JP5455607B2 - 固体酸化物燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物燃料電池(SOFC)及びその運転方法に関するものである。
SOFCは、高温で高いイオン導電性を示す電解質を備えるため、高温に保たれた状態で動作することによって高い発電効率を発揮する。従って、SOFCのモジュールは、その内部に熱を封じ込め、高温に維持する必要がある。このSOFCにおいては、モジュール内部に熱を封じ込め、高温に維持する必要がある。これに伴いモジュールを構成する金属材料では、高温に曝される部位が必ず発生する。このような部位は、金属が酸化されやすいため、耐酸化性を高めるようにCrを配合した鋼種が構成材に選定されている。
上記構成材に配合されたCrは、高温酸化雰囲気に曝されると、金属材料表面にCr皮膜が生成されて金属材料表面を覆い、耐酸化性を発揮する。しかしながら、同時に、生成されたCr皮膜の表面からCr成分が揮発して、SOFCの電極反応部に堆積し、セル性能を低下させるという問題が生じる。
上記問題を解決する方法として、アルミニウム含有表面上に500〜800℃の温度で、準安定のAlを含有する気密クロム保持層を形成させて、基材からクロムの揮発を効果的に阻止する方法が、特許文献1に開示されている。
特表2008−547177号公報(請求項1、段落[0008])
特許文献1では、金属表面層に含有されるアルミニウムの量を増加させる、もしくは、Al膜を形成させることで、Crの揮発を防止している。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、特殊な表面処理を施すため、製造コストが高くなる。また、非常に薄い金属部材を使用している両端支持構造を有するSOFCモジュールなどでは、Al皮膜処理時に、下側支持部が歪む、あるいは、部材が硬くなり、後工程のモジュールの組み立てが難しくなる等の問題が生じる。
金属部材からのCrの揮発を防止する別の方法として、Cr皮膜以外のCrが配合された耐酸化皮膜を採用するという対策が考えられる。しかしながら、上記のような耐酸化皮膜を用いた場合であっても、SOFCの使用条件(温度、時間等)によって電池性能が低下したり、熱サイクルにより表面皮膜が剥離したりすることによって、耐酸化皮膜の表面におけるCr濃度が高くなり、Crの揮発量が経時的に、もしくは段階的に増加すると推定される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、Crが配合された金属部材を用いるSOFCにおいて、金属部材から揮発するCr成分が電極反応部に蓄積するのを抑制することのできるSOFCを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料及び酸化剤を含む流体の供給を受けて発電する発電セルと、該発電セルを収容する発電室と、該発電室に前記酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給経路と、前記発電室から前記酸化剤を含む流体を排出する酸化剤排出経路と、前記酸化剤供給経路に設けられ、前記酸化剤を含む流体にNa含有物質を混入させるNa供給手段とを有する固体酸化物燃料電池を提供する。
本発明によれば、Na供給手段が酸化剤供給経路に設けられることで、酸化剤を含む流体にNa含有物質を混合させ、且つ、酸化剤を含む流体の流れを利用してNa含有物質を発電室内の発電セルに供給することができる。固体酸化物燃料電池の運転中に金属材料から揮発するCr成分は、発電室内に供給されたNa含有物質と反応して、安定で蒸気圧の高い化合物などに変換される。このような化合物は、高温部では気化されて酸化剤排出口から発電室外へ排出され、低温部では、凝縮し析出する。これによって、固体酸化物燃料電池中の電極反応部である3相(空気極/電解質/空気)界面への吸着を抑制させることができる。
