JP5458425B2 - 耐薬品性に優れたフッ素化合物積層品とその製造方法、及びそれに使用するフッ素化合物転写フイルム - Google Patents

耐薬品性に優れたフッ素化合物積層品とその製造方法、及びそれに使用するフッ素化合物転写フイルム Download PDF

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耐薬品性に優れたフッ素化合物積層品とその製造方法、及びそれに使用するフッ素化合物転写フイルムに関する。
従来、意匠性、ハードコート性、反射防止性等の各種機能を有した積層品を得る為に、前記積層品を、成型品等の表面に、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層、反射防止層等の各種機能層が積層されたものすることが広く一般に利用されている。
そして、撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性(以下、これらをまとめて撥水撥油性等という場合がある。)が求められるようなトイレ、バス、キッチン等で使用する水まわり用製品の部品等の用途で積層品を使用する場合に、前記機能層として、成型品上に、撥水撥油性等を有する以下(A)〜(C)のいずれかからなる層が積層された積層品とすることで、撥水撥油性等を有する積層品を得ることができる。
(A)一般的なフッ素塗料、または撥水撥油性等を有したフッ素系添加剤を従来公知の樹脂に添加した混合樹脂
(B)フッ素化合物粉末を従来公知の樹脂に分散させた分散混合樹脂
(C)フッ素化合物(ポリテトラフルオロエチレン等)
しかしながら、上記(A)を使用して得た前記積層品は、該積層品に耐薬品性試験(耐アルカリ性試験、耐塩素性試験等)を実施すると、撥水撥油性等の効果が試験前と比較して低下してしまい、耐薬品性が悪いものであった。
また、上記(B)の分散混合樹脂を使用して得た前記積層品は、該積層品の外観を上記(B)の混合樹脂からなる層を積層する前後で比較すると、該混合樹脂からなる層を積層した積層品は白濁してしまい著しく外観を損なうものであった。
そして、上記(C)のフッ素化合物を使用して得た前記積層品は、該フッ素化合物が有機溶剤に溶解せず、該フッ素化合物を、成型品の表面に積層するには、該フッ素化合物を焼成(焼付け)加工(成型品上にフッ素化合物粉末を静電粉体コーティング法等でコーティングした後、使用するフッ素化合物の種類により異なるが、一般的に250℃〜400℃に加熱しフッ素化合物を溶融させて密着させる)してフッ素化合物層を積層する必要がある。したがって、成型品とフッ素化合物の密着は良いものの、使用する成型品を焼成加工時の熱でも変形しない金属等からなる成型品とする必要があり、使用する成型品が限定されていた。
また、上記(C)のフッ素化合物を使用し、成型品の表面にフッ素化合物が直接積層された積層品として、特許文献1に、有機材料から形成された基材(成型品)上の片面または両面に、蒸着法により形成されたポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物から構成される樹脂層(フッ素化合物層)が厚さ1nm〜100nmで積層されたガスバリア性フィルム(フッ素化合物積層品)の記載がある。尚、フッ素化合物を蒸着してフッ素化合物層を形成した場合に、フッ素化合物層は、通常多孔質状のフッ素化合物層となる。
しかしながら、上記特許文献1記載のガスバリア性フィルム(フッ素化合物積層品)は、フッ素化合物を蒸着することにより、基材(成型品)上に多孔質状のフッ素化合物層のみが積層されたものであり、該多孔質状のフッ素化合物層が積層された直後はフッ素化合物が有する優れた撥水性を発揮することが可能であるが、該多孔質状のフッ素化合物層と基材(成型品)との密着力が非常に弱く、また耐摩耗性にも弱い為、容易に基材(成型品)から多孔質状のフッ素化合物層が欠落してしまい、基材(成型品)上に多孔質状のフッ素化合物層が積層された状態を維持することが非常に困難なものであった。その為、特許文献1記載のガスバリア性フィルム(フッ素化合物積層品)は、優れた撥水性を維持することが非常に困難なものであり、かつフッ素化合物が有する優れた撥油性も十分に発揮することができないものであった。
特開2003−340955号公報
前述のように、これまでの撥水撥油性等を有した積層品は、以下(1)〜(4)の欠点があった。
(1)前記(A)の一般的なフッ素塗料からなる層(フッ素塗料層)、または撥水撥油性等を有するフッ素系添加剤を従来公知の樹脂に添加した混合樹脂からなる層(混合樹脂層)が成型品の表面に積層された積層品は、耐薬品性試験(耐アルカリ性試験、及び耐塩素性試験)を実施した場合に、各試験前の撥水撥油性等を維持することができない欠点があった。
その理由は、一般的なフッ素塗料は、元来有機溶剤等に溶解しないフッ素化合物を、コーティング等の加工を実施できるようにする為に、フッ素化合物の一部を変性させて有機溶剤に溶解しやすくしている。
その為、成型品上にフッ素塗料層を積層した直後は優れた撥水撥油性等を発揮することが可能であるが、上記フッ素塗料はフッ素化合物を変性させていることで、アルカリ、塩素等によって撥水撥油性等を発揮させているフッ素化合物骨格が欠落してしまう為、耐アルカリ性、耐塩素性等の耐薬品性を低下させてしまい、該フッ素塗料層が積層された積層品に耐薬品性試験を行った場合に、該試験後には撥水撥油性等を維持することができないからである。
また、撥水撥油性等を有するフッ素系添加剤を従来公知の樹脂に添加した混合樹脂も、該フッ素系添加剤がやはりフッ素化合物の一部を変性させたものである為、混合樹脂層が積層された積層品に耐薬品性試験を行った場合に、やはり上記一般的なフッ素塗料層が積層された積層品と同様に、該試験後には撥水撥油性等を維持することができないからである。
(2)前記(B)のフッ素化合物粉末を従来公知の樹脂に分散させた分散混合樹脂からなる層(分散混合樹脂層)が成型品上に積層された積層品は、該積層品の外観を、該分散混合樹脂層を積層する前後で比較すると、該分散混合樹脂層が積層された積層品は白濁してしまい著しく外観を損なう欠点があった。
その理由は、上記分散混合樹脂は、使用するフッ素化合物粉末の粒子径が約1μの白色粉末であり、また従来公知の樹脂には溶解せずに、該フッ素化合物粉末が従来公知の樹脂中に分散した状態となっている。その為、該分散混合樹脂を目視した場合に、フッ素化合物粉末を目視で確認することができ、該分散混合樹脂自体が白濁している。したがって、上記分散混合樹脂層が積層された積層品は、その外観が白濁してしまい所望の外観を得ることができない。
また、上記積層品上に、更に印刷層等の各種機能層を積層する場合に、該分散混合樹脂が印刷インキ等に使用する樹脂等をはじいてしまい印刷層等を積層することが困難である欠点があった。
(3)前記(C)のフッ素化合物が直接成型品上に積層された積層品は、使用するフッ素化合物は元来有機溶剤等には溶解しない為、成型品上に積層させる為にはフッ素化合物を焼成加工する必要がある。しかしながら、フッ素化合物の融点はフッ素化合物の種類により異なるが250〜400℃であり、フッ素化合物を焼成加工する為には約400℃の高温で熱する必要がある。したがって、上記積層品に使用する成型品を樹脂からなる成型品(樹脂成型品)とした場合には、焼成加工時の熱により樹脂成型品が変形してしまい、実用上使用できず、焼成加工時の熱でも変形しない金属等からなる成型品等を上記積層品に使用する成型品として使用する必要があり、上記積層品に使用する成型品が限定される欠点があった。
(4)前記(C)のフッ素化合物を使用し、特許文献1記載のように、フッ素化合物を蒸着することにより、成型品上に多孔質状のフッ素化合物層のみが積層された積層品は、該積層品に使用する樹脂成型品等上に多孔質状のフッ素化合物層を積層することが可能である。しかし、多孔質状のフッ素化合物層が積層された直後は優れた撥水性を発揮することが可能であるが、該多孔質状のフッ素化合物層と成型品(樹脂成型品等)との密着力が非常に弱く、容易に成型品上から欠落してしまい、フッ素化合物が有する撥水性を維持することが困難である欠点があった。そして、撥油性については、多孔質状のフッ素化合物層に形成された油が隙間に浸透してしまう為、フッ素化合物が有している優れた撥油性を十分に発揮することができない欠点があった。尚、多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間については後述する。
以上のことから、成型品上に撥水撥油層等を有する層が積層された積層品であって、該積層品の外観が白濁等により著しく悪化することなく、また積層品に使用する成型品を制限することなく、さらに耐薬品性試験後であっても、耐久試験前の優れた撥水撥油性等を発揮することができる耐薬品性に優れた積層品を得ることが課題であった。
[1]本発明は、成型品上に、少なくとも、樹脂からなる保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層されているフッ素化合物積層品であって、下記(A)〜(C)の条件をすべて満足することを特徴とするフッ素化合物積層品である。
(A)多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなくフッ素化合物積層品表面に露出している
(B)多孔質状のフッ素化合物層の厚さが、10〜500nmの範囲である
(C)耐薬品性試験後(240時間経過後)のフッ素化合物積層品の表面の水の接触角(JIS R 3257 静滴法に準拠)が85°以上である
[2]本発明は、多孔質状のフッ素化合物層が、多孔質状のパーフルオロカーボン層である上記[1]記載のフッ素化合物積層品である。
[3]本発明は、上記[1]記載のフッ素化合物積層品の製造方法であって、少なくとも、以下(工程1)〜(工程3)を順次行うことを特徴とするフッ素化合物積層品の製造方法である。
