.ディ.チルドレス(J.D.Childress)著、「Application of a Ferroelectric Material in an Energy Conversion Device」、Journal of Applied Physics、Vol.33、No.5、pp.1793-1798、1962年 藤本三治著、「熱誘電直接発電の実験的研究」、電気学会雑誌Vol.83-12、No.903、p.2080-2088、1963年
コンデンサを用いた熱誘電発電サイクルにおいて、効率の高い発電のためには、誘電率自体が高くて電荷保持能力が高いこと、温度に伴う誘電率や自発分極の変化が大きいこと、温度変化の時間が短いこと、充放電の効率が良いことなどの条件が必要となる。
しかしながら、上記特許文献2に開示される、熱誘電発電装置501には、以下に示す課題が挙げられる。
(i) コンデンサ501の温度変化速度が小さい(遅い)。つまり、ダクト状電極502など熱容量が大きな構造体がコンデンサ501に接触しており、コンデンサ501以外に、熱容量の大きなダクト状電極502自体の加熱と冷却とが必要となる。そのため、コンデンサ501の温度変化に時間がかかり、熱誘電発電装置を用いた熱誘電発電サイクルにおける発電効率が低下する。
(ii) 熱誘電発電装置の構造が複雑になる。つまり、従来のコンデンサの構造をそのまま利用することは困難で、ヒートパイプとの熱接触を良くするために、コンデンサ自体の構造変更が必要となる。
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたもので、熱誘電発電装置を用いた熱誘電発電サイクルにおける発電効率を向上させるとともに、コンデンサ自体の構造変更が不要な構造を備える、熱誘電発電装置を提供することにある。
この発明に基づいた、熱誘電発電装置においては、コンデンサに充電し、上記コンデンサをオープン状態にして加熱することで、増加した電気エネルギーを上記コンデンサから取り出し、その後、上記コンデンサを冷却し再び充電するサイクルを繰り返して発電を行なう熱誘電発電サイクルに用いられる熱誘電発電装置であって、以下の構成を備える。
流体の出し入れを行なう開口部を有するとともに、高熱源体または上記高熱源体よりも低温の低熱源体のいずれか一方に当接される第1壁部、および上記第1壁部に対向配置され上記高熱源体または上記低熱源体のいずれか他方に当接される第2壁部を有するチャンバーと、上記チャンバー内において、上記第1壁部と上記第2壁部との間に固定配置される可撓性を有する配線基板と、上記配線基板に実装される上記コンデンサとしてのチップ型コンデンサとを備える。
上記開口部から上記チャンバー内に上記流体を導入することで、上記配線基板が上記第1壁部または上記第2壁部のいずれか一方側に撓み、上記チップ型コンデンサが上記第1壁部または上記第2壁部のいずれか一方側に当接する。
他の形態では、上記開口部は、第1開口部および第2開口部を含み、上記第1開口部から上記チャンバー内に上記流体を導入することで、上記配線基板が上記第2壁部側に撓み、上記第2開口部から上記チャンバー内に上記流体を導入することで、上記配線基板が上記第1壁部側に撓む。
他の形態では、上記第1壁部は、上記高熱源体に当接され、上記第2壁部は、上記低熱源体に当接され、上記配線基板は、上記チャンバー内の空間を、上記第1壁部側の第1空間と上記第2壁部側の第2空間とに分離し、上記第1開口部は、上記第1空間に通じ、上記第2開口部は、上記第2空間に通じる。
上記第2開口部から上記流体を上記第2空間に導入した際には、導入された上記流体により上記配線基板が上記第1空間側に撓むことで、上記チップ型コンデンサが上記第1壁部に当接して、上記チップ型コンデンサが上記高熱源体により加熱される。
上記第1開口部から上記流体を上記第1空間に導入した際には、導入された上記流体により上記配線基板が上記第2空間側に撓むことで、上記チップ型コンデンサが上記第2壁部に当接して、上記チップ型コンデンサが上記低熱源体により冷却される。
他の形態では、上記開口部は、上記流体の導入口と排出口とを兼用する。
他の形態では、上記流体は空気である。
この発明に基づいた熱誘電発電装置によれば、この熱誘電発電装置を用いた熱誘電発電サイクルにおける電発効率を向上させるとともに、コンデンサ自体の構造変更が不要な構造を備える、熱誘電発電装置を提供することにある。