上記発明において、前記発電室と、前記酸化剤供給経路の一部を構成する酸化剤供給室と、前記酸化剤排出経路の一部を構成する酸化剤排出室とを内部に備える固体酸化物燃料電池のモジュールを有し、前記Na供給手段が、前記モジュールの外部に配置される前記酸化剤供給経路に接続されてもよい。
このようにすることで、Na含有物質の供給タイミングや供給時間の制御、Na供給手段へのNa含有物質の補充、あるいはNa供給手段の整備等の実施が容易となる。また、既存のSOFCへの適用も可能となる。
上記発明において、前記発電室と、前記酸化剤供給経路の一部を構成する酸化剤供給室と、前記酸化剤排出経路の一部を構成する酸化剤排出室とを内部に備える固体酸化物燃料電池のモジュールを有し、前記Na供給手段が、前記酸化剤供給室に配置されても良い。
このようにすることで、Na含有物質を、発電室内に、より確実に且つ効率よく供給することができる。また、Na含有物質が100℃以上の高温部となる酸化剤供給室に供給されるため、Na含有物質の揮発効率を促進させる効果が得られる。
上記発明において、前記酸化剤供給室に、前記Na供給手段から前記Na含有物質が供給されるNa被供給部が設けられても良い。
Na含有物質が水溶液などである場合、酸化剤供給経路内の高温部に直接Na含有物質を供給すると、他の構成部材に熱衝撃を与えてしまう可能性がある。Na被供給部が設けられることで、高温部の他の構成部材を急冷することなく、酸化剤供給経路内に直接Na含有物質を供給することができる。
上記発明において、前記Na被供給部が、多孔質構造を有することが好ましい。
このようにすることで、比表面積が大きくなるため、Na含有物質との接触面積が増えて、効率良くNa含有物質を揮発させることができるようになる。
上記発明において、前記Na供給手段が、酸化剤供給室に配置されるガラスであっても良い。これによって、特別な装置を用いることなく、容易にNa含有物質を発電室内に供給することができる。
なお、Na成分は、空気の供給ラインに流れる空気と混入させることで固体酸化物燃料電池の発電部に供給されるものであるが、固体酸化物燃料電池外部で酸化剤を含む流体(空気)の供給配管に導入されても良く、また、固体酸化物燃料電池の内部であって、空気が発電部に導入される直近で噴霧することで空気に混入し供給されてもよい。
本発明によれば、酸化剤を含む流体にNa含有物質を混入する工程と、前記Na含有物質が混入された前記酸化剤を含む流体を発電セルに到達させる工程と、前記Na含有物質を前記発電部でCr成分に吸着させる工程とを有する固体酸化物燃料電池の運転方法を提供する。
このようにすることで、発電セルにNa含有物質を到達させ、発電セルでCr成分とNa含有物質とを反応させることができるため、Crの被毒を抑制することが可能となる。
本発明によれば、発電室内のCr及びNaの量を検知する工程を備え、前記検知したCr及びNaの量に応じて、Naの供給量及び供給時間を制御する固体酸化物燃料電池の運転方法を提供する。
例えば、Crの量が少ない場合は、Naの供給量を減少させる、または、Naの供給を停止すれば良い。例えば、Crの量が増加した場合は、Naの供給量を増加する、あるいは、Naの供給を再開すれば良い。そうすることで、必要量のNaを適切に供給することができる。
本発明によれば、固体酸化物燃料電池の反応質にNa成分を供給することでCr成分を吸着し、Cr成分が固体酸化物燃料電池セルの内部に取り込まれることを抑制することができる。すなわち、固体酸化物燃料電池の構成部材から揮発するCrによる固体酸化物燃料電池セルの被毒を抑制できる固体酸化物燃料電池とすることができる。
第1実施形態に係る固体酸化物燃料電池の概略図である。 第2実施形態に係る固体酸化物燃料電池の概略図である。 第3実施形態に係る固体酸化物燃料電池の概略図である。 固体酸化物燃料電池の電解質と空気極との界面近傍のCr量と、運転時間との関係を示すグラフである。