(工程1)プラスチックフイルムの片面に、少なくとも、フッ素化合物を蒸着して多孔質状のフッ素化合物層を厚さ10〜500nmの範囲で積層した後、該多孔質状のフッ素化合物層上に、樹脂をコーティングして保持層を積層することで、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを製造する工程であって、多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出しているフッ素化合物転写フイルムを製造する工程
(工程2)前記フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面と成型品表面とを接するようにして密着させる工程
(工程3)前記フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
[4]本発明は、上記[2]記載のフッ素化合物積層品の製造方法であって、少なくとも、以下(工程1)〜(工程3)を順次行うことを特徴とするフッ素化合物積層品の製造方法である。
(工程1)プラスチックフイルムの片面に、少なくとも、パーフルオロカーボンを蒸着して多孔質状のパーフルオロカーボン層を厚さ10〜500nmの範囲で積層した後、該多孔質状のパーフルオロカーボン層上に、樹脂をコーティングして保持層を積層することで、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のパーフルオロカーボン層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを製造する工程であって、多孔質状のパーフルオロカーボン層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のパーフルオロカーボン層とが一体化しており、かつ多孔質状のパーフルオロカーボン層表面(多孔質状のパーフルオロカーボン層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出しているフッ素化合物転写フイルムを製造する工程
(工程2)前記フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面と成型品表面とを接するようにして密着させる工程
(工程3)前記フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
[5]本発明は、上記[3]記載のフッ素化合物積層品の製造方法に使用する転写フイルムであって、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び樹脂からなる保持層が順次積層されており、かつ下記(A)及び(B)の条件を満足することを特徴とするフッ素化合物転写フイルムである。
(A)多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出している
(B)多孔質状のフッ素化合物層の厚さが、10〜500nmの範囲である
[6]本発明は、上記[4]記載のフッ素化合物積層品の製造方法に使用する転写フイルムであって、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のパーフルオロカーボン層、及び樹脂からなる保持層が順次積層されており、かつ下記(A)及び(B)の条件を満足することを特徴とするフッ素化合物転写フイルムである。
(A)多孔質状のパーフルオロカーボン層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のパーフルオロカーボン層とが一体化しており、かつ多孔質状のパーフルオロカーボン層表面(多孔質状のパーフルオロカーボン層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出している
(B)多孔質状のパーフルオロカーボン層の厚さが、10〜500nmの範囲である
本発明のフッ素化合物積層品は、前記欠点をすべて解消したものであり、成型品上に、少なくとも樹脂からなる保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された積層品であって、外観も白濁等することなく、また保持層が、多孔質状のフッ素化合物層を保持するようにして成型品上に積層されていることにより多孔質状のフッ素化合物層が欠落することがなく、多孔質状のフッ素化合物層に油が浸透することを防いでいる。したがって、最表層に積層された多孔質状のフッ素化合物層により、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を発揮することができ、さらに、耐薬品性にも優れたフッ素化合物積層品である
尚、本発明でいう多孔質状、及び多孔質状のフッ素化合物層とは、フッ素化合物が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(スポンジや不織布のような状態)のことを多孔質状といい、また上記のような状態(多孔質状)で積層されたフッ素化合物層のことを多孔質状のフッ素化合物層という。
尚、多孔質状フッ素化合物層に形成されている多数の隙間は、基本的に各隙間同士がつながっているものであるが、一部の隙間は独立しているものもある。また、隙間の形状については特に限定しない。
また、本発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に積層されている多孔質状のフッ素化合物層は透明な層となり、白濁等により外観を著しく悪化させることなく所望の外観を得ることができる積層品である。
そして、本発明のフッ素化合物積層品は、積層されている保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に浸透し、該隙間を埋めることで保持層が多孔質状のフッ素化合物層を保持し、また保持層が成型品と密着することで、容易に成型品上(保持層上)から多孔質状のフッ素化合物層が欠落しない。また、発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に、多孔質状のフッ素化合物層のみが積層されたフッ素化合物積層品と比較して、保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に浸透し、該隙間を埋めている為、該隙間に油が浸透することを防ぐことができる。したがって、本発明のフッ素化合物積層品は、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を発揮することができる積層品である。
具体的に、優れた撥水撥油性を発揮することができる積層品とは、本発明のフッ素化合物積層品の表面の水、及び油の接触角(JIS R 3257 静滴法に準拠)を測定した場合に、水の接触角が100°以上であり、かつ油の接触角が60°以上である積層品である。
さらに、本発明のフッ素化合物積層品は、本発明のフッ素化合物積層品に耐薬品性試験を実施した場合であっても、それぞれの試験前の優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を維持することができる耐薬品性に優れた積層品である。
具体的に、耐薬品性に優れた積層品とは、本発明のフッ素化合物積層品の表面を耐薬品性試験前に測定した水の接触角(JIS R 3257 静滴法に準拠)が100°以上であり、耐薬品性試験後(240時間経過後)であっても水の接触角が85°以上を維持することができる積層品である。
また、本発明のフッ素化合物積層品は、フッ素化合物を焼成加工することなく、成型品上(保持層上)に多孔質状のフッ素化合層が積層されたものである為、高温でも変形しない金属からなる成型品(金属成型品)等だけでなく、これまで焼成加工時の熱によって変形してしまい使用することができなかった樹脂からなる成型品(樹脂成型品)を、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品として使用することができ、ガラス、金属、樹脂、陶器等の成型品の素材を制限することがなくなり、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品の選択肢を広げることができる。
本発明のフッ素化合物積層品の製造方法は、フッ素化合物転写フイルムに積層されていている多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を、成型品上に転写して積層して、成型品上に、少なくとも、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物積層品を容易に得ることができる製造方法であり、本発明のフッ素化合物積層品を得る方法として最適な方法である。
また、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法を使用して得た本発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に直接、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層を順次積層する製造方法等、他の製造方法で得た本発明のフッ素化合物積層品と比較すると、保持層が多孔質状のフッ素化合物層をより確実に保持することができ、また成型品と密着することにより多孔質状のフッ素化合物層が成型品上(保持層上)からより欠落することなく、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性が成型品により確実に付与されている。その結果、得られた本発明のフッ素化合物積層品は、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性をより確実に発揮することができ、さらに耐薬品性にも優れた本発明のフッ素化合物積層品となる。
