以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における光ピックアップについて図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における光ピックアップの構成を示す図である。図1に示す光ピックアップは、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、偏光ビームスプリッタ4、4分の1波長板5、集光レンズ群7、第1の検出レンズ11、第1のディテクタ12、第2の検出レンズ13及び第2のディテクタ14を備える。
半導体レーザ1は、所定の偏光状態の光を出射する。図1に示すように、集光レンズ群7は、球面部と光情報媒体9の表面に平行な平面部とを有するソリッドイマージョンレンズ(SIL)8と、対物レンズ6とにより構成される。集光レンズ群7の開口数は1.5以上である。
ソリッドイマージョンレンズ8は、例えば半球状である。
第1の検出レンズ11は、集光レンズ群7により集光された光の光情報媒体9からの反射光を集光させる。第1のディテクタ12は、第1の検出レンズ11によって集光された光情報媒体9からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する。
第2の検出レンズ13は、集光レンズ群7により集光された光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に集光させる。第2のディテクタ14は、第2の検出レンズ13によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光量を検出することにより、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する。
ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置される。ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に向けて反射させる。
偏光ビームスプリッタ4は、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置される。偏光ビームスプリッタ4は、ビームスプリッタ3を透過した光を透過させ、光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に向けて反射させる。
4分の1波長板5は、偏光ビームスプリッタ4を透過した光の光路上に配置される。集光レンズ群7は、4分の1波長板5を透過した光の光路上に配置される。第1の検出レンズ11は、偏光ビームスプリッタ4によって反射された光情報媒体9からの反射光の光路上に配置される。第2の検出レンズ13は、ビームスプリッタ3によって反射されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光路上に配置される。
ギャップ制御部10は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離を制御する。ギャップ制御部10は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離(ギャップ)を、例えば50nm程度以下の距離に維持する。
図1の光ピックアップにおいては、半導体レーザ1より発せられ光情報媒体9により反射された反射光(戻り光)のうち、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間の距離が0であるときの反射光の偏光状態に対し直交する偏光状態の成分を検出することによって、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間の距離に対応したギャップエラー信号が得られるようになっている。
すなわち、光ピックアップにおいては、半導体レーザ1から発せられた光束は、コリメータレンズ2によって平行光束に変換されて、ビームスプリッタ3に入射する。
ビームスプリッタ3を透過した光束は、続いて、偏光ビームスプリッタ4に入射する。半導体レーザ1から発せられた光束は、偏光ビームスプリッタ4の反射面に対してP偏光となっている。そのため、偏光ビームスプリッタ4に入射した光束は、反射面を透過して、偏光ビームスプリッタ4を透過する。
偏光ビームスプリッタ4を透過した光束は、4分の1波長板5を透過することにより円偏光に変換され、対物レンズ6に入射する。
対物レンズ6は、入射された平行光束を収束させ、ソリッドイマージョンレンズ8に入射させる。対物レンズ6の集光点は、光情報媒体9の表面に平行に近接されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部の近傍に形成される。
このように、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部に集光された光束は、エバネッセント波として、光情報媒体9の情報記録層上に集光する。この場合、集光レンズ群7の開口数NAは、例えば、1.5以上となる。
図1に示す光ピックアップは、記録ピット(凹凸マーク)により情報信号が記録された光情報媒体又は相変化を利用して情報信号が記録された光情報媒体を再生する。すなわち、光情報媒体9の情報記録層上に集光された光束は、情報記録層上における記録ピットの有無等によって異なる反射の仕方をして、集光レンズ群7及び4分の1波長板5を経て、偏光ビームスプリッタ4に戻ってくる。
光情報媒体9によって反射されて集光レンズ群7側に戻ってきた光束は、4分の1波長板5を透過することにより、円偏光から直線偏光に変換される。このときの偏光方向は、半導体レーザ1から出射された光束の偏光方向に対して直交する方向となっている。
したがって、光情報媒体9に反射されて4分の1波長板5を透過した光束は、偏光ビームスプリッタ4の反射面に対してS偏光となっている。S偏光の反射光は、偏光ビームスプリッタ4の反射面により反射され、第1の検出レンズ11により集光され、光情報媒体9からの再生信号を得るための第1のディテクタ12に受光される。
一方、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は全反射により偏光状態が回転しているため、P偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ4を透過し、ビームスプリッタ3の反射面によって反射される。ビームスプリッタ3によって反射された光は、第2の検出レンズ13により集光され、ギャップエラー信号を得るための第2のディテクタ14に受光される。ギャップエラー信号は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との距離に対応した信号である。
第2のディテクタ14における受光量と、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離(エアギャップ)との関係において、ギャップ制御部10は、第2のディテクタ14での光量を所定量に保つように、ソリッドイマージョンレンズ8の光情報媒体9に対する接離方向の位置を制御する。これにより、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離(エアギャップ)を所定の距離に保持することができる。
ところで、本実施の形態1の光ピックアップでは、図示しない球面収差補正部を用いることにより、2層又は3層以上の複数の情報記録層を有する多層光情報媒体に情報を記録又は再生することも可能である。その場合、情報を記録又は再生する情報記録層に対し、他の情報記録層からの戻り光(迷光)の影響が重大な課題となる。
以下、図2を用いて、3つの情報記録層L1,L2,L3を有する多層光情報媒体における迷光について、詳細な説明を行う。
図2は、図1の光ピックアップにおいて、再生信号及びフォーカスエラー信号を検出するための検出光学系を示す図である。
具体的には、図2に示す光学系では、半導体レーザ1からの光が、光情報媒体9へ入射し、さらに、光情報媒体9から反射され、光情報媒体9によって反射された光が、第1の検出レンズ11によって第1のディテクタ12に集光される。なお、図2では、ソリッドイマージョンレンズ8、光情報媒体9、第1の検出レンズ11及び第1のディテクタ12のみを表記し、他の構成要素については省略している。
また、図2では、各情報記録層L1,L2,L3は、等しい間隔tを有するとともに、それぞれ等しい屈折率nを有することとし、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光を情報記録層L2へ集光し、情報記録層L2に情報を記録又は再生する場合について説明する。
すなわち、光情報媒体9は、光入射面から遠い順に、情報記録層L1、情報記録層L2及び情報記録層L3を有し、情報記録層L1と情報記録層L2との間の間隔、情報記録層L2と情報記録層L3との間の間隔、及び情報記録層L3と光入射面(光情報媒体9の表面)との間の間隔は、それぞれ等しい。また、情報記録層L1、情報記録層L2及び情報記録層L3は、それぞれ等しい屈折率を有している。
さらに、迷光は、すべての情報記録層からの反射光により発生するが、特に、情報を記録又は再生する層(図2における情報記録層L2)に隣接する情報記録層(図2における情報記録層L1及び情報記録層L3)からの反射光が支配的である。そのため、図2の情報記録層L1、情報記録層L2及び情報記録層L3にのみ着目する。
ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光200は、情報記録層L2へ集光され、情報記録層L2で反射光201として反射される。
ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光200の一部の収束光は、情報記録層L2へ到達する前に情報記録層L3で反射光202として反射される。さらに、情報記録層L2に集光された光の一部は、情報記録層L2を透過し、情報記録層L1で反射光203として反射される。
情報記録層L1からの反射光203及び情報記録層L3からの反射光202は、情報記録層L2からの反射光(再生信号光)201とともにソリッドイマージョンレンズ8に戻り、さらに、第1の検出レンズ11により、第1のディテクタ12に集光される。そして、第1のディテクタ12は、受光した光に基づいて再生信号を得る。
この場合、情報記録層L2からの反射光201は、第1のディテクタ12の受光面F2に集光される。情報記録層L1からの反射光203は、受光面F2から第1の検出レンズ11に近づく方向へδF離れた収束面F1に向かって収束し、情報記録層L3からの反射光202は、受光面F2から第1の検出レンズ11とは反対の方向へδF離れた収束面F3に向かって収束する。反射光202及び反射光203は、それぞれ直径d1の光スポットサイズをもつ光ビームとして、受光面F2に到達する。
したがって、迷光の影響を抑えるには、第1のディテクタ12において、情報記録層L2からの再生信号光量に対する、情報記録層L1及び情報記録層L3からの反射光の光量を少なくすればよい。
すなわち、光ビームの直径d1を、第1のディテクタ12の受光面F2のサイズよりも極力大きくし、情報記録層L1及び情報記録層L3からの反射光の取り込み量を減少させればよい。
ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光の開口数をNA1とし、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7と第1の検出レンズ11とにより構成される検出光学系の光学倍率(横倍率)をMとした場合、光ビームの直径d1は、下記の(1)式で示される。
d1=4t/n×M2×NA1/(M2−NA1 2)1/2・・・(1)
ここで、第1のディテクタ12の受光面F2のサイズを大きくすると、キャパシタンスが増えるため、周波数特性が悪くなる。また、第1のディテクタ12の受光面F2のサイズを小さくし過ぎると、経時変化又は温度変動などによる検出位置変動に対して不利になる。
このため、第1のディテクタ12の受光面F2のサイズは、例えば100μm×100μm程度とすることが好ましい。
また、各情報記録層の間隔tは2μmであり、各情報記録層を構成する材料の屈折率nは1.6である場合、第1のディテクタ12の受光素子の面積に対する迷光の面積比を上記の(1)式を用いて計算すると、図3のグラフが得られる。
図3は、本発明の実施の形態1において、光学倍率Mと、再生信号光及びフォーカス信号光の第1のディテクタ上での集光スポットと受光素子との面積比との関係を示す図である。図3では、ソリッドイマージョンレンズ8の開口数NAが1.5、1.75及び2.0である場合の、光学倍率Mと、再生信号光及びフォーカス信号光の第1のディテクタ上での集光スポットと受光素子との面積比との関係を示している。
迷光による再生信号光への影響を少なくするためには、迷光の面積は、第1のディテクタ12の受光面の面積の少なくとも3倍以上必要である。
したがって、図3のグラフより、ソリッドイマージョンレンズ8の開口数を1.5以上にした場合、光学倍率Mが30倍以上となるように、第1の検出レンズ11が選択される。これにより、迷光の面積が、第1のディテクタ12の受光面F2(受光素子)の面積の4倍以上となり、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制するとともに、周波数特性が良好であり、かつ、安定した再生信号を得ることが可能となる。
以上のように、本実施の形態1の光ピックアップは、所定の偏光状態の光を出射する半導体レーザ1(光源)と、半導体レーザ1から出射された光を集光させる、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7と、集光レンズ群7により集光された光の光情報媒体9からの反射光を集光させる第1の検出レンズ11(第1の集光部)と、第1の検出レンズ11によって集光された光情報媒体9からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する第1のディテクタ12(第1の光検出器)とを備える。
そして、複数の情報記録層のうちの所定の情報記録層に光が集光された場合に、所定の情報記録層と隣り合う情報記録層からの反射光の第1のディテクタ12上の光スポットの面積は、第1のディテクタ12の受光面F2の面積の3倍以上となるように、集光レンズ群7と第1の検出レンズ11とを含む第1の光学系の光学倍率Mが決定される。この構成により、迷光による再生信号光への影響を少なくすることができる。
さらに、本実施の形態1の光ピックアップは、集光レンズ群7の開口数が、1.5以上であるとき、第1の光学系の光学倍率Mは、M≧30を満たす。
この構成により、迷光の面積が、第1のディテクタ12の受光面F2の面積の4倍以上となり、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制するとともに、周波数特性が良好であり、かつ、安定した再生信号を得ることが可能となる。
次に、図4〜図6を用いて、3つの情報記録層L1,L2,L3を有する多層光情報媒体におけるギャップエラー信号を検出するギャップエラー検出光学系について詳細に説明する。
図4〜図6は、図1の光ピックアップにおいて、ギャップエラー信号を検出するための検出光学系を示す図である。図4は、ギャップエラー信号を検出するための検出光学系において、情報記録層L3に集光する光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を示す図であり、図5は、ギャップエラー信号を検出するための検出光学系において、情報記録層L2に集光する光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を示す図であり、図6は、ギャップエラー信号を検出するための検出光学系において、情報記録層L1に集光する光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を示す図である。
具体的には、図4〜図6に示す光学系では、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部によって反射された光が、第2の検出レンズ13によって第2のディテクタ14に集光される。なお、図4〜図6では、ソリッドイマージョンレンズ8、光情報媒体9、第2の検出レンズ13及び第2のディテクタ14のみを表記し、他の構成要素については省略している。
また、図4〜図6では、各情報記録層L1,L2,L3は、等しい間隔tを有するとともに、それぞれ等しい屈折率nを有し、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光を、各情報記録層L1,L2,L3へ選択的に集光し、それぞれの情報記録層に情報を記録又は再生する場合について説明する。
図4〜図6において、情報記録層L2は、情報記録層L1及び情報記録層L3の中間に位置するため、情報記録層L2に対して光学的に共役な位置f2と、第2の検出レンズ13の焦点位置とが等しくなるように光学系が配置される。
ギャップエラー信号は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を検出することにより得られるため、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、情報記録層L2に対して光学的に共役な位置f2からずれた位置(受光面F2)に集光する。
ここで、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部から光情報媒体9までの間隔(ギャップ)をgとし、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の仮想的な発光点を、図4〜図6に示す情報記録層L2から光路長がΔfずれた位置とし、仮想的な発光点からの光が集光する集光点と、情報記録層L2に対して光学的に共役な位置f2との間隔をΔFとする。
図4〜図6に示すソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7と第2の検出レンズ13とにより構成される検出光学系の光学倍率(横倍率)をmとした場合、間隔ΔFは、下記の(2)式で示される。
ΔF=Δf×m2=2(2t/n+g)×m2・・・(2)
上記の(2)式によって算出される間隔ΔFに対応する位置に、第2のディテクタ14の受光面が配置されることにより、第2のディテクタ14におけるギャップエラー信号の検出範囲を最大にすることが可能となる。
ところで、情報記録層L1、情報記録層L2又は情報記録層L3へ選択的に集光し、それぞれの情報記録層に情報を記録又は再生する場合、各情報記録層に対応する第2のディテクタ14上での光スポットサイズはそれぞれ変化する。
具体的には、図4は、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光200を情報記録層L3へ集光した状態である。ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光221は、第2の検出レンズ13により収束面F3に向かって収束し、第2のディテクタ14上において直径d2を有する光スポットが形成される。