本発明は、固体酸化物燃料電池の発電部に揮発するCr成分を吸着する為にNa成分を供給するNa成分供給手段において、固体酸化物燃料電池に供給される空気中にNa成分を混入させることで、固体酸化物燃料電池の内部にNa成分を拡散させ、固体酸化物燃料電池内部に揮発するCr成分を吸着する構成を備えることを特徴とする。
固体酸化物燃料電池に用いられる金属部材として、耐酸化性を高めるためにCr成分を含有する鋼種が用いられる。このCr成分を含有する鋼種は燃料電池の発電時に高温酸化雰囲気に曝されることで、部材の表面に酸化クロム(Cr)皮膜を生成する。特にCr成分が揮発する金属材料としては、固体酸化物燃料電池モジュールの管板、セルと管板の間の支持部、セパレータまたは集電板等などが挙げられる。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る固体酸化物燃料電池について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る固体酸化物燃料電池は、固体酸化物燃料電池のモジュール8、発電室1、燃料供給経路2、酸化剤供給経路3、燃料排出口4、酸化剤排出口5、及びNa供給手段6を備える。
固体酸化物燃料電池のモジュール(以下、SOFCモジュール)8には、少なくともその内部に、発電室1が備えられている。この発電室1には、例えば、外面に発電セルが複数形成されたセルチューブが複数備えられている。SOFCモジュール8のその他の構成要素としては、複数のセルチューブの両端部を支持する一対の管板、燃料供給経路2の一部を構成する燃料供給室、及び、酸化剤供給経路3の一部を構成する酸化剤供給室などが挙げられる。管板や酸化剤供給室などのSOFCモジュール8を構成する金属材料には、Crが配合された鋼種が用いられている。
上述したとおり、発電セルは、発電室1に収容されている。
発電室1には、燃料供給経路2から、燃料入口9を介して燃料が供給される。また、発電室1には、酸化剤供給経路3から、酸化剤供給口10を介して空気(酸化剤を含む流体)が供給される。
さらに、発電室1内に供給された燃料及び空気を、発電室1の外部へ排出できるよう燃料排出口4及び酸化剤排出口5が別に設けられている。発電室1の内部から流出した燃料は、燃料排出口4を介して燃料排出経路11に流入する。また、発電室1の内部から流出した空気(酸化剤を含む流体)は、酸化剤排出口5を介して酸化剤排出経路12に流入する。
燃料入口9は、燃料供給経路2の一部を構成する。また、酸化剤供給口10は、酸化剤供給経路3の一部を構成する。さらに、燃料排出口4は燃料排出経路11の一部を構成し、酸化剤排出口5は酸化剤排出経路12の一部を構成する。
発電セルに供給される空気は、事前に400〜600℃に予熱された空気であって、酸化剤供給経路3から固体酸化物燃料電池の発電室1に供給される。供給された空気は、発電室1の一端から他端に向けて流れ、固体酸化物燃料電池の外部に排出される。
本実施形態において、Na供給手段6は、内部にNa含有物質7を収容し、SOFCモジュール8の外部に配置される酸化剤供給経路3に接続されている。Na供給手段6は、取り外し可能に酸化剤供給経路3に接続されていても良い。Na供給手段6は、Na含有物質を補充する手段(不図示)を備えていても良い。
本実施形態において、Na含有物質7は、5質量%NaSO水溶液を用いるが、酸化ナトリウム成分を有するものであれば良く、NaOH水溶液、NaCO水溶液などの他のナトリウム化合物の水溶液を用いても良い。
水溶液の濃度は、SOFCモジュールを構成する金属材料の種類や、SOFCの使用環境などを考慮して、適宜設定する。
上記構成の固体酸化物燃料電池において、燃料及び空気は、発電室1の外部から燃料供給経路2及び酸化剤供給経路3を介して発電セルに供給され、発電に利用される。その後、燃料及び空気は、燃料排出口4及び酸化剤排出口5から発電室1の外へ排出される。