そして、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法に使用するフッ素化合物転写フイルムは、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び樹脂からなる保持層が順次積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用することが好ましい。
本発明のフッ素化合物積層品の一部拡大断面図を示したものである。 本発明のフッ素化合物転写フイルムの一部拡大断面図を示したものである。尚、図1、及び2において、多孔質状のフッ素化合物層(3)はフッ素化合物(3a)が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間(3b)が形成された状態(多孔質状)であることを図面上わかりやすく示したものである。また、保持層(2)と多孔質状のフッ素化合物層(3)とは、一部重なっている部分がある。また、多孔質状のフッ素化合物層(3)には、多数の隙間(3b)と該隙間に保持層(2)で使用する樹脂が浸透している部分(3c)とが存在している。そして、フッ素化合物と樹脂とが混ざり合い保持層(2)と多孔質状のフッ素化合物層(3)とが一体化した状態で成型品(1)、またはプラスチックフイルム(4)上に積層されている。
本発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に、少なくとも保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層されたものであり、本発明のフッ素化合物積層品の最表層には多孔質状のフッ素化合物層が積層されている。
その為、本発明のフッ素化合物積層品は、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性等を発揮することができる積層品となり、また保持層が多孔質状のフッ素化合物層と接するようにして成形品上に積層され、保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に浸透することで保持層が多孔質状のフッ素化合物層を保持するとともに、保持層が成型品表面と密着することで多孔質状のフッ素化合物層が成型品上(保持層上)から欠落することを防止し、さらに、該隙間に油が浸透することを防ぐことができる為、優れた撥水撥油性等を発揮することができるものとなる。
前記多孔質状のフッ素化合物層は、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性等を成型品に付与する目的で、本発明のフッ素化合物積層品の最表層に積層されている。
多孔質状のフッ素化合物層に使用するフッ素化合物は、上記目的を達成することができるフッ素化合物であれば特に制限なく使用することができるが、撥水撥油性等の効果を発揮するには分子内にフッ素原子が多いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のパーフルオロカーボンを使用することが好ましい。
多孔質状のフッ素化合物層の厚さは、10〜500nmの範囲が好ましい。厚さが、10nmよりも薄いと撥水撥油性等の所望の効果を発揮することができなくなるおそれがある為好ましくなく、厚さが500nmよりも厚いと多孔質状のフッ素化合物層が欠落しやすくなるだけでなく、該多孔質状フッ素化合物層が積層された本発明のフッ素化合物積層品の外観に干渉縞(ニュートンリング)が発生してしまい所望の外観が得られなくなるおそれがある為好ましくない。
多孔質状のフッ素化合物層を積層する方法は、成型品上(保持層上)に積層することができる方法であれば制限なく使用することができ、真空蒸着法、フラッシュ蒸着法、スパッタリング法、CVD法等、従来公知の蒸着法が使用できるが、真空蒸着法、またはフラッシュ蒸着法を使用すれば成型品上に容易に多孔質状のフッ素化合物層を積層することができる為好ましい。
蒸着法を使用すれば、成型品上(保持層上)に多孔質状のフッ素化合物層を積層する場合に、フッ素化合物を容易に多孔質状のフッ素化合物層とすることができるからである。また、蒸着法を使用すれば、積層時の熱により本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品が変形するおそれが少なく、これまで焼成加工時の熱により変形してしまい、フッ素化合物層を積層することができなかった樹脂からなる成型品(樹脂成型品)であっても、多孔質状のフッ素化合物層を積層することが可能である。したがって、ガラス、金属、樹脂、陶器等からなる成型品を使用することができ、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品を制限なく使用することができる為、選択肢を広げることができるからである。
また、本発明のフッ素化合物積層品に積層されている多孔質状のフッ素化合物層は、フッ素化合物が隙間なく成型品上(保持層上)に積層されているのではなく、前述の通り、フッ素化合物が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)で、成型品上(保持層上)の全面、もしくは部分的に積層され、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性等を発揮する層であり、本発明のフッ素化合物積層品に、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性等を付与する目的で積層される層である。
そして、多孔質状のフッ素化合物層は、上記の通りフッ素化合物が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)であり、後述する保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間に浸透し、該隙間が埋められ、保持されることで成型品上から容易に欠落することなく成型品上(保持層上)に積層され、さらに該隙間に油が浸透することを防ぐことができる為、本発明のフッ素化合物積層品が優れた撥水撥油性等を発揮することができる。
尚、前記多孔質状のフッ素化合物層は、多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部、または全てに保持層で使用する樹脂が浸透していても構わないが、多孔質状のフッ素化合物層表面は保持層で使用する樹脂に覆われることなく、本発明のフッ素化合物積層品表面に露出している。
ただし、本発明の前記効果を発揮することができる範囲であれば、多孔質状のフッ素化合物層の表面の一部が保持層で使用する樹脂に覆われていても構わない。
本発明のフッ素化合物積層品に積層されている保持層は、樹脂からなり、多孔質状のフッ素化合物層と接し、成型品上の全面、もしくは部分的に積層されている層であり、さらに、該保持層上に積層されている多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間に浸透し、該隙間を埋めて多孔質状のフッ素化合物層を保持し、また成型品表面と密着することで成型品上から多孔質状のフッ素化合物層が欠落することを防止する目的で積層されている。
尚、保持層は、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層が形成されている部分に積層されたものとしておく必要がある。
また、本発明のフッ素化合物積層品に積層されていている保持層は、保持層の前記目的を達成することができれば、後述する接着層と機能層のいずれか、または両方を兼ねていても構わない。
前記保持層に使用する樹脂は、保持層の目的を達成することができれば、特に制限なく、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等、従来公知の各種樹脂が使用でき、保持層に使用する樹脂の種類、積層する方法、厚さ等は、所望の目的に応じて、適宜選択すればよい。
また、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品を樹脂からなる成型品(樹脂成型品)とした場合に、樹脂成型品に使用する樹脂と相溶性の良い樹脂を保持層に使用すれば成型品(樹脂成型品)と保持層との相性もよく、成型品(樹脂成型品)と保持層との強い密着力を得ることができる為好ましい。
さらに、本発明のフッ素化合物積層品は、成型品と保持層との間に、成型品に意匠性、ハードコート性、反射防止性等の機能を付与する目的で樹脂からなる機能層が積層されていても構わない。
上記機能層は、主に樹脂からなる層であり、着色層、印刷層、ハードコート層、反射防止層等のいずれか1層、またはこれら層の組み合わせからなる2層以上の複数層としてもよく、2層以上の複数層とする場合に、各層に使用する樹脂は各層間で異なっていてもよく同種であってもよい。
また、機能層を構成するすべての層が全面もしくは部分的に成型品上に積層されていてもよく、機能層を構成する層のうち、一部の層が全面にもしくは部分的に成型品上に積層されていてもよい。また、機能層を構成する層のうち、どの層を全面もしくは部分的とするかは、該機能層の目的に応じて、適宜選択すればよい。尚、機能層を積層する方法は従来公知のコーティング法等適宜選択すればよい。
上記機能層に使用する樹脂は、前記保持層と同様の樹脂を使用することができる。また必要に応じて着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていても構わない。使用する樹脂や添加剤の種類、積層する方法、厚さ等は、成型品上に該機能層が積層された本発明のフッ素化合物積層品を使用する用途や必要な機能に応じて適宜選択すればよい。