熱誘電発電装置における取出し可能な電荷(D)と電界強さ(E)との関係を示す第1の図である。 熱誘電発電装置における取出し可能な電荷(D)と電界強さ(E)との関係を示す第2の図である。 熱誘電発電装置における取出し可能な電荷(D)と電界強さ(E)との関係を示す第3の図である。 熱誘電発電サイクルにおける、コンデンサへの充電工程、加熱工程、電気エネルギー取出工程、および冷却工程の各工程における、D−E曲線を示す図である。 熱誘電発電サイクルにおける、コンデンサへの充電工程、加熱工程、電気エネルギー取出工程、および冷却工程の各工程における、電荷状態変化を示す模式図である。 実施の形態1における熱誘電発電システムの外観構成を示す図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置の外観構成を示す図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置に採用されるフレキシブル基板、マトリクス状に配列されたコンデンサ、および熱抵抗低減シートを示す斜視図である。 図6中IX−IX線矢視断面図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置の回路構成の一例を示す図である。 実施の形態1における加熱工程+電気エネルギー取出工程における熱誘電発電システムの断面図である。 実施の形態1における冷却工程+充電工程における熱誘電発電システムの断面図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置の加熱・冷却の温度サイクルを示す図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置の熱誘電発電前後の抵抗を負荷とした放電特性(時間−電圧)を示す図である。 実施の形態1における熱誘電発電装置の熱誘電発電前後の抵抗を負荷とした放電特性(時間−電力)を示す図である。 実施の形態2における熱誘電発電システムの断面図である。 実施の形態2における加熱工程における熱誘電発電システムの断面図である。 実施の形態2における冷却工程における熱誘電発電システムの断面図である。 他の実施の形態における熱誘電発電システムの断面図である。 背景技術(特許文献1)における熱誘電発電装置の基本回路を示す図である。 背景技術(特許文献1)における熱誘電発電装置の加熱工程における電荷と電圧との関係を示す図である。 背景技術(特許文献2)における熱誘電発電装置の概略構成を示す図である。
本発明に基づいた熱誘電発電装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
(熱誘電発電技術)
コンデンサの誘電率の温度依存性を利用した熱誘電発電技術について、下記の式1〜式3に基づき詳細に説明する。真空の誘電率をε、比誘電率をεとした場合に、コンデンサの蓄積される電気エネルギーUは、下記の式1で表される。Qは電荷、dは電極間距離、Sは電極面積である。
Figure 0005459404
ここで、温度Tでの誘電率をεr1、温度T(T<T)での誘電率をεr2、とすると、温度Tでの電気エネルギーU(T)および温度Tでの電気エネルギーU(T)は下記の式2で表される。
Figure 0005459404
式2の中において、電気エネルギーU(T)から電気エネルギーU(T)に向かう矢印(式中の右向き矢印)は、「充電工程+加熱工程」を意味する。逆に、電気エネルギーU(T)から電気エネルギーU(T)に向かう矢印(式中の左向き矢印)は、「電気エネルギー取出工程+冷却工程」を意味する。
の温度状態のコンデンサを充電した後に、コンデンサをオープン状態にして電荷を保持したまま、温度をTまで上昇させると、電圧が変化し、電気エネルギーは、下記の式3に示すように、εr1/εr2倍になる。
Figure 0005459404
次に、図1から図3を参照して、コンデンサの誘電率の温度依存性を利用した熱誘電発電技術について、コンデンサの温度をTからTまで上昇させた場合の電気エネルギーの増加ついて、視覚的に説明する。なお、図1から図3は、熱誘電発電装置における取出し可能な電荷(D)と電界強さ(E)との関係を示す第1から第3の図である。なお、ここでの取出し可能な電荷(D)は、抵抗を接続した場合に外部に取出し得る電荷を意味する。
図1に取出し可能な電荷Dと電界強さEとの関係を示す。電気エネルギーUは、図中に示す式で与えられる。誘電体材料に、誘電率が電界強さEに依存しない材料を用いた場合、図1に示すようにD−E線は直線となる。
一方、図2に示すように、誘電体材料に、チタン酸バリウム系の材料などの強誘電体セラミックスを用いた場合には、D−E線が曲線となり、電界強さEの増加とともに取出し可能な電荷Dの増加量は小さくなる。しかし、取出し可能な電荷D自体が大きく、また高い電界強さEまで動作するコンデンサを用いることで、電気エネルギーUの増幅量を大きくすることが可能である。