酸化剤供給経路3は、SOFCモジュール8の外部に配置された任意の箇所で、第1経路3aと第2経路3bに分岐されている。第1経路3aは、空気を発電室1内に供給できるよう発電室1に接続されている。第2経路3bは、その一端がNa供給手段6内の5質量%NaSO水溶液中に配置され、この水溶液中に空気を供給する。このようにすることで、空気中にNaSOが持ち込まれる。
第2経路3bは、開閉可能な構造としても良い。そのようにすることで、発電室1内へのNa含有物質の供給タイミングや、供給時間を制御することが可能となる。例えば、酸化剤排出口5付近の流体成分を計測し、流体成分中にNaSOが検出された時点で、Na含有物質の供給を停止することもできる。例えば、SOFCセル性能の基準値を定めておき、基準値を下回った場合に、Na含有物質の供給を再開することもできる。
Na供給手段6は、バブリング装置であり、第2経路3bから5質量%NaSO水溶液中に供給された空気を排出するための排出経路6aを有する。排出経路6aは、酸化剤供給経路3の分岐点Aより流体進行方向側であって、且つ、発電室1の外に位置する第1経路3aに接続さる。排出経路6aより排出された空気は、第1経路3aを通る空気と合流して、発電室1内へと供給される。すなわち、上記Na含有物質は、発電セルに供給するための空気の流れを利用することで、酸化剤供給経路3を介して発電室1内に供給される。
なお、本実施形態においてNa供給手段6は、バブリング装置として説明したが、発電セルに供給するための空気の流れを利用して、発電室内にNa含有物質7を供給できる、外付け可能な装置であれば良い。例えば、超音波ミスト装置などであっても良い。
発電室1内に供給されたNaSOは、固体酸化物燃料電池モジュールを構成する金属部材から揮発したCr成分と反応し、Na(CrO)(SO)などの安定な化合物となる。
なお、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構報告書(100012645)では、以下のように報告されている。
10000時間程度の長期発電試験に用いた円筒横縞型SOFCは、運転時間が2500時間を超えると平均セル電圧が低下し始める。10000時間程度運転させると、試験開始時と比較して、平均セル電圧が6%程度低下する。
図4では、SOFCの電解質と空気極との界面近傍のCr量をSIMSにて計測した結果を示す。同図において、横軸が運転時間、縦軸が界面近傍4μm内のCr量である。SOFCモジュール内において、電解質と空気極との界面近傍に存在するCr量は経時的に増加し、2000時間を超えたあたりから増加速度が増すことが確認されている。
上記長期発電試験における、SOFCの空気極中に存在するCr及びNaの量を、SIMS(2次イオン質量分析法)によって計測した結果を表1に示す。
Figure 0005455607
空気極中のCr量は経時的に増加している一方、Na量は経時的に減少していることが確認されている。特にNa量は、運転時間が2800時間で約1割程度まで減少していた。
長期発電試験終了後の円筒横縞型SOFC内部では、SOFCセルの低温部で、Na(CrO)(SO)と推定される緑色の析出物の存在が確認されている。
上記報告からも、本実施形態に係る固体酸化物燃料電池によって、電池内のCrによる被毒を抑制できることが裏付けられる。
〔第2実施形態〕
本実施形態に係る固体酸化物燃料電池は、本願発明の固体酸化物燃料電池を横縞円筒型のSOFCに適用して説明する。
固体酸化物燃料電池には、図2に示すように、SOFCモジュール8の外枠を形成するフレーム32と、複数のセルチューブ(基体管)33と、上側管板34と、下側管板35と、第1集電板36と、第2集電板37と、第3集電板38と、上側断熱体41と、下側断熱体42と、Na供給手段16およびNa被供給部19が主に設けられ、SOFCモジュール8が構成されている。
フレーム32には、内部に複数のセルチューブ33や第1集電板36や第2集電板37や供給側集電板38などが設けられている。