また、図5は、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光200を情報記録層L2へ集光した状態である。ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光222は、第2の検出レンズ13により第2のディテクタ14上の受光面F2に向かって収束する。
さらに、図6は、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光200を情報記録層L1へ集光した状態である。ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光223は、第2の検出レンズ13により収束面F1に向かって収束し、第2のディテクタ14上において直径d2を有する光スポットが形成される。
したがって、上記の(2)式によって算出される間隔ΔFに対応する位置に、第2のディテクタ14の検出面が配置された場合、情報記録層L2に情報を記録又は再生するために、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7の出射光の焦点位置を情報記録層L2に合わせたときの第2のディテクタ14上での光スポットサイズは最小となる。
しかしながら、情報記録層L1又は情報記録層L3に情報を記録又は再生するために、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7の出射光の焦点位置を、情報記録層L1又は情報記録層L3にフォーカス調整した場合の第2のディテクタ14上での光スポットサイズは、焦点位置を情報記録層L2に合わせた場合の光スポットサイズよりも大きくなる。
ギャップエラー信号を正確に検出するためには、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、すべての情報記録層にそれぞれフォーカスを合わせた場合に、第2のディテクタ14に完全に取り込まれる必要がある。
そのためには、各情報記録層にフォーカスが合わせられたときの、第2のディテクタ14上での光スポットサイズが、受光素子(受光面)のサイズよりも小さくなければならない。
図4〜図6において、情報記録層L1又は情報記録層L3にフォーカスが合わせられた際の第2のディテクタ14上での光スポットの直径d2は下記の(3)式を用いて算出される。
d2=4t/n×m2×NA1/(m2−NA1 2)1/2・・・(3)
なお、上記の(3)式において、tは、隣接する情報記録層の間隔を表し、nは、情報記録層の屈折率を表し、mは、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7と第2の検出レンズ13とにより構成される検出光学系の光学倍率(横倍率)を表し、NA1は、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光の開口数を表す。
ここで、第2のディテクタ14の受光面のサイズを大きくすると、キャパシタンスが増えるため、周波数特性が悪くなる。また、第2のディテクタ14のサイズを小さくし過ぎると、経時変化又は温度変動などによる検出位置変動に対して不利になる。
このため、第1のディテクタ12と同様に、第2のディテクタ14の受光面のサイズは、例えば100μm×100μm程度とすることが好ましい。
各情報記録層の間隔tは2μmであり、各情報記録層を構成する材料の屈折率nは1.6である場合、第2のディテクタ14の受光素子の面積に対する、第2のディテクタ14上での光スポットの面積比を上記の(3)式を用いて計算すると、図7のグラフが得られる。
図7は、本発明の実施の形態1において、光学倍率mと、ギャップエラー信号光の第2のディテクタ上での集光スポットと受光素子との面積比との関係を示す図である。図7では、ソリッドイマージョンレンズ8の開口数NAが1.5、1.75及び2.0である場合の、光学倍率mと、ギャップエラー信号光の第2のディテクタ14上での集光スポットと受光素子との面積比との関係を示している。
図7のグラフより、ソリッドイマージョンレンズ8の開口数を2.0以下にした場合、光学倍率mが10倍以下となるように、第2の検出レンズ13が選択される。これにより、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の第2のディテクタ14上での集光スポットと第2のディテクタ14の受光面(受光素子)との面積比は1倍以下となり、光スポットは常に第2のディテクタ14の受光素子(受光面)をはみ出さないので、周波数特性が良好であり、かつ、安定したギャップエラー信号を得ることが可能となる。
以上のように、本実施の形態1の光ピックアップは、所定の偏光状態の光を出射する半導体レーザ1(光源)と、半導体レーザ1から出射された光を集光させる、ソリッドイマージョンレンズ8を含む集光レンズ群7と、集光レンズ群7により集光された光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を集光させる第2の検出レンズ13(第2の集光部)と、第2の検出レンズ13によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光量を検出することにより、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する第2のディテクタ14(第2の光検出器)とを備える。
そして、本実施の形態1の光ピックアップは、光情報媒体9の複数の情報記録層のうちのいずれの情報記録層に光を集光した場合であっても、第2のディテクタ14上の光スポットの面積が、第2のディテクタ14の受光面の面積以下となるように、集光レンズ群7と第2の検出レンズ13とを含む第2の光学系の光学倍率mが決定される。
この構成により、各情報記録層にフォーカスが合わせられたときの、第2のディテクタ14上での光スポットサイズが、受光素子のサイズよりも小さくなる。これにより、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、すべての情報記録層にそれぞれフォーカスを合わせた場合に第2のディテクタ14に完全に取り込まれる。したがって、ギャップエラー信号を正確に検出することができる。
さらに、本実施の形態1の光ピックアップは、集光レンズ群7の開口数が、2.0以下であるとき、第2の光学系の光学倍率mは、m≦10を満たす。
この構成により、面積比は1倍以下となり、光スポットは常に第2のディテクタ14の受光素子(受光面)をはみ出さないので、周波数特性が良好であり、かつ、安定したギャップエラー信号を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態1の光ピックアップは、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置され、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に向けて反射させるビームスプリッタ3(第1の光路分割部)と、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置され、ビームスプリッタ3を透過した光を透過させ、光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に向けて反射させる偏光ビームスプリッタ4(第2の光路分割部)と、偏光ビームスプリッタ4を透過した光の光路上に配置される4分の1波長板5とをさらに備える。そして、集光レンズ群7は、4分の1波長板5を透過した光の光路上に配置される。
また、第1の検出レンズ11(第1の集光部)は、偏光ビームスプリッタ4によって反射された光情報媒体9からの反射光の光路上に配置される。
また、第2の検出レンズ13(第2の集光部)は、ビームスプリッタ3によって反射されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光路上に配置される。
以上、述べてきた内容によれば、図2に示す再生信号及びフォーカスエラー信号を検出する検出光学系においては、当該検出光学系の光学倍率(横倍率)Mを大きくする必要があり、図4〜図6に示すギャップエラー信号を検出する検出光学系においては、当該検出光学系の光学倍率(横倍率)mを抑える必要がある。
上述したように、再生信号光検出用の第1のディテクタ12上の再生信号光の光スポットの直径d1は、上記の(1)式で表される。
ここで、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制するためには、直径d1を第1のディテクタ12の受光面のサイズより大きくする必要がある。このとき、例えば、第1のディテクタ12が正方形であれば、直径d1と第1のディテクタ12の各辺の長さS1との関係は、d1>S1を満たす。
また、上述したように、ギャップエラー信号検出用の第2のディテクタ14上のギャップエラー信号光の光スポットの直径d2は、上記の(3)式で表される。
ここで、多層光情報媒体の各情報記録層においてギャップエラー信号を正確に検出するためには、直径d2を第2のディテクタ14の受光面のサイズより小さくする必要がある。このとき、例えば、第2のディテクタ14が正方形であれば、直径d2と第2のディテクタ14の各辺の長さS2との関係は、d2<S2を満たす。