図3に示すように、自発分極に温度変化がある場合には、外部に取り出せる電気エネルギーが大きくなるように温度を選ぶことができる。強誘電体セラミックスを用いたコンデンサでは、温度の増加とともに自発分極が減少し、誘電率も低下する傾向があるために、低温で充電し、オープン状態で加熱すると、大きな電荷の増加が期待できる。したがって、誘電体材料に合わせた温度選択で、最適な発電量を得ることができる。
図3では、特定の電界の強さE2を超えないように電気エネルギーを取り出す回路を採用した場合の電気エネルギーUの増幅を示している。
(熱誘電発電サイクルの手順)
次に、図4および図5を参照して、熱誘電発電サイクルの手順について説明する。なお、図4は、熱誘電発電サイクルにおける、コンデンサへの充電工程(図4(A)→図4(B))、加熱工程(図4(B)→図4(C))、電気エネルギー取出工程(図4(C)→図4(D))、および冷却工程(図4(D)→図4(A))の各工程における、D−E曲線を示し、図5は、熱誘電発電サイクルにおける、コンデンサへの充電工程(図5(A)→図5(B))、加熱工程(図5(B)→図5(C))、電気エネルギー取出工程(図5(C)→図5(D))、および冷却工程(図5(D)→図5(A))の各工程における、電気エネルギー状態変化を示す模式図である。なお、図4においては、自発分極の温度変化はないものとする。
図4(A)に示す冷却されたコンデンサCAに対して充電を行なう。これにより、図4(B)に示す電気エネルギーUがコンデンサCAに蓄積される。このコンデンサへの充電工程では、図5(A)から図5(B)に示すように、コンデンサの冷却後にコンデンサに存在する自発分極による束縛電荷に加え、コンデンサには、自由電荷および電界による束縛電荷が蓄積される。
次に、図4(B)から図4(C)に示すように、コンデンサへの加熱工程では、コンデンサをオープン状態にして、コンデンサを温度Tから温度Tに加熱する。これにより、図4(C)に示す電気エネルギーUがコンデンサCAに新たに蓄積される。このコンデンサへの加熱工程では、図5(B)から図5(C)に示すように、自発分極による束縛電荷の一部が、電界による束縛電荷に変わり、また、電界による束縛電荷の一部が、自由電荷に変わる。加熱工程の前後において、電荷量に変化はないが、一部分極がなくなる。
次に、図4(C)から図4(D)に示すように、コンデンサからの電気エネルギー取出工程では、電気エネルギーU+Uが、コンデンサCAから取り出される。このコンデンサからの電気エネルギー取出工程では、図4では示していないが、図5(C)から図5(D)に示すように、自発分極による束縛電荷から電界による束縛電荷に変わった電荷も自由電荷とともに電気エネルギーとして取り出されることになる。
次に、図4(D)から図4(A)に示すように、コンデンサの冷却工程では、コンデンサを温度T2から温度Tに冷却する。このコンデンサの冷却工程では、図5(D)から図5(A)に示すように、自発分極による束縛電荷における電荷が増加する。
以上、図4(A)から図4(D)および図5(A)から図5(D)に示した熱誘電発電サイクルを繰り返し行なうことで、充電工程において蓄積した電気エネルギー以上の電気エネルギーを取り出して発電することが可能となる。
(実施の形態1における熱誘電発電装置)
次に、図6から図10を参照して、上述した熱誘電発電サイクルを実現させる本発明に基づいた実施の形態1における熱誘電発電装置100を用いた熱誘電発電システム1について説明する。なお、図6は、熱誘電発電システム1の外観構成を示す図、図7は、熱誘電発電装置100の外観構成を示す図、図8は、熱誘電発電装置100に採用されるフレキシブル基板、マトリクス状に配列されたコンデンサ、および熱抵抗低減シートを示す斜視図、図9は、図6中IX−IX線矢視断面図、図10は、熱誘電発電装置100の回路構成の一例を示す図である。
まず、図6および図9を参照して、この熱誘電発電システム1は、熱誘電発電装置100と、この熱誘電発電装置100に設けられる第1壁部111aに接触するように配置される加熱用ダクト200と、熱誘電発電装置100に設けられる第2壁部111bに接触するように配置される冷却用ダクト300とを備えている。
本実施の形態では、加熱用ダクト200の中には高熱源体として、200℃以下の温度域を想定している。高熱源体としては高温の排ガス、水蒸気、高温水、高温の油(熱輸送媒体)などが通過するプレートなどが挙げられる。一方、冷却用ダクト300の中には低熱源体として、水(工場冷却水、河川水、海水など)や空冷フィンと接続した空冷プレートが利用できる。
本実施の形態では、加熱用ダクト200の中には高熱源体として、約95℃前後の水(温水)が導入され、冷却用ダクト300の中には低熱源体として、本実施の形態では、約15℃前後の水(冷水)が導入される。