そして、機能層(機能層が2層以上の複数層とした場合には、成型品上に積層された機能層の最上層)が、前述の通り、前記保持層の目的を達成することができれば、該機能層を保持層としても構わない。
例えば、本発明のフッ素化合物積層品を、成型品上に、ハードコート層(機能層を兼ねる保持層)、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層されたものとした場合には、該本発明のフッ素化合物積層品は、ハードコート性(耐摩耗性)と優れた撥水撥油性等を兼ね備えたものとなる。(構成:成型品/ハードコート層(機能層を兼ねる保持層)/多孔質状のフッ素化合物層)
また、本発明のフッ素化合物積層品は、成型品と保持層との間に、成型品に金属光沢を付与する目的で金属薄膜層が積層されていても構わない。
前記金属薄膜層は、該金属薄膜層を多孔質状のフッ素化合物層と保持層との間に積層すると、金属薄膜層が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間を埋めてしまうおそれがあり、その為保持層が多孔質状のフッ素化合物層を保持することができなくなり、多孔質状のフッ素化合物層が成型品上から欠落してしまうおそれがある為、多孔質状のフッ素化合物層と接しないようにして積層され、必ず保持層と成型品との間に積層される。
前記金属薄膜層に使用する材料は、アルミニウム、クロム、錫、金、銀、銅、ニッケル、インジウム、硫化亜鉛、ケイ素等の各種金属またはそれらの化合物が使用でき、金属薄膜層を積層する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等、従来公知の金属薄膜層を積層する方法が使用できる。
金属薄膜層に使用する材料の種類、金属薄膜層を積層する方法は、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。また、金属薄膜層の厚さも、所望の金属光沢が得られる厚さであればよく、所望の金属光沢に応じて、適宜選択すればよい。
そして、金属薄膜層は1層または2層以上の複数層としてもよく、2層以上の複数層とする場合に、各層に使用する材料は各層間で異なっていてもよく同種であってもよい。さらに、金属薄膜層を構成するすべての層が全面もしくは部分的に成型品上に積層されていてもよく、金属薄膜層を構成するいずれの層が、全面もしくは部分的に成型品上に積層されていてもよい。尚、金属薄膜層を部分的に積層する方法は従来公知のエッチング法等適宜選択すればよい。
また、本発明のフッ素化合物積層品は、前記機能層と金属薄膜層の両方が積層されたものとしても当然構わず、その場合に機能層、及び金属薄膜層のいずれの層が上層(保持層側)となってもよく、その順序、及び組み合わせは所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品は、ガラス、金属、樹脂、陶器等からなる成型品等、その素材を特に制限することなく使用することができ、本発明のフッ素化合物積層品を使用する目的に応じて適宜選択すればよい。また本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品の形状についても、板状、フイルム状、シート状、所望の形状に予め成型されたもの等特に制限することなく使用でき、本発明のフッ素化合物積層品を使用する目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明のフッ素化合物積層品は、成型品と保持層(あるいは機能層、または金属薄膜層)とを密着させやすくする目的で、従来公知の接着性に優れた樹脂等からなる接着層が成型品上に積層されていても構わず、使用する樹脂の種類、接着層の厚さ、積層する方法は、目的に応じて適宜選択すればよい。
尚、接着層については、後述する本発明のフッ素化合物転写フイルムで詳述する。
以下、成型品上に、少なくとも保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物積層品の代表構成例を下記に示す。ただし、本発明のフッ素化合物積層品は下記構成のものに限らない。
(A)成型品/保持層/多孔質状のフッ素化合物層
(B)成型品/接着層/保持層/多孔質状のフッ素化合物層
(C)成型品/金属薄膜層/保持層/多孔質状のフッ素化合物層
(D)成型品/保持層(接着層)/多孔質状のフッ素化合物層
(E)成型品/金属薄膜層/機能層/保持層/多孔質状のフッ素化合物層
(F)成型品/機能層/保持層(機能層)/多孔質状のフッ素化合物層
上記(D)、及び(F)の構成とした場合には、本発明のフッ素化合物積層品に積層された保持層が接着層、または機能層を兼ねることとなる。
本発明のフッ素化合物積層品を製造する方法は、成型品上に、少なくとも、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された、本発明のフッ素化合物積層品を得ることができれば特に制限することなく使用でき、成型品上に直接、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層を順次積層する方法等の他、後述する、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを使用し、該フッ素化合物転写フイルムに積層されている多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を成型品上に転写して積層する本発明のフッ素化合物積層品の製造方法により得ることができる。
そして、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法は、容易に本発明のフッ素化合物積層品を得ることができる為、本発明のフッ素化合物積層品を製造する方法として最適な方法である。
以下、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法について述べる。
本発明のフッ素化合物積層品の製造方法は、具体的には、以下(工程1)〜(工程3)を順次行うことで、成型品上に多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を転写して積層することができ、成型品上に、少なくとも、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物積層品を容易に得ることができる製造方法である。
(工程1)プラスチックフイルムの片面に、少なくとも、フッ素化合物を蒸着し多孔質状のフッ素化合物層を積層した後、該多孔質状のフッ素化合物層上に、樹脂をコーティングし保持層を積層することで、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを製造する工程
(工程2)前記フッ素化合物転写フイルムに積層されている保持層側の面と成型品表面とを接するようにして密着させる工程
(工程3)前記フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
本発明のフッ素化合物積層品の製造方法で行う上記(工程2)、及び(工程3)でフッ素化合物転写フイルムと成型品とを密着させた後、フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する方法は、上記各工程を行うことができれば特に制限することなく使用することができ、目的に応じて適宜選択すればよい。
例えば、フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面と成型品表面とを接するようにして重ね、熱ロール等ではさみ込むように圧着させた後、フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する熱転写法(ホットスタンプ法)や、成型品を成型する金型内に、フッ素化合物転写フイルムを、該フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面を内側にして挟み込み、溶融状態の樹脂等を金型内に注入することにより、成型品の成型と同時に密着させた後、フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する成型同時転写法(インモールド成型法)等が使用できる。
また、上記以外の方法として、成型品とフッ素化合物転写フイルムと密着させる目的で、成型品上に熱可塑性樹脂や粘着性樹脂等からなる接着層を予め積層し、該接着層とフッ素化合物転写フイルムの保持層側の面とを接するようにして密着させた後、フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する方法を利用しても本発明のフッ素化合物積層品を得ることができる。
尚、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法で行う各工程の加工条件は、目的に応じて、適宜選択すればよい。
本発明のフッ素化合物積層品の製造方法を使用すれば、上記のように、容易に本発明のフッ素化合物積層品を得ることができる。また本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品は、ガラス、金属、樹脂、陶器等からなる成型品等、その素材を特に制限することなく使用することができ、本発明のフッ素化合物積層品を使用する目的に応じて適宜選択すればよい。