ここで、ディテクタのサイズSは、検出信号の周波数特性に影響を及ぼす。さらに、再生信号光検出用の第1のディテクタ12と、ギャップエラー信号検出用の第2のディテクタ14とは、同程度の周波数特性が必要となる。このため第1のディテクタ12の各辺の長さS1と、第2のディテクタ14の各辺の長さS2との関係は、S1=S2を満たすことが好ましい。従って、上述のように、d1>S1であり、かつd2<S2であるので、直径d1と直径d2との関係は、d1>d2を満たす。
直径d1と直径d2との関係は、上述の(1)式及び(3)式に基づいて、下記の(4)式で表される。
4t/n×M2×NA1/(M2−NA1 2)1/2>4t/n×m2×NA1/(m2−NA1 2)1/2・・・(4)
ここで、(4)式の両辺とも正なので、両辺を(4t/n)×NA 1 で除算して整理すると、下記の(5)式が導き出される。
M2/(M2−NA1 2)1/2>m2/(m2−NA1 2)1/2・・・(5)
光ピックアップにおいては、対物レンズの収束光は、1μm以下と小さい。かつ、光検出器は、数百μmオーダーと大きい。このため、光学倍率M及び光学倍率mの値はそれぞれ大きくなる。これに対して、対物レンズの開口数は1.5程度である。このことから、M2>>NA1 2及びm2>>NA1 2とすると、上記の(5)式は、下記の(6)式で表される。
M>m・・・(6)
したがって、集光レンズ群7と第1の検出レンズ11とを含む光学系の光学倍率Mと、集光レンズ群7と第2の検出レンズ13とを含む光学系の光学倍率mとが、上述の(6)式の関係を満たせば、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制することができ、さらに、ギャップエラー信号の検出を高精度に行うことが可能になる。
このように、図1の光ピックアップにて、2層又は3層以上の複数の情報記録層を有する多層光情報媒体に情報を記録又は再生する場合、(再生信号及びフォーカスエラー信号を検出する検出光学系の光学倍率(横倍率)M)は、ギャップエラー信号を検出する検出光学系の光学倍率(横倍率)mよりも大きいことが好ましい。
さらに、具体的には、前述したように、光学倍率Mは30倍以上であり、かつ光学倍率mは10倍以下であることが望ましい。これにより、周波数特性が良好であり、かつ、安定した再生信号及びギャップエラー信号を得ることができる。
これにより、2層又は3層以上の複数の情報記録層を有する多層光情報媒体に情報を記録又は再生する場合において、再生信号光及びフォーカスエラー信号光に対して、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制することができ、さらに、ギャップエラー信号の検出を高精度に行うことが可能になる。したがって、高密度光情報媒体を多層化した場合においても、ソリッドイマージョンレンズを用いた光ピックアップにおいて、安定にサーボを行うことができ、低い誤り率で情報の記録又は再生が可能となる。
なお、図4〜図6は、光情報媒体9の情報記録層の層数が3層である場合を示しているが、光情報媒体9の情報記録層の層数をkとすると、間隔ΔFの値は、下記の(7)式で表される。
ΔF=2(((1+k)/2)t/n+g)×m2・・・(7)
上記の(7)式によって算出される間隔ΔFに対応する位置に、第2のディテクタ14の受光面が配置されることにより、第2のディテクタ14におけるギャップエラー信号の検出範囲を最大にすることが可能となる。
また、本実施の形態1においては、ソリッドイマージョンレンズ8からの出射光を、情報記録層L2へ集光し、情報記録層L2に情報を記録又は再生する場合について説明しているが、情報記録層L2以外の他の情報記録層に情報を記録又は再生する場合についても上記と同様である。
本実施の形態1では、半導体レーザ1から発せられた光束が、コリメータレンズ2によって平行光束に変換され、集光レンズ群7によって平行光束が光情報媒体9に集光されているが、本実施の形態1の光ピックアップは、コリメータレンズ2の光軸方向の位置を変化させることにより、フォーカス位置制御を行う構成としても良い。これにより、例えば、光情報媒体9とソリッドイマージョンレンズ8との間のギャップを常に一定にしたままフォーカス制御が行えるため、ソリッドイマージョンレンズ8と光情報媒体9との光結合効率を一定にすることができ、安定した信号再生及びギャップ制御を行うことが可能となる。
さらに、本実施の形態1の光ピックアップは、コリメータレンズ2を省略してもよく、半導体レーザ1から発せられた光束を集光レンズ群7によって光情報媒体9に集光する有限光学系の構成であってもよい。
この場合、第1の検出レンズ11及び第2の検出レンズ13のいずれかを省略することが可能であり、これにより光学構成を簡素化することができる。
本実施の形態1では、ソリッドイマージョンレンズ8は半球状としているが、これに限らず、たとえば、超球状であってもよい。
また、図1では、偏光ビームスプリッタ4から第1の検出レンズ11までの距離と、ビームスプリッタ3から第2の検出レンズ13までの距離とが等しく、第1の検出レンズ11から第1のディテクタ12までの距離と、第2の検出レンズ13から第2のディテクタ14までの距離とが異なるが、本発明は特にこれに限定されない。たとえば、第1のディテクタ12と第2のディテクタ14とを同一のディテクタの異なる受光部とし、偏光ビームスプリッタ4から第1の検出レンズ11までの距離と、ビームスプリッタ3から第2の検出レンズ13までの距離とを異ならせても良い。
さらに、図1においては、ビームスプリッタ3及び偏光ビームスプリッタ4はキューブ型であるが、本発明は特にこれに限定されず、たとえば、プレート型であってもよい。
なお、本実施の形態1においては、ディテクタの受光面のサイズを100μm×100μmとし、情報記録層の間隔tを2μmとし、情報記録層を構成する材料の屈折率nを1.6としているが、これに限られるものではない。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における光ピックアップについて図8を参照して説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成を示す図である。図8に示す光ピックアップは、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、集光レンズ群7、第1のディテクタ12、第2の検出レンズ13、第2のディテクタ14、レンズ15及び偏光光学素子16を備える。集光レンズ群7は、対物レンズ6及びソリッドイマージョンレンズ8を備える。なお、図8に示す光ピックアップにおいて、図1に示す光ピックアップと同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8の光ピックアップは、図1とは異なり、再生信号光(及び/又はフォーカスエラー信号光)と、ギャップエラー信号光とを同一のビームスプリッタ3からの反射光から得て、偏光光学素子16によって再生信号光とギャップエラー信号光とを分離し、再生信号光とギャップエラー信号光とをそれぞれ異なるディテクタで検出する構成を有する。
ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置される。ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と光情報媒体9からの反射光とを含む混合光を反射させる。
偏光光学素子16は、ビームスプリッタ3によって反射された混合光の光路上に配置される。偏光光学素子16は、ビームスプリッタ3によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と、光情報媒体9からの反射光とに分離する。集光レンズ群7は、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置される。
第2の検出レンズ13は、偏光光学素子16によって分離された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に集光させるとともに、偏光光学素子16によって分離されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に集光させる。レンズ15は、第2の検出レンズ13により集光された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12にさらに集光又は発散させる。
図8において、半導体レーザ1から発せられた光束は、コリメータレンズ2によって平行光束に変換されて、ビームスプリッタ3に入射する。ビームスプリッタ3を透過した光束は、ソリッドイマージョンレンズ8とともに集光レンズ群7を構成する対物レンズ6に入射する。
対物レンズ6は、入射された平行光束を収束させて、ソリッドイマージョンレンズ8に入射させる。対物レンズ6の集光点は、光情報媒体9の表面に平行に近接されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部の近傍に形成される。ソリッドイマージョンレンズ8は、対物レンズ6によって集光された光束をエバネッセント波として光情報媒体9の情報記録層上に集光させる。また、対物レンズ6によって集光された光束の一部は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部によって反射される。
光情報媒体9の情報記録層上からの反射光は、ビームスプリッタ3の反射面で反射される。ビームスプリッタ3によって反射された光は、偏光光学素子16によってソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と分離され、第2の検出レンズ13によって集光される。第2の検出レンズ13によって集光された光情報媒体9からの反射光は、さらに、レンズ15を透過し、光情報媒体9からの再生信号を得るための第1のディテクタ12に受光される。