図7から図9を参照して、熱誘電発電装置100の詳細構造について説明する。この熱誘電発電装置100は、直方体形状のチャンバー110を有している。チャンバー110の第1壁部111aとこの第1壁部111aに対向する第2壁部111bとは所定の間隙を隔てて平行に配置され、第1壁部111aおよび第2壁部111bは、それぞれ矩形の平面形状を有している。
上記したように第1壁部111aの外面の全面には、加熱用ダクト200が接触配置され、第2壁部111bの外面の全面には、冷却用ダクト300が接触配置される。したがって、第1壁部111aおよび第2壁部111bには、それぞれ熱伝導性の高い材料が用いられることが好ましい。たとえば、金属性のプレートとして、表面処理鋼板、ステンレス等の材料が用いられる。
チャンバー110の周囲を取囲む4側面112a、112b、112c、112dは、チャンバー110内への熱の侵入を遮断することが好ましい。よって、第1壁部111aおよび第2壁部111bに用いられる材料よりも熱伝導性の低い材料が用いられる。たとえば、シリコーン樹脂などの高耐熱性樹脂等が用いられる。
チャンバー110の内部には、チャンバー110の内部を第1壁部111a側の第1空間120aと第2壁部111b側の第2空間120bとに2分割するように、柔軟に変形が可能な可撓性を有する配線基板101が配設されている。この配線基板101の4辺は、第1空間120aと第2空間120bとの間の密閉性が保持されるように、チャンバー110の周囲を取囲む4側面112a、112b、112c、112dの内面に固着されている。
配線基板101には、後述するチップ型コンデンサ102が搭載される。なお、ここで定義されているチップ型コンデンサとは、リード端子を用いることなく半田などを介して端子部を直接配線基板上のランド等に接合するいわゆる面実装型のコンデンサを意味する。
また、チップ型コンデンサ102に対して、図9に示すような接続配線を施す必要があることから、配線基板101には、ポリイミドを用いた膜厚が約30μm程度のフレキシブル基板が用いられる。
ポリイミドを用いたフレキシブル基板は、熱容量が非常に小さい。したがって、加熱時には高熱源体からの熱がチップ型コンデンサ102に効率良く移動する。この時間は熱容量と熱抵抗から見積もることができるが、熱抵抗が同じ場合には、熱容量が2倍になると温度変化を生じるための時定数が2倍になり、同じ温度変化を起こすための時間が2倍になる。この結果、発電効率は1/2になる。同様に熱抵抗が大きい場合も効率が低下するので、熱源とはなるべく広い面積で適切な応力下で熱移動を起こすことが有効となる。
チャンバー110の周囲を取囲む4側面112a、112b、112c、112dのうち、図7においては上側に位置する側面112aおよび下側に位置する側面112cには、それぞれ、第1空間120aに通じる開口部を構成する第1ノズル113および第2空間120bに通じる開口部を構成する第2ノズル114が設けられている。チャンバー110は、第1ノズル113および第2ノズル114を除き、内部空間の密閉が保持されるように構成されている。
チャンバー110の内部に収容された配線基板101の第2空間120b側には、複数のチップ型コンデンサ102が配列されている。本実施の形態では、説明の便宜上4行4列のマトリクス状に合計16個のチップ型コンデンサ102を配置した場合について説明したが、個数はこれに限定されない。チップ型コンデンサ102のサイズの一例としては、高さ3.2mm×縦1.6mm×横1.6mmを用いることができ、配置間隔は、配線基板101の可撓性を損なわない程度に配置される。
なお、チップ型コンデンサ102には、コンデンサとしては、エネルギー密度が高く、誘電率の温度変化が大きくできる、積層セラミックを用いたチップ型コンデンサが好ましいが、同様の特長をもつチップ型コンデンサであればよく、たとえば高分子材料を用いたチップ型コンデンサでもかまわない。
また、本実施の形態では、複数のチップ型コンデンサ102の第2壁部111b側には、複数のチップ型コンデンサ102のすべてを覆う、熱抵抗低減シート103が設けられている。これは、複数のチップ型コンデンサ102の第2壁部111bへの接触面積を拡大するために設けられており、チップ型コンデンサ102と第2壁部111bとの間の熱移動を円滑にするためのシートである。
熱抵抗低減シート103には、上述したフレキシブル基板と同等の特性を有していることが好ましいことから、たとえば、熱伝達係数を高くするために熱伝導グリスを塗布した、膜厚が約10μm程度のポリイミドを用いたフィルムが用いられる。
本実施の形態において、第1空間120aにおける側面112aの内表面と配線基板101の表面との間隔は、約0.1mm〜約0.2mm程度である。また、第2空間120bにおける側面112bの内表面と熱抵抗低減シート103の表面との間隔も、約0.1mm〜約0.2mm程度である。