特に、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法を使用すれば、従来フッ素化合物層を成型品上に積層する場合に、焼成加工時の熱によってフッ素化合物層を積層することが困難であった樹脂からなる成型品(樹脂成型品)上へも容易に多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を積層することが可能である為、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品の選択肢が広がる。また本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品の形状についても、板状、フイルム状、シート状、所望の形状に予め成型されたもの等特に制限することなく使用でき、本発明のフッ素化合物積層品を使用する目的に応じて適宜選択すればよい。
さらに、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法を使用して得た本発明のフッ素化合物積層品は、他の製造方法で得た本発明のフッ素化合物積層品に比べて、保持層と多孔質状のフッ素化合物層がより一体化している。したがって、保持層が多孔質状のフッ素化合物層をより確実に保持することができ、また成型品と密着することにより多孔質状のフッ素化合物層が成型品上(保持層上)からより欠落することなく、さらに多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に油が浸透することをより防ぐことができる為、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性が成型品により確実に付与される。その結果、得られた本発明のフッ素化合物積層品は、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を発揮することができ、さらに耐薬品性にも優れた本発明のフッ素化合物積層品となる。
したがって、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法は、以上の点からも、本発明のフッ素化合物積層品を製造する方法として最適な方法である。
そして、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法に使用するフッ素化合物転写フイルムは、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び樹脂からなる保持層が順次積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用することが好ましい。
次に、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法で使用するフッ素化合物転写フイルムとして最適な本発明のフッ素化合物転写フイルムについて述べる。
本発明のフッ素化合物転写フイルムは、プラスチックフイルム上に、少なくとも多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層が順次積層されたものである。
本発明のフッ素化合物積層品の製造方法に、本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用すると、前述のとおり、容易に本発明のフッ素化合物積層品を得ることができる。
本発明のフッ素化合物転写フイルムに使用するプラスチックフイルムは、一般に転写フイルムに使用するプラスチックフイルムであれば、特に制限すること無く使用でき、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリカーボネーフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム等、各種従来公知のプラスチックフイルムが使用できる。
プラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸の何れでもよく、また、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいても構わない。
プラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
さらに、プラスチックフイルムには、本発明のフッ素化合物積層品を意匠性に富んだものとする目的で、プラスチックフイルムの表面(多孔質状のフッ素化合物層を積層する側の面)に、ヘアライン加工、マット加工、エンボス加工等の凹凸加工が施されていてもよい。
プラスチックフイルムの表面に凹凸加工を施しておくことで、本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用して得られる本発明のフッ素化合物積層品がヘアライン模様等の凹凸模様を有するものとなり、より意匠性に富んだものとなる。
本発明のフッ素化合物転写フイルムは、転写フイルムの離型性を安定させる等の目的で、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等からなる離型性を有する離型層が、プラスチックフイルムの表面(多孔質状のフッ素化合物層を積層する側の面)に、予めコーティング等して積層されたものでも構わない。尚、該離型層が積層されたプラスチックフイルムも本発明でいうプラスチックフイルムに含まれる。
また離型層に使用する樹脂等の種類、厚さ、離型層を積層する方法は、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
尚、プラスチックフイルム上に、前記離型層が積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用して、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法により、本発明のフッ素化合物積層品を製造する場合に、該離型層はプラスチックフイルムとともに剥離され、本発明のフッ素化合物積層品には積層されない。
本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている多孔質状のフッ素化合物層は、本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用して、該多孔質状のフッ素化合物層を成型品上に転写して積層した場合に、該成型品にフッ素化合物が有する優れた撥水撥油性等を成型品に付与し、得られる本発明のフッ素化合物積層品が優れた撥水撥油性等を発揮することができるものとする目的で積層されている。
また、本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている多孔質状のフッ素化合物層は、前述した本発明のフッ素化合物積層品に使用したものと同様のものが使用でき、多孔質状のフッ素化合物層の厚さ、積層方法も同様である。
本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている多孔質状のフッ素化合物層は、前述の本発明のフッ素化合物積層品と同様、フッ素化合物が隙間なくプラスチックフイルム上に積層されているのではなく、フッ素化合物が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)でプラスチックフイルム上に積層されている。
また、上記多孔質状のフッ素化合物層は、プラスチックフイルム上の全面あるいは部分的に積層されていてもよい。尚、部分的に積層する方法は適宜選択すればよい。
本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている保持層は、樹脂からなり、少なくとも、プラスチックフイルム上に積層されている多孔質状のフッ素化合物層上に積層され、該多孔質状のフッ素化合物層を保持し、プラスチックフイルムから多孔質状のフッ素化合物層が欠落することを防止するとともに、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法で本発明のフッ素化合物積層品を得る場合に、成型品と密着し、成型品上(保持層上)から多孔質状のフッ素化合物層が欠落することを防止する目的で積層されている。
前記保持層は、プラスチックフイルム上に多孔質状のフッ素化合物層が積層された状態のままでは、多孔質状のフッ素化合物層とプラスチックフイルムとの密着力が弱く、プラスチックフイルム上から容易に欠落してしまうが、該多孔質状のフッ素化合物層上に、保持層を積層することで、保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に浸透し、該隙間をより確実に埋めることで、多孔質状のフッ素化合物層と保持層とがより一体化する為、多孔質状のフッ素化合物層を確実に保持し、プラスチックフイルム上から多孔質状のフッ素化合物層が欠落することを防止することができる。
そして、上記の通り、保持層に使用する樹脂が多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に浸透し、該隙間をより確実に埋める為、多孔質状のフッ素化合物層に形成された隙間に油が浸透することをより防ぐことができる。その結果、本発明のフッ素化合物積層品は優れた撥油性を発揮することができる。
尚、保持層は、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層が形成されている部分に積層されたものとしておく必要がある。
また本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用して本発明のフッ素化合物積層品を得る場合に、得られた本発明のフッ素化合物積層品は、他の製造方法で得た本発明のフッ素化合物積層品と比較すると、多孔質状のフッ素化合物層と保持層とがより一体化している為、保持層が多孔質状のフッ素化合物層をより確実に保持したまま成型品上に転写して積層され、また保持層が成型品と密着することで成型品上(保持層上)から多孔質状のフッ素化合物層が欠落することなくより確実に積層されたものとなる。