また、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、ビームスプリッタ3の反射面で反射される。ビームスプリッタ3によって反射された光は、偏光光学素子16によって光情報媒体9からの反射光と分離される。このとき、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部での全反射により偏光状態が回転している。そのため、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、光情報媒体9からの反射光とは異なる方向に偏向される。
従って、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光は、第2の検出レンズ13を透過した後、第1のディテクタ12とは異なる位置に配置された第2のディテクタ14に集光される。第2のディテクタ14からの信号出力に基づいて、ソリッドイマージョンレンズ8と光情報媒体9との間隔に応じたギャップエラー信号が得られる。
第2のディテクタ14における受光量と、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離(エアギャップ)との関係において、ギャップ制御部10は、第2のディテクタ14での光量を所定量に保つように、ソリッドイマージョンレンズ8の光情報媒体9に対する接離方向の位置を制御する。これにより、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部と光情報媒体9の表面との間の距離(エアギャップ)を所定の距離に保持することができる。
図8の光ピックアップも、実施の形態1と同様、多層光情報媒体に情報を良好に記録又は再生するためには、再生信号及びフォーカスエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)Mが、ギャップエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)mより大きくなるように、第2の検出レンズ13及びレンズ15を選択する必要がある。レンズ15は、たとえば、凹レンズである。
なお、偏光光学素子16としては、ウォラストンプリズム又は偏光ホログラムなどを用いることができる。
ウォラストンプリズムは、入射した光ビームの偏光に応じて異なる角度で出射することにより光ビームを分離する光学素子である。
また、偏光ホログラムは、特定の偏光の光ビームのみを回折し、特定の偏光とは異なる偏光の光ビームを回折せずに透過させる光学素子である。
その他の内容については、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態2の光ピックアップは、所定の偏光状態の光を出射する半導体レーザ1(光源)と、ソリッドイマージョンレンズ8を含み、半導体レーザ1から出射された光を集光させる集光レンズ群7と、集光レンズ群7により集光された光の光情報媒体9からの反射光を集光する第2の検出レンズ13及びレンズ15(第1の集光部)と、第2の検出レンズ13及びレンズ15によって集光された光情報媒体9からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する第1のディテクタ12(第1の光検出器)とを備える。
さらに、本実施の形態2の光ピックアップは、集光レンズ群7により集光された光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を集光する第2の検出レンズ13(第2の集光部)と、第2の検出レンズ13によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光量を検出することにより、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する第2のディテクタ14(第2の光検出器)を備える。
さらに、本実施の形態2の光ピックアップは、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置され、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と光情報媒体9からの反射光とを含む混合光を反射させるビームスプリッタ3(光路分割部)と、ビームスプリッタ3によって反射された混合光の光路上に配置され、ビームスプリッタ3によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と、光情報媒体9からの反射光とに分離する偏光光学素子16(偏光分離素子)とを備える。そして、集光レンズ群7は、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置される。
また、本実施の形態2における第1の集光部は、偏光光学素子16によって分離された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に集光させるとともに、偏光光学素子16によって分離されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に集光させる第2の検出レンズ13(第3の集光レンズ)と、第2の検出レンズ13により集光された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12にさらに集光又は発散させるレンズ15(第4の集光レンズ)とを含む。
また、本実施の形態2における第2の集光部は、第2の検出レンズ13(第3の集光レンズ)を含む。
本実施の形態2においては、実施の形態1よりも光学部品の点数を少なくすることができるため、光学系の構成を小型化し、光ピックアップのコストを低減することが可能になる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における光ピックアップについて図9を参照して説明する。
図9は、本発明の実施の形態3における光ピックアップの構成を示す図である。図9に示す光ピックアップは、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、集光レンズ群7、第1のディテクタ12、第2の検出レンズ13、第2のディテクタ14、偏光光学素子16及びレンズ17を備える。集光レンズ群7は、対物レンズ6及びソリッドイマージョンレンズ8を備える。なお、図9に示す光ピックアップにおいて、図1及び図8に示す光ピックアップと同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9に示す光ピックアップは、図8とは異なり、再生信号及びフォーカスエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)Mがギャップエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)mよりも大きくなるように、第2の検出レンズ13と第2のディテクタ14との間に、レンズ17を配置したことを特徴とする。レンズ17は、たとえば、凸レンズである。
ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置される。ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と光情報媒体9からの反射光とを含む混合光を反射させる。
偏光光学素子16は、ビームスプリッタ3によって反射された混合光の光路上に配置される。偏光光学素子16は、ビームスプリッタ3によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と、光情報媒体9からの反射光とに分離する。集光レンズ群7は、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置される。
第2の検出レンズ13は、偏光光学素子16によって分離された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に集光させるとともに、偏光光学素子16によって分離されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に集光させる。
レンズ17は、第2の検出レンズ13によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14にさらに集光させる。
その他の内容については、実施の形態1及び実施の形態2と同様である。
以上のように、本実施の形態3の光ピックアップは、所定の偏光状態の光を出射する半導体レーザ1(光源)と、ソリッドイマージョンレンズ8を含み、半導体レーザ1から出射された光を集光させる集光レンズ群7と、集光レンズ群7により集光された光の光情報媒体9からの反射光を集光させる第2の検出レンズ13(第1の集光部)と、第2の検出レンズ13によって集光された光情報媒体9からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する第1のディテクタ12(第1の光検出器)とを備える。