なお、この熱抵抗低減シート103は、本実施の形態では、チップ型コンデンサ102側に固定されているが、第2壁部111b側に固定されていてもかまわない。また、チップ型コンデンサ102と第2壁部111bとの間の熱移動が問題とならない場合には、熱抵抗低減シート103を設ける必要はない。
図10の基本回路に示すように、複数のチップ型コンデンサ102は、並列に接続され、スイッチSW1およびスイッチSW2の切換により、充電工程(SW1=OFF/SW2=ON)、オープン状態(SW1=OFF/SW2=OFF)、および、電気エネルギー取出工程(SW1=ON/SW2=OFF)が切り換えられる。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2のON/OFFの制御は、制御部400において行なわれる。なお、図10において、スイッチSW1には、負荷(または蓄電装置)Lが接続され、スイッチSW2には、バッテリBTが接続されている。
(熱誘電発電サイクルの手順)
次に、図11から図15を参照して、上記構成の熱誘電発電システム1における熱誘電発電サイクルについて説明する。なお、図11は、加熱工程+電気エネルギー取出工程における熱誘電発電システム1の断面図、図12は、冷却工程+充電工程における熱誘電発電システムの断面図、図13は、熱誘電発電装置100の加熱・冷却の温度サイクルを示す図、図14は、熱誘電発電装置100の熱誘電発電前後の抵抗を負荷とした放電特性(時間−電圧)を示す図、図15は、熱誘電発電装置100の熱誘電発電前後の抵抗を負荷とした放電特性(時間−電力)を示す図である。
(加熱工程)
次に、図10に示す回路において、充電が行なわれたチップ型コンデンサ102をオープン状態(SW1=OFF、SW2=OFF)にし、図11に示すように、第1ノズル113から第1空間120a内の空気を排出し、同時に、第2ノズル114から第2空間120b内に空気を導入する。
第2空間120b内への空気の導入により、チップ型コンデンサ102を搭載した配線基板101は第1空間120a側に撓み、配線基板101が、第1壁部111aに当接する状態となる。これにより、チップ型コンデンサ102は、加熱用ダクト200により加熱される。
なお、加熱用ダクト200の中には高熱源体として、約95℃前後の水(温水)が導入され、冷却用ダクト300の中には低熱源体として、約15℃前後の水(冷水)が導入されている。
(電気エネルギー取出工程)
次に、チップ型コンデンサ102の加熱後に、図10に示す回路において、スイッチSW1をON、スイッチSW2をOFF状態にして、チップ型コンデンサ102から電気エネルギーを取り出す。
(冷却工程+充電工程)
次に、図12を参照して、第1ノズル113から第1空間120a内に空気を導入し、同時に、第2ノズル114から第2空間120b内の空気を排出する。第1空間120a内への空気の導入により、チップ型コンデンサ102を搭載した配線基板101は第2空間120b側に撓み、配線基板101が第2壁部111bに当接する状態となる。これにより、チップ型コンデンサ102は、冷却用ダクト300により冷却される。
次に、図10に示す回路において、スイッチSW1をOFF、スイッチSW2をON状態にして、チップ型コンデンサ102に充電を行なう。その後、上記した加熱工程→電気エネルギー取出工程に移行する。
このようにして、充電工程→加熱工程→電気エネルギー取出工程→冷却工程の熱誘電発電サイクルを順次繰り返して行なうことにより、熱誘電発電が連続して行なわれ、熱誘電発電装置100において効率よく発電することが可能となる。
図13に、熱誘電発電装置100の加熱・冷却サイクルが、表面温度が約95℃の高熱源体としての加熱用ダクト200への接触時間を約5秒、表面温度が約15℃の低熱源体としての冷却用ダクト300への接触時間を約5秒とし、チップ型コンデンサ102の熱源と接していない側面の温度変化を示す。短時間で、チップ型コンデンサ102に対して交互に連続して大きな温度変化を与えることを可能としている。
また、熱誘電発電の前後における放電特性の対比を、図14および図15に示す。図14には電圧(V)特性、図15には電力(W)特性を示しているが、いずれも、熱誘電発電前に比べて熱誘電発電後の方が、電圧および電力ともに増加していることが確認できた。
(作用・効果)
以上、本実施の形態における熱誘電発電装置100を用いた熱誘電発電システム1によれば、配線基板101の可撓性を利用して、チップ型コンデンサ102を、加熱用ダクト200が接触する第1壁部111aと、冷却用ダクト300が接触する第2壁部111bとに交互に接触させることで、チップ型コンデンサ102の温度変化を速くすることを可能としている。