フレーム32には、図2に示すように、燃料供給室21、発電室22、燃料排出室2、酸化剤供給室39、及び酸化剤排出室40が設けられている。
燃料供給室21は、フレーム32と上側管板34とにより囲まれた空間であって、外部から発電に用いられる燃料ガスが流入するための燃料供給経路2を備えている。
燃料供給室21の内部には、第3集電板38が配置されているとともに、セルチューブ33の燃料供給室21側の開口端が配置されている。
酸化剤供給室39は、フレーム32と下側管板35と下側断熱体42とにより囲まれた空間であって、発電室22に酸化剤を含む流体(空気)を供給するための酸化剤供給経路3(不図示)の一部を構成している。下側断熱体42には、酸化剤を含む流体(空気)を発電室22の内部に供給するための酸化剤供給口43が備えられている。なお、この酸化剤供給口43は、下側断熱体42においてセルチューブ33に対応して設けられた穴と、セルチューブ33との隙間で形成されている。
発電室22は、フレーム32と上側断熱体41と下側断熱体42とにより囲まれた空間であって、発電室22の内部には、セルチューブ33のうち発電セルが設けられている領域が配置されている。この発電室22には、酸化剤供給口43を介して酸化剤供給室39から酸化剤が供給される。また、発電室22から酸化剤排出口44を介して酸化剤排出室40に酸化剤が排出される。
燃料排出室23は、フレーム32と下側管板35とにより囲まれた空間であって、発電に用いられた後の燃料ガスがセルチューブ33の内部から流入する空間である。
燃料排出室23の内部には、第1集電板36および第2集電板37が配置されているとともに、セルチューブ33の燃料排出室23側の開口端が配置されている。
酸化剤排出室40は、フレーム32と上側管板34と上側断熱体41とにより囲まれた空間であって、発電室22から酸化剤を含む流体(空気)を排出するための酸化剤排出経路の一部を構成している。上側断熱体41には、酸化剤を含む流体(空気)を発電室22の外部に排出するための酸化剤排出口44が備えられている。なお、この酸化剤排出口44は、上側断熱体41においてセルチューブ33に対応して設けられた穴と、セルチューブ33との隙間で形成されている。
上側管板34は、下側管板35とともにセルチューブ33を支持するものであるとともに、酸化剤排出室40と燃料供給室21との間に配置されたものである。言い換えると、上側管板34は、酸化剤排出室40と燃料供給室21とを区画するものでもある。
下側管板35は、上側支持部34とともにセルチューブ33を支持するものであるとともに、酸化剤供給室39と燃料排出室23との間に配置されたものである。言い換えると、下側管板35は、酸化剤供給室39と燃料排出室23とを区画するものでもある。
下側管板35は、ハステロイX(ヘインズ社製)などの耐熱合金で構成されており、運転中は、100℃以上の高温領域となる。
酸化剤排出室40を構成する上側断熱体41は、セルチューブ33の発電セルにおいて発生した熱の伝達を遮断して、上側管板34等を上述の熱から保護するものである。上側断熱体41は、発電室22と酸化剤排出室40との間に配置されるものである。言い換えると、発電室22と酸化剤排出室40とを区画するものでもある。
また、酸化剤供給室39を構成する下側断熱体42は、セルチューブ33の発電セルにおいて発生した熱の伝達を遮断して、下側管板35等を上述の熱から保護するものである。下側断熱体42は、発電室22と酸化剤供給室39との間に配置されるものである。言い換えると、発電室22と酸化剤供給室39とを区画するものでもある。
セルチューブ33は、燃料ガスおよび空気(酸素)の供給を受けて発電を行うものである。セルチューブ33は円筒状の基体管の円周面上に、セルチューブ33の長手方向に沿って発電セルが直列接続して配置されたものである。さらにセルチューブ33は一方の開口端が燃料排出室23に、他方の開口端が燃料供給室21に開口するように配置されている。