さらに、本実施の形態3の光ピックアップは、集光レンズ群7により集光された光のソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を集光させる第2の検出レンズ13及びレンズ17(第2の集光部)と、第2の検出レンズ13及びレンズ17によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光の光量を検出することにより、光情報媒体9の表面とソリッドイマージョンレンズ8の平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する第2のディテクタ14(第2の光検出器)とを備える。
さらに、本実施の形態3の光ピックアップは、半導体レーザ1から出射された光の光路上に配置され、半導体レーザ1から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と光情報媒体9からの反射光とを含む混合光を反射させるビームスプリッタ3(光路分割部)と、ビームスプリッタ3によって反射された混合光の光路上に配置され、ビームスプリッタ3によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光と、光情報媒体9からの反射光とに分離する偏光光学素子16(偏光分離素子)とを備える。そして、集光レンズ群7は、ビームスプリッタ3を透過した光の光路上に配置される。
また、本実施の形態3における第1の集光部は、偏光光学素子16によって分離された光情報媒体9からの反射光を第1のディテクタ12に集光させるとともに、偏光光学素子16によって分離されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14に集光させる第2の検出レンズ13(第1の集光レンズ)を含む。
また、本実施の形態3における第2の集光部は、第2の検出レンズ13(第1の集光レンズ)と、第2の検出レンズ13によって集光されたソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光を第2のディテクタ14にさらに集光させるレンズ17(第2の集光レンズ)とを含む。
本実施の形態3においては、実施の形態1よりも光学部品の点数を少なくすることができるため、光学系の構成を小型化し、光ピックアップのコストを低減することが可能になる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における光ピックアップについて図10を参照して説明する。
図10は、本発明の実施の形態4における光ピックアップの構成を示す図である。図10に示す光ピックアップは、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、集光レンズ群7、第1のディテクタ12、第2の検出レンズ13、第2のディテクタ14及び偏光ホログラム18を備える。集光レンズ群7は、対物レンズ6及びソリッドイマージョンレンズ8を備える。なお、図10に示す光ピックアップにおいて、図1、図8及び図9に示す光ピックアップと同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10に示す光ピックアップは、図9とは異なり、偏光ホログラム18を、第2の検出レンズ13と、第1のディテクタ12及び第2のディテクタ14との間に配置したことを特徴とする。
偏光ホログラム18は、特定の偏光に対し回折する偏光分離機能を有する。さらに、偏光ホログラム18は、実施の形態1〜3と同様に、再生信号及びフォーカスエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)Mがギャップエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)mよりも大きくなるように、再生信号光及び/又はギャップエラー信号光に対してレンズ作用を有する回折レンズにて構成されている。
以下、図10を用いて、本実施の形態4の具体的な作用について説明する。
図10において、偏光ホログラム18は、再生信号光及びフォーカスエラー信号光と同じ偏光方向の光に対し作用しない構造を有している。したがって、第2の検出レンズ13を透過した再生信号光及びフォーカスエラー信号光は、偏光ホログラム18をそのまま透過し、第1のディテクタ12へ集光される。
一方、偏光ホログラム18は、ギャップエラー信号光と同じ偏光方向の光に対して回折する構造を有し、さらに、回折レンズによる集光作用を有している。
したがって、ギャップエラー信号光は、偏光ホログラム18を通過した後、回折されると同時に集光され、合成焦点距離が短くなって第2のディテクタ14へと入射する。
これにより、第2のディテクタ14へ集光される光ビームの倍率は、第1のディテクタ12に集光される光ビームの倍率より低くなり、再生信号及びフォーカスエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)Mがギャップエラー信号を検出するための検出光学系の光学倍率(横倍率)mよりも大きくなる関係が満足される。
本実施の形態4においては、実施の形態1〜3よりもさらに光学部品の点数を少なくすることができるため、光学系の構成をさらに小型化し、光ピックアップのコストを低減することが可能になる。
なお、本実施の形態4においては、偏光ホログラム18は、再生信号光及びフォーカスエラー信号光と同じ偏光方向の光に対し回折レンズとして作用せず、ギャップエラー信号光と同じ偏光方向の光に対し回折レンズとして作用するとしているが、本発明は特にこれに限定されない。逆に、偏光ホログラム18は、再生信号光及びフォーカスエラー信号光と同じ偏光方向の光に対し回折レンズとして作用し、発散作用を持たせて合成焦点距離を長くし、ギャップエラー信号光と同じ偏光方向の光に対し回折レンズとして作用しない構成であっても良い。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における光ディスクドライブ装置について図11を参照して説明する。
図11は、本発明の実施の形態5における光ディスクドライブ装置の構成を示す図である。
図11に示すように、光ディスクドライブ装置は、光ピックアップ35、スピンドルモータ30、図示しないヘッド駆動部、信号処理部33、インターフェース34、サーボ制御部31、図示しない送りモータ及びシステムコントローラ32を備えている。
スピンドルモータ30は、サーボ制御部31により駆動制御され、所定の回転数で回転される。スピンドルモータ30により回転される光情報媒体9に対して光ピックアップ35からのレーザ光が照射される。
光ピックアップ35は、スピンドルモータ30により回転される光情報媒体9に対して、レーザ光を照射して、その戻り光に基づいて当該光情報媒体9から情報信号を読み出す。また、光ピックアップ35は、ソリッドイマージョンレンズ8の平面部からの反射光に基づいて、ギャップエラー信号を出力する。なお、光ピックアップ35は、実施の形態1〜4のいずれかの光ピックアップである。
また、光ピックアップ35は、光情報媒体9の記録トラックに対して垂直方向に移動可能に支持され、図示しない送りモータにより光情報媒体9の記録トラックに対して垂直方向に駆動される。
信号処理部33は、光ピックアップ35から出力された信号に対して各種信号処理を行う。信号処理部33は、具体的には、情報信号の再生系として、信号復調器及び誤り訂正回路を備え、また、情報信号の記録系として、信号変調器等を備えている。信号処理部33は、信号を再生する際には、光ピックアップ35により光情報媒体9から読み出された再生信号を信号復調器により復調し、そして、訂正回路により誤り訂正を行う。
インターフェース34は、外部接続された電子機器との間でデータを送受信する。外部接続された電子機器とは、例えば、外部コンピュータである。
例えば、光ディスクドライブ装置において再生動作がなされているときには、信号処理部33の信号復調器及び誤り訂正回路等において信号処理された再生信号が、インターフェース34を介して外部コンピュータに送出される。
サーボ制御部31は、光ピックアップ35における集光レンズ群7を保持する二軸アクチュエータ等のレンズ駆動部をサーボ制御し、集光レンズ群7をフォーカシング方向及びトラッキング方向に移動させる。
また、サーボ制御部31は、光ピックアップ35を送り操作する図示しない送りモータをサーボ制御する。
さらに、サーボ制御部31は、光情報媒体9を回転駆動するスピンドルモータ30をサーボ制御する。サーボ制御部31は、上述した各部のサーボ制御を、システムコントローラ32からの制御信号に基づいて行う。システムコントローラ32は、光ディスクドライブ装置を構成する各部を制御する。
以上のように構成された光ディスクドライブ装置は、光情報媒体9から情報を再生する際には、スピンドルモータ30によって回転される光情報媒体9から光ピックアップ35によって読み出した再生信号に対して、信号処理部33の信号復調器による復調と、訂正回路による誤り訂正とを行う。そして、信号処理がなされた再生信号は、例えば、インターフェース34を介して、外部接続される電子機器に送出される。
また、光ディスクドライブ装置は、光情報媒体9に情報を記録する際には、信号処理部33の信号変調器により情報信号を変調し、変調した情報信号に基づく所定のレーザ出力を有する記録用レーザ光を、スピンドルモータ30により回転される光情報媒体9に対して光ピックアップ35から照射する。
なお、本実施の形態5において、光ピックアップ35が光ピックアップの一例に相当し、スピンドルモータ30がモータの一例に相当し、サーボ制御部31、システムコントローラ32及び信号処理部33が制御部の一例に相当する。また、サーボ制御部31、システムコントローラ32及び信号処理部33は、実施の形態1〜4のギャップ制御部10として機能する。