これにより、チップ型コンデンサ102の特定の温度に達するまでに要する時間が短くなり、単位時間当たりの加熱冷却サイクル数が増加する。その結果、単位時間当たりにおける電気エネルギーの取出量が多くなり、発電量を大きくすることができる。
これは、温度変化を生じる部分の熱容量を小さくできることによる。理想的にはチップ型コンデンサ102のみを加熱冷却できればよいが、チップ型コンデンサ102を接続するための配線が必要なので、基板が必要となる。したがって、チップ型コンデンサ102および配線基板101(フレキシブル基板)以外は温度変化が生じないようにするためには、チップ型コンデンサ102と配線基板101(フレキシブル基板)とを、高熱源体と低熱源体とに交互に接触させるのが効率的である。
また、温度変化を生じるために必要なエネルギーを小さくできる。高熱源体と低熱源体との間をチップ型コンデンサ102に往復移動させることで、チップ型コンデンサ102に温度変化を与えることができ、発電効率を高めることができる。
上述したように、空気を用いて、配線基板101(フレキシブル基板)を高熱源体または低熱源体に当接せる方法を用いると、大きな力で均等に配線基板101(フレキシブル基板)を高熱源体または低熱源体に押し付けることができる。また、第1空間120aにおける側面112aの内表面と配線基板101の表面との間隔、および、第2空間120bにおける側面112bの内表面と熱抵抗低減シート103の表面との間隔を小さくすると導入および排出すべき空気の量も少なくなり、小さなエネルギーで、配線基板101を移動させることができる。
さらに、チップ型コンデンサ102の構造を変更することなく一般的な市販形状のものをそのまま用いることができる。その結果、熱誘電発電装置100の構造の簡素化を図ることができる。また、チップ型コンデンサ102に一般的な市販形状のものが利用できるため、熱誘電発電装置100の組み立てコストの低減も図ることができる。
また、蒸気タービンのような大規模な設備の導入は不要であり、規模に応じて1kW程度の発電から実現させることが可能である。
(実施の形態2)
次に、図16から図18を参照して、実施の形態2における熱誘電発電装置100Aを用いた熱誘電発電システム1について説明する。熱誘電発電システム1Aの動作原理および熱誘電発電サイクルについては、実施の形態1と同様である。また、熱誘電発電装置100Aの基本的構成も、実施の形態1と同様である。なお、実施の形態1と同一または相当部分には、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
実施の形態1における熱誘電発電システム1においては、熱誘電発電装置100としては、直方体形状のチャンバー110を用い、このチャンバー110の第1壁部111aおよび第2壁部111bにそれぞれ密着できる構成として、直方体形状の加熱用ダクト200および冷却用ダクト300を採用している。
一方、本実施の形態では、高熱源体として工場等において送ガス管や送水管として用いる円筒形状のパイプ200Aを用いることを想定している。そのため、熱誘電発電装置100Aのチャンバー110Aもパイプ200Aの外周面に沿う湾曲形状を有し、冷却用ダクト300Aもチャンバー110Aの外周面に沿う湾曲形状を有している。
また、構造の簡素化を図るために、第1空間120aに通じる開口部を構成する第1ノズル113および第2空間120bに通じる開口部を構成する第2ノズル114は、それぞれ1箇所設けられている。
(加熱工程)
このような構成を有する熱誘電発電システム1Aにおいても、図17に示すように、充電が行なわれたチップ型コンデンサ102をオープン状態(SW1=OFF、SW2=OFF)にし、第1ノズル113から第1空間120a内の空気を排出し、同時に、第2ノズル114から第2空間120b内に空気を導入する。
これにより、チップ型コンデンサ102を搭載した配線基板101は第1空間120a側に撓み、配線基板101が、第1壁部111aに当接する状態となる。これにより、チップ型コンデンサ102は、パイプ200Aにより加熱される。
(電気エネルギー取出工程)
次に、チップ型コンデンサ102の加熱後に、図10に示す回路において、スイッチSW1をON、スイッチSW2をOFF状態にして、チップ型コンデンサ102から電気エネルギーを取り出す。
(冷却工程→充電工程)
次に、図18を参照して、第1ノズル113から第1空間120a内に空気を導入し、同時に、第2ノズル114から第2空間120b内の空気を排出する。これにより、チップ型コンデンサ102を搭載した配線基板101は第2空間120b側に撓み、配線基板101が第2壁部111bに当接する状態となる。これにより、チップ型コンデンサ102は、冷却用ダクト300により冷却される。