複数のセルチューブ33は概略同じ長さに形成され、平行に並んで配置されている。さらに、複数のセルチューブ33における燃料排出室23側の開口端は概略同一の平面上に位置し、燃料供給室21側の開口端も概略同一の平面上に位置している。
その一方で複数のセルチューブ33は、第1集電板36と第3集電板38とに電気的に接続される第1セル群33Aと、第2集電板37と第3集電板38とに電気的に接続される第2セル群33Bとに分けられる。
第1集電板36は、第1セル群33Aのセルチューブ33の端部と電気的に接続されるとともに固定されるものであって、第3集電板38とともに第1セル群33Aのセルチューブ33を並列接続するものである。第1集電板36は、図2に示すように、第2集電板37と概略同一平面上に配置されているとともに、所定間隔をあけて並んで配置されている。
このように、第1集電板36と第2集電板37とが間隔をあけて配置されているため、両者は電気的に隔離されている。
Na供給手段16は、内部にNa含有物質が収容され、酸化剤供給室39内の100℃以上となる高温部にNa含有物質を供給するための供給口16aを有する。Na供給手段16は少なくともその一部、すなわち、供給口16aが酸化剤供給室39内の高温部に位置するよう設けられている。本実施形態では、供給口16aは、Na含有物質がNa被供給部19に直接供給できるように配置されている。
Na供給手段16は、連続的に、または断続的にNa含有物質を供給するための制御弁等を備えた手段(不図示)を有していても良い。それにより、発電室内へのNa含有物質の供給タイミングや、供給時間を制御することが可能となる。
Na供給手段16は、Na含有物質を補充する手段(不図示)を備えていても良い。
本実施形態において、Na含有物質は、5質量%NaSO水溶液を用いる。なお、第1実施形態と同様に、NaOH水溶液、NaCO水溶液などの他のナトリウム化合物の水溶液を用いることもできる。
Na被供給部19は、焼結金属やセラミックスなどからなり、多孔質構造を有する。Na被供給部19は、酸化剤供給経路の一部を構成する酸化剤供給室39内の下側管板35上に配置され、Na供給手段16から直接供給されたNa含有物質を下流側に放出する。
上記構成の固体酸化物燃料電池において、5質量%NaSO水溶液は、酸化剤供給室39内に配置された供給口16aから、Na被供給部19に直接供給される。供給された5質量%NaSO水溶液は、Na被供給部19の空孔内に充填される。これによって、他の構成部材に熱衝撃を与えることなく、酸化剤供給室39内に直接Na含有物質を供給することができる。Na被供給部19は高温領域に配置されているため、空孔内に充填された5質量%NaSO水溶液は、効率よく揮発する。揮発したNaSOは、Na被供給部19から放出され、酸化剤供給経路から供給される空気の流れによって発電室内を移動する。このNaSOは、固体酸化物燃料電池モジュールを構成する金属材料から揮発したCr成分と反応し、例えば、Na(CrO)(SO)などの安定な化合物となる。
〔第3実施形態〕
本実施形態に係る固体酸化物燃料電池について、図3を参照して説明する。
本実施形態に係る固体酸化物燃料電池において、Na供給手段16及びNa被供給部19をNa供給手段26に変更した以外は、第2実施形態と同様の構成とする。
Na供給手段26は、Naを含有するガラスであり、例えば、窓ガラスなどに用いられるソーダライムガラスを用いることができる。Na供給手段26は、酸化剤供給室39内の下側管板35上に配置されており、本実施形態では、0.5mm程度の大きさに砕かれ、下側管板35の上面側に散布されている。
散布されたガラスは下側管板35の有する熱で加温され、NaOが揮発する。揮発したNaOは、酸化剤供給経路から供給される空気の流れによって発電室22内を移動する。このNaOは、固体酸化物燃料電池モジュールを構成する金属材料から揮発したCr成分と反応し、NaCrOなどとなって、発電室22の外へ排出される。