したがって、また本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用すれば、前記本発明のフッ素化合物積層品の効果を確実に発揮することができる本発明のフッ素化合物積層品を得ることができる。
保持層に使用する樹脂は、前述の本発明のフッ素化合物積層品に使用したものと同様のものが使用でき、保持層の厚さについても同様である。また保持層を積層する方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。尚、保持層に使用する樹脂、保持層の厚さ、保持層の積層方法は、それぞれ所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されていている保持層は、保持層の前記目的を達成することができれば、後述する接着層と機能層のいずれか、または両方を兼ねていても構わない。
本発明のフッ素化合物転写フイルムは、該本発明のフッ素化合物転写フイルムと成型品とを密着させやすくする目的で、熱可塑性樹脂や粘着性樹脂等からなる接着層が保持層上(多孔質状のフッ素化合物層が積層されている側の反対側の面上)に積層されていても構わない。
前記接着層を積層することで、本発明のフッ素化合物転写フイルムと成型品とを容易に密着させることが可能となり、本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を該接着層と共に成型品上に確実に転写させることが可能となる。
尚、本発明のフッ素化合物転写フルムを上記接着層が積層されたものとする場合には、該接着層は、本発明のフッ素化合物転写フイルムの最表層に積層されることとなる。
また、接着層は、前述の通り、前記保持層の目的を達成することができれば、該接着層を保持層としても構わない。
この場合、本発明のフッ素化合物転写フイルムの構成例は、プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層(接着層)となり、保持層が多孔質状のフッ素化合物層を保持する保持層本来の役割に加えて、本発明のフッ素化合物転写フイルムと成型品とを密着させる接着層としての前記役割を兼ね備えることとなる。
また、本発明のフッ素化合転写フイルムを使用し、樹脂からなる成型品(樹脂成型品)を成型品として使用した本発明のフッ素化合物積層品を得る場合に、樹脂成型品に使用する樹脂と相溶性の良い樹脂を本発明のフッ素化合物転写フイルムの保持層(接着層)に使用すれば成型品(樹脂成型品)と保持層(接着層)との相性もよく、強い密着力を得ることができる為好ましい。
また、本発明のフッ素化合物転写フイルムは、本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用して本発明のフッ素化合物積層品を得る場合に、前述の本発明のフッ素化合物積層品で述べたように、本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用して得られる本発明のフッ素化合物積層品が各種機能を有するものとする目的で、本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層されている保持層上(多孔質状のフッ素化合物層が積層されている側の反対側の面上)に機能層が積層されていても構わない。
前記機能層は、主に樹脂からなる層であり、着色層、印刷層、ハードコート層、反射防止層等のいずれか1層、またはこれら層の組み合わせからなる2層以上の複数層としてもよく、2層以上の複数層とする場合に、各層に使用する樹脂は各層間で異なっていてもよく同種であってもよい。
また、機能層を構成するすべての層が全面もしくは部分的に保持層上に積層されていてもよく、機能層を構成する層のうち、一部の層が全面にもしくは部分的に成型品上に積層されていてもよい。また、機能層を構成する層のうち、どの層を全面もしくは部分的とするかは、該機能層の目的に応じて、適宜選択すればよい。尚、機能層を積層する方法は従来公知のコーティング法等適宜選択すればよい。
また、機能層(機能層が2層以上の複数層とした場合には、保持層上に積層された機能層の最下層(前記多孔質状のフッ素化合物層と接する層))が、前述の通り、前記保持層の前記目的を達成することができれば、該機能層を保持層としても構わない。
例えば、本発明のフッ素化合物転写フイルムを、プラスチックフイルム上に、多孔質状のフッ素化合物層、及び着色層(機能層を兼ねる保持層)が順次積層されたものとする。(構成:プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/着色層(機能層を兼ねる保持層))
そして、上記本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用し、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法により得られた本発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に、多孔質状のフッ素化合物層、及び着色層が転写して積層され、意匠性と優れた撥水撥油性等を兼ね備えた本発明のフッ素化合物積層品となる。(構成:成型品/着色層(機能層を兼ねる保持層)/多孔質状のフッ素化合物層)
また、機能層(機能層が2層以上の複数層とした場合には、保持層上に積層された機能層の最上層)が、前記接着層の目的を達成することができれば、該機能層は接着層を兼ねても構わない。
前記接着層、及び機能層に使用する樹脂は、特に制限なく、前記保持層に使用したものと同様のものが使用でき、使用する樹脂の種類、接着層、及び機能層の厚さ、積層する方法も同様、それぞれ所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明のフッ素化合物転写フイルムは、本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用して本発明のフッ素化合物積層品を得る場合に、得られる本発明のフッ素化合物積層品が金属光沢を有するものとする目的で、保持層上(機能層上)に、金属薄膜層が全面もしくは部分的に積層されていても構わない。尚、金属薄膜層を部分的に積層する方法は従来公知のエッチング法等適宜選択すればよい。
尚、本発明のフッ素化合物転写フイルムを金属薄膜層が積層されたものとする場合には、該金属薄膜層は多孔質状のフッ素化合物層と接することのないよう、多孔質状のフッ素化合物層上に積層された保持層上に積層されるものとする。その場合に、上記本発明のフッ素化合物転写フイルム(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法)を使用し、本発明のフッ素化合物積層品を製造すると、金属薄膜層と成型品との密着力が弱くなるおそれがある為、該金属薄膜層上にさらに接着層が積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムとするのが好ましい。
上記金属薄膜層に使用する材料は、前述した本発明のフッ素化合物積層品に使用した材料と同様のものが使用でき、金属薄膜層の厚さ、積層方法も同様であり、それぞれ所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明のフッ素化合物転写フイルムは、保持層上(多孔質状のフッ素化合物層が積層されている側の反対側の面上)に、前記機能層、金属薄膜層、及び接着層のいずれかの層、またはこれらの層が組み合わされて積層されたものであっても当然構わず、各層が積層される順序、及び組み合わせは、所望の目的により適宜選択すればよい。尚、本発明のフッ素化合物転写フイルムを前記接着層が積層されたものとする場合には、該接着層は、本発明のフッ素化合物転写フイルムの最表層となる。
以下、プラスチックフイルム上に、少なくとも保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムの代表構成例を下記に示す。ただし、本発明のフッ素化合物転写フイルムは下記構成のものに限らない。
(G)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層
(H)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層/接着層
(I)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層(接着層)
(J)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層/機能層/接着層
(K)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層(機能層)/接着層
(L)プラスチックフイルム/多孔質状のフッ素化合物層/保持層/機能層/金属薄膜層/接着層
(M)プラスチックフイルム/離型層/多孔質状のフッ素化合物層/保持層/金属薄膜層/機能層/接着層
上記(I)、及び(K)の構成とした場合には、本発明のフッ素化合物転写フイルムに積層された保持層が接着層、または機能層を兼ねることとなる。