次に、図10に示す回路において、スイッチSW1をOFF、スイッチSW2をON状態にして、チップ型コンデンサ102に充電を行なう。その後、上記した加熱工程→電気エネルギー取出工程に移行する。
このようにして、充電工程→加熱工程→電気エネルギー取出工程→冷却工程の熱誘電発電サイクルを順次繰り返して行なうことにより、熱誘電発電が連続して行なわれ、熱誘電発電装置100Aにおいて効率よく発電することが可能となる。
なお、熱誘電発電装置100Aの加熱・冷却サイクルは、図13に示すサイクルと同じである。
以上、本実施の形態における熱誘電発電装置100Aを用いた熱誘電発電システム1Aによっても、実施の形態1と同様の作用・効果を得ることができる。なお、パイプ200Aの外表面は一定の曲率半径を有する曲面であるが、一定の曲率半径を有する曲面に限定されるものではない。
なお、上記各実施の形態においては、複数のチップ型コンデンサ102を配線基板101の第2空間120b側に配列した場合について説明しているが、配線基板101の第1空間120a側に複数のチップ型コンデンサ102を配置することも可能である。また、第1壁部111aに冷却用ダクト300を接触させ、第2壁部111bに加熱用ダクト200を接触させる構成の採用も可能である。
また、配線基板101の移動に、空気を用いた場合につい説明したが空気に限らず、流体であれば同様の作用効果を得ることができる。たとえば、流体として気体を用いる場合には、空気以外に、窒素等の不活性ガスを用いることが可能である。また、流体として液体を用いる場合には、水、フッ素系不活性液体等を用いることが可能である。
第1空間120a内および第2空間120b内への流体の導入および排出には、特に複雑な技術を用いる必要はなく、公知の流体切換技術を用いることができる。たとえば、実施の形態で用いた空気の場合には、単純なエアーシリンダの切換により、第1空間120a内および第2空間120b内への流体の導入および排出を実現することができる。
なお、導入側に空気を送り込み、排出側は大気開放とすることでも、配線基板101の移動を制御することは可能である。
また、低熱源体として内部に冷水を導入する冷却用ダクト300,300Aを採用する場合について説明しているが、これに限られず、空気を低熱源体とする空冷フィンを用いた空冷構造を採用することも可能である。また、熱交換器を低熱源体として用いることも可能である。
また、チャンバー110,110Aに採用した開口部を構成する第1ノズル113および第2ノズル114は、それぞれ一つのノズルで空気の導入口と排出口とを兼用しているが、空気導入専用のノズル、および空気排出専用のノズルを用いることも可能である。
また、高熱源体としては、排熱のある工場の高温の配管の外側、各種炉の外壁、高温蒸気や高温液体との熱交換器を用いることができる。
ここで、図19に、清掃工場において、実施の形態1で説明した熱誘電発電装置100を用いる場合について説明する。清掃工場においては、燃焼炉、燃焼炉で発生する高温を利用して蒸気を作るボイラ、ボイラで作られた蒸気を用いて発電するタービン発電機、タービン発電機で使用した後の蒸気を水に戻すための冷却装置が既に備えられていることが多い。
そこで、図19に示す熱誘電発電システムにおいては、高熱源体として焼却炉の外壁200Cを用い、低熱源体として冷却水配管300Cを用いた場合を示している。
焼却炉においては、熱源(炎など)からの輻射熱で焼却炉の外壁が高温状態になることから、高熱源体として用いることができる。また、冷却装置には、冷却水が用いられていることから、この冷却水を冷却水配管に導き低熱源体として用いることができる。なお、清掃工場に限らず、同様の設備を有する施設に対しても適用可能であり。また、実施の形態2で説明した熱誘電発電装置100Aを用いることも可能である。
また、上記した各実施の形態において、一連の加熱と冷却、および充電と電気エネルギー取出のタイミングは、電荷転送(充放電)時の損失、材料の温度特性、その他の要因を考慮して決める。充電および電気エネルギー取出を低損失で行なうためには、負荷や蓄電装置の時定数などを考慮して一定時間が必要となり、温度変化サイクルとの最適な組み合わせが必要となる。そのため、加熱の途中で電気エネルギー取出を開始したり、冷却が終了する前に充電を開始したりすることもある。