上述の実施の形態1〜5では、ニアフィールド光記録技術が採用される光情報媒体、例えば、相変化型光ディスクに情報を記録又は再生する光ピックアップ及び光ディスクドライブ装置について説明した。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、光磁気記録媒体など、他の光情報媒体に適用することもできる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6における光情報記録再生装置について図12を参照して説明する。
本実施の形態6は、実施の形態5に係る光ディスクドライブ装置を具備した光情報記録再生装置の実施の形態である。図12は、本発明の実施の形態6における光情報記録再生装置の全体構成を示す概略斜視図である。図12に示した光情報記録再生装置40は、実施の形態5に係る光ディスクドライブ装置41と、画像情報を、光ディスクドライブ装置41によって光情報媒体へ記録するための情報信号に変換する記録用信号処理回路(記録用信号処理部)42と、光ディスクドライブ装置41から得られる情報信号を画像情報に変換する再生用信号処理回路(再生用信号処理部)43とを備える。
本実施の形態6において、光情報記録再生装置40は、記録用信号処理回路42及び再生用信号処理回路43を備えているが、本発明は特にこれに限定されず、記録用信号処理回路42及び再生用信号処理回路43のうちのいずれか一方のみを備える構成であってもよい。さらに、光情報記録再生装置40は、情報を表示するブラウン管又は液晶表示装置などの出力装置44を備えてもよい。
なお、本実施の形態6において、光情報記録再生装置40が光情報記録装置及び光情報再生装置の一例に相当し、記録用信号処理回路42及び再生用信号処理回路43が情報処理部の一例に相当する。
本実施の形態6に係る光情報記録再生装置40は、実施の形態5に係る光ディスクドライブ装置41を具備しており、近接場光により情報を記録又は再生するための複数の情報記録層を有する光情報媒体に情報を安定に記録又は再生することができるので、広い用途に使用できる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る光ピックアップは、複数の情報記録層を有する光情報媒体に情報を記録又は再生するための光ピックアップであって、所定の偏光状態の光を出射する光源と、前記光情報媒体の表面に平行な平面部を有するソリッドイマージョンレンズを含み、前記光を集光させる集光レンズ群と、前記集光レンズ群により集光された前記光の前記光情報媒体からの反射光を集光させる第1の集光部と、前記第1の集光部によって集光された前記光情報媒体からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する第1の光検出器と、前記集光レンズ群により集光された前記光の前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光を集光させる第2の集光部と、前記第2の集光部によって集光された前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光の光量を検出することにより、前記光情報媒体の表面と前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する第2の光検出器とを備え、前記集光レンズ群と前記第1の集光部とを含む第1の光学系の光学倍率Mと、前記集光レンズ群と前記第2の集光部とを含む第2の光学系の光学倍率mとは、M>mを満たす。
この構成によれば、光源は、所定の偏光状態の光を出射する。集光レンズ群は、光情報媒体の表面に平行な平面部を有するソリッドイマージョンレンズを含み、光を集光させる。第1の集光部は、集光レンズ群により集光された光の光情報媒体からの反射光を集光させる。第1の光検出器は、第1の集光部によって集光された光情報媒体からの反射光の光量を検出することにより、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方を検出する。第2の集光部は、集光レンズ群により集光された光のソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光を集光させる。第2の光検出器は、第2の集光部によって集光されたソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光の光量を検出することにより、光情報媒体の表面とソリッドイマージョンレンズの平面部との間隔に応じたギャップエラー信号を検出する。そして、集光レンズ群と第1の集光部とを含む第1の光学系の光学倍率Mと、集光レンズ群と第2の集光部とを含む第2の光学系の光学倍率mとは、M>mを満たす。
したがって、複数の情報記録層を有する多層光情報媒体に情報を記録又は再生する場合において、再生信号光及びフォーカスエラー信号光に対して、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制することができ、さらに、ギャップエラー信号の検出を高精度に行うことが可能になるので、複数の情報記録層を有する光情報媒体に情報を記録又は再生する場合において、高精度に、再生信号、フォーカスエラー信号及びギャップエラー信号を検出することができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記複数の情報記録層のうちの所定の情報記録層に前記光が集光された場合に、前記所定の情報記録層と隣り合う情報記録層からの反射光の前記第1の光検出器上の光スポットの面積が、前記第1の光検出器の受光面の面積の3倍以上となるように、前記第1の光学系の光学倍率Mが決定されることが好ましい。
この構成によれば、複数の情報記録層のうちの所定の情報記録層に光が集光された場合に、所定の情報記録層と隣り合う情報記録層からの反射光の第1の光検出器上の光スポットの面積が、第1の光検出器の受光面の面積の3倍以上となるように、第1の光学系の光学倍率Mが決定される。
したがって、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による再生信号光への影響を少なくすることができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記集光レンズ群の開口数が、1.5以上であるとき、前記第1の光学系の光学倍率Mは、M≧30を満たすことが好ましい。
この構成によれば、集光レンズ群の開口数が、1.5以上であるとき、第1の光学系の光学倍率Mは、M≧30を満たす。この場合、迷光の面積が、第1の光検出器の受光面の面積の4倍以上となり、記録又は再生の対象となる情報記録層以外の情報記録層からの反射光による影響を抑制するとともに、周波数特性が良好であり、かつ、安定した再生信号を得ることが可能となる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記複数の情報記録層のうちのいずれの情報記録層に前記光を集光した場合であっても、前記第2の光検出器上の光スポットの面積が、前記第2の光検出器の受光面の面積以下となるように、前記第2の光学系の光学倍率mが決定されることが好ましい。
この構成によれば、各情報記録層にフォーカスが合わせられたときの、第2の光検出器上での光スポットサイズが、光検出器の受光面のサイズよりも小さくなる。これにより、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光は、すべての情報記録層にそれぞれフォーカスを合わせた場合に第2の光検出器に完全に取り込まれる。したがって、ギャップエラー信号を正確に検出することができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記集光レンズ群の開口数が、2.0以下であるとき、前記第2の光学系の光学倍率mは、m≦10を満たすことが好ましい。
この構成によれば、集光レンズ群の開口数が、2.0以下であるとき、第2の光学系の光学倍率mは、m≦10を満たす。この場合、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光の第2の光検出器上での集光スポットと第2の光検出器の受光面(受光素子)との面積比は1倍以下となり、光スポットは常に第2のディテクタ14の受光素子(受光面)をはみ出さないので、周波数特性が良好であり、かつ、安定したギャップエラー信号を得ることが可能となる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記光源から出射された前記光の光路上に配置され、前記光源から出射された前記光を透過させ、前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光を前記第2の光検出器に向けて反射させる第1の光路分割部と、前記第1の光路分割部を透過した前記光の光路上に配置され、前記第1の光路分割部を透過した前記光を透過させ、前記光情報媒体からの反射光を前記第1の光検出器に向けて反射させる第2の光路分割部と、前記第2の光路分割部を透過した前記光の光路上に配置される4分の1波長板とをさらに備え、前記集光レンズ群は、前記4分の1波長板を透過した前記光の光路上に配置され、前記第1の集光部は、前記第2の光路分割部によって反射された前記光情報媒体からの反射光の光路上に配置され、前記第2の集光部は、前記第1の光路分割部によって反射された前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光の光路上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、第1の光路分割部は、光源から出射された光の光路上に配置され、光源から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光を第2の光検出器に向けて反射させる。第2の光路分割部は、第1の光路分割部を透過した光の光路上に配置され、第1の光路分割部を透過した光を透過させ、光情報媒体からの反射光を第1の光検出器に向けて反射させる。4分の1波長板は、第2の光路分割部を透過した光の光路上に配置される。集光レンズ群は、4分の1波長板を透過した光の光路上に配置される。第1の集光部は、第2の光路分割部によって反射された光情報媒体からの反射光の光路上に配置される。第2の集光部は、第1の光路分割部によって反射されたソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光の光路上に配置される。