以上のように、本発明のフッ素化合物積層品は、成型品上に、少なくとも、樹脂からなる保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層されたものであるので、外観が白濁等により著しく悪化することもなく、積層された保持層により多孔質状のフッ素化合物層が確実に保持され容易に成型品上(保持層上)から欠落せず、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を発揮することができ、さらに耐薬品性試験(耐アルカリ性試験、耐塩素性試験等)後であっても各試験前の優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を維持することができる。そして、上記多孔質状のフッ素化合物層を多孔質状のパーフルオロカーボン層とすれば万全である。
また、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法は、フッ素化合物転写フイルムに積層された多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層を成型品上に転写し積層することで、成型品上に、少なくとも、保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物積層品を容易に得ることができ、本発明のフッ素化合物積層品を得るには、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法が最適な方法である。
そして、本発明のフッ素化合物転写積層品の製造方法を使用すれば、本発明のフッ素化合物積層品に使用する成型品の素材を制限することなく、フッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を成型品に容易に付与することができる。
また、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法を使用して得た本発明のフッ素化合物積層品は、他の製造方法で得た本発明のフッ素化合物積層品に比べて、保持層が多孔質状のフッ素化合物層をより確実に保持することができ、また成型品と密着することにより多孔質状のフッ素化合物層が成型品上(保持層上)から欠落することなくフッ素化合物が有する優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性が成型品により確実に付与される。その結果、得られた本発明のフッ素化合物積層品は、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐溶剤性を発揮することができ、さらに耐薬品性にも優れた本発明のフッ素化合物積層品となる。
そして、本発明のフッ素化合物積層の製造方法に使用するフッ素化合物転写フイルムは、本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用することが好ましい。
また、本発明のフッ素化合物転写フイルムは、プラスチックフイルム上に、少なくとも多孔質状のフッ素化合物層、及び樹脂からなる保持層が順次積層されたものであり、本発明のフッ素化合物積層品の製造方法で使用するフッ素化合物転写フイルムとして最適なものである。そして、前記多孔質状のフッ素化合物層がフッ素化合物を使用して蒸着法により積層されたものとすれば好ましく、また使用するフッ素化合物をパーフルオロカーボンとすれば万全である。
[フッ素化合物転写フイルムの作成]
(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法の(工程1)に相当)
[実施例1]
以下の(1)〜(4)の各工程を順に行い、プラスチックフイルム上に、離型層、多孔質状のフッ素化合物層、機能層(保持層)、及び接着層が順次積層された本発明のフッ素化合物転写フイルムを得た。
(1)厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、メラミン系樹脂をグラビアコート法でコーティングして厚さ0.8μmの離型層を積層した。
(2)前記離型層上に、フッ素化合物としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(三井・デュポン フロロケミカル社製 テフロン(登録商標)TLP 10F−1)を使用し、真空蒸着法で厚さ30nmの多孔質状のPTFE層を積層した。
尚、積層された多孔質状のPTFE層を電子顕微鏡で観察すると、フッ素化合物(PTFE)が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)で積層されていた。
(3)前記多孔質状のPTFE層上の全面に、機能層を兼ねる保持層として、アクリル系紫外線硬化型樹脂をリバースコート法でコーティングして厚さ5μmのハードコート層を積層した。
(4)前記ハードコート層上にウレタン系樹脂をグラビアコート法でコーティングして厚さ2μmの接着層を積層した。
[実施例2]
実施例1の(2)の工程で使用した、PTFEにかえて、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)((三井・デュポン フロロケミカル社製 テフロン(登録商標)FPE 5100−J)を使用し、真空蒸着法により厚さ30nmの多孔質状のFEP層を得たこと以外は実施例1と同様にして本発明のフッ素化合物転写フイルムを得た。
尚、積層された多孔質状のFEP層を電子顕微鏡で観察すると、フッ素化合物(FEP)が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)で積層されていた。
[フッ素化合物積層品の作成]
(本発明のフッ素化合物積層品の製造方法の(工程2)、及び(工程3)に相当)
[実施例3]
実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用し、以下の(5)〜(7)の各工程を順に行い、アクリル板上に接着層、ハードコート層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層された本発明のフッ素化合物積層品を得た。
(5)実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムの接着層と成型品である厚さ2mmのアクリル板の表面とを接するようにして重ねる工程
(6)実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムとアクリル板を重ねあわせたものを200℃に熱した熱ロールにはさみ込むようにして熱圧着させて、本発明のフッ素化合物転写フイルムとアクリル板とを密着させる工程
(7)実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
[実施例4]
実施例3で使用した、実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムにかえて、実施例2で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムを使用したこと以外は実施例3と同様にして本発明のフッ素化合物積層品を得た。
[比較例1]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、フッ素化合物としてFEP(三井・デュポン フロロケミカル社製 テフロン(登録商標)TE−9494)を使用し、真空蒸着法で厚さ30nmの多孔質状のFEP層を積層しフッ素化合物積層品を得た。(特許文献1記載のフッ素化合物積層品に相当するもの)
尚、積層された多孔質状のFEP層を電子顕微鏡で観察すると、実施例1と同様、フッ素化合物(FEP)が複雑に絡み合い重なりあって多数の隙間が形成された状態(多孔質状)で積層されていた。
[比較例2]
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アクリル系樹脂に撥水撥油性を有する添加剤であるフッ素系添加剤を混合した混合樹脂をグラビアコート法でコーティングして厚さ3μmのアクリル系混合樹脂層を積層したフッ素化合物積層品を得た。
[比較例3]
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、フッ素塗料(ダイキン工業社製 ゼッフルGK−550)をグラビアコート法でコーティングして厚さ1μmのフッ素塗料層を積層したフッ素化合物積層品を得た。
[参考例1]
実施例1で行った、(2)の工程を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、プラスチックフイルム上に、離型層、ハードコート層、及び接着層が順次積層されたハードコート転写フイルムを得た。
次に、 実施例3で使用した、実施例1で得た本発明のフッ素化合物転写フイルムにかえて、上記ハードコート転写フイルムを使用したこと以外は実施例3と同様にして、アクリル板上に接着層、及びハードコート層が順次積層されたハードコート成型品を得た。
[水、及び油の接触角の測定方法]
JIS R 3257 静滴法に準拠して、各試験試料の水、及び油(椿油)の接触角を測定する。
[撥水撥油性評価]
(評価内容)
試験試料表面の水、及び油(椿油)の接触角を測定した。
(試験試料)
5cm×5cmの大きさの実施例3、及び4で得た本発明のフッ素化合物積層品、及び比較例1で得たフッ素化合物積層品をそれぞれ2点用意し、水、及び油の接触角を測定する試験試料とした。
尚、実施例3で得た本発明のフッ素化合物積層品は多孔質状のPTFE層面、実施例4で得た本発明のフッ素化合物積層品は多孔質状のFEP層面、比較例1で得たフッ素化合物積層品は多孔質状のFEP層面、及び参考例1で得たハードコート成型品はハードコート層面をそれぞれ試験試料表面とした。
(評価結果)
表1に示す。
Figure 0005458425
多孔質状のフッ素化合物層が積層されていない参考例1で得たハードコート成型品は撥水撥油性を発揮することができないものであるに対して、実施例3、及び4で得た本発明のフッ素化合物積層品は、上記の通り、いずれも優れた撥水撥油性を発揮しており、参考例1で得たハードコート成型品に優れた撥水撥油性が付与されたものであることがわかる。