なお、上記した各実施の形態における熱誘電発電装置100,100Aは、本発明に基づく熱誘電発電装置の実施の形態を例示したものである。本発明の熱誘電発電装置の本質は流体の出し入れを行なう開口部を有するとともに、高熱源体またはこの高熱源体よりも低温の低熱源体のいずれか一方に当接される第1壁部、およびこの第1壁部に対向配置され高熱源体または低熱源体のいずれか他方に当接される第2壁部を有するチャンバーと、チャンバー内において、第1壁部と第2壁部との間に固定配置される可撓性を有する配線基板と、配線基板に実装される上記コンデンサとしてのチップ型コンデンサとを備える熱誘電発電装置の構成にある。これにより、開口部からチャンバー内に流体を導入することで、配線基板が第1壁部または第2壁部のいずれか一方側に撓み、チップ型コンデンサが第1壁部または上記第2壁部のいずれか一方側に当接するという機構が実現される。
よって、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 熱誘電発電システム、100,100A 熱誘電発電装置、101 配線基板、102 チップ型コンデンサ、110 チャンバー、111a 第1壁部、111b 第2壁部、112a,112b,112c,112d 側面、113 第1ノズル、114 第2ノズル、120a 第1空間、120b 第2空間、200,200A 加熱用ダクト、300,300A 冷却用ダクト、400 制御部、CA コンデンサ、SW1,SW2 スイッチ。

Claims (5)

  1. コンデンサに充電し、前記コンデンサをオープン状態にして加熱することで、増加した電気エネルギーを前記コンデンサから取り出し、その後、前記コンデンサを冷却し再び充電するサイクルを繰り返して発電を行なう熱誘電発電サイクルに用いられる熱誘電発電装置であって、
    流体の出し入れを行なう開口部(113,114)を有するとともに、高熱源体(200)または前記高熱源体(200)よりも低温の低熱源体(300)のいずれか一方に当接される第1壁部(111a)、および前記第1壁部(111a)に対向配置され前記高熱源体(200)または前記低熱源体(300)のいずれか他方に当接される第2壁部(111b)を有するチャンバー(110)と、
    前記チャンバー(110)内において、前記第1壁部(111a)と前記第2壁部(111b)との間に固定配置される可撓性を有する配線基板(101)と、
    前記配線基板(101)に実装される前記コンデンサとしてのチップ型コンデンサ(102)と、を備え、
    前記開口部(113,114)から前記チャンバー(110)内に前記流体を導入することで、前記配線基板(101)が前記第1壁部(111a)または前記第2壁部(111b)のいずれか一方側に撓み、前記チップ型コンデンサ(102)が前記第1壁部(111a)または前記第2壁部(111b)のいずれか一方側に当接する、熱誘電発電装置。
  2. 前記開口部(113,114)は、第1開口部(113)および第2開口部(114)を含み、
    前記第1開口部(113)から前記チャンバー内に前記流体を導入することで、前記配線基板(101)が前記第2壁部(111b)側に撓み、
    前記第2開口部(114)から前記チャンバー内に前記流体を導入することで、前記配線基板(101)が前記第1壁部(111a)側に撓む、請求項1に記載の熱誘電発電装置。
  3. 前記第1壁部(111a)は、前記高熱源体(200)に当接され、
    前記第2壁部(111b)は、前記低熱源体(300)に当接され、
    前記配線基板(101)は、前記チャンバー(110)内の空間を、前記第1壁部(111a)側の第1空間(120a)と前記第2壁部(111b)側の第2空間(120b)とに分離し、
    前記第1開口部(113)は、前記第1空間(120a)に通じ、
    前記第2開口部(114)は、前記第2空間(120b)に通じ、
    前記第2開口部(114)から前記流体を前記第2空間(120b)に導入した際には、導入された前記流体により前記配線基板(101)が前記第1空間(120a)側に撓むことで、前記チップ型コンデンサ(102)が前記第1壁部(111a)に当接して、前記チップ型コンデンサ(102)が前記高熱源体(200)により加熱され、
    前記第1開口部(113)から前記流体を前記第1空間(120a)に導入した際には、導入された前記流体により前記配線基板(101)が前記第2空間(120b)側に撓むことで、前記チップ型コンデンサ(102)が前記第2壁部(111b)に当接して、前記チップ型コンデンサ(102)が前記低熱源体(300)により冷却される、請求項2に記載の熱誘電発電装置。
  4. 前記開口部(113,114)は、前記流体の導入口と排出口とを兼用する、請求項1に記載の熱誘電発電装置。
  5. 前記流体は空気である、請求項1に記載の熱誘電発電装置。
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