なお、第1実施形態乃至第3実施形態において、Na含有物質の供給量は、適宜設定される。第3実施形態のように、Na供給手段がガラスである場合は、ガラスに含まれるNaO量や、ガラスからのNaOの揮発速度などを考慮する必要がある。ガラスからのNaOの揮発速度は、10〜20質量%でNaOを含有するガラスを1400℃、1気圧の条件下に置くと、数時間後にはmg/cmのオーダーでNaOが揮発することが確認されている。
また、第1実施形態乃至第3実施形態は、組み合わせて実施されても良い。例えば、Na供給手段として、ガラス(第3実施形態)を採用するが、SOFC中に揮発しているCr量が多いときのみバブリング装置(第1実施形態)を外付けして、Na含有物質を補充するとしても良い。
なお、第2実施形態及び第3実施形態では、円筒横縞型SOFCを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、平板型燃料電池や高温水蒸気電解装置(SOSE)などに用いても良い。
本発明は、金属部材としてクロム成分を含有する鋼種を用いた燃料電池だけでなく、空気中に含まれるクロムや空気配管から析出するクロム成分等、クロムの発生要因に係わらず、燃料電池セルのクロム被毒抑制効果を発揮することができる。
1,22 発電室
2 燃料供給経路
3 酸化剤供給経路
4 燃料排出口
5、44 酸化剤排出口
6,16,26 Na供給手段
7 Na含有物質
8 固体酸化物燃料電池モジュール
9 燃料入口
10、43 酸化剤供給口
11 燃料排出経路
12 酸化剤排出経路
19 Na被供給部
21 燃料供給室
23 燃料排出室
32 フレーム
33 セルチューブ
34 上側管板
35 下側管板
36、37、38 集電板
39 酸化剤供給室
40 酸化剤排出室
41 上側断熱体
42 下側断熱体

Claims (8)

  1. 燃料及び酸化剤を含む流体の供給を受けて発電する発電セルと、
    該発電セルを収容する発電室と、
    該発電室に前記酸化剤を含む流体を供給する酸化剤供給経路と、
    前記発電室から前記酸化剤を含む流体を排出する酸化剤排出経路と、
    前記酸化剤供給経路に設けられ、前記流体にNa含有物質を混入させるNa供給手段と、を有する固体酸化物燃料電池。
  2. 前記発電室と、前記酸化剤供給経路の一部を構成する酸化剤供給室と、前記酸化剤排出経路の一部を構成する酸化剤排出室とを内部に備える固体酸化物燃料電池のモジュールを有し、
    前記Na供給手段が、前記モジュールの外部に配置される前記酸化剤供給経路に接続される請求項1に記載の固体酸化物燃料電池。
  3. 前記発電室と、前記酸化剤供給経路の一部を構成する酸化剤供給室と、前記酸化剤排出経路の一部を構成する酸化剤排出室とを内部に備える固体酸化物燃料電池のモジュールを有し、
    前記Na供給手段が、前記酸化剤供給室に配置される請求項1に記載の固体酸化物燃料電池。
  4. 前記酸化剤供給室に、前記Na供給手段から前記Na含有物質が供給されるNa被供給部が設けられる請求項3に記載の固体酸化物燃料電池。
  5. 前記Na被供給部が、多孔質構造を有する請求項4に記載の固体酸化物燃料電池。
  6. 前記Na供給手段が、酸化剤供給室に配置されるガラスである請求項3に記載の固体酸化物燃料電池。
  7. 請求項1に記載の固体酸化物燃料電池において、
    酸化剤を含む流体にNa含有物質を混入する工程と、
    前記Na含有物質が混入された前記流体を、発電セルに到達させる工程と、
    前記Na含有物質が発電部でCr成分を吸着する工程とを有する固体酸化物燃料電池の運転方法。
  8. 発電室内のCr及びNaの量を検知する手段を備え、
    前記検知したCr及びNaの量に応じて、Naの供給量及び供給時間を制御する請求項7に記載の固体酸化物燃料電池の運転方法。
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