したがって、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光の光路と、光情報媒体からの反射光の光路とを分割することができ、ギャップエラー信号と、再生信号及びフォーカスエラー信号の少なくとも一方とを高精度に検出することができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記第2の光路分割部は、前記光源から出射される光と平行な偏光成分の光を反射し、前記第1の光路分割部は、前記光源から出射される光と直交する偏光成分の光を反射することが好ましい。
この構成によれば、第2の光路分割部は、光源から出射される光と平行な偏光成分の光を反射し、第1の光路分割部は、光源から出射される光と直交する偏光成分の光を反射する。したがって、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光の光路と、光情報媒体からの反射光の光路とを分割することができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記光源から出射された光の光路上に配置され、前記光源から出射された前記光を透過させ、前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光と前記光情報媒体からの反射光とを含む混合光を反射させる光路分割部と、前記光路分割部によって反射された前記混合光の光路上に配置され、前記光路分割部によって反射された前記混合光を、前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光と、前記光情報媒体からの反射光とに分離する偏光分離素子とをさらに備え、前記集光レンズ群は、前記光路分割部を透過した前記光の光路上に配置され、前記第1の集光部は、前記偏光分離素子によって分離された前記光情報媒体からの反射光を前記第1の光検出器に集光させるとともに、前記偏光分離素子によって分離された前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光を前記第2の光検出器に集光させる第1の集光レンズを含み、前記第2の集光部は、前記第1の集光レンズと、前記第1の集光レンズによって集光された前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光を前記第2の光検出器にさらに集光させる第2の集光レンズとを含むことが好ましい。
この構成によれば、光路分割部は、光源から出射された光の光路上に配置され、光源から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と光情報媒体からの反射光とを含む混合光を反射させる。偏光分離素子は、光路分割部によって反射された混合光の光路上に配置され、光路分割部によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と、光情報媒体からの反射光とに分離する。集光レンズ群は、光路分割部を透過した光の光路上に配置される。第1の集光部は、偏光分離素子によって分離された光情報媒体からの反射光を第1の光検出器に集光させるとともに、偏光分離素子によって分離されたソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光を第2の光検出器に集光させる第1の集光レンズを含む。第2の集光部は、第1の集光レンズと、第1の集光レンズによって集光されたソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光を第2の光検出器にさらに集光させる第2の集光レンズとを含む。
したがって、偏光分離素子によって、光路分割部によって反射された混合光が、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と、光情報媒体からの反射光とに分離されるので、光学部品の点数を少なくすることができ、光学系の構成を小型化し、光ピックアップのコストを低減することが可能になる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記光源から出射された前記光の光路上に配置され、前記光源から出射された前記光を透過させ、前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光と前記光情報媒体からの反射光とを含む混合光を反射させる光路分割部と、前記光路分割部によって反射された前記混合光の光路上に配置され、前記光路分割部によって反射された前記混合光を、前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光と、前記光情報媒体からの反射光とに分離する偏光分離素子とをさらに備え、前記集光レンズ群は、前記光路分割部を透過した前記光の光路上に配置され、前記第1の集光部は、前記偏光分離素子によって分離された前記光情報媒体からの反射光を前記第1の光検出器に集光させるとともに、前記偏光分離素子によって分離された前記ソリッドイマージョンレンズの前記平面部からの反射光を前記第2の光検出器に集光させる第3の集光レンズと、前記第3の集光レンズにより集光された前記光情報媒体からの反射光を前記第1の光検出器にさらに集光又は発散させる第4の集光レンズとを含み、前記第2の集光部は、前記第3の集光レンズを含むことが好ましい。
この構成によれば、光路分割部は、光源から出射された光の光路上に配置され、光源から出射された光を透過させ、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と光情報媒体からの反射光とを含む混合光を反射させる。偏光分離素子は、光路分割部によって反射された混合光の光路上に配置され、光路分割部によって反射された混合光を、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と、光情報媒体からの反射光とに分離する。集光レンズ群は、光路分割部を透過した光の光路上に配置される。第1の集光部は、偏光分離素子によって分離された光情報媒体からの反射光を第1の光検出器に集光させるとともに、偏光分離素子によって分離されたソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光を第2の光検出器に集光させる第3の集光レンズと、第3の集光レンズにより集光された光情報媒体からの反射光を第1の光検出器にさらに集光又は発散させる第4の集光レンズとを含む。第2の集光部は、第3の集光レンズを含む。
したがって、偏光分離素子によって、光路分割部によって反射された混合光が、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と、光情報媒体からの反射光とに分離されるので、光学部品の点数を少なくすることができ、光学系の構成を小型化し、光ピックアップのコストを低減することが可能になる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記偏光分離素子は、ウォラストンプリズム及び偏光ホログラムのいずれか一方を含むことが好ましい。
この構成によれば、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と、光情報媒体からの反射光とを分離させることができる。
また、上記の光ピックアップにおいて、前記光路分割部は、ビームスプリッタを含むことが好ましい。
この構成によれば、ビームスプリッタによって、光源から出射された光を透過させることができ、ソリッドイマージョンレンズの平面部からの反射光と光情報媒体からの反射光とを含む混合光を反射させることができる。
本発明の他の局面に係る光ディスクドライブ装置は、上記のいずれかに記載の光ピックアップと、光情報媒体を回転させるモータと、前記光ピックアップから得られる電気信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップを制御する制御部とを備える。この構成によれば、上記の光ピックアップを光ディスクドライブ装置に適用することができる。
本発明の他の局面に係る光情報記録装置は、上記の光ディスクドライブ装置と、前記光ディスクドライブ装置によって光情報媒体へ記録するための情報を処理する情報処理部とを備える。この構成によれば、上記の光ピックアップを備える光ディスクドライブ装置を光情報記録装置に適用することができる。
本発明の他の局面に係る光情報再生装置は、上記の光ディスクドライブ装置と、前記光ディスクドライブ装置によって光情報媒体から再生された情報を処理する情報処理部とを備える。この構成によれば、上記の光ピックアップを備える光ディスクドライブ装置を光情報再生装置に適用することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。