尚、詳細には、表1の通り、実施例3、及び4で得た本発明のフッ素化合物積層品は、いずれも水の接触角が100°以上、油の接触角が60°以上であり、優れた撥水撥油性を発揮しているのに対して、比較例1で得たフッ素化合物積層品は、水の接触角が130°、かつ油の接触角が30°であり、優れた撥水性を発揮していたが、優れた撥油性を発揮することができなかった。
このことから、比較例1で得たフッ素化合物積層品は、積層されている多孔質状のフッ素化合物層に形成された多数の隙間に水が浸透せず、フッ素化合物が有する撥水性を十分に発揮しているが、多孔質状のフッ素化合物層に形成された多数の隙間に油が浸透してしまう為、油の接触角が60°未満となってしまい、フッ素化合物が有する撥油性を十分に発揮することができなかったと考える。
[耐薬品性試験]
<耐塩素性試験>
(試験内容)
塩素性水溶液(10%−高濃度さらし粉、1%−NaOH)に浸した布ウエスを試験試料表面に0時間(布ウエス載置前)、96時間、168時間、240時間それぞれ載置(該布ウエスが乾かないように試験開始後24時間経過毎に布ウエスに塩素性水溶液を追加する)した後、アルコールで試験試料表面を洗浄(試験試料表面の汚れや塩素性水溶液を拭き取る)した後、試験試料表面の水接触角を測定した。
(試験試料)
5cm×5cmの大きさの実施例3、及び4で得た本発明のフッ素化合物積層品、及び比較例1、及び2で得たフッ素化合物積層品をそれぞれ1点用意し、各試験の試験試料とした。
尚、実施例3で得た本発明のフッ素化合物積層品は多孔質状のPTFE層面、実施例4で得た本発明のフッ素化合物積層品は多孔質状のFEP層面、比較例1で得たフッ素化合物積層品は多孔質状のFEP層面、比較例2で得たフッ素化合物積層品はアクリル系混合樹脂層面、及び比較例3で得たフッ素化合物積層品はフッ素塗料層面をそれぞれ試験試料表面とし、上記耐薬品性試験(耐塩素性試験)を行った。
また、参考例2として、ポリエチレンテレフタレートフイルムを使用して、その表面を試験試料表面とし、水の接触角を測定した。ただし、上記上記耐薬品性試験(耐塩素性試験)は実施していない。
(試験結果)
表2に示す。
Figure 0005458425
表2の通り、耐薬品性試験前(0時間)においては、実施例3、実施例4、及び比較例2の試験試料は水の接触角が100°以上であり、いずれも優れた撥水性を発揮していたが、比較例3の試験試料は水の接触角が81°であり、優れた撥水性を発揮していなかった。また、比較例1の試験試料は水の接触角が参考例2と同程度の接触角であり、やはり優れた撥水性を発揮していなかった。
このことから、比較例1で得たフッ素化合物積層品は、積層されていた多孔質状のFEP層とポリエチレンテレフタレートフイルムとの密着力が弱く、耐薬品性試験前にアルコールで試験試料表面を洗浄したことでポリエチレンテレフタレートフイルム上から多孔質状のFEP層が欠落しまい、耐薬品性試験前の時点で該フッ素化合物積層品表面には多孔質状のFEP層がほとんど存在しておらず、その結果、優れた撥水性を発揮することができないものであった。
そして、比較例2で得たフッ素化合物積層品は、耐薬品性試験後(耐塩素性試験240時間経過後)の水の接触角が50°であり、試験前の優れた撥水性を維持することができず、耐薬品性が悪いものであった。
また比較例1で得たフッ素化合物積層品は、耐塩素性試験を行うと96時間経過後には、試験試料表面が塩素性水溶液により侵されてしまい、正確な水の接触角が測定できず測定不可となり、耐薬品性が非常に悪いものであった。
そして、比較例3で得たフッ素化合物積層品においても、耐薬品性試験後(耐塩素性試験96時間経過後以降)の試験試料表面が塩素性水溶液により侵されてしまい、正確な水の接触角が測定できず測定不可となり、耐薬品性が非常に悪いものであった。その理由は、フッ素塗料層がポリエチレンテレフタレートフイルム上から脱落し、ポリエチレンテレフタレートフイルム上には存在していないと考えられる。
それに対して、実施例3,及び4で得た本発明のフッ素化合物積層品は、いずれも耐薬品性試験後(耐塩素性試験240時間経過後)であっても、水の接触角が88°であり、優れた撥水性を維持しており、耐薬品性に優れたものであった。
1 成型品
2 保持層
3 多孔質状のフッ素化合物層
3a フッ素化合物
3b 多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間
3c 多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間に樹脂が浸透している部分
4 プラスチックフイルム
5 接着層

Claims (6)

  1. 成型品上に、少なくとも、樹脂からなる保持層、及び多孔質状のフッ素化合物層が順次積層されているフッ素化合物積層品であって、下記(A)〜(C)の条件をすべて満足することを特徴とするフッ素化合物積層品。
    (A)多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなくフッ素化合物積層品表面に露出している
    (B)多孔質状のフッ素化合物層の厚さが、10〜500nmの範囲である
    (C)耐薬品性試験後(240時間経過後)のフッ素化合物積層品の表面の水の接触角(JIS R 3257 静滴法に準拠)が85°以上である
  2. 多孔質状のフッ素化合物層が、多孔質状のパーフルオロカーボン層である請求項1記載のフッ素化合物積層品。
  3. 請求項1記載のフッ素化合物積層品の製造方法であって、少なくとも、以下(工程1)〜(工程3)を順次行うことを特徴とするフッ素化合物積層品の製造方法。
    (工程1)プラスチックフイルムの片面に、少なくとも、フッ素化合物を蒸着して多孔質状のフッ素化合物層を厚さ10〜500nmの範囲で積層した後、該多孔質状のフッ素化合物層上に、樹脂をコーティングして保持層を積層することで、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを製造する工程であって、多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出しているフッ素化合物転写フイルムを製造する工程
    (工程2)前記フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面と成型品表面とを接するようにして密着させる工程
    (工程3)前記フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
  4. 請求項2記載のフッ素化合物積層品の製造方法であって、少なくとも、以下(工程1)〜(工程3)を順次行うことを特徴とするフッ素化合物積層品の製造方法。
    (工程1)プラスチックフイルムの片面に、少なくとも、パーフルオロカーボンを蒸着して多孔質状のパーフルオロカーボン層を厚さ10〜500nmの範囲で積層した後、該多孔質状のパーフルオロカーボン層上に、樹脂をコーティングして保持層を積層することで、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のパーフルオロカーボン層、及び保持層が順次積層されたフッ素化合物転写フイルムを製造する工程であって、多孔質状のパーフルオロカーボン層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のパーフルオロカーボン層とが一体化しており、かつ多孔質状のパーフルオロカーボン層表面(多孔質状のパーフルオロカーボン層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出しているフッ素化合物転写フイルムを製造する工程
    (工程2)前記フッ素化合物転写フイルムの保持層側の面と成型品表面とを接するようにして密着させる工程
    (工程3)前記フッ素化合物転写フイルムのプラスチックフイルムを剥離する工程
  5. 請求項3記載のフッ素化合物積層品の製造方法に使用する転写フイルムであって、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のフッ素化合物層、及び樹脂からなる保持層が順次積層されており、かつ下記(A)及び(B)の条件を満足することを特徴とするフッ素化合物転写フイルム。
    (A)多孔質状のフッ素化合物層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のフッ素化合物層とが一体化しており、かつ多孔質状のフッ素化合物層表面(多孔質状のフッ素化合物層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出している
    (B)多孔質状のフッ素化合物層の厚さが、10〜500nmの範囲である
  6. 請求項4記載のフッ素化合物積層品の製造方法に使用する転写フイルムであって、プラスチックフイルム上に、少なくとも、多孔質状のパーフルオロカーボン層、及び樹脂からなる保持層が順次積層されており、かつ下記(A)及び(B)の条件を満足することを特徴とするフッ素化合物転写フイルム。
    (A)多孔質状のパーフルオロカーボン層に形成されている隙間の一部または全てに保持層で使用する樹脂が浸透することにより保持層と多孔質状のパーフルオロカーボン層とが一体化しており、かつ多孔質状のパーフルオロカーボン層表面(多孔質状のパーフルオロカーボン層の保持層と接している側の反対側の面)が保持層で使用する樹脂に覆われることなく露出している
    (B)多孔質状のパーフルオロカーボン層の厚さが、10〜500nmの範囲